Quantcast
Channel: ITmedia TOP STORIES 最新記事一覧
Viewing all 17593 articles
Browse latest View live

さよなら“静かな講義室”――iPadで実現した「会話が生まれる講義」とは?

$
0
0

 一方通行の講義ではなく、学生の主体的かつ積極的な参加を取り入れた講義方法である「アクティブラーニング」。長年にわたり、「ビデオ撮影」を用いたアクティブラーニングをドイツ語授業で実践してきたのが、大阪大学 全学教育推進機構 教授の岩居弘樹氏だ。

 肩に担ぐほどの大きなビデオを使った授業から始まった岩居教授の授業スタイルは、その後、デバイスの変化とともに進化。2013年秋からは、自身のクラスでiPadを1人1台使用できる環境が整ったという。iPadの活用で、アクティブラーニングはどう進化したのか? その模様をリポートする。

「iPadにくぎ付け」の学生は皆無


「IoT」時代の期待と懸念

$
0
0

あらゆるモノがネットにつながる時代へ

 「自動車、電車、飛行機などの乗り物、テレビ、冷蔵庫などの家電、医療機器、医薬品などのモノがインターネットにつながり、ヒトの作業を介さず自動的に多種多様なデータを送受信するIoT(Internet of Things)の時代が到来している」(日本オラクルのデレク・エイチ・ウイリアムズ社長)

 「当社では、(IoTの発展形として)これまで結びつきのなかったヒト、プロセス、データ、モノのすべてをインターネットでつなぎ、新しい価値を創造するIoE(Internet of Everything)を提唱してきた。この新たな世界では、さまざまな新しいデバイスを通じて私たちに価値をもたらすアプリケーションの重要性が高まり、ネットワークにはユーザー、アプリケーション、データセンターを統合し最適化するインフラとしての役割が求められる」(シスコシステムズの平井康文社長)

 「IoTの進化のスピードは非常に速く、政治や社会の情勢から産業構造も変化し続けている中、われわれはその潮流を見極め、新しい市場を創っていかなければならない」(NECシステムテクノロジーの毛利隆重社長)

 ICT関連ベンダーのトップが発信した2014年の年頭メッセージには、IoTへの期待や取り組み姿勢を挙げたものが目立った。上記はその一例である。

 改めて、IoTとは何か。IDCによると、世の中に存在するさまざまなモノがインターネットを介してつながることによって実現されるすべてのサービスを指し、それに関わるデバイス、ネットワーク、データ分析基盤、アプリケーションなどあらゆる市場を包含したものをIoT市場と定義している。

 なお、類義語として知られているM2M(Machine to Machine)市場に関しては、IoT市場の内数として特に機械同士が自動的に通信を行うことによって生み出される付加価値の市場だとしている。

 では、IoT市場の成長性はどれほど期待できるのか。IDCでは、2012年に約4兆8000億ドルだったIoTの世界市場規模が、2020年には約8兆9000億ドルになると予測している。また、IoEを提唱するシスコでは、インターネットにつながるモノの数が2020年に2013年の5倍の約500億個に達すると予測している。

懸念される点はセキュリティとコスト

 では、この成長市場に向けたICT関連ベンダーのビジネス戦略とはどのようなものか。IDCによると、「グローバル事業拡大」「業種間連携拡大」「コンシューマービジネス拡大」の3つの方向性に分類できるという。

 まず、グローバル事業拡大では、製造業や流通業に携わる企業ユーザーから、すでに国内で利用しているIoTサービスを海外でも横展開できるようにしたいというニーズが顕在化してきており、それに対応すべく関連ベンダーが次々と参入している状況だとしている。

 次に、業種間連携拡大では、特に通信事業者において国内のIoT市場では未開拓ニーズがあるはずとの見方から、さまざまな業種の潜在ユーザーに対してニーズの掘り起こし施策を進める傾向にあるという。また、他の関連ベンダーでは、自社ですでに提供を始めているM2Mサービスプラットフォームに対してさらに付加価値を強化することを目的として、ビッグデータ関連サービスとの連携を進めているとしている。

 そしてコンシューマービジネス拡大では、特にスマートハウスやエネルギーマネジメントといった分野において、家電メーカーや電力会社との協業によって収益機会創出に取り組む傾向にあるという。

 その上で、「3つの方向性のいずれにおいても、関連ベンダーによる熾烈な主導権争いは避けて通れない。IoTビジネスでの競争は、第3のプラットフォーム(モバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウド)との親和性が非常に高いため、その結果として第3のプラットフォームの飛躍的な成長に貢献するだろう」とIDCでは見ている。

 一方、IoTの進展に伴って懸念される点もある。まずはセキュリティリスクだ。セキュリティベンダーのトップは年頭メッセージなどでこう指摘している。

 「(IoTによって)企業が扱う情報量が爆発的に増え、センシティブな情報も集まるようになると、当然ながらセキュリティリスクも増大する。ビジネスや社会にイノベーションを引き起こすためにもセキュリティの強化は不可欠となる」(トレンドマイクロの大三川彰彦副社長)

 「自動車をはじめ医療機器やスマートグリッドに至るまでIoTへの攻撃が増大し、手口も巧妙になる。混乱を招くという程度ではなく、本当の意味で破壊的な力を持つ攻撃が増えていくだろう」(米EMCのアート・コビエロ エグゼクティブバイスプレジデント兼RSA会長)

 また、シマンテックも今後の予測として、「(IoTの進展によって)膨大な数の組み込みOSが稼働することになり、これがハッカーの目を引く。セキュリティ研究者はすでに、スマートテレビ、医療機器、防犯カメラに対する攻撃が可能であることを実証している。こうしたシステムは攻撃に対して脆弱なだけでなく、脆弱性が見つかったときに消費者や取引先に通知する方法も定まっていない。新しい脅威が今まで想像もしなかった方法で出現してくるだろう」と警告している。

 コスト面での懸念もある。IoTによって生み出されるビッグデータの活用に対して、現時点ではユーザー視点でのコストパフォーマンスが明確になっているとは言い難い。この点については、2013年11月18日掲載の本コラム「ビッグデータ活用ソリューションの課題」で取り上げたので参照いただきたい。

 このように大きな期待の一方で懸念もあるIoTだが、認識しておくべきなのは、この世界がICTの進展によって必然的に訪れるということだ。そこで指摘しておきたいのは、ICTを活用した人間社会のあり方といった哲学的なことを改めてしっかりと議論し、共通認識として広げる努力を決して怠らないことである。そこまで議論を掘り下げる必要があるほど、IoTのインパクトが大きいことをまず強く訴えておきたい。

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Google、“iPodの父”のスマートホーム企業Nestを32億ドルで買収

$
0
0

 米Googleは1月13日(現地時間)、人工知能搭載サーモスタット(自動温度調節器)で知られるNest Labsを買収することで合意に達したと発表した。買収は現金で行われ、総額は32億ドル。取引は数カ月中に完了する見込みという。

 Nest Labsは、“iPodの父”と呼ばれる元Apple上級副社長のトニー・ファデル氏がAppleの同僚マット・ロジャース氏と共同で2010年に創業した従業員約300人の非公開企業。「コンシャスホーム(知覚反応のある家)」というビジョンを掲げている。2011年に発表した家庭用サーモスタット「Nest Learning Thermostat」(Nest)で注目を集めた。昨年には煙感知器「Protect」を発表した。

 nest 1 NestとProtect

 買収完了後もNest Labsは独立した子会社としてファデル氏が経営する。Q&Aによると、NestのブランドやAppleのiOSアプリのサポートを含む現行製品の扱いはこの買収の影響を受けないという。

 Googleのラリー・ペイジCEOは発表文で「(この買収により)より多くの国々のより多くの家庭に素晴らしい体験を提供できるようになることを楽しみにしている」と語った。

 ロジャース氏は「まだ具体的な話はできないが、GoogleとNestが協力すれば多数のクールな製品を作り出せると確信している」と語った。

 nest 2左から、Nestのマット・ロジャース副社長、Googleのラリー・ペイジCEO、Nestのトニー・ファデルCEO

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

決勝迷路は史上最長の最短経路――トップは何と7秒台、画像処理マウスも大健闘!!

$
0
0
マイクロマウス

 「マイクロマウス」とは、手のひらサイズの小さな走行体に、複雑な迷路を走破する知能を備えた自立(selfcontained:動作に必要な機能を全て自分で持っていて移動できる)型ロボットだ。MONOistでは、2012年5月から連載「マイクロマウスで始める組み込み開発入門」をスタート。この連載記事でマイクロマウスの存在を初めて知った方も多いのではないだろうか?

 マイクロマウスの歴史は古く、1977年にIEEE(米国電気電子学会)がマイクロプロセッサの可能性を検証するために「マイクロマウス競技」を提唱したのが始まりだ。この競技に出場するロボットがマイクロマウスである。

「第34回全日本マイクロマウス大会」決勝の様子画像1 「第34回全日本マイクロマウス大会」決勝の様子

 日本では、1980年にニューテクノロジー振興財団の主催で「第1回 全日本マイクロマウス大会」が開催され、2013年で34回目を迎えた。これだけ長く継続されているロボコンは他に類がなく、マイクロマウス競技はロボットコンテストの草分け的存在といえる。

 マイクロマウス競技は、“自立型迷路探索ロボット”が未知の迷路をセンサーで壁を検知しながら、スタートからゴールまで走行し、そのスピードを競う。ゴールは迷路中央に設定されており、古典的な迷路攻略法である「左手法(左手を壁に当てて歩いて行けば、いつかは出口にたどり着く)」は使えない(ちなみに、米国で競技会を行った際の迷路は、左手法で攻略が可能であったという)。その上、ゴールへ至る経路は複数ある。マイクロマウスは、単にゴールへ向かうのではなく、幾多の経路の中から“最短経路”を見つけ出してタイムアタックを掛けるのである。

 迷路は、1区画180mmの16×16区画で構成されている。ロボットのサイズは、縦・横250mm内と定められており、高さには制限がない。迷路の区画よりもロボットの規定サイズが大きいのは、かつて、壁の上部にフレームを張り出し、上から壁を検知する技術が主流であったためだ。当時、ロボットのサイズも規定範囲ギリギリで、重量は3kg以上あったという。現在、マイクロマウスは文字通り小型化が進み、“手のひらに乗るサイズ”が主流となっている。

マイクロマウス画像2 「マイクロマウス」とは、小さな走行体に複雑な迷路を解く知能を搭載した自立型ロボットである。最近は小型化が進み、手のひらサイズに

 2009年には、従来競技の2分の1サイズの迷路を走る「マイクロマウス(ハーフサイズ)」がスタートした。これは小型の電子部品やセンサー類の個人入手が可能になったことを受けて、コンテストのレベルアップを目指し、従来のロボットと迷路のサイズを半分にスケールダウンしたものだ。ハーフサイズの登場以降、“マイクロマウス”はハーフサイズマウスに向けられる用語となり、従来のサイズは「マイクロマウスクラシック」と改称された。本稿においては、自立で迷路を走行するロボットを総称して、“マイクロマウス”と表記する。

ロボットは小さく、迷路は256区画と広大だ画像3 ロボットは小さく、迷路は256区画と広大だ

 今では、モノづくり教育の一環として、1年中どこかで何らかのロボットコンテストが開催されている。マイクロマウス競技が、他のロボコンと大きく違うのは34年もの間、基本ルールがほとんど変わらない点にある。

 多くのロボコンは、モノづくりの楽しさを競い、アイデアや機構の面白さに重点が置かれる傾向にある。毎年テーマが変わり、競技をクリアするために機構を工夫したロボットを作り、動かすというものだ。

 それに対し、マイクロマウスの機構は非常にシンプルだ。搭載されているのは、マイコンとバッテリーの他は、移動するためのモーターとタイヤ、そしてセンサー類。メカニズムよりも、ソフトウェアの比重が大きい。きちんと動くメカを製作し、ロボットの信頼性と知性の向上を目指し、ソフトウェアを作り込む競技である。

 一見すると地味なロボットだが、マイクロマウスには最先端の技術と知能が組み込まれている。そして、マイクロマウスには、個人がシステムを設計して、メカからソフトウェアまでをきちんと作り込める面白さがある。競技の難易度は高いが、競技ルールが変わらないため、数年計画で取り組めるのも魅力だ。30年以上継続していても参加者が増え、そして10年、20年と開発に取り組む技術者が多いのも、そうした理由があるからだろう。

全日本マイクロマウス大会の参加者数推移グラフ表1 全日本マイクロマウス大会の参加者数推移グラフ ※1980〜2008年のデータに関しては、ロボコンマガジン 2009年11月号「マイクロマウス30年史」より引用。なお、2009年以降は筆者取材により得たデータである
      1|2|3次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新AIO、タッチ+11ac/SSHDモデル拡充、超軽量LaVie Zも継続──NEC「LaVie/VALUESTAR」新モデル

$
0
0

LaVie/VALUESTARシリーズの特徴

ラインアップ

  • 700グラム台の超軽量モバイル/Ultrabook「LaVie Z」(継続モデル)
  • 23型の高性能液晶一体型「VALUESTAR N
  • 新シリーズで展開する21.5型液晶一体型「VALUESTAR S
  • パフォーマンス重視のセパレート型「VALUESTAR L」(継続モデル)
  • 高性能A4オールインワン「LaVie L
  • ベーシックA4オールインワン「LaVie S
  • 低価格安心ノート「LaVie E」(ソフトウェア強化のみ)
  • ペン操作対応の10.1型Windowsタブレット「LaVie Tab W」(継続モデル)
  • 軽量ボディの7型Androidタブレット「LaVie Tab S」(継続モデル)
  • お手軽価格のAndroidタブレット「LaVie Tab E」(継続モデル)

ハードウェア

  • 21.5型AIOシリーズをデザインチェンジ、シリーズ名を「VALUESTAR S」に変更
  • タッチ対応モデルを拡充、「VALUESTAR N」「VALUESTAR S」に新設
  • 802.11ac無線LAN対応モデルを拡充、「VALUESTAR N」「LaVie L」「LaVie S」「LaVie Z」に搭載
  • 「LaVie L」に2種類のハイブリッドドライブシステム(ISRT、SSHD)
  • 下位モデル/低廉シリーズ/タブレットを除き、第4世代Coreプロセッサーを採用

ソフトウェア

  • OSはタブレットを除く全モデルで64ビット版Windows 8.1を採用
  • オフィススイートは、下位モデル/タブレットの一部を除きOffice Home and Business 2013が付属
  • LaVie E(LE150/N1)、VALUESTAR S(VS370/RS、VS350/RS)、VALUESTAR L(VL150/NS)はOffice Personal 2013が付属
  • LaVie Tab S、LaVie Tab EはKINGSOFT Office for Androidが付属
  • 「VALUESTAR N」にSmartVision刷新版を採用。4チューナーおまかせタフ録り機能などを追加
  • XP対応PCデータ引越ソフト「ファイナルパソコンデータ引越し9」が付属
  • 手軽に必要な情報・ニュースを自動集約するWindowsストアアプリ「My Time Line」をプリインストール
  • DTCP-IP対応DNLAクライアント「SmartVision/Player」をプリインストール
  • スマートデバイスとのお手軽連携アプリ「コンテンツナビ/コンテンツナビ モバイル」
  • 冊子「あんしんスタートWindows 8.1」が付属


新生活に加え、XPサポート終了/消費増税の駆け込み需要にも対応するラインアップで展開

 NECパーソナルコンピュータは1月14日、個人向けの2014年PC春商戦向けの新モデル全5シリーズ25種類を発表。2014年1月16日より順次発売する。

 春モデルのポイントは、

  • PCシステム・仕様をより強化
  • 21.5型液晶一体型「VALUESTAR S」シリーズを新設(旧VALUESTAR N)
  • タッチ対応モデル/高速無線LAN対応モデルを拡充
  • 「安心・簡単・快適」をテーマにしたプリインストールアプリを刷新

 など。重量約795グラムの超軽量13.3型モバイルノート「LaVie Z」は仕様の変更なしに2013年秋冬モデルを継続して販売する。

795グラムの超軽量、13.3型のスペシャルノート「LaVie Z」

photoスペシャル仕様の超軽量モバイルノートPC「LaVie Z」

 13.3型サイズで約795グラム、「さらに軽量」「さらに高解像度」「より長時間動作」「タッチ+長時間モデルも追加」など多くの特長があるNECの超軽量モデル「LaVie Z」は、仕様の変更なしに2013年秋冬モデルを継続販売する。

 店頭モデルのLZ750/NS(高解像度モデル)、LZ650/NS(タッチモデル)とともに、直販サイト NEC Directのカスタマイズモデル「LaVie G タイプZ」も継続となる。Windows 8.1 Pro、CPU、SSD容量、Officeの有無とエディションなどの構成をカスタマイズできる。

NEC Direct(NECダイレクト)

インテリア感覚の省スペース21.5型地デジPC「VALUESTAR S」

VALUESTAR Sデザインを一新した21.5型サイズの液晶一体型デスクトップ「VALUESTAR S」

 「VALUESTAR S」シリーズは、2014年春モデルで唯一デザインチェンジされた21.5型サイズの液晶一体型デスクトップPC。上位の23型液晶一体型モデルがVALUESTAR Nを使用するよう改めたため、21.5型モデルは従来のVALUESTAR Nから新たなこのシリーズ名で展開する。

 デザインは“ダブルシンメトリ”をテーマに、省スペースなフォトフレームデザインはそのままに、薄さを強調するエッジ感と極薄リムにより高級感のあるスクエアシェイプに仕上げた。従来モデルと比べ本体厚25%減、設置奥行き20%減とし、従来同様の3波デジタルチューナーや高品位なYAMAHAスピーカーシステムなどの機能とともに、プライベートルームやカウンターテーブルなど家庭内のさまざま場所へ設置しやすい工夫も取り入れている。

 主な仕様は、フルHD(1920×1080ドット)+タッチ操作対応の21.5型ワイドIPS液晶ディスプレイ(VS570/RS)、Haswell世代のCPU、4Gバイトのメインメモリ、1TバイトのHDD、Blu-ray Discドライブ(VS570/RS)、802.11a/b/g/n無線LAN、YAMAHAステレオスピーカー、3波デジタル放送チューナー(VS350/RS以外)など。ワイヤレスキーボード/マウス/パッド付きリモコンも付属し、標準モデルのVS370/RSはレッド/ホワイト/ブラックのカラーバリエーションも用意する。OSは64ビット版Windows 8.1、オフィススイートはOffice Home and Business 2013(上位モデル)ないしOffice Personal 2013が付属する。

 発売時想定価格は、最上位のVS570/RSが18万5000円前後、VS370/RSが14万5000円前後、VS350/RSが13万5000円前後。


23型液晶+3波5チューナー+YAMAHAスピーカー、上位の液晶一体型「VALUESTAR N」

VALUESTAR N23型サイズのハイクラス液晶一体型「VALUESTAR N」

 23型の大画面ディスプレイを採用する「VAURSTAR N」は、デザインを一新した前回の2013年秋冬モデルをベースに小リニューアルを行った。

 主な変更は、最上位モデルVN970/RSにタッチパネル付き液晶ディスプレイを採用、さらに次世代の高速無線LAN規格「IEEE802.11ac」(本機は最大867Mbps)対応無線LANモジュールを全モデルに採用した。

 このほか、1920×1080ドット表示の23型ワイドIPS液晶、Core i7-4700MQ、8Gバイトのメインメモリ、3TバイトのHDD、Blu-ray Discドライブ、3波5チューナー(VN970RS)、磁性流体ドライバを採用したYAMAHAスピーカーなど。ハイクラス志向なPCシステムの仕様に変更はない。

 発売時想定価格は3波5チューナー+タッチ対応のVN970/RSが24万円前後、3波2チューナー+ノンタッチ仕様のVN770/RSが21万円前後。


NEC Direct(NECダイレクト)

第4世代Core搭載のハイパフォーマンスセパレート「VALUESTAR L」

VALUESTAR Lハイパフォーマンスセパレートデスクトップ「VALUESTAR L」

 PCに高いパフォーマンスを求める趣味ユーザー向けのセパレートデスクトップシリーズ「VALUESTAR L」は、仕様変更なしにて2013年秋冬モデルを継続販売する。

 主な仕様は第4世代Coreプロセッサー+Intel B85 Expressチップセットの仕様や最大32Gバイトまで搭載できるメインメモリ、3TバイトクラスのHDD、フルHD23型ワイド液晶ディスプレイなど。標準的なスリムタワー型デスクトップPCスタイルを採用するため、ロープロファイル PCI Express x16×1、PCI Express x1×2、PCI×1など、同社の他シリーズにはない拡張性を実現する。


NEC デスクトップ(VALUESTAR G タイプL (s))


2種類のハイブリッドドライブを採用した、プレミアムA4ノート「LaVie L」

LaVie LプレミアムA4ノート「LaVie L」

 15.6型サイズのハイクラスノートPC「LaVie L」シリーズは、2013年秋冬モデルをベースに小リニューアルを行った。

 主な変更点はストレージと無線LANの高速化。上位のLL850/RSは、1.5TバイトHDDに32GバイトのSSDをキャッシュに使用するインテル スマート・レスポンス・テクノロジー(ISRT)構成のストレージ、標準モデルのLL750/RSは8GバイトのNANDフラッシュを内蔵した1TバイトSSHD(ハイブリッドHDD)をそれぞれ新たに採用し、ストレージアクセス速度のパフォーマンス向上を図っている。無線LAN機能は、最大867Mbpsでの通信を可能とする2ストリーム802.11acでの通信に対応した802.11a/b/g/n/ac対応無線LANモジュールを両モデルに標準搭載する。

 発売時想定価格は上位のLL850/RSが21万円前後、標準モデルのLL750/RSが20万円前後。


NEC Direct(NECダイレクト)

最大867Mbpsでの高速無線LAN通信に対応したスタンダードノート「LaVie S」

LaVie Sスタンダードノート「LaVie S」

 15.6型サイズのスタンダードノートPC「LaVie S」も、同様に2013年秋冬モデルをベースに小リニューアルを行った。

 主な変更点は無線通信機能の拡充と高速化。Core i7/Core i5搭載の上位志向のモデルに802.11a/b/g/n/ac対応の無線LANモジュールを採用、さらに全モデルにBluetooth 4.0が標準搭載となった。

 発売時想定価格はCore i7搭載LS700/RSとCore i5+タッチ対応LS550/RSが17万5000円前後、Core i3搭載LS350/RSが14万円前後、Celeron 1005M搭載LS150/RSが12万円前後。


NEC Direct(NECダイレクト)

9万円台から用意するベーシック安心ノートPC「LaVie E」

LaVie E初心者向けの安心ノートPC「LaVie E」

 低廉な価格帯で展開するベーシックノートPC「LaVie E」シリーズは、PC仕様と価格帯は2013年秋冬モデルと同様。付属ソフトウェアのみが変更された。

 付属ソフトウェアは、XP買い換えにともなう不安や手間を解消する学習ソフト「パソコンのいろは8」「(Windows XPからの乗り換え対応)動画ナビ」、画面に沿って旧PCからデータを映せる「ファイナルパソコンデータ引越し9」など、安心・簡単・快適をテーマにしたソフトウェアが含まれる。また、専用冊子「あんしんスタートWindows 8.1」も付属する。


      1|2|3次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

規格を超える4K画質へ、新生「ドルビービジョン」とは?

$
0
0

 米Dolby Laboratoriesは1月8日、米ラスベガスで開催中の「2014 International CES」で新技術「DolbyVision」(ドルビービジョン)を発表した。「放送や動画配信における映像の輝度とコントラスト比を向上させ、色の表現力をも高める」というが、どのような仕組みなのか。

ts_dolbyvision01.jpg「DolbyVision」(ドルビービジョン)のデモンストレーション風景

 ドルビービジョンといえば、2007年に登場した同名のLEDバックライト制御技術(→関連記事)が思い浮かぶが、今回は全くの別物だ。同社によると、HD/Ultra HD(4K)の映像信号を対象とし、従来とは異なる2つのアプローチで画質向上を図ったという。

 1つめは輝度情報。一般に、撮影用のカメラは被写体が本来持つ色彩や輝度を保持して録画できるが、テレビ側の白トビ(白ツブレ)を防ぐためにハイライト領域を80%以上も圧縮した映像信号を送出しているのが実情だ。また編集や符号化なども経て、カメラで撮影した情報の多くが、視聴者に届くまでに失われてしまう。ドルビーでは、「現在のテレビや映画のカラーグレーディング基準が旧式の技術に基づいているため」と指摘する。

 一方、近年はLEDバックライトの性能アップを背景に、液晶テレビでも従来より高い輝度を画面上で再現しようとする動きが出てきた。ピーク輝度が高くなれば、例えば“金属の光沢感”などハイライト部分の階調を正確に再現し、制作者の意図もより忠実に再現できるようになる。

 ドルビービジョンでは、映像信号に最大輝度などを示すメタデータを付加し、対応テレビが参照することでピーク輝度とコントラストに優れた映像を表示できるという。また、テレビによって再現できる明るさには差が生じるため、「テレビに合わせて最高輝度を落とすギミック」も盛り込んだ。

 もう1つの注目は、動画コーデックの部分だ。ドルビービジョンが提案するのは、H.264(AVC)およびH.265(HEVC)の符号化はそのままで、前述のメタデータなど情報を付加する方式だ。このためストリーム自体は後方互換性を確保でき、ドルビービジョンに対応していないテレビでも普通に表示できる。もちろんストリームの容量は増えてしまうが、ベースに対して2〜3割のアップに抑えられる見通しだという。

ts_dolbyvision02.jpg画面はイメージ

 その映像は、スペック的にも既存の規格を凌駕する。例えば映像のビット深度は12bitを想定しており、UltraHD(4K/8K)の国際規格「BT.2020」の上限と同じ。輝度/色差信号は4:2:2となり、例えばNexTV-Fが検討している国内の次世代4K/8K放送サービスやH.265(HEVC)のメインプロファイルを上回る(いずれも4:2:0)。色域に関しては、それ自体はBT.2020と同じでも「カラーボリュームが異なるために見た目の印象は大きく変わる」(同社)という。

 「例えば“明るい青空”を表現したいとき、従来は輝度不足を補うために青を白に寄せて(=水色のようにして)表現することがあった。しかしドルビービジョンであれば、青を青のまま、“明るい青”を表現できる」。

制作現場から変える

 もちろん、こうした画質向上を実現するにはエンド・ツー・エンドの対応が求められる。対応するテレビの開発に加え、制作側、配信側が対応しなければならない。例えばコンテンツ制作者は、ドルビービジョン専用のマスタリングおよびカラーグレーディングの作業が必要となり、マスタリングルームには対応するモニターなどの機材もそろえなければならず、ハードルはかなり高い。

 しかしドルビーは、「映像の制作環境から変えていく」と意気込む。「2014 International CES」での発表時には、すでにハリウッドの著名ディレクターや主要スタジオの上層部から支持を表明。米Dolbyの放送イメージング担当シニアディレクター、ローランド・ヴライク氏によると、「制作者のコミュニティーは、色彩パレットとコントラストが拡張されたことで、視聴者に今まで気づかれなかったような細部まで見てもらえることに期待を膨らませている」という。

 またMicrosoftの「Xbox Video」や「Amazonインスタント・ビデオ」「Netflix」「VUDU」といった配信事業者も支持を表明。放送の規格や仕様を変更することは難しいが、オンライン動画配信サービスなら対応テレビやSTBとともに一般の家庭にも届けやすい。今後拡大が予想される4K対応のプレミアム動画配信にも有望だ。

 テレビメーカーも動き出した。CESの展示会場では、シャープとTCLがドルビービジョン対応のテレビ試作機を展示中。「ドルビービジョンは、飛躍的な画質向上と高精細画面との素晴らしい組み合わせにより、UHD(4K)の普及に貢献するだろう」とTCLの副社長兼TCLマルチメディアCEOのハオ・E氏はコメントしている。なお、米国では2014年の後半にもドルビービジョン対応のテレビが店頭で購入可能になる見通しだ。

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

海外と日本の子供、ネット利用はどう違うか(2)

$
0
0

 前回から引き続き、米国FOSI(Family Online Safety Institute)の取り組みをご紹介していきたい。この団体の日常的な取り組みとして、“A Platform for Good(PFG)”という活動がある。これは、青少年がネットを利用する際に、安全かつ大きな可能性とチャンスを引き出せるよう、家族や教師が支援していくためのプログラムだ。起こっている問題をどうするか、ではなく、リスクヘッジを主な目的としている。

 米国では11月下旬から年末までが典型的なホリデーシーズンだが、この時に子供にスマートフォンやタブレットなどのネット端末をプレゼントする家庭も多い。そこでPFGでは保護者向けに、ただ無条件に端末を与えるだけでなく、その中に誓約書を同梱して、子供が同意すれば使うことができるという活動を行なっている。

 例えばPFGが用意しているスマートフォンの誓約書テンプレートには、1カ月に使えるのメール量や通話時間、アプリの金額、利用して良いタイプのWebサービスを書き込めるようになっている。同時に、メールすべきではない条件や、アクセスしてはいけないWebサービスなども、各家庭で条件付けられる。

photoスマートフォンの誓約書1ページ目

 重要なのはその次で、子供がそれらのルールに従うのであれば、親も一定の約束をしなければならない。

photoスマートフォンの誓約書2ページ目
  1. 過剰反応しない:子供が不愉快な事態に陥っても、それを助ける努力をし、過剰反応しない。
  2. 新しいことを覚える:子供がクールだと思うことに対して話ができるように、一緒に新しい技術を学習する。
  3. 手本となる:親のスマートフォンの使い方が子供の手本となるよう、運転中にメールしない、スマートフォンの機能をきちんと学習する、そしてスマートフォンなしで子供と過ごす時間をつくる。

 といったことだ。面白いのは、子供への条件付けは各家庭で自由に設定できるが、保護者が行なわなければならないことは、編集できないようになっている点。親が最低限何をすべきか、妥協なく方向性を打ち出せるのは、強い確信がなければできない。

 誓約書はほかにもタブレット用、ゲーム機用、ケータイ用、PC用があり、それぞれ微妙に条件が異なっている。

保護者にも知識のある人はいるはず

 日本においても、保護者、あるいは子供の叔父や叔母にあたる人がIT関係の仕事をしているケースは少なくないはずだ。この連載の多くの読者も、これに含まれることだろう。だが残念なことに、「子供のリテラシー教育」という切り口で語られるとき、これらの人々の能力が活用されることはない。

 PFGでは、これらのスキルのある人が子供に対して自分から手をさしのべられるよう、“ホリデートレーニングクーポン”を配布している。例えば、「新しいコンピューターのセットアップを2時間手伝って貰える券」や、「ソーシャルメディアについて2時間トレーニングしてくれる券」などである。これを印刷して、クリスマスギフトの中に入れておくというわけだ。

 またホリデーに限らず、「なにか間違ったり困ったことになったらいつでも助けてもらえる券」というものもある。さらにこれは保護者用だろうか、「電話やメールはやめて、2時間集中してどんなことでも教えてくれる券」もある。保護者に対しても、きちんと戒めがある点は重要だ。

 日本ではクーポン券というのは、それほど定着した文化とは言えない。一時期グルーポンなどというサービスが流行ったこともあったが、あっという間に廃れてしまった。

 一方米国では、クーポンというのは日常的によく使われる。これはある意味、つねに公平性を主張しなければ得られない社会において、その券を持っているだけで優先的な権利を得ることができるわけで、非常に利用価値の高いものと認知されている。

 この点でも、“ホリデートレーニングクーポン”は、ちょっとベタではあるが、なかなか効果的な方法であろう。日本でこれに変わるような、子供にピッと響く仕組みがないか考えているところだが、このような発想は使えるはずだ。

 もうクリスマスもお正月も終わってしまったじゃないか、どうせならもう少し早く紹介してくれよ——とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれない。だが、子供たちに新しくスマートフォンが与えられるのは、入卒業シーズンなので、日本では3月から4月にかけてがピークになる。ひとつこの時に、クーポンでも発行してみてはいかがだろうか。

小寺信良

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は、ITmedia Mobileでの連載「ケータイの力学」と、「もっとグッドタイムス」掲載のインタビュー記事を再構成して加筆・修正を行ない、注釈・資料を追加した「子供がケータイを持ってはいけないか?」(ポット出版)(amazon.co.jpで購入)。


Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

第40回 レトロ系や銀河系、フィルタ系アプリで遊ぼう(1)

$
0
0

 撮った写真はちょいとレタッチして見目麗しくしてからみんなに見せようとばかり、3分レタッチング的な話を何度かしたのだが、ややこしい画像処理となるともうアプリでいぢいぢやってるよりどかんと専門アプリに任せた方が簡単にカッコよくしてくれるわけで、ワンタッチで写真を仕上げてくれるデジタルフィルタ系アプリをテーマ別に紹介してみよう第一弾である(編:フリが長いです)。

 iPhone用写真一発加工アプリといっても無数にあって、それぞれ得手不得手があって、お遊び系(荻窪圭のiPhoneカメラ講座:第37回 クリスマス仕様の写真アプリでリア充になるで紹介した「Zombie Booth」なんかがそうだ)、レトロ系、フィルムシミュレーション系、プリクラ系、LINE系、ゆるふわ系、絵画系、銀河系(?)など多種多様なのである。

 今回はレトロ系シミュレーション系といった老舗どころと、銀河系あたりを紹介してみる。

超老舗レトロ系アプリの「CameraBag」

 わたしがiPhone 3Gを買ったとき、最初にいれた写真系アプリが「CameraBag」だった。今は「CameraBag2」へとバージョンアップして、フィルターもぐっと増えている。CameraBagは「カメラがたくさん入ったバッグから好きなものを選んで使ってね」的なニュアンスだと思えばOK。だから使い方は極めて簡単。

 うちの猫2匹が肩を組んで寝てる写真をひっぱりだしてみた。

photoCameraBagで元写真を開く。写真を左右にフリックしてフィルターを切り替えてもいいし、画面下中央のボタンで一覧を呼び出してもOK

 で、どんなフィルターをかけられるか、バリエーション一覧をお見せするのである。まずは、1937年風から1974年風まで。その頃のフィルムで撮った写真風に仕上げてくれるものだ。

photo1937年風から1974年風までその他もろもろ
photo1937年風白黒写真
photo1958年風カラー写真

 さらにいろんなフィルムのシミュレーションやらHelga(Holga風ってことだ)とか、インスタント写真風とかピンホールカメラ風とか、元ネタがよくわかんないのも含めて、56種類ある。

photo
photo
photoHelga(Holga風)。写真に応じたフレームもつけてくれる

 さらにそれぞれに対して、好きなフレームを付けたり、フィルターの強さを調節したり、露出を調節したり、フィルターによってはもうちょっと細かく効果を調整できるのだ。

photo「Saloon」フィルタをかけてみた
photo右下の共有アイコンをタップすると、保存するかシェアするかなどを選べる

 で気に入ったものができたら出力。Saloonを選んで彩度を高めにしたらこんなロマンチックなモノクローム写真になりました。

photo旧き良きロマンチシズム的なセピア写真のできあがり

 もちろん、FacebookやTwitter、それにInstagramでの共有も可能だ。

      1|2次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


「FXとケンカしないでね」――AMDの新型APUが14時1分に販売解禁!

$
0
0

「AMDの存在感を示してくれたらいいですね」——新APU「A10-7850K/7700K」が登場!

 先週から複数のショップに張られた「AMD新APU解禁」のPOPどおり、1月14日14時1分にAMDの「A10-7850K/7700K」が売り出された。価格は7850Kが2万2000円前後で、7700Kが2万円前後となる。

og_akiba_010.jpgog_akiba_011.jpgAMD「A10-7850K」

 A10-7850K/7700Kはコードネーム“Kaveri”の名で知られるAPUで、GPUに「Radeon R7」シリーズを統合することで、従来の「Richland」(6000世代)から大幅にグラフィックス性能を向上させている。「HSA」(Heterogeneous System Architecture)をサポートしているのも特徴。対応ソケットはSocket FM2+となる。上位のA10-7850Kは4CPU+8GPU構成で、CPUクロックは3.7GHz(ターボ時4GHz)。下位のA10-7700Kは4CPU+6GPU構成で、CPUクロックは3.5GHz(ターボ時3.8GHz)だ。

 事前告知もあり話題性は上々ながら、「価格帯がFXシリーズ上位と被っているので、食い合ってしまうかもという怖さがあります」(某ショップ)といったコメントも少なからず聞いた。

 別のショップは「ことCPUに関してはAMDの存在感がかなり薄くなっているので、Kaveriが起爆剤になってくれれば。Haswell世代のCeleronやH81マザーが出てきて、このままでは小型マシン市場でもインテル一色になる可能性がありますから」ともらしていた。次回以降、発売後の動向も追ってレポートしたい。

og_akiba_012.jpgog_akiba_013.jpgAMD「A10-7700K」(写真=左)。先週末時点のTSUKUMO eX.のAMD製CPU/APU価格表(写真=右)

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

VAIO+本格絵描きシーン、VAIO+リアルニコ動/スカウター的「Smart Eyeglass」の可能性──ソニー

$
0
0

新VAIO+クリエイティブ/ウエアラブル活用シーンを提案 2014 CESのソニーブース

2014 CESのソニーブース円形のディスプレイでぐるりと取り囲まれたソニーブース。開催前日にはここでプレスカンファレンスも開催された

 米国・ラスベガスで開催されていた展示会「2014 International CES」のソニーブースでは、国内未公開の新VAIO「VAIO Fit 11A」から21型AIO「VAIO Tap 21」まで、タッチ対応の大小さまざまなVAIOを展示。デジタイザー搭載を軸にした本格的な絵描き作業のための訴求も、さらに、スポーツ観戦をしながら目の前に情報が流れる仕組みのメガネ「Smart Eyeglass」など、同社らしい機能を持つ展示機も話題を集めていた。

 このほか、キーノートスピーチでソニーの平井一夫CEOが発表した最大147型で投射できる4K対応「超短焦点プロジェクター」をはじめ、4K対応テレビ「BRAVIA」シリーズ、4K撮影対応ビデオカメラなど、幅広い4K製品を展示。同時にXperiaと連携するウエアラブルなスマートウェアや、スマートフォン関連の展示にも大きなスペースが割かれていた。


4K対応BRAVIAの新モデル4K対応の小型ビデオカメラ「FDR-AX100」生活ロギングツール「スマートバンド」4K対応でかつ、HDMI2.0や動画圧縮規格のHDVCにも対応した4K対応BRAVIAの新モデル。横から見ると三角形の安定感あるウェッジデザインを採用する(写真=左) 4K対応の小型ビデオカメラ「FDR-AX100」。現行の4Kビデオカメラの4分の1ほどのサイズを実現している。3月に約2000USドル(約20万6000円)で発売予定(写真=中央) 生活の中のさまざまな情報をロギングできる、新たなサービスのコンセプトとして発表された「スマートウェア」。センサーを内蔵した「コア」と、それを組み込んだ商品の一例として紹介された「スマートバンド」も展示されていた(写真=右)
ウエアラブルアクションカメラの新型「HDR-AS100V」ウエアラブルアクションカメラの新型「HDR-AS100V」SmartWatch2ウエアラブルアクションカメラの新型「HDR-AS100V」も発表された。IPX4相当の防滴使用となったほか、ドッグアダプターなどのアクセサリーもさらに充実。価格は約300USドル(約3万1000円)で2014年3月発売予定。BMX世界チャンピオンの池田貴広氏が「アクションカム」を装着して登場。会場に設置された複数のアクションカムの映像を同時に映しだすデモも行われていた(写真=左、中央) 2013年に登場したスマートデバイス連携型腕時計「SmartWatch2」とスマートフォン、タブレットをつないで体験できるコーナーもあった(写真=右)

 PC関連/VAIOシリーズには、VAIO Fit multi-flip PCシリーズの新たなラインナップとして11.6型と既存モデルより小型化した「VAIO Fit 11A」が公開。既存モデル「VAIO Fit 13A/14A」と同様に、2層構造になった天板を中央からパタンと裏返すことで、ノートPC、ビュワー、タブレットと3つのスタイルで使用できる。画面サイズを11.6型と小型化したことで、タブレットとして、より使いやすく、携帯しやすいサイズ感を実現している。

VAIO Fit 11AVAIO Fit 11AフルHD/11.6型ワイドの回転タッチディスプレイを搭載する「VAIO Fit 11A」。仕様の詳細は明らかにされていないが、本体サイズは最薄部は約16.5ミリ、重量は約1.28キロと、特筆すべきほど小型軽量……ではないが、10万円以下を想定した価格帯とピンクのカラーバリエーションを用意し、カジュアル層を意識した構成になっていることが伺える

 欧米では、日本と比べると“小型ノートPC”にそこまで需要はないと言われるが、ソニー北米担当者によればタブレットとして使うとなれば、やはりより持ち運びやすいサイズ感が重視される傾向にあるという。VAIO Fit 11Aは、開発コード名:Bay Trail-Mと呼ばれる世代の省電力傾向なCPU「Pentium N3520」を採用する一方で、799USドル(日本円換算約8万2664円 2014年1月14日時点、以下同)からとなかなか手頃な価格設定になっており、若年、女性といったエントリー層を想定する。カラーバリエーションにもブラック、シルバーの定番色に加えて、ピンクも用意される。

 さらにVAIO Fit 11Aには、デジタイザーによるペン記入/操作も可能でスタイラスペンも付属する。VAIO Fit multi-flip PCシリーズのほか、同じくタッチパネルを搭載するVAIO Tapシリーズと共有のアクセサリーだが、ソニーはこのデジタイザースタイラスペンに関連して、Adobeとのコラボレーションを発表した。その内容は、VAIO Fit 11Aを含む今後発売するモデルに「Adobe Photoshop Elements 12」をバンドルする方針とともに、2014年春をめどにデジタイザースタイラスペンの256段階筆圧検知対応のアップデートを公開するというもの。このアップデートはAdobe Photoshop Elements 12以外に「Adobe Photoshop CC」や「Adobe Illustrator CC」も対象だ。

 ブースでは、VAIO FitやVAIO Tapと、Photoshop Elements 12/Adobe Photoshop CC/Adobe Illustrator CC、そしてデジタイザーペンを用い、「VAIOがいかにクリエイティブ作業に向くか」を紹介するデモコーナーを設け、その有用性をアピールした。Photoshopやペイントアプリ「ArtRage」を使用し、デジタイザーペンで本格的な絵を描ける/クリエイティブ作業に没頭できるとするデモが分かりやすく具体的で、クリエイティブ作業のためのPC=VAIOとしての方向を強く印象付ける展示だった。

VAIO=クリエイティブ作業のためのPCを示すデモが行われたVAIO=クリエイティブ作業のためのPCを示すデモが行われた数名のアーティストが、PCで描いたとは思えない本格的な作品づくりに取り組んでいた。「ArtRage」とVAIO、筆圧検知対応のデジタイザーペンを組み合わせることで、絵の具をキャンバスに乗せ、それをペインティングナイフ(のツール)で広げるといったような表現も可能。絵の具感覚のタッチを実現できるようになる
      1|2次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

中国移動のTD-LTEサービスが正式に開始

$
0
0

TD-LTEは2014年中に340都市へ、端末販売は1億台

 中国工業信息部は、2013年12月4日に中国国内にある3つの通信事業者に4G免許を交付した。これを受けて中国最大の通信事業者、中国移動(China Mobile)は2013年12月18日からTD-LTE方式による4Gサービスを開始した。エリアは9月から商用テストサービスを実施していた広東省や四川省の一部都市が先行し、北京市、広州市、深セン市、成都市、杭州市、温州市、寧波市などを予定しており、2014年中には順次エリアを広げていく。

 4Gサービスのブランド名は中国語で「和」、英語で「and」。この両文字と感嘆符を組み合わせた新しいロゴも制定している。「和」には調和、共生、調和、バランスといった意味がある。また、andには「a new dream」の頭文字という意味も持たせている。中国移動は、この中英文字を組み合わせた「and ! 和」をあらゆる4Gサービスの商品に使うほか、中国移動がこれまで使ってきたロゴとも併用することで、4Gを大きくアピールしていくという。

kn_yamane01_01.jpgkn_yamane01_02.jpg2013年12月18日から正式に開始した中国移動の4Gサービス。広東省などではすでに9月からテストサービスが始まっていた(写真=左)。新しいロゴは、英文字と中文字を組み合わせた「and ! 和」。今までの中国移動にない明るい色の組み合わせだ

 TD-LTEの周波数は、2600MHz帯に加えて2300MHz帯と1900MHz帯も使用していく。対応端末は現時点でまだ数が少なく、中国移動のホームページを見るとスマートフォンが4機種、データ端末が2機種となっている。だが、すでにサービスインした都市から対応機種が増えていて、北京では8機種を取り扱い開始、広東省では1月中にも20機種前後を販売する予定だという。

 料金プランは公式には3プランのみで、138元/月(約2390円)で通話500分とデータ600Mバイト、238元/月(約4120円)で通話1000分とデータ1Gバイト、338元/月(約5890円)で通話2000分とデータ2Gバイトとなっている。この定額分にSMSとMMSは含まず、それぞれ従量課金で0.1元/通(約1.7円)、0.3元/通(約5.2円)かかる。

 3Gの月額料金プランが50元以下から用意していることを考えるとかなり割高だが、中国移動は今後「音声通話」「データ通信」「SMS/MMS」の利用料を自由に組み合わせできるパッケージを提供する予定だ。なお、広東省では2013年末まで4Gに加入したユーザーを対象に「15Gバイトまで使い放題」を提供するキャンペーンを行っていたが、今後も地域ごとに4Gサービス開始に合わせて特典をつけたキャンペーン料金を提供するだろう。

kn_yamane01_03.jpgkn_yamane01_04.jpg中国移動の公式サイトでは、TD-LTE対応モデルとしてスマートフォン4機種のみしか価格を公開していない(写真=左)。しかし、中国移動北京ではすでに8機種の販売と予約を受け付けている(写真=右)

 中国移動 董事長(会長)の奚国華氏は、同社の2014年事業計画として4Gサービスの早期全国展開を打ち上げている。2014年の始めには100都市でサービスを開始し、2014年の末までには340以上の都市へ拡大する予定と述べている。基地局の数は中国全土で50万カ所以上になる見込みで、1年にして世界最大のTD-LTEネットワークを構築するという。2014年の年内には既存のTD-SCDMAサービスと加え中国のほぼ全土を高速な3G、または、4Gネットワークでカバーすることになる。

 一方、端末は2014年中にTD-LTE、TD-SCDMA合わせて2億2000万台を販売する予定だという。2013年のTD-SCDMA端末の販売台数は約1億5500万台だったことから、2014年は3Gと4G合わせ前年比4割増しと強気の目標を設定している。このうち、TD-LTE端末は約半数の1億台を見込んでいるという。スマートフォンのモデル数は海外メーカーと国内メーカー合わせて200モデル前後になるとのこと。この中には、1000元台の低価格な「1000元4Gスマートフォン」も含んでいて、4Gサービスは所得の高い層だけではなく低所得者も含めた「中国全人民」をターゲットにしている。

kn_yamane01_05.jpgkn_yamane01_06.jpg中国移動広東のホームページでは各都市のサービスエリアを確認できる(写真=左)。すでに複数のTD-LTEスマートフォンを発表しているCoolpad。1000元台の製品も予定している(写真=右)

      1|2|3次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

“Kaveri”の実力は? 「A10-7850K」を速攻でチェック!!

$
0
0

APU始まって以来の大幅改良が「Kaveri」

og_kaveri_review_001.jpgAMD A10-7850K with Radeon R7 Graphics

 Kaveriは、TrinityからRichlandへ移行した時のような小さな変更ではない。もちろんhUMAによりCPUとGPUが同じメモリ空間を扱えるという「HSA」が目玉であるが、そのほか、CPUもGPUもそして周辺回路も、各所にかなり手を加えた新APUだ。

 まず、Kaveriではその製造にGlobal Founderiesの28ナノメートルSHP(Super High Performance)プロセスを採用している。Richlandまでは32ナノメートルプロセスが利用されていたため、ハーフノードぶん微細化されたことになる。結果、ダイサイズは245平方ミリとほぼ変わらず、トランジスタ数は24.1億へと増加した。

 KaveriのCPUコア・アーキテクチャは改良版Piledriverである「Steamroller」だ。すでに「Kabini」でSteamrollerが採用済みだが、これがメインストリームAPUでも採用されたことになる。SteamrollerコアではIPCをさらに改善したとされ、AMDの資料によれば最大20%、平均10%向上しているとのことだ。

 A10-7850Kでは、4コアのSteamrollerコアを搭載し、動作クロックは定格3.7GHz、ターボクロックで最大4GHz駆動となる。なお、A10-6800Kは4.1/4.4GHzだったため、単純にクロックという点では抑えられている。

 Kaveriの統合GPUは、Radeon R7シリーズ。シェーダ数はA10-7850Kで512基となり、384基だったA10-6800KのRadeon HD 8670Dから1.5倍に増えている。また、GPUコア・アーキテクチャはVLIW4ではなくGCN、つまりMantleも利用可能な最新アーキテクチャへと進化した。

 一方GPUクロックは最大720MHzで、A10-6800KのRadeon HD 8670Dが844MHzだったことからすると控えめだ。このあたりはTDPとの兼ね合いだろうか。統合GPUとディスクリートGPUとの組み合わせでパフォーマンスを向上させるDual Graphicsでは、Radeon R7 240搭載グラフィックスカードが組み合わせ可能な選択肢とされている。R7 240は320シェーダーなので、A10-7850KのRadeon R7のほうが多い計算だが、メモリ帯域ではR7 240のほうが広いため、バランス的にはちょうどよいのだろう。

og_kaveri_review_002.jpgog_kaveri_review_003.jpgCPU-ZでみたA10-7850K。A10-6800Kと比べてTDPが100ワットから95ワットに、製造プロセスが32ナノメートルから28ナノメートルへと変わった。また、コア電圧が1.044ボルトとやや高い。キャッシュ構造や命令セットなどは変更なし(画面=左)。GPU-ZはまだKaveriに非対応の様子。Catalyst Control Centerによると、GPU名はRadeon R7シリーズ。これで正式名称のようである(画面=右)

製品名A10-7850KA10-6800K
コードネームKaveriRichland
コア数44
スレッド数44
定格クロック(GHz)3.74.1
ターボ時クロック(GHz)44.4
製造プロセス28nmSHP32nm
TDP(W)95100
DDR3メモリ24002133
チャネル数20
グラフィックスRadeon Radeon HD 8670D
GPUコア数512384
GPUコア周波数(MHz)-844
GPUコア最大周波数(MHz)720-
H/WデコーダーUVD 4.0UVD 3.0
ソケットFM2+FM2

 ビデオ関連では、UVDがバージョン3からバージョン4へと進化している点も新しい。とはいえ、サポートされるフォーマットは変更なく、基本的にはエラー訂正機能を強化しているようだ。ほか、Radeon R7 260Xや290Xでも搭載された「TrueAudio」も搭載する。

 また、APUと言えば、これまでもアグレッシブにOCメモリをサポートしてきたが、A10-7850Kでは、DDR3-2400がサポートされた。現在主流のDDR3-1600から800MHzも高いことになる。当然、メモリモジュールの価格も高いわけだが、統合GPUの性能を引き出すためには、こうしたOCメモリも視野に入れていきたい。

 外観での大きな変更はソケットだ。Kaveriでは、Socket FM2+が採用されている。従来までのSocket FM2から2ピン増えており、Socket FM2マザーボードでKaveriを利用することはできない。

 ただし、Socket FM2+マザーボードなら、Socket FM2のAPUも利用できる。Socket FM2+マザーボードは、AMD A88Xチップセット搭載製品などですでに流通しており、一足速くSocket FM2+マザーボードを導入していた方なら、BIOSアップデートとAPU交換で対応可能だ。あるいは今後、APUの導入を検討するなら、マザーボードだけはFM2+にしておき、APUは低コストなFM2を、将来的にKaveriラインアップがそろってきたところでFM2+をといった段階的な移行プランも考えられる。

og_kaveri_review_000a.jpgog_kaveri_review_000b.jpgog_kaveri_review_000c.jpg写真は左から、FM2+ APUのピン配列、FM2 APUのピン配列、FM2+ソケット側。中央周辺のピンの空いたスペースが、FM2より2ブロックほど減っており、これによりソケットFM2+にはFM2 APUを挿せてもソケットFM2にFM2+ APUを挿せない仕組みになっている

 Socket FM2+のもう1つのメリットがPCI Express 3.0のサポートだ。もちろん、これを利用するにはKaveriとの組み合わせが必須だ。Socket FM2+マザーボードにSocket FM2 APUを組み合わせた場合、従来同様、PCI Express 2.0動作となる。

 今回投入された「A10-7850K」と「A10-7700K」は、ともにTDPが95ワットとなる。A10-6800Kの100ワットと比べると5ワット低く設定されている。なお、KaveriではConfigurable TDP機能が追加され、45ワット、65ワットというTDPにも設定可能とされる。Configurable TDPを利用するには、対応するBIOSも必要とのこと。そして、Configurable TDPは、A10-7850Kとようなハイエンドでも利用できることに加え、A8-7600には「Optimized」という表記があり、特に最適化がなされているようだ。

      1|2次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Microsoft、月例セキュリティ情報を公開 「重要」4件のみ

$
0
0

 米Microsoftは米国時間の1月14日(日本時間15日)、予告通りに4件の月例セキュリティ情報を公開し、WindowsやOfficeの脆弱性に対処した。最大深刻度は4件とも、上から2番目の「重要」評価で、今回は深刻度が最も高い「緊急」レベルのセキュリティ情報は含まれていない。

 4件の中でもMicrosoftが最優先で適用を勧告しているのが、Windowsカーネルの特権昇格の脆弱性に対処する更新プログラム(MS14-002)。この脆弱性は同社が2013年11月にアドバイザリを出して注意を呼び掛けていたもので、システムにログオンした攻撃者が特権を昇格して、細工を施したアプリケーションを実行できてしまう恐れがある。

 影響を受けるのはWindows XPとWindows Server 2003。この脆弱性を、PDFの脆弱性と組み合わせて悪用しようとする攻撃が確認されているという。PDFの脆弱性の方は、システムを最新の状態に保っていれば影響は受けないとしている。

 残る3件ではWordおよびOffice Web Appsのリモートコード実行の脆弱性(MS14-001)、Windowsカーネルモードドライバの特権昇格の脆弱性(MS14-003)、Dynamics AXのサービス拒否(DoS)の脆弱性(MS14-004)をそれぞれ修正した。いずれも非公開で報告され、現時点で攻撃の発生は確認されていないという。

関連キーワード

脆弱性 | Microsoft | Windows | 月例パッチ | Office


Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

いよいよ試す時期に来たクラウドデスクトップ「DaaS」、最新動向は

$
0
0

 2014年もそれ以降も、実際にはDaaS(Desktops as a Service)の年は訪れないかもしれないが、業界ウオッチャーは、クリスマスの奇跡を諦めきれずにいる。ひょっとすると、DaaSの年は本当に実現するかもしれない。

 DaaSはこれまで「仮想デスクトップインフラ」(VDI:Virtual Desktop Infrastructure)の添え物扱いで過小評価されてきた。ところが2013年に入り、主要なテクノロジーベンダーが、デスクトップを全てクラウドに移行するという考えには将来性がありそうだと認識し始めた。

 米国では、米VMwareがDaaSの草分け的存在であった米Desktoneを買収した。米Citrix Systemsは、複数のクラウドベンダー環境上でXenDesktopをWindows as a Service(WaaS)として提供している。そこへ米Amazon Web Services(以下、Amazon)が「Amazon WorkSpaces」を引っ提げて、クラウドデスクトップ分野に参入してきた。Microsoftもこの流れに乗って何か動きがあるのではと期待する向きも一部にあったが、同社はこの件に関してコメントを拒否している。米IBM、米Dell、米Virtual Bridgesなどの各社もここに来てDaaSサービスを次々と打ち出している。

 現在、DaaSこそ仮想デスクトップの未来形と考えるアナリストもいる。

頼られるテクニカルスペシャリストを目指す 日産自動車・吉田さん

$
0
0

企業のIT部門で活躍する方々を追ったインタービュー連載「情シスの横顔」のバックナンバー

 自動車メーカー大手、日産自動車が掲げる中期経営計画「日産パワー88」では、2016年度末までに、売上高営業利益率およびグローバル市場占有率を8%にまで高めることを目指している。この目標達成に向けて経営の一翼を担うのが、同社のIS部門である。

 2009年4月、日産自動車に新卒で入社した吉田高明さんは、グローバル情報システム本部に配属となり、現在は 同本部 ISアーキテクチャー部の若手ホープとして奮闘する日々を送っている。

日産自動車 グローバル情報システム本部 ISアーキテクチャー部の吉田高明さん。大阪府出身日産自動車 グローバル情報システム本部 ISアーキテクチャー部の吉田高明さん。大阪府出身

 同社のグローバル情報システム本部には約300人の社員がおり、R&D(研究開発)、SCM(サプライチェーンマネジメント)、M&S(マーケッティング&セールス)、GRM(グローバルリソースマネジメント)、セールスファイナンス、テレマティクス、などの業務アプリケーション開発、インフラストラクチャなどのチームに分かれている。

 吉田さんは入社後、1年間の部門研修を経て、ITインフラの設計および構築を手掛けるチームに入った。そこでは、新たな共通プラットフォームを構築するためのプロジェクトに参画していたという。元々、日産自動車ではサイロ化したシステムを統合するために、2007年7月に第1世代の共通プラットフォームプロジェクトをスタートさせていた。続いて、サーバ仮想化によるプライベートクラウドを構築すべく、第2世代のプロジェクトを2009年8月に開始、2010年末に本番環境で稼働することとなった。

 「当時は知識がない中で、いったい何が要求されていて、どこまで実現すべきかがつかめていませんでした。とにかく構築することばかりを考え、運用時の課題までに目が向いていませんでした。今思えばもっとケアできればよかったという反省があります」(吉田さん)

 このインフラ設計・構築チームで1年間経験を積んだ後、吉田さんはインフラの運用チームへ異動した。ここでは、社内ヘルプデスクの運用管理を担当したほか、グローバルを含めて全社で取り組んでいたWindows 7へのPC移行プロジェクトにもかかわった。対象となるPCは実に10万台以上だったため、移行の順序や配布方法などを細かく検討していたという。

週末に自宅でシステム構築を実習

 そして2年前からISアーキテクチャー部に所属し、Center of Excellence(CoE)の位置付けで働いている。このチームは、主にさまざまなプロジェクトに対する技術支援や情報ナレッジの提供を行うことで、プロジェクトの開発品質を高めるのを目的としている。マネジャーを含めて7人のプロパー社員がおり、それぞれが別々のベンダー製品を見ているという。吉田さんはOracleとRed Hatを担当している。

 最近かかわったプロジェクトの1つが、ESB(エンタープライズ・サービス・バス)の老朽化更新のため、ミドルウェア製品「JBoss SOA Platform」を活用してリプレースを行ったというプロジェクトである。「日産自動車ではオープンソースを積極的に使おうとする動きはあるものの、社内にナレッジがないため、設計チェックをしたり、対応方法をパートナーなどとともに検討したりしました」と吉田さんは振り返る。

 学生時代は情報科学を専攻していたとはいえ、ITスキルを磨くための勉強は不可欠だった。そこで吉田さんは週末などに自宅でJava EEアプリケーションサーバ「JBoss」を動かすためのシステムを構築して自分自身で動かしてみたり、専門スキルをもったエンジニアに教えてもらったりしながら、仕事で求められるITスキルを身に付けていった。

 日々の仕事に対しては楽しく向き合っていきたいと話す吉田さん。ITの分野が嫌いではないし、勉強するのも苦にはならない。業務の性質上、社内からさまざまな相談を受けて、その際にまだまだ知識不足で困ることもあるが、裏を返せば、彼らは助けてほしいから吉田さんを頼っているわけなので、解決に導くために自分ができることを精一杯やっていきたいという。

仕事のさじ加減が難しい

 さて、これまでいくつかのプロジェクトに携わる中、メンバーとしてプロジェクトを円滑にするために心掛けていたことはあるのか。

 吉田さんは「経験や知識の不足がネックになっていたので、分からないことはとにかく自分で調べたり、ほかの人に聞いたりするように心掛けていました」と話す。若手といえども、SIerから上がってきたシステム設計などをレビューする立場だったので、「分かりません」では許されない。自分が納得するまで先方にヒアリングをしたり、周囲の先輩社員の協力を仰いだりと、コミュニケーションを大事にしながらプロジェクトを進めていったという。

 一方で、人員は限られているので、すべてを他人に聞いていては物事が進まなくなってしまう。現在の課題は、どこまでを相談して、どこまでを自分の裁量でやっていいのかという、その境界線の見極めだという。

オープンソースを極める

 将来的に、吉田さんはテクニカルスペシャリストでありたいという。とりわけオープンソースの分野については技術を極めていきたいそうだ。「オープンソースに関する話はすべてこいつに聞けと思ってもらえるようになりたいです。各プロジェクトの課題点を適確に拾い上げて解決に結び付けられるような、頼られる存在になりたい」と吉田さんは意気込む。

 そうした中で、周囲にいる上司や先輩社員は今後のキャリアを考える上でモデルになるという。

 「技術に明るく、常に適確な判断を下します。先進的な情報もさまざまなところから収集してきます。そうした姿を見ると勉強になるし、見習っていきたいです」(吉田さん)

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


大手ベンダーに負けない! POSデータ分析でシェアを広げるデータコム

$
0
0

「田中克己の『ニッポンのIT企業』」 バックナンバー一覧

 POSデータを活用した顧客分析や商品分析に特化した事業を展開するのが、仙台市に本社を置くデータコムだ。

 流通小売業向け基幹システムは大手ITベンダーの牙城だろうが、同社の小野寺修一代表取締役は「分析システムは中小IT企業にチャンスがある」と判断し、1994年の創業から分析関連のシステム開発に力を注いできた。結果、100社近いユーザーを獲得、シェアは約40%に上るという。

課題は分析結果の活用法

 流通小売業のデータ分析ニーズが高まっている。誰がいつ、どんな商品を購入したのかを把握することが店舗経営にますます重要になってきているからだろう。少子高齢化や人口減少が進むなど社会構造が大きく変化する中で、生き残り、成長を遂げる上でデータ分析は欠かせなくなってきた。

 とはいっても、データ分析は容易なことではない。どこに、どんなデータがあるのか、分析した結果をどう活用するのか、分からない企業は少なくない。データコムの小野寺氏は「そもそもマスター管理ができてない企業がある」と指摘する。例えば、発注先のコードがあっても、調達した商品のメーカー別コードがなかったりする。仕入れた商品がどこで、いつ製造されたのか、といった商品の“DNA”が分からないということになる。

 そこで、データコムは約5年前にLinux上で稼働する分析ツールを自社開発した。「欧米の製品より速い」(小野寺氏)というインメモリシステムも独自開発する。それまで、大手ソフト会社の汎用ソフトを使っていたが、処理時間がかかるなど課題があったからだ。

 だが、ツールの提供だけでは、ユーザーのデータ活用が進まないことに気が付いた。「使えない人にも使ってもらえるようにするには、アプリケーション領域に踏み込む必要がある」(小野寺氏)と考え、データの整理や分析結果の活用を含めたコンサルティングに乗り出した。例えば、商品を購入したのは20歳代か、子育て世代か、シニアなのかを分析しても、「それをどのように業務に落とし込むのかが課題」(小野寺氏)。要は、廃棄ロスを減らすなど利益向上につなげることだが、実際にはレシートにクーポンつけて発行するなどといった販促活動に利用する程度とみられている。

 だが、顧客が欲しい商品か分からないのに、クーポンを発行する意味はない。本当に欲しい商品をOne to Oneマーケティングで分析し、「例えば、ワインが好きな顧客に、ワイン工場の見学会を提案する」(同)といった企画を立てる。

 このような活用効果を上げるには、データコム1社だけでは難しいことがある。例えば、データ分析の結果から消費者が商品を購入しやすい棚に作り直すには、棚管理の専門会社や地図専門会社、マーケティング専門会社などと協業したほうが効果を出せるだろう。「ぞれぞれの分野を得意とする企業が集まる」(小野寺氏)ことで、POSデータの分析を成果に結び付けられる。

 成功事例の発表も積極的にする。そして信頼を勝ち取り、「『データコムに頼むのがいちばんだ』と言われるようにした」(同)。

      1|2次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

遅れる「エネルギー基本計画」、東京都知事選後に決定へ

$
0
0

 政府が策定した「エネルギー基本計画」の原案に対して、国民からのパブリックコメントが1カ月間に約1万9000件にものぼったことを、茂木経済産業大臣が1月10日の会見で明らかにした。経済産業省が内容の分析を進めているが、原子力発電の位置づけに関する反対意見が多数を占めることは想像にかたくない。

 2012年に当時の民主党政権が「国民的議論」を通じて、原子力発電を2030年代までにゼロにする方針を決定したことは記憶に新しい。ところが自民党政権は方針を転換して、原子力発電を「安定して安価なベース電源」と位置づけるエネルギー基本計画の原案を2013年12月に発表した。この原案をもとに2014年1月中の閣議で正式に決定する見通しだったが、混迷状態から2月以降にずれ込む可能性が大きくなってきた。

 主な要因は2つある。1つは政府内からも慎重論が出てきたことだ。内閣府の原子力委員会が1月9日に意見書を出して、経済産業省が策定した原案に8項目の注文をつけた。その第1項で「原子力発電を重要なベース電源に位置づけるとしたことについて、この判断に至った熟慮の内容を国民に丁寧に説明するべきである」と主張した(図1)。

jaec_sj.jpg図1 内閣府原子力委員会が2014年1月9日に公表した「エネルギー基本計画に対する意見」の第1項。出典:内閣府原子力委員会

 もう1つの要因は2月9日に実施する東京都知事選である。元首相の細川護煕氏が「脱・原発」を掲げて立候補を決めた。同じく脱・原発を訴える小泉純一郎・元首相が支援する。都知事選の主要な争点に原発の問題が加わることは確実な情勢だ。

 東京都には原子力発電所が立地していないとはいえ、東京電力が供給する電力の約35%を消費する立場にあり、原発の安全性に対する責任から逃れることはできない。さらに東京都は東京電力の第4位の株主でもあり、東京電力の経営に対して一定の発言力を持つ。

 このため自民・公明の与党内部でも、原子力発電の重要性を強調するエネルギー基本計画の決定を急ぐべきではない、との意見が強まっているようだ。与党が推薦する候補者が都知事に当選すれば、予定通りエネルギー基本計画を閣議で決定して、原子力発電所の再稼働を推進することができる。

 逆に細川氏が当選した場合には、日本の人口の1割以上を占める東京都民が脱・原発を支持したことになる。原子力発電が国民の意思に反したものであることを改めてクローズアップする結果になり、原案を見直す必要性が高まる。いずれのケースを想定しても、閣議決定は都知事選の後に持ち越さざるを得ない状況になってきた。

 エネルギー基本計画は「エネルギー基本政策法」に基づいて政府が定めるもので、少なくとも3年ごとに内容を検討して、必要があれば変更しなくてはならない。前回は2010年6月の閣議で決定しており、すでに3年半以上が経過している。ただし我が国の将来に大きな影響を与える政策であるだけに、十分な時間をかけて検討することに問題はない。

 基本計画の最も重要な目的は、エネルギーの需給を長期的に安定させることである。そのために電源別の構成比率の目標を具体的に明記してきた。2010年に策定したエネルギー基本計画では、原子力と再生可能エネルギーを合わせて2030年に約70%(2020年に50%以上)まで引き上げることを目標に掲げた。しかし福島第一原子力発電所の事故により、この目標は修正を余儀なくされている。

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Sony Mobile、普及モデル「Xperia T2 Ultra」と「Xperia E1」を発表

$
0
0

 ソニーモバイルコミュニケーションズは1月14日(英国時間)、Xperiaシリーズの新モデル「Xperia T2 Ultra(以下T2 Ultra)」と「Xperia E1(以下E1)」を発表した。6インチのT2 Ultraは中国やアフリカなどの新興国市場向け普及モデル、E1は音楽機能にフォーカスしたミドルレンジ端末だ。いずれもデュアルSIMモデルが用意されている。

6インチでLTEにも対応する「Xperia T2 Ultra」

 2012年8月に発表した「Xperia T」の後継モデルに当たり、6インチ(解像度は1280×720)ディスプレイと1300万画素のカメラが特徴。バッテリーは3000mAhと大容量だ。その他のスペックは、CPUは1.4GHzクアッドコア、メモリは1Gバイト、ストレージは8Gバイトとミドルレンジになっている。

 t2 ultra Xperia T2 Ultra
 t2 ultra 2

 カメラ関連アプリが充実しており、同社のフラッグシップ端末「Xperia Z1」にも搭載されている「Timeshift burst」や「Portrait retouch」などのアプリがプリインストールされている(「Info Eye」や「AR Effects」などは未搭載)。

100Dbスピーカー搭載の音楽端末「Xperia E2」

 2012年12月に発表した「Xperia E」の後継モデルに当たり、“ウォークマンの音楽体験”にフォーカスしている。

 e1 Xperia E2

 ソニーのサウンド技術、xLOUD、クリアベース、クリアステレオを搭載し、端末上部にある「ウォークマンボタン」でウォークマンアプリを起動でき、背面のスピーカーは100デシベルまでの出力が可能だ。

 e1 2背面スピーカー(左)、ウォークマンボタン(右)
「Xperia T2 Ultra」と「Xperia E2」の主な仕様
機種名Xperia T2 UltraXperia E2
OSAndroid 4.3(コードネーム:Jelly Bean)同左
ディスプレイ6インチ(720×1080)4インチ(800×480)
CPUQualcomm Snapdragon MSM8928(1.4GHzクアッドコア)Qualcomm Snapdragon MSM8210(1.2GHzデュアルコア)
RAM1Gバイト512Mバイト
ストレージ8Gバイト4Gバイト
外部メモリmicroSD(最大32Gバイト)同左
メインカメラ1300万画素300万画素
インカメラ110万画素不明(なし?)
サイズ165.2×83.8×7.65ミリ118×62.4×12ミリ
重さ172グラム120グラム
バッテリー容量3000mAh1700mAh
ネットワークGSM/UMTS/LTEGSM/UMTS

 いずれも価格や販売地域、販売時期はまだ発表されていない。

 同社は2014 International CESではハイエンドの「Xperia Z1 Compact」を発表した。こちらは2月以降に世界各国で発売する計画だ。

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

GEが100年に渡りイノベーションを生み続けられる秘訣とは

$
0
0
GE

 「世界が今本当に必要としているものを創るのだ」。GEの創業者である発明王トーマス・エジソン(Thomas Edison)の言葉だ。GEはその言葉通り、主要業務分野を変えながらも各分野でイノベーションを生み出し続けてきた。多くの日系企業がイノベーション創出に苦しみ、新たな価値を示せない中、GEではなぜ、継続的に新たな価値を提案し続けることができるのだろうか。

 日系企業と技術連携を目指す「ジャパン・テクノロジー・イニシアチブ」などを運営する、GE グローバルリサーチセンターの日本代表を務める浅倉眞司氏に、GEのイノベーションへのアプローチと現在重視する技術の方向性について話を聞いた。




イマジネーションを生み出すカルチャー

MONOist 多くの企業がイノベーション創出に苦しんでいる中、GEではイノベーションを経営の柱に据え、さまざまな取り組みを通じて、多くの分野でイノベーションを生み出してきました。その根本にはどういう考え方があるのですか。

浅倉氏 GEはブランディングのタグラインとして「imagination at work(イマジネーション・アット・ワーク)」を掲げている。イマジネーションはイノベーションを生み出すのに必要なものだ。そのイマジネーションをいかに生み出すかということを追求するカルチャーがGEの中にはある。

GE グローバルリサーチセンターの日本代表を務める浅倉眞司氏GE グローバルリサーチセンターの日本代表を務める浅倉眞司氏

 イノベーションというと定義がいろいろあるが(関連記事:その製品が売れないのは「良くないから」だ——一橋大学米倉教授)、最終的にはマーケットのニーズにどう応えるかということだ。顧客が今どういうものを欲しがっていて、どういうものを提供すれば、みんなが幸せになるのか。それに対して新たな価値を提供するのが、イノベーションになる。

 イノベーションの話題になると、オープンイノベーションなどがよく語られるが、それらは基本的には顧客のニーズに対してどのようなアプローチを取るかという問題にすぎない。

 顧客に対する価値を最終目的とした場合、そこに至る手法はさまざまなものが存在する。その手法が既に存在している技術で、さらにそれが外部にあるのであれば、オープンイノベーションを採用する、という流れになる。そうでなければ、自社で開発することになるだろう。

 さまざまな技術を自社内で開発するメリットはさまざまなものがあると思うが、GEの研究開発では、基本的に「No Reinventing the Wheel(車輪の再発明をするな)」ということが強く言われている。既に広く使われている技術に新たにリソースを掛けて、あまり変わりがないような再発明を行ったとしても顧客にとっては価値はない。顧客に価値を提供するのにいかに効果的な手法を選択して目的を達成するかということが問われている。顧客への価値提供を中心に考えた場合、「自社内の技術か、他社の技術か」というのは大した違いはないという考え方だ。

      1|2|3|4次のページへ

Copyright© 2014 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

世界では失速するミラーレス──スマホの逆風、カメラメーカーの答えは

$
0
0
REUTERS

 パナソニックをはじめとする日本の中堅カメラメーカー各社は、スマートフォンで「自撮り」(Selfie)を楽しむ世代へのミラーレスカメラの売り込みに苦戦している。ミラーレスカメラが5年前に登場したときには、将来性の高い技術として大いに期待されていた。

 富士フイルムやオリンパスなどの同業他社と同様に、パナソニックはカメラ事業で赤字を出している。高画質の写真を撮れるスマートフォンがコンパクトカメラ市場に食い込んできた結果だ。調査会社IDCによれば、2013年のコンパクトカメラの販売台数は前年比で40%以上減少し、5900万台を下回る見通しという。

 一方、「ローエンドのコンパクトカメラとハイエンドの一眼レフカメラの間に位置する存在」として将来性が期待されていたミラーレスカメラも、画質よりネット接続を重視するユーザーが増加する中で、売れ行きが鈍化している。

 パナソニックは2013年4〜9月期決算でカメラの売上高が40%減少しており、同社のイメージング事業部は厳しい状況に置かれている。パナソニックは中期経営計画において2016年3月期までの赤字事業の解消を目指しており、それがかなわなかった場合には事業撤退の可能性もあるとしている。

 「中長期的にみると、デジタルカメラメーカーの業績は低下しており、市場は寡占化が進んでいる」。クレディ・スイス証券のイメージング担当アナリスト、吉田優氏はそう指摘する。

 IDCによれば、2013年7〜9月期のカメラ市場においてパナソニックのシェアは3.1%と、前年の3.8%よりも縮小している。この市場では、キヤノン、ニコン、ソニーの3社が合わせて60%超のシェアを占めている。

 「強いブランド力と価格競争力を持つ企業だけが生き残る。この基準を満たしているのは、キヤノン、ニコン、ソニーだけだ」と、吉田氏は語る。

 現在、一眼レフカメラ市場はキヤノンとニコンが独占している。ソニーは複数のカメラメーカー向けにセンサーを製造している強みやスマートフォン部門との協業によって、淘汰を回避できそうだ。

ミラーレスの失速

 パナソニック、富士フイルム、オリンパスの各社は、コンパクトカメラを見限り、深海ダイビングなどのニッチ市場にターゲットを据え、より利益幅の大きいミラーレスモデルを投入することで、スマートフォンの脅威をかわそうとしている。

 一眼レフ市場がキヤノンとニコンにほぼ独占される中、同市場から締め出されている中堅カメラメーカーにとっては、ミラーレスカメラが期待の成長分野となった。一眼レフ市場ではソニーが大差で3位に付けており、パナソニックと富士フイルムは一眼レフは作っておらず、オリンパスも2013年に開発を事実上打ち切っている。

 パナソニックの「LUMIX GM」をはじめとするミラーレスカメラは、光学ファインダーに必要となる内部ミラーを搭載せず、電子ファインダーや液晶画面で画像を確認する。そのため、ミラーレスカメラは一眼レフよりも小型化が可能であり、一方では、より大きなセンサーと交換式レンズのおかげで、コンパクトカメラやスマートフォンよりも優れた画質を提供できる。

 「一眼レフは重くてシャッター音もうるさいが、ミラーレスは小さくて静かだ。一眼レフのほうが画質が良いと言う人もいるが、ミラーレスカメラの画質は一眼レフ以上とまでは言わないまでも、同等レベルにまでは向上している」と、富士フイルム光学・電子映像事業部長の田中弘志氏は語る。

 一方、批判的な向きからは「液晶画面は光学ファインダーの鮮明さには決してかなわない」といった指摘や、「スポーツのように高速で動く被写体にはシャッタースピードが遅すぎる」といった声が挙がっている。

      1|2次のページへ

copyright (c) 2014 Thomson Reuters. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はThomson Reutersとの契約の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。

(著作権、商標について)
ロイター・コンテンツは、トムソン・ロイター又はその第三者コンテンツ・プロバイダーの知的財産です。トムソン・ロイターから書面による事前承認を得ることなく、ロイター・コンテンツをコピー、再出版、再配信すること(キャッシング、フレーミング、又はこれらと同等の手段による場合を含む)は明示的に禁止されています。トムソン・ロイターは、コンテンツの誤謬又は遅延、或いはコンテンツに依拠してなされたあらゆる行動に関し一切責任を負いません。 Reuters(ロイター)及びReuters(ロイター)のロゴは、トムソン・ロイター及びその関連会社の商標です。ロイターが提供するその他のメディア・サービスについてお知りになりたい場合は、http://about.reuters.com/media/をご参照ください。

Viewing all 17593 articles
Browse latest View live