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Google、Chrome 27の更新版を公開 極めて深刻な脆弱性に対処

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 米Googleは6月4日、Webブラウザ安定版「Chrome 27」のセキュリティアップデートをWindows、Mac、Linux向けに公開した。極めて危険度の高い脆弱性を含め、多数のセキュリティ問題を修正している。

 同社のブログによると、最新バージョンとなる「Chrome 27.0.1453.110」では計12件の脆弱性に対処した。このうちChrome開発チーム内で発見された「SSLソケット処理におけるメモリ破損」問題は、危険度が同社の4段階評価で最も高い「Critical」にランクされている。Chrome安定版にこのレベルの脆弱性が見つかることは極めて少ない。悪用された場合、ユーザーが通常通りにWebブラウザを使っている状態で任意のコードを実行される恐れがある。

 残る11件の内訳は、危険度が上から2番目の「High」が10件、下から2番目の「Medium」が1件。脆弱性を発見した研究者にはそれぞれ500〜2000ドルの賞金が授与された。中でも「データベースAPIへのアクセスに関する解放後使用」問題については、優れた情報と判断して1337ドルが授与されている。

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脆弱性 | Google | Google Chrome


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テクノロジーの目利きであり続けたい ケンコーコム・丸さん

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企業の情報システム部門の現場で活躍する方々を追ったインタービュー連載「情シスの横顔」の過去記事はこちら


マーケティングの世界からエンジニアへ

 医薬品をはじめとする健康関連商品のオンライン販売大手ケンコーコムでIT部 マネージャー チーフITアーキテクトを務める丸敬弘さんは、創業時から同社に参画し、ECサイトのシステムをゼロから立ち上げた。学生時代は法律を専攻し、新卒で入社したメーカーではマーケティングを担当。ITのバックグラウンドがほとんど無かったという丸さんは、メーカー退職後に興味を感じたITのスキルをほぼ独学で習得し、27歳で「HTMLが書ける人」を探していたケンコーコムにアルバイトとして入社した。そこからエンジニアとしてのキャリアがスタートする。

kenkocom001.jpgケンコーコム IT本部 IT部 マネージャー チーフ ITアーキテクトの丸敬弘さん

「25歳で退職し、息抜きに図書館へ行くと、ITの本ばかり手に取っていました。興味の赴くままに勉強していたら、ITの方に来てしまったという感じですね」

 無職だったという2年間にはオンライン株取引もしていた。「それをシステム化してみたいと思い、最初は損益分岐点の計算をExcelにマクロを組んでしていました。次第に自分の中でやりたいことがエスカレートすると、VBAやVisual Basicでポートフォリオ管理ソフトも開発しました。これをシェアウェア化しようとも考えましたが、アップデートが大変になり、次にASPで提供しようと考え、HTMLも勉強しました。ただ、データベースを本格的に利用するという段階で行き詰ってしまい、その時に友人からケンコーコムに誘われ、今につながっています」

 そして、スタートアップにあったケンコーコムでは前職の経験からWebマーケティングも兼務した。一人でWebサイトの開発とSEO(検索エンジン最適化)対策を手掛ける。丸さんが入社した2000年は、ちょうどGoogleの検索サービスが提供されてまだ間もない時期だっただけに、「SEOに特化したサイト作りでトラフィックを稼ぐことができたと記憶しています。ITの知識で会社の業務に貢献するということを感じました」

業務が分かるIT部門

 ケンコーコム創業者の後藤玄利社長は、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)時代にデータベースマーケティングを担当していたことから、「当時は社員が20人もいないのに、サーバが20台以上もありました。『オモチャがたくさんある!』という感じで、データベースを使い倒すといったことができ、魅力的な職場でした」(丸さん)という。

 丸さんは「ITのなんでも屋さん」として、インフラ構築から障害対応、システム企画、プログラミングなど、あらゆることを手掛けた。「必要な技術を片端しから勉強しましたが、専門的に学んだわけではないので、情報通信をきちんと勉強してきた人からみると、わたしは“なんちゃってエンジニア”かもしれませんね……」

 その後、同社の成長とともにIT部門の役割も一気に増していく。一般的な企業では人材が増えれば、社員一人ひとりの役割が細分化され、専門的になっていく。業務とITがかけ離れてしまうということも往々にして起こりがちだが、会社黎明期の同社は違ったようだ。

「当社の業務を大きく分けると、受注獲得までのフロントエンド、サポートや課金管理などのバックオフィス、商品出荷などのロジスティクスの3つに分かれます。幸いだったのは、フロントエンドにわたし、バックオフィスに社長が居るという具合に、それぞれの領域に業務とITに分かる担当者がいました。各領域は、担当者によってつながっているので、業務とITにギャップが生じるということもありませんでした」

 ビジネスを取り巻く法改正などの環境変化にも、すぐに全社横断プロジェクトを立ち上げ、業務部門とIT部門が密接に連携して対応する。「医薬品販売ではチェックする仕組みが重要で、特にECサイトは基準が変更されると、システムに直接関わってきます。インタフェースのレイアウトや入力フィードの変更などがあり、例えば、入力された情報をシステムでチェックするのか、人の手でチェックするのかという点でも、業務部門とIT部門で対応を決めなくてはなりません」という。

 こうした歴史を経ていく中で、ケンコーコムならではIT文化が醸成されていく。それは「ITの目利きであり続ける」というもの。その代表的な取り組みが、2012年に国内で初めてAmazon Web Services(AWS)上にSAPのERPシステムを構築し、本番稼働させたという出来事だ。

「自分でやる!」という文化

 AWSでSAP ERPを稼働させていることについて、丸さんは「技術的には他社にもできるはずですが、たぶん経営判断としてはしないでしょう。それは文化だと思います」と話す。と言うのも、ベンチャーとして創業した同社では丸さんを中心に、自分たちでシステムの発展を手掛けてきた。

「大手企業ならSIerさんがシステムの面倒をしっかりとみてくれると思いますが、ベンチャーのケンコーコムでは、自分たちで何とかしないといけないという状況でした。まだ、Linuxを企業システムで使うことが不安視されていた時代に、安定性やコストが改善するから使ってみようと、データベースサーバから導入したことがあります。結果的に良かったのですが、普通なら無謀な行為ですね(笑)」

 こうした挑戦ではまさしく「目利き」の力が問われる。Linux導入に続く大きな取り組みが、基幹システムのクラウド化だった。同社は、東日本大震災が発生した後、2011年5月に、BCPでの取り組みとして本社の一部機能を東京から福岡に移転。この時にIT部門も福岡オフィスに移転を開始し、同時にオンプレミスで運用していたシステムの多くをAWSへ移行させた。

「オンプレミスのまま東京から福岡に移動させても、搬送中に機器が壊れるかもしれませんし、移動に伴うダウンタイムも許されません。既に一部システムをAWSで運用していて、ほかのシステムも何とかなるだろうと考えていました。海外のデータセンターなので遅延だけが心配でしたが、同社が東京リージョンを開設したので、思い切ってクラウドに移行しました」

 AWSへの移行でシステムの運用コストも1カ月あたり約600万円の削減につながった。クラウド活用の効果を実感し、SAP ERPの導入にも踏み切る。だがERPとなると、さすがに不安もあったという。

「AWSの操作性を把握していましたし、SAP ERPもクラウドで何とか運用できるのではないか? とは考えていました。しかし、当時は動作保証が無い状況だったので、そのリスクは取れません。幸運にも、ちょうどその時になってSAPがAWSを認定しましたので、それなら『やってしまおう!』と決めました」

 AWSへのSAP ERPの導入は、NTTデータソルフィス(現NTTデータグローバルソリューションズ)がパートナーとなって支援した。「NTTデータソルフィスさんにとってもこのプロジェクトは挑戦だったと思いますが、ビジネスとしての期待からも、本気で対応していただくことができたので、信頼を置くことができました」

これからも「目利きでありたい」

 丸さんの座右の銘は「知識は金なり」だという。新しいテクノロジーであってもそれをよく学び、上手く適用させていく方法を見つけられれば、より良いシステムを実現できるというチャレンジを成功させてきた経験が礎になっている。

「目利きという感覚を大切にして、『このビジネスにはこのテクノロジーを使うと良いだろう』といったことをこれからも提供できる存在であり続けたいですね」

 現在は同社の事業規模も創業当初とは比べものにならないほど大きくなった。丸さんによれば、同社においても業務部門とIT部門の役割が徐々に細分化しており、これまでのようにそれぞれの分野を理解できる人材の確保がこれからの課題だという。

「ビジネスとITの全体を見渡せる人を育てることも、だんだん難しくなっていますが、後輩社員がテクノロジーの目利きとしての経験を積んでいくことのできる環境を提供したいですね」

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職員にITのオーナーシップを譲渡する相互会社化は事業効率を向上させるか?

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注:本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 2013年5月29日号」(PDF:無償ダウンロード提供中)に掲載されている記事の抄訳版です。EPUB版およびKindle版も提供中です。

 英国では、公共事業運営の新しいモデルとして相互会社を推奨する動きがある。オーナーシップが職員に移譲されることで事業の効率向上が期待されているが、この動きは、サービスの利用者として、また提供者として、行政機関のITの在り方を変える布石にもなるのだろうか?

 相互会社では従業員自らが出資者となるため、事業運営コストを下げ、能率を上げる方法を工夫しようとする意識が高くなる。これは160億ポンドという公共部門の年間IT関連費を削減できるメカニズムになる可能性がある。

 相互会社は合弁事業の一種であり、相互会社化を実施する組織とは別の団体が投資目的で出資し、それまで相互会社化の対象になる部門で働いてきた職員が運営者となる事業体であると説明されている。例えば、英国の年金サービスであるMyCSPは、福利厚生代行会社の英Xafinityの出資を受けて、2012年に相互会社化された。

 相互会社化の動きは、2011年に予算1000万ポンドの相互会社支援プログラムが開設されて以来、勢いを増しているようだ。これまでこのプログラムを通じて21件の契約が締結され、2013年3月までに公共事業全体で66の相互会社が誕生している。

 フランシス・モード内閣府担当国務相は、このモデルの熱心な推進者として知られている。

 2011年にモード国務相が手掛けた「公務員制度改革計画」には、「これまでは、画一的に政府のみで設立・運営するか、完全に民営化するかという二者択一でしかなかったが、今では合弁事業や従業員所有の相互会社、民間部門との新しいパートナーシップ締結など、さまざまなサービス提供形態が利用されるようになった」と記載されている。

 英内閣府で相互会社/民営モデルプログラムの総責任者を務めるラニア・レオンタリディ氏によると、警察と軍を除いて、相互会社に転換できない政府機関はほとんどないという。

 現在、相互会社の大半は、地方レベルで運営されている。事業内容は医療保健サービスが中心で、5人の組織から1500人規模の組織まである。

 「相互会社化は医療保健サービスが中心だったが、子ども事業、青少年事業、教育機関支援、消防隊にまで広がっている」(レオンタリディ氏)

 レオンタリディ氏によると、相互会社モデルでは、小回りの利く中堅・中小企業からの調達を行いやすいため、柔軟性が高くなるという。

 「これは中堅・中小企業のIT企業にとって、大きなチャンスになる可能性がある。利用者と患者の満足度は非常に高く、患者の満足度は85%にもなっている」

 レオンタリディ氏の話では、関心は高まっており、100を超える地方自治体から問い合わせがあるという。「また、このプログラムのサイトの新規訪問者数は、毎週2000を超えている」とのことだ。

ITの選択肢が拡大

 中央エセックス社会事業団は、2011年に相互会社化された。コマーシャルディレクターのポール・フーパー氏は、相互会社モデルのおかげで、iPadを導入して遠隔で言語療法サービスを提供する計画など、以前よりも格段に自由にITプロジェクトを試せるようになったと話す。

 フーパー氏によると、iPadの方が操作しやすくすぐに起動できるため、Skypeよりも導入効果が高かったという。

 資金が使いやすくなり、アイデアがあれば実際に試せるようになった。「そこが、大きな官僚組織の中にいる場合と違う」とフーパー氏は言う。

 この遠隔言語療法計画では、患者の自宅にiPadを用意し、遠隔で言語治療を受ける。この取り組みにより患者の時間が節約される。また、療法士が患者を訪問するための時間も少なくなるため、事業経費の削減も期待されている。

 フーパー氏によると、「パーキンソン病の場合、4週間にわたり16回の治療が必要になるが、負担が大きすぎて患者はこの治療を受けない場合がある」という。

 中央エセックス社会事業団では、51の事業全てにiPadを導入することを考えている。

 「現時点では5台のiPadを導入しているが、他にも導入を検討できるサービスがあるだろう。言語療法だけでなく、自宅で受けることができる子ども向けのサービスなどだ」(フーパー氏)

新しいサービス提供モデル

 アナリスト企業の英Nelson Hallで、公共部門アウトソーシングリサーチプログラムの責任者であるサラ・バーネット氏は、相互会社なら小規模で柔軟にテクノロジーを導入できるという実務的なメリットがあると話す。例えば、クラウドサービスを広範に取り入れることもできるだろう。

 「相互会社化に伴い、IT機能の“未開墾地域”が発生する。これはアドバンテージになり得る。新しいITモデルを利用できるチャンスがあり、特に主要なビジネスアプリケーションでのクラウド利用が促進される可能性がある」(バーネット氏)

 共有サービスなどは、さまざまな組織のスタッフが関与する相互会社モデルと相性が良いようだ。

 バーネット氏は、「共有サービスに移行するタイミングは、レガシーのアップグレードまたは変更が必要になり、事業独立と同時にアップグレードまたは変更を実施できるときが最適だ」と話す。

しかし、相互会社モデルにもリスクはある

続きはComputer Weekly日本語版 2013年5月29日号にて

多くのメリットがある相互会社だが、当然ながらリスクもある。バーネット氏の忠告とは? 本記事の続きは「Computer Weekly日本語版 2013年5月29日号」で読むことができます。

Computer Weekly日本語版 2013年5月29日号のダウンロードページへ

何が起きたのか「韓国大規模サイバー攻撃」

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 2013年3月20日に韓国で発生した大規模サイバー攻撃、通称「320サイバーテロ」。金融機関や放送局のコンピュータの一斉ダウンを引き起こした320サイバーテロは、どういった経緯で発生したのか。企業が学び取れる教訓と対策とは。韓国政府のタスクフォースメンバーとして320サイバーテロを解析した、セキュアソフト CERT所長のソン・ドンシク氏の話から明らかにする。本稿は、2013年5月にセキュアソフトとラックが共催した「SecureSoft SECURITY FAIR 2013」でドンシク氏が講演した内容をまとめた。

攻撃の被害:金融機関や放送局で発生、数十億円の被害も

写真セキュアソフトのソン・ドンシク氏

 320サイバーテロが引き起こした被害は大きい。韓国全土に支店がある農業協同組合中央会(農協)では、現金自動預払機(ATM)1万6000台が停止に追い込まれた。大手都市銀行である新韓(シンハン)銀行では、支店取引やインターネットバンキングが停止。済州(チェジュ)銀行では、320台の業務用クライアントPCが動作不能になり、取引不能に陥った。

橋下市長、突然の「プリキュア」――その裏にあるセキュリティ危機

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コラム

半径300メートルのIT:橋下市長、突然の「プリキュア」——その裏にあるセキュリティ危機

大阪の橋下徹市長のiPhoneを操作して、小学生の娘さんが「スマイルプリキュア」とツイート。仲の良い父と娘のほのぼの話、では片付けられない危機がそこには隠れています。

[宮田健,Business Media 誠]

 大阪市の橋下徹市長が、突然「スマイルプリキュア」とツイート(参照リンク)をしたのをご存じでしょうか。

ツイート橋下市長の「プリキュア」ツイート

 実はこの発言、小学校1年の娘さんがパスコードを使って橋下市長のiPhoneにログイン、Twitterに投稿したというものでした。あまりに突然で異色なツイートを、父と娘のほのぼの話として、おもしろおかしくとりあげた記事/ブログも多数ありました。

 しかし、これを「セキュリティ」の観点でみると、それほど愉快なお話ではないのです。

AP通信の一言で株価が急落?

 2013年4月23日、AP通信が「ホワイトハウスで爆発、オバマ大統領が負傷」という“情報”を速報でTwitterに流しました(参考記事)。もちろんこれは事実ではなく、AP通信のTwitterアカウントがハッキングされた結果です。

 しかし、これだけではこの話は終わりません。このニセ情報がきっかけで、同日の米株式市場ではダウ平均株価が急落します。米国の投資家は、ネット上のさまざまな情報ソースを基に株を売買する「アルゴリズム取引」を行っています。一説によるとこのツイートがトリガーとなり、一瞬にしてアルゴリズム取引が発動し、株価が下落(参照リンク)。たった1つのツイートで市場が荒れてしまいました。

 今回の橋下市長の一件は、AP通信の誤報ツイートほど大きな影響をもたらすものではありませんでした。しかし、ソーシャルネットワーク(SNS)上の発言は多方面にさまざまな影響を及ぼします。

 モバイル端末のユーザー自身が使い方に気を使えばいいこと——そういう心構えの人はいませんか。でも、SNSにログインしたままのモバイル端末を自分以外の誰かが使うという可能性が残っていること自体が非常に危険な状態なのです。

「公人だから気をつけろ」ではすまない話

 iPhoneなどのモバイル端末は、個人情報の宝庫ともいえます。端末の自動ロックやパスコードの設定が重要なのはいうまでもありませんし、パスコードは家族であっても共有すべきではありません。

 今回、橋下市長はパスコードを変更したとのことですが、変更後のパスコードを橋下夫人に報告しているそうです(参照リンク)。なぜ、このような「事件」を起こしているのに、穴を残すのでしょうか……。

ツイート橋下市長の「プリキュア」ツイート

 今回の「プリキュア」ツイートは、橋下市長のiPhoneとTwitterのアカウントが、娘さんに乗っ取られた結果、発生したというと大げさに聞こえますが、セキュリティの観点からみれば、ほかに言いようがありません。

 例えば、取引先の相手に電話をかけたり、メールをしたりするときに、個人所有のスマートフォンを使う場面もあると思います。今後、個人が所有するモバイル端末を会社の業務でも使う「BYOD(Bring Your Own Device:私的デバイスの活用)」の範囲はさらに広がるでしょう。こうなったときに、「娘にiPhoneを使わせていたら、情報がダダ漏れになりました」では目も当てられません。

家族と共有するタブレット端末なら、マルチユーザー機能を

 とはいえ、特にタブレット端末ですと1台を家族で共有することも多いと思います。この場合、Android 4.2で用意された「マルチユーザー」機能を使って、PCと同じようにログインしたユーザーごとに環境を分けることが望ましいでしょう。

 残念ながら、iPad(iOS)にはマルチユーザー機能がまだありませんし、Android 4.2搭載機種もまだ普及しているとは言いがたいのが現状です。どうしても子供にも使わせたいのであれば、専用タブレットを用意してあげるのが次善策となります。そのときには、ネットのマナーや危険さをしっかり教えてあげてください。

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初めてのLINE@――クーポン配信からメッセージ送信の操作まで

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連載

今日からはじめるLINE@:初めてのLINE@——クーポン配信からメッセージ送信の操作まで (1/4)

今回は実際の操作方法を紹介しよう。LINE@の運用は本当に簡単なのだろうか?

[渡辺まりか,Business Media 誠]

 LINE@の連載も今回で4回目となった。これまでLINE@の概要活用実例などを紹介してきた。LINE@の魅力の1つは、月額5250円からと安価に始められ、申し込みや開設が簡易であることだ。しかし日常の運用方法が煩雑だったりするとせっかくアカウントを開設したとしても、長続きしない。

 前回はピザチェーン「ナポリス」の例を取り上げたが、情報発信やクーポン発行などは難しくないのだろうか? アカウントを開設してから「こんなはずではなかった!」と思う前に、実際の操作方法を紹介しよう。

 まずはLINE@のWebサイトから管理画面にログインしよう。ログイン画面では先日発表されたように、NAVER IDでのログイン方法の他にLINEアカウントでのログインも選べるようになっている。もし読者が本連載の第2回を読んで2013年5月9日以前に開設したのであれば「NAVER ID LOGIN」を選ぼう。これから開設するという人は「LINE LOGIN」を選び、LINEで登録したメールアドレス、パスワードでログインする。(詳しくはFAQを参考にして欲しい。)いずれのログイン方法であっても、その後の操作は同様だ。

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 ログイン後表示される画面では、そのアカウントとひも付けられているLINE@アカウントリストが表示される。情報発信したいLINE@のアカウント名をクリックしよう。

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 次に表示されるのは基本設定画面だ。LINE@は、アカウント開設後できるだけ早めにアイコン画像の設定や「ひとこと」自動応答メッセージなどを設定するよう勧めている。他のLINE@アカウントや公式アカウントでの実例を参考に創意工夫して設定してみよう。

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投稿フォーム
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Biz.IDの「Webサービス図鑑」では、便利で楽しめるWebサービスを今後も続々と追加していきます。「おもしろいWebサービスを見つけた!」という方は、「URL」「サービス名」「コメント」をご記入の上、以下のフォームからご連絡ください。

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14型“3200×1800”IGZO液晶+第4世代CoreのUltrabookが登場――富士通「FMV」夏モデル

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FMV2013年夏「店頭モデル」の主な特徴

ラインアップ

ハードウェア

  • LIFEBOOK UH90/Lに3200×1800ドット表示の14型IGZO液晶を採用
  • LIFEBOOK UH90/Lに第4世代Coreを搭載予定
  • ESPRIMO FH78/LDにタッチパネル付き23型フルHD液晶と視線アシスト機能を装備
  • ESPRIMO FH78/LDに第4世代Core i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz)を搭載
  • ESPRIMO FH78/LDにパイオニアと共同開発した2.1CHスピーカーを内蔵
  • LIFEBOOK AH42/KのCPUをPentium 2020M(2.4GHz)に強化
  • LIFEBOOK AH45/KとAH42/Kのバッテリー容量を48ワットアワーに倍増

ソフトウェア

  • 新モデルすべてに64ビット版Windows 8をプリインストール
  • 新モデルすべてにOffice Home and Business 2013をプリインストール
  • 独自のクラウドサービス「My Cloud」を強化(録画番組を外出先で視聴など)

FMV2013年夏「カスタムメイドモデル」の主な特徴

ラインアップ

ハードウェア

  • LIFEBOOK UH WU1/Lは第4世代Core、8Gバイトメモリ、SSDなどを選択可能
  • LIFEBOOK UH WU1/LはDisplay PortやDVI-Dを搭載したポートリプリケータも用意
  • ESPRIMO FH WF2/Lはテレビ機能を省くなどのシンプル化に対応
  • ESPRIMO DH WD2/Lは第4世代Core i7-4770(3.4GHz/最大3.9GHz)、32Gバイトメモリ、256GバイトSSD+3TバイトHDD、Radeon HD 7570などを選択可能

ソフトウェア


Ultrabookと液晶一体型PCの最上位を刷新した「FMV」夏モデル

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 富士通は6月5日、「FMV」ブランドの個人向けPC夏モデルを発表した。2013年6月7日より順次発売する予定だ。

 製品ラインアップは、ノートPCの「FMV LIFEBOOK」シリーズとデスクトップPCの「FMV ESPRIMO」シリーズに分かれ、2013年春モデルと同様、店頭向けモデルと同社直販サイト「WEB MART」で取り扱うカスタムメイドモデル(購入時に仕様変更が可能)を販売する。

 店頭向けモデルのトピックは、14型/13.3型Ultrabook「LIFEBOOK UH」シリーズと23型/21.5型フルHD液晶一体型PC「ESPRIMO FH」シリーズの最上位機を一新したことだ。いずれも新デザインのボディに第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)を採用し、画質や音質に注力している。そのほか、主力の15.6型ノート「LIFEBOOK AH」の下位2モデルがマイナーチェンジした。

 カスタムメイドモデルでは、Web限定として第4世代Core搭載のセパレート型デスクトップPC「ESPRIMO DH WD2/L」をラインアップ。今回追加されたLIFEBOOK UHESPRIMO FHの最上位機にも基本仕様を変更できるモデルを用意している。

 夏モデルで変更があった製品は以上で、残りは春モデルが継続販売される。

第4世代Coreとともに、超高精細表示を実現した14型Ultrabook

 LIFEBOOK UHシリーズの最上位機「UH90/L」は、3200×1800ドットと超高解像度の14型IGZO液晶ディスプレイを搭載。MacBook Retinaディスプレイモデルを上回る262ppi(pixel per inch:1インチあたりのピクセル数)の高画素密度による精細な表示と、IGZO液晶パネルならではの省エネを両立した。バッテリー駆動時間は約11.1時間としている。

tm_1306fmv_01.jpgtm_1306fmv_02.jpgボディカラーはスパークリングブラック(写真=左)とサテンレッド(写真=右)の2種類

 従来のUHシリーズにはないタッチパネル付き液晶を搭載しながら、HDD搭載ノートPCとしては世界最薄(2013年5月10日現在、同社調べ)をうたう15.5ミリ厚のボディに仕上げている。本体サイズは329.9(幅)×229.9(奥行き)×9.2〜15.5(高さ)ミリ、重量は約1.39キロだ。新デザインのボディは底面の見た目にもこだわったほか、天板全面加圧試験で約200キロfの重さに耐え、ねじれに強い構造とするなど、堅牢性も確保した。

 CPUは第4世代Coreを採用予定だが、現時点で詳細は不明。発売時期や価格も未定だ。店頭モデルの基本スペックは、4Gバイトメモリ、500GバイトのハイブリッドHDD、IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 4.0+HS、2基のUSB 3.0、HDMI出力、SDメモリーカードスロットなどを備えている。OSは64ビット版Windows 8、オフィススイートはOffice Home and Business 2013だ。

 なお、WEB MARTのカスタムメイドモデル「WU1/K」では、8Gバイトメモリや128Gバイト/256GバイトSSD、64ビット版Windows 8 Pro、オフィスなしの構成、専用のポートリプリケーターなどが用意されている。

タッチと視線で操作可能、スピーカーにも注力した液晶一体型PC

 ESPRIMO FHシリーズの最上位機「FH78/LD」は、第4世代Core i7、マルチタッチに対応したIPS方式の23型フルHD液晶、パイオニアと共同開発した最大30ワット出力の2.1chスピーカーを搭載。スタンドの左右に飛び出したアルミダイキャスト製の円柱型スピーカーが印象的な新デザインを採用する。

tm_1306fmv_03.jpgtm_1306fmv_04.jpgボディカラーはシャイニーブラック(写真=左)とスノーホワイト(写真=右)を用意

 液晶ディスプレイのタッチパネルに加えて、目の動きをWebカメラで検知し、Webブラウザの上下スクロールや地図のスクロール、写真の先送り/戻し、Windows 8のチャーム表示といった操作を触れずに行える「視線アシスト」機能も持つ。

 テレビ機能は、2番組同時録画や最速約1.5秒でテレビが起動する「クイックテレビ」、スマートフォンからの予約録画といった機能に対応するデジタル3波(地上デジタル/BSデジタル/110度CSデジタル)チューナーを備える。

 基本スペックはCore i7-4700MQ(2.4GHz/最大3.4GHz)、8Gバイトメモリ、3TバイトHDD、BDXL対応Blu-ray Discドライブ、IEEE802.11a/b/g/nの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、Bluetooth 4.0+HS、4基のUSB 3.0、2基のUSB 2.0、HDMI入力、SDメモリーカードスロットなどを搭載する。OSは64ビット版Windows 8、オフィススイートはOffice Home and Business 2013だ。本体サイズは571(幅)×201(奥行き)×431(高さ)ミリ、重量は約10.8キロ。

 WEB MARTのカスタムメイドモデル「WF2/L」は、4Gバイトや16Gバイトのメモリ、2TバイトのHDD、テレビ機能なし、オフィススイートなしといった構成も選べる。

主力の15.6型ノートは下位モデルをマイナーチェンジ

 LIFEBOOK AHは、下位2モデルの「AH45/K」と「AH42/K」をマイナーチェンジ。標準バッテリーの容量を48ワットアワーに倍増することで、AH45/Kは約6.4時間(従来は約3時間)、AH42/Kは約7.9時間(従来は約3.9時間)と、大画面ノートではロングバッテリーライフを実現した。さらにAH42/Kは、CPUをPentium B970(2.3GHz)からPentium 2020M(2.4Hz)に強化している。その他の基本仕様は、春モデルと同様だ。

tm_1306fmv_05.jpgtm_1306fmv_06.jpg「LIFEBOOK AH45/K」(写真=左)と「LIFEBOOK AH42/K」(写真=右)。ボディデザインは春モデルを継承している

Web直販限定のスリムデスクトップPCも第4世代Coreを採用

tm_1306fmv_07.jpg「ESPRIMO DH WD2/L」

 WEB MARTのみで取り扱うセパレート型のスリムデスクトップPC「ESPRIMO DH」にも、最上位機の「WD2/L」を用意。春モデルのボディデザインを継承する一方、CPUを第4世代Coreに移行し、カスタマイズメニューを拡充するなど、仕様を強化した。

 CPUはCore i7-4770(3.4GHz/最大3.9GHz)もしくはCore i5-4570(3.2GHz/最大3.6GHz)から選べるほか、最大32Gバイトのメモリ、256GバイトSSDと3GバイトHDDのダブルドライブ構成、BDXL対応Blu-ray Discドライブ、Radeon HD 7570搭載グラフィックスカード、マルチディスプレイ、64ビット版Windows 8など、ハイスペックな構成で購入できる。

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「旅者の歌」に見る――電子書籍プロモーションの新たな取り組み

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 『東京バンドワゴン』などの作品でも知られる小路幸也氏の電子書籍書き下ろしファンタジー『旅者の歌』。3月1日からReader Storeで独占配信された同作品は、全4回が4週にわたって配信され、配信2カ月という短期間で1万ダウンロードを達成した。

 コミックではないジャンルで、かつ配信先はReader Storeのみという状況の中、異例ともいえるダウンロード数となったことを記念し、Reader Storeでは6月5日から11日まで同作品の半額キャンペーンが実施される。また、年内に幻冬舎から単行本として発売されることも決定した。

wmfig117.jpg『旅者の歌』シリーズ

 なぜこれほどの人気が出たのか。それにはどのような仕掛けがあったのか。Reader Storeにプラットフォームを提供しているブックリスタの加藤樹忠氏、栗田咲子氏と出版社である幻冬舎の設楽悠介氏、山本祥子氏に話を伺った。

—— 1つの作品が2カ月で1万ダウンロードというのは、これまでに前例がありますか?

加藤 1つのストアだけ、ということでいえば、過去2年半ほど見てきた中ではあまり記憶にありませんね。巻数の多いコミックではともかく、文字ものではかなり珍しいのではないかと思います。

—— Reader Storeでの独占配信や書き下ろしということも要因として考えられますが、それ以外に何が成功の秘訣だととらえていますか?

wmfig117-1.jpgブックリスタの加藤氏と栗田氏

加藤 文芸誌で1カ月に1本、それを1年間にわたって配信、ということは珍しくないんですが、電子書籍を買う方にとってこれでは遅いんですよね。1カ月も待っていられないのです。それで、今回は4週にわたって毎週続きを配信する、という方法を採りました。スピード感を大切にしたわけです。同時に、1カ月間半額にし、読者から手に取ってもらいやすく、続けて読んでもらえるようにしてみました。また、4週連続で配信したことで、ストア内での取り上げ方も常に大きかったことも挙げられますね。

 それ以外にも、配信初日、無料立ち読みのようなものとして「0話」を配信しました。長めのコンテンツを用意し、読んでしまったら、続きが気になって読みたくなる、というものでした。加えて、すべての回に加藤木麻莉さんの手がけた美しい表紙を付け、これだけでも1冊の書籍として成り立つような装丁に作りこみました。

 さらに、4冊すべて購入した方には抽選で、その方の写真を基に、あたかも登場人物の一人であるかのようなオリジナルイラストをプレゼントする、というキャンペーンも行いました。読者が作品の世界に入り込んだような体験を提供できたことが、成功した理由かな、と思っています。

—— 好きな作家さんからサインをもらえると、ますますファンとしての気持ちが高まりますが、登場人物としてその世界観に加えてもらえるのは、滅多にない体験ですよね。

加藤 そうですね。そうした喜びは伝播しますので、またファンの輪が広がったようです。

—— 「喜びの伝播」というのは面白い視点ですね。電子書籍だからうまくいった、ということはあるでしょうか。

wmfig117-2.jpg幻冬舎の設楽氏と山本氏

設楽 文芸誌だと読者の感想がタイムリーに作家に伝わったり、SNSで話題にしてもらったりするのは難しいかもしれません。でも、電子書籍にしたおかげでSNSで感想を書きこんでもらいやすくなり、読者と作家のコミュニケーションも生まれたのかな、と思います。加えて、感想を書き込んでもらえたことがきっかけで、それを見た別の読者が同作品だけではなく別の作品も購入する、という(電子書店の売り上げにとって)良い影響が出ているのではないかと見ています。

—— 今回の取り組みのように、作者からの協力を仰ぎ、読者との距離を縮めるような施策は有効だと思いますか。

設楽 これは、今までの出版社全体に言えることなのですが、出版社は今まで高いところからの視線で読者を見ていたと思います。しかし、今の若い人やネットを使いこなす人たちにとっては、そのような視線の高さの違いが障壁になっていました。それが出版社のWebビジネスが上手くいかなかった理由なのではないかと考えています。

 今後は、作者との距離を縮めるだけではなく、今回、登場人物の一人であるかのようなイラストをプレゼントしたように、その作品の世界観を「自分事(じぶんごと)」としてとらえてもらえるような、そんな企画を立てていきたいと思っています。電子書籍市場もだいぶ大きくなってきて、あちこちで電子書店のプロモーションも実施されていますが、値引キャンペーンなどばかりではなく、読者が「楽しい」と感じてくれるようなエッセンスを加えていきたいですね。そうして、電子書籍市場が全体としてもっと大きくなってくれれば、と思っています。

—— 本日はありがとうございました。

wmfig117-3.jpg各端末に『旅者の歌』を表示させて

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拡張できる“全録”マシン、第2世代レグザサーバー「DBR-M490」登場

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 東芝は6月5日、第2世代となる“レグザサーバー”「DBR-M490」を発表した。先代「DBR-M180/M190」以来1年半ぶりのモデルチェンジとなり、一時録画するストレージ容量やチャンネル数を柔軟に選択できるカスタマイズ性の高い“全録”マシンに進化した。6月20日からオープンプライスで販売される。店頭では17万円前後になる見込みだ。

ts_regs01.jpgts_regs013.jpg第2世代となる“レグザサーバー”「DBR-M490」

 複数の放送番組を常時録画する全録機能「タイムシフトマシン」を搭載したレコーダー。番組ごとに録画予約する必要はなく、録り逃しも発生しないのはレグザと同じだが、専用機らしく高機能になっている。まず従来機で要望の多かったBS/CS110度デジタル放送の全録に対応し、基本6チャンネルのうち3チャンネルまでBS/CS110度放送局に設定できるようになった。一方で通常録画も地デジ/BS/CS110度対応のトリプルチューナーとなり、タイムシフトマシンとは別に3番組の同時録画(従来は2番組)が可能だ。東芝によると、「6チャンネルのタイムシフトマシンに、トリプルチューナーの『DBR-T360/T350』が同居しているようなイメージ」という。

ts_regs015.jpg背面端子

 HDDは3台を内蔵しており、総容量は5Tバイト。このうち4Tバイトをタイムシフトマシン、1Tバイトを通常録画に割り当てている。タイムシフトマシンは6局それぞれを最長約17日間ため込むことができるが(約3.5Mbpsの「AVC最低画質」使用時)、一方で放送波をそのまま記録する「DR放送画質モード」を使用できるのもレグザサーバーの特長だ。この場合、地上デジタル放送は約3.5日、BS/CSデジタル放送では約2.5日となる。

 また大きな進化点の1つに、USB外付けHDDを使ってタイムシフト録画容量をプラスできることが上げられる。本体背面にはタイムシフト録画専用のUSBポートを備え、市販のHDDを接続すれば、まるごと録画できる日数を増やすことが可能だ。例えばアイ・オー・データ機器の「AVHD-UR2.0B」(2Tバイト)をプラスすると容量は合計6Tバイトで、AVC最低画質モードなら1チャンネルあたり約26日ぶんに延びる。なお、通常は内蔵した2台のHDDに3チャンネルずつ録画するが、外付けHDDを接続した場合には、各内蔵HDDから1チャンネル減らし、計2チャンネルぶん外付けHDDに割り振る仕様になっているため、追加するHDDの容量(と長時間録画モード)次第でチャンネルごとに録画日数に差が生じることになる。

ts_regs04.jpgts_regs07.jpgタイムシフトマシン専用のUSBポートを搭載(左)。録画先をUSB外付けHDDに設定できる(右)

 さらにユニークなのは、通常録画用に用意された3つの3波チューナーのうち、2つまでをタイムシフトマシンに“流用”できることだろう。このとき、全録できるチャンネル数は最大8となり、このうちBSやCS110度の放送局は最大5つまで設定できる。また、流用時には通常録画用の1TバイトHDDから一緒に流用するHDD容量を250Gバイトから750Gバイトまでの間で指定できる仕組み(25%、50%、75%)。流用した2チャンネルは「DRモード」しか使えないという制約もあるが、今までにない柔軟さを手に入れた。

ts_regs012.jpgシステムイメージ。通常録画用のチューナー2つをタイムシフトマシンに“流用”できる

 「進化したタイムシフトマシンは、“6チャンネル17日分”をベースに、容量とチャンネルを“増やす”という要素をプラスした。ちょっと複雑だが、自由度の高いシステムにより、さまざまな視聴ニーズに応える録画環境を構築できる」(東芝)。

ts_regs09.jpgts_regs08.jpg設定画面でタイムシフトマシンのチューナーを増設したところ(左)。HDDの割り当て設定(右)

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第4世代CoreプロセッサーがノートPCの再発明を加速する――Intel基調講演

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og_intel_001.jpgタブレットとノートPC両方の性格をあわせ持つ2-in-1が、パーソナルコンピューティング機器市場におけるゲームチェンジャーとなる

 Intelは、台北国際展覧館(Taiwan International Trade Center)などで6月4日〜8日まで開催されるアジア最大のIT見本市「COMPUTEX TAIPEI 2013」において、オープニングキーノートスピーチを飾った。

 同社チャネルセールス担当副社長のトム・キルロイ氏が登壇し、開発コード名“Haswell”で知られる第4世代Coreプロセッサーを正式発表するとともに、新しいパーソナルコンピューターのカタチとして、ノートPCとしてもタブレットとしても使える2-in-1デバイスへの移行を加速する意向を明らかにした。

2-in-1デバイスへの移行を加速

 キルロイ氏は、Intelは2000年から13年間に渡りCOMPUTEXのオープニングキーノートを担当し、「PC業界においてマイルストーンとなるトピックを、最高のパートナーである台湾とともに迎えてきた」と述べ、2001年のPC誕生20周年、2004年には無線LANをノートPCの標準装備とするCentrinoブランドの立ち上げ、2008年の低価格ノートPCとしてのNetbookの投入、そして直近では2011年のUltrabookのアナウンスと、これまでの歩みを振り返った。

 そして、同氏は「かつてPCの進化は10年ごとのペースだったが、いまでは数カ月で大きな変化が現われるほど、短距離走のようなペースになっている」と指摘。その例として、タブレットのOSは、2012年第2四半期まではiOSが圧倒的な強さを見せていたが、2013年第1四半期にはAndroidが過半数を超えるまでに成長したことを挙げた。

 また、タブレットのタッチスクリーンサイズは、2012年第2四半期まで9型以上の製品が4分の3を閉めていたのに対し、7型などの一回り小さな液晶ディスプレイを搭載したタブレットが過半数を占めるまでに急成長。ところが、このトレンドと真逆のことがスマートフォン市場では起きており、スマホのタッチスクリーンサイズは拡大傾向にあるなど、ユーザーのニーズは日ごとに変化を見せ、それにあわせて端末も大きく様変わりする状態にある。

og_intel_002.jpgog_intel_003.jpgIntelは、2000年以降PC市場における重要なマイルストーンとなるソリューション発表の場に、COMPUTEX TAIPEIを選んできた(写真=左)。2000年以前は、PCの進化は10年スパンだった(写真=右)

og_intel_004.jpgog_intel_005.jpgog_intel_006.jpgいまやPCを取り囲むパーソナルコンピューティング機器の進化のスピードは、短距離走のようなスピードになっている(写真=左)。タブレットOSのシェアでは2012年前半まで圧倒的だったiOSだが、2013年第1四半期にはAndroidが過半数以上のシェアを獲得。Windowsを搭載したタブレットも増え始めている(写真=中央/右)

og_intel_007.jpgog_intel_008.jpgog_intel_009.jpgタブレットのタッチスクリーンサイズは小型化がトレンドだ(写真=左/中央)。一方、スマートフォンでは、タブレットとは逆にスクリーンの大型化が始まっている(写真=右)

 そこで、IntelはUltrabookに大きな変革をもたらす。それが、同社が2-in-1と呼ぶ、タブレットの優れたユーザー体験や携帯性と、ノートPCの持つ優れたパフォーマンスや生産性を両立させた“ニコイチ”製品への積極的な移行だ。

 キルロイ氏は「ユーザーのインターネットへの関わりは、着実に増え続けており、スマートフォンユーザーの大半は、その操作の90%以上を、SNSやメール、Webブラウジング、コンテンツ視聴などのコンピューティングに費やし、Huluなどのオンラインコンテンツサービスも普及段階に入っている」と指摘。デジタルライフの拡大にあわせ、コンピューティングデバイスも、スマートフォンや、タブレット、パソコンといった従来のカテゴリに収まらず、スマートフォンとタブレットの間を埋める「ファブレット」や、タブレットとノートPCの間を埋める「2-in-1」、さらにノートPCと典型的なデスクトップPCの間を埋める「AIO:All-in-One」と、新しい製品への進化が必要とされている。

 そして、これらのインターネットに接続されるデバイスの市場規模は、今年1年で15億ユニットの出荷が見込まれており、2014年には20億ユニット市場へと成長する(IDC調べ)と言われている。

og_intel_010.jpgog_intel_011.jpgエンドユーザーのインターネット利用は日に日に増大しており、オンラインサービスも充実してきた(写真=左)。デバイスも、最新のオンライン環境にあわせて進化が必要。そして、Intelがその中核に位置づけるのがタブレットとノートPCの間を埋める「2-in-1」だ(写真=右)

 こうした状況下において、キルロイ氏は「スマートフォン市場では32カ国でAtom搭載製品の出荷が開始されており、タブレットにおけるIntelプロセッサの採用例も着実に増えている」と現状を紹介。

 そして、次期省電力プロセッサコアであるSilvermont(シルバーモント:開発コード名)を採用する22ナノメートルプロセスのSoCでは、その影響力をさらに拡大するとして、年末にはSilvermontを採用する22ナノメートルプロセスのタブレット向けSoCとなる「Bay Trail-T」を、また2014年第1四半期にはスマートフォン向けSoCの「Merrifield」を投入することで、現行製品に比べて3倍のピーク性能、または同等の性能であれば5分の1の消費電力を実現し、これらの新市場における影響力をさらに拡大する考えを示した。

og_intel_012.jpgog_intel_013.jpgAtom搭載スマートフォンは、すでに32カ国で出荷が開始されている(写真=左)、Atomプロセッサを搭載したスマートフォン(写真=右)

og_intel_014.jpgog_intel_015.jpgタブレット市場においても、AtomプロセッサやCoreプロセッサーの採用が増え続けている(写真=左)。Intelプロセッサを搭載したタブレットと2-in-1デバイス(写真=右)

og_intel_016.jpgog_intel_017.jpg22ナノメートルプロセスを採用する次期Atom SoCの「Merrifield」と「Bay Trail-T」で、スマートフォンやタブレット市場における影響力を拡大する計画だ(写真=左)。Merrifield搭載スマートフォンのリファレンスデザインを披露するキルロイ氏(写真=右)

og_intel_018.jpgog_intel_019.jpgBay Trail-T搭載タブレット(写真=左)。Bay Trail-T搭載2-in-1のリファレンスデザイン(写真=右)

og_intel_020.jpgog_intel_021.jpg今年末には搭載製品が登場する見通しのBay Trail SoCには、タブレット向けのみならず、低価格ノートPC向けのBay Trail-Mや、AIOやデスクトップ向けのBay Trail-Dもラインアップされる(写真=左)。Bay Trail-Mを搭載したノートPCや、Bay Trail-Dを搭載したデスクトップとAIO(写真=右)

 同氏は、これらの次世代製品の開発が順調に進んでいることもアピールし、Merrifield搭載のスマートフォン(リファレンスデザイン)や、Bay Trail-Tを搭載した2-in-1デバイスも公開した。

 Bay Trail-Tタブレットでは、グラフィックス機能も大幅に強化され、最新アクションRPGゲームの「Torchlight II」がスムーズにプレイできる様子や、同社が開発を進めているLTEマルチバンドプロセッサ「XMM7160」との組み合わせで、携帯回線で4Kビデオのストリーミング再生を行なって見せた。

 なお、同氏はXMM7160 LTEマルチバンドプロセッサは、すでに大手キャリアや主要スマートフォンベンダーの検証が行なわれており、同製品を採用することを決定したベンダーもあることも明らかにしている。

og_intel_022.jpgog_intel_023.jpgBay Trail-T搭載タブレットによるTrochlight IIのゲームデモ(写真=左)。Bay Trail-T搭載タブレットによる4Kビデオのストリーミング再生デモでは、IntelのLTEマルチバンドプロセッサも利用されている(写真=右)

og_intel_024.jpg4Kビデオストリーミング再生に協力したのは、台湾の携帯キャリア、Far Eas Toneだが、同社はまだ4Gサービスを開始しておらず、同デモが既存の3.5G回線を利用したのか、開発中の4G回線(TD-LTE)を利用したのかは明かされなかった

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第3回 ThinkPad Helixを「ThinkPad視点」でチェックしてみた(後編)

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もっとじっくり「ThinkPadユーザー視点」でチェックする

photoレノボ・ジャパン「ThinkPad Helix」

 続いて、もっとじっくりThinkPadユーザー視点で「ThinkPad Helix」の各部分をチェックしていこう。

 ThinkPadユーザーとして最もこだわりたい部分、それはやはり「キーボードとトラックポイント」である。ThinkPad Helixはポインティングデバイスとして赤ポッチのトラックポイントとジェスチャー操作対応の「5ボタンクリックパッド」、さらにデジタイザーペンを備える。

 さて、伝統的なThinkPadシリーズのトラックポイントは、「G」「H」「B」キーに囲まれた中央部に赤ポッチことポインティングスティックを、スペースキーの下に左右、中央(スクロール操作用)のクリックボタンがあり、中央ボタンを押しながらポインティングスティックを操作することで、Webブラウザなどでのスクロール操作を可能とする。もちろんThinkPad Helixもポインティングスティックは健在だ。

 ただ、3つのクリックボタンがクリックパッドと統合されたのが大きな違いである。独立したボタンではなくなり、クリックパッド全体をボタンとして認識する(クリックパッドごと押せる)機構を新たに取り入れた。パッドのどこに触れながら押したかによって、右クリックなのか左クリックなのか、センターボタンなのかを識別する仕組みだ。

photoトラックポイントの“赤ポッチ”は健在。トラックポイント用クリックボタンは独立ボタン型からクリックパッドに統合した仕様に変更された
photoThinkPad X1 Carbonのキーボードと比較

 まずは独立ボタンがなくなったことで、見た目としてはとてもすっきりとしたイメージとなった。実際に触れても、“押せる”クリックパッドのボタン感/クリック感はどこを押してもほぼ同じ抵抗感にうまく調整されており、押す行為としての違和感は少ない。

photophotoクリックパッド全面を押せる機構を採用。クリック感は上々である
photoトラックポイント用クリックボタンの認識範囲は通常/大より選択できる。マウス設定からクリックパッド(あるいはトラックポイント)のみを無効にすることもできる。クリックパッドをオフにしてもトラックポイント操作のための機能はもちろん維持される

 ただ、これまでのタイプと使い勝手は意外と異なる。パッド面上部中央にある7つの小さな突起によりセンターボタンの位置を触れて確認でき、クリックボタンとして触れたことを認識する範囲は標準/大サイズで調整できる。ただ、やはり物理的なボタンではないのでブラインドタッチ入力時にふと指が中央寄りになってしまうと右クリックのはずが……あれれ。となってしまうシーンがあり、最初は少し戸惑った。

 改めて従来のトラックポイント用クリックボタンは実によくできたデザインで、中央ボタンは上部に凸部、左右ボタンは下部および内側がラウンドするように凸部があったので、その端を無意識に探るよう、1センチほど指をずらすだけで操作できた。

 一方、ThinkPad Helixの新トラックパッドはそんな凸部/ボタン部がはっきりしていないことに加え、慣れないうちは意識的に指の位置を決めて押さないと誤操作となってしまう可能性が高い。これは……今回のレビューを行っていく上で慣れるだろうか。もちろん基本的な操作方法は従来と同じなので、トラックポイントを活用するThinkPadユーザーであれば操作そのものは違和感なく行えると思う。


photoクリックボタンを無意識に操れるようになるまで少し慣れが必要かもしれない。ホームポジションに置いたまま親指を開閉するイメージでクリック操作するときちんと認識されやすくなるな、という感じ
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専任組織を立ち上げ「クラウドに徹する」 SAPジャパン

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 SAPジャパンは6月5日、記者およびアナリストに向けてクラウド事業に関する戦略説明会を開催した。同社は昨年来、グローバル全体でモバイル、インメモリ(SAP HANA)とともにクラウドを重要なビジネスの柱に据えている。今年4月にはSAPジャパンにクラウドファースト事業本部を新設し、組織的なサービス強化と営業力向上を図っている。安斎富太郎社長は「今年は特にクラウドを伸ばしていきたい。徹底的に取り組んでいく」と意気込んだ。

SAPジャパンの安斎富太郎社長SAPジャパンの安斎富太郎社長

 なぜ今、SAPはクラウド事業の拡大に舵を切ろうとしているのか。安斎氏は大きく4つの理由を挙げる。1つ目は、クラウドベンダーの米SuccessFactorsと経営統合したこと、2つ目は、B2Bオンラインマーケットプレイスである米Aribaを買収したこと。「クラウドネイティブの会社のDNAと、かつてのオンプレミスサービスからクラウドサービスに生まれ変わった会社のDNAをSAPは併せ持つことになったのだ」と安斎氏は述べる。

 3つ目は、単一でオープンなプラットフォームを提供できることだという。これは先月発表した「SAP HANA Cloud Platform」のことを指す。SAPはこのPaaS(サービスとしてのプラットフォーム)上に、SuccessFactorsやAribaのソリューションや、中堅企業向け業務アプリケーションパッケージ「SAP Business ByDesign」、会計パッケージ「SAP Cloud for Financials」など、同社のあらゆるクラウドサービスを搭載していく予定である。

 4つ目は、同社が創業時から提唱する「リアルタイム経営」を顧客が実現するために、クラウドは必要不可欠だということである。

「こうした要素を兼ね備えているのは、現時点ではSAPだけである。既にユーザーも全世界で2900万人を超えている。まさにクラウドを推進すべき会社に変わったのだ」(安斎氏)

企業規模は関係ない

SAPジャパン バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長の馬場渉氏SAPジャパン バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長の馬場渉氏

 では、クラウド事業をさらに成長させるための具体的な戦略とは何か。同社 バイスプレジデントでクラウドファースト事業本部長の馬場渉氏は、これまで同社がとってきた戦略との違いを説明する。

 まず、対象企業規模について、今までは主に中堅・中小企業に向けたクラウドサービスを提供していたが、今後はすべての企業規模がターゲットになる。提供地域については、新興国中心だったのを日本を含む全地域にする。

 営業提案に関しては、これまで顧客企業の全体最適を前提に考えていたため、例えば、5年に1度のシステム刷新に合わせて提案するようなスタイルだった。しかし、ビジネス環境が急激に変化する中、これではスピード感が出ない、部門ごとに対応できないなどの課題があったため、クラウドサービスの個々の機能を部門ごとに提供するような個別最適を重視する。導入形態についても顧客企業それぞれのニーズに合わせてアプローチを変えていくとした。

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ヘリウム封入新技術「シールドストレージ」、ストレージ密度業界最大のPC向けHDDなど──HGST戦略説明会「Future Pulse 2013」

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ヘリウムを封入した新HDDを開発中、コールドストレージ需要の高まりに対応

 HGSTは6月4日、同社のストレージ戦略を説明するイベント「Future Pulse 2013」を実施。HGSTジャパンの堀家正充社長、HGST プロダクトマーケティング担当ブレンダン・コリンズ氏らが登壇し、現在のストレージ市場や技術トレンドについて説明した。

photophotoHGSTジャパンの堀家社長、HGSTのブレンダン・コリンズマーケティング担当副社長

 HGSTは、現在ストレージシェアトップ Western Digital(WD)傘下のストレージメーカー。かつてIBMと日立製作所のHDD事業が統合して設立された“日立GST(日立グローバルストレージテクノロジーズ)”として展開。2011年にWDによる買収が発表され、2012年5月に完了。日本法人の名称を日立グローバルストレージテクノロジーズからHGSTジャパンに変更した。

 なお2013年現在、HGSTとWDは連携・技術供与などは行っておらず、同グループながらそれぞれが独立事業体として、互いを競合相手にビジネスを続ける姿勢を取っている。WDグループのスティーブ・ミリガンCEOとトップに、HGSTのマイク・コルダノ社長とWDのティム・レイデン社長が両翼を担う配置とし、日本法人のHGSTジャパンは主に製造を担うアジア各拠点とは別に研究開発の拠点として機能している。

photophotophotoHGSTはストレージ最大手 Western Digital傘下の企業だが、WDとは財務を除いて、技術供与や連携などは現在のところ行っておらず、それぞれが独自に製品開発を行っている

 ストレージ市場は、接続デバイスの増加、クラウドサービスの成長とデータセンター需要のさらなる活性化、ビッグデータの利活用シーンの創造などにより、全世界で保存されるデータ量はゼタバイト(ZB)に達する時代がすぐ到来すると予測。合わせて、エンタープライズ向けストレージが現時点の記録密度の伸びを上回るほど需要が増加すると同社は見ている。

photophotophoto2020年までのストレージ市場トレンド
photophotophoto需要が急増するビッグデータビジネス関連。ストレージは多様性(Variety)/ボリューム(Volume)/スピード(Velocity)の3Vが望まれる。個人SSD市場は2016年に1億台出荷規模となり、容量単価も1Gバイトあたり0.26米ドル(約26円)ほどまで下がると予測される

 エンタープライズ向けストレージ、特にITシステムに加え、クラウドサービスを提供する大型データセンターにおいては、高速アクセスを要求するデータ処理に最大12Gbpsと高速なSerial attached SCSI(SAS)接続のSSD「Ultrastar SSD800MH」シリーズを、高速処理を必要としないデータはリードパフォーマンスを下げる代わりに保管を主軸に保存容量と保存の信頼性、低消費電力性能を高めたコールドストレージ(テープメディアの代替)の積極推進・展開をしていく考えだ。コールドストレージ製品向けに、HGSTはボディ内部をヘリウムで満たした独自の新世代ドライブ「シールドドライブ」の開発も進める。

 シールドドライブは、空気比7分の1の密度とするヘリウムを封入することにより、発熱と消費電力を低減できる効果があるとするHGSTの独自技術。低発熱のマージンを生かし、同じ厚さでプラッタ数を増やすことで同体積比での記録容量を拡大、さらにテラバイトあたりの消費電力量を49%低減できる効果があるとする。HDD技術は記録密度の伸びが鈍化し、かつ磁気記録技術の向上がすでに困難となっている現状、「革新的な技術の1つ」(コリンズ氏)とうたう。

photophotophoto内部にヘリウムを密入したHDDの新技術「シールドドライブ」。コールドストレージニーズに向けて開発されている
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IntelとMcAfeeで作るセキュリティの新しいカタチ、CMOに聞くマーケティング戦略

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mcafee0606.jpgMcAfee エグゼクティブバイスプレジデント兼CMOのペニー・ボールドウィン氏

 2011年に半導体大手のIntelがセキュリティ専業のMcAfeeを買収。当時としてはIT業界最大の買収規模であり、また、異色の組み合わせとしても注目を集めた。2社は「ハードウェア支援型セキュリティ」というハードウェアにセキュリティソフト技術に組み込む新たなアプローチを推進している。両社のマーケティング戦略をMcAfee エグゼクティブバイスプレジデント兼最高マーケティング責任者(CMO)のペニー・ボールドウィン氏に聞いた。

 今年CMOに就任したボールドウィン氏は、以前に米YahooのCMOや広告代理店の代表職などを歴任した。「Yahoo時代には多種多様なコンテンツやサービスを活用するだけで、日々の生活が素晴らしいものになると考えていました。セキュリティの世界に飛び込んでみて分かったのは、その前提が間違っているということです」とボールドウィン氏は話す。

 セキュリティ業界に対する印象は、複雑で非常に技術的であることだったという。「就任から半年ほどですが、セキュリティがより多くの人に受け入れられていくためにはどうすべきかということに、日々取り組んでいます」とのことだ。

 2社の「ハードウェア支援型セキュリティ」の取り組みは、製品面ではステルス型のマルウェア対策機構をIntelのチップセットに実装した「McAfee DeepSafe」や、Xeonプロセッサ採用のハードウェアを利用するIPS「Network Security Platform NSシリーズ」などを開発、リリースした。直近ではIntelが、タブレット向けの新型Atomプロセッサのプラットフォームに、McAfeeの統合型セキュリティソフト「McAfee Live Safe」に対応する機能を実装すると発表した。

 ハードウェア支援型セキュリティは、ユーザー自身の手でセキュリティ対策を講じなくてはならないという従来型のアプローチにおける負担を軽減させると同時に、セキュリティレベルの向上を支援するという。だが、セキュリティの脅威はますます巧妙化し、対策を講じるべき範囲も広がる一方であるだけに、対策が複雑になれば、ユーザーの負担軽減という目的の達成は難しくなりそうだ。

 ボールドウィン氏によれば、こうした点のマーケティング面からの解決方法について、Intel社長に就任したレニー・ジェームズ氏と頻繁に検討を重ねてきたという。

 その結果として、例えば、企業向けエンドポイントセキュリティ製品のスイートに、DeepSafeやモバイルセキュリティ管理基盤などの製品を統合した。「多数の複雑なセキュリティ製品の中から必要な製品を選択できるように提供形態をシンプルにしました。マーケティングの観点からユーザーが求める製品構成や価格などは随時見直しを図っているところです」

 また、コンシューマ向け製品ではユーザーの意識の高める工夫を製品に取り入れていくという。「例えば、機密ファイルを含んだフォルダ名『Secret』としてしまうようなことがあります。それがいかに危険な行為であるかを、強いメッセージで警告してしまうのではユーザーの意識は高まりません。丁寧な説明を通じて、ユーザーが自然と安全な利用を実践していけるような仕組みが大切でしょう」

 ハードウェア支援型セキュリティの技術面での取り組みが進む中、ボールドウィン氏は、ユーザーにそれをより活用していくためのマーケティング面からの施策を推進していくという。

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世界最軽量のタッチ対応Ultrabook――写真でじっくり見る「VAIO Pro」

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カーボンファイバーボディで軽量化を実現

 ソニーは6月5日、台湾・台北市で記者会見を行い、同社製ノートPC「VAIO」の新シリーズ「VAIO Pro」を発表した。VAIO Proは11.6型の「VAIO Pro 11」と13.3型の「VAIO Pro 13」の2機種を用意する。ここでは写真を通じてVAIO Proを紹介しよう。

VAIO Pro 13

 VAIO Pro 11の重量は約870グラム、VAIO Pro 13は約1060グラムとタッチパネル搭載Ultrabookとして世界最軽量(同社調べ)という。ボディの素材に東レのUDカーボンファイバーを採用し、剛性を確保しつつ軽量化を実現した。カラーバリエーションはブラックとシルバーの2色だ。グローバルでは2013年6月中旬から順次発売する。

photophotophotoVAIO Pro 13(シルバー)。10点マルチタッチ対応のタッチパネルを搭載するが、重量は約1060グラムと軽い。天面にVAIOのロゴがあしらわれており、底面にもロゴがある

 CPUは第4世代Coreプロセッサー・ファミリーを採用。展示機のスペックは、CPUがCore i7-4550U、メモリが4Gバイト、ストレージは128GバイトSSDなど。液晶ディスプレイはフルHD(1920×1080ドット)表示に対応し、視野角が広いIPSパネルを採用した。インタフェースはUSB 3.0×2、HDMI出力、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン出力を右側面に備える。

photophotophoto展示機のスペックとWindowsエクスペリエンスインデックス(写真=左、中央)。背面のヒンジ部分に“Sony”の文字が彫られている(写真=右)
photophoto正面(写真=左)と背面(写真=右)にはインタフェースはない
photophoto左側面にはAC入力のみを配置し(写真=左)、右側面にはUSB 3.0×2、HDMI出力、SDメモリーカードスロットを備える(写真=右)

 VAIO Proは“生産性を高めるモバイルノート”という性格を持つことから、キーボードの質にもこだわりがあるという。キーピッチとキーストロークに配慮しつつ、キーボードバックライトも内蔵する。ヒンジの設計も独特だ。ディスプレイを開くとキーボードの奥側が持ち上がるため、キーを打ちやすくなる。

photophotophotoキーボードはキーピッチが広くなるよう配慮した(写真=左)。キーボードバックライトも内蔵する(写真=中央)。ヒンジ部にスピーカーを備える。ソニー独自の技術で高音質を実現したという(写真=右)
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3行で分かる、カメラと無線のおいしい関係 第1回 「Eye-Fi」

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 デジカメの無線(Wi-Fi)対応が進んで久しいが、その実装方法や得られるメリット、はさまざまで、ひとくちに「無線対応」とくくれない部分もある。そこでこの連載では「デジカメと無線」をテーマに、関連するさまざまな製品をピックアップしていく。

 第1回となる今回はデジカメの無線対応という意味ではかなりの古参となる、アイファイの無線LAN機能内蔵SDメモリーカード「Eye-Fi」を取り上げる。

photo「Eye-Fi Pro X2」(16Gバイト版)

「Eye-Fi」を3行で

—SDカードに無線LAN機能を搭載、カメラに差し込むことで無線対応にできる

—LANに参加することで、写真と動画をパソコンやクラウドへ自動転送

—転送専用のアイテム


「Eye-Fi」 ここがGood、ここがNo Good

  • Good

—カメラの機種に依存しない

—パソコン&クラウドへの写真保存がワイヤレスで完結

—公衆無線LAN対応

  • No Good

—初期設定にパソコンと専用カードリーダーが必要(例外製品あり)

—カメラ用メモリカードとして見ると容量が少なく、価格も割高

—多機能な分、やや設定項目が多く煩雑な印象にもなりがち


 Eye-Fiは無線LAN機能をSDメモリカードに搭載することで、カメラからカードを抜き出すことなくデータの移行を実現するアイテム。移行(コピー)先はLAN内のパソコンはもちろん、各種クラウドサービスも選択でき、「ダイレクトモード」を利用すればスマートフォンやタブレットへの転送も行える。

 登場から時間が経過している(日本国内販売開始は2008年末)ことから、対応するデジカメが多いこともメリットとしてあげられる。カメラメーカー各社の主要シリーズは多くが対応しており、対応製品ならば転送状態の確認やEye-Fiカードが搭載する無線機能のON/OFFなどを操作できる。

 製品の特徴はすでに個条書きで書き出したが、基本的にEye-Fは「LANに参加し、パソコンやクラウドへデータを転送する」ことを主眼としたアイテムである。

 具体的な利用例としては、Eye-Fiをセットしたカメラで撮影して帰宅した後、自宅の無線LANにEye-Fi装着のカメラを参加させ、パソコンのHDDやクラウドサービスへデータを自動転送するといったことが挙げられる。

 この「自動転送」というのがキモ。

 初期設定を済ませておけば、カメラの電源を入れるだけで撮影データは自動的に指定した場所(パソコンのHDDやクラウドサービス)に保存されるので、写真をカメラに入れっぱなしにしてしまうという事態が起きない。つまり、写真を死蔵させずに済むわけだ。クラウドとしてはevernoteやflickrのほか、facebookやmixiといったSNSも指定できる。

photo自動転送中。帰宅後にカメラの電源を入れれば自動的にバックアップされるというのはかなり便利
photophoto設定の一例。パソコンのHDDに保存しつつ、Picasaもアップロードする設定としてみた

 一方で苦手としているのが、スマホ/タブレットへの転送だ。

 スマホアプリも用意されており、スマホ/タブレットへ直接画像を転送する「ダイレクトモード」もある。また、NTTドコモのAndroid端末向けに、パソコンなしでも利用できる「Eye-Fiカード 01」の販売が行われているものの、後に登場した無線対応製品に比べると、スマホ転送に関して一手間かかる印象はぬぐえない(国内では未発表だが、「Eye-Fiカード 01」のiOS対応版といえる「Eye-Fi mobi」が発表されている)

・Eye-Fi「ダイレクトモード」の価値を考える

・初期設定いらずの無線LAN内蔵SDカード 「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」を試す

 スマホ/タブレットへの転送ができないわけではないし、スマホアプリから転送先設定が行えたり、RAW形式ファイルの転送にも対応するなど機能面では非常に充実している。ただ、本製品が元来、「デジタル写真の整理整頓の困難さを解消すること」を目的として開発されたという経緯があり、スマホ/タブレットでの閲覧及び利用が、優先度として高く設定されていない印象を受ける。

 とはいえ、利用するカメラを変えても同じ無線環境を利用でき、なおかつ、ローカルストレージへのバックアップやクラウドアップロードに関しては導入することで大きな省力化を実現できる。スマホへの転送が手間という問題はあるが、クラウドへアップロードすればスマホからの閲覧も容易。自分なりのデジカメ画像運用に組み込めるならば、大きな力となってくれるアイテムだといえる。

3行まとめ

  • パソコン&クラウドへのデータ転送はとても楽
  • スマホ/タブレットへのデータ転送はちょっと面倒
  • 撮影写真のバックアップを自動化したい人にお勧め

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政府機関や軍事産業を狙うマルウェアスパイ、日本など40カ国350組織に被害

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 ロシアのセキュリティ企業Kaspersky Labは、世界の大手企業や政府機関などを執ように狙い続けているサイバースパイ攻撃の実態についてまとめた報告書を発表した。日本を含む世界40カ国で350組織が被害に遭っているという。

 同社によると、この攻撃に使われているマルウェア「NetTraveler」(別名Travnet、Netfile)は、2004年ごろから既に存在していたとみられ、2010年から2013年にかけて大量に出回ったという。

 NetTravelerは、Microsoft Officeの既知の脆弱性を突くWordファイルなどを利用したスピアフィッシングの手口で、狙った相手のコンピュータに感染。システム内に潜伏して被害組織を監視し、OfficeやPDFなどの文書を盗んだり、キー入力を記録したりする機能を持つ。

 主な標的として、政府機関、軍事産業、石油産業、研究機関、チベット活動家などが狙われているといい、最近では宇宙探査、ナノテクノロジー、原子力発電、医療、通信などの分野が主な標的となっている。国別に見ると、モンゴルを筆頭にインド、ロシアでの感染数が多く、日本でも民間企業や外交施設に対する攻撃が報告されている。

kaspersky01.jpg被害に逢った業界別の割合(Kasperskyより)

 被害組織の中には、やはり政府機関などを狙ったスパイ活動に使われる「Red October」と、NetTravelerの両方に感染していたところもあるという。

 NetTravelerの攻撃には50人ほどの人物がかかわっているとみられ、その大半は中国語を母国語として、英語も使いこなしているとKasperskyは分析している。

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ITもグローバル視点 ── 世界トップに追いつけ追い越せ

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 「グローバル化」とひと口に言っても企業ごと、部門ごとにその意味合いはさまざまだが、国内市場が成熟化する中、成長の牽引役を海外市場に求める日本企業は多い。それに伴い、情報システム部門を舵取りするCIOには、海外現地法人のガバナンスや買収企業の統合作業など、これまでになかった難問がのし掛かる。

 このインタビュー連載では、企業のデジタル化を牽引し、その競争力向上に取り組むCIOに話を聞いていく。

第1回 ビジネスのデジタル化で成長を牽引する情報システム部門へ

第2回 ITもグローバル視点 ── 世界トップに追いつけ追い越せ



hikichi01.jpgJTの引地久之IT部長

 1980年代、中曽根政権の「民活」政策によって日本電信電話公社や日本国有鉄道が相次いで分割民営化されたが、日本専売公社から事業を引き継いだ日本たばこ産業(コミュニケーションネーム:JT)もそのひとつだ。政府が3分の1の株式を保有する同社だが、積極的に企業や事業を買収、NTTやJRとともに日本を代表する企業グループとして成長を続けている。

 中核であるたばこ事業以外にも医薬事業や飲料事業、加工食品事業といった事業を展開しているが、中でも注目すべきは、やはり海外の大手たばこ企業の買収だろう。1999年に米国のR. J. Rナビスコから米国外のたばこ事業を買収、2007年には英国Gallaherの大型買収を成功させ、世界最大のPhilip Morris International、2位につけるBritish American Tobaccoを追撃する体制を整えた。2012年度の売上構成は、海外たばこ事業が全体の約47.6%、営業利益では約54.3%を占めており、JTグループが中期経営計画で特に重視している利益成長を牽引している。

 日本企業のグローバル化においては、しばしば海外現地法人のマネジメントが課題視されているが、グループ利益の半分以上を稼ぎ、利益成長の牽引役でもある海外たばこ事業には、それにふさわしい経営資源の配分と権限委譲が行われているという。

 「情報システムについても、海外のグループ企業ではSAPが導入されるなど、大体同じようなものを使い、標準化が進んでいる。一方、国内のグループ企業では個別にあつらえた情報システムがばらばらにあり、国内と海外が2極化している状況だが、段階的に海外に合わせていく計画だ」と話すのはJTのIT部を統括する引地久之部長。

 引地氏は、Compaqの日本法人で情報システム部門長としてERPを導入、Hewlett-Packardによる買収後も部門長としてITの統合を推進した経験を持つ。医薬事業や飲料事業、加工食品事業を行う国内の各グループ企業にも、会計を中心とするバックオフィスにはSAPが導入されているが、さらに踏み込んで製造系においても更新時には可能な限りパッケージに移行させたい考えだ。

 「バックオフィス業務の標準化・シェアードサービス化や、個別開発された業務システムのパッケージ移行などは、既にロードマップに基づいて多年にわたって着実に取り組んできている。その意味ではグローバルモデルを安定させていく時期に入ったといえる」(引地氏)

 しかし、一昨年の東日本大震災は、何が起こるか分からない不確実さと危うさを日本企業に教訓として残した。JTでも複数の工場が被災し、一時的な措置にせよ、全銘柄の出荷停止に追い込まれた。

 「MILD SEVENの名称を“MEVIUS”(メビウス)に刷新し、グローバルNo.1プレミアムブランドを目指す以上、柔軟かつ堅牢なサプライチェーンが欠かせないだろう。自動車と同じようにどこで作ってもいい。必要としている市場に良い品質のたばこを最適な場所で生産する、というグローバル全体最適をITが支えなければならないし、そのスピードを高めていかなければならない」と引地氏は危機感を抱く。

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クラウドでコスト削減は本当? オンプレミスと比べてみる

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 ファイナンシャルアドバイザーであれば誰もが、「リースするより所有した方がいい」と言うだろう。だが、ことクラウドコンピューティングに関しては、この考え方は無視されている。

 即金では購入できない、最新鋭で最高性能を備えるインフラやプラットフォーム、アプリケーションにすぐにでもアクセスしようと、クラウドプロバイダーに月額の利用料金を支払う企業がますます多くなっている。昨今、ITプラットフォームやアプリケーションのリース市場は活況を呈し、企業にはさまざまなクラウドサービス(XaaS:Anything as a Service)が用意されている。こうしたサービスを利用してITコストの削減につなげたいというのが企業の思惑だ。

第3回 “通話”はできる? 動画やゲームの使い心地は?――「dtab」

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photophotoドコモの10.1インチタブレット「dtab」

質問:動画はきれいに再生できる?

 dtabで使う機能として真っ先に思い浮かぶのが、動画の視聴だろう。9975円で購入する場合は「dビデオ」の契約が必須なので、見ない手はない。

 dビデオは縦横どちらでも再生でき、ドコモのタブレットやスマートフォンでおなじみのメディアプレーヤーで再生する。ストリーミング再生の場合と、ダウンロードできる動画があり、画質は「普通」「きれい」「すごくきれい」から選べる。キレイであるほど動画ファイルが大きくなるが、dtabの場合、無線LANに接続して通信するので「すごくきれい」を選べばいいだろう。ダウンロードして保存する場合は、ファイル容量が小さい方がより多く保存できるが、その分画質が落ちる。

 もちろんdビデオ以外の動画を見ることも可能。例えばGoogle Playで配信している映画もキレイに再生できる。

photodビデオで海外ドラマを「すごくきれい」で再生

質問:メモリ(RAM)は十分?

 複数のアプリを起動したまま動画の操作(一時停止など)をすると、動作が固まってしまうことが何度かあった。メモリのRAMは1Gバイトと決して大きくなく、アプリを終了させるときは「戻る」ボタンできっちり終了させたほうが動作は安定しそうだ。また本体が固まったときはバッテリーカバーが外せないので、電源ボタンが反応しないと手動で起動をし直すこともできないので注意が必要だ。筆者の場合、固まったまま放っておくと数分で再起動になり元に戻っていた。

質問:電子書籍は読みやすい?

 dビデオと同じく、ドコモの「dブック」という電子書籍サービスがすぐに使える。無料の立ち読みでお試し感覚で使えるほか、支払いにドコモケータイ払いのほか、dコイン(クレジットカードとwebmoneyで購入できる)とドコモポイントが使える。前回も書いたが、dブックの中にはスマホ専用のコンテンツもあるので注意。ダウンロードしようとすると、警告の表示が出るので間違ったまま買うことはないだろう。

 AmazonのKindleアプリも使ってみたが、こちらはdocomo IDは関係なく、通常どおりAmazonのアカウントを使えば購入できる。

 10インチになると、コミックのページは縦表示ではかなり大きく感じる。筆者は横画面で2ページ表示にして見た方がちょうどよかった。大型のタブレットのため、片手操作でページをめくるには手の負担が大きく、安定しないので、両手操作になるのは必然だ。

photophotodブックで配信されているコミック「進撃の巨人(諫山創/講談社)」を読むと縦画面に固定。本よりも大きい画面に表示できる。小説の「初陣(今野敏/新潮社)」は縦横どちらの表示も可能だ
photoKindleをGoogle Playからインストールして、「進撃の巨人」を同じように見た画面。Kindleでは縦横どちらの表示にも対応しており、筆者の場合は横画面の見開きで見ていく方がしっくりくる

質問:ゲームの操作感はどう?

photodゲームはブラウザゲームなのでアプリをインストールする必要がないうえ、無料で手軽に、そして安心して遊べる。ただし画面のレイアウトはスマホのまま

 dゲームの場合はブラウザゲームとなり、しかもスマホに合わせた表示なので大画面のタブレットで遊ぶには物足りない。そこでGoogle Playから迫力のあるゲームをダウンロードした。

 まず剣闘士の戦いが楽しめる「BLOOD&GLORY:LEGEND」(GLU MOBILE)をプレイ。タッチ操作で相手の攻撃を避け、倒していく。グラフィックがきれいで迫力があり、無料でも相手を倒し続ければゲームは進められる。

 dtabでは12体目まで倒し続け、フリーズすることもなく約30分は遊べた。筆者は「Nexus 7」でよく遊ぶが、dtabはNexus 7と比べると若干タッチの反応が悪い。これはタッチパネルやレスポンスの問題というよりも、大画面のせいで指の位置が合っていないからかもしれない。

 同じくグラフィックがきれいなレーシングゲーム「Real Racing 3」もプレイしてみた。こちらはdtabを傾けて遊ぶゲーム。反応は問題なく、コンピューター相手に勝つのも容易だ。よほど細かい反応にこだわらない限り、dtabで十分にゲームを遊べる。

photophotoこちらはGoogle Playからインストールした「BLOOD&GLORY:LEGEND」と「Real Racing 3」。携帯ゲーム機よりも大きい画面で遊べるので迫力がある

質問:dtabで通話はできる?

 dtabは3GやLTEのモバイルデータ通信に対応していないので音声回線による通話ができないが、無線LANを使った通話は可能だ。dtabにはマイクも付いているので、dtab単体でも通話ができる。

 今回試したのは「Skype」と「LINE」。Skypeはアプリをインストール後、Skypeアカウントを使ってログインすれば通話ができる。Skypeユーザー同士なら無料、固定電話や携帯電話に通話をする場合は有料になる。LINEはアカウントを持っていれば、LINEユーザー同士で無料通話が可能だ。スピーカーフォンを選択できる。

 SkypeとLINEいずれも、Bluetoothを使ったヘッドセットで問題なく通話できた。

photophotoSkypeで通話中の画面。この画面では相手がビデオ通話に対応していないが、相手の端末がビデオ通話に対応していれば、お互いに顔を見ながら話すこともできる(写真=左)。LINEの通話はスピーカーフォンやワイヤレスヘッドフォンでも可能だ(写真=右)
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