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日本型スマートテレビ“Hybridcast”が実現すること、しないこと

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 NHK放送技術研究所の一般公開が5月30日から6月2日まで行われた。今年は2014年の試験放送開始に向けて開発が進められているスーパーハイビジョンと並び、日本型スマートテレビの本命と目される「Hybridcast」(ハイブリッドキャスト)も大きな注目を集めた。前回に続き、AV評論家・麻倉怜士氏に解説してもらおう。

ts_hybrid050.jpgAV評論家・麻倉怜士氏(左から2人目)

——今年もHybridcastは技研1階ロビーの一番目立つ場所に展示されていました

麻倉氏:Hybridcastの展示は今年で3年目になりますが、年内にNHKが試験サービスを始めるとあって、かなり具体的なサービスイメージを掴むことができました。これまで、放送と通信の融合をうたってはいても、本当に必要なのか分からないアプリやサービスが多かったと思いますが、Hybridcastはアイデア次第でかなり面白いことができるようだということが今回の展示で分かりました。諸外国ではネット動画を視聴できるテレビが“スマートテレビ”といいますが、日本ではさらに1段掘り下げ、放送と通信を連携させて実用的かつ面白いコンテンツを作ろうとしています。それこそが日本的スマートテレビ。NHKの発想は的を射ていたのではないでしょうか。

ts_hybrid052.jpgts_hybrid053.jpgNHKのHybridcastトップメニュー。天気予報やニュース、ウィジェットなどを並べられる

麻倉氏:今年の3月29日にIPTVフォーラムが「ハイブリッドキャスト技術仕様 ver.1.0」を公開しました。これには「放送通信連携システム仕様 ver.1.0」「HTML5ブラウザ仕様 ver.1.0」「事業者間メタデータ運用規定 ver.1.0」という3つの仕様が含まれ、対応したテレビと放送番組が登場する環境が整ったことになります。技研公開の開幕(内覧日)に合わせ、東芝が初のHybridcast対応4Kテレビ「Z8Xシリーズ」をリリースしています。

 さて、Hybridcastが従来のスマートテレビと大きく異なるのは、放送番組の“進行”と連動した通信サービスが利用できること。HTML5によりリッチで快適なユーザーインタフェースを実現できること。そして、既にネット上にあるVoDなども活用し、従来より使い勝手の良い環境を作り出せることでしょう。

 具体例を挙げましょう。まずNHKが展示していたEPG「アクティブ番組表」が面白かったです。この番組表には、放送波で取得できる今後1週間の番組表に加え、インターネットから持ってきた過去30日分の番組表が同居しています。「過去番組表」というと“全録”レコーダーを思い出しますが、実は似たようなことができます。もちろんレコーダーでは録画した番組以外は再生できませんが、この番組表では「NHKオンデマンド」にアップされている番組に目印が付いていて、そのまま再生できます。今までは、専用のメニューやボタンからVoDを起動して、メニューから探さなければなりませんでしたが、これは使い勝手が良いと思います。

ts_hybrid016.jpgts_hybrid017.jpg過去番組表。番組に付いている黄色いアイコンはVODコンテンツが存在する目印だ

麻倉氏:また、リモコンの「dボタン」を押すと画面にオーバーレイ表示されるメニューには、ユーザーが好みで天気予報やニュースヘッドライン、各種ウィジェットを並べることができます。つまり操作性としてはデータ放送の延長です。ニュースも従来のデータ放送では非常に限られた文字数になっていましたが、今回の展示ではWebにある「NHKオンライン」のデータをそのまま持ってくる仕組みだそうです。このため表示は早く、情報も多い。しかも制作側も作業効率が高められるメリットがあります。

 一方、驚いたのはテレビ画面にHybridcastの情報をオーバーレイしていることです。これは、「テレビ画面を汚してはならない」とするテレビ制作文化からすると画期的なことではないでしょうか。とはいえ、実際には映像はその分、隠れてしまうわけですから、映像をみている分には実に見にくいインタフェースです。16:9ではなく21:9にして、16:9以外の部分を情報ディスプレイとして使うというアイデアはないのでしょうか。それはタブレットでやればよいといっても、受け身のリーンバック視聴に、前向きのリーン・フォワードのタブレットなどが絶対に必要とあれば、ハイブリッドキャストの将来も曇りがちですね。オーバーレイ問題もなんとかうまく対応してほしいです。

ts_hybrid018.jpgts_hybrid019.jpgts_hybrid020.jpg画面下部にティッカーとして流したり、画面の半分をオーバーレイしたりとニュースの表示もさまざま。もちろん全画面も可能。NHKオンラインで提供している記事がそのまま表示される

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「Richland」はリッチなパフォーマンスを見せてくれるのか

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電力性能比の向上にポイントを置いた小改良

 AMDは、「Richland」ことAMD Aシリーズの新製品、A10/A8/A6各モデルをリリースした。Llano、Trinityに続く、第3世代のAPUである。

 今回試したのは、AシリーズAPUのなかでも最上位となる「A10-6800K」。前世代の最上位APU「A10-5800K」のポジションを引き継ぐ製品であることは、型番が示している。なお、Intel同様、末尾の「K」はアンロックの「K」である。AMDのプロセッサではKの付くモデルが多く、オーバークロックを楽しみたい人の目印になる(関連記事:AMDが第3世代のデスクトップ向けAPU「Richland」を投入)。

og_amda_001.jpgog_amda_002.jpgSocket FM2プラットフォームに対応するAMD Aシリーズのフラッグシップ。型番の刻印の位置がA10-5800Kとは異なる。ただ、同じFM2対応APUであるため、違いはそのくらい

製品名A10-6800KA10-5800KA10-6700
コードネームRichlandTrinityRichkland
コア数444
スレッド数444
定格クロック(GHz)4.13.93.7
ターボ時クロック(GHz)4.44.24.3
L2キャッシュ(KB)2x20482x20482x2048
製造プロセス323232
TDP10010065
DDR3メモリ213318661866
チャネル数022
グラフィックスRadeon HD 8670DRadeon HD 7660DRadeon HD 8670D
GPUコア数384384384
GPUコア周波数(MHz)844800844
DirectXバージョン111111
H/WデコーダーUVD 3.0UVD 3.0UVD 3.0
ソケットFM2FM2FM2

 6000番台のAシリーズでは、CPUコアが「Piledriver」、GPUコアが「Radeon HD 8000」シリーズだ。前者はTrinityから受け継ぎ、後者はTrinityからアップデートされた点だが、GPUコアのアーキテクチャとしては「VLIW4」で大きな変更はない。

 内部アーキテクチャの見直しを図り、消費電力を抑制したうえで、最大周波数をさらに引き上げることに成功したのがRichlandのポイントだ。A10-6800K対5800Kでは、定格クロックが4.1GHz対3.9GHz、Turbo Coreによる最大クロックが4.4GHz対4.2GHzと、200MHzほど引き上げられている。

og_amda_003.jpgog_amda_004.jpgCPU-Zの画面。左がA10-6800K、右が5800Kだ。命令セットやキャッシュレイアウトに変更はなく、違いはクロックが程度

 統合GPUのRadeon HDに関しては、コア数に変更なく384基のまま、しかしGPUコアクロックは844MHzへと、44MHzほど引き上げられた。また、グラフィックス性能に影響する部分として、次のメモリサポートの拡大が挙げられる。

og_amda_005.jpgog_amda_006.jpgGPU-Zの画面。左がA10-6800K、右が5800Kだ。シェーダー数は同じで、異なるのはGPUコアとメモリのクロック

 A10-6800Kでは、DDR3-2133メモリがサポートされる。これは、A10-5800KでDDR3-1866がサポートされた際と同様、オーバークロックメモリを用いてパフォーマンスを引き上げる、ということを意味する。ただし、同じRichlandでも、A10-6700など下位のモデルでは従来同様DDR3-1866までのサポートになるので注意したい。

og_amda_007.jpg今回使用したメモリのSPD情報。AMPとXMP、双方のDDR3-2133モード情報が書き込まれており、マザーボードからプリセットが適用できる

 このように、Richlandの強化ポイントは、電力性能比の向上に加え、CPUコア周波数の向上、GPUコア周波数の向上、そしてメモリの周波数の向上という3つの周波数を引き上げたことだ。

 一方、A10-6800KのTDPは、5800Kと同じ100ワットとされている。1つ下のA10-6700対A10-5700はともに65ワットと、上位APUより緩和される。ただしA10-6700の場合は前述のとおりDDR3-1866までのサポートとなるため、サポート範囲内での動作となると、グラフィックメモリの帯域幅はほぼ同等となる。CPU、GPUコアの周波数の向上分のみのパフォーマンスアップとなるため、A10-6800Kと比べると1つ強化ポイントが減る形だ。

 ソケットは、Trinityと同じFM2が用いられる。チップセットも引き続きAMD A85X/A75/A55が利用される。この点でマザーボードのアップグレードコストはかからない。CPU交換のほかは、場合によってBIOSのアップデートが必要になる程度である。PiledriverのAシリーズAPUも、引き続き100ドル台〜それ以下の価格設定がなされており、手軽に買える高性能GPU統合CPUとして楽しめるだろう。

 それではベンチマークテストで性能を見ていこう。

関連キーワード

Intel対AMD | AMD | APU | Temash | Kabini | 省電力


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変わったのはディスプレイだけじゃない――写真でじっくり見る「VAIO Duo 13」

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ボディデザイン、キーボード、バッテリー動作時間も進化

photoVAIO Duoシリーズの13.3型モデル「VAIO Duo 13」

 「VAIO Duo 13」は従来モデルの「VAIO Duo 11」と同じく、独自のスライド機構「Surf Slider」デザインを採用した13.3型ハイブリッドPCだ。キーボード収納時はタブレットの形状でタッチ操作が可能な「タブレットモード」として扱うことができ、液晶ディスプレイ部をスライドさせて立ち上げることでキーボードが現れ、通常のクラムシェル型ノートPCの形状で操作できる「キーボードモード」に変形する。

 従来モデルからの変化は、まずスライダー部分が小さくなったことが挙げられる。本体幅の3分の1くらいに小型化しつつも、軽い力でスムーズにディスプレイを立ち上げられるのは変わっていない。また、従来機と同様に筆圧検知対応のデジタイザスタイラスが付属するが、右側面にペン置きを備えた。ペンを引き抜くとスリープから復帰する仕組みだ。

photophotophotoスライダー部が従来モデルよりも小さくなったが、軽い力でディスプレイを立ち上げられる特長は変わっていない(写真=左、中央)。右側面にペン置きを備えた(写真=右)

 本体の外観も変わっている。液晶ベゼル部分が狭くなり、ディスプレイが13.3型であるものの、11.6型サイズのVAIO Duo 11と同程度の本体サイズと重量を実現している。また、キーボード面にあったトラックポイントをなくし、新たにタッチパッドを搭載したところも見逃せない。

photophotophotoキーボードの左右に傾斜をつけたボディデザイン(写真=左)。キーボード面にあったトラックポイントは省かれ(写真=中央)、新たにタッチパッドを搭載した(写真=右)
photophotophotoディスプレイを閉じるとタブレットモードになる(写真=左)。正面や(写真=中央)、左右側面にインタフェース類はない。タブレットモード時は若干手前にディスプレイが傾く(写真=右)

 本機はCoreプロセッサー・ファミリーを採用したマシンで初めてConnected Standbyに対応した。スリープ時にも定期的にネットワークに接続し、メールなどの同期が行える。展示機のスペックは、CPUがCore i7-4500U(1.8GHz/最大3GHz)、メモリが8Gバイト、ストレージは128GバイトSSDなど。液晶ディスプレイはフルHD(1920×1080ドット)表示に対応する。インタフェースはUSB 3.0×2、HDMI出力、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力を背面に搭載する。カメラは800万画素のリアカメラを備えた。

photophotophoto展示機のスペックとWindowsエクスペリエンスインデックス(写真=左、中央)。電源ボタンは左側面に配置。各種インタフェースの位置もVAIO Duo 11とは異なる(写真=右)

 第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを搭載したことで、バッテリー動作時間が増えたのもVAIO Duo 13の大きな特徴だ。製品発表会では、同社VAIO&Mobile事業本部VAIO企画部統括部長の森繁樹氏が「Ultrabookで最長のバッテリー動作時間」と本機を紹介。MobileMark 2007で15時間という長さをアピールした。

photophotophoto製品発表会では、VAIO Duo 13のバッテリー動作時間をアピール。MobileMark 2007で15時間(写真=左)、JEITA-BAT1.0、JEITA-BAT1.0(a)、MobileMark 2012の数値はそれぞれ、18時間、11時間、10時間となった(写真=中央)。背面カメラで名刺を撮影し、ゆがみを自動で補正し、文字認識を行うといったデモも行われた(写真=右)
photophoto付属のペン(写真=左)。筆圧検知にも対応する(写真=右)

 カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色を用意。グローバルでは2013年6月中旬から順次発売するという。こちらも日本での発表が待ち遠しいモデルだ。

photophotoカラーバリエーションはシルバーとブラックの2種類を用意する

ソニーストア
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「帰宅前にエアコンON」、パナソニックが7月に対応

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 パナソニックは、スマートフォンアプリ「パナソニックスマートアプリ」を7月中旬に拡充し、エアコン操作機能にリモートによる“運転オン”や設定変更のメニューを追加する。

ts_pana01.jpgパナソニックのルームエアコン「Xシリーズ」

 パナソニックが昨年8月に発表したルームエアコンは、スマートフォンからクラウド経由でリモート操作する機能を備えていたものの、当時の電気用品安全法の技術基準に適合せず、発売前に一部機能を削除した経緯がある。一方、技術基準自体が古いという指摘を受けていた経済産業省はその後検討を進め、5月には省令解釈の一部改正という形で事実上のゴーサインを出していた(→関連記事)。

 今回のアプリ拡充により、一度は削除された「どこでもリモコン」機能が復活。外出先からの「運転オン」に加え、「温度設定」や「風量・風向き設定」といった設定もリモートで行えるようになる。「帰宅前にエアコンを運転オンしたり、リビングから寝室や子ども部屋のエアコンの遠隔操作することが可能。エアコンの新しい使い方を提案したい」(パナソニック)。

ts_pana04.jpgts_pana05.jpgエアコンのメニューに「どこでもリモコン」を追加(左)。温度や風量、風向きもリモートで設定できるようになる

 対応するエアコンは、2012年10月発売の「Xシリーズ」、同じく12月発売の「UXシリーズ」、2013年1月発売の「SXシリーズ」「Tシリーズ」。アプリはAndroid 2.3.3以降もしくはiPhoneで利用できる。

パナソニックスマートアプリのエアコン機能対応時期
エコ情報(電気代の目安をグラフ表示)
使い方ガイド
どこでもリモコン7月中旬
・温度設定7月中旬
・風量・風向設定7月中旬
・運転オン7月中旬
運転オフ
運転状況確認
○は対応済み

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Google Glassはクールか否か──人の顔に装着されたテクノロジーは何をもたらすか

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REUTERS

 米Googleは5月半ばに開催した開発者会議「Google I/O 2013」において、メガネ型ウェアラブル端末「Google Glass」の詳細に迫る4つのパネルディスカッションを開催した。会場には、忠実にも、混雑したトイレも含め、どこへ行くにもGoogle Glassを着用している人たちもいたが、Googleの予定表には、この録画可能な端末を使用する際のエチケットをテーマにしたセッションは含まれなかった。

 Google Glassはモバイルコンピュータとメガネの中間的な端末であり、動画の録画やWebの閲覧を行える。今はまだ選ばれた一部のユーザーにしか配布されていないが、Google Glassは既に2013年の最も話題の最新ガジェットの1つとなっている。ガジェットファンは皆この端末に大いに興奮しているが、一方では、これまで想像だにされなかったプライバシー侵害やポリシー違反につながる可能性をめぐり、議員からカジノ経営者まで、多方面から懸念の声が上がっている。

 「先日、女友達と夕食に出かけたときのことだが、席について30分ほどして、『ねえ、それって何だか落ち着かないわ』と言われた」と語るのは、Googleの開発者会議に参加したITコンサルタントのアレン・ファーステンバーグ氏だ。同氏は1週間ほど前からGoogle Glassを着用しているが、このときは相手に食事を楽しんでもらえるようGoogle Glassを外すことにしたという。

 また別のときには、同氏はGoogle Glassをかけたまま、そうとは気付かずトイレに入ってしまったこともあったという。

 「ほとんどの時間、わたしはGoogle Glassをかけていることをすっかり忘れている」と同氏は語る。

 スマートフォンがPCから進化したのと同じように、ウェアラブル端末をテクノロジーの次なる大きな変化と捉える向きは多い。Appleと韓国Samsungも別の形状のウェアラブル端末を開発中と報じられている。

 Google Glassの試作機では、メガネフレームの右側部分にがっしりとした細長い板状の部品が設置されている。Google Glassは現在、Googleの慎重な審査に通った数千人の早期ユーザーを対象に試作機が約1500ドルで配布されている。配布が始まって以来、人気コメディ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でパロディーにされたり、早期ユーザーをからかうブログが人気を集めたりなど、Google Glassはさまざまなところで笑いのネタにされている。

 Google Glassの問題をもっと真剣に提起している専門家もいる。Google Glassは従来のハンドヘルド端末と比べてほとんど目立たずに動画を録画できることから、悪用の可能性が懸念されているのだ。

 一方、Google Glassは多くのファンも獲得しており、Googleと一部の早期ユーザーは「プライバシーをめぐる懸念は大げさだ」と主張している。従来のビデオカメラと同様、録画中は小さなライトが点滅して、周囲にも分かるようになっている。

 開発者会議では、複数の早期ユーザーが「ジムのロッカーや仕事の会議中など、不適切な場面ではGoogle Glassを外すようにしている」と語っていた。ワシントンD.C.在住のWeb開発者マイケル・エバンズ氏は、Google Glassは長編映画の録画には不向きなはずだが、それでも映画館では同端末を外したという。

 「映画館から追い出される最初の男になりたくなかったからだ」と同氏。

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copyright (c) 2013 Thomson Reuters. All rights reserved.

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ポストKinect!? 国内でも注目集まるインテルのモーションセンサーデバイス

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Intel Perceptual Computing SDK 2013

 アジア最大級のIT見本市「COMPUTEX TAIPEI 2013」の開催期間中(会期:6月4日〜8日)に、インテルが行った記者会見の中で、ジェスチャー・音声認識・顔認識・オブジェクトトラッキングを活用した“Perceptual Computing”に関する発表があった。

 近い将来(2014年後半?)、Ultrabookのベゼル部分には、小型のモーションセンサーモジュールが組み込まれ、ジェスチャーや音声認識(インテルと提携した米Nuance Technologyの音声認識技術「Dragon Assistant」を活用)などによる新しいユーザーインタフェース(UI)機能が標準搭載されるという。

Intel Perceptual Computing SDK 2013、国内でも盛り上がりをみせる!?

 現在、インテルは、Intel Core プロセッサを搭載するPC環境上で、このナチュラルユーザーインタフェース(NUI)を実現するアプリケーション開発のためのSDK(Software Development Kit)「Intel Perceptual Computing SDK 2013」を正式公開している。世界中のエンジニアから従来のキーボード/マウスやタッチ操作とは異なる“新しいUI”によるコンピューティングの在り方・アイデアを募る考えだ。

Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit「Intel Perceptual Computing SDK 2013」の公式リファレンスキットである米Creative Technology製のモーションセンサーデバイス「Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit」

 開発者は、インテルのWebサイトから米Creative Technology製のモーションセンサーデバイス「Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit」を購入し、同SDKをPCにインストールすることで、すぐにNUIアプリケーションの開発に着手できる。将来、Ultrabookに標準的に組み込まれる技術ということもあり、50cm〜10mまで認識できるマイクロソフトの「Kinect for Windows」よりも“近距離(15〜100cm)”での利用が前提となる。高精度に指や手のひらの状態を認識できる他、顔検出(目頭、目じり、口元)や音声認識などにも対応する(Kinect for Windowsのように全身のスケルトン・トラッキングなどはできない)。現在のところ、日本国内では、Kinect for Windowsの方が認知度が高いが、先日行われた「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」のインテル・ブースでは、Intel Perceptual Computing SDK 2013が披露され、多くの来場者が集まっていた(関連記事)。

ESEC2013「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」のインテル・ブースで披露された「Intel Perceptual Computing SDK 2013」によるデモの様子。ディスプレイの上に設置されているのが、同SDKに対応した「Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit」だ

モーションセンサーデバイスの新たな選択肢! 総額1億円のコンテストも!

 あまり知られていないかもしれないが、実は、このIntel Perceptual Computing SDK 2013を用いたワールドワイドのコンテスト「Intel Perceptual Computing Challenge」(コンテスト公式サイト)が現在開催中で、日本国内でもセミナーなどで紹介されつつある。

Intel Perceptual Computing Challenge「Intel Perceptual Computing Challenge」とは、「Intel Perceptual Computing SDK 2013」を用いた世界規模のアプリケーション開発コンテストである。アイデアを募る第1次審査(英語の提案書を提出)を通過(750作品に絞り込む)すると、モーションセンサーデバイス「Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit」が贈られ、第2次審査に向けてアプリケーションを開発しなければならない。第1次審査であるアイデア過程の締め切りは2013年6月17日。第2次審査の開発期間は、同年6月24日〜8月12日である。部門は「Perceptual gaming」「Productivity」「Creative user experience」「Open innovation」の4つが設けられている

 インテルのパートナー企業である東京エレクトロン デバイスは、「モーションセンサーデバイス活用セミナー」を2013年6月5日に開催。Depthセンサーアプリケーションの開発を中心にフリーランスで活動している中村薫氏や、インテル 技術本部 統括部長 亀井慎一朗氏らを講師に招き、現在主流の幾つかのモーションセンサーデバイスの機能・特徴の他、Intel Perceptual Computing SDK 2013を用いたサンプルアプリケーションの事例、コンテストの概要などを紹介した。

中村薫氏亀井慎一朗氏(左)東京エレクトロン デバイス主催の「モーションセンサーデバイス活用セミナー」に登壇した中村薫氏(Microsoft MVP for Visual Studio ALM)。各モーションセンサーデバイスの概要・特徴について説明。「Kinect for Windows」、PrimeSense製チップを搭載した「Xtion PRO LIVE(SDKはOpenNI)」「Creative Interactive Gesture Camera Developer Kit」の各センサーの特徴と、各SDKの機能的な違いや動作環境・開発環境について詳しく紹介した。「これらは一見すると、競合するように思われるが、それぞれ得意不得意があり、使える環境やセンサーの認識範囲・技術方式が各モーションセンサーデバイスで異なる。アプリケーションの用途により“使い分ける”ことが必要だ」(中村氏)と述べた/(右)同セミナーに登壇したインテル 技術本部 統括部長 亀井慎一朗氏。本稿の冒頭で紹介したように、「COMPUTEX TAIPEI 2013」での発表を踏まえ、将来のUltrabookの方向性(小型のモーションセンサーモジュールと音声認識による新しいUIの搭載)について説明。さらに、現在、英語版しか公開されていない「Intel Perceptual Computing SDK 2013」の“日本語化”についても「近い将来実現する」とした

SDKの基本機能比較(1)比較(2)

比較(3)比較(4)比較(5)中村氏の講演では、「Intel Perceptual Computing SDK 2013」で提供されている基本機能の紹介の他、「Kinect for Windows」「OpenNI」「Intel Perceptual Computing SDK 2013」の比較資料を紹介(中村氏の講演スライドより)

 また、インテル自身も、第1次審査(アイデア募集)の締め切り(2013年6月17日)が迫るIntel Perceptual Computing Challengeへの国内参加者への支援として、セミナーなどを企画。6月12日に「Perceptual Computing Developer セミナー 東京」を開催する他、コンテストに向けたアプリ企画・アイデア出しなどを行う「Perceptual Computing Ideathon(アイデアソン) 東京」を6月15日・22日に実施する計画だ(インテルのセミナー・イベント告知サイト)。なお、「英語に自信のない人には、インテルが翻訳のサポートも行う」(亀井氏)という。

デモ(1)デモ(2)デモ(3)

デモ(4)デモ(5)デモ(6)「Intel Perceptual Computing SDK 2013」のサンプルアプリケーションと、東京エレクトロン デバイス主催の「モーションセンサーデバイス活用セミナー」で展示されていたアプリケーション事例

次世代エンベデッド コーナー

次世代エンベデッドコーナー

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スーパーでSIMカードが買える理由 「MVNE」でさらに身近になるMVNOサービス

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 LTEなど高速なモバイル回線とスマートフォンの普及により、既存の通信事業者から設備を借り受けて通信サービスを行う「MVNO」への注目が高まっている。

 これまでのMVNO、特にモバイルデータ通信で一般的なのが、大手キャリア(MNO)と同じ内容のサービスを他社(MVNO)のブランドで再販するケースだ。料金もキャリアが設定する定額制料金より大きく変わらず、提供企業が独自のポイントを上乗せして差別化を図るケースが多い。しかし最近は、キャリアのサービス内容とはかけ離れた、制限はあるが料金を低く設定したMVNOサービスが目立ってきた。

 画一的だったモバイル通信サービスが、MVNOによって多種多様な内容に細分化しつつある。その流れを加速させるのが、MVNOが借り受けた回線をさらに再販するMVNEという存在だ。単独ではキャリアとの交渉が難しい、またはニーズやアイデアはあるがモバイルに関するノウハウやリソースが少ない——といった企業でも、MVNOを仲介役として回線を借り受けれ、よりきめ細かい、あるいは専門性や独自性を高めた通信サービスを提供できる。

 老舗インターネットサービスプロバイダー(ISP)であるインターネットイニシアティブ(IIJ)も、MVNOとして独自のモバイル通信を提供する一方、MVNEとしてパートナー企業に通信回線を卸す立場だ。ワイヤレスジャパン2013のIIJスペシャルセッションでは、MVNEとしての同社の姿も紹介された。

法人と個人、取次と再販。4つに分類できるMVNEモデル

photoIIJのスペシャルセッションに登壇した同社サービス戦略部の青山直継氏

 IIJのMVNE事業は、ユーザーが法人か個人か、また販売形態が取次か再販かで大きく4つに分けられる。それぞれでパートナー企業の分野や規模も想定されており、また利用するMVOの回線(IIJの場合はNTTドコモとイー・アクセス)も決まってくる。

 法人・個人を問わず、取次モデルは小ロット単位で契約した1回線づつをエンドユーザーに販売するパターンだ。法人向けではパートナーである中小のSIerやサービス事業者がクライアントへ販売することが多く、個人向けでは各種小売店(スーパー、家電量販店、携帯電話販売店、ECサイトなど)がコンシューマー向けに販売している。サービスは基本的にIIJブランドのままであり、エンドユーザーへのサポートや決済(ビリング)はIIJが行う。パートナーは回線を販売することで、IIJから手数料を得る。

photophotoMVNOビジネスを仲介するのがMVNE(写真=左)。IIJモバイルは法人と個人向けに、回線の取次と再販を行っている

 取次モデルの一例が、個人向けのIIJmioブランドサービスを全国のイオンで販売する「」だ。また6月5日発表されたビックカメラグループ向けの「IIJmioウェルカムパック for BIC SIM」もこれに含まれる。イオンやビックカメラグループはパートナー企業としてパッケージをエンドユーザーに販売するが、開通手付きや決済、サポートはIIJが行う。

 もう1つのケースが再販モデルで、こちらはエンドユーザーとの契約や決済、サポートをパートナー企業が行うパターン。法人向けなら大手のSIerやM2M事業者、個人向けなら既存のISPやCATV、サービス事業者などを想定している。ある程度のユーザー規模が必要になるため、すでに通信サービスを提供している企業がモバイルサービスを開始する場合に選ばれるという。

photophotophotoエンドユーザーが法人の場合のMVNEモデル
photophotoエンドユーザーが個人の場合のMVNEモデル

 同社の再販モデルで代表的なのが、モバイルクリエイトがタクシーやトラックなどの運送事業者向けに提供する「ボイスパケットトランシーバー」だ。業務用無線は利用者が無線設備を用意する必要があり、免許の取得や運用コスト、通信可能エリアの狭さといった課題があった。それをドコモのFOMA網を使ったVoIP(従来の無線通信と同じく半二重)で代替するのがこのシステムだ。IIJはモバイル通信を使ったアクセス網だけでなく、VoIP基盤や自動配車システム、FeliCa決済システムを集約したクラウドサービス、それらを閉域接続で結ぶネットワークサービスも提供している。

photophotoモバイルクリエイトの「ボイスパケットトランシーバー」。タクシーやトラックなどの運送事業者向けに提供している

 再販モデルでは回線単位だけでなく、M2M利用を想定した帯域単位での卸売りも用意されている。1回線ごとの通信速度はさほど必要ないが、多数の機器と通信する場合に有効だ。IIJでは1Mbpsからの販売が可能で、端末の数に合わせてSIMを発行する。わずか1Mbpsだが、M2Mでは数十Kbpsもあれば十分なため、かなりの端末を管理できるという。

街のスーパーで格安モバイル通信を買う時代

 IIJがMVNOとして、またMVNEとして大きく期待しているのが、個人向け低価格SIMの普及だ。特にイオンで販売しているIIJmioウェルカムパックforイオンは、従来とは違った販売チャンネルでの流通であり、購買層を拡大する可能性がある。

photo「IIJmioウェルカムパックforイオン」

 IIJサービス戦略部の青山直継氏は、「イオンで販売した当初は、MVNOのSIM製品に詳しいユーザーが指名買いをすることが多かった。だが最近は、日常的にイオンを利用している、主婦やシニア層の購買が増えてきた」と話す。4大キャリア以外の選択肢が徐々に浸透していることに、手応えを感じているという。

 またイオンは通信回線だけでなく、動画配信サービスのビデオマーケットと組んだ「ファミリービデオ」など、独自のスマホ向けサービスも展開し始めている。フィーチャーフォンからスマートフォンへのシフトが進み、SNSやソーシャルゲームの利用スタイルも変貌を遂げた。さらに、LINEに代表されるコミュニケーションアプリやIP電話アプリが台頭したことで、携帯電話の音声通話やキャリアメールを使う頻度も減ってきている。

 青山氏は「MVNOなら、キャリアが提供する“フルスペック”のサービスではなく、ユーザーごとに必要なサービスを見合ったコストで提供が可能だ。スマホ化はサービスの使い方だけでなく、買い方も買えつつある。MVNOが広がることで、モバイルの新潮流が開けるのではないだろうか」と、今後への期待を寄せていた。

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Microsoft、5件の月例セキュリティ情報公開を予告

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 米Microsoftは6月の月例セキュリティ情報を6月11日(日本時間12日)に公開する。内訳は、深刻度が最も高い「緊急」レベルが1件と、上から2番目の「重要」が4件の計5件。6日の事前通知で予告した。

 緊急レベルの1件では、Internet Explorer(IE)に存在するリモートコード実行の脆弱性に対処する。脆弱性はIE 6〜IE 10までの全バージョンに存在し、クライアント版のWindowsが特に深刻な影響を受ける。

 残る4件ではWindowsに存在する情報流出、サービス妨害(DoS)、権限昇格の脆弱性と、Officeに存在するリモートコード実行の脆弱性に対処予定。Officeの脆弱性は、Office 2003 Service Pack 3とOffice for Mac 2011が影響を受ける。

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記録密度上昇率が鈍るHDD、これからは電力コストを下げる「シールド/ヘリウムHDD」

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HGSTのストレージ装置

 ストレージ装置は、データセンタなどにおけるデータ量の増大や、携帯情報端末の高機能化と需要拡大などにより、事業機会が拡大する。同時に大容量化や消費電力の低減、コストダウンなどを実現していくための新技術や新製品の開発が求められている。こうした中、新たなストレージ装置として不揮発性メモリを搭載したSSD装置が注目されている。しかし、企業向けを中心に2020年ごろまでは引き続きHDD装置が市場をけん引していくという見方が強い。

tm_130606hgst01.jpgHGSTでプロダクトマーケティングのバイスプレジデントを務めるBrendan Collins氏

 HGSTの日本法人であるHGSTジャパンは2013年6月、ストレージ装置の市場や技術動向などについて、東京都内で記者説明会を開催した。市場動向について、HGSTでプロダクトマーケティングのバイスプレジデントを務めるBrendan Collins氏は、「クラウドサービスやSNS(Social Networking Service)などの本格化により、記憶するデータ容量が増大し、ゼタバイト(ZettaByte)の時代を迎えている。しかし、ストレージメディアは記録密度の上昇率が限界を迎えつつあり、記憶容量確保のためにストレージ装置の出荷台数が増えている。また、携帯情報端末への対応などからストレージ装置の薄型・軽量化が求められている」と話す。

 同社によれば、2012年から2016年までの企業関連データの年平均成長率は55%の増加が見込まれている。これに対して、ストレージメディアにおける記録密度の年平均成長率は20%増にとどまる。つまり、データ量の増加率が記録密度の成長率を大きく上回ることになる。他方、ストレージ装置全体の成長率は台数ベースで3.1%増だが、セグメント別の成長を見ると、企業向けSSD装置は47.4%増、個人の記録用HDD装置が21.9%増と大きく伸びる半面、デスクトップPCやモバイルPC向けHDD装置はマイナス成長となる予想だ。ストレージ装置の記憶容量は、クラウドサービスがけん引し、需要の成長エンジンとなる。特に大きな記憶容量を必要とするのは「ビッグデータ解析」と「コールドストレージ」である

tm_130606hgst02.jpgtm_130606hgst03.jpg左は2012〜2020年のストレージ装置の需要予測、右はストレージメディアにおける記録密度と増大するデータ量の推移 (クリックで拡大) 出典:HGST

データセンタの進化とTCO

 ストレージ装置の需要拡大にはTCO(Total Cost of Ownership)の低減が大きな要因となる。Collins氏は「TCOの評価基準としては『消費電力』や『冷却効率』、『信頼性』などを挙げることができる」と述べた。例えば消費電力を試算すると、HDD単体で1Wの消費電力を削減できれば、フルに5年間HDD装置を使った場合に43.8KWhを節約できる。これがサーバーあたり12台のHDDを搭載していれば525.6KWhとなる。さらにデータセンタなどでこのサーバーを2万5000台使っていれば、1314万KWhの節電となる計算である。これを米国の電力料金に換算すれば、5年間で90万米ドルも電気代を削減できることになる。

 信頼性を向上することでもTCOの低減につながる。Collins氏は、「平均故障間隔(MTBF)が120万時間から200万時間となれば不良件数は4割削減され、不良対策のためのコストを数百万米ドルも低減する効果がある。その上、システムの稼働時間を向上することになる」という。

tm_130606hgst04.jpgHDDの信頼性を向上すればTCOを低減することができる (クリックで拡大) 出典:HGST
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あきんどスシローが「うまい、安い、早い」本当の理由

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 ビッグデータという言葉が社会に広く浸透した昨今、多くの企業がデータ分析に関心を寄せている。任意の視点でデータを可視化できるリッチなダッシュボード機能を持ったBI(ビジネスインテリジェンス)製品も充実し、導入企業は年々増える傾向にある。だが一方で、「データはあるが活用法が分からない」「分析を収益につなげる方法が分からない」といった課題に悩む企業も増えてきた。では一体どのようにデータを扱えば分析をビジネスメリットに還元できるのだろうか?

 2013年5月27日、28日に東京・品川で開催された「ガートナー ビジネス・インテリジェンス&情報活用サミット 2013」において、回転ずしチェーンを営む、あきんどスシローによるBI活用事例が紹介された。あきんどスシローでは、すし皿の裏にICタグを張り付けるなどして年間15億件にも上る“ビッグデータ”を収集、活用しているという。同社の場合、これをどのようにしてメリットにつなげているのだろうか? 同社 情報システム部 部長 田中 覚氏の講演からデータ活用のポイントを探る。

年間1億人に10億皿のすしを提供 15億件のデータをどう生かすか?

 あきんどスシローは「うまいすしを、腹一杯。うまいすしで、心も一杯。」という企業理念に基づいて回転ずし店を運営。現在、北海道から九州まで全国に347店舗を展開し、正社員、パート・アルバイトを合わせた従業員は3万2000人を数える。年商は約1200億円。年間で1億人以上の来店客に10億皿のすしを提供している。

“弥生のSaaS”は個人店を変えるか 普及に向けた岡本社長の「次の一手」

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photoやよいの店舗経営 オンライン

 弥生は、2012年9月に同社初のクラウドサービス「やよいの店舗経営 オンライン」をスタートした。当初は1年間で3000ユーザーの獲得を目標としていたが、約9カ月たった現在のユーザー数は約100と低調だ。「運営する中でさまざまな課題が見えてきた。1つ1つの課題を解決し、徐々に普及を図っていきたい」と、岡本浩一郎社長は巻き返しを狙う。

 やよいの店舗経営 オンラインは、小売業や飲食業、理美容業などを営む小規模事業主向けに、経営管理ソフトの機能をクラウド経由で提供するサービス。ユーザーは、日々の入出金や売り上げ日報などをWebサイト上で登録することで、売り上げや利益の進ちょく/予測といったデータをグラフ化して閲覧できる。

 事業主は、弥生が提携しているパートナー会計事務所(PAP)経由で同サービスを利用する。登録した記帳データはクラウド上にアップロードされ、PAPと共有することで、遠隔地からでも会計士による経営上のアドバイスなどを受けられる仕組みだ。

photo岡本浩一郎社長

 「事業主にとっても会計事務所にとってもメリットのあるサービス」と岡本社長は胸を張る。だが実際に運営していく中で、普及に向けて大きく2つの壁が浮き上がってきたという。

 1つ目の壁は「会計事務所に“繁忙期”があること」(岡本社長)。会計事務所は一般的に、12月〜翌年5月頃までは法人決算の申告などで繁忙期となる。「そうしたタイミングで会計事務所に新しい種類のサービスをアピールしても、なかなか受け入れてもらうのが難しかった」と岡本社長は明かす。

 2つ目の壁は、同サービスが複数店舗での利用に対応していなかった点だ。「パートナー会計事務所に話を聞くと、複数の店舗をまたいで経営管理を行いたいという顧客ニーズが意外と多かった。しかし、これまではそうしたニーズに対応できる機能を用意していなかった」(岡本社長)

 そこで、繁忙期を抜ける6月以降にPAP向けプロモーションを再び強化するほか、11月には複数店舗に対応する機能も追加するという。さらに、会計事務所との取り引き経験のない新規事業主向けに、弥生が直接コンタクトを取ってPAPを紹介するサービスなども展開するとしている。これらの取り組みが「普及に当たって1つの大きなターニングポイントになれば」と岡本社長は期待を込める。

 また、2013年末までをめどに、やよいの店舗経営 オンラインに次ぐ第2弾のクラウドサービスも投入予定という。サービス詳細は明かされていないが、「起業したばかりで会計の知識が浅い小規模事業主でもライトに使えるサービスにしたい」と岡本社長は話している。

会計ソフトのクラウド化は

 弥生が発表した2012年度の売り上げは102億3000万円と、前年比6%増のプラスを記録。やよいの店舗経営 オンラインのユーザー数は目標に及ばなかったものの、現時点で同サービスが同社の売り上げ全体に及ぼす影響はそう大きくないとのことだ。

 岡本社長によると、同社はやよいの店舗経営 オンラインなどの新規事業に取り組む一方、今後は弥生会計などの主力ソフトのクラウド化にも取り組んでいくという。ただし、それは会計ソフト全体の機能をクラウドサービスとして提供するのではなく、データベース部分だけをクラウド上に用意し、デスクトップ版アプリからアクセスして利用するイメージになる予定という。

 「会計ソフト全体をクラウド化しようとすると、どうしてもパフォーマンス面などがデスクトップ版と比べて劣ってしまう。そこで現在、データの部分だけをクラウド上に保存できる仕組みを開発しており、“場所を選ばず使える”といったクラウドならではのメリットを提供できるよう準備している」と岡本社長は話す。

 具体的には、2014年末の提供開始を目標に、Microsoftのクラウド型リレーショナルデータベース「Windows SQL Azure」を基盤として開発していくという。

 一方、同社はパッケージ版の会計ソフトも継続して提供していく考えだ。「当社のクラウドサービスへの取り組みは、あくまで顧客にプラスの価値を提供するのが目的。マイナス面が出てしまうものなら顧客に無理強いはしないし、今後もパッケージ版とクラウド版という2つの選択肢を提供していく」と岡本社長は話している。

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SNSくらい自由にさせろ! 伝統的社風を破壊する「やっかい者集団」との戦い

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 東京・港区に本社を構えるソフトウェア開発企業のX社。同社の取締役のM氏が筆者の主催する研究会に、2年振りに聴講しに来た。研究会の終了後、懇親会にも同席したが、その中である相談を持ちかけてきた。その数日後、たまたま半日程度の空き時間ができたので、M取締役に相談の具体的な内容を伺いに向かったのである——。

(編集部より:本稿で取り上げる内容は実際の事案を参考に、一部をデフォルメしています。)

事例

 X社は主に、データベースを利用した会計システムのソフトウェアを企業に納入している。最近のスマートフォンブームにあやかり、同社でも新規に事業部を立ち上げ、スマートフォンアプリの制作に乗り出した。スマートフォンアプリは、同社の主軸である基幹系システムの開発とは毛色が違うものの、今までのソフト開発経験から技術力に自信があったという。新規事業部ではスマホアプリに興味があり、趣味でもアプリを作成しているようなマニアックな技術者たちを集め、本社内ではなく埼玉県さいたま市にビルを借りて事業を行っていた。

事案

 同じソフト開発といっても、基幹システム向けとスマートフォン向けでは文化が全く異なっていた。事業拠点も違う場所にあるので、新規事業部の責任者で筆者の友人でもあるM取締役は、「早く軌道に乗りたい」という思いから、本社とは異なる制度を取り入れ、相当に自由な業務環境を作り上げていた。実態としては、新規事業部の技術者たちのわがままを責任者であるM取締役が受け入れてしまったようだ。

 M取締役の相談とは、最近になってその弊害があちこちに生じるようになったというものだ。本社と違う規則や習慣、また、暫定的に許可してしまったものについて、早急に本社から対処を決める様に催促されている。M取締役は新規事業部の責任者として、社長やほかの取締役からその決断を迫られているということであった。

回答

 本件で筆者は、M取締役には友人という立場から提言することで対応した。だが、それ以降に行う助言については費用がかかるということをX社側にきちんと伝え、了解を得た。このM取締役には、昔から事をあいまいなままに進めてしまう欠点があった。それが、今回のトラブルの根本的な要因になっているということを、まず筆者は“友人”としてM取締役に話した。

 そもそも取締役とはいえ、全社的なものとは異なる規則などを勝手に作ってもよい権限など持っていない。権限を逸脱しているのだ。だが、M取締役はX社の社長とも創業時から友人関係にあり、新規事業を早期に単年度黒字にさせたいという意向を社長にも語っていた。M取締役のそういった気持ちに押されて本社も「黙認」してきたのだろう。それくらいのことは、筆者も簡単に理解できた。

 X社の取締役室で話を聞くこと2時間半。そこで分かったのは、情報セキュリティを含めたさまざまな新規事業部の“文化”を正そうとしても、本社とは違う規則(技術者集団にとって都合のいい規則)が壁になっているということだった。

 筆者は、まず「本社と同じ規則に戻すようにしなければいけない」と話した。どちらかというと筆者の考えはM取締役に近いもので、おおらかさを好み、「成果さえ出してくればいい」と思っている。だが、本社での社風や社長の性格、従業員の動向とは大きく異なる。新規事業部は、X社の長所を潰してしまう可能性すらあった。

 新規事業部を異端者扱いする本社は最悪の場合、あらゆる理由を突きつけて、全社を挙げて閉鎖に追い込むに違いないとも感じた。筆者もそういうトラブルを抱えた会社を幾つも経験しているので、まず間違いない。M取締役のこれまでの言動からも、そういう兆候が端々に見受けられたからだった。当の本人はそれに気が付かないし、そこが彼の長所でもあり短所でもあるのだが……。

 そこでM取締役には、「少しずつ本社の環境に合わせていきます」ということを新規事業部の技術者集団に納得させ、口にするだけでなく実行に移し、遅くとも1年後には本社の就業規則やその他の規則が通用する環境にすべきだと諭した。ただ、情報セキュリティに関する懸案事項の中には、本社でも方針が決まらない状況の中で、いますぐ決断しなければいけないものがあった。この相談の中で一番に揉めることになるとも予想され、実際に対応を実施すると、新規事業部の数人が退職してしまった案件は次のものである。

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タブレットの人気機能ベスト3、ワースト3

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 他の人はタブレットで何をしているのだろう? 興味を引く話題だが、先ごろ行われた調査によって、タブレットの最もポピュラーな利用方法と、ほとんど利用することのない機能が明らかになった。

 この調査は、オンラインショッピングサービスを運営する米BuyViaが実施。調査回答者が所有するデバイスをモデル別にみると、AppleのiPadが全体の60%、Amazon Kindle Fireが17%、Samsung Galaxy Tabが10%、Google Nexusが4%、Microsoft Surfaceが1%、その他のモデルが9%だった。

なぜ日本企業はAWSを採用するのか

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 アマゾン データサービス ジャパンは6月5日〜6日の日程で、自社のサービスや先進的なユーザー事例などを紹介するプライベートイベント「AWS Summit Tokyo 2013」を開催した。2日目のオープニングキーノートでは、同社の長崎忠雄社長が登壇。クラウドサービス「Amazon Web Services(AWS)」がなぜ多くの企業に支持されているかについて、具体的な事例を交えて解説した。

アマゾン データサービス ジャパンの長崎忠雄社長アマゾン データサービス ジャパンの長崎忠雄社長

 現在、AWSのユーザーはグローバルで数十万社、日本でも2万社を超える。特に日本法人が設立してから約2年3カ月の期間でここまで顧客数を伸ばしているのは驚くべきスピードであるといえよう。長崎氏によると、企業がAWSを導入するのは大きく6つの理由があるという。それは「初期コストなしでサービスを利用できること」「低い運用コスト」「柔軟な容量」「速度とアジリティ」「コアコンピタンスへの集中」「世界展開」である。

 例えば、初期投資について、従来はサーバやストレージ、ネットワークなどのシステムを導入するだけで数千万円から数億円、さらにはそれ以上の費用がかかったが、AWSはサービスを利用した分だけ支払えばいい。速度とアジリティに関しては、サーバインスタンスの調達をわずか数クリック、時間にして1分程度で可能である。また、クラウド活用によってIT部門はインフラの運用管理などの業務から解放されて、コアコンピタンスに集中できるようになるという。

 これらのサービスの特徴に加えて、エンジニアが対面式で導入などを支援する「AWSサポート」、コンサルティングプログラムの「AWSプロフェッショナルサービス」、AWSのサービスとソリューションを習熟するための「AWSトレーニング」、AWSに関する知識とスキルを認定する「AWS認定プログラム」などへのニーズの高さも多くの支持を集める所以なのだという。「我々は常に顧客の声に耳を傾けている。すべての製品やサービスは顧客に喜んでもらいたいという思いが前提にあるのだ」と長崎氏は力を込める。

 では、ユーザー企業はどのようにAWSを活用しているのか。この点についても長崎氏は6つの特徴を挙げる。1つ目は、開発・検証環境としてクラウドを利用するということ。2つ目は、クラウド上で新規アプリケーションを構築するということ。3つ目は、クラウドを使ってオンプレミスのアプリケーションをより良いものにするということ。4つ目は、クラウド上の新規アプリケーションに既存のオンプレミスアプリケーションを統合するということ。5つ目は、既存のアプリケーションをクラウドに移行するということ。最後は、すべてをクラウドで動かすということである。

三井物産 理事 IT推進部長の前川一郎氏三井物産 理事 IT推進部長の前川一郎氏

 その中の1社としてキーノートの壇上に登場したのが、三井物産 理事でIT推進部長を務める前川一郎氏だ。同社はグローバルビジネスを支える柔軟かつ俊敏なIT基盤を検討するプロジェクト「ITランドスケープ」を2010年に立ち上げた。そこでの具体的な施策として、グローバルにWANとLANを統合、集中管理、制御されたネットワークの構築、ハイブリッド型クラウドによる迅速性、拡張性、低価格性、信頼性、セキュリティ確保の実現、SAPの基幹システムを海外現地法人、主要国内関係会社にクラウドベースで提供、といった要素を盛り込んだ。そうした中、クラウド基盤として選択したのがAWSである。

 現在は、基幹システムおよび部門個別システムの開発・テスト環境や、海外店のバックアップシステムとしてのBCP環境で活用しており、今後は本番環境での利用を検討していきたいとした。

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第1回 サイズ感はどう? スペックは?――「ELUGA P P-03E」

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 NTTドコモのパナソニック モバイルコミュニケーションズ製スマートフォン「ELUGA P P-03E」は、初めてスマートフォンを使うユーザーを意識した、ケータイライクなUI(ユーザーインタフェース)が特徴のコンパクトなモデル。防水・防塵性能を備え、FeliCa、赤外線、Wi-Fiなどにも対応する高機能な"全部入り"スマホでもある。スペックだけでは語ることのできないデザインや持ちやすさにもこだわった。ドコモは6月8日から端末の予約を開始し、6月15日に販売を開始する予定だ。そんなELUGA Pの使い勝手を、数回にわたってレビューしていきたい。

photophoto「ELUGA P P-03E」。ボディカラーはゴールド、ブラックの2色

質問:持ち心地はどう?

 スマートフォンは毎日触るものなので、手にしたときの心地よさは重要だ。ELUGA Pは、約4.7インチの1080×1920ピクセルのフルHDディスプレイを搭載しながら、本体サイズが約65(幅)×132(高さ)×10.9(厚さ)ミリ、重さが約146グラムとコンパクトなサイズに収まっている。

photophotoラウンドフォルム形状でコンパクトなサイズの「ELUGA P P-03E」。
photophoto端末の上部(写真=左)と下部(写真=右)。端末上部にはイヤフォンジャックと外部接続端子があり、下部にはストラップホールがある

 ELUGA Pの特徴でもあるラウンドフォルムは小さな手でも持ちやすく、片手での操作を快適にする。フラットな形状の「iPhone 5」や「Xperia Z SO-02E」と比べると、背面の丸みがよく分かる。iPhone 5も4隅は丸みを帯びているが、ELUGA Pは背面から側面にかけても丸みを帯びているので、より持ちやすい。

photophoto左から順にELUGA Pと「iPhone 5」。iPhone 5も4隅の角は丸く処理しているが、背面はフラットな形状だ
photophotoパープルカラーでフラット形状の「Xperia Z SO-02E」とELUGA Pを比較した。角張ったXperia Zと比べると、ELUGA Pのラウンドフォルムが際立つ

 ディスプレイのパネル表面には耐指紋フッ素コーティングを施し、タッチ操作で気になる汚れを防ぐ。多少の指紋は残るが、さほど気になるものではなかった。ディスプレイ以外の部分についても、明るい色合いのゴールドは背面をぺたぺたと触っても指紋はほとんど残らない。幅約0.4ミリのフレーム部分も、指紋の付着については気にならなかった。

photophotophoto耐指紋フッ素コーティングを施したディスプレイ画面。多少の汚れは残るが、ほとんど気にならない(写真=左)。背面にはメインカメラ、赤外線ポート、FeliCaマークがある。ゴールドカラーは明るい色合いで指紋が残りにくい(写真=中央)。側面のフレームも触ってみたが、指紋は気になるほどではなかった(写真=右)

 ホームキーは、耐摩耗性のある「ブラック ジルコニアキー」を採用し、表面では唯一の物理キーとなっている。ディスプレイは「ELUGA X P-02E」と同じく静電式タッチパネルだが、ELUGA Pでは高感度近接のタッチパネルを搭載したことで、より操作性が高まった。

photo耐摩耗性のある「ブラック ジルコニアキー」を採用したホームキーは、端末表面では唯一の物理キーだ

質問:片手で操作しやすい?

 ELUGA Pは4.7インチのディスプレイで幅65ミリとコンパクトなサイズだが、片手で持ちながら画面上部をタッチするのは難しい。だが、ELUGA Pは片手で快適に操作するための工夫が見られる。

 ロック画面には、指をかざした部分に解除ボタンやショートカットアプリが表示される「フィットロック」を採用し、片手でも簡単にロックを解除できる。

photophotophotoディスプレイは約4.7インチとまずまずの大きさなので、画面上部に片手でタップするのは難しい(写真=左)。右手で左端下段のアイコンにタップすることはさほど困難ではない(写真=中央)。ロック解除は指をかざした位置に解除アイコンが表示される。画面に触れることなくロックを解除できるタッチアシスト機能を搭載している(写真=右)
photoロック画面にはカスタマイズ可能なショートカットアプリも表示される。カメラやメールなどのアプリをすぐに起動できる

 画面を引き下げることで、画面上部を片手でタップできる「ワンハンドPLUS」機能は、画面下部の矢印を上にフリックすることで操作できる。

photo「ワンハンドPLUS」を使えば、画面を引き下げることができる。ワンタッチで操作できるので、ストレスはない

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ドコモ、「音声通話で定額料金採用を検討」報道を否定

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 一部報道機関が6月7日、NTTドコモが音声通話において、2014年度をめどに月額1000円前後の定額料金を採用する検討を始めた——と報じたが、ドコモは「当社が発表したものではございません。また現時点において、決定した事実はございません」とコメントした。また同社広報部によると「検討も始めていない」とのこと。

 ドコモは、月額1480円でドコモ同士の国内通話料が24時間無料になる「Xiトーク24」を提供しているが、他キャリアの携帯電話や固定電話あてには、30秒ごとに料金がかかる従量課金制を採用している。

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全国でデマンドレスポンスを開始、節電要請に応えると電気料金を割引

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 エネットは顧客と協調して実現する法人向けデマンドレスポンスサービス「EnneSmart」を2013年7月1日から全国で展開する。2012年7月から関東圏と関西圏に限定して開始し、数十のビルで提供してきたサービスを全国に広げる形だ。

 エネットは企業向けに電力を販売できる「特定規模電気事業者」の中で最大手の企業。同社から500kW以上の契約電力を購入する法人を対象としたサービスだ。

 EnneSmartサービスの基本的な考え方は、翌日に需給がひっ迫するかどうかをエネットが予測。もしひっ迫する場合は、顧客の就業時間中に節電要請を伝える(図1)。特定の時間帯を指定した形で、顧客ごとに定めた消費電力量の基準値以下になるよう節電してほしいという依頼だ。ただし、基準値からどの程度節電しなければならないかという要請ではない。具体的な節電量は顧客の判断に任されている。

 図1にあるリベートは節電に対するインセンティブだ。当月の電気料金を節電量に応じて割り引く。非常に分かりやすい動機付けである。なお、契約上は当日の午前中にひっ迫が予測できた場合、当日の午後から要請する場合もあり得るという。

yh20130607Ennet_service_416px.jpg図1 デマンドレスポンスサービスの基本的な流れ。出典:エネット

 EnneSmartには細部が異なる2種類のサービスがある。「レスポンス」と「レスポンスLight」だ。レスポンスは大部分の節電要請に応えられるような顧客に向けたサービスであり、レスポンスLightよりもリベートの額が大きい。

 レスポンスでは基準値以下に抑え込む節電が実行できなかった場合に一種の「ペナルティ」がある。基準値を上回った量を、月内で基準値以下に節電を実行できた量と合算して計算する。なお、ペナルティとはいえ、合算した値が節電になっていなかった場合でも割り増し料金が請求されることはない。

 一方、レスポンスLightでは基準値以下の節電を実行できなかった日の数値は全く考慮に入らない。特定の時間帯には節電要請に応えられないという企業に向いたサービスだ。

見える化サービスで支援

 エネットは電力の供給先となる顧客に対して、「いんふぉエネット」サービスを提供している(図2)。これは見える化サービスの一種であり、30分ごとの実績使用電力をWebブラウザから閲覧できるというものだ。今回のレスポンスやレスポンスLightでは、いんふぉエネットの画面を顧客の管理者などが閲覧し、節電が実行できているかどうか、その場で分かるようにした。節電の規模が不足していた場合、顧客側で即時の対応が可能になる。

yh20130607Ennet_info_590px.jpg図2 いんふぉエネットの画面例。出典:エネット

 エネットは今回のEnneSmart以外にもデマンドレスポンスサービスを限定的に提供している。例えば、マンション向けの「EnneVision」(関連記事)や、顧客側のガスコージェネレーション(自家発電)を利用した「Smart Saving Power」である。「現在はEnneSmartとこれらのサービスを統合するスケジュールが見えていないものの、最終的にはネガワット市場として融合していくと考えている」(エネット)。

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GIGABYTEブースにHaswell搭載の手のひらサイズPC、未発表のIntel 8マザーも

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超小型PC自作キット「BRIX」にHaswell搭載モデル

photo手のひらサイズのPC自作キット「BRIX」

 COMPUTEX TAIPEI 2013におけるGIGABYTEブースは、手のひらサイズの超小型PC自作キット「BRIX」、Intel 8シリーズ搭載マザーボード、プレゼン用マウス「Aivia Neon」を中心にアピールしている。

 BRIXは107.6(幅)×114.4(奥行き)×29.9(高さ)ミリ、約400グラムの超小型PCで、インテルのNUC(Next Unit of Computing)と似ているが、独自のフォームファクタとしている。VESAマウントで液晶ディスプレイの背面に固定できるのも特徴だ。CPU付きのマザーボードを搭載し、メモリとストレージ(mSATA SSDなど)をユーザーが取り付ける。

photophotophoto正面にUSB 3.0(写真=左)、背面にUSB 3.0、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、有線LANポートを備える(写真=中央)。左右側面には排気口を配置する(写真=右)
photoBRIXはモバイルプロジェクターと合体したモデルなどいろいろなバリエーションがある

 2013年5月末に発表した際は、Core i7-3537U(2GHz/最大3.1GHz)、Core i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)、Core i3-3227U(1.9GHz)、Celeron 1037U(1.8GHz)を搭載する4モデルだったが、COMPUTEX TAIPEI 2013ではHaswell世代のCPUであるCore i7-4500U、Core i5-4200U、Core i3-4100U、Core i3-4010Uを搭載するモデルも展示していた。インタフェースはUSB 3.0×2、HDMI出力、Mini DisplayPort出力、有線LANポートなど。Haswell搭載モデルには光デジタル音声出力対応のヘッドフォン出力も実装する。

 報道陣向けのプライベートブースでは、このほかにAMD APUを搭載するモデルやモバイルプロジェクターと合体したモデルなど、さまざまなバリエーションモデルを展示していた。

USBレシーバーに触れるだけで充電できるプレゼン用マウス

 同社が2013年4月に発表したプレゼン用ワイヤレスマウス「Aivia Neon」も面白い製品だ。通常のマウスとして使えるほか、持ち上げると自動的にエアマウスとなる。本体前面にレーザーポインタも備えており、簡単にプレゼンを行える。センサーは光学式で、解像度は1200dpiだ。

photophotophotoプレゼン用マウス「Aivia Neon」。持ち上げると自動的にエアマウスとなる(写真=左、中央)。持ちやすいよう中央部がへこんだ形状となっている(写真=右)

 このマウスは充電方法も珍しい。リチウムイオンバッテリーを内蔵しているが、専用のUSBレシーバーをUSBポートに接続し、USBレシーバーとマウスをくっつけると充電できる仕組みだ。本体サイズは57(幅)×105(奥行き)×37(高さ)ミリで、重量107グラム。対応OSはWindows 8/7/Vista/XP。

photophotoUSBレシーバーとマウス本体を接続して充電する

未発表のIntel 8マザーボードも

 そのほか、プレス向けプライベートブースで未発表のIntel 8世代マザーボードも展示していたので写真で紹介する。

photophotoバックパネルに2系統のThunderboltポートを備えるIntel Z87 Express搭載マザーボード「GA-Z87X-UD5 TH」。IEEE802.11a/b/g/n/ac+Bluetooth 4.0対応モジュールを実装しているのも特徴だ。本製品はまだ試作品の段階で、発売時期は未定という(写真=左)。AMD A85Xを搭載するMini-ITXマザー「GA-F2A85XN-WIFI」。IEEE 802.11a/b/g/nおよびBluetooth 4.0に対応する(写真=右)
photophotoゲーム用マザーボードもIntel B85 Express搭載の「G1.Sniper B5」とAMD A85X搭載の「G1.Sniper A85X」の2種類を展示。どちらも安価なゲーミングPCを組みたいときに向く低価格モデルだ
photoCOMPUTEX TAIPEI 2013のGIGABYTEブース

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Internet Explorerに情報漏えいの脆弱性、「IE 10に更新を」

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 情報処理推進機構とJPCERT コーディネーションセンターは6月7日、Microsoft Internet Explorer(IE)に関する脆弱性情報を発表した。細工されたXMLファイルをローカルファイルとして開くことで、別のローカルファイルの内容が漏えいする恐れがあるという。

 それによると、脆弱性はIE 6〜9に存在する。現時点で最新版のIE 10は初期出荷版で解決されているため、影響を受けないとしている。

 Windows 7以降もしくはWindows Server 2008 R2以降のユーザーは、IE 10へのアップグレードで対策を講じられる。だが、マイクロソフトではこの脆弱性を修正する予定は無いとしている。IE 10にアップグレードできないユーザーは、信頼できないファイルをローカルディスク上に保存しないことで、脆弱性の影響を回避できるという。

関連キーワード

Internet Explorer | 脆弱性 | IE10 | 情報漏洩


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“垂直統合”を目指さないEMCジャパン、既存ストレージを生かせるEMC ViPRを発表

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photoEMCジャパン 山野氏

 EMCジャパンは6月6日、報道機関向け説明会を開催。米EMCが5月に開催したプライベートイベント「EMC World」の内容を踏まえ、今後の戦略方針やストレージ統合管理ソフトウェア「EMC ViPR」などを紹介した。

 EMCジャパン 代表取締役社長 山野 修氏は、これからのIT環境を“モバイル”“クラウド”“ビッグデータ”“ソーシャル”をキーワードとする「第3のプラットフォーム」とする定義を紹介。メインフレームやミニコンピュータが中心だった「第1のプラットフォーム」と比較してユーザー数やアプリケーションの種類が増大する中、多様なOSやアプリケーション、サービス、コンテンツを提供できるITインフラが求められると説明した。

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 その上で「単一ベンダーのハードウェア、各種ミドルウェア、サポートなどで構成される垂直統合型インフラの提供は目指していない」と強調。同社はオープンなアーキテクチャを採用したパートナー企業との“水平協業”で、ユーザーに幅広い選択肢を提供するという。特にクラウド、ビッグデータに加えて、セキュリティや事業継続計画(BCP)災害復旧(DR)などに注力して企業のビジネスを支援する。

 その幅広い選択肢を提供するための鍵を握るのが、EMC World開催中に発表されたストレージ統合管理ソフトウェア「EMC ViPR」だ。

 EMC ViPRは同社が提唱する「Software Defined Storage」を実現する製品で、全てのストレージ管理機能をソフトウェアで実装する。管理対象のストレージを利用するサーバにエージェントをインストールし、専用サーバで統合管理する。

photoEMC ViPRのイメージ《クリックで拡大》

 EMC ViPRはストレージインフラを管理する「コントールプレーン」とインフラ内のデータを管理する「データプレーン」で構成される。コントロールプレーンは単独が可能。

 コントロールプレーンは「ViPR Controller」機能によって、「EMC VMAX」「EMC VNX」「EMC Isilon」などの自社ストレージとサードパーティー製品、コンシューマ向けコモディティ製品などを1つのリソースプールとして管理できる。ストレージプールはアプリケーションごとに分割して利用でき、ストレージのサービスカタログを作成するとセルフポータル機能も利用できる。また、アプリケーションごとのプロビジョニングも可能だ。

 データプレーンは「ViPR Data Services」機能によって、ブロック/ファイル単位のアクセスのみならず、Amazon S3やOpenStack Swift対応のREST API、HDFS(Hadoop Distributed File System)などさまざなストレージアクセスプロトコルやAPIに対応する(関連記事:話題先行のOpenStackを取り巻く俗説と実態)。

 自社以外のストレージ製品も一元管理することに関して、山野氏は「ユーザー側の資産を最大限に活用できる」メリットを強調。一方で、「ユーザーが求めるストレージの要件は、I/Oや容量、管理面などにさまざま。EMCはそれらに応じる最適なストレージ製品をラインアップしている」と語った。EMC ViPRの国内提供は2013年下半期を予定している。

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