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WindowsがUSBメモリに入る「Windows To Go」は使えるか?

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 デスクトップ管理者は、「Windows To Go」を利用すると、これまでとは違ったやり方でエンドユーザーにデスクトップ環境を提供できる。だがその際、注意すべき点が幾つかある。

 米Microsoftは没落してはいないし、近いうちに没落することもないだろう。このところイノベーションといえば米Appleが圧倒的だが、Appleは(設計上)頭からエンタープライズを無視してきた。一方のMicrosoftは、どうすれば働き方を根本的に変えられるかというコンセプトに黙々と取り組み、Windows To Goでそれを実現した。

 私は、Windows to Goがあまり知られていなかった2012年初頭から扱ってきた。その間に学んだのは、Windows to Goは役に立つが、使いこなすには頭を使う必要があるということだ。


タイプラスワン戦略におけるベトナム、職住近接の豊富な労働力はリスクを覆うか

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asean

 製造業にとって役立つASEANの現状を紹介してきた連載「知っておきたいASEAN事情」ですが、第14回から、「タイプラスワン(Thai Plus One)」をテーマに、タイからの移転先として注目を集めているASEAN各国の状況をお伝えしています。

 タイプラスワン戦略とは、ASEANの中心基地であるタイだけで事業を完結させることが人件費高騰や政情不安などでリスクになりつつあるため、タイ以外の拠点を設けようという動きや戦略のことです。今回は過去に「チャイナプラスワン」をテーマに「ベトナムはチャイナプラスワン戦略の選択肢なのか」取り上げたベトナムを、今度は「タイプラスワン」の観点から取り上げます。



中期的に有望な事業展開先1位はインドネシア

 本題に入る前に、ちょっと面白い調査結果を紹介します。2013年7-9月期に、国際協力銀行が日本の製造業企業を対象に実施したアンケートの中から、「中期的(今後3年程度)に有望と考える事業展開先国・地域」(複数回答可)と言う質問に対する回答ベスト10です。

「中期的(今後3年程度)に有望と考える事業展開先国・地域」

順位
有望な事業展開先国・地域
1
インドネシア(44.9%)
2
インド(43.6%)
3
タイ(38.5%)
4
中国(37.5%)
5
ベトナム(30.3%)
6
ブラジル(23.4%)
7
メキシコ(17.2%)
8
ミャンマー(13.1%)
9
ロシア(12.3%)
10
米国(11.1%)
(国際協力銀行調べ)

 その他の東南アジア諸国では、第11位がフィリピン(8%)、第12位にマレーシア(7.6%)、第16位シンガポール(3.9%)、第17位カンボジア(2.5%)、第20位ラオス(1.8%)という結果になっています。

 第1位がインドネシアというのは、ちょっと意外な結果ではないでしょうか。インドネシアが支持された理由、今後の課題を見て行きましょう。

インドネシアが有望とされた理由

  • 今後の現地市場の成長性
  • 安価な労働力
  • 現在の現地市場規模

インドネシアの課題

  • 労働コスト上昇
  • インフラ未整備
  • 法制運用が不透明
  • 他社との厳しい競争
  • 管理職クラスの人材確保が困難
  • 労務問題

 また現在、日系企業の進出が続くタイが、意外と低い順にとどまっています。その理由としては、「労働コストの上昇」「他社との厳しい競争」「管理職クラスの人材確保が困難」「技術系人材の確保が困難」などが課題として挙げられています。

 さて、今回のコラムの主役であるベトナムは第5位というそれなりの結果になっています。プラス材料としては「今後の現地市場成長性」「安価な労働力」「優秀な人材」などがあります。一方マイナス材料としては「インフラ未整備」「法制運用が不透明」「管理職クラスの人材確保が困難」「労働コストの上昇」「他社との厳しい競争」などが挙げられています。

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2014年、進化する家庭用蓄電池とその未来

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和田憲一郎の電動化新時代!

 家庭用蓄電池は、一般家庭にはあまりなじみがなかった商品であるが、東日本大震災の際に非常時の電源として注目された。最近はそれにとどまらず、太陽光発電システム、電気自動車(EV)などとも連携したエネルギーマネジメントの基幹商品として脚光を浴びている。この家庭用蓄電池市場に今何が起きているのか。そして、今後はどのような方向に進むのか。有力企業であるパナソニック、シャープ、ニチコンの3社にヒアリングを行い、2014年に飛躍が期待される家庭用蓄電池の未来像を探った。

2013年度の国内市場規模は約300億円

 まず、パナソニックのエコソリューションズ社で家庭用蓄電池事業を推進しているエナジーシステム事業部 新事業推進センター センター長の磯崎典夫氏に、現況と将来像についてお話を伺った。

和田憲一郎氏(以下、和田氏) 家庭用蓄電池の市場動向と、その使われ方について教えてほしい。

磯崎氏 業界全体では2013年度の家庭用蓄電池販売額として、移動型、定置型(据え付け型)含めて当社の想定で300億円程度とみている。定置型リチウムイオン蓄電池への補助金政策(現在は終了)の効果もあり前年度と比べても大きく拡大したと考える。

 家庭用蓄電池は、移動型と定置型という2つのタイプに分けられる。パナソニックが販売しているのはほとんどが定置型だ(家電ルート販売分を除く)。それぞれ購入動機が異なり、移動型は3・11の東日本大震災をはじめ災害で困った経験がある方などが、万が一のことを考えてお買い求めいただいているようだ。一方、定置型は、住宅と一緒に購入される方や、太陽光発電システムを導入するのに併せて購入したいと考えているお客さまが多い。

 お客さまの反応から得られた感触としては、移動型は災害の際に役に立つことを想定しているためか、日常で役に立つという実感はやや薄いように思える。それに対して定置型は、安価な深夜電力を充電し、蓄えた電力を最も電力需要が高まる夕刻に使用するなど、経済性を考慮した使い方も可能になっている。そういった部分が、お客さまから高い評価を得られている理由だと考えている。

パナソニックのリチウムイオン蓄電池ユニット(容量4.65kWh)パナソニックのリチウムイオン蓄電池ユニット(容量4.65kWh) 出典:パナソニック

和田氏 家庭用蓄電池の電池容量は将来どう変化していくのか。

磯崎氏 現在市場では、電池容量5k〜7kWh程度が主流となっているが、パナソニックでは住宅用としては4.65kWhの製品を販売している。これは電池容量が大きくすると価格が高くなることや、サイズ、実際の使い方などとのバランスを考えて設定したものだ。万が一の災害が発生した場合に、少なくとも、照明類、エアコン、テレビ、さらには冷蔵庫などをリビングルーム内で利用できるようにすることを想定して設定した容量にもなっている。

 小型・軽量化を図っているので、電池ユニットの奥行きの薄さ(15.6cm)などが評価されている。最近の住宅は、宅内には設備や家具などいろいろ設置するものがあるため、省スペースであることはとても大切な要件だ。

和田氏 家庭用蓄電池の電池特性はどのように進化していくのか。

磯崎氏 今後重要とされる要素としては容量の他に電池寿命がある。パナソニックでは、使用開始から約10年が経過した後の容量として、初期の60%以上が最低でも残るよう設計している。基本的には1日1回、充放電を繰り返すことを前提としての寿命である。ただし、使い方がいろいろあると思われるので、10年間の製品保証は行っていない。とはいえ、今後は住宅も長期保証が必要になるし、太陽光発電システムも10年保証を行っているので、家庭用蓄電池も同じ電設・資材関係と考えれば、より長期の保証が必要になる流れが出てくるのではないかと考えている。

 電池セルは18650タイプ(サイズが直径18mm×長さ65mm)を使用している。EVメーカーのTesla Motorsに供給しているような車載グレードとは異なる特性の品種を使用している。住宅用として、コストや寿命、容量維持特性など総合的にバランスの取れたものになっている。もちろん、安全性(発火・発煙など)についてはさまざまな評価を行い、住環境への設置にも十分配慮している。

和田氏 EVと住宅をつなぐV2H(Vehicle to Home)機器との関係はどうか。

磯崎氏 V2Hと家庭用定置型蓄電池は両立するものだと考えている。おそらく、お客さまが生活スタイルに合わせて選択するようになるのではなかろうか。ただし、V2H機器はまだ最終規格が固まっておらず、本格的な普及は2014年以降になると思われる。

 将来、太陽光発電システム、家庭用蓄電池、そしてV2Hなど複数の電源供給機器が普及してくると、それら全体を最適にコントロールする必要があろう。つまり家全体のエネルギーマネジメントが必要となってくる。

和田氏 将来の家庭用蓄電池が目指すべき姿や課題についてどのように考えるか。

磯崎氏 まずは普及に向けた価格低減の実現だ。先般も移動型の製品で容量が5kWhの蓄電システムを90万円で発売したが、今後需要の裾野を拡大するには価格についても配慮が必要となるだろう。

 また用途拡大も重要。現在はバックアップ電源としての色合いが強い。しかし、将来を考えるとエネルギー平準化のためのバッファとしての役割が広がってくるのではないだろうか。

 家庭用蓄電池が広く導入されて、規模が1万戸、2万戸のレベルに達すると、群としての電池を上手く活用することも視野に入ってくる。その際には、効果的に電力ピークを抑えたり、デマンドレスポンスを活用しながら、街全体のエネルギーバランスをとったりすることができる。

 国内の家庭用蓄電池市場はまだ立ち上がったばかりだ。しかし、今後もますます可能性が広がってくるものと考えている。

パナソニックの磯崎典夫氏パナソニックの磯崎典夫氏
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ハイブリッド総合書店「honto」を徹底解剖する

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hontohonto

 紙の本は、購入してしまえば「どの書店で買ったか?」が大きな違いになることはありません。しかし、電子書籍は「どの書店で買ったか?」で、その後の体験が大きく異なります。それは、音楽・映像・ゲームなどの配信サービスと同じように、電子書店がただ単に読み物をパッケージとして販売しているだけではなく、購入後の読書環境や保管に至るまでの総合的な「サービス」を提供しているからです。

 国内でサービスを展開している電子書店はいくつもあり、まさに群雄割拠の様を呈しています。まだ「どこを利用すればいいのだろう?」と悩んでいる方も多いでしょう。どの電子書店もユーザーの満足度向上のためサービス内容を進化させ続けており、2012年度版の「電子書店完全ガイド」特集も既にやや古い内容となりつつあります。

 そこで今回、「電子書店完全ガイド2013」と銘打ち、進化の著しい電子書店をレビューし直すことにしました。これまで通り以下の5つの要素に基づき、前回のレビューとの違いを中心に徹底解説していきます。

 各項目について、3点を平均とし、いい所があれば加点、悪い所があれば減点という形で評点します。記事の最後で、評点結果をチャートグラフにしたものを用意しています。前回の評点と比較できる形で表示していますので、そちらも参考にしてください。

 なお、どの電子書店も以前と比べてサービスレベルが向上しているため、前回は加点した項目でも今回は通常レベルのサービスとみなして加点しない場合もあります。全体のレベル向上により、相対的に評点が前回より下がる場合もあることをあらかじめご了承ください。

 2013年度版の第6回目は、ハイブリッド総合書店「honto」をレビューします。前回のレビュー(2012年9月6日)はこちらです。

ラインアップは充実しているか?

 「honto電子書籍ストア」には、総ラインアップ数を表示する方法がありません。そこで前回と同様、検索メニューの[出版社名で探す]から全出版社の[シリーズ単位]と[商品単位]の数字を手作業でカウントしました。アダルト認証後の検索結果で、シリーズ数が9万7133点、商品数が31万8827点、出版社数は876件です(2013年12月17日時点)。

 前回の調査(2012年8月5日)から、シリーズ数が4万168点、商品数が11万6969点、出版社数が305社増加しています。ほかの電子書店と比べると、出版社数がかなり多く、シリーズ数に比して商品数が多いです。これは前回のレビューでも触れたように、いわゆる「ケータイ小説・コミック」が1話1巻数十円というスタイルで配信されていることが要因の1つです。最近になって、全話を1巻にまとめた「完全版」も別途配信されるようになりました。

 ただ、講談社、小学館、集英社といった大手出版社の配信数をほかの電子書店と比べても、ほとんど差はありません。また、シリーズ数100点以下の出版社が715社、商品数100点以下の出版社が621社あることから、小規模出版社の作品もかなりの数を網羅していることが分かります。国内電子書店では配信数トップクラス(☆+0.5)なのは間違いありません。


[出版社名で探す]のメニューから1社づつ目視で確認をした[出版社名で探す]のメニューから1社づつ目視で確認をした
検索結果が1万点を超えた場合は、価格帯別の数字を合計した検索結果が1万点を超えた場合は、価格帯別の数字を合計した

 次に、ジャンル別の数字です。アダルト認証後の検索結果を、前回の数値と比較しました。なお、honto電子書籍ストアの登録書籍には複数のカテゴリが登録されている場合があるので、縦に合計しても総ラインアップ数にはなりません。

シリーズ数

ジャンル2012年8月7日時点2013年12月20日時点増加数
小説・文学9953196339680
文庫5115125677452
新書・選書・ブックレット112047233603
コミック9763152145451
エッセイ・自伝・ノンフィクション410578013696
暮らし・実用225547322477
経済・ビジネス263860783440
社会・時事・政治・行政96428571893
コンピュータ・IT・情報科学399869470
旅行・地図1841012828
芸術・アート3251096771
エンタメ・テレビ・タレント113131201989
趣味・ホビー12381732494
ゲーム・アニメ・サブカルチャー589712123
スポーツ273711438
児童書・絵本174860686
写真集94920191070
哲学・思想・宗教・心理59619461350
歴史・地理・民俗51419111397
法学・法律66272206
自然科学・環境243947704
技術・工学・農学58817759
医学・福祉277494217
資格・検定・就職64323259
教育・学習参考書197903706
言語・語学・辞典3611068707
本・読書・出版・全集26188162
ラブロマンス17870239176047
ボーイズラブ917110119948
アダルト316249611799
雑誌6321392760

商品数

ジャンル2012年8月7日時点2013年12月20日時点増加数
小説・文学188063317914373
文庫93022178812486
新書・選書・ブックレット154757004153
コミック517838400332220
エッセイ・自伝・ノンフィクション497789423965
暮らし・実用346658812415
経済・ビジネス288163593478
社会・時事・政治・行政100429951991
コンピュータ・IT・情報科学4671015548
旅行・地図2701089819
芸術・アート44117311290
エンタメ・テレビ・タレント133244813149
趣味・ホビー21812176-5
ゲーム・アニメ・サブカルチャー10711565494
スポーツ575814239
児童書・絵本2871077790
写真集105622571201
哲学・思想・宗教・心理65121131462
歴史・地理・民俗63622071571
法学・法律83278195
自然科学・環境257996739
技術・工学・農学58859801
医学・福祉340587247
資格・検定・就職92349257
教育・学習参考書246943697
言語・語学・辞典6731427754
本・読書・出版・全集34200166
ラブロマンス618699587834009
ボーイズラブ523486410811760
アダルト12159204598300
雑誌281267113899

 [コミック][ラブロマンス]の増加が著しく、[小説・文学][文庫][ボーイズラブ][アダルト]の伸びも目立ちます。

評点:☆3.5

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Amazonが4Kテレビ普及に取り組む狙い SamsungやWarnerらと提携

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REUTERS

 米Amazon.comは韓国Samsung Electronicsのほか、米Warner BrosやLionsgateなどのメディア大手と提携し、超高精細の「4K」テレビの普及促進に共同で取り組む計画だ。

 Amazonは「Instant Video」サービスで何千種類もの映画やテレビ番組を配信し、オンライン動画サービス大手のNetflixと競合している。Amazonは1月6日の発表では、各社との提携の詳細については明らかにしていない。

 Samsungを始めとする家電各社が期待しているのは、4Kテレビの普及が進み、売り上げ回復につながることだ。4Kテレビは、従来のハイビジョンテレビの4倍の解像度を持つことから、こうした呼び方をされている。

 ラスベガスで開催中の「Consumer Electronics Show」(CES)では、Samsungも別個に声明を発表し、4Kテレビの販売促進でNetflixの他、ケーブルテレビ大手Comcastや衛星テレビ大手DirecTVなどのコンテンツディストリビューターと提携すると発表している。

 Amazonがデジタルメディアに積極的に投資している背景には、消費者のテレビ離れが進み、オンデマンドコンテンツを好むユーザーがますます増えていることから、デジタルコンテンツでトラフィックを呼び込み、新たな売り上げにつなげたいとの狙いがある。

 4Kテレビは、パネル価格の高さや対応コンテンツの不足もあり、普及に時間がかかっている。ハイビジョンテレビも、価格が下がり、対応コンテンツが豊富にそろうまでは普及が進まず、メインストリームになるには何年もかかった。

 Netflixは人気の政治サスペンスドラマ「House of Cards」のシーズン2を既に4Kで撮影しており、4Kで放送する予定という。4K対応の初めてのメジャーなテレビシリーズの1つとなる。

 Amazonのデジタル映画および音楽担当副社長、ビル・カー氏は声明で次のように語っている。「ユーザーにとって真の4K体験を生み出すためには、われわれが共同で取り組むべき要素が数多くある」

 「優れたコンテンツや互換性のあるデバイスだけでなく、美しく再生できるような方法でコンテンツをデバイスに配信するサービスも必要だ」と、同氏は続ける。

 6日の発表において、Amazonは提携相手となるメディア企業として、20th Century FoxとDiscoveryの名も挙げた。さらにAmazonは、2014年に予定しているオリジナルコンテンツをすべて4K画質で撮影する計画であることも明らかにしている。

copyright (c) 2014 Thomson Reuters. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はThomson Reutersとの契約の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。

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世界PC出荷台数、2013年は史上最悪の減少率──Gartner調べ

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 世界における2013年第4四半期(10〜12月)のPC出荷台数は前年同期比6.9%減の8260万台で、7期連続の減少になった──。米調査会社Gartnerがこのような調査結果(予測値)を発表した。

 2013年通年の出荷台数は前年比10%減の3億1590万台と2009年と同レベルで、減少率はPC史上最悪という。

 Gartnerの主席アナリスト、北川美佳子氏は「第4四半期もPC出荷は減少を続けたが、米国など(の先進国市場)では底に達したとみている。(中略)新興国市場では消費者にとっての初めてのネットワーク接続端末はスマートフォンであり、初めてのコンピューティング端末はタブレットであることが多い。新興市場ではPCをスキップしてタブレットを受け入れることになるため、PCの普及は遅くなる」と語った。

 2013年第4四半期の出荷台数をメーカー別にみると、1〜5位は前期と変わらず、中国Lenovo、米Hewlett-Packard(HP)、米Dell、台湾Acer、台湾ASUSTeK Computerの順だった。

 5社の中で前年同期よりシェアを伸ばしたのも出荷台数を増やしたのもLenovoとDellのみ。AerとASUSは前年同期より100万台以上減少している。Gartnerは、これは両社がタブレットへのフォーカスを強めている戦略を示すものであり、PCは依然戦略的製品ではあるが、PC市場でのシェア拡大は両社にとってもはや優先順位が低くなっていると分析する。

2013年第4四半期世界PCシェアランキング
順位メーカー4Q13出荷台数4Q13市場シェア(%)4Q12出荷台数4Q12市場シェア(%)出荷台数伸び率(%)
1Lenovo14,932,40818.114,005,09315.86.6
2HP13,592,60016.414,642,58116.5-7.2
3Dell9,773,82111.89,205,89210.46.2
4Acer Group6,474,7387.87,703,7528.7-16.0
5ASUS5,399,0006.56,661,4837.5-19.0
その他32,461,04439.336,509,12341.1-11.1
合計82,633,610100.088,727,923100.0-6.9
(デスクトップPC、ノートPC、Ultrabookを含むが、タブレットは除く。 資料:Gartner)

2012年通年の世界PCシェアランキング
順位メーカー2013年出荷台数2013年市場シェア(%)2012年出荷台数2012年市場シェア(%)出荷台数伸び率(%)
1Lenovo53,272,52216.952,187,65314.92.1
2HP51,252,22916.256,505,75716.1-9.3
3Dell36,788,28511.637,611,24710.7-2.2
4Acer Group25,689,4968.135,745,40110.2-28.1
5ASUS20,030,8376.324,339,9516.9-17.7
その他128,934,14740.8144,669,68941.2-10.9
合計315,967,516100.0351,059,698100.0-10.0
(デスクトップPC、ノートPC、Ultrabookを含むが、タブレットは除く。 資料:Gartner)

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4K液晶ノート、低価格なChromebook、謎の“5in1”PCなど──東芝の意気込みはPC分野にも

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CES東芝ブース、4KはPC分野にも

2014 International CESの東芝ブース2014 International CESの東芝ブース

 米国・ラスベガスで開催されている展示会「2014 International CES」で、東芝は近未来のプロダクトを集めた「Future Zone」と、米国向けの新製品が並ぶ「Current Zone」に分けられたブースを出展。「Current Zone」には、2013年から登場がうわさされていたGoogleのChrome OSを搭載するChromebookも初お目見えした。

 国内メーカーとしては初となる東芝製のChromebookは、13.3型の1366×768ドット表示ディスプレイを搭載した、一般的なクラムシェルスタイルのノートPC。CPUには開発コード名:Haswell世代のCeleronを採用。2Gバイトのメインメモリに16GバイトのSSDを備え、バッテリー駆動時間は9時間となっている。北米より2014年2月16日に発売が予定され、価格は279USドル(日本円換算約2万92673円 2014年1月10日時点)となかなか低価格。価格には、クラウドストレージサービスであるGoogleドライブ100Gバイト分を2年間無料で利用できる権利が含まれている。


東芝製のChromebook東芝製のChromebook東芝製のChromebookブースの外からも目立つよう展示された東芝のChromebook展示コーナー。多くの人たちが足を止めていた(写真=左) ディスプレイは1366×768ドット表示の13.3型ワイド。上部にはHD画質のWebカメラも備える。キーボードの配列は一般的なWindowsノートとは少し異なり、ファンクションキーを省いたGoogleの仕様に基づくものになっている(写真=中央) 天面パネルはサラリとした質感のメッシュ塗装がされていて、ほどよいグリップ感がある。左サイドに「Chrome」のロゴと東芝のロゴが配置されている(写真=右)

 Chrome OSはすべてのアプリがブラウザ上で機能し、ユーザーはGoogleアカウントでログインすることで、クラウド上に保管されている自分のデスクトップ環境を即座に呼び出せる。OSのアップデートなどもすべて自動化される仕組みのため、管理もこれまでのPCより容易に行える点も“使えればよい、あまり機器にはこだわらない層”へのポイントだ。

 そして安価な価格設定に加えて、共用端末などとしても扱いやすいため、特に米国では教育の現場などでChromebookの需要が高まっている。東芝もまずは教育市場へ、さらにGoogle Appsを利用する法人ユーザーに向けて、Chromebookを展開したい考えだ。ただ、日本での展開については現時点、未定である。

photophotophoto本体左側面にDC入力、SDメモリーカードスロット(標準サイズ)、右側面ンにHDMI出力(標準サイズ)、USB 3.0×2、ヘッドフォン端子がある。無線通信機能はIEEE 802.11a/b/g/n無線LANとBluetooth 4.0を搭載する(写真=左、中央) プリインストールアプリは、Chrome OSの仕様に沿ったGoogle提供のもののみが入っている。ひとまずこのモデルにはWindowsノートPCのように、メーカー独自のアプリや機能は搭載されないという

プロ、コンシューマーの両面からアプローチする“4K”ノートPC

 Chromebookと並び「Current Zone」に大きく展示されていたのが、CES開幕前の同社プレスカンファレンスでも披露された、4Kディスプレイを搭載したノートPC 2機種だ。

 「4K出力対応」とするPCはこれまでにも存在し、東芝も2013年秋冬モデルですでにプッシュしていた。ただ、こちらはあくまで出力できる性能を持っているだけで、4Kコンテンツを表示するには別途4K表示対応の大画面テレビ/ディスプレイが必要だった。対して、“4K”ノートPCはその名の通り4K表示対応ディスプレイを“搭載”した製品である。東芝によるとおそらく世界初という。

東芝の4KノートPC東芝の4KノートPC「Satellite P50」をベースにした個人向けの15.5型4Kディスプレイ搭載ノートPC。写真はもちろん、新聞データなどの細かい文字もくっきり視認できる。「Split Screen」機能により、サムネイル表示の小さなウインドウ内で拡大/縮小表示が可能に。解像度が高いため、マルチタスク/マルチウインドウ操作がこれまで以上に快適な環境になるのも4Kならではの魅力だろう

 展示されていたのは米国市場向けモデルの「Satellite P50」と「Tecra W50」をベースにしたノートPCで、前者がコンシューマー向け、後者がプロフェッショナル向け4Kモバイルワークステーションという位置付けだ。

 コンシューマー向け4KノートPCとしては、すでに一部で配信がはじまっている4K動画コンテンツの視聴はもちろん、高解像度写真を実サイズ/実解像度に近い環境で扱いたいハイクラス志向のユーザーに向けて訴求する。解像度の高さを生かし、画面右端に作業中ウィンドウのサムネイルを並べて表示し、さらにそのサムネイルの中でピンチ操作による拡大/縮小などの操作を可能とする独自の高解像度ディスプレイ対応サブUI「Split Screen」も用意する。

 一方の4Kモバイルワークステーションは、3D CADなどプロフェッショナル業務での作業環境を求める層向け。GPUにNVIDIA Quadroシリーズを内蔵し、4Kクラスの高解像度でもストレスが少ない描画速度を実現する。いずれも2014年半ばをめどに市場に投入される予定だ。

photophotoQuadro K2100M搭載の「Tecra W50」に、4Kディスプレイを搭載。3D CAD/CAM環境を扱うクリエイターやエンジニアなど、プロフェッショナルをターゲットに据える(写真=左) 現行モデルの「Qosmio X75」を使用し、4K映像を出力するデモも展示されていた(写真=右)
photo100USドルを切る価格帯も想定される、新興国向けエントリーモデルのAndroid4.2搭載7型タブレット。2014年前半を目標に市場投入予定。日本での発売についても検討中とのこと

 「Current Zone」には、このほかに日本未発売の13.3型の2in1マシン「Satellite Click」、日本でも2013年後半にリリースされたWindows8.1搭載8型タブレット「Encore 8」(日本製品名は「dynabook Tab VT484」)、同じく2in1 Ultrabook「Portege Z10t」(日本製品名は「dynabook V714」)なども展示。また、Androidタブレット「Excite」シリーズ(日本製品名は「REGZA Tablet」)は、2013年にリリースされた7型エントリーモデル「Excite 7」(日本製品名は「REGZA Tablet AT374」)を、さらに新興国市場向けに低価格化したモデルや、デジタイザペンによる手書き入力機能を備えた10.1型の「Excite Write」も展示されていた。

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ニコンブースで「D4S」を見た

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 ニコンは、米国で開催中のInternational CES 2014の会場で、国内でも開発が発表されたデジタル一眼レフカメラ「D4S」のモックアップをケース内で展示している。あくまで参考出品の段階で、詳細については一切明らかにされなかった。

photoニコン「D4S」

 ニコンの発表ではフラッグシップモデルとして位置づけられており、内容については「新画像処理エンジンの搭載によってさらなる高画質化、AF性能の向上などを実現」としている。ただし、ブースの説明員に聞いてもなにも教えてはもらえず、発売時期などについても「今年かどうかも答えられない」ということだった。

photoD4Sの背面
photophoto側面
photo上部

 詳細はまったくの不明といってよい状態だが、今後、2月には日本で「CP+」、9月にはドイツ・ケルン「Photokina」と大きなカメライベントが控えており、そのいずれかにあわせて詳細が明らかになる可能性がある。

photoInternational CESのニコンブース

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徹底レビュー:iPadに真っ向勝負「Galaxy Note 10.1(2014 Edition)」の本気

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iPad | タブレット | 比較 | Apple | 教育 | Google | Surface


 韓国Samsungの「Galaxy Note」ラインは、常に同社の最もハイエンドなハードウェア製品の一角を占めてきた。しかし、「Galaxy Note 10.1」は最新モデルの「2014 Edition」(日本は未発売)で、業界でも最先端のスペックの数々を装備した。タブレットとしては最高の解像度のディスプレー(iPadをも上回る)、強力な8プロセッサコア、拡張可能なストレージなど、多くの特徴を持つ。もちろん、Samsung独自のスタイラス「Sペン」に加え、豊富なアプリやオプションも用意されている。

 しかもSamsungは、2013年末までにこの第2世代Note 10.1を購入した人に、特典を山ほど提供している。

  • Samsungのコンテンツストア「Hub」で使える50ドル分のクーポン
  • 「Google Play」で何にでも使える25ドル分のクーポン
  • 50Gバイトの容量を丸2年間無料で利用できるDropboxアカウント(100ドル相当)
  • 「Audible」からオーディオブック3冊を無料で入手可能
  • Wi-Fiホットスポットサービス「Boingo」の1年間無料アクセス
  • 有料動画配信サービス「Hulu Plus」の利用料が3カ月間無料

 などといった具合だ。恐らくほとんどの人はこれらの特典を半分も使わないだろう。しかし、Samsungが顧客に新タブレットの便利さを満喫してもらおうと考えているのは明らかだ。間違いなくNote 10.1(2014)は最高のハイエンドタブレットの座を目指し、iPadに真っ向から対抗している。この目的のために用意されたスペックと機能のおかげで、新Note 10.1が本当に勝利を収める可能性もあるかもしれない。

仕上がりとデザイン

 Note 10.1(2014)のカラーはホワイトとブラックの2色。米TechTargetではホワイトモデルを入手した。前面はSamsungデバイスの典型的なデザインが踏襲されている。ホワイト(ブラックモデルではブラック)のベゼルがディスプレーを囲み、横向きで下部のベゼルの中央に物理ホームキー、その左右にタッチセンサーによるメニューキーとバックキーが配置されている。

ik_tt_note01.jpg

 Samsungデバイスでは最近、光沢のあるプラスチックの背面が採用される傾向があるが、それを歓迎していない人(私もそうだが)にとって、新Note 10.1はうれしい驚きだろう。背面はプラスチック製だが、レザー調のテクスチャが施され、縁にはステッチが入っている。安っぽく感じる人もいるかもしれないが、私にはとても好ましく見える。さらに重要なことに持ち心地が良い。滑りにくいだけでなく、指紋が付かないため汚れを心配する必要がない。また、上下左右の面にはプラスチックにアルミ風の塗装がなされているが(正直なところ、この工夫は余計だった)、目立ちすぎではない。

 全体的にNote 10.1(2014)のデザインは堅実だ。質感が素晴らしく、見栄えも良く、デザイン上の判断の大部分は的確だ。ただし、キーに関してはいただけない(詳しくは後述)。背面はSamsungの他機種に見られるような光沢のあるプラスチック製で見た目が安っぽいものとは一線を画している。また、この新タブレットでは覆われていてほしい場所は全て覆われている。非常に出来の良いハードウェアといえる。

ディスプレー

 Note 10.1(2014)のディスプレーはまさに驚異的だ。解像度は2560×1600と極めて高く、フルHD規格(1920×1080としか定義されていない)をはるかに超える。DPI(画素密度)も、人間の目が識別できる限界である300近くに達する。実際、解像度も画素密度もAppleのiPad AirのRetinaディスプレーを大きく上回っている(DPIは新Note 10.1が299ppi、iPad Airが264ppi)。

ワークショップコレクションで、社会貢献だからこその本気を見る

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 「ワークショップコレクション9」。2013年3月9〜10日の2日間、100以上のものコンテンツ創作やモノづくり、実験を体験できる「ワークショップコレクション9」が慶應義塾大学日吉キャンパスで開催された。2日間の参加者数はおよそ10万人。年前、第1回の参加者は500人だったが、毎年、倍々に成長し、ついに第9回にして10万人到達だ。もはや世界最大規模の子ども創作イベントと言ってよいだろう。

mhux_workshopcoll.jpgワークショップコレクション9のWebサイト。会場風景

 ワークショップは皆「創作」系のものだ。「作ってみよう」「表してみよう」と、ねんど細工、毛玉工作、空間演出、音楽作り、芝居で自分表現をする。

 もちろん、デジタル系の活動も豊富だ。アニメ作り、ゲーム作り、ロボット作り……。ソーシャルゲームビジネスでは、ライバル関係にあるGREEとDeNAが仲よく並んでブースを出していたり、私が事務局長を務めるソーシャルゲーム協会が啓発活動で初参加していたりするのもトピックであった。

 その他、ワークショップ全てを紹介したいところだが、ひとまず、スペシャル枠で提供してもらったものを挙げておこう。

よしもとキッズ CANVAS×吉本興業 PaPaPark

「有名パパ芸人といっしょに『でんとうを感じる』ワークショップを体験しよう!」

 われらが「CANVAS」と吉本興業「PaPaPark!」が展開する「『おもしろかし子』プロジェクト」のプロデュースによるスペシャルワークショップだ。人気パパ芸人と一緒に子どもたちが日本の「でんとう」を感じる3種のワークショップツアーに出かける。

tap*rapへんしん コマドリアニメーション 季里

「大人気のデジタルえほんアプリにちなんだアニメーションをつくろう!」

 こちらも我らが「デジタルえほん社」とDNPの企画だ。2012年度グッドデザイン賞&キッズデザイン賞をダブル受賞した、デジタルえほん「tap*rapへんしん」を楽しむアニメ制作ワークショップである。

アニメーション映画 美術監督 山本二三

「巨匠といっしょにチャレンジ!あなたはどんな雲をえがく?」

 「天空の城ラピュタ」「もののけ姫」「時をかける少女」などの美術監督として背景画を手掛けた山本二三さんによるワークショップだ。う〜ん、ぜいたく。

えほん作家 きむらゆういち

「あなたのステキなアイデアで『しかけえほん』をつくろう!」

 「あらしのよるに」「あかちゃんのあそびえほん」など500冊以上の有名絵本を生み出した、絵本作家きむらゆういちさんによるワークショップ。私が受けたいよ。

 当日は創作ワークショップを表彰するアワードも行われた。審査員は、日本テレビのプロデューサーである土屋敏男さん、面白法人カヤックのCEOである柳沢大輔さん、ビジュアルプロデューサーとして活動する季里さん、CANVASの石戸理事長と、私だ。

 最優秀賞に輝いたのは、グロ☆スタ/協力JAXA「宇宙服で英語の夢を乗せた傘袋ロケットをつくろう!」だ。

 JAXA協力の下、英語で宇宙について学ぶとともに、英語で夢を書き、夢を貼った傘袋でロケットを制作して、飛ばすことのできるイベントだ。

 英語を目的として学ぶのではなく、英語を通じて子供の興味のあることを学んでほしいというのがコンセプトの1つにある。

 傘袋でロケットを作る。飛ばす。デジタルのアプリで学ぶ。宇宙服を着る。アナログとデジタルをうまくミックスしたワークショップ——。宇宙ブームだしねぇ、ハマるよね。

 私は、次の2点を推した。コメントをメモしておく。

TBSテレビ&ラジオ「アナウンサーになってニュースを伝えてみよう!」(優秀賞)

 教室が特設スタジオになった。アナウンサーになりきってテレビカメラに向かってニュースを読んでもらう、というものだ。アナウンサーの気分を味わうだけでなく、テレビの番組がどんな具合に作られているのかも体感できる。

 子どもが座るアナウンス席には、テレビでおなじみであるプロのアナウンサーも座り、一緒に番組を進行する。カメラ、照明、画面をスイッチングするディレクター、「カンペ」を出すフロアディレクターなど、皆プロフェッショナルが脇を固めるのだ。

 ぜいたく〜!!

 テレビ局が、その本業を、本職の方々によって、子どもたちに伝える。これぞ社会貢献のモデルだと思う。

 アナウンサーだけじゃなくて、カメラや照明やディレクターの仕事なども体験できるような常設のスタジオが欲しいなぁ、なんて、もっとぜいたくなことを考えてしまった。


サントリー美術館「日本美術を体験・体感・発見!おもしろびじゅつ教室」(来場者投票賞)

江戸の焼き物?「鍋島」?

 子どもから見ると、古くさくて難しそうな題材。ところが、間近で見てみると、その色づかいもデザインも、圧倒的にキレイでカッコいい。

 それを基に、タブレットで自分の皿をポップにデザインする。そして大型スクリーンに展示して、みんなで鑑賞する。さらに、プリントアウトして持ち帰り。

 古美術とポップ。参加と鑑賞。個人とみんな。アナログとデジタル。

 抜群です。恐れ入りました。

 私は昨年、サントリー美術館を訪れ、この参加・体験型展示に心を揺さぶられたのだが、そのしつらえをワークショップとして教室に移設してくれたことに加え、プリントアウト土産という工夫も加えられたご努力に敬意を表します。


 どうだろう。

 お祭り騒ぎで、高揚感にあふれ、創造的で、クオリティが高く、愛情にあふれる、そんなイベントの雰囲気が少しでも伝わっただろうか。いやあ、ムリだろうな。たとえぼくに100倍の文章力があったとしても。

 ぜひ次回、足をお運びいただき、現場をご覧あれ。

waso.jpg

中村伊知哉(なかむら・いちや)

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。

京都大学経済学部卒業。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。

デジタル教科書教材協議会副会長、 デジタルサイネージコンソーシアム理事長、NPO法人CANVAS副理事長、融合研究所代表理事などを兼務。内閣官房知的財産戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省などの委員を務める。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策などを担当。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長を経て現職。

著書に『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ、共著)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、共著)、『デジタルサイネージ革命』(朝日新聞出版、共著)、『通信と放送の融合のこれから』(翔泳社)、『デジタルのおもちゃ箱』(NTT出版)など。

twitter @ichiyanakamura http://www.ichiya.org/jpn/


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TechTargetジャパン

曲面有機ELの巨大ディスプレイがお出迎え、B to Bを意識した4K展示が充実したパナソニック

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 比較的各社目玉となる製品展示の少ない印象を受ける今年のCES 2014だが、テレビ製品を扱う家電メーカー各社はどこも4Kをテーマとした展示が目立った。パナソニックもその例外ではないが、プラズマパネル生産からの撤退などコンシューマー製品での戦略が大きく変化した事情もあってか、企業向け(B to B)に関する展示が中心となっていた。4KとB to Bへの注力というメッセージは、CES開催前日に行われたプレスカンファレンスでも顕著で、大きな転換点に入ったという印象を受けた。

ts_cpana01.jpgts_cpana02.jpgパナソニックのブース。4Kを中心とした展示となっている。会場内でも「UHD」ではなく「4K」の名称でのテーマ展示が多い

 パナソニックブース正面に入って最初に目につくのは、4K関連製品をすべて陳列展示した入り口のオブジェクトだ。興味深いのは、昨年のCESやIFAでは「4K」ではなく、メーカー各社ともに欧米での表記である「UHD」(Ultra High Definition)というキーワードが多かったと記憶しているのだが、今年はUHDという表記は比較的目立たなくなり、このパナソニックブースのように「4K」表記でほぼ統一されているような状態だ。

 この傾向は他社のブースにもみられ、UHDではなく4Kがメジャーなキーワードとして一般化されたという感じだ。ただし展示内容についてはあまり目新しいものはなく、秒間60フレーム描画でのゲームプレイや改良された「Life+ Screen」というスマートテレビ機能の展示、カメラ製品など、過去1年間に発表された技術の延長といえるものだ。

ts_cpana03.jpgts_cpana04.jpgテレビ放送以外のコンテンツも含めたテレビの新しい活用方法を模索する「Life+ Screen」展示。なお、これらユーザーインタフェースはFirefox OSベースではない従来の実装の延長(左)。4Kプロジェクターとその体験ルーム(右)

ts_cpana05.jpgts_cpana06.jpg「Studio Master Color」と「4K Pure Direct」の解説。色成分の調整により、本来の液晶パネルが持つ色味を生かすような形で色再現が行われる。例えば、赤い映像はより純粋な形で他の色が混ざることなく赤味が再現されることになる

Mozillaとの提携はスタート地点?

 Mozillaとの提携によるスマートテレビ製品へのFirefox OS採用だが、今回の展示ではいっさい使用されておらず、従来のプラットフォームをそのままだ。説明によれば、現段階ではMozillaとの提携を発表したのみの状態で、Firefox OSの実装については今後協議を進めていくという。

 提携の背景としては、パナソニックとして新しい方向性を模索する必要があったこと、スマートフォーンでの実装実績はあるものの(ZTEの製品が欧州で発売済み)、Mozillaはテレビ関連のノウハウは持っておらず、パナソニックとの相互補完が期待できるという両社の思惑があるようだ。また今後はユーザーインタフェースやアプリケーションの実装においてHTML5が主要な位置を占めると予想されており、そのあたりもFirefox OSの選択の理由になったようだ。

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ZTEの“IGZO”モデル「ZTE nubia 5s」の実力をブースで知る

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グローバル展開を想定したハイエンドモデル「ZTE GRAND SII LTE」

 ZTEは、2014 CESにあわせて発表した「ZTE GRAND SII LTE」とその中国限定モデル「ZTE Geek II」、そして、シャープのIGZOパネルを採用した「ZTE nubia 5S」「ZTE nubia 5S mini」などの新製品を多数発表した。その実機をZTEブースでチェックしてみた。

 「ZTE GRAND SII LTE」は、サイズが5.5インチで解像度が1080×1920ピクセルのフルHDに対応する液晶ディスプレイを搭載するハイエンドモデルだ。OSは、Android 4.3を導入。通信方式は、FDD LTEとTD LTE、そして、W-CDMAとGSMに対応する。本体サイズは77(幅)×157(高さ)×9(厚さ)ミリで重さは150グラム。このサイズと重さのボディに容量3000mAhのバッテリーを組み込んでいる。

 モバイルプロセッサーはクアッドコアのSnapdragon 800シリーズ(動作クロックは最大2.3GHz)を採用し、システムメモリとして使うRAMの容量は2Gバイト、ストレージとして使うフラッシュROMの容量は16Gバイトを確保する。また、有効1300万画素のメインカメラと有効200万画素のインカメラを内蔵する。

kn_ceszte_01.jpgkn_ceszte_02.jpg5.5インチのフルHD液晶ディスプレイと搭載するハイエンドモデル「ZTE GRAND SII」(写真=左)。背面はラウンドフォルムを採用した(写真=右)

kn_ceszte_03.jpgkn_ceszte_04.jpg

kn_ceszte_05.jpgkn_ceszte_06.jpgZTE GRAND SIIの側面

kn_ceszte_07.jpgkn_ceszte_08.jpgホーム画面に配置した「S」のアイコンをタップすると登録してあるアプリアイコンがポップアップするラウンチャーが起動する

 ZTE GRAND SIIには、搭載するプロセッサーが異なる「ZTE Geek II」も登場する。対応する通信方式はTD-SCMAとGSMのみの中国限定モデルだ。プロセッサーはサムスン電子の8コアタイプ「Exynos 5410」を採用する。サイズが5.5インチで解像度が1080×1920ピクセルの液晶ディスプレイを搭載してRAM容量が2Gバイト、フラッシュROM容量が16GバイトなのはZTE GRAND SIIと共通するが、本体サイズは77(幅)×154(高さ)×7.9(厚さ)ミリとやや小型になる。バッテリー容量は2500mAhだ。

kn_ceszte_09.jpgkn_ceszte_10.jpg5.5インチフルHDディスプレイを搭載するハイエンドモデルながら、プロセッサーにExynos 5410を採用し、本体サイズもわずかに薄くなっている

kn_ceszte_11.jpgkn_ceszte_12.jpg

kn_ceszte_13.jpgkn_ceszte_14.jpgZTE Geek IIの側面

関連キーワード

ZTE(中興通訊) | 2014 CES | IGZO | Exmor


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Samsung電子、タブレット「Pro」シリーズと「Camera 2」を展示

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ワイドQXGAの高解像度ディスプレイを備えたタブレット4機種

photoCES2014のSamsung電子ブース

 Samsung電子が今回発表したタブレットはいずれの製品にも“PRO”の名前が付与されている。全機種がワイドQXGA(2560×1600ピクセル)の高解像度ディスプレイを採用しており、「Magazine UX」など新しいユーザーインタフェースも搭載している。

 新製品は「GALAXY Tab PRO 8.4」「GALAXY Tab PRO 10.1」「GALAXY Tab PRO 12.2」そして「GALAXY Note PRO 12.2」の4モデル。Note PROのみ本体に収納できる専用のスタイラスペン「Sペン」が付属。OSは最新のAndroid 4.4を搭載している。

 12.2インチというノートPCクラス並みの大型ディスプレイを搭載するGALAXY Tab PRO 12.2とGALAXY Note PRO 12.2は、本体サイズが295.6(幅)×204(高さ)×8(厚さ)ミリとどちらも同じ。Tab PRO、Note PROいずれの製品も通信方式別に「Wi-Fi版」「3G版」「LTE版」の3タイプが提供される。重さはWi-Fi版と3G/LTE版で若干異なり、Tab PROが732グラム(Wi-Fi版)または740グラム(3G/LTE版)、Note PROが750グラム(Wi-Fi)または753グラム(3G/LTE)だ。プロセッサーもそれぞれLTE版がQualcommのSnapdragon 800(2.3GHz駆動)、Wi-Fi/3G版がSamsung Exynos 5420(1.9GHz駆動)と異なるものを搭載する。メモリはRAMが3Gバイト、ROMが32Gバイトまたは64Gバイトで、microSDスロットも搭載している。カメラはメインカメラが約800万画素、インカメラが約200万画素。バッテリー容量は9500mAhだ。

photophoto12.2インチの大型ディスプレイを搭載する「GALAXY Tab PRO 12.2」(写真=左)。背面は革風のテクスチャー仕上げ(写真=右)
photophotoSペンが付属する「GALAXY Note PRO 12.2」。Magazine UXをどの機種も搭載している(写真=左)。Tab PRO 12.2とNote PRO 12.2。本体のサイズは同一だ(写真=右)
photophotoNote PRO 12.2は本体右側面上にSペンを収納できる(写真=左)。SペンはGALAXY Note 3と同形状だが若干サイズが長い(写真=右)

 PROシリーズから搭載されるMagazine UXは、ニュースや音楽などのコンテンツやよく使うアプリのグループをタイル状に配置できるUIで、雑誌のような見た目が特徴である。コンテンツは自動更新され、ワンタッチでアプリを起動して全画面で読むことができる。またこれまでGALAXY Noteシリーズなどに搭載されいた2つのアプリを同時に表示できるマルチウィンドウ機能は、12.2インチ ワイドQXGAの大画面を生かし最大4つのアプリを同時に表示できるようになった。それぞれのウィンドウは上下または左右にサイズを変更することもできる。またNote PROは、Sペンのボタン部分を押したまま画面上にかざすとスクリーンキャプチャなどが取れる「AirCommand」にも対応している。

photophoto最大4つのアプリを同時に表示して利用できるマルチウィンドウ(写真=左)。Note PRO 12.2はSペンのショートカットメニューAirCommandに対応(写真=右)

 GALAXY Tab PRO 10.1は、同12.2のディスプレイサイズを10.1インチとしたモデル。こちらは「Wi-Fi版」と「LTE版」の2種類をラインアップしている。プロセッサーは12.2モデルと同じく通信方式別にSpandragon 800(2.3GHz駆動)かExynos 5420(1.9GHz駆動)を搭載、カメラも同じものを搭載する。メモリはRAMが2Gバイト、ストレージ容量(ROM)が16Gバイトまたは32Gバイト。こちらもmicroSDスロットを用意している。

 本体のサイズは243(幅)×171.4(高さ)×7.3(厚さ)ミリ、重さは469グラムでLTE版は477グラムとなる。バッテリー容量は4800mAh。ディスプレイサイズの変更により画素密度は12.2モデルの247ppiから299ppiとより高密度になったが、物理的なサイズが小さくなったことからマルチウィンドウは従来通り2画面までとなる。

photophotoTab PRO 12.2をひと回り小型化させたGALAXY Tab PRO 10.1(写真=左)。GALAXY Tab PRO 8.4は縦持ちでの利用を想定したホームボタン配置(写真=右)

 そして8.4インチディスプレイを採用するGALAXY Tab PRO 8.4は「Wi-Fi版」「3G版」「LTE版」のいずれもプロセッサーにSnapdragon 800(2.3GHz駆動)を搭載。メモリ容量やカメラのスペックは他モデルと同様だ。本体サイズは128.5(幅)×219(高さ)×7.2(厚さ)ミリ、重さは331グラム(Wi-Fi版)または336グラム(3G/LTE版)。このモデルのみ、ホームボタンがスマートフォンのように縦方向の下部に位置している。

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4Kテレビのカタチはさまざま、生活密着型のディスプレイも多数展示した東芝

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 既報の通り、「2014 International CES」の東芝ブースは4Kにフィーチャーするとともに、「4Kプレミアム」と呼ばれる同社が現時点で持ちうる技術をすべて投入したというモデルを中核として展示が行われている。ただ事前資料ではあまり触れていなかったテーマ展示や技術展示にも興味深いものがあり、新たなビジネスを開拓しようという意気込みが感じられる。

ts_toces01.jpgts_toces04.jpg東芝ブース正面のディスプレイはやはりUltra HD(UHD)こと4Kがメイン(左)。21:9のアスペクト比を持つ4Kならぬ「5K」の105V型。映画に適している(右)

ts_toces02.jpgts_toces03.jpgCES開幕前のプレスカンファレンスでも紹介された東芝の技術の多くを投入した4Kプレミアムと、多目的タブレットのBorderless Boardの展示

 4KプレミアムとBorderless Boardについては既報の通りだが、それ以外にもいくつか興味深いディスプレイ技術が散見された。1つが21:9のアスペクト比を持つシネスコサイズ(ほぼ2:1)の「5K」テレビだ。

 また一見すると普通の4Kテレビに見えるが、実は曲面液晶パネルを採用したテレビも参考展示している。曲面ディスプレイは焦点部分から眺めると角度の違いによる映像の変化の影響を受けにくいというメリットがあるものの、コストや実用面でまだまだ問題があるのも現状だ。韓国メーカーを中心に曲面テレビのメリットがさかんにアピールされているが、実際に市場でのプレゼンスを得られる機会があるかは今後も見届けたい。このほか4K時代の鍵を握る符号化技術「HEVC」(H.265)デコーダーの技術展示なども展示されていた。

ts_toces05.jpgts_toces06.jpg一見すると普通のテレビだが、実は曲面液晶パネルとなっている。側面から見ると、わずかに湾曲していることが確認できる

ts_toces07.jpgts_toces08.jpg4Kディスプレイを搭載した一般向けノートPCならびにワークステーション。このあたりが4Kに関する展示の中心(左)。4Kテレビ時代に重要となるHEVC(H.265)デコーダーの展示と動画再生デモ。現在主流のH.264の2倍程度の圧縮効率を持ち、4K時代の映像伝送に欠かせない(右)

「Magical Mystery Mirror」って何

 もう1つ注目なしたいのが新しいディスプレイ技術だ。「Magical Mystery Mirror」は、鏡に情報を浮かび上がらせて情報端末の1つとして活用するもので、例えば化粧台や洗面台の鏡などにこの装置を仕掛け、ふだんは普通の鏡だが、人物が立つと情報ディスプレイとしての機能がオンとなり、今日のニュースや天気予報などの情報が表示される。鏡の上にうっすらと情報が浮かび上がる半透明ディスプレイのような仕掛けのため、例えば髪をとかしたり服を着替える合間にリアルタイム情報も確認できるといった趣向だ。

ts_toces09.jpgts_toces012.jpgディスプレイの新しい用途を模索する技術展示が多い。「Magical Mystery Mirror」と銘打たれた鏡の前に立つと、さまざまな情報が浮き上がって表示される。ディズニーランドにあるトリック鏡のよう(左)。こちらは棒状に並んだ鏡のオブジェクトに情報が浮き上がって表示される。サイネージ用途を想定しているようだ(右)

 同様に台所向けの情報ディスプレイも展示されており、こちらはレシピ確認など「生活に密着したディスプレイ」をテーマにしたものだ。このほかにも一見すると鏡のオブジェの前を人が通過すると、映像や情報が浮かび上がるサイネージのようなソリューションも提案されており、東芝全体として「いかにディスプレイ技術をさまざまな場面で活用してもらえるか」ということを訴求しているようだ。

ts_toces010.jpgts_toces011.jpg先ほどのMagical Mystery Mirrorと同じ要領で、洗面台や台所に設置されたミラーにコンテンツが表示される仕組み。洗面台は鏡の機能を維持しつつ朝のニュースや天気が表示され、台所は鏡というよりもレシピなどを表示する多目的ディスプレイのようなものになっている

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ドコモおすすめ3機種レビュー(前編)――基本スペックや持ちやすさを比較する

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 携帯各社が冬商戦向けに発表したスマートフォンが出そろった。2013年夏モデルでは“ツートップ”として「Xperia A SO-04E」(ソニーモバイルコミュニケーションズ製)と「GALAXY S 4 SC-04E」(Samsung電子製)を推したNTTドコモは、この冬モデルでは「ARROWS NX F-01F」「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」「Xperia Z1 f SO-02F」を“おすすめ機種”として訴求しており、ほかのスマートフォンよりも比較的安く購入できる。いずれも「ドコモメール」「docomo LIVE UX」といったドコモの最新サービスを網羅しているのはもちろん、プロセッサー、バッテリー、カメラなどスマートフォンとしての基本性能も高い。

 では、これら3機種の中ではどれが買いなのか? 基本スペックから持ちやすさ、バッテリー、カメラまで、さまざまな要素を比較していく。3機種でどれを買おうか迷っている人は購入の参考に、すでに購入済みの人は、自分が持っているスマホの実力を図る参考になれば幸いだ。

photo左から「ARROWS NX F-01F」「AQUOS PHONE ZETA SH-01F」「Xperia Z1 f SO-02F」

 あらためて、3機種の概要をおさらいしておこう。

 ARROWS NXは、ディスプレイのRGBに白を追加した「WhiteMagicディスプレイ」を新たに搭載。従来よりも画面の消費電力を最大45%削減したほか、直射日光の下でもはっきりと見ることができる。富士通スマートフォンではおなじみの指紋センサーを継承しており、センサーを押して画面の点灯、なぞってロックの解除ができる。約1310万画素カメラには積層型CMOSセンサーの「Exmor RS for mobile」を採用し、素早くピントを合わせられる「クイックフォーカス」、光量がアップした「インテリジェントフラッシュ」などで快適な撮影をサポートする。

 AQUOS PHONEは、シャープのスマートフォンやタブレットでおなじみの「IGZO」をディスプレイに採用。ドコモが計測する「実使用時間」は、現時点では最長の約98.9時間を実現している。約1630万画素のカメラにはF1.9のレンズを搭載するほか、画像処理技術を活用した「NightCatch」により、暗い場所でも明るく撮影できる。スマートフォンを持つだけで画面が点灯する「グリップマジック」や、タスクキーからアプリの履歴やミニアプリを画面下部に表示する「クイックランチャー」など、片手操作に配慮した機能も設けた。

 Xperia Z1 fは、ソニーモバイルのフラッグシップ機「Xperia Z1」のカメラや映像技術を、4.3インチの小型ボディに凝縮したスマートフォン。4色のカラーバリエーションを用意したボディには、メタルフレームとガラスパネルを用いて高級感を演出。ソニーがBRAVIAで培ったディスプレイ技術や超解像技術を採用するなど、画質の良さにこだわった。加えて大きく進化したのがカメラ。ソニーのデジタルカメラでもおなじみの「Gレンズ」や独自の画像処理エンジンを搭載することで、暗い場所でも鮮明に撮影できる。

 続いて、基本スペックや対応サービスの有無を見ていこう。以下の表にまとめた。

基本スペック
ARROWS NX F-01FAQUOS PHONE ZETA SH-01FXperia Z1 f SO-02F
OSAndroid 4.2Android 4.2Android 4.2
サイズ(幅×高さ×厚さ)約70×140×10ミリ約70×141×8.9(最厚部約9.2)ミリ65×127×9.4ミリ
重さ約150グラム約139グラム約140グラム
プロセッサーQualcomm MSM8974(2.2GHzクアッドコア)Qualcomm MSM8974(2.2GHzクアッドコア)Qualcomm MSM8974(2.2GHzクアッドコア)
ディスプレイ約5.0インチフルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶(WhiteMagic)約5.0インチフルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶(IGZO)約4.3インチHD(720×1280ピクセル)TFT液晶(トリルミナスディスプレイ for mobile)
連続通話時間3G:約780分、GSM:約780分3G:約910分GSM:約800分3G:約580分、GSM:約600分
連続待受時間LTE:約670時間3G:約850時間GSM:約670時間LTE:約580時間、3G:約700時間、GSM:約590時間LTE:約450時間、3G:約500時間、GSM:約410時間
実使用時間約97.1時間約98.9時間約83.6時間
バッテリー容量3200mAh3000mAh2300mAh
メインカメラ有効約1310万画素CMOS有効約1630万画素CMOS有効約2070万画素CMOS
インカメラ有効約130万画素CMOS有効約210万画素CMOS有効約220万画素CMOS
ストレージ32Gバイト32Gバイト16Gバイト
メモリ2Gバイト2Gバイト2Gバイト
外部メモリmicroSDXC(最大64Gバイト)microSDXC(最大64Gバイト)microSDXC(最大64Gバイト)
防水IPX5/IPX8IPX5/IPX7IPX5/IPX8
ワンセグ○(録画可能)○(録画可能)○(録画可能)
フルセグ○(録画不可)○(録画可能)
NOTTV
おサイフケータイ
NFC
卓上ホルダ
ワイヤレス充電
指紋センサー
LTE通信速度下り最大150Mbps/上り最大50Mbps下り最大150Mbps/上り最大50Mbps下り最大150Mbps/上り最大50Mbps
Wi-FiIEEE802.11a、b、g、n、acIEEE802.11a、b、g、n、acIEEE802.11a、b、g、n、ac
Bluetooth4.04.04.0
赤外線通信
Miracast
MHL

 OSは3機種ともAndroid 4.3を搭載する。サイズは、ARROWS NXとAQUOS PHONE ZETAが5インチディスプレイを備えているだけあって、幅は70ミリと太く、片手では手に余るという人も多いだろう。4.3インチのXperia Z1 fの幅は65ミリに抑えられている。一方で重さは約140グラムのXperia Z1 fより約139グラムのAQUOS PHONE ZETAの方が軽い。Xperia Z1 fにアルミフレームやガラスパネルを採用したことが影響していると思われる。5インチクラスでAQUOS PHONE ZETAほど軽いスマホはなく、この軽さは隠れた魅力といえる。

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「赤NUCの中身です」――サンダーボルトNUC、今度はマザーが9980円!

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BUY MORE、ツクモ各店が実施——NUCマザー特価

 3連休の特価品で特に話題を集めそうなのが、インテルのNUCマザー「BLKD33217CK」だ。価格は9980円。BUY MORE秋葉原本店では日曜日と月曜日に各日20台、ツクモ各店は日曜日に合計80台(TSUKUMO eX.とツクモ本店で各35台、DOS/Vパソコン館で10台)用意する。なお、BUY MORE秋葉原はエレコム製のACアダプタを付属する。

og_akibatokka_001.jpgog_akibatokka_002.jpgBUY MORE秋葉原本店の特価POP(写真=左)。秋葉原エリアのツクモ週末特価チラシ(写真=右)

 BLKD33217CKは2012年11月後半に登場した、Core i3-3217U搭載のNUCマザー。Thunderbolt端子を背面に備える仕様で、昨年末に9980円の週末特価で話題を集めた“赤NUC”こと「DC3217BY」にも組み込まれている。発売時の価格は3万円弱だった。拡張スロットはmSATAとmini PCI Expressが各1基あり、DDR3-1600対応のSO-DIMMスロットは2基並ぶ。mSATAにSSD、mini PCI ExpressにLANカードを挿して使うのが常道といえる。

 BUY MORE秋葉原本店は「サードパーティ製ケースや自作ケースなどに組み込んで超小型マシンを組むのにいいですね。赤NUCのときと同じくらいの反響があるのでは」と話していた。

og_akibatokka_003.jpgPC DIY SHOP FreeTで撮影した、2012年11月発売当時のPOP

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「Ascend Mate2 4G」を中心に数多くのスマートフォンを展示――Huawei

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photoHuaweiブース

 Huaweiのブースでは、CES開幕前日のプレスカンファレンスで発表された「Ascend Mate2 4G」を中心に、さまざまなスマートフォンが展示されていた。

 Ascend Mate2 4Gは、6.1インチの大画面と4050mAhの大容量バッテリー、サブカメラにしては非常に高画素な5メガピクセルのフロントカメラを搭載するAndroidスマートフォンだ。ブース内は、このAscend Mate2 4Gの展示エリアが広いスペースを占めていた。

photophoto「Ascend Mate2 4G」。6.1インチIPS液晶を採用し、画面占有率は76%を誇る。背面はラウンドしていて持った感覚は悪くないが、やはり大きめ
photophoto右側面に電源キーと音量キーを配置。左側面はスッキリしている
photophoto底面に外部接続端子、先端部にイヤフォン端子
photophoto小窓の付いたフリップカバーを装着でき、フリップを閉じるとアナログ時計などを表示できる
photoカバーのバリエーションは豊富に用意されるようだ
photophoto4050mAhの大容量バッテリーを搭載し、かつ省電力設定メニューも用意。なお、ほかの端末をケーブルでつなぎ、その端末に充電することができる(写真=左)。背面に1300万画素、前面に500万画素カメラを搭載。フロントカメラでもパノラマ撮影が可能なほか、写真に音を加えて撮影できる「Sound&shot」などの機能も搭載した
photophoto片手操作をしやすくするため、キーボードやダイヤルを片側に寄せることができる
photophotophoto画面上にある白い丸いをタップすると、「戻る」や「ロック」のアイコンが表示されて片手操作に便利。このアイコンは画面の左右両端の好きな場所に配置できる。メモや電卓などがいつでも素早く起動できるマルチタスク機能もここから利用できる

Windows Phoneを含む多彩な端末やWi-Fiルーターを展示

 同社のブースはAscend Mate2 4G以外にも、Huaweiの多彩なスマートフォンを展示していた。HuaweiのAscendシリーズは、Y、G、P、Dシリーズなどラインアップが充実し、タブレットやWi-Fiルーターなども展開。ハイエンドからローエンドまで幅広くカバーしており、Windows PhoneやFirefox OSを採用した端末も含め、海外で展開されている珍しい端末を見ることができた。

photophoto高機能でスタイリッシュなデザインが特徴のPシリーズ端末「Ascend P6」
photoスリムで上質感のある端末だ
photophotoオクタコア(8コア)プロセッサー搭載の「Ascend G750」(写真=左)。5.5インチのHD液晶、1300万画素カメラ、3000mAhのバッテリーを搭載した大型のAndroid端末で、デュアルSIM仕様だ。「Ascend Y600」(写真=右)は、5インチのフルワイドVGA(854×480ピクセル)液晶を搭載した普及帯のYシリーズ端末
photophoto4.3インチのWVGA(800×480ピクセル)のディスプレイを搭載したWindowsPhone「Ascend W2」。ビビットカラーを採用している
photoFirefox OSを採用した「Ascend Y300 II」
photoLTEに対応したAndroidタブレットの「MediaPad 10 Link+」
photophotoイー・モバイルの「Pocket WiFi GP10P」(写真=左)や、UQ WiMAXの「Wi-Fi WALKER WiMAX2+」(写真=右)も展示されていた

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米Targetの情報漏えい、7000万人分の個人情報も発覚 業績に重大な影響

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tgt01.jpgTargetのプレスリリース

 米小売大手のTargetから買い物客が使ったクレジットカード情報が流出した問題で、Targetは1月10日、クレジットカード情報とは別に、買い物客7000万人分の個人情報も盗まれていたことが分かったと発表した。

 この事件では、2013年11月27日から12月15日の間に全米のTargetの店舗で使われたクレジットカードやデビットカードの情報4000万件あまりが流出していたことが発覚している。その後の調査の結果、クレジットカード情報とは別に、7000万人の氏名、住所、電話番号、メールアドレスなどが流出していたことが分かったという。

 メールアドレスが分かっている客には連絡を取り、詐欺などの被害に遭わないよう注意を呼び掛けているという。

 さらに、米国内のTarget店舗で買い物をした全ての客を対象に、クレジットモニタサービスとなりすまし防止サービスを1年間無料で提供すると発表した。利用者は3カ月以内に申し込む必要がある。

 今回の事件を受けて同社は、第4四半期決算に対策費を計上した。クレジットカード詐欺に対する弁済などの各種補償、カード再発行関連経費、訴訟費用、政府機関による調査や捜査の関連経費、コンサルティング経費、再発防止策のための設備投資や各種経費を見込んでいる。

 現時点で対策にかかる総額の推定はできていないものの、第4四半期以降の業績にも重大な影響が生じる可能性があるとした。第4四半期の業績予想は、事件発表後に売り上げが大幅に落ち込んだことなどを受けて下方修正し、1株利益予想をこれまでの1.50〜1.60ドルから、1.20〜1.30ドルへと引き下げている。

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クラウドで“企業と個人”のギャップをなくしていく――グーグル

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——2013年の振り返りをお願いします。

photoグーグルのエンタープライズ部門 日本代表を務める阿部伸一氏

阿部氏 日本企業がクラウドに注目する契機となった東日本大震災から3年目を迎え、グーグルのサービスがエンタープライズ市場でも一定の地歩を占めるようになりました。そうした意味で、2013年は当社のエンタープライズ事業にとって1つの大きな節目となったと感じています。

 奇しくも、私がグーグルに入社したのも東日本大震災と同じ2011年のこと。これを起点として考えると、1年目はクラウド自体の認知度を高め、2年目には数万アカウント単位でGoogle Appsを採用する大規模顧客をいくつも獲得できました。そして2013年には、これまでグーグルのサービスを使っていなかったような業種・規模の企業にもさまざまな業務で採用してもらえるようになりました。

 では、なぜグーグルのサービスが多くの企業に採用されているのでしょう。その理由の1つは、ビジネスパーソンの多くが“普段の生活”と“仕事”で使うツールにギャップを感じているからだと思います。コンシューマー向けツールが企業向けよりも高度化した今、普段の生活で使い慣れたツールを企業内でも使いたいというニーズの高まりが、多くの企業がGoogle Appsなどを採用する背景にあるようです。

——2013年に特に成果を上げたこと、苦戦したことをそれぞれ教えてください。

阿部氏 まず大きな成果としては、NTTドコモとKDDIに新たにGoogle Appsの提供パートナーになっていただけました。ソフトバンクとは2011年からパートナーシップを結んでいますので、これで日本の3大キャリア全てと協力体制を築けたことになります。

 また、カーナビゲーションシステムを手掛けるクラリオンへの技術提供など、グーグルがコンシューマー向けに提供してきたサービスが企業でも活用されるようになったのも大きな成果です。これは、当社が掲げる「Work the way you live - いつも同じを、Googleで」という標語を実現する具体的な取り組みになりました。

 一方、大変だったことは数え切れません。なぜなら、当社は誰かがやったことの後を追うのでなく、自らイノベーションを起こすことをポリシーとしているからです。常に先頭を走っていくのは答えが見えない世界ですから、毎日が挑戦の連続でした。

 これまで誰もやっていないことについて仮説を立て、顧客の意見も聞きながらスピーディーに検証していくことで、かつてない方法で顧客のイノベーションを支援したり、われわれ自身も新しいビジネスを創出することができるのです。この方針は2013年だけでなく、それ以前もこれからも変わりません。

——2014年の事業目標を教えてください。

阿部氏 私が2014年から目指すのは、今後3〜4年の間にエンタープライズ事業の規模を数倍にすることです。そのためには、過去3年で実現してきたことを1年でやって、その後もさらに加速させていく必要があります。

 成長の指標として、われわれは社内で「10X」(テンエックス)という言葉を掲げています。これは10倍以上のペースで成長していくことを目指すということです。

 ただし、単に売り上げや社員数の拡大を目指すのではグーグルらしくありません。既存のやり方に“ギャップ”を見つけ、イノベーションによってビジネスを急拡大させていく。これをパートナーや顧客とも協力しながら実現していきたいと思っています。

——最後に、阿部さんが「組織を率いるリーダー」として絶対に譲れないことをお聞かせください。

阿部氏 イノベーションを大切にすることです。イノベーションの対局にあるのは「変わらないこと」ですが、われわれはテクノロジーによる変革を通じて世の中に貢献していきたいと思っています。

 当社は今年で15周年を迎えますが、これまでコンシューマー向けサービスで培ってきたイノベーションを企業向けにも展開し、あらゆる企業の業務のあり方に変革を起こしていきます。そのペースは今後ますます速くなっていくことでしょう。

 そのためには、われわれ自身も変わり続ければなりません。そうでなければ顧客から「あなたが変わっていないのに、なぜウチが変わらないといけないのか」と言われてしまいますからね。自分たちの価値観や行動が古いものにならないよう、常に自らイノベーションを起こしていくことを、私自身もチームとしても心がけていきます。

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情報の完全抹消は可能か?――ネットに残す/残るということ

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古田雄介のプロフィール:

1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。ネット上の死の現状をまとめたルポ『死んでからも残り続ける「生の痕跡」』(新潮45eBooklet)を各種電子書籍サイトで販売中。ブログは「古田雄介のブログ」。


 インターネットには、誰かが亡くなったことをきっかけにして生まれるサイトも少なくない。

 2004年10月5日、広島県廿日市で当時17歳の高校生・北口聡美さんが自宅で若い男に刃物で刺されて亡くなった。男は聡美さんの祖母にも重傷を負わせて逃走。似顔絵や身体的特徴、逃亡に使った車や当時履いていた靴など、いくつもの情報が集まったが、2014年1月現在も犯人逮捕には至っていない。

 父親の北口氏が犯人の情報提供を求めるブログ「SA・TO・MI 〜娘への想い〜(参照リンク)」を始めたのは、事件から1年以上の月日が流れた2005年の年末だった。「情報を持っている人の中には直接警察へは言いにくい人もおられると思い、(まだ世に出ていない)隠された情報が出てくるのではと考えて始めました」という。

SA・TO・MI娘を殺害して逃亡した犯人の情報提供を9年以上呼びかけている「SA・TO・MI 〜娘への想い〜」

 新たな情報を得るという期待以上に、事件解決が難航する不安のほうが大きかった。「個人のブログですから、1人でも多くの人に見ていただくにはどうすれば良いのか? また見ていただくには、どんな内容を書けば良いのか? 今でも悩むときがあります」と手探りで更新を続け、ついに9年を越えた。

 取り組みは奏功し、現在も犯人に関する情報は年に10〜15件程度のペースで届く。アクセス数は新聞やテレビで事件が報道されるたびに跳ね上がるが、平均でみても週に1000PV程度で安定しているという。北口氏は、ブログを始めたことについて「良かったと思います」と率直に語る。

 しかし、まだ解決には至っていない。「事件解決の糸口となる情報がほしいです。もしかしたら犯人は当時未成年者かもしれません。そうだとすれば周りにいる人も当時未成年者だと思いますが、当時17〜18歳だとしても現在は26〜27歳になります。大人になって話せる勇気を持たれたなら、情報を提供していただきたいものです。直接警察へ言いにくいなら、匿名でも結構ですから私のほうへ教えてほしいです」

 解決した暁にはどうしたいか。「事件が解決すれば、忘れていただきたいです。いつまでも被害者家族というような眼で見られるのは辛いことですから」という正直な思いを口にする。

完ぺきな抹消を求めるなら、しらみつぶしの対応が必要

 インターネットは、他のメディアに比べて誰でも情報発信できる自由さとともに、コンテンツを半永久的に表示できるという時間軸の幅の広さも際立っている。放送時間や流通時期の縛りがあるテレビや新聞、雑誌の受け皿にすれば、さまざまな情報が集約される最終的な拠点としても利用可能だ。犯人の情報提供を求める北口氏のサイトはその好例といえるだろう。

 しかし、拠点としての役目を終えたとき、望むように情報を抹消することは可能だろうか。

 自身のサイトは自らの意思で削除できるとしても、検索エンジンやアーカイブサービスに残ったキャッシュやコピーは別の管理者の下に残る。サイトへのリンクは意味をなさなくなるので放っておいても、テキストや画像データがコピペされていれば不特定に広がっていくことになる。

 すべて抹消するなら、そうした各種コピーを検索エンジンなどからしらみつぶしに見つけて、それぞれの運営者に削除を依頼しなければならない。そして、削除に対応してもらえるか否かは運営者の判断に委ねられる。

ネット風評イレーサーシエンプレの「ネット風評イレーサー」

 完全に抹消するなら近道はないが、業務を外部に委ねる手はある。2008年からネット風評被害対策コンサルティング事業「ネット風評イレーサー(参照リンク)」を展開しているシエンプレは、「すべてのケースが当てはまるとは言えません」とことわりつつ、「過去の傾向から言えば、そういったケースなら事情をしっかり説明すれば対応してくれることが多いです」と語る。実際、同社でも自殺した人の悪口が書かれたサイトに削除依頼を出した経験があるという。

 なお、削除申請スレッドに削除依頼を書き込んだことをきっかけに二次被害が発生するなど、行為が逆効果を呼ぶこともある。「運営者がどういった人なのかを綿密に調査を行って、二次被害が起こるリスクを想定した上で対応する必要があります。二次被害が起こりそうなら、一旦は静観するという対応も必要だと考えております」。そうしたさまざまなケースを経験したうえで、同社は「結局は人なんです。成否はサイトの管理者や運営者がどういう対応を行うかによりますから」と総括する。

 インターネットを利用しているのも結局は人だ。しかし、すでに亡くなっている管理人や放置されて連絡が取れないサイトも多く、ネット全体として増加傾向にある。レンタルサービスなら提供元に相談すればいいが、独自ドメインならそこでお手上げということもあり得る。人間対人間といっても、アクティブでいる時間軸がずれていて、対応する相手と出会えない。そんなケースも想定する必要がありそうだ。

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