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「Let'snote MX3」――パナソニック流の“全部入り”新世代モバイルを徹底検証

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ココが「○」
・ノートPCにもタブレットにもなる2in1
・DVD搭載で約1.198キロの軽量ボディ
・高い堅牢性、インタフェースも充実
ココが「×」
・モバイルノートとしては価格が割高
・縦のキーピッチが15.2ミリと狭め
・内蔵スピーカーがモノラル仕様

はじめに:変形も機能も妥協しないLet'snoteの新シリーズ

tm_1401mx3_r_01.jpgパナソニックの新シリーズは「Let'snote MX3」

 「軽量」「長時間」「頑丈」「高性能」を追求したビジネスモバイルPCといえば、パナソニックの「Let'snote」だ。その2014年春モデルが早くも登場した。中でも新シリーズとして追加された12.5型フルHD液晶搭載の「Let'snote MX3」は、従来機の強みを採り入れつつ、最新のトレンドも盛り込んだ注目の製品といえる。

 11.6型モデル「Let'snote AX3」と同様、同社が「ハイブリッド・モバイル」と呼ぶ2in1デバイスで、液晶ディスプレイを360度回転させることにより、クラムシェルノートPCとタブレット、どちらのスタイルでも利用可能だ。

 基本仕様は、Haswellこと第4世代CoreのUシリーズにSSDを組み合わせたハイスペック志向の構成だ。IEEE802.11acの高速無線LANとWiMAX(WiMAX 2+ではなく、第1世代のWiMAX)を標準搭載し、収納式スタイラスペンによる手書き入力機能に加えて、光学ドライブ、有線LAN、アナログRGB出力といった、昨今のUltrabookでは省かれがちながらビジネスユースではいまだ使われることも多い装備を網羅している。

 Let'snote MX3は要するに、Let'snote AX3を大画面化し、光学ドライブとペンを追加したモデルに相当する。また、光学ドライブ内蔵の12.1型クラムシェルノートPC「Let'snote SX3」(同社は「クリエイティブ・モバイル」と呼ぶ)を2in1に進化させたモデルという見方もでき、いわばAX3とSX3の長所を吸収した新シリーズに仕上がっている。

 しかも、新たなボディ素材の導入やボンネット構造の見直しなどにより、剛性を保ちつつ、21ミリ厚、約1.198キロとLet'snote SX3に薄さで勝り、軽さで肉薄している点は特筆したい。12.5型以上の液晶を搭載した個人向けの2in1デバイスとしては世界最軽量という(2014年1月15日現在、同社調べ)。

 Let'snote AX3同様のホットスワップ可能なバッテリーシステムも継承した。着脱可能なバッテリーに加えて、内蔵バッテリーも備えており、電源を切らずにバッテリーの交換(交換用バッテリーは別売)が可能だ。バッテリー駆動時間は標準で約14.5時間としている(店頭下位モデルは約15時間)。

 店頭販売向けの製品ラインアップは、基本スペックとOfficeの有無が異なる2モデルで展開されるが、今回は2014年2月14日の発売に先駆けて上位モデル「CF-MX3TEABR」(Core i7+256GバイトSSD、Officeなしモデル)の試作機を入手した。写真を見ながら具体的な仕様を紹介していくとともに、性能やバッテリー駆動時間をチェックしていこう。

ボディと製品概要:2in1ボディにビジネス向けの機能を満載

tm_1401mx3_r_02.jpgtm_1401mx3_r_03.jpgLet'snote伝統の明るいシルバーで塗装されたボディは、11.6型ワイド液晶搭載の「Let'snote AX3」をひとまわり大きくしたようなイメージで、フラットなフォルムが目を引く。本体サイズは301.4(幅)×210(奥行き)×21(高さ)ミリ、重量は約1.198キロだ。後述する新素材と新構造により、剛性を保ちつつ、薄型化を果たしている
tm_1401mx3_r_04.jpgtm_1401mx3_r_05.jpg液晶ディスプレイを360度回転させて閉じれば、大きめ画面のWindowsタブレットとして扱える(写真=左)。360度まで回転させず、キーボードを下に向けた状態で液晶を立てれば、スタンド付きタブレットのようなスタイル(いわゆるビューモード)でも利用可能だ(写真=右)
tm_1401mx3_r_06.jpgtm_1401mx3_r_07.jpg1920×1080ドット(フルHD)表示の12.5型ワイド液晶ディスプレイは、広視野角のIPSパネルを採用(写真=左)。画面の上部にはWebカメラ(有効1920×1080ドット/約200万画素)を搭載し、ビデオ会議なども良好な画質で行なえる。カメラの両脇にはアレイマイクを内蔵している。液晶ディスプレイは360度回転する仕組みなので、当然ながらクラムシェルノートのスタイルで180度以上開くこともできる(写真=右)
tm_1401mx3_r_08.jpgtm_1401mx3_r_09.jpgアイソレーションタイプの6列キーボードを搭載(写真=右)。リーフ型のキートップが目を引く。キーピッチは横が19ミリと余裕があるが、縦は15.2ミリとやや窮屈だ。半角/全角キーが最上段に、右Fnキーが右端にあるなど、部分的にやや変則的な配置も見られる。キーストロークは薄型ノートPCとしては深い2ミリを確保し、しっかりとした押下感がある。スイッチの感触は若干反発が強めだ。マルチタッチ対応のタッチパッドは、横92.5ミリ、縦53ミリと十分な広さ。左右のボタンは独立しており、ストロークは浅いが、押しやすい。中央には「HOLD」ボタン(後述)もある。タッチパッドにはシナプティクスのドライバが導入されている(画像=右)。2本指での上下/左右スクロール、3本指で弾くことによるページ送り、右側面からのエッジスワイプによるチャームの表示などに対応する
tm_1401mx3_r_10.jpgtm_1401mx3_r_11.jpg前面の左側にはDVDスーパーマルチドライブを内蔵している(写真=左)。右側には電源やバッテリーの状態を示すインジケータ、ボリューム調整ボタン、画面の自動回転ロックボタン、SDメモリーカードスロット(SDXC、UHS-I/UHS-II対応)、電源スイッチがある。背面には排気口のほか、着脱式バッテリーパックを備えている(写真=右)。通信機能はIEEE802.11a/b/g/n/acの無線LAN、1000BASE-Tの有線LAN、WiMAX、Bluetooth 4.0を標準搭載し、充実した構成だ。
tm_1401mx3_r_12.jpgtm_1401mx3_r_13.jpg左側面には、付属のスタイラスペンを収納するペンホルダーがある(写真=左)。その奥には盗難防止用ワイヤーを取り付けるセキュリティロックポートのほか、落下防止用ハンドストラップ(別売)を装着するためのストラップホールが用意されている。右側面には多数の端子が集中して並ぶ(写真=右)。手前側から、無線LANのスイッチ、ヘッドフォン出力、マイク入力、USB 3.0(電源オフチャージ対応)、USB 3.0、HDMI出力、有線LAN、アナログRGB出力、ACアダプタ接続用のDC入力という内容だ。Ultrabookでは省かれがちな有線LANやアナログRGB出力も装備し、ビジネスのニーズに応える。ハンドストラップ用ホールは右側面にもある
tm_1401mx3_r_14.jpgtm_1401mx3_r_15.jpgホットスワップ対応の着脱式バッテリーは容量が約33ワットアワーだ(写真=左)。内蔵バッテリーの容量はCPUID HW Monitorの表示で約15ワットアワーだった。店頭販売モデルの公称バッテリー駆動時間は、上位モデルが14.5時間、下位モデルが15時間。着脱式バッテリーをもう1つ用意してホットスワップして使った場合、駆動時間は公称約25時間(公称値、店頭下位モデル)となる。ACアダプタも小型軽量で携帯しやすい。実測で38(幅)×90(奥行き)×28(高さ)ミリ、実測重量はケーブル込み約240グラム、ケーブルなしで約178グラムだった。標準でウォールマウントプラグも付属し、ケーブルの代わりにこれを装着した状態の重量は約198グラムだった(写真=右)
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iPhoneを製造するフォックスコンは、生産技術力をどこで身に付けたのか?

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nakagawa

 エレクトロニクス製造・実装技術展「インターネプコン ジャパン」(2014年1月15〜17日、東京ビッグサイト)では2014年1月16日、台湾フォックスコン(Foxconn、鴻海精密工業)の技術顧問を務めるファインテック代表取締役社長の中川威雄氏が特別講演を行った。「世界No.1 EMS “Foxconn”のビジネス戦略」をテーマとし、米アップルのiPhone生産や主要各社の家庭用ゲーム機生産などを一手に請け負う、同社の強さの秘密と今後の課題などについて紹介した(関連記事:フォックスコン顧問が語る“失われた20年”が生んだ日本の未来とは?)。



10兆円の売上高を誇る世界最大規模の“製造業”

 EMS(電子機器受託製造サービス)とは電子機器においてOEM(original equipment manufacturer、相手先ブランドでの製品製造)を行う製造代行サービスのことだ。フォックスコンはこのEMSで世界最大規模を誇る。顧客企業には主要な電機・IT企業の大半が含まれ、売上高は10兆円にも及ぶ。

 同社は、現在も董事長(CEO)を務める郭台銘氏が1974年に24歳で創業し、約40年間で売上高10兆円という巨大企業となった。創業当時は樹脂射出成形を中心とした町工場だったが、1990年頃に米国コンパックからデスクトップPCの筐体製造と組み立てを請け負い、EMS事業へと舵を切ったことが奏功した。

 年々製造製品のカバー範囲を広げており、現在では、デスクトップPC、ノートPC、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット、デジタルカメラ、ゲーム機、デジタルテレビ、コネクタ、液晶パネルなど、の生産を行っている。代表的な生産製品としては、米国アップルのiPhoneやiPad、ソニーや任天堂のゲーム機、主要メーカーのPCなどがある。生産量という点から見れば、世界最大規模の“製造業”ということがいえるだろう。

業績フォックスコンの業績推移(クリックで拡大)

フォックスコンが急成長した3つのポイントとは?

中川氏中川威雄氏 東京大学名誉教授でファインテック代表取締役社長。プレス加工や金型などの第一人者。東京大学教授を定年退職後、1999年からフォックスコンで顧問を務めている。郭台銘氏とは25年の交流があるという。

 フォックスコンといえば、街と言っていいほどの大規模な工場が有名だが「急成長の秘密はそれだけではない。フォックスコンがここまで急成長したのには主に3つのポイントがあった」と中川氏は話す。

 1つ目はその大規模工場を含む早期の中国進出だ。フォックスコンでは、数少ないオリジナルブランド製品としてコネクタがあるが、1988年にこのコネクタ事業で中国に工場展開を開始。これを礎とし、中国国内に大規模工場を次々と建設していった。中国における安価で豊富な労働力と、中国語でコミュニケーションできるという点を最大限に生かし、組み立て生産において圧倒的な製造力とコストパフォーマンスを実現することに成功した。

 「中国語という武器を生かし、中国の安い人件費で、組み立て生産におけるコスト競争力を発揮できたのは大きな強みとなった。中国では35万人が働くという深セン市の大規模工場を含み100万人余りが働いている。中国から海外に輸出する外資系企業の中でも最大規模の売上高を誇っている」と中川氏は語る。

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「特にIoTに期待している」――インテル日本法人が2014年の事業方針を説明

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 インテルの日本法人は2014年1月17日、都内で会見を開き、インテルおよびインテル日本法人としての2014年の事業方針などを明らかにし、IoT(モノのインターネット)を中心とした組み込みシステム分野やタブレット端末などのモビリティ分野でのビジネス成長を狙う姿勢を打ち出した。

 会見の冒頭、インテル日本法人社長の江田麻季子氏は、インテル米本社が2014年1月16日(米国時間)に発表した2013年第4四半期(10〜12月)業績に触れ、「PC市場が安定化の兆しを見せ、データセンター向けも好調だった」とした。2013年第4四半期の売上高は138億米ドル、営業利益は35億米ドルでいずれも前年同期実績を上回った。

 なお、2013年通期業績については、売上高が527億米ドルで前年比1%減、営業利益は123億米ドルで同16%減と、PC市場の低迷が響いて減収減益だった。

tt140117intel000.jpg2013年通期および第4四半期の業績 (クリックで拡大) 出典:インテル

 2014年通期業績見通しについても、「2013年の売上高とほぼ同等。研究開発費(2013年実績約105億米ドル)、設備投資費(同110億米ドル)も2013年とほぼ同等」との見方を示した。

tt140117intel001.jpgインテル日本法人社長の江田麻季子氏

 その中で、インテルおよびインテル日本法人としての注力分野として、「データセンター」「PCエクスペリエンス」「モビリティ」「テクノロジー」の4つを挙げた。江田氏は、「2014年は、(PC向けビジネスなど)既存事業は粛々と成長を継続させながら、新しい成長分野での事業を強化していきたい」とした。

 新規の成長分野としては、急速な需要拡大が見込まれ、「特に期待している」というIoT向けを中心とした組み込みシステム向けのビジネスの拡大を狙う。組み込み用デバイス「Quark」(関連記事:Intelが“iPhone 5sのA7”と同じ64ビットSoC「Quark」を発表——マイコン市場を脅かすか?)などで、ARMが先行する小型の組み込み機器市場への浸透を狙う。

 モビリティ分野も成長分野として位置付け、「Atom」を中心にタブレット端末でのインテル製品の採用拡大を狙う。スマートフォンに対しては「2014年は、(スマートフォンメーカー)4〜5社にフォーカスして、ボリュームを出していく」(江田氏)とした。

 2013年は需要の低迷が続いたPCに向けては、「デザイン面、機能面での革新を追求し、(タブレット端末としても利用可能なコンピュータ)2in1デバイスなどに向けて品ぞろえを増やしていく」とした他、さまざまなユーザーインタフェースでより直感的な操作が行えるパーセプチャル(知覚)コンピューティングの実現を図っていく。

 テクノロジー面では、「2014年は、大きなマイルストーンの年になる」とし、次世代製造プロセス技術である14nmプロセス技術への期待を表した。14nmプロセス採用プロセッサ製品について江田氏は「2014年1〜3月から製造をスタートし、2014年後半に出荷を開始する」との見通しを示した。

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6世代目を迎えたIBMのエンタープライズX-アーキテクチャー、モジュラー化と高性能、高信頼をさらに追及

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x3850x6.jpg第1四半期に発表予定のラックマウント型4ソケットのSystem x3850 X6。冷却ファンが2つ付いた縦型の「コンピュートブック」を4台収容する。向かって左側は「ストレージブック」。「I/Oブック」などは背面に収容するモジュラーデザイン

 日本アイ・ビー・エムは1月17日、業界標準のx86プロセッサをベースとしながらスケールアップ型の高性能サーバを実現するIBMエンタープライズX-アーキテクチャーの第6世代版を発表、この「X6アーキテクチャー」に基づくラックマウント型4ソケットの「System x3850 X6」、同8ソケットの「System x3950 X6」、およびブレード型の「FlexSystem x880コンピュートノード」を第1四半期に順次販売開始することも明らかにした。Intelでは、最大15コアを搭載する新しいXeon E7プロセッサを第1四半期に発表する予定だ。

 2001年の第1世代から数えて6世代目となるIBMエンタープライズX-アーキテクチャーは、x86プロセッサをベースとしながらも同社がメインフレームで培った独自の技術を盛り込み、スケールアップ型の高性能や優れた信頼性を実現してきた。最新のX6アーキテクチャーでは、モジュラーデザインをさらに進化させ、将来主流になるとみられている「Fabric-based Architecture」を志向、新しい世代のプロセッサが登場しても丸ごと買い替える必要はなく、モジュールを追加したり、リプレースして顧客企業が長期に使い続けられるようにする。

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 Fabric-based Architectureは、プロセッサやメモリ、ディスク、ネットワークI/Oなどの資源をすべてプール化して管理し、高速のスイッチバックプレーンや光ケーブル接続で密連携させるシステムデザイン。この10年、メモリの帯域幅が30倍になったのに対して、ネットワークのそれは1600倍に高速化し、その差が縮まっていることが背景にある。現在は、プロセッサとメモリは同じボードに置くデザインが主流だが、そうした必要もなくなる。異なるプロセッサも含む、すべての資源を1つのコンピュータとして一元的に管理しながら、ワークロードの種類や負荷に応じて最適な資源を割り当てられる柔軟なシステムが生まれる。

 IBMでは2010年、それまでのメインフレームを大きく進化させ、Fabric-based Architecture製品に先鞭をつけるzEnterprise 196を投入したほか、2012年にはFabric-based Architectureの概念を採り入れたPureSystemsを発表している。

 今回のX6アーキテクチャーでは、依然としてプロセッサとメモリは同じボードに配置され、「コンピュートブック」と呼ばれるモジュールを構成するものの、次々世代までのXeon E7プロセッサを搭載したコンピュートブックと簡単にリプレースできるようにデザインされている。

メモリスロットにフラッシュ、大規模データ分析を高速化

 エンタープライズX-アーキテクチャーではこれまでにも多くの「業界初」があったが、X6アーキテクチャーでもメモリスロットにフラッシュメモリを搭載する「IBM eXFlashメモリ・チャネル・ストレージ」が新たにサポートされる。

 メモリスロットのフラッシュは、PCI Expressスロットに接続されるフラッシュよりも約3割安く、しかもレイテンシーが5〜10マイクロ秒と格段に低い。IBMでは、レイテンシーをさらに削減する「WriteNow」や割り込みを可能にする「Direct Data Accelerator」の機能をファームウェアで実現し、スループット向上をを図る。これにより、リレーショナルデータベースのログやテーブル本体をメモリスロットのフラッシュデバイスに格納することでトランザクション性能を飛躍的に高めることができるほか、VDI(仮想デスクトップインフラ)の集約率も高められたり、I/O依存度の高いERPなども仮想化環境に統合しやすくなるという。

 IBMでは、顧客がX6アーキテクチャーからその価値をすぐに引き出せるように検証済みのベストプラクティスとして、以下のようなリファレンスアーキテクチャーを用意するが、インメモリデータベースのソリューションが並ぶ。大規模なデータ分析でこそ、X6アーキテクチャーの価値を十分に引き出せるというわけだ。

  • IBM System x Solution for DB2 with BLU Acceleration on X6
  • IBM System x Solution for HANA on X6
  • IBM System x Solution for Microsoft SQL Data Warehouse on X6
  • IBM System x Solution for Microsoft Hyper-V on X6
  • IBM System x Solution for VMware vCloud Suite on X6

 エンタープライズX-アーキテクチャーが追求してきたのは高性能ばかりではない。基幹業務に耐えられる信頼性もメインフレームで培った独自の技術が生かされてきた。もちろん、IntelのXeon E7プロセッサにもMCA(Machine Check Architecture)リカバリー機能などが搭載され、優れた可用性が実現されつつあるが、X6アーキテクチャーでは、さらにファームウェアやソフトウェアによってRAS機能を高めている。例えば、プロセッサ障害時にも自動的にフェールオーバーさせたり、メモリページの修復可能なエラー数を監視して敷居値を越えたらVMware vCenterなどと連携して別の仮想マシンに移行させるなど、対障害性と回復性を高めることができるという。上で紹介したリファレンスアーキテクチャーとしてもMicrosoft Hyper-VやVMware vCloud Suiteとの連携ソリューションが用意される。

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    任天堂、最終赤字250億円に転落 Wii U不振が深刻、当初目標の3分の1以下・280万台に

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    photo販売不振に陥っているWii U

     任天堂は1月17日、2014年3月期通期の連結業績予想を下方修正し、最終損益は前回予想の550億円の黒字から250億円の赤字に転落する見通しだと発表した。据え置き機「Wii U」の販売が低迷し、当初900万台としていた販売見通しを3分の1以下の280万台へと大幅に下方修正。携帯機「ニンテンドー3DS」の台数も見直すなど、不振が深刻になっている。

     前回予想で9200億円としていた売上高は35.9%減の5900億円へと大幅に修正。前期実績(6354億円)も下回る。岩田聡社長は営業損益で1000億円の黒字達成を掲げていたが、350億円の赤字に転落する見通しとなった。

     同社によると、年末商戦でハードウェア販売が想定水準に届かなかったことなどにより、利益率の高いソフトウェア売り上げが予想を大きく下回ったため、粗利が販管費を下回った。為替差益により経常損益は50億円の黒字(前回予想は900億円の黒字)だが、業績回復が見込めなくなったことから繰延税金資産の取り崩しを迫られ、最終赤字に転落する見通しになった。

     前期に年間260円だった配当も、年間100円へと減配になる見通し。

     ハード・ソフトの販売予想も軒並み下方修正を迫られた。900万台を掲げていたWii Uは280万台にとどまる見通しで、前期の345万台を下回ることになる。ソフトも当初の3800万本から半減となる1900万本へと修正する。

     ニンテンドー3DSもハードで1800万台→1350万台、ソフトで8000万本→6600万本へと見直す。

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    誰がやる? どうする? セキュリティ人材育成

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     2013年11月28日、東京電機大学で「グローバルで活躍するサイバーセキュリティ高度専門技術者育成のための研究討論会」が開催された。人材不足が叫ばれるセキュリティ分野で、政府や大学はどのような役割を果たせるのか。日本・米国・シンガポールで同分野に挑戦する識者が集まり、その取り組みや課題が紹介された。

    セキュリティ人材育成に向けた東京電機大学の挑戦

     最初に登壇したのは、東京電機大学 複合領域サイバー・セキュリティプロジェクト プロジェクトリーダーの安田浩氏だ。同氏は、サイバーセキュリティ分野で日本が抱える課題として、高度な技術力を持つサイバーセキュリティエンジニアやセキュリティマネージャー、ポリシー策定者が不足していること、暗号技術以外に日本起源のセキュリティ標準化技術がないこと、長期的な教育システムとキャリアパスが存在しないことを挙げた。

     こうした現状に対し、安田氏は「学生や社会人を受け入れ、学位を与えられるサイバーセキュリティ教育システムがそもそも日本に存在しない。これは同時に、(セキュリティ部門がある/専門会社以外の)一般企業にとっても、セキュリティ人材を採用するための判断材料を少なくしており、学生もキャリアパスを描けない」と指摘した。

    jinzai_ph01.jpg東京電機大学 複合領域サイバー・セキュリティプロジェクト プロジェクトリーダーの安田浩氏

     東京電機大学は2013年、経済産業省の平成25年度産学連携推進事業費補助金を受けて「複合領域サイバーセキュリティプロジェクト」と「サイバー・セキュリティ研究所」(Cys Lab)を発足させ、学生や社会人、18歳未満の学生がサイバーセキュリティ領域を学び、修士/博士号を取得できるシステム作りに踏み出した。さらに、CEOやCOO、弁護士などのセキュリティ意識向上を目論む講義など、社会人向け講座も設ける予定だ。

     Cys Labの一般教養では、CISSP(国際的に認められた情報セキュリティプロフェッショナル認証資格)のテキストを教材の1つに、サイバーセキュリティ技術やシステム設計、ガバナンス、ぜい弱性監査・セキュリティ監査などを学ぶ。また、数学/統計、心理学/心理分析、倫理、法律、経済など、技術に偏らない包括的な視野を養う教育も行っていく。この他、グローバルに活躍する人材育成を目指し、初年度は講義のうち30%を、5年以内には全講義を英語で実施する計画だ。

     産学共同研究では、セキュアなカーネルの研究、生体認証の研究、セキュアなスマートフォンの研究、LIFT(Live and Intelligent Network Forensics)プロジェクト、リスクコミュニケーションベースのアプローチなどが挙げられた。LIFTでは情報セキュリティ技術研究の第一人者である同大学の佐々木良一氏をリーダーに、企業各社のトップエンジニアを客員研究員に招き、ネットワークフォレンジックの研究を行う。

    国益と安全保障の観点でアプローチする米国政府

     続いて登壇したのは、元米国大統領補佐官のハワード・シュミット氏だ。セキュリティコンサルタント会社のRidge Schmidt Cyber LLCのパートナーである同氏は、アリゾナ州のSWATチームやFBI、マイクロソフトのCISOを務めるなど、長年に渡って国家安全と情報セキュリティの両面を見つめてきた。

    jinzai_ph02.jpg元米国大統領補佐官のハワード・シュミット氏

     「私が初めてコンピューターに触れたのは1976年の頃。アマチュア無線機で日本と通信したいと思ったのがきっかけだ」。そう振り返る同氏は、より良い世界を目指す研究者が悪意なく情報を交換していたインターネットも、今やグローバルコミュニケーションやビジネスに欠かせないツールとなり、サイバー犯罪の温床になった実情を語った。

     「マイクロソフト在籍時代、ある顧客から何度も電話があり、『システムを起動するたびにセキュリティシステムが立ち上がるので止めてほしい』と言われた」。あらゆるデバイスがインターネットに接続され、多様な攻撃に日々さらされる現在、そんな発想はもうない。「セキュリティはオン/オフするものではない。プロアクティブな対策のツールとして利用していくものだ」(シュミット氏)

     ホワイトハウス時代、シュミット氏は民間企業や大学と連携し、1年以上かけて国家サイバーセキュリティ戦略の策定を行った。その際に、セキュリティだけでなくICTによる国益についても調査してほしいとオバマ大統領から命じられたという。ICTの経済的メリットと国家安全保障のバランスは難しい。シュミット氏は企業の経営層との対話の中で、経済リスクやビジネスリスクと同じようにサイバーセキュリティの重要性を理解させなければ、問題は深まるばかりと感じた。

     だからこそ、今必要なのは、難しいセキュリティ技術をかみ砕いて説明できる専門家だとシュミット氏は言う。「状況を把握してそれを明確に伝え、聞く耳を持ち、かつビジネスニーズに対して技術的に応えられる人物が、ICTと国家安全の懸け橋となる」(シュミット氏)

    jinzai_ph03.jpg今求められるサイバーセキュリティ専門家の像

    資金援助ほぼゼロから始まった米大学の取り組み

     米国の教育機関による取り組みを紹介したのは、アイダホ州立大学 副学部長のコリー・スカウ氏だ。約20年前、コンピューターネットワークのぜい弱性を懸念したホワイトハウスから、同氏は暗号技術以外のコンピューターセキュリティ専門家を集めてほしいと依頼された。

     「ある日、秘書官から大ホールを会議用に用意したと連絡があった。大変光栄なことだったが、実際集めることができたのは電話ボックスサイズの部屋で十分なくらいの人数だった」(スカウ氏)

    jinzai_ph04.jpgアイダホ州立大学 副学部長のコリー・スカウ氏

     スカウ氏は、今ではサイバーセキュリティの国家的人材育成を担当するアイダホ州立大学のCAE(Centers of Academic Excellence)プログラムも軌道に乗り、今年は10人の枠に対して464人の応募があるなど、認知度も高まったと話す。

     国家安全システム委員会(CNSS)などのトレーニング標準制定を主導した同大学では、これら標準に基づく週30〜45時間の講義を実施。学生にはSSCPやCISSPの受験、政府機関での90日間のインターンシップなどが義務付けられ、修了後の就職率は100%、初年度給与は平均9万ドルという。

    jinzai_ph05.jpgアイダホ州立大学の情報保証プログラムの様子

     成果を出すまでの道のりは、とても険しかったという。当初7大学の学長が集結して人材育成プログラムを実施しようとしたとき、助成金はほぼ皆無だった。「アメリカ国立科学財団から一部助成はあったものの、基本的には大学側で調達。10年間、年10万ドル以下で運営せざるを得なかった。その点で安田氏が大変うらやましい」(スカウ氏)。

     アイダホ州立大学では、「情報保証」を中核とした教育を実践している。情報保証は情報セキュリティを内包する概念で、情報の安全性や完全性を保証する技術/手法を指す。いわば、セキュリティポリシーの策定だ。情報保証は、情報科学や法律、ビジネスモデル、物理セキュリティ、教育など、広範にまたがって展開されるべき概念だ。

     「セキュリティの技術だけを説明しても、異分野の人にとってなぜそれが必要なのかが分かりづらい」。多様な分野を理解し、適切かつ分かりやすい提案を行えるセキュリティ専門家は、今最も求められる人材の1つだ。そのニーズを強力に支援する。

     「大学は専門知識をただ教えるための場所ではない。知識の使い方を教える場であり、永続的に応用可能な「形」(カタ)を習得する場だ」。弓道や合気道などの武道に通じるスカウ氏は、人材育成のあり方をこう表現した。「トレーニング標準やたとえソフトウェアのバージョンが変わっても、“カタ”を会得していれば対応できる。情報保証を“カタ”として会得すれば、どのような分野にも適切に対応できる人材となる」。

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    “デキるノマドワーカー”が使っている、注目のモバイルコラボアプリ3選

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     モバイルワーカーは、データアクセスや同僚との共同作業が簡単にできる手段を必要としている。IT部門から支給されたお仕着せのツールでこうしたことができなければ、彼ら彼女らはその代わりを見つけ出すはずだ。

     こうした中、コラボレーション関連製品を手掛けるベンダー数社が最近、新しいツールや機能を相次いでリリースした。以下では、2014年にあなたの会社のビジネスニーズを満たしてくれそうな3つの製品を紹介しよう。

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    「HWD14」で現在のWiMAX 2+の挙動を知る──ハンドアップ/ダウン、ハンドオーバー編

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    改めておさらい「WiMAX 2+」って何?

    photoWiMAX 2+通信対応ルータ「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD14」

     UQコミニュケーションズが2.5GHz帯における20MHz幅帯域の追加割当を受け、次世代のBWA(Broadband Wireless Access:データ通信向けの広帯域移動無線システム)サービスとして2013年10月31日に開始したのが「WiMAX 2+」だ。

     データ送受信量に制限を設けないことが評価ポイントの1つになるWiMAXの後継サービスとして、当初は他の通信方式とは互換性がないWiMAX 2(WiMAX Release 2.0)として計画されていたが、送受信で同じ帯域を時分割で切り替えるTDDを、一時変調に最大64QAM、2次変調にOFDMA、MIMOの採用など基礎技術を共通とするTD-LTEが普及の兆しを見せたこと受け、そのTD-LTEと互換性を確保する形で仕様追加し、改めて次世代サービスとして採用された。

     WiMAX 2+は規格名ではなく、これまでのWiMAX Relaase 1.0(802.16e)と、高速化されたWiMAX Release 2.0(802.16m)、さらにTD-LTEとの互換性を盛り込んだWiMAX Release 2.1 AE(Addtional Elements)をサポートするサービスとデバイスに付与されるブランド名という位置付けになる。今回は、後述するエリアの話においてWiMAX 2+と言えば従来のWiMAXより高速なWiMAX Release 2.1 AEのサービスエリアという形にさせてもらう。

     WiMAX 2+はサービス開始時点で下り最大110Mbps、上り最大10Mbpsでサービスを展開している。20MHz幅では一般的なFDD-LTE(Xiやau LTE、SoftBank 4G LTEなど)では送受信に干渉を避けるため、少し離れた周波数で10MHz幅ずつを使う仕様だが、端末側の制限(アンテナサイズや消費電力など)から上り通信は電波の使用効率が悪い特性がある。一方、WiMAX 2+は同じ20MHz幅でも時分割で送受信に割り振れる点を生かし、一般にトラフィックの多い下り通信により多くの時間を割り当てることで高速化を実現している。

     もっとも送受信スペックだけなら同じくTD-LTE互換となるソフトバンク系のWireless City Planning(WCP)が展開するAXGPサービスが先行しているわけだが、UQコミニュケーションズは通信方式の改善だけでなく、従来のWiMAXですでに使用している30MHz幅を順次WiMAX Release 2.1 AE用に振り替えていく計画で、連続した50MHz幅をキャリアアグリゲーション(複数の搬送波を束ねて高速化する手法)なども利用することで将来的には1Gbps越えを目指している。2014年にも導入を予定する4×4 MIMO(現状は4×2 MIMO)による最大220Mbps化はAXGPも追従(もしくは先行)する可能性はあるが、その後はWCPの30MHz幅(2014年12月までは20MHz幅)に対して連続した50MHz幅の帯域を持つUQコミニュケーションズは「より高速なサービスを提供できる可能性」が高いと言える。

     というわけで、改めてWiMAX 2+とその先の可能性をおさらいしたところで本題に。現時点唯一のWiMAX 2+対応端末「Wi-Fi WALKER WiMAX 2+ HWD14」(以下、HDW14)をじっくりチェックしていこう。使い勝手や基本機能については別掲している「タッチパネルで「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」は使いやすくなったのか?」を参照願いたい。

     下り最大110Mbps/上り最大10Mbpsはもちろん、オプション料金が必要ながら2014年1月時点、3大キャリアのLTEではもっともエリアが広いとされるau 4G LTE(800MHz帯、1.5GHz帯)での通信も可能。WiMAXとWiMAX 2+はもちろん、WiMAXエリア外でもLTEでの高速なインターネット接続が可能である。エリアの広さという点ではau 3GサービスとWiMAXサービスに対応していたハイブリッドルータ「Wi-Fi WALKER WiMAX HWD13」に劣るが、ともあれau 4G LTEでの高速LTEサービス“も”使用できる点は大きな魅力だ。

     HWD14は、初のWiMAX 2+対応製品ということもあったためか当初はマイナートラブルをいくつか抱えていたが、2013年12月19日の2度目のアップデート(Ver.11.031.09.30.824)でかなり改善し、安定するようになったかなと思う。

    WiMAX 2+はスマートに使えるのか──エリアとハンドアップ/ダウン具合をチェック

     WiMAX 2+は追加割当の免許交付からわずか数カ月でのサービスイン、また、すでにWiMAXでのエリア化が進んでおり、それも併用できるため、新サービスとしては必ずしも満足とは言えない広さでサービスインしたが、今回測定を行った2013年12月末現在、東京23区/環状7号線の外側にもじわじわエリアを広げており、関東圏では主要駅周辺を中心にエリア化されている状況となっている。

     もちろんWiMAX 2+のエリア外でも既存WiMAXを併用でき、Mbps単位の速度で通信できるので、実利用においてさほど困ることはない。とはいえ、WiMAX 2+は2年の継続契約が条件(WiMAXは1年)となり、既存サービスに存在した高い評価を得ていた「機器追加オプション」も用意されないなどデメリットと感じる部分もあるので、やはり可能な限りWiMAX 2+接続で使いたいと思うのがユーザーの心情だ。

    photo横浜市東神奈川駅周辺のエリアマップ(画像は2013年12月15月時点のもの。現在の状況と見比べてみてほしい)。濃いピンクがWiMAX 2+エリア化済み、薄いピンクが2014年3月までにエリア化予定のエリアだ。バックボーンも従来の100Mbpsから1Gbpsに強化する必要があるためか、大道路沿い、あるいはUQコミニュケーションズの主要株主でもあるJR東日本の線路沿いなど、バックボーンの工事がしやすいところからエリア化しているようだ。また都市部では300メートル程度の小さなセルサイズで基地局を設置しているということだが、例えば東急東横線反町駅あたりを見ると確かに小さなセルで基地局を密に設置しているように伺える。ちなみに関東エリアでは2014年3月末までに藤沢市、町田市、相模原市、八王子市、所沢市、さいたま市、越谷市、柏市、千葉市をぐるっと取り囲むようにWiMAX 2+のエリア化が一気に進む予定だ

     まずエリアに関して。UQコミニュケーションズが公開するエリアマップはおおむね正しく、エリアマップ内(特に障害物もない路上など)では高確率でWiMAX 2+でつながる。

     ただ、受信状況の変化は既存WiMAXと比べてもかなり敏感だ。WiMAX 2+接続のHDW14ディスプレイ読みでアンテナバー3〜4本(HWD14は最大5本)の場所から30メートル程度徒歩移動するだけでハンドダウンしてしまい、WiMAXでしかつながらなくなることもある。また、路上にてアンテナバー4〜5本の状況なのに、そこから店舗へ1〜2メートル入るだけでハンドダウンしてしまう挙動も何度か確認した。

     同じ特性の2.5GHz帯を使う以上、電波の浸透性は基本的にWiMAXもWiMAX 2+も同じなのだが、このあたりのハンドダウンは意図的に行われている可能性もある。WiMAX 2+においても電波状態に応じて変調方式を変えることで通信速度よりも接続性を重視した通信は可能だが、それはセクタスループット(1基地局あたりがカバーできる総データ量/速度)を下げる原因になる。そこでまだ通信可能な電波状態でもあえてWiMAXにハンドダウンし、WiMAXとWiMAX 2+を合わせたセクタスループットを向上させる目的だと想定する。

     2014年1月現在はまだWiMAX側の方が混雑しているので、WiMAX 2+ユーザーから見るとWiMAXにハンドダウンすると大幅に通信速度が落ちて損をしているように感じるかもしれない。ただ、これはWiMAX 2+へユーザーの移行が進むにつれてバランスは取れてくる。また、これは回り回ってユーザーがWiMAX 2+で接続している時は「高い通信速度を維持」できることも意味する。筆者の知る限り、小セル化の進んでいる都市部ではWiMAXとWiMAX 2+は基地局を共有しているので、WiMAX 2+だけが極端に電波の浸透性で見劣りする可能性は低いはずである。

     改めて、関東エリアの何カ所かで体験したこととして、WiMAX 2+エリア内の屋内施設窓際にて端末をほんの30センチほど(机の端から端程度)移動させるだけで、本体の電源を入れ直すたびに、あるときはWiMAXのまま、たまにWiMAX 2+でしっかりという状況があった。いくらなんでも間に遮へい物もないほんの30センチほどの移動でエリア外になってしまうほどギリギリの場所ではないはずであり、そんな場所でもWiMAX 2+でしっかりつながれば下り30Mbps以上とかなり高速な速度が出たりするので、やはり意図した制御が行われていると思われる。

     続いて、WiMAXからWiMAX 2+へのハンドアップに関しては、通信状態にかなり左右されるので一概には何とも言えない。WiMAXで接続してデータ送受信が継続している場合はWiMAXでの接続を継続するかたちになっており、WiMAX 2+の電波を確実につかむ場所であってもすぐにはWiMAX 2+接続にハンドアップしない動きだ。この仕組みに関しては3GとLTE、WiMAXと公衆無線LANなど、デュアルネットワーク対応のポータブルルータでは一般的に取り入れられているものなので、WiMAX 2+ないしHWD14固有の仕様ではない。

     なお、筆者の使用環境は自宅がWiMAX 2+圏外、近隣の駅は圏内(駅に近づくと圏内になる)という状況である。徒歩であっても、バス移動であっても、何も通信していなければ駅に向かう途中でWiMAX 2+に切り替わる。しかし、駅への移動中にWiMAX接続のまま通信し続けていると、駅まで延々とWiMAXで接続され続ける。

     ……と、だいたいのクセが分かってきた。明らかにWiMAX 2+エリアなのにWiMAX接続が続く場合は、通信継続状態をストップするためクライアントとの接続を切る、HWD14の接続モードを切り替えて元に戻す(ハイスピード←→ノーリミット)か、端末を再起動する──などがWiMAX 2+接続に移行する手っ取り早い手段だ。HWD14は本体にタッチパネル付きディスプレイを備えているので、モード切り替え等の作業も本体の操作だけで行えるのは案外便利だ。

     一方、au 4G LTEでのLTE接続はハイスピードプラスエリアモードに動作モードを切り替えた場合のみ有効となる。ネットワークはWiMAX 2+とau 4G LTEを使用する(WiMAX接続には切り替わらない)。すでにWiMAX 2+のサービスエリアが確実な場所であれば、当面データ通信量の制限がないWiMAX 2+を軸に月7Gバイト(と直近3日)制限のあるLTEを行き来することになるが、そうでないエリアでは通信量制限のあるLTE接続が延々と続くことになる。

     ま、こちらはデータ通信量が7Gバイト/月に収まるというライト層ならあまり気にしなくてもよい。というか、1度でも変更したらプラス料金が発生するので(ちなみに、2014年1月より5カ月間、LTE オプションを無料にするキャンペーンが行われているのでこの期間は例外)有効活用しなければもったいないという気持ちもあるのだが、WiMAX圏内とWiMAX圏外、かつLTE圏内を日々移動しながら、WiMAXと高速通信が可能なデータ通信量“制限なし”に魅力を感じている人は、意識して接続モードを切り替えながら運用する必要がある。

    photophoto通信モードは本体のタッチ操作で変更できる。この選択画面に最短で到達するには「クイックメニュー」→「通信モード」の2タップが必要。そこから通信モードを選んで右上の決定(チェックマーク)を押して、計4タップだ。なお「ハイスピードプラスエリアモード」を選択すると“切り替えると追加料金が発生します”の警告画面も表示されるので、さらにもう1タップ必要。ちょっと操作数が多くて、UIとしての完成度はまだまだだ
    photo無線LAN接続した機器のブラウザでアクセスするWeb設定ツールより「ハイスピードプラスエリアモード」の利用を抑制すると、ルータの操作では「ハイスピードプラスエリアモード」が表示されなくなる

     なお、ハイスピードプラスエリアモードを利用するとデータ送受信量に関係なく1055円/月のプラス料金が発生する(ただ、前述のキャンペーンにより2014年5月31日まで無料)。LTE接続は利用しないという人のため、本体操作ではハイスピードプラスエリアモードに切り替えられないよう設定することも可能だ。

     この点に関しては親切と思うが、現時点での現実的な運用を考慮するとLTEとWiMAXを自動切り替えするモードもほしかった。WiMAX 2+のエリア展開がまだ先になるであろうルーラルエリア(農山村地域)ではこの組み合わせが結構有効だと思うためだ。

     もう1つ、ハンドオン/オフ時のIPアドレスは、WiMAXとWiMAX 2+間では変わらないが、LTEとWiMAX 2+間では変わるようだ。こちら、シームレスなデータ通信という点では少し残念だが、LTE接続はauネットワークへのローミング扱いということになるので仕方ない。

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    Lenovoブースで「Miix 2.8純正キーボード」を見た

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     Lenovoは、2014 CESにあわせて多数の新モデルを発表した。ここでは、2014 CESでLenovoが独自に設けていたブースから、ThinkPad X1 Carbonに採用した5段レイアウトキーボードの「可変式ファンクションキー」や“4K”解像度に対応するディスプレイ、そして、Lenovoが中国で出荷している最新スマートフォンにMiix 2.8用の純正キーボードオプションについてまとめてみた。

    日本でも扱って欲しいぞ、Miix 2.8純正キーボード

     8型ディスプレイ搭載Windows 8.1導入タブレットのLenovo Miix 2.8は、フルWindowsが動くだけに、デスクトップで標準で付属するMicrosoft Office Home & Business 2013(64Gバイトモデルの場合)などを使うことも可能だ。CPUに“Bay-Trail”世代のAtom Z3740 (1.33GHz/最大1.86GHz)を採用したことで、実際に使ってみても、重くて使いにくいということはない。ただ、Miix 2.8でOfficeを使うなど、なにかしらの“製作”作業を行おうとすると、やはりキーボードがほしい。

     Lenovoが展示していたMiix 2.8用の純正キーボードは、FolioタイプのBluetooth接続キーボードで本体を取り付けるとクラムシェルスタイルで利用できる。本体側とキーボードユニットはキーボードケースに仕込んだ磁石で固定する。なお、本体の角度は変更できない。キーボードのレイアウトはアイソレーションタイプのASCII配列で、簡易的なものさしで図った横方向のキーピッチは約17ミリ(キートップサイズは約14ミリ)だった。日本語で長音入力に使うマイナスと“かっこ”の入力がFnキーとの同時押しになるなど、日本語入力では苦労しそうな部分もあるが、タイプするとストロークは浅いものの押した感触はしっかりしていて、キーボードユニットがたわむこともない。説明スタッフによると重さは300グラムをやや超えるぐらいとなるようだ。

    kn_lenovo2_01.jpgkn_lenovo2_03.jpgkn_lenovo2_02.jpg

    kn_lenovo2_04.jpgkn_lenovo2_05.jpgkn_lenovo2_06.jpgLenovo Miix 2.8純正キーボード。日本で出荷する予定はない

    日本で出さない最新スマートフォン「Vibe Z」

     日本では出荷していないが、Lenovoはスマートフォンも主要な製品群としてグローバルに展開している。そのハイエンドラインアップが「Vibe」シリーズだ。2014年の2月に出荷する予定の「Vibe Z」は、4G LTEに対応。サイズが5.5インチで解像度が1080×1920ピクセルの液晶ディスプレイを採用し、モバイルプロセッサーにSnapdragon 800シリーズ(クアッドコア2.2GHz)を搭載する。メインカメラは有効1300万画素で、f1.8のレンズを組み合わせて、暗い場所での撮影性能を訴求する。実売予想価格は549ドルの見込みだ。

     下位モデルの「Lenovo Vibe X」は、すでに2013年12月に出荷している。5インチで解像度が1080×1920ピクセルの液晶ディスプレイを搭載して、メインカメラが有効1300万画素、インカメラが有効500万画素とスペックはVibe Zとほぼ同じだが、プロセッサーにMediaTekのクアッドコアタイプ(動作クロックは1.5GHz)を採用してコストを抑えている。実売価格は419ドル前後となっている。

    kn_lenovo2_07.jpgkn_lenovo2_08.jpgkn_lenovo2_09.jpg2月に登場予定のLenovoスマートフォン最上位モデル「Lenovo Vibe Z」。日本では出荷しない

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    512Gバイトで3万円切り――「中身は○芝?」な激安SSD

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    コンフィデンス製SSD、256Gバイトモデルも1万3800円と激安!

    og_akibatokka_001.jpg赤NUCの中身である「BLKD33217CK」の特価POP

     BUY MORE秋葉原本店は、先週末に引き続き、今週末もインテルのNUCマザー「BLKD33217CK」を9980円の特価で売り出す。エレコム製のACアダプタも同梱する。土日ともに20台限定だ。

     それ以外にも、早い者勝ちになること必至のスポット入荷アイテムが複数入荷していた。レジ前で注目を集めているのは、コンフィデンス製のSSDだ、。512Gバイトモデルが2万9800円、256Gバイトモデルが1万3800円と低価格なうえ、POPには「中身は○芝?」の文字が躍る。同店は「基板を調べると、うっすらとTで始まる文字が読み取れました。動かしてみても普通に速いですし、POPを見て飛びつく人もいるんじゃないでしょうか」と話していた。

     マザーボードコーナーでは、ECSのH81マザー「H81H3-M4 V1.0A」が3980円で売られていた。同社の仕様ではmicro-ATXとなっているが、基板サイズが17×19センチと、Mini-ITXより拡張スロット方面に2センチだけ長い形状で、「拡張ブラケットが2本分あるMini-ITXケースには普通に固定できるものもあります」というモデルだ。昨年末に6000円弱で登場したばかりで、同店でも「今回の特価用のストックが切れたら、また通常どおりの価格で売ります」と話す。

    og_akibatokka_002.jpgog_akibatokka_003.jpgコンフィデンス製SSDの入荷POP(写真=左)。特価で売り出しているECSの「H81H3-M4 V1.0A」(写真=右)

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    SAPとパソナグループの協業にみるBPOの行方

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    ITと人材サービスが連携したBPOへ

     SAPジャパンとパソナグループの子会社であるキャプランが1月15日、人事クラウドソリューションの分野で協業すると発表した。これに伴い、SAPのグループ会社であるSuccessFactorsがキャプランとビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)契約を結んだ。

     キャプランはSAPが認定する国内初のクラウドBPOパートナーとして、SuccessFactorsの製品を使った人事関連業務に関するクラウドソリューションの導入支援を国内で拡大するという。

     SuccessFactorsは2012年にSAPが買収した企業で、クラウド型人事ソリューション「SuccessFactors」を提供している。一方、キャプランは2010年からSuccessFactorsを活用した人事コンサルティングサービスを展開してきた。その意味で今回は協業の継続・拡大ともいえるが、今後、両社では案件紹介など営業面での連携も深めていくとしている。

     具体的には、キャプランがSAPのERPの人事ソリューションを採用している従業員規模1万人以上の企業に対し、SuccessFactorsを活用した人事コンサルティングとアウトソーシングサービスの提供を行う。また、約200人体制で営業活動を展開し、専門性の高いコンサルティングを実施するとともに、企業ニーズに応じた設計や導入サポートを提案していく構えだ。

     さらに、総合人材サービスを幅広く展開するパソナグループの強みを生かし、人材派遣や人材紹介などの採用支援をはじめ、教育研修、福利厚生、給与計算管理業務などのアウトソーシングサービスを提供する予定。加えて、企業のニーズに合わせて、請求処理業務やカスタマーサポートなど、さまざまなソリューションを組み合わせたサービスも今後、検討していく考えだ。

     両社の協業が興味深いのは、ITと人材サービスを連携させたBPOが一層広がるかもしれないというところだ。人事業務もさることながら、SuccessFactorsが実績を持つタレントマネジメントシステムによって各種業務に人材を配置すれば、BPOの範囲を広げられる可能性がある。しかも各種業務に必要なITツールは、SAPがほとんど取り揃えている。両社の協業は、そこまでの広がりをにらんだものだと見て取れる。

    クラウドでグローバル展開も視野に

     両社が協業によってビジネス拡大を狙うBPOの国内市場は、矢野経済研究所の調査によると、2011年度から2017年度までの年平均成長率が2.5%で推移し、2017年度には3兆7439億円に達すると予測されている(図参照)。

     BPO市場の推移と予測(出典:矢野経済研究所、金額は事業者売上高ベース) BPO市場の推移と予測(出典:矢野経済研究所、金額は事業者売上高ベース)

     ちなみに、同研究所ではBPOについて、「通常、企業内部にて行われるシステム運用管理業務、コールセンター系業務(コンタクトセンター、ヘルプデスク、フルフィルメント)、間接部門系業務(人事、福利厚生、総務、経理)、直接部門系業務(購買・調達、営業、コア部門単純業務、業界固有業務)などの業務を、顧客企業から業務委託を受けて代行するサービスを指す。ただし、従来から外部に委託することが一般的な税務、物流、情報システム開発、ビルメンテナンスなどの専門的な事業所向けサービスに関しては対象外とする」と定義している。

     同調査ではBPOをさらに、顧客企業からシステム運用管理業務を委託されて代行する「IT系」と、その他の業務を委託されて代行する「非IT系」に分類。2011年度から2017年度までの年平均成長率では、IT系の3.7%に対し、非IT系が1.1%と緩やかな成長になると予測している。

     SAPとパソナグループの協業は、このIT系も非IT系も両方、取り込んでいこうという思惑があるとみられる。

     また、パソナグループにすれば、人材サービス市場のトレンドも、今回の協業に踏み切った要因になっているといえそうだ。こちらも矢野経済研究所の調査によると、まず同市場の大半を占める人材派遣業は2012年度で前年度比4.6%減の3兆3400億円となり、4年連続で縮小している。一方、人材紹介業は市場規模こそまだ小さいが、2012年度で同9.5%増の1150億円となり、3年連続で拡大している。

     つまり、パソナグループにとって今回のSAPとの協業は、人材派遣業もさることながら、人材紹介業を一層伸ばし、BPOビジネスの幅を大きく広げていこうという思惑があるものとみられる。

     さらに、両社が見据えているのは、日本国内だけにとどまらないようだ。今回の協業の発表メッセージには、「この事業を通じて、グローバル展開を加速する企業にも最適なクラウドソリューションを活用することで、スピーディーに、また総合的に人事戦略を支援し、企業の競争力強化に貢献していきたい」との一文もある。SAPが代表的なグローバル企業なのは周知の通りだが、パソナグループも世界11地域でビジネスを展開するグローバル企業だ。そんな両社がグローバル市場を見据えているのは、想像に難くない。

     業務に精通したITと人材サービスの両雄が、今後どのような“化学反応”を起こすか、注目しておきたい。

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    タブレット信者も諦める「会社ではPCを使った方がいい10の理由」

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     PCの販売が低迷していることは否定できないが、企業向けクライアントPCは少なくとも現時点において生き永らえている。たとえどうあろうと、当面はPCの利用が続くと考えられる10の理由がある。

    1. 企業向けクライアントPCは低価格

     企業向けクライアントPCが今後も存在し続ける最大の理由の1つは、PCが安価であることだ。PCのハードウェア価格はここ数年どんどん下落しており、市場の低迷にあえぐPCメーカーはさらに激しい価格競争を続けざるを得ない状況にある。それに対して、仮想デスクトップインフラストラクチャ(VDI)などの新技術の導入には、それなりに大きなコストが要求される。

    2. 総入れ替えはコスト効率が悪い

    一患者一生涯カルテは実現可能? そのシステム要件を整理してみた

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     医療現場における電子カルテの導入や利用に関するエッセイ集『電子カルテは電気羊に食べられる夢を見るか』(加藤 五十六 著)を題材に、「日本ユーザーメード医療IT研究会」(J-SUMMITS)のメンバーが、現場が抱える課題の解決策をリレー形式で提案する本連載。今回は「長期データを劣化なく参照するのは困難」の章を取り上げる。

     さまざまな医療情報が電子化される中、ある患者の生涯にわたるデータを医療圏・国家レベルで長期的に保管して活用する“生涯カルテシステム”構築が進められている。海外では、シンガポール保健省が国家レベルの生涯電子カルテシステムを2011年に稼働させたと発表している。エッセイでは、生涯電子カルテを実現するには、ある患者に関する膨大なデータを80〜100年にわたり保管する必要がある一方、病院情報システムのリプレースが5〜8年ほどで行われることなどのギャップを指摘している。

     本稿では、愛媛大学医学部附属病院 医療情報部副部長/准教授である木村映善氏が、医療情報の電子保存の3原則やエッセイの内容を踏まえながら、医療情報の長期的な保管・利用を可能にする電子カルテシステムの要件について考察する(編集部)。

    電子保存の3原則と一次/二次利用に関するシステム要件とは?

    総力で挑む「日の丸クラウド」で勝負 NEC・中江執行役員

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    photoNECの中江靖之執行役員

    ——2013年の振り返りをお願いします。

    中江執行役員 この1年で顧客企業の意識が大きく変わったと感じます。従来はクラウドに対して慎重な企業が大多数でしたが、今ではその多くが導入に向けて動き始め、実際に成果を上げる企業もいくつも登場しています。

     当社も2013年は、クラウドをはじめとするサービス事業の強化を目指してさまざまなチャレンジに取り組みました。4月に行った大規模な組織改編もその一環です。全社横断でサービス開発を行う新組織「C&Cクラウド基盤戦略本部」を新設し、新クラウド基盤サービス「NEC Cloud IaaS」(2014年4月提供予定)の開発に全力を挙げてきました。

     社内的にはクラウドサービスが売れればハードウェア製品の出荷が減るはずですから、従来はこれらの担当部門がいわば“社内競合”の関係にありました。それをC&Cクラウド基盤戦略本部という組織のもとで融合することで、NECが総力を挙げてクラウド事業に挑める体制が整ったのです。

     その上で、NEC Cloud IaaSでは海外ベンダーのクラウドにも負けない低価格を実現するため、オープンソースソフトウェア(OSS)の積極活用にも取り組みました。また、さらなる低価格と高い信頼性を両立するため、OSS以外のソフトウェアとハードウェア、データセンターは全て内製にこだわって開発しています。

    ——この1年で苦戦したこと、特に成果を上げたことをそれぞれ教えてください。

    中江執行役員 特に大変だったのは、自社のクラウドにOpenStackなど複数のOSSを組み込むことです。OSSそのものは世界中で多くの開発者が使っていますが、それをいくつも組み合わせて導入するのに苦労しました。

     OSSの多くは、当社がこれまで使ってきたソフトとは勝手が全く異なります。さらに、市販のソフトと違って信頼性や性能に対して誰も責任を取ってくれないわけですから、それを自社サービスに取り込んで自信を持って顧客に提供するため、徹底的に負荷テストを繰り返してきました。

     NECが他の多くのクラウドベンダーと異なるのは、ハードウェアからソフトウェア、OSS、データセンター、運用まで「全てに責任を取る」ことです。どこで何が起きても知らないという“ブラックボックス”ではないと自負していますので、それに恥じないサービスを開発、提供していく所存です。

     このほか成果を上げたことは、この1年で社内のクラウドに対する考え方がかなり変わったということです。リソースをプールとして使うクラウドサービスは、従来のハードウェア販売とは提案のアプローチや契約の仕方が全く異なりますが、4月からのサービス提供に向け、社内での理解や準備は予想以上のペースで進んでいます。

    ——2014年の事業目標を教えてください。

    中江執行役員 NEC Cloud IaaSは4月に提供をスタートした後、10月に大幅な機能強化を計画しています。また、サービス型だけでなくオンプレミス型や海外展開なども積極的に進めていきます。

     4月からのサービス提供を通じ、顧客からさまざまなフィードバックを受けていきたいと思っています。そこで得られたニーズを開発に反映し、さらなるサービス向上に努めていく所存です。

     2014年はある意味、NECにとって新たなスタートラインとも言えます。実際にサービスを始めればこれまでにない新しい発想も湧くはずですので、2014年は当社が「クラウドファースト」を具現化していく年になるでしょう。

    ——最後に、中江執行役員が「組織を率いるリーダー」として絶対に譲れないことをお聞かせください。

    中江執行役員 特に大切にしているのは「ブレイクスルー」を起こすことです。従来の考え方ならできなかったことを、なぜできないのか考え抜いて、できるようにする。リーダーがこのプロセスを自ら実践してみせることで、メンバーに「こういうことができるのだ」と示していくことが重要だと思っています。

     NEC Cloud IaaSの開発でも実は、OSSの採用や、ハードウェア、ソフトウェア、データセンターを全て自前で作ることについて、検証の手間などを懸念して反対する声もありました。しかし、自前開発のほうがよりコストを削減できることなどを説得し、ようやくここまでプロジェクトを引っ張ってくることができました。

     批判的な声が多く聞こえるような場合も、誰かが声を上げれば「本当はやりたかったけど言えなかった。声を上げてくれてありがとう」と反応してくれる人も必ずいます。今回のプロジェクトも、そうした社員たちの力を借りながら進めてこられたと実感しています。

     当社としてはやはり、日本発の「日の丸クラウド」を絶やしたくないという思いがあります。これからも日本ならではの価値やニーズをNEC Cloud IaaSに注ぎ込み、世界中のユーザーから「日本のクラウドのほうが安心だから使ってみたい」と言ってもらえるようなサービスに育てていきたいですね。

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    NTTドコモが「第3のOS」Tizenスマホを販売延期した理由

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     NTTドコモが英断を下した。「Tizen (タイゼン)」のことだ。

    tizen2012年5月に公開された、Tizen搭載端末のプロトタイプ(出典:Tizen)

     NTTドコモは1月16日、2013年度内に予定していたTizen OSを搭載するスマートフォンの導入を当面見送ることに決めたと発表した(参考記事)。同社では「モバイル市場を取り巻く環境の変化に鑑み、当面見送ることにした」(広報部)としている。

     しかし、NTTドコモが当初、Tizen OS搭載のスマートフォンを発売する予定だったのは2013年の初秋である(参考記事)。関係者の話を総合すると、9月末から10月上旬あたりが当初の発売時期だった。それが2014年1月に延期されて、今回、再延期で「当面見送り」になった。スマートフォンの開発サイクルがとても短いことを鑑みると、いま開発中のTizenスマートフォンが日の目を見る可能性は著しく低くなった。そして、このタイミングで2度目の無期限延期を決めたことは、NTTドコモがTizenに対する戦略を、プロジェクトの撤退や縮小も視野に入れ、抜本的に見直すことを意味する。

     筆者はNTTドコモが今回、Tizenスマートフォンの販売を延期し、プロジェクトそのものの見直しを図ったことは正しいと考えている。英断、といってもいいだろう。その理由について、Tizenのこれまでを振り返りながら述べていきたい。

    「反Apple・反Google」という思惑から始まったTizen

     そもそもTizenとは何か。

     Tizenとは、Appleの「iOS」やGoogleの「Android」に対抗するOS (基本ソフト)である。スマートフォンやタブレット、スマートテレビ、PCといった各種スマートデバイスへの搭載を目指し、IT業界の主導権がAppleとGoogleに寡占化する流れに反する"第3勢力"となることを目指していた。

     参加メンバーもそうそうたる顔ぶれだ。開発・普及を推進するTizen Associationには、NTTドコモやサムスン電子、インテル、仏通信キャリアのOrangeなどが名を連ねている。2013年2月に筆者はTizen Associationがバルセロナで開催した関係者・プレス向けのレセプションに参加したが、その様子はまさに「AppleとGoogleの二大帝国による支配に反旗を翻す、諸国連合の決起集会」といった雰囲気だった。

     →Mobile World Congress 2013:NTTドコモ、今秋にもTizenスマホを発売へ——端末上でdマーケットのサービスも展開

     実際、Tizenの設計思想には「反Apple、反Google」の色が濃厚だ。Tizenはメーカーや通信キャリアが自由にカスタマイズして使うことができる。AppleやGoogleのクラウドサービスが必須ではなく、アプリやコンテンツの流通もApple・Google"抜き"で行える。代わりにメーカーや通信キャリアが、OSごとユーザーとの接点を押さえることができるのだ。

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    日本の“安定した基盤”がモノづくりに与える意味とは?

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     前回から引き続き「小寺信良が見たモノづくりの現場」で取り上げてきたさまざまなモノづくりの現場をあらためて総括する2回目である。

     国内生産における必勝パターンとして、「多品種・少量生産をいかに低コスト化するか」あるいは「精度の高いハイエンドモデルをいかに短時間で作るか」ということがポイントだということを紹介したが、今回は「なぜ日本で作る意味があるのか」という、その背景部分に触れていきたいと思う。



    日本で作る合理性や妥当性

     日本は戦後復興、高度経済成長を経て、旺盛な国内需要に後押しされる形で多くのメーカーが立ちあがった。これだけ小さな国の中に、世界に名だたる企業がひしめき合っているのは、世界的に見てもかなり特殊である。

     ただ、バブル崩壊後から長らく続いた不況と、アジア地域の活性化というバランスの中で、多くのメーカーが海外に工場を進出させてきた。さらには2004年の新潟県中越沖地震、2011年の東日本大震災と、10年以内に2つの大きな災害に襲われ、多くの国内工場が被災した。中には早期の再建を諦めた工場もある。

     しかしその中でも、日本でモノを作ることにこだわり続ける国内企業は多い。それは単に、本社が日本にあるからとか、日本で創業したからという意味でのこだわりではない。そこには合理性や妥当性があるからだ。これまでの取材では、必ずその理由を伺ってきた。今回は多くの工場で見た、日本で作らなければならないそれぞれの理由をまとめてみたい。

    日本独自の雇用体系がもたらす意味

     最初に「なぜ日本で? 」をテーマにすることを思い付いたのは、ソニーイーエムシーエス湖西サイトでの取材(ソニーの“プロ機”が日本人にしか作れない理由)だった。放送用のプロフェッショナル機、映画上映用の4Kプロジェクタなどを生産するこの工場は、基本的に同じものを量産するところではない。映画用プロジェクタなどはカスタム仕様の受注生産だし、放送機器の多くは10年以上使われ、同仕様のものを少しずつ、長期に渡って作り続けなければならない。また保守部品の製造も定期的に行われる。

    映画用4Kシステムは全てカスタム仕様映画用4Kシステムは全てカスタム仕様

     そのため、超多品種、超変量に対応しなければならない。またプロ機は長時間電源を入れっぱなしで使うものであり、それだけに高精度・高信頼性が製造時における一番のポイントとなってくる。このようなモノづくりは、いいものをより安くより早くという思想とは対極のものだ。

     これをクリアするのは、真面目だからとか、手先が器用だからといった、日本人像としてよく言われる気質が理由ではない。まず基本として「長期の安定雇用が成立する社会かどうか」という点が大きいだろう。終身雇用制度は崩壊しつつあるものの、日本の社会では今なお、より好待遇を求めて転職を繰り返すようなことは、ごく一部の特殊な業界を除いては、行われていない。

     長く雇用されれば、それだけ多くの製品の製造経験を積むことになる。また同じ職場に長く勤めれば、自分たちが働きやすいシステムを開発したり、スタイルを確立することが可能になる。さらに先輩社員から若手社員に、技能が継承される。改善の日常化と技能継承が、日本のモノづくり現場の特徴だが、それは日本の雇用形態が生み出しているともいえることを感じさせられた。

    「見えるものはまねして構わない」

     これは島根富士通(富士通のPC工場、勝利の方程式は「トヨタ生産方式+ICT活用」)の徹底した割り切りでも感じられたことだ。この工場は、他社と違って基本的に取材の写真撮影はどこでもOKというスタイルをとっている。日本では非常に珍しい対応だが、同社社長の宇佐美隆一氏は「表面に見えるものはまねしてもらって構わない」と強調する。

     これは逆に言えば、見えるものをまねした程度では、追い付けるものではないという自信の表れである。方法論をまねても、人の能力が伴っていかなければ工場は回らない。島根富士通では、中国の大手EMS企業の見学を受け入れたこともあるが「雇用体系が違いすぎて同じようにはできない」と言われたことがあったそうだ。

     島根富士通の面白いところは、同社生産ノウハウの外販(FJPSとは? 富士通がモノづくりノウハウを丸ごと提供へ)に乗り出したことである。これはつまり「今や国内企業同士争っても仕方がない」という宣言にも受け取れる。このノウハウは、日本の雇用システム上でしか機能しないからだ。自社のノウハウを提供することで、日本企業全体を勝たせようとするという発想である。

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    持ち主不明のUSBメモリを拾ったら、あなたはどうします?

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     先日、少々気になるニュースがありました。岡山県のとある教育委員会あてに小学生児童の個人情報が入ったUSBメモリが郵送されてきたのです(参照リンク)。このUSBメモリは、小学校の先生が1年以上前に紛失したものでした。

     送り主は「1住民」とだけ書かれていました。同封の手紙には「先日拾って、中身を確認したが、小学校のものではないか。個人情報を扱う先生として危機感が不足しているのではないか」という指摘が書き添えられていた(参照リンク)といいます。

    USBメモリの取り扱い、普段から気を付けていますか?

    USBメモリ

     USBメモリは大変便利なアイテムで、家電量販店に行くと大容量で実用的なビジネス向けモデルから、華やかなファッションアイテム的なモデルまで、数え切れないほど展示されています。

     今でこそクラウド経由でのファイル送信が可能になりましたが、ほとんどの企業ではファイル交換サービスの利用を禁止していることでしょう。もちろんUSBメモリも表向きは禁止としているでしょうが、こちらはこっそりと使っている方も多いのではないでしょうか。

     くだんの小学校教師も個人所有のUSBメモリに児童の名簿や成績などの個人情報を入れ、自宅に持ち帰って作業していたのでしょう。今回の事件でも、そうせざるを得なかった事情があるのかもしれません。ひょっとしたら、「USBメモリを使うな」というルールもあったのかもしれません。

     今回は大きく報道もされました。おそらくこの小学校だけでなく、岡山県の教育委員会を通じてUSBメモリの利用ルールが厳格化されることでしょう。その場合、単純に「USBメモリを使用するな」という規制ではなく、「USBメモリを安全に利用するための仕組みを作る」ことに注力すべきかもしれません。

    実は怖い、USBメモリ経由での「攻撃」

    職員室

     USBメモリを郵送してきた人物は、善意からの行動だったのでしょう。同封されていた指摘ももっともなことです。しかし、筆者が最も気になったのは「USBメモリが善意の第三者から送られてきた」ということです。少し視点を変えてみると、これは怖いことかもしれないのです。

     今回、USBメモリは匿名で送付されています。また、添えられていた手紙には「児童の個人情報が含まれている」と書かれています。このような手段で送られてきた場合、教育委員会は投書を無視するわけにもいかず、USBメモリの中身を確認せざるを得ないでしょう。その中に例えば「児童名簿」という名前のエクセルファイルがあれば、それを開いてしまうことでしょう。

     でも、それが本物の「児童名簿」かどうかは開いてみないと分かりません。昨今、特定の企業や団体、個人を狙い撃ちし、特別に作った悪意あるプログラムを送り込む「標的型攻撃」が注目されています。攻撃者はさまざまな手段を使ってプログラムを実行させようとします。しかも、攻撃したことを悟らせないように、本物の「児童名簿」を表示してターゲットを安心させる偽装工作もします。

     今回は郵送でしたが、例えばその小学校に恨みを持つ人が、善人の顔をして「このUSBメモリ、校門のところに落ちていましたよ」と、ウイルス入りのUSBを持ち込んできたら……。果たして、このような攻撃をきっちりと防御できる学校や企業がどのくらいあるでしょうか。

    知らない人からファイルが届いたら、どうすればいい?

     今回の事例では、匿名で届いたUSBメモリの中身を確認する前に、警察などに相談するのが正しかったのかもしれません。このような話は、何もUSBメモリだけではありません。企業のサポート窓口では、不特定多数の利用者からメールが届きます。そのすべてに目を通さなくてはなりませんが、そこに悪意あるプログラムが届く可能性は非常に高いのです。

     出所不明のファイルを処理せざるを得ない場合には、やはり徹底した「セキュリティ対策の実施」が必要でしょう。具体的にはセキュリティ対策ソフトの導入、OS、アプリケーションのアップデートが欠かせません。特に自治体では、まもなくサポート期間の切れるWindows XPしか存在しないというところもあるでしょう。そんな環境では、ネットワークにつながっていない隔離PCを1台用意して、そこでチェックするという方法も考えられます。

     持ち主の分からないUSBメモリが落ちていた場合、「無視する」というのも有効な防御手段です。もしかしたら、悪意あるものが狙っているのはあなたかもしれないのです。

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    ウェアラブル端末、本格普及は“Apple待ち”? 新製品が続々登場もまだ魅力不足

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    REUTERS

     テキストメッセージをチェックできる腕時計型端末や動画を撮影できるメガネ型端末など、各種のウェアラブル端末が大いに注目を集めているが、消費者がこうした端末に飛びつくことはまだ当分はなさそうだ。現在提供されている製品はまだデザインが使いづらく、価格も高く、技術的にも制約があるものが多いからだ。

     ラスベガスで先週開催された世界最大の家電見本市「Consumer Electronics Show」(CES)の広大な展示会場を見て回ったIT幹部やアナリストの多くは、こうした結論に達している。

     CESで展示されたウェアラブル製品の大半は、利用者の心をつかむほどの独自の魅力は備えておらず、新しい型に技術を詰め込んだだけのお粗末な試作品に見えた、と懐疑的な向きは指摘する。

     米Bernsteinの半導体アナリスト、ステイシー・ラスゴン氏は1日かけてCESを見てまわり、フィットネス用リストバンドや腕時計型端末など、見かけた端からすべてのウェアラブル端末を写真に収めたという。

     「写真は20枚ある。だが写真を見ても、どの製品がどのベンダーのものか区別できない。どれも同じに見える」と、ラスゴン氏は語る。「ウェアラブル端末は素晴らしいアイデアに思えるし、実際、これから多くの実験が行われるのだろう。今は、どれが壁に張り付くか(生き残るか)を見極めるために手当たり次第に壁にスパゲッティを投げつけているような状態だ」と、同氏は続ける。

     ソニー、韓国Samsung Electronics、米Qualcommはそれぞれ、新製品あるいは最近リリースしたばかりのスマートウォッチを披露した。その多くは携帯電話と連係して機能し、メッセージや人と会う約束などを確認できるようになっている。運動量など身体活動を記録できることで人気の「Fitbit」のようなリストバンド型端末も、CESでは数多く展示された。

     「ウェアラブル端末が注目度の高さに見合った実力を備えるためには、真のソリューションとなる必要がある。重要なのは技術そのものではなく、技術によってこれまでにできなかった何をできるようになるかだ」と、Intelのウェアラブル戦略を統括する上級幹部のマイク・ベル氏は語る。

     「機能と形状とユーザー体験も、端末に詰め込む部品と同じくらい重視する必要がある」と、同氏は続ける。

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    「今までのとは違う、真のAPUです」――A10-7850K/7700K旋風が起こる

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    「対応マザーの充実も期待したいです」——A10-7850K/7700Kが好スタート&高評価

    og_akiba_001.jpgAMD「A10-7850K」と同「7700K」

     1月14日に売り出されたAMDの新APU「A10-7850K/7700K」がアキバの各ショップで反響を呼んでいる。2モデルは開発コードネーム「Kaveri」で知られる新世代APUで、グラフィックスにRadeon R7を採用。ハードとソフトをつなぐフレームワーク「HSA」や、ゲームプレイ時にGPUの性能を最大限に引き出す新開発のAPI「Mantle」など、全世代「Richland」ではサポートしなかった技術が複数盛り込まれている。上位の7850Kは4CPU+8GPU、下位の7700Kは4CPU+6GPU構成で、ともにSocket FM2+に対応する。価格は順に2万2000円前後と2万円前後だ。

     発売からまもなく7850Kが売り切れるショップが相次ぐほどの反響で、「AMD製のCPU/APUとしてはかなり久しぶりの手応えです。Richlandやその前のTrinityよりも好調ですね」(パソコンショップ・アーク)といったコメントをいくつも聞く。しかし、それ以上に店員さんの評価の高さが際立っていた。

    og_akiba_002.jpgTSUKUMO eX.の価格表

     TSUKUMO eX.のスタッフは「パッと見のスペックは従来の延長線上にあるように見えて、中身は大きく進化しています。AMDがAPUでやりたかったCPUとGPUの融合が、HSAのサポートで実現した第1弾的な製品なんですよ。Richland以前は“内蔵GPUが強力なCPU”でしかなかったのが、真のAPU(Accelerated Processing Unit)になったわけです」とほめちぎる。同店でも7850Kを中心に好調に売れているが、「市場で本来の評価を受けるのは、今後Mantle対応のゲームやアプリが充実してきたときでしょう」と分析していた。

     AMDアンチを自認するBUY MORE秋葉原本店スタッフの猪狩氏も「CPUの性能もCore i5クラスはあるし、HSAやMantle対応など面白いところもたくさんあるので、これは売れると思いますね。これまでAMDはまぁ売れていなかったので、現状マザーのラインアップが少なめですが、取り巻く環境は改善しつつあります。今年は期待できます」と高く評価する。

     なお、Socket FM2+対応マザーであっても、従来から出回っているものはBIOSアップデートが必須となる。店頭に並んでいるマザーは、複数のショップがバックヤードでアップデートを施しているが、従来のままで出回っているものもあるため、購入時にチェックしよう。

    og_akiba_003.jpgog_akiba_004.jpgBUY MORE秋葉原本店のSocket FM2+マザーコーナー。すべてBIOSアップデートを施して、Kaveri対応としていた

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    “変化”するZTE、「2016年までにスマートフォンで世界トップ3のメーカーを目指す」

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     中国のZTEが1月16日、香港でアジア各地のメディア関係者に向けた「ZTE Spring Media Luncheon 2014」を開催。中国や香港では1月31日に新年を迎えることもあり、ZTEのキーパーソンが2014年の戦略や抱負をあらためて語った。

     日本でのZTEといえば、主にソフトバンクモバイル向けにモバイルWi-Fiルーターやスマートフォン、子供向けケータイを供給しているメーカーとして知られる。ソフトバンクモバイルが「SoftBank 4G」として展開しているAXGPのインフラも、ZTEが手がけている。同社は端末事業やインフラ事業を世界中で展開しているが、特に中国と北米で高い業績を残している。ZTEは2013年12月31日に、キャリアビジネス、モバイル端末、エンタープライズにおける独立した事業部を立ち上げることを発表。メディアミーティングでは、これら3つの事業に関する具体的なビジョンが語られた(本稿ではネットワーク事業と端末事業に焦点を当てる)。

    中国でナンバー1の4Gネットワークメーカーに

     キャリアビジネスの中核を成すのが4Gや3Gの「ネットワーク」だ。ZTEは世界で65の商用LTEネットワークのインフラを手がけており、納入先のキャリアには、中国のChina MobileとChina Telecom、香港のCSLとHutchison H3G、インドのBharti Airtel、マレーシアのU-Mobile、そして日本のソフトバンクモバイル(厳密にはWireless City Planningだが)などが含まれる。実証実験のネットワークを含めると140キャリアに及ぶ。中国では13年にTD-LTEの商用サービスがスタートしたが、ZTEのLTEインフラはChina Telecomの40%、China Mobileの28%を占め、中国市場全体では1位のシェアを誇る。

     シニアバイスプレジデントのチャン・レンジュン(Zhang Renjun)氏は「2013年はアジアのビジネスに尽力した。香港、インド、マレーシア、タイなどで通信事業者と良好な関係を築け、中国ではナンバー1の4Gネットワークメーカーとなった。またアメリカでも良い結果を残せた」と手応えを話す。

     バイスプレジデントのショーン・サイ(Sean CAI)氏は「ZTEは通信事業者に最良のLTEソリューションを提供している。2G、3G、4Gを1つの基地局でカバーできる“マルチモード”に対応しているので、4Gにもスムーズに移行できる。LTEでは装置だけでなく、アクセスネットワーク、トランスポートネットワーク、コアネットワーク、データセンター、すべがアップグレードしている。ZTEは2013年に大きく勢いが増したが、2014年にはさらに良いポジションを得られると信じている」と自信のほどを語った。

    photophotoシニアバイスプレジデントのチャン・レンジュン氏(写真=左)とバイスプレジデントのショーン・サイ氏(写真=右)
    photophoto世界各地でLTEインフラを提供している(写真=左)。ネットワークに関するさまざまな賞も受賞した(写真=右)

    Grandシリーズでハイエンドスマホを攻める

    photoグローバルマーケティングディレクターのリュ・チャンハオ氏

     モバイル端末事業全体の戦略については、グローバルマーケティングディレクターのリュ・チャンハオ(Lv Qianghao)氏が語った。「Change in 2014」と題してプレゼンテーションを行ったことからも分かるが、2014年における端末事業のテーマは「変化」だ。その1つが、コンシューマーを中心としたモバイル戦略であり、通信キャリアだけでなく、エンドユーザーの声も積極的に取り入れていく。「エンドユーザーとのコミュニケーションを続けることで、ZTEのファンを増やしたい」とリュ氏は意気込む。

     ZTEはフラッグシップモデルとして「Grand」シリーズを展開している。最新モデルの「Grand S II」は、フルHD(1080×1920ピクセル)の5.5インチIPS液晶や、3000mAhバッテリー、13メガピクセルカメラを搭載するハイスペックなスマートフォン。LTEはFDD-LTEとTD-LTEの両方をサポートする。リュ氏は「SamsungのGALAXYよりも美しくてスリムなデザイン、よりパワフルなバッテリーライフを実現する」とアピールし、ブランドネーミング的にもGALAXYを意識していることがうかがえる。GALAXY Noteのライバルになるファブレットの分野では「Grand Memo」を展開する。ZTEはかつて「ZTE Blade」「ZTE Skate」などローエンド端末をヒットさせてきたが、「今後はハイエンドスマートフォンが主流になる」とリュ氏は話す。

    photophoto2013年はハイエンドスマートフォン、キャリアを通さないオープンマーケット、スマートフォンの比率が上がった(写真=左)。2013年第3四半期の携帯電話全体のシェアは、世界5位だった(写真=右)
    photophotoブランディング向上にも努めている。NBA中国とのパートナーシップも結んだ
    photophotophoto新たに音声認識機能を搭載したフラッグシップスマートフォン「Grand S II」(写真=左)。OS、チップセット、ソフトウェア/サービスの企業とも良好な関係を築いている(写真=中)。2013年は16機種のLTE端末をリリースし、800万台を出荷した。2014年は20機種のLTE端末をリリースし、TD-LTE用の新たなチップセットもZTE自ら投入するという(写真=右)

    新ブランド「nubia」に込められた意味とは?

     新ブランドのスマートフォン「nubia」は、通信キャリアを経由せず、ZTEがオンラインで直接販売する。さらに「将来的には、ZTEのブランドショップを増やしていく。まずは中国と北米から取り組み、その次にロシア、日本、欧州、インドネシア、インドにも広げたい」とリュ氏は話す。チャン・レンジュン氏は「バンドリングビジネス(キャリアに納入するビジネス)は今後、減っていくだろう」とみる。オンライン限定販売のnubiaは、ZTEのピュアブランド製品であり、キャリアを経由しないB to Cビジネスの先駆けともいえる存在だ。SIMカードが同梱されず、ユーザーが通信キャリアを自由に選べるのも直販ならではだ。

    photophoto新ブランド「nubia」では、「nubia Z5S」と「nubia Z5S mini」の2モデルをラインアップする(写真=左)。5インチフルHD液晶を搭載するnubia Z5S。126グラムという軽いボディも特徴だ(写真=右)

     機能面で、nubiaはGrandシリーズと何が違うのか? 最も大きなポイントは「カメラ」だ。「nubia Z5S」は光学式手ブレ補正機能付きの13メガピクセルカメラを搭載。CMOSセンサーにはソニーの「Exmor RS for mobile」を採用し、F2.0の明るいレンズも備えた。カメラの起動やシャッターに使える専用キーを備え、Autoモードでは細かな設定をせずともシーンに合った写真を撮れる。AFロックとAEロックを個別に設定できるProモードは、AF/AEを個別にロックできないiPhoneを意識した機能だと思われる。4Kサイズの撮影や120fpsのスローモーション動画を撮影できるなど、動画機能も充実させた。インカメラは5メガピクセルだ。スペックをやや抑えた「nubia Z5S mini」も、Z5Sとほぼ同等のカメラを備える。

    photophotoすべてnubiaで撮影されたという動画を紹介。ちなみに、nubia Z5Sは4Kサイズの動画撮影にも対応している
    photophoto光学式手ブレ補正機能を紹介すべく、会場には振動する装置にセットして揺らしながら撮影するデモを実施。iPhone 5と比較していたが、確かにiPhone 5の写真はブレている(写真=左)。せっかくなので最新のiPhone 5sと比較すべきでは? と思い、手持ちのiPhone 5sをセットして比較。こちらは2機種ともブレを抑えられていた(写真=右)

     nubiaには「古代文明の発祥地」「人類の起源」といった意味があり、これから新しいブランドを開拓していくという思いが込められている。nubiaのゼネラルマネージャーであるニー・フェイ(NI Fei)氏は「nubiaは、30歳以下の若いスタッフによるチームが開発している。彼らは若者の嗜好と、インターネットを中心とした考えを持っており、とてもスピーディに開発を進めてきた」と話す。中国でEコマース事業を展開する「JD.com」と協業して販売しており、「2週間で350万台のプレオーダーが入った」(ニー氏)というほど好調だ。今後は北米、ロシア、東南アジア、北欧にもオンライン販売を広げていく予定だ。なお、現時点でnubiaのリアル店舗での販売は予定していない。

    photophotonubiaのゼネラルマネージャー ニー・フェイ氏(写真=左)。nubiaの語源と意味(写真=右)
    photophoto事前予約で350万台ものオーダーがあったという(写真=左)。nubiaを販売する地域。残念ながら現時点で日本は含まれていない(写真=右)
    photophoto白くてシンプルなパッケージ(写真=左)。nubiaブランドのモバイルバッテリー(写真=右)
    photophotonubiaブランドの周辺機器も多数用意し、エコシステムの構築にも努める

    2016年までにスマートフォンシェアでトップ3に入る

     ZTEは2013年に4000万台のスマートフォンを世界で出荷し、2014年は「6000万台以上の出荷を目指す」とチャン・レンジュン氏は話す。「素晴らしいデザインで、使い勝手のよいスマートフォンを作れるよう努力する。端末事業は米国、中国、日本で特に投資していきたい」と話した。

     世界でのスマートフォンのシェアで、ZTEは2013年第2四半期にSamsung電子、Apple、LGエレクトロニクス、Lenovoに次ぐ5位につけていた(参考記事)が、同年第3四半期はHuaweiに抜かれてしまい、ZTEは6位以降に追いやられた(参考記事)(いずれもIDC調べ)。携帯電話全体のシェアでは2013年第3四半期に5位につけているが(6位がHuawei、Gartner調べ、外部リンク参照)、スマートフォンでは厳しい戦いが続いている。チャン・レンジュン氏は「2016年まで、つまりこれから3年以内に、スマートフォンのシェアで世界トップ3に入りたい」と目標を語った。そのカギを握るのが「ブランディング」「フラッグシップ製品」「デザイン」「(部品メーカーの)サプライチェーン」だという。nubiaのような、キャリアを通さないZTEブランド製品の直販も拡充していく構えだ。

     「日本では、今後ソフトバンク以外のドコモやKDDIに端末を供給する可能性はあるか?」(デジタルフォトフレームはKDDI向けに供給しているが)とチャン・レンジュン氏に尋ねたところ、「話し合いはしているが、まだ時間がかかる」と述べるに留めた。やはりiPhone、Xperia、GALAXY Sなどの間に割って入ることは簡単ではなさそうだ。

     今後の日本事業や、端末事業の詳細については、個別にインタビューを行ったので、別途掲載する予定だ。

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