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長文入力には欠かせない!――Bluetoothキーボードはこう選べ iOS編

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 仕事でタブレットをバリバリ使うようになると、キーボードが欲しくなる。込み入った内容のメールを書きたい、プレゼン資料をまとめたい——といった用途になると、タッチパネルに表示されるソフトウェアキーボードで作業するのはやはり辛い。

 そこで今回は、前後編の2回に分けて、タブレット向きのBluetoothキーボードを取り上げる。前編ではキーボードを選ぶ際の注意点を解説するとともに、iOS向きのBluetoothキーボード4種を紹介。後編ではAndroid向きのキーボードを紹介する。なお、今回の企画では、特定機種向きの画面保護カバー一体型キーボードや、汎用タイプでも比較的大ぶりの製品(テンキー搭載機など)は対象外としている。

Bluetoothキーボードを選ぶときの注意点

 Bluetoothキーボードを選ぶときの注意点として、この9点は外せない。

  • 折りたたみ型かどうか
  • 電源が乾電池か内蔵バッテリーか
  • 動作時間
  • 特殊キーの配置
  • 対応OSおよびキー配列(日本語/英語)
  • ペアリング台数
  • サイズと重さ
  • Bluetoothのバージョン
  • キータッチ

 まずはそれぞれの項目について解説していこう。

折りたたみ型かどうか

Photo折りたたみ型キーボードの例。ここまでコンパクトになる

 スマートフォンほどではないにせよ、タブレットは日常的に持ち運ぶことが多い機器だ。そのため、Bluetoothキーボードもある程度は持ち運びやすさを考慮したい。

 この点においては、折りたたみ型を選ぶか否かが最初のポイントとなる。折りたたみ型なら手のひらにギリギリ乗るくらいのサイズにまで小さくなるので、持ち歩くのにはとても便利だ。

 その一方で折りたたみ型キーボードはキーサイズが小さく、一部のキーが省略されることもある。ノートPC並みの打ちやすさを求めていたり、持ち運んで使うことがないなら、非折りたたみ型のキーボードを選ぶ手もある。

電源が乾電池か内蔵バッテリーか

 Bluetoothキーボードは有線(USB)接続とは異なり、無線でタブレットとの通信を行うため、バッテリーが必要になる。

 本企画で紹介するキーボードの電源は、乾電池と内蔵バッテリーの2種類。乾電池のメリットは、必要なときにどこでも入手できる点だ。万一、外出先で電池が切れた場合でも、コンビニなどで調達できる。充電式電池を持っていれば、電池代を気にすることもない。なお、使用する電池のサイズ(ほぼ単三か単四)や本数も確認しておきたい。

 内蔵バッテリーは、付属のmicroUSBかminiUSBケーブルで充電することになる。出張などで長期間持ち歩く場合は、ACアダプタとUSBケーブルを持ち運んだほうが安心だ。タブレット本体の充電がUSB方式であれば、それらのアダプタを使い回せる可能性はある。なお、一般的に内蔵バッテリー式のほうが、乾電池式よりもキーボード本体の構造が薄くなる。

sa_k12.jpgPhoto乾電池ならイザという時の交換が簡単(画面=左)。充電式キーボードはたいていUSBケーブル充電(画面=右)

動作時間

 バッテリーの種類とも関連するが、Bluetoothキーボードは動作時間を一律に表現するのがなかなか難しく、メーカーによって対応が分かれる。多くは3カ月や半年といった期間で示されるが、1日あたりの利用時間を定めているのだ。これはユーザー側の環境によって使える時間が大幅に変わるからだろう。参考程度にみておくといい。

特殊キーの配置

 コンパクトなキーボードは、特殊キーが省略されていたり配置が特殊だったりする。カーソルキーがとても小さかったり、右Ctrlキーがなかったりするだけでなく、Escキーが単独で存在せず、別キーとの組み合わせになっている場合すらある。ファンクションキー(F1〜F12)の扱いも各製品によってかなり異なる。製品情報サイトを見れば、詳しいキー配置を確認できるだろう。

Photo右Ctrlキーなどは省略される傾向にある。カーソルキーが小さかったりする場合も

対応OSおよびキー配列(日本語/英語)

 Bluetoothは汎用性の高い規格だが、Bluetoothキーボードとなると途端に一筋縄ではいかなくなる。まず大前提として「iOSでは日本語配列キーボードを日本語配列のまま使えない」ということを理解しておく必要がある。

 iOSでは、最新のiOS 7であっても日本語キーボードを想定した設定がない。このため、日本語配列キーボードをiOS端末に接続しても、キーボードに印字されている文字や記号がそのまま入力できない。例えばShift+2を入力した場合、日本語配列なら「"」と入力されるはずだが、iOSの画面には「@」と表示される。

 このため、iOS端末において、「キーの刻印通りの入力をしたい」という場合は英語配列キーボードを使うしかない。「iOS対応」をうたう日本語キーボードでも、よくよく見ると「キー刻印を読み替えてください」といった注釈がパッケージや説明書に書かれているはずだ。ちなみに、キーボード側で特殊な対応をすることで配列問題を解決した機種も一部ある。

sa_k15.jpgPhoto英語配列の例。「2」キーに注目(画面=左)。こちらは日本語配列。「2」キーに「"」が刻印されている(画面=右)

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高速EVF搭載、上位機の特徴を引き継いだスモールプレミアム「OM-D E-M10」

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 オリンパスは1月29日、マイクロフォーサーズ規格に準拠したミラーレスカメラの新製品「OM-D E-M10」を2月末より販売開始すると発表した。ボディのみ、新レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」をセットした14-42mm EZレンズキット、望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0-5.6 R」もセットしたEZ ダブルズームキットが用意され、いずれも価格はオープン。

 実売想定価格はボディのみが8万円前後、レンズキットが9万5000円前後、ダブルズームキットが11万円前後。

photophotoオリンパス「OM-D E-M10」(14-42mm EZレンズキット)

 シリーズ最上位機「OM-D E-M1」(レビューまとめはこちら)、中級機「OM-D E-M5」(レビューまとめはこちら)に続くエントリーに位置づけられる機種。上位機からさまざまな特徴を引き継ぎながら、新たな沈胴式レンズも用意することで撮影時の軽快さを高めた。

 撮像素子はE-M5と同様の有効1605万画素 4/3型 ハイスピードLive MOSセンサーを搭載し、ここにE-M1と同様の画像処理エンジン「TruePic VII」を組み合わせる。ISO感度は拡張設定でISO100相当の設定も可能だ。TruePic VIIの搭載によって、レンズや絞り値に応じたシャープネスや倍率色収差の補正、偽色の低減処理などを行う「ファインディテールII」、エメラルドグリーンやイエローなど色再現の難しい色も忠実に再現する「リアルカラーテクノロジー」などの画像処理技術も実装されている。

photophoto正面(写真=左)、背面(写真=右)

 エントリーモデルの位置づけながらEVFは144万画素と高精細で、ファインダー倍率も0.57倍と大きく見やすい。また、E-M1が備える、外環境の明るさによってEVFのバックライト輝度を調整し、目の明暗順応による視覚誤差を低減する「キャッツアイコントロール」も搭載している。また、EVFの駆動速度を通常の倍、120fpsとする高速モードも備えており、加えて、高速モード時には表示タイムラグを約0.007秒(標準モード時は約0.027秒)まで短縮できる。

 ボディの天面には電子ダイヤルとファンクションボタンをそれぞれ2つ搭載、3型の液晶はタッチパネルとなっており、上位機とほぼ同様の操作感覚を提供する。ペンタ部には、ガイドナンバー8.2のストロボも内蔵する。

photo「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」装着時の上面

 ボディ内には縦/横/光軸の3軸手ブレ補正を搭載しており、補正効果は3.5段分となる。補正軸は3軸とE-M1/M5の5軸よりも簡略化されたが、M1に導入された「VMC」方式を採用する。また、動画撮影時には電子式を併用する「M-IS」モードが利用でき、歩きながらなど振れ幅の大きなブレに対しても補正効果を発揮する。

 AFはコントラストAFの「FAST AF」で、合焦速度は最高0.13秒(CIPA AF時間試験法準拠、M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ使用時)。測距点はE-M1と同じく81点で、C-AF時の被写体捕捉アルゴリズムも改良されており、動体撮影時のAF追従速度を高めている。連写は最大8コマ/秒で、C-AF時でも最大3.5コマ/秒となる。

 Wi-Fiも搭載しており、対応アプリをインストールしたスマートフォン/タブレットへの画像転送やリモート操作を行える。キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」のズーム操作も可能だ。

photophotoストロボを内蔵する

 撮影機能としてはデジタルフィルターの「アートフィルター」や組み写真のような表現を行う「フォトストーリー」などに加え、新たに画像合成によって「街の夜景と星の軌跡」などいった光跡のある写真を手軽に撮れる「ライブ・コンポジット」を新たに備えた。

 ボディーカラーはブラックとシルバーの2色。ボディサイズは119.1(幅)×82.3(奥行き)×45.9(奥行き)ミリ、約396グラム(充電池およびメモリカード含む)で、キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」を装着した以上でも奥行き約64ミリ、約460グラムに収まる。

 キットレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ」は35ミリ換算28〜84ミリ相当の焦点距離をカバーする3倍ズームレンズで、カメラ本体の電源ON/OFFに連動する沈同構造を備えており、未使用時には全長22.5ミリとズームレンズながらパンケーキレンズとも呼べる薄さを実現している。

 別売オプションとしては専用の着脱式グリップ「ECG-1」(7500円 税抜)、ソフトカメラケース「CS-44SF」(6000円 税抜)などを用意する。

photo着脱式グリップ「ECG-1」の装着時

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写真で解説する「ARROWS A 301F」

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 富士通モバイルコミュニケーションズ製Androidスマートフォン「ARROWS A 301F」(レビューまとめはこちら)は、ソフトバンクモバイルが2013-2014年の冬春モデルとして用意した1台。フルスペックと呼べる高機能と、省エネ仕様+急速充電のストレスフリーなバッテリー持ちが特徴だ。

photophoto「ARROWS A 301F」。カラーはブラック、コンフォートホワイト、ピンクの3色

 これまでのARROWS Aシリーズはボディがスクエアなデザインだったが、301Fはそれを一新して、持ちやすいラウンドフォルムになった。5インチのフルHD(1080×1920ピクセル)表示液晶を搭載するが、ボディサイズは幅70ミリに抑えられており、また全体的に丸みがあるために持ちやすい。背面は陶磁器を意識したという仕上げで、サラサラとした手触りなのもユニークだ。傷や汚れが付きにくい、富士通独自のダイヤモンドタフコートも使われている。

photophotoARROWS Aの正面(写真=左)と背面(写真=右)。正面からみてもかなり丸いフォルムになった。背面のスマート指紋センサーは円形で、カラーをボディとそろえている
photophoto端末の上面(写真=左)と底面(写真=右)。ボディの断面もかなりラウンドしているのが分かる。上面のイヤフォンジャック、底面のMicro USB端子はキャップレス防水だ
photophoto左側面にボリュームキーと電源キーを配置(写真=左)。右側面には急速充電用の端子がある。卓上ホルダに置く場合はこちらが下になる
photophoto端末正面の上部(写真=左)と下部(写真=右)のアップ。正面側のボディはツヤのあるグロス仕上げで、このピンクは細かなラメが入っている
photophoto端末の背面上部(写真=左)と下部(写真=右)。こちらは陶器のようなサラサラとした手触りの仕上がり。形もかなり丸みがあり、手になじむ

 もちろん富士通製の端末ということで、スマート指紋センサーも備える。301Fの指紋センサーは形が丸くなり、ボディと合わせた3色(ブラック、コンフォートホワイト、ピンク)のカラーリングなのも特徴だ。指紋と組み合わせて利用できるプライバシーモードも引き継いでいる。

 富士通らしさという点では、ROM(内部ストレージ)が64Gバイトと大容量なのもうれしい。RAMは2Gバイトで、最大64GバイトまでのmicroSDXCも利用できる。おサイフケータイ(FeliCa/NFC)、ワンセグ、赤外線通信などの国内独自機能にも、当然ながら対応した。また、ヒューマンセントリックエンジンを使った、さまざまな便利機能も健在だ。

photoSIMカードとmicroSDは背面上部のカバーを開けて抜き差しする

 バッテリー容量は2600mAhで連続待受時間は3Gが約790時間、4GではAXGPが約460時間、LTEは約550時間。フル充電した場合は3日間使えるという。また付属の卓上ホルダとACアダプターの組み合わせで急速充電ができ、残量15%の状態から10分間の充電時間で、まる1日分の容量をチャージできるとしている。省電力性もアップしており、液晶パネルは専用メモリを備えるタイプで、画面表示時の消費電力を減らすことができる。

photophoto横置きの卓上ホルダーが付属する。この卓上ホルダーで充電すると、

 プロセッサーは2.2GHz/クアッドコアの「MSM8974」を採用。通信面では、下り最大110MbpsのSoftBank 4G(AXGP)に加えて、下り最大75Mbpsの4G LTE(FDD-LTE)もサポートする「Hybrid 4G LTE」が利用できる。OSはAndroid 4.2。設定画面などのデザインやカラーが親しみやすいものになるなど、ユーザーインタフェースに手が入っているのも特徴。またボタン1つで画面全体を下方向に移動させるスライドディスプレイという機能もあり、片手操作もしやすい。

photophotoアプリ一覧画面(写真=左)とウィジェットの一覧画面(写真=右)
photophoto設定メニューなど、深い階層のUIも新しいデザインで統一した
photoボタン1つで画面を下に下げるスライドディスプレイ。端末を持ち替えたりしなくても、指が届く

 メインカメラは有効約1310万画素CMOSでオートフォーカスと手ブレ補正に対応。AFの高速化やフラッシュの光量アップといった性能向上に加え、高感度・低ノイズで多彩な撮影機能を実現する画像処理エンジン「GRANVU」を搭載。富士通がパーフェクトチューニングと呼ぶ処理技術との組み合わせで、さまざまな撮影シーンでカメラまかせのフルオート撮影が可能になった。

photo逆光でも顔認識ができるなどカメラ機能も進化した
photophotoカメラまかせでオート中心の撮影ができるためか、カメラの設定もシンプル。ここのデザインも、ほかのメニュー画面と統一されている

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4Kテレビにさらなる付加価値を――「2014 International CES」(前編)

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今年も、年始恒例の「2014 International CES」が米国ネバダ州のラスベガスで開催された。世界最大級のコンシューマーエレクトロニクスショーでは、数多くの新製品とともに業界の方向性も見えてくる。今回もAV評論家・麻倉怜士氏に詳細を聞いていこう。

——今年のCESはいかがでしたか?

麻倉氏: 今年もいくつかのトレンドが見えてきました。その1つは、テレビのフォームファクター(形状)において、新しい傾向が見えたことです。韓国メーカーは湾曲した画面のテレビをプッシュしていますが、今年の展示会場にはより大きな画面とカーブド(湾曲)の製品がかなり増えましたね。また、21:9のアスペクト比を持つシネスコサイズ(ほぼ2:1)のテレビも複数のブースでみることができました。

ts_enma14ces02.jpgts_enma14ces03.jpgラスベガスコンベンションセンターのセントラルホール(左)。シャープブースのドルビービジョン対応4Kテレビ

 もう1つは、4Kテレビでは単に高精細なパネルを使うだけではなく、そこに映し出す映像——つまり画質に力を入れる動きです。例えば米Dolbyが発表した「ドルビービジョン」などが挙げられるでしょう。まずは、米国における4Kテレビとコンテンツの現状を報告したいと思います。

——米国市場で4Kテレビは売れているのでしょうか

 

麻倉氏: CESを主催するCEA(Consumer Electronics Association、全米家電協会)によると、2013年に米国で出荷された4Kテレビは5万7000台だったそうですが、2014年には48万台、2017年には290万台と右肩上がりで増えていくと予想しています。米国のテレビ出荷台数は年間およそ3000万台なので、3年後には市場の1割を4Kテレビが占めるとみているわけです。

 理由を尋ねると、大画面化が進んでいることを挙げました。米国では1998年には22インチの画面が中心でしたが、2013年は46インチにまで拡大しています。また買い増し需要も根強く、一家に2台、3台のテレビがあるケースも少なくありません。

——4K放送へ向けたロードマップはできているのですか?

麻倉氏: 日本では官民一体となって4K/8Kを推進しようとしていますが、米国の場合は放送局は独立独歩です。CES取材の後、ロサンゼルスのCBSスタジオに4Kの話を聞きに行きましたが、実験こそ実施しているものの、現状でほとんど動きはありませんでした。

ts_enma14ces04.jpgESPNの4Kネット配信。HEVCデコーダー入りテレビで再生中

 しかし、米国では代わりにネット配信サービスが元気です。NetflixやAmazonのインスタントビデオ、DirecTV、ESPN、YouTubeが4K動画配信に手を挙げ、メーカーも歓迎しています。実際、CESの展示会場ではあちこちでネット配信事業者の重役に遭遇しました。開幕前日のプレスデー(1日中、メーカーの記者発表会が催される)などは、朝のLGも、夜のソニーもNetflixのCEO、Reed Hasting(リード・ヘイスティング)氏が出演していました。同社は昨年、サムスンだけと配信契約を交わしていたのですが、今年は各メーカーに拡大する方針で、当日はスター並みの忙しさだったようです。

 このような状況になった背景には、新しい映像符号化方式のHEVCが規格化され、ストリーミングで4K動画が視聴できる環境が整いつつあることが挙げられます。しかし、米国のネット環境は日本ほどブロードバンドインフラが普及しているわけではありません。4K配信では16Mbps程度のビットレートを想定しているそうですが、果たしてうまくいくのでしょうか。また米国はCATVでテレビを視聴している世帯が多いので、次はケーブルテレビ会社がどう動くかが課題です。ともあれ、インフラありきの日本に対し、米国ではコンテンツを軸に4K化が進んでいる印象を受けました。

4Kテレビにさらなる付加価値を

麻倉氏: 4K化は、大画面テレビを購入する人たちのモチベーションになっています。しかし、4Kだけでは魅力が足りないとして、さらに付加価値を加えたいと考えるメーカーも多いようです。その1つが前述の湾曲(カーブド)したテレビ。韓国のLGとサムスンが仕掛け、昨年のIFAからショーに登場し始めましたが、今回のCESではカーブドの展示機が本当に増えました。展示の目玉になったといっても過言ではありません。

ts_enma14ces01.jpgts_enma14ces011.jpgサムスンブースのフラット/カーブの比較(左)。LGの77V型フレキシブル有機EL(右)

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“氷上のF1”ボブスレー、高速滑走支える3次元CAD

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 米ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(以下、ソリッドワークス)は、2014年1月26日(米国時間)より、米国カリフォルニア州サンディエゴでプライベートイベント「SolidWorks World 2014」を開催している。

 2日目に行われた基調講演では、ユーザー代表として、ソチオリンピックで米国のボブスレーチームが使用するソリ、複雑な動きをするクモ型ロボット、カーボンファイバでプリントできる3Dプリンタの開発者たちが登壇した。

“氷上のF1”、米国チームのボブスレー用ソリはSolidWorksで設計

 いよいよ開催が来週に迫ったソチオリンピック。「氷上のF1」とも呼ばれるボブスレーは、人気が高い競技の1つだ。そのボブスレー男子4人乗りで、米国チームが使用するソリはSolidWorksを使って設計されている。

 開発に携わったのは、非営利企業Bo-Dyn Bobsled ProjectのGeoff Bodine氏とBob Cuneo氏である。元レーシングカーのドライバーであるBodine氏が、Chassis DynamicsのエンジニアCuneo氏を誘い、ボブスレー用のソリを開発することになったという。両氏が最初に開発したソリ「Night Train」は、2010年のバンクーバーオリンピックで、米国のボブスレーチームを62年ぶりの金メダルに導いた。

mm140129_sww2014day2_nt1.jpg「Night Train 2」を引っ提げ、登壇したGeoff Bodine氏(右)とBob Cuneo氏。Night Train 2は、バンクーバーオリンピックの時のように、米国チームを優勝に導くことができるだろうか

 最高時速100kmを超えるスピードで滑走するボブスレーは、わずか0.01秒の差が勝敗を決める競技だ。おまけにソリの仕様は細かい規定が数多くある。

 Night Trainは2次元CADで設計したが、ソチオリンピックに向けて、厳しい規定の範囲内でより速いソリの開発を目指す中、Cuneo氏は2次元CADに限界を感じて3次元CADのSolidWorksを使用し始めた。そして開発されたのが「Night Train 2」だ。2次元CADに慣れていたCuneo氏は、最初はどうしても3次元CADを使うことに抵抗があったと話す。だが、部品の細かい変更がすぐさま反映されるといった3次元CADの利便性は、やはり魅力的だったようだ。SolidWorksの導入は、工数の削減に大きく貢献したという。

mm140129_sww2014day2_nt2.jpgNight Train 2のモデルを表示したSolidWorksの画面
mm140129_sww2014day2_nt3.jpgNight Train 2の風洞実験の様子

操縦してみたい? クモ型ロボット

 カナダのNPO(Non Profit Organization)であるeatART Foundationは、環境保護の啓蒙活動を行う団体だ。基調講演には設立者のJonathan Tippett氏が登壇し、取り組みを紹介した。

mm140129_sww2014day2_eatART2.jpgMondo Spiderの開発者でもあるJonathan Tippett氏(左)

 eatART Foundationの活動の仕方はちょっと変わっている。太陽電池を搭載したクモ型ロボット「Mondo Spider」を開発したり、ガソリンを入れるドラム缶を積み上げて巨大なシリンジに見立て、それを自動車のエンジンルームに突き立てたりするなど、“エンジニアとアートを組み合わせたツール”を使って活動することがポリシーのようだ。

mm140129_sww2014day2_eatART0.jpg排気ガス・ゼロ運動? ドラム缶で作った巨大なシリンジが、エンジンルームに突き刺さっている
mm140129_sww2014day2_eatART1.jpgSolid Worksを使って設計された「Mondo Spider」。クモ型ロボットの第1号は、がらくたや廃材で作っていたが(ゴミ・ゼロ運動?)、「SolidWorksを使ってちゃんと設計してみよう」と思い立ったらしい
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過疎化・高齢化にITの力で立ち向かう 徳島発・地域活性化ベンチャー「あわえ」

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 過疎化・高齢化が進む徳島県美波町で地域活性に取り組むベンチャー企業あわえが1月29日、事業構想を発表した。写真や歴史資料のデジタル化やネットでの口コミを狙った地域産品のブランディングなど、地域の価値や魅力をITの力で伸ばし、発信することを目指す。成功事例やノウハウを重ね、日本全国、そして世界へ広げていければと話す。

photoサイファー・テックのサテライトオフィス「美波Lab」の様子

 あわえは、サイファー・テックの吉田基晴社長が昨年6月に立ち上げたベンチャー企業。社長が生まれ育った徳島・美波町を拠点に地域活性を推進する事業を行っている。創業のきっかけは、東京での生活に「味気なく、リアリティがない」と感じていた吉田社長が社員のクリエイティビティを刺激する場所として、豊かな自然や歴史を感じる同町にサテライトオフィス「美波Lab」を開いたこと。趣味と仕事を併存させる働き方をとり、地域の住民と生活・交流する中で、地方都市が抱える課題が見えてきたという。

 ITの力を通して過疎化・高齢化の進む町の課題を解決することを目指し、文化や伝統を示す「コト」、地域コミュニティを活性化のための「ヒト」、産業を興す「カネ」の3つの側面から取り組んでいく。

photo海辺の町ならではのお祭の映像も

 地元のボランティアガイドに計3台のタブレットを支給し、観光ガイドに役立てる支援が昨年10月から始まった。四季折々の変化やウミガメの産卵などの貴重なシーンをクラウドストレージに格納し、口頭で説明しながら写真や映像を見せられるようになった。地元住民によるボランティアガイドの多くは高齢者で、初めてタブレットに触る人も多かったが、同社のサポートを受けながら操作法を学び、今はフル活用。「英語版の音声がほしい」「手話付きの映像がほしい」など現場から積極的に要望が挙がっているという。今後はアプリ開発も見込み、必要な機能をブラッシュアップしていく。

 今春リリース予定の「GOEN」は文化的・歴史的に価値の高い写真や資料をデジタル化して保存・活用するクラウドフォトストックサービス。同社社員が美波町へ移住する際、物件探しで空き家を巡っている時に古い写真が多く出てきたことが開発のきっかけだという。

 自治体や任意の団体が収集しているものだけでなく、個人で所蔵しているものも当時の町並みや実際の生活を知ることができる貴重な資料として収集し、クラウドサーバー上で一括管理する。地震や津波などの災害時のバックアップとしても有益だ。

photo「GOEN」の利用イメージ

 集めた資料は、対象にまつわるエピソードや所有者へのインタビューと共に保存することでより資料としての情報量を増やし、観光・研究向けに提供するなどの利活用も見込む。今春美波町で試験導入し、夏からは全国の各地方自治体や法人に導入を働きかけていく。

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「ThinkPad 8」──「とにかくハイスペック」が魅力、1920×1200液晶搭載8型Windowsタブレット

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ココが「○」
・高精細1920×1200解像度
・128GB SSD搭載構成が選べる
・外部映像出力+USB 3.0搭載
ココが「×」
・Miix 2 8と比べると少し重め
・5万円台半ばからとやや高め
・LTE+GPS内蔵構成なし(後日?)

はじめに:8型サイズのWindows 8.1タブレットで、現時点最強(?)スペックのモデル

ThinkPad 88型Windows 8.1タブレット「ThinkPad 8」。主要構成で短納期とする“ファースト・セレクト”モデルは、Windows 8.1 Pro+128Gバイトストレージ仕様の「20BN001RJP」(実売6万9000円前後)とWindows 8.1 Pro+64Gバイトストレージ仕様の「20BN002DJP」(実売5万9000円前後)を用意するほか、0BN002DJをベースにOSをWindows 8.1/Office Home and Business 2013とした最小構成例で5万5000円前後からとなる

 2013年末にグワッと増えた8型クラスのWindows 8.1搭載タブレットが人気を博している。特にMiix 2 8はメーカーが想定する以上の需要があったようで、一時、在庫切れで購入できない期間もあったほどという。そのレノボ・ジャパンより、もう1つ8型Windows 8.1タブレットが追加される。

 それがThinkPadブランドを冠した「ThinkPad 8」だ。ライバルモデルより軽量で低価格傾向だったMiix 2 8に対し、ThinkPad 8の差別化ポイントは「とにかくハイスペック」。2014年1月現在最強──と言えるであろう「1920×1200ドット表示対応の高精細液晶ディスプレイ」の搭載とThinkPadブランドならではビジネスでの活用に適する特徴が大きなポイントとなる。

 本体サイズは132.8(幅)×224.3(高さ)×8.8(厚さ)ミリ、重量は約430グラム。主要構成で短納期とする“ファースト・セレクト”モデルは、Windows 8.1 Pro+128Gバイトストレージ仕様の「20BN001RJP」(実売6万9000円前後)とWindows 8.1 Pro+64Gバイトストレージ仕様の「20BN002DJP」(実売5万9000円前後)の2モデル。ほか、Windows 8.1と64Gバイトストレージ、Office Home and Business 2013搭載とした最小構成例で5万円台半ばとする選択肢もある。

 基本仕様は開発コード名:Bay Trail-T世代のタブレット向けSoCとWindows 8.1の組み合わせで動作するWindowsマシン。こちらはMiix 2 8ほか、ライバルメーカーの8型Windows 8.1タブレットと同じである。ただ、Miix 2 8と比べ、CPUはデュアルチャネルメモリ対応Atom Z3000シリーズで最上位(2014年1月時点)となるAtom Z3770(1.46GHz/最大2.39GHz)を採用、ストレージもより大容量の128Gバイトの構成を選択可能とする。メインメモリは2Gバイト(LPDDR3)で、こちらはライバルモデルと同容量。OSはビジネスシーン向けに訴求するモデルのため、32ビット版のWindows 8.1 Proが基本となる(直販サイトにて、Windows 8.1としてやや低価格とする構成も可能)。

 最後に「高解像度ディスプレイ」。他モデルにはない1920×1200ドット表示対応の8.3型ワイドIPS液晶ディスプレイは特に興味を引かれる部分だろう。ディスプレイ表面の保護に旭硝子製のモバイル機器向け強化ガラス「Dragontrail」を作用し、ビジネス利用にも耐える高度な実用性と堅牢性を確保する。


ボディと製品概要:Miix 2 8より少し重いが、このハイスペックさならまったく許せる範囲

photophotoなんと言っても1920×1200ドット表示に対応する高精細ディスプレイ。物欲をガッとかき立てる仕様だ(写真=左) 裏面はThinkPadシリーズと同様のつや消しブラック。金属素材への塗装のため独特のヒンヤリ感と適度に滑りにくいサラサラした塗装が施されている。ThinkPadロゴのi字は通電/充電中に点灯する状態表示LEDを兼ねる。また800万画素のリアカメラレンズ周囲にもThinkPadの赤いアイデンティティがさりげなく入っている。下部に縦位置時で左右となるステレオスピーカーが備わる(写真=右)
photophoto本体サイズは132.8(幅)×224.3(高さ)×8.8(厚さ)ミリ、重量は約430グラム。Miix 2 8と比べ、数値としては少し重めだがよりハイスペックであることを考慮するとまったく許容範囲。厚さは8.8ミリと変わらず、両面ともにフラットな造形のため、やはり8型ならではの持ちやすさ/可搬性のよさをしっかり享受できる(写真=左) ACアダプタはUSB出力タイプで出力仕様は5.2ボルト/2アンペアとかなり高出力。本機はホスト機能付きのUSB 3.0(Micro-B)端子を備えるのもの高ポイントだが、付属充電ケーブルもUSB 3.0 Standard-A(オス)−USB 3.0 Micro-B(オス)タイプのものが付属する(写真=右 撮影=編集部)
ThinkPad 8の上面ThinkPad 8の下面上面はインタフェースなし、下面はヘッドフォン/マイク兼用の3.5ミリ端子がある
ThinkPad 8の左側面ThinkPad 8の右側面左側面は、カバー内にmicroSDスロット(および塞がれているMicro SIMカードスロット)、Micro HDMI出力 右側面は電源、ボリューム調整、USB 3.0 Micro-B端子が備わる。海外市場向けはラインアップするLTE内蔵モデルの追加については「出したいとは考えている」(ThinkPad製品担当の吉原氏)とのこと。仮にLTE内蔵モデルが登場した場合、LTEモジュールに内蔵するGPSセンサーにより「GPS対応」にもなる
photophotoバッテリーは21ワットアワー(3.8ボルト/5.4Ah)出力のものを内蔵する。左写真のバッテリー上の空きスペースはLTE+GPSモジュールを収める場所(国内モデルでは現時点非搭載)(撮影=編集部)
ThinkPad 8の主な仕様
製品名ThinkPad 8(20BN001RJP)ThinkPad 8(20BN002DJP)(参考)Miix 2 8(59399891)
メーカーレノボ・ジャパン
OS32ビット版Windows 8.1 Pro32ビット版Windows 8.1
本体サイズ(幅×高さ×厚さ)132×224.3×8.8ミリ131.6×215.6×8.35ミリ
重量(実測値)約430グラム(後日測定)約350グラム(340グラム)
画面サイズ(液晶方式)8.3型ワイド(IPS)8型ワイド(IPS)
アスペクト比16:10
タッチパネル静電容量式・10点マルチタッチ対応
デジタイザ
ディスプレイ解像度1920×1200ドット(約272ppi)1280×800ドット(約188ppi)
CPU(コア数/スレッド数)Atom Z3770(4/4)Atom Z3740(4/4)
動作周波数1.46GHz/最大2.39GHz1.33GHz/最大1.86GHz
チップセットCPU内蔵
vPro
GPUCPU内蔵
メモリ2Gバイト(LPDDR3/最大2Gバイト)
メモリスロット(空きスロット数)内蔵(0)
ストレージ(評価機実装)128Gバイトフラッシュ(SanDisk「SEM128」)64Gバイトフラッシュ64GバイトeMMC(Samsung「MCG8GC」)
無線LANIEEE802.11a/b/g/n(Broadcom 802.11abgn Wireless SDIO Adapter)
BluetoothBluetooth 4.0
NFC
センサー加速度センサー、光センサー、コンパス、ジャイロセンサー、近接センサー加速度センサー、光センサー、コンパス、ジャイロセンサー、GPS
有線LAN
ワイヤレスWAN
キーボード
キートップ仕様・形状
キーピッチ
キーストローク
キーボードバックライト
ポインティングデバイス
主なインタフェースMicro USB 3.0×1(OTG対応/充電端子兼用)、microSDスロット、Micro HDMI出力、ヘッドフォン/マイクコンボ(3.5ミリ)、Webカメラ(イン200万画素/アウト800万画素)Micro USB×1(OTG対応/充電端子兼用)、microSDスロット、ヘッドフォン/マイクコンボ(3.5ミリ)、Webカメラ(イン200万画素/アウト500万画素)
メモリカードスロットmicroSD
SIMカードスロット─(スロットはふさがれている。日本市場向けモデルは、現時点投入予定未定)
その他カードスロット
スピーカー(音質補正ソフトウェア)ステレオ(─)モノラル(─)
マイクモノラル
指紋センサー
セキュリティチップソフトウェアTPM
セキュリティロックポート非搭載
バッテリー動作時間約8時間約10時間
バッテリー仕様21ワットアワー17.5ワットアワー
ACアダプタ実測サイズ(幅×奥行き×高さ)─(後日調査)
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み)─(後日調査)
ACアダプタ出力仕様5.2ボルト/2アンペア5ボルト/2アンペア
ACアダプタ対応電圧100〜240ボルト(50/60Hz)
DC端子形状USB 3.0 Micro-BUSB Micro-B
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側)USB 3.0 Standard-AUSB Standard-A
防水/防滴
カラーバリエーションブラックシルバー
オフィススイートOffice Home and Business 2013
価格オープン(発売時価格6万9000円前後)オープン(発売時価格5万9000円前後)オープン(発売時価格4万7800円前後)
発売日2014年1月31日2013年12月6日

ThinkPad 8(128GBモデル)のデバイスマネージャ画面ThinkPad 8(128GBモデル)のデバイスマネージャ画面ThinkPad 8(128GBモデル)のデバイスマネージャ画面ThinkPad 8(128GBモデル)のデバイスマネージャ画面ThinkPad 8(128GBモデル)デバイスマネージャ画面の一部


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ヤフー9〜12月期、創業来初の減益 「Yahoo!ショッピング」手数料無料化の影響

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 ヤフーが1月29日に発表した2013年9〜12月期連結決算は、純利益が前年同期比1.4%減の305億円と、創業以来初の減益となった。「Yahoo!ショッピング」の出店手数料無料化による一時的な減益としている。

 売上高は9.3%増の968億円、営業利益は1.5%減の492億円、経常利益は1.1%減の495億円。

 無料化発表以降、「Yahoo!ショッピング」は9万件の新規出店申込みを獲得。中小店舗が出店しやすいよう新出店ツールの提供などを行ってきたほか、マツモトキヨシやコナカ、ロッテなど大手店舗の出店も加速しているという。

 通期の業績見通しは上方修正。売上高が3871億円(前期比12.9%増)、営業利益が1960億円(4.3%増)、最終利益が1259億円(9.5%増)と過去最高益を更新する見通しだ。

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「第3のプラットフォーム」への移行を促進、EMCが事業方針を説明

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 EMCジャパンは1月29日、2014年の事業方針を発表した。米IDCの提起する「第3のプラットフォーム(クラウド、ソーシャル、モバイル、ビッグデータ)」を企業が活用していくためのIT環境の実現に注力するとしている(関連記事参照)。

emc001.jpg山野社長

 会見した山野修社長は、2013年の事業動向を振り返って顧客企業における「第3のプラットフォーム」への取り組みが広がりつつあるとし、2014年はその動きが加速していくとの見方を示した。ITの利活用において今後は、オンプレミスとクラウドを組み合わせた「ハイブリッドクラウド」の普及や、ソーシャルメディアやモバイルなどが生成する大量データのビジネスへの活用が進み、そのためのシステム環境の実現がますます求められていくという。

 同社ではこうした予測に基づき、以下の重点施策を推進していく。

第3のプラットフォームの実現と活用における各分野での「リーダーシップ」の発揮

  • Software-Defined Datacenterの推進
  • オールフラッシュ製品のラインアップの拡大によりシェアを拡大
  • データサイエンティスト育成プログラムのさらなる推進

「イノベーション」による製品/サービスのポートフォリオの拡大

  • Software-Defined Storageの拡張
  • フラッシュ製品のラインアップの拡大
  • モバイルによる柔軟な運用管理を実現するソフトウェア製品の提供

グループ企業およびパートナーとの連携による「エコシステム」の強化

  • 「Velocityソリューション プロバイダ プログラム」などのパートナー向けプログラムのブランドを「EMCビジネス パートナー プログラム」に統一
  • サービスプロバイダーとともにハイブリッドクラウドを提案
  • パートナーとともに「Vblock」や「VSPEX」などのコンバージドインフラストラクチャの普及を促進

 この中で2013年に発表した「Software-Defined Storage」構想では仮想化技術やストレージソフトウェアへの取り組みを強化し、異種混在のストレージ環境においてバックアップなどの運用管理をより効率化するソリューションを多数展開していくという。また、パートナー施策では「協業モデル」を推進し、同社から顧客企業への提案にパートナー企業のサービスなどを積極的に活用することで、顧客のビジネス課題に対する包括的なソリューションを提供する体制を構築するとしている。

 山野氏は、同社が近年に進めてきたポートフォリオの拡充によってストレージベンダーからITソリューション企業への転換が実現しつつあるとも述べ、「顧客企業のビジネスパートナーとして、ITの新しいあり方を提案していきたい」と語った。

emc002.jpg今後も「第2のプラットフォーム(クライアント/サーバモデル)」で稼働するアプリケーションは増えていくが、「第3のプラットフォーム」をそれを上回るというのが同社の見解だ

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ドコモおすすめ3機種レビュー(後編)――バッテリー、カメラ、CPUの性能を比較する

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 NTTドコモが冬モデルとして特にオススメする3機種「ARROWS NX F-01F」「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」「Xperia Z1 f SO-02F」を比較するレビュー前編では、基本スペックや持ちやすさ、ディスプレイの見やすさなどを比較した。後編ではバッテリーの持ちやカメラの画質をチェックするほか、ベンチマークテストを行うなど、スマートフォンとしての性能がどれだけ高いかに迫る。

photo左から「ARROWS NX F-01F」「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」「Xperia Z1 f SO-02F」

YouTube再生、静止画表示、待受状態のスタミナをテスト

 まずはバッテリーの持ちから見ていこう。ARROWS NXは3200mAh、AQUOS PHONE ZETAは3000mAh、Xperia Z1 fは2300mAhのバッテリーを搭載しており、スペックとしては申し分ない。ドコモが測定した実使用時間は、ARROWS NXが約97.1時間、AQUOS PHONE ZETAが約98.9時間、Xperia Z1 fが約83.6時間を実現しており、この実使用時間の条件で使えば、3機種とも3日以上持つことになる。

 ARROWS NXは従来よりも消費電力を45%削減したという「WhiteMagic」、AQUOS PHONE ZETAは画像の更新回数を60分の1に減らす「IGZO」を採用しており、富士通とシャープは高い省電力性能をアピールしている。Xperia Z1 fはバッテリー容量はほかの2機種よりも少ないが、ディスプレイの解像度がフルHD(1080×1920ピクセル)ではなくHD(720×1280ピクセル)なので、スタミナの面では有利に働きそうだ。

 では、実際のスタミナはどれほどか? YouTube動画の連続再生、静止画の連続表示、待受状態で放置という、3種類のテストを行ってみた。なお、バッテリーの持ちは通信環境や使用しているアプリなどによって変わってくるので、今回のテスト結果はあくまで一例としてご参照いただきたい。

 今回実施した3つのテストで共通の条件は以下のとおりだ。

  • 満充電の状態で計測開始
  • バッテリー残量の確認には「Battery Mix」アプリを使用
  • モバイルデータ通信(LTE)で通信(通信環境は良好)
  • GPSはオン、Wi-FiとBluetoothはオフにした
  • Googleアカウントの同期はオンにした
  • twicca、Twitter、Facebook、Dropboxにログイン、Yahoo!アプリをインストール。iコンシェルとiチャネルも使用

 まずはYouTubeテストから見ていこう。再生したのはHD画質の動画で、1月4日9時22分から、東京都江戸川区の屋内で実施した。動画は横向きに再生し、スピーカーの音量はオフ、ディスプレイの輝度は最大にした。結果は、AQUOS PHONE ZETAとXperia Z1 fが4時間50分で、ちょうど同じ再生時間だった。ARROWS NXも4時間32分で、大きな差はついていない。動画(30fps)の場合、IGZOの効果は半減されてしまうが、それでも今回はARROWS NXのWhiteMagicよりも持つという結果になった。Xperia Z1 fがAQUOS PHONE ZETAと同じ駆動時間だったのは意外だが、ソニーモバイルによると、Xperia Z1 fには負荷の高い動作をする際に、消費電力を抑えるようCPUを制御している(詳細は後日掲載予定の開発者インタビューで解説する)そうで、今回のテストでも、この工夫が功を奏したといえる。

photophotophotoバッテリー残量の推移。左からARROWS NX、AQUOS PHONE ZETA、Xperia Z1 f
YouTube連続再生テスト
ARROWS NXAQUOS PHONE ZETAXperia Z1 f
1時間後83%83%82%
2時間後63%64%62%
3時間後40%44%43%
4時間後14%(32分後に0%)22%(50分後に0%)23%(50分後に0%)

photoこの状態で7時間放置した

 続いて、静止画の連続表示テストも行った。1080×1920ピクセルの同じ画像を3機種で表示させた。バックライトを常時点灯させるために「Backlight Switch」というアプリを使用し、バックライトの輝度は最大にしている。テストは1月3日17時35分から東京都江戸川区の屋内で実施した。静止画の表示中に消費電力を抑えるのはIGZOが得意とするところだが、果たして結果は?

 7時間ひたすら静止画を表示し続けたところ、バッテリー残量はARROWS NXが30%、AQUOS PHONE ZETAが39%、Xperia Z1 fが54%になった。AQUOS PHONE ZETAが一番持つことを予想していたが、それに反してXperia Z1 fが1位となった。ただ、3機種の最大輝度のバックライトは必ずしも同じ明るさではなく、この中ではXperia Z1 fが最も暗く感じた。まったく同一の条件ではないが、それを差し引いても、Xperia Z1 fの省電力性能は優れているといえる。ソニーモバイルによると、Xperia Z1 fではディスプレイにバッファメモリを搭載しており、画面の更新がない静止画の表示中は、メモリから描画データを読み込む必要がなく、消費電力を抑えられるという。つまりシャープのIGZOに似た特性を持っていることになる。

 テスト条件は微妙に異なるが、13年8月に「AQUOS PHONE ZETA SH-06E」で実施した同じ静止画テストの結果と比べると(参考記事)、SH-01Fの方がスタミナが向上していることが分かる(前回のテストでSH-06Eは6時間後に34%、今回のテストでSH-01Fは6時間後に48%だった)。

photophotophotoバッテリー残量の推移。左からARROWS NX、AQUOS PHONE ZETA、Xperia Z1 f
静止画表示テスト
ARROWS NXAQUOS PHONE ZETAXperia Z1 f
1時間後92%92%93%
2時間後83%84%87%
3時間後74%75%80%
4時間後64%66%74%
5時間後51%57%67%
6時間後42%48%60%
7時間後30%39%54%

 待受状態で放置するテストは、12月31日18時58分から60時間にわたり東京都江戸川区の屋内で実施した。ディスプレイはほとんど消灯しており、たまに確認のために点灯させただけ。新着メールを通知するランプは点滅したままで、エコ技やスタミナモードなどの省電力設定は無効にしている。60時間後のバッテリー残量は87%のAQUOS PHONE ZETAが最も多く、以降は79%のARROWS NX、77%のXperia Z1 fが続く。シャープのスマートフォンは、以前から待受時の消費電力が少なかったが、今回もその実力を発揮した形となった。

photophotophotoバッテリー残量の推移。左からARROWS NX、AQUOS PHONE ZETA、Xperia Z1 f
待受テスト
ARROWS NXAQUOS PHONE ZETAXperia Z1 f
12時間後96%99%96%
24時間後91%96%92%
36時間後88%93%85%
48時間後83%90%81%
60時間後79%87%77%

結論

  • YouTube再生や静止画表示のテストはXperia Z1 fが優秀
  • 待受時のバッテリーの持ちはAQUOS PHONE ZETAが優秀
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Facebook、モバイル広告が好調で過去最高の増収増益

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 米Facebookは1月29日(現地時間)、2013年第4四半期(10〜12月)の決算を発表した。モバイル広告が好調で、売上高は前年同期比63%増の25億9000万ドルで過去最高を記録した。純利益は前年同期の約8倍の5億2300万ドル(1株当たり20セント)だった。非GAAPベースの純利益は83%増の7億8000万ドル(1株当たり31セント)だった。

 売上高、非GAAPベースの純利益ともにアナリスト予測(売上高が22億3000万ドル、1株当たり純利益が27セント)を大きく上回った。

 非GAAPベースの営業利益率は44%で、前年同期より11ポイント上がった。

 広告による売上高は前年同期比76%増の23億4000万ドルで、総売上高の91%を占める。モバイル広告が広告収入全体に占める割合が前期の49%から53%に拡大した。

 revenue売上高推移

 日間アクティブユーザー数(DAU)は22%増の7億5700万人、月間アクティブユーザー数(MAU)は16%増の12億2800万人、モバイルからのDAUは49%増の5億5600万人、MAUは39%増の9億4500万人だった。モバイル端末からだけアクセスするユーザーのMAUは89%増の2億9600万人だった。

 mauモバイル月間アクティブユーザー数
 mmauモバイルのみの月間アクティブユーザー数

 通年では、売上高は55%増の78億7000万ドル、純利益は15億ドル、MAUは16%増の12億3000万人、モバイルのMAUは39%増の9億4500万人だった。

 業績発表後の電話会見の冒頭でマーク・ザッカーバーグCEOは「2013年を締めくくるのにふさわしいすばらしい四半期だった。2013年はFacebookのサービスをモバイルサービスにシフトした年になった。2014年は新しいタイプのモバイル体験を提供することになる」と語った。

 シェリル・サンドバーグCOO(最高執行責任者)は、同四半期のモバイル広告の売上高は、2012年の売上高の総額にほぼ匹敵すると語った。マーケターのニュースフィードでの広告の平均的なリターンは8倍という。

 質疑応答での若者のFacebook離れについての質問には明確な回答はなく、サンドバーグ氏は「若者を含むオーディエンスにリーチしたい広告主はFacebookを選んでいる」とのみ語った。

 機械学習の取り組みについての質問にはザッカーバーグCEOが、これは長期的な投資であり、ユーザーが何をどのように共有しているかを深く分析できるようになれば、より良い体験をユーザーに提供できるようになると語った。

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「Windows 9」で今度こそ“真のスタートボタン”が復活?

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 米Microsoftは2014年春にも、次期クライアントOSである「Windows 9」(仮称)のロードマップを発表すると予想される。だが企業のIT部門がその情報に色めき立つことはなさそうだ。同社が発売中の最新OSである「Windows 8.1」は今のところ、企業で採用されている例は多くない。

 企業でのWindows 8.1の導入は、亀のような遅々としたペースが続いている。社内のIT環境に関しては、つい最近Windows 7へ移行したばかりという企業が多いからだ。いまだに「Windows XP」を使い続けている企業も少なくない。Windows 8.1は、テストだけは実施したものの、採用を見送ることにした企業もある。

 米IT調査サービス企業NetMarketShareが実施した2013年12月のデスクトップOS市場の調査結果では、「Windows 8」とWindows 8.1を合わせたシェアは、ようやく10.5%に達した程度だ。Windows 7は現在も市場では王座を譲らず、47.5%を占める。Windows XPのシェアも今なお29%近くある。「Windows Vista」は3.6%、「Mac OS X」「Linux」などWindows以外のOSは、合わせて9.4%のシェアとなっている。

 企業がWindows 8.1の導入をためらう理由は幾つもある。

Google、MotorolaをLenovoに29億ドルで売却

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 米Googleは1月29日(現地時間)、傘下のMotorola Mobilityを中国Lenovoに売却することで合意に達したと発表した。買収総額は29億1000万ドル。

 GoogleはMotorolaの特許ポートフォリオの大部分を保有し、LenovoはGoogleからライセンスを受けることになる。LenovoはMotorolaのブランド、製品、2000件以上の特許を取得する。

 Lenovoはこの買収により、スマートフォンの新興国市場に加え、欧州や北米などの成熟市場でのシェアも拡大するねらい。

 Lenovoは最近、米IBMからサーバ事業を買収したばかりだ。

 Lenovoは2005年にIBMから買収したPC事業部をThinkPadブランドを生かして運営している。Googleのラリー・ペイジCEOは発表文で、「LenovoはMotorolaをAndroidエコシステムの主要メーカーに育て上げるノウハウを持っている。この取引により、GoogleはAndroidエコシステム全体のイノベーションに注力できるようになる」と語った。

 同氏はまた、ウェアラブルやスマートホームはモバイル事業とはまったく異なるものであり、こうした成長分野の新製品をユーザーに提供していく方針は変わらないと説明した。

 moto Motorolaは昨年6月にロゴを刷新し、Google傘下であることを示すようになっていた

 米Googleは2012年5月にMotorolaを125億ドルで買収した。特許ポートフォリオの獲得がねらいとみられたが、買収後も「Moto X」や「Moto G」などのAndroid搭載スマートフォンを発売していた。

 Motorolaは第3四半期(7〜9月)、5億2700万ドルの営業損失を出しており、同四半期に約1500人のMotorolaの従業員が削減された。

 The Vergeによると、Motorolaの研究開発部門はGoogleにとどまり、Androidチームに組み込まれるという。同部門では、Androidベースの組み立てスマートフォンプロジェクト「Ara」が進行している。

 moto 2 Araのスマートフォンを構成するモジュールのプロトタイプ

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ゲームが快適に楽しめる超お得なコラボモデルを作ってもらうぞ!

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 マウスコンピューターのゲーミングPCブランド「G-Tune」が2014年1月で10周年を迎えた。同社のサイトでは特設ページを立ち上げ、Core i7-4770+GeForce GTX 760をベースにした100台限定の高性能ゲーミングPCを8万9880円で売り出すなど、超特価セールを実施中だ。また、お得なキャンペーン情報などが届くメールマガジンに登録すると、G-Tune 10周年を記念した購読者向けの「超超超特価モデル」(同サイトより引用)の情報が配信されるとのことなので、できるだけ安く高性能なPCをゲットしたいと考えている人は要チェック。

og_g-tune_001.jpgG-Tuneブランドは1月28日に10歳の誕生日を迎えた。特設サイトではG-Tuneの歴史を振り返る企画や記念特価セールなどを実施中。ちなみにこのバナーをクリックしても特設サイトには飛びません(Tuneちゃんがかわいいので掲載してみただけです)

G-Tune×PC USERコラボモデルを作ってもらうぞ

og_g-tune_002.jpgNEXTGEAR-MICRO

 さて、この10周年記念にあわせてG-TuneとPC USERのコラボモデルを作ってもらえることになった。“G-Tuneのお祝い”ということで、やはりコンセプトはゲーム。しかも最新のPCゲームが快適に楽しめる高性能ゲーミングデスクトップPCだ。

 G-Tune担当の杉澤氏曰く「このメディアコラボ企画は、ASCII.jpさんやGAME Watchさんなども参加しますし、実際に各編集部監修のカスタマイズモデルとして一般販売されるのでがんばってください」と、オブラートに包み切れていない感じの一言があったのだが、ここで例えば、手が届きやすい(つまり数が出やすい)10万円以下のモデルを提案したらせっかくのG-Tuneブランドが泣いてしまう。ゲーマーのためのPCで性能を妥協するのはできれば避けたい……そこで今回は、現実的な価格帯を押さえながら、最新ゲームも余裕でこなせるハイスペックなデスクトップPCを目指すことにした。

 ちなみになぜデスクトップPCなの? というと、非常に個人的なことながら、昨年すでに同社のノートPCを2台も購入しており、正直もうノートPCを購入する余裕がないからである。マウスコンピューターとコラボモデルの企画をやるとなぜか自腹で購入することになるという恐ろしい流れができつつあるので、ここでは保険をかけてデスクトップPCを選んだ(デスクトップだって買う余裕はないですが……)。

og_g-tune_003.jpgog_g-tune_004.jpg欲望のおもむくままに企画したITちゃんコラボモデルは当然購入(写真=左)。その後企画した13.3型フルHDゲーミングノートPCのコラボモデル「NEXTGEAR-NOTE i410SA1-IT」も結局自腹で購入してしまった(写真=右)

 まず、ベースとして選んだのはMicro ATX対応のミニタワー型デスクトップPC「NEXTGEAR-MICRO」シリーズ。上位の「NEXTGEAR」シリーズや、アビーとコラボしたオリジナルケースを採用する「MASTERPIECE」シリーズと比べると、チップセットが最高でもIntel H87 Expressしか選べないという点はあるものの、今回は“現実的な価格”を目指すという観点からSLIの選択肢を外しているので問題はないはず。

 また、IN-WIN製のこのケースは、G-Tuneのミニタワーラインアップでかなり長く採用され続けていることからも分かるように、ハイスペックなパーツを搭載するゲーミングPCで特に重要となる冷却性や安定性、静音性においても期待できそうだ。

 ケースを具体的に見ていくと、本体前面中央の14センチファンがグラフィックスカードに、その下の8センチファンがストレージに、本体上面の14センチファンからCPU回りに新鮮な空気を送り込み、3方向から効率的に内部を冷却する仕組みになっている。また、左サイドパネルにメッシュ構造の大きな吸気口を設けているのもポイント。

og_g-tune_005.jpgog_g-tune_006.jpg本体前面、背面。デスク下に置くことを想定してインタフェースは全面上部に集中している。各種メディアカードスロットやUSB 3.0、USB 2.0×2、音声入出力が並ぶ。対応メディアは、SDメモリーカード(SDXC対応)、microSD(SDXC対応)、メモリースティック(Pro Duo/M2)、マルチメディアカード、スマートメディア、CF Type I/IIとほぼ網羅

og_g-tune_007.jpgog_g-tune_008.jpg左側面にメッシュパネルを大きく配置。内部は空間に余裕があり、メモリの増設、換装などもしやすい

og_g-tune_009.jpgog_g-tune_010.jpg本体前面に2基のファン、上面にも大型ファンを搭載。前面のメッシュパネルはワンタッチで取り外せる構造で、ホコリの掃除といったメンテナンスも簡単にできる

 もともと、グラフィックスカードの2枚差し(SLIやCrossFire)を想定しているケースだけに、冷却性能に不安はない。前面のメッシュパネルはワンタッチで取り外せる構造になっており、使っていくうちに冷却効果を下げる要因になるホコリも簡単に除去できる。さらに本体底部には制振性の高いインシュレーターが標準で装着され、静音に対する配慮もみられる。NEXTGEAR-MICRO、君に決めた!

og_g-tune_011.jpgNEXTGEAR-MICRO、君に決めた!

 ここからパーツ単位で構成を考えていこう。まず、システムの中心になるCPUは、第4世代のCore i7-4770(3.4GHz/TurboBoost時最大3.9GHz)。4つのコアを持ち、Hyper-Threadingにより8スレッド同時処理が可能な上位クラスのCPUだ。オーバークロックを想定したシステム構成ではないので、今回は無印(型番末尾にKが付かない)のCore i7-4770をチョイスした。

 メモリ容量は少し悩みどころ。NEXTGEAR-MICROのカスタマイズメニューを見ると最低8Gバイトスタートなのだが、メモリモジュール(PC3-12800)が1枚構成のためデュアルチャンネルにならない。容量はもちろん性能面も考えて、ここでは16Gバイト(8Gバイト×2)に増やしている。

og_g-tune_012.jpgog_g-tune_013.jpgCPU-Zの画面。CPUはHaswell世代のCore i7-4770。TurboBoost時にクロックが3.9GHzに達するクアッドコアCPU。ちなみに評価機のメモリはKingston製だった

 次にストレージだが、体感速度の差を考えるとやはりSSDは外せない。はっきり言って1度SSDのスピードを体験してしまうと、もうHDDには戻れないのだ。とはいえ、大容量SSDは価格が高いうえ、容量面でも不安がある。カスタマイズメニューには1Tバイト容量のSamsung 840 EVOも用意されているが、これだけで+6万9930円というのはさすがに、個人的に「買わない」というよりも「買えない」クラスのPCになってしまう。というわけで、ここはシステムドライブを小容量SSD、データドライブを大容量HDDというコスパの高い定番構成とし、120GバイトSSD(Intel 530)+2TバイトHDDの組み合わせを採用した。

og_g-tune_014.jpgog_g-tune_015.jpgストレージは120GバイトSSDをシステムドライブに、2TバイトHDDをデータドライブとして使う定番構成。なお、評価機のHDDはシーゲイトの「ST2000DM001」

 ゲーミングPCとして最も重要といえるグラフィックスカードは、全体構成とのバランスを考え、ここではGeForce GTX 770(2GバイトGDDR5)を選んでいる。GTX 770はGTX 680と同じ「GK104」ベースのGPUで超ハイエンドではないものの、メモリクロックを7GHz(メモリバス帯域は224.3Gバイト/秒)に引き上げた、ゲーミングPC向けとして十分な性能を持つGPUだ(ちなみに、先日アキバにオープンした“ガチPCゲーマー”向け施設、e-sports SQUARE AKIHABARAも、Core i7-4770+GTX 770で構成したPCを全面採用する)。これより上のGK110コアを採用するGPUだと価格が跳ね上がるので、当初のコンセプトからずれてしまう点も考慮している。なお、評価機にはオリジナルツインファンを採用したZOTAC製グラフィックスカードが搭載されていた。これは動作クロックを1046MHz、Boostクロックを1085MHzに引き上げたOCモデルだ。

og_g-tune_016.jpgog_g-tune_017.jpgグラフィックスカードにはZOTAC製のオリジナルファンを搭載したオーバークロックモデルが採用されていた。映像出力はDVI-I、DVI-D、DisplayPortの3系統。DVI−HDMIの変換コネクタも付属する(写真=左)。電源ユニットは80PLUS GOLD認証の700ワット電源。安定した動作が見込める(写真=右)

 最後の光学ドライブは標準のDVDスーパーマルチのまま変更せず、全体の構成は以下のようになった。

型番NEXTGEAR-MICRO im540SA5-SP-IT(PC USERコラボモデル)
CPUCore i7-4770(3.4GHz/最大3.9GHz)
チップセットIntel H87 Express
メモリ16Gバイト(PC3-12800/デュアルチャンネル)
グラフィックスGeForce GTX 770(GDDR5 2Gバイト)
ストレージ120GバイトSSD+2TバイトHDD
光学ドライブDVDスーパーマルチドライブ
電源ユニット700ワット
OS64ビット版Windows 8.1
価格交渉次第……?

 G-Tuneの名に恥じない高性能な構成を目指しつつも、“廃スペック”にはならない価格帯で手堅くまとめている。仕様から想像できるように、ゲーミングPCとしての性能も申し分ない。以下に簡単なベンチマーク結果を掲載したので参考にしてほしい。なお、ここでは、13.3型フルHDゲーミングノート「NEXTGEAR-NOTE i410SA1」と、一部のテストでそのPC USERコラボモデルにあたる「NEXTGEAR-NOTE i410SA1-IT」を比較対象として並べている。

og_g-tune_020.jpgog_g-tune_021.jpgog_g-tune_022.jpg3DMark

og_g-tune_023.jpgog_g-tune_024.jpgog_g-tune_025.jpg3DMark 11

og_g-tune_026.jpgog_g-tune_027.jpgPCMark 7(画面=左)とファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編の結果(画面=右)。カスタマイズしたモデルは当然、1920×1080ドットの最高品質でも余裕の1万超え。「非常に快適」の指標だ

 さて、気になる価格だが……ここまで構成を決めてきたコラボモデルに最も近い「NEXTGEAR-MICRO im540SA5-SP」(シルバーカスタム/12万9990円)をベースに、PC USERコラボモデルのスペックへカスタマイズしていくと、最終的な価格は15万9180円。性能面では申し分ないものの、結構いい値段になってしまった。かといって、GPUやストレージは妥協したくない。うーん、困った。でも大丈夫! 杉澤さんならきっとなんとかしてくれる!

 そこで早速、G-Tune担当の杉澤氏に電話をかけたところ——値段交渉の末、なんと14万9940円まで値引きしてくれることになった(試しに「10万円以下で」と頼んだら無言でガチャ切りされたので、即座にリダイヤルし「なんとか15万円以下になりませんか」と泣きつくとしぶしぶ応じてくれました。これがドアインザフェイスか……)。

 というわけで、PCゲームを快適に楽しめる高い性能を実現しつつ、価格とのバランスも考慮した構成で、最終的には杉澤氏という“裏技”も使いながら、「NEXTGEAR-MICRO im540SA5-SP-IT」(PC USERコラボモデル)が完成した。同モデルはG-Tune 10周年記念特設サイトから一般販売されるので、興味を持った方は是非、購入を検討してほしい。お得ですよ。

NEXTGEAR-MICRO im540SA5-SP-ITの販売ページ

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任天堂、スマホ向けアプリを年内に提供へ ゲーム移植は否定、専用機プラットフォームは堅持

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 任天堂の岩田聡社長は1月30日、経営方針説明会で、年内にスマートフォン/タブレットなどスマートデバイス向けアプリサービスを提供する計画を明らかにした。ただ、「マリオ」など既存タイトルのスマートフォン向け移植などは否定し、「『任天堂プラットフォームに参加していただくきっかけをつくる』という目的」と、アプリを通じてゲームの認知を高める形での活用を検討しているという。

photo販売が低迷するWii U

 任天堂は2014年3月期通期の連結最終損益が250億円の赤字に転落する見通し。据え置き機「Wii U」の販売が低迷し、当初900万台としていた販売見通しを3分の1以下の280万台へと大幅に下方修正したことが響く。

 岩田社長は「ビデオゲーム専用機プラットフォームの未来を決して悲観しているわけではない」「『ハード・ソフト一体型のビデオゲーム専用機プラットフォームを経営の中核とすること』は今後も変わらない」「自社ハードを捨てて、他のプラットフォームに軸足を移すということも考えていない」と、プラットフォームを堅持する方針を示した。将来のために新ハードの研究開発も進めているという。

photophoto経営方針説明会の資料より

 スマートデバイスについて、同社製ゲームの供給について要望が多いことは認識しつつ、「ハード・ソフト一体型のビジネスという任天堂の強みを活かせない場では、任天堂の目標とする規模のビジネスを中長期にわたって持続させることは困難ではないか」と否定。「お客様とのより強いつながりを作る」ためのツールとしての活用を打ち出した。

 アプリ開発は社内の精鋭が取り組んでおり、年内に何らかのアプリサービスを公開するという。チームには「ゲームを作ることも、自社キャラクターを使うことも禁じてはいない」が、「これをもって『マリオをスマートデバイスに供給』と報道されると完全にミスリードになってしまう」という。

 販売不振に陥っているWii Uについては「GamePadがあるからこそ実現できるソフトタイトルを提案することを、今年の最優先課題に置きたい」とし、内蔵NFCリーダー/ライターの活用や、初夏をめどにGamePadの高速起動メニューの実現、ニンテンドーDSソフトのバーチャルコンソールの提供──なども挙げた。また「マリオカート8」の発売を5月に決めた。

 従来は携帯機と据え置き機でユーザーのつながりが分断されていたことを反省し、今後は「ニンテンドーネットワークID」でユーザーとのつながりを一元管理する方針に転換。「未成熟なところはあると思う」が、今後新ハードを発売する際は「普及台数を一から積み上げるという形ではなく、このNNIDを通じて一度できたお客様とのつながりをしっかりと維持していきたい」としている。

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電車が生み出す回生電力を融通、減速中の車両から加速中の車両へ

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 JR東日本の常磐線は東京都心から茨城県や福島県を経由して宮城県まで通じる幹線である。その路線のうち、茨城県内にある藤代駅−土浦駅間に新しい電力融通の仕組みを導入して、1月30日から運用を開始する。

 常磐線では電車がブレーキをかけた時に発生する「回生電力」を利用して、電力使用量の削減に取り組んできた。ただし従来は電車から近隣の変電所に電力を送るだけで、大半は使われないまま余剰電力になっていた。新たに2つの変電所のあいだに「電力融通装置」を導入して、電車同士で回生電力を供給できるようにする(図1)。

joubansen_sj.jpg図1 電力融通装置を使って回生電力を供給する仕組み。出典:JR東日本

 鉄道用の変電所の中間には「き電区分所」と呼ぶ設備がある。通常1つの電車に対しては1カ所の変電所からしか電力を供給できない仕組みになっていて、き電区分所で変電所を切り替えている。この区分所に設置した電力融通装置が2つの変電所からの情報をもとに、融通できる電力量を計算して、電車間の電力供給を制御する。

 JR各社の電車の多くは交流の電力で動き、別々の変電所から位相の違う電力の供給を受けている。このため電車同士で回生電力を融通することができない。電力融通装置で位相を変換することによって、電車間の電力供給が可能になる。

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データセンターの進化が加速――2014年はInfiniband/ファイバチャネル/イーサネットが一斉に高速化へ

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 米国の調査会社であるCrehan Researchによると、2014年にデータセンター向けネットワークスイッチ市場で用いられるデータ転送技術であるInfinibandとファイバチャネル(Fibre Channel)、イーサネットが、一斉に高速化されるという。

 Crehan Researchは、報告書「Data Center Switch Long-Range Forecast(データセンターのスイッチに関する長期予測)」の中で、「2014年に出荷されるInfinibandは、50%以上が56G FDR規格品になり、現在普及している40G QDR規格品の出荷数を上回る見通しだ」と述べている。同報告書では、「ファイバチャネルも16Gビット/秒品が8Gビット/秒品を上回る。また、イーサネットも10Gビットイーサネット(10GbE)品が1GbE品を上回り、出荷数の半数以上を占める」と予想している。

データセンターへの技術投資が拡大

tt140130TT001.jpgデータセンター向けネットワークスイッチにおける次世代データ転送規格の採用予測 (クリックで拡大) 出典:Crehan Research

 同社のプレジデントを務めるSeamus Crehan氏は、EE Timesのインタビューに対して、「データセンターのネットワーク環境が大きく向上している要因の1つは、データセンターが近年、技術に対する投資を大きく拡大していることにある」と述べている。

 「Infinibandとファイバチャネル、イーサネットの3つの技術は現在、かなり成熟した段階にあり、魅力的な価格帯で、充実した機能を利用できるようになっている。こうした中、さらに広い帯域幅で、ユビキタスな接続が可能な、より機能の充実した技術が求められている。だが、これら3つの技術は、同じサイクルで進化してきたわけではない。重要なマイルストーンの実現時期が、ちょうど2014年に重なった」(同氏)。

40GbEは、10GbEよりもはるかに速いスピードで普及か

 Crehan氏は、「10Gビットイーサネット(10GbE)は現在、データセンターのスイッチポート接続に最も多く採用される技術になっている。ただし、右肩上がりに順調に推移してきたわけではない。40GbEも、成長の兆しが見えている。40GbEは、10GbEよりもはるかに速いスピードで採用が進むと予想される」と述べている。

 データセンター向けスイッチ市場は、サーバやストレージ、エンタプライズネットワーキングなどの市場と比べて成長が著しい。Crehan氏はこれについて、GoogleやAmazon、Facebook、Microsoftなどの企業を例に挙げ、「データセンターが、ビジネスドライバとなっているケースが多いためだ」と解説している。

2014年ネットワークスイッチ市場は100億米ドル規模に

 同氏は、「2014年のネットワークスイッチ市場は100億米ドル規模に上ると予想される。今後も年平均成長率(CAGR)10%弱で成長を続け、2018年には160億米ドルに達する見通しだ」と述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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XP後に迫るServer 2003のサポート終了 移行に向けた3つのステップとは?

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 日本マイクロソフトは1月29日、2015年7月にサポート終了を迎える「Windows Server 2003」の稼働状況と移行策について説明した。Windows Server 2003は国内で稼働するx86サーバ全体の約16%を占めており、利用企業は早期に最新環境へと移行するよう呼び掛けている。

photo移行計画の立案イメージ

 IDC Japanの調査によれば、2013年に国内で稼働しているx86サーバは約223万台あり、70.6%をWindows Serverが占める。そのうち23.0%に当たる36万台はWindows Server 2003以前のOSで稼働しているという。これらのサーバはサポート終了後にセキュリティアップデートが提供されなくなり、システム全体の脆弱性が高まるリスクがある。

photo国内x86サーバシェアとワークロードの内訳(IDC Japan調べ)

 マイクロソフトによれば、サーバOSの移行はクライアント端末のように「順次入れ替え」というわけにはいかないという。「サーバは単にハードウェアを入れ替えるだけでなく、用途や条件に応じて移行先を十分検討する必要がある」と同社の高橋明宏氏(執行役 ゼネラルビジネス ゼネラルマネージャー)は指摘する。さまざまなシステムが複雑に関係しながら稼働しているサーバのOS移行に当たっては、各システムに適した移行先を選択した上で、全てのシステム環境を一気に移行する必要があるという。

 では、Windows Server 2003以前のサーバ環境を利用している企業はどのように新環境に移行すべきか。同社の佐藤久氏(業務執行役員 サーバプラットフォームビジネス本部長)は、移行準備として以下の3つのステップを紹介する。

  1. 既存サーバ環境の棚卸し(台数、用途、設置場所など)
  2. 移行先の選択(クラウドか、オンプレミスか)
  3. 移行に必要な予算とスケジュールの確認

 Windows Server 2003からの移行先としては、新OSを搭載したオンプレミスサーバ(プライベートクラウド含む)のほかパブリッククラウドの利用も考えられる。佐藤氏は、Webアプリケーションなどはパブリッククラウドに移行し、業務アプリケーションなどの複雑なシステムはオンプレミス環境に残すという「ハイブリッドクラウド」構成が今後の情報システム基盤の主流になるとみる。

photo

 ある大手金融機関では、Windows Server 2003で稼働していた大規模な業務アプリケーションの移行プロジェクトの完遂に約1年半を要したという。「『サポート終了まであと1年以上もある』と思う企業も多いかもしれないが、来年7月に全てのアプリケーションを新環境で本番稼働させる必要がある。そう考えると残された時間は多くない」と高橋氏は呼び掛けている。

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NEC、「BIGLOBE」売却を正式発表

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 NECは1月30日、連結子会社でISP「BIGLOBE」を運営するNECビッグローブの全株式を投資ファンドの日本産業パートナーズに売却すると正式発表した。3月末をめどに株式譲渡を完了する予定。NECビッグローブは「日本産業パートナーズの豊富な経営支援ノウハウを活用することで、より機動的かつ戦略的に事業を展開する」としている。

 売却により、2014年3月期の個別決算に関係会社株式売却益として約340億円、受取配当金として約48億円、連結決算に関係会社株式売却益として約270億円を計上する見込み。

 BIGLOBEは1996年、NECのインターネット接続サービスやパソコン通信サービスを統合する形で開始。BIGLOBE部門は2006年に「NECビッグローブ」としてNECから分離して会社化した。

 NECは通信インフラやシステム開発事業への経営資源の集中を進めており、BIGLOBEとの相乗効果が薄れたとして売却を決めたとみられる。NECがNECビッグローブのノウハウやサービスを活用して事業運営する企業向けサービス・SI事業は従来通り継続する。

 日本産業パートナーズはみずほ証券などが事業再生を目的に設立した投資ファンド。子会社の外部への切り出しなどに実績を持ち、アイ・ティー・エックス(ITX)の再編などを手がけている。

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衣服で心拍などを測れる新技術「hitoe」――NTTドコモが2014年中に実用化

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shk_hitoe001.jpg

 東レとNTTは1月30日、専用の衣類を着るだけで心拍や心電図のデータを取得できる新素材「hitoe」を発表した。hitoeで取得したデータは専用の小型端末を通じてスマートフォンに表示する仕組みで、健康管理やトレーニング、介護医療などの分野で活用する予定。2014年中にNTTドコモがサービス化を目指すとしている。

 リストバンド型、メガネ型、コイン型など、身に着けることで歩数や心拍数など体に関する情報を計測する端末が登場する中、東レとNTTが今回共同で発表したのは、生地(衣服に装着)タイプの新技術。身体にフィットする素材を用いたことで、正確かつリアルタイムにデータを取得できるという。


shk_hitoe01.jpgshk_hitoe02.jpghitoeは3つの電極とスマートフォンにデータを送信する小型端末で構成。画像は黄色いTシャツにhitoeを縫い付けたもの。hitoeで取得したデータはリアルタイムでスマートフォンに送信する。現在はTシャツにアップリケを付ける感覚で縫い付けているが、今後改良していく予定

 東レの強みである繊維のナノファイバー技術とNTTのインタフェース技術を融合し、着衣中に発汗してもショートせず、どんな体格の人でも安定して身体データを取得できるようにした。

shk_hitoe04.jpg hitoe装着イメージ。NTTと東レの共同研究により、安定した心電波形が得られるインタフェースを保ちつつ、発汗などによる短絡を防ぐ配線設計を施した

 hitoeには、人体皮脂と親和性が高い導電性高分子素材を使用している。一般衣服に使用される素材の細かさは約15ミクロンだが、hitoeは約700ナノミクロンで、着心地がやわらかいという。耐久性は「洗濯機で洗った場合(ネット使用時)30回、手洗いだと50〜60回繰り返しても性能を維持できる」レベル。バッテリーはボタン電池で、心拍を計測する場合で数カ月は使えるとしている(計測する頻度による)。

 具体的なサービス形態や価格は2014年中に決定する予定。すでに提供中の「わたしムーヴ」や「カラダのキモチ」といった健康プラットフォームとの連携のほか、フィットネスクラブなどの事業者と共同で展開していくことも検討している。

 なおhitoeという名称は、human(人間)、intelligence(情報・知能)、to(〜のほうへ)、expand(拡張する)の頭文字を並べたもの。それぞれの文字には、hが座り、iは立ち、tは跳び、oは2人が手を取り合い、eは胎児のようなイメージを示しており、人のつながりが新たな命を運ぶ願いや、1枚の布=単衣(ひとえ)の無限の可能性という意味が込められている。

shk_hitoe05.jpg心拍数のデータから運動時の負荷状態を把握したり、睡眠時にはリラックスしているかストレスを感じているかなどの状態も把握できる機能なども盛り込む

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