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「選ばれる空港」へ ── Notesのモバイル化で顧客満足度向上

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narita01.jpg成田国際空港 業務推進部門 IT推進室情報企画グループの肥田達矢主席

 「選ばれる空港づくりには、利用者の満足度向上が欠かせない」── 5月30日、都内のホテルで行われた「IBM Connect Japan 2013」カンファレンスの基調講演で成田国際空港の肥田達矢主席はそう話した。肥田氏は、最新のITを活用して利便性向上を目指した「i-Airport」プロジェクトの一環として、昨年6月から始まったiPadによる旅客案内サービスの情報企画を担当する。

 規制緩和と競争原理の導入が市場を活性化するとともにサービス向上という恩恵を顧客にもたらすことはよく知られている。普段はあまり意識することもないが、空港も航空会社から着陸料や停留料を、旅行者からは使用料を受け取り、さまざまなサービスを提供している民間企業だ。先週、開港35周年を祝った成田国際空港も空港間の競争にさらされている。

 成田国際空港には76社の航空会社が乗り入れ、世界98都市を結んでいる。1日の旅客数は9万人に上り、「日本の空の玄関」という座は当分揺らぎそうにないものの、航空会社が路線や便数を自由に決められる航空自由化(オープンスカイ)も進んでいる。来春には羽田空港国際線の発着回数がこれまでの1.5倍、年間9万回に増枠されるほか、仁川や上海・浦東といったアジア主要空港との競争も激化している。成田国際空港も、この3月から発着回数を27万回に増枠、さらに15年3月には30万回を目指して、LCC(格安航空会社)向けを含めたターミナルビルなどの整備を進めているという。

 選ばれる空港づくりには、こうしたハードウェア面の整備もさることながら、利用者にとっては「分かりやすい」「速い」「優しい」といったソフトウェア面が極めて重要だ。成田国際空港でも2010年からi-Airportプロジェクトをスタートさせ、テレビ電話案内システム、デジタルサイネージ、無償Wi-Fiなどを導入、利用者の利便性を図ってきた。昨年からはスマートフォン向けアプリにも力を注いでおり、フライト情報や館内マップが利用者に便利な公式アプリ「NRT_Airport Navi」や多言語音声翻訳アプリ「NariTra」がApp StoreやGoogle playからダウンロードできる。

既存のNotes/Dominoアプリを生かす

 しかし、初めての空港で頼りになるのは、やはりインフォメーションカウンターだろう。成田国際空港には、大きな「?」のマークが目印のカウンターが第1ターミナルだけで10個所以上も設けられており、PCを利用した情報提供はもちろん、車椅子やベビーカーも貸し出している。また、広いターミナルなので案内スタッフが巡回するサービスも行われている。

 昨年6月、iPadが導入されたのは、この巡回案内だ。これまでは、紙の資料や携帯電話に頼っていたが、カウンターで活用しているIBM Notes/DominoのシステムをiPadからもアクセスできるようにすることで、最新のフライト情報や忘れ物の情報などもリアルタイムで提供できるようになったという。

 成田国際空港では、社内の情報基盤としてNotes/Dominoを導入しており、案内カウンターでもこれを活用している。

 「あらゆる業務に深く根付いたNotes/Dominoのデータをそのままモバイルでも有効に活用したかった」と肥田主席は振り返る。

 Notes/Dominoのモバイル対応にはさまざまなソリューションがあるが、ユーザーの使い勝手を考慮し、PCと同じ画面イメージでそのままWeb化できるNotes/Dominoの標準機能を使うことにした。

 「コストや開発期間も懸念したが全くの杞憂だった。既存のNotes/DominoアプリケーションをそのままWeb化、わずか3カ月でモバイル対応できたほか、標準のWeb化機能を利用したのでメンテナンスも最小限で済ませることができる」と肥田氏。

 旅客への案内サービスが向上したのはもちろんのこと、スタッフが巡回しながら現場で見つけた問題や気付きを、iPadのカメラ機能も生かして報告・共有するという、業務改善の取り組みも自発的に行われるようになったという。

関連キーワード

空港 | Notes | IBM | 成田空港


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FAXの誤送信から始まったITベンチャーの悲運と逆転劇

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 東京・大田区のITベンチャー企業A社の総務部長から連絡が入った。伺ってみると、FAXを誤送信してしまったので、その対策を専門家から指導してほしいということだった。

 本来なら情報セキュリティ全般を強化すべきであり、筆者はこの点だけを取り上げてもほとんど改善にならないし、パッチワーク的な作業になるだろうと難色を示した。しかし、まだ準備がまだできておらず、次年度はきちんと予算計上して取り組みたいということなので、取りあえずそこを優先して作業することにした。現状分析に半日、実態に即した対応策と改善策の実施に半日の合計1日の作業として引き受けた。

(編集部より:本稿で取り上げる内容は実際の事案を参考に、一部をデフォルメしています。)

事例

 さて、日程を決めて本社を訪問した。A社は従業員22人でビルの1フロアを賃貸していた。肝心のFAXは、そのフロアに2台設置されていた。1台はいわゆる複合機で、もう1台はFAX専用機だった。こうした使い方は、22名という従業員数としては適切だと判断した。

事案:A社はFAX送信の際に番号入力を誤り、「お客様に多大なご迷惑をかけた」という。ただし、従業員が22人ということもあり、情報セキュリティ全般の改善策は現状ではお金も人も無い。そこで「FAXの誤送信」という個別具体的な対応策にしぼって取りあえず対応したいというものである。

回答

 情報セキュリティ強化の支援を1日契約で行うというのは、あまり例のない仕事だった。それでもセキュリティの強化につながると考え、まずは数時間程度、FAX機周辺の作業について観察した。また、その間に就業規則や契約書などのさまざまな書類について、情報セキュリティの観点から問題などを分析した。

 「世の中のほとんどの中小企業がこういう状況だろう」と想定される問題点は、A社からも山のように出てきた。FAX操作における規則などは、当然ながら全く無かった。受信したFAXも、担当者が紙を取りに来るまでいつまでたっても放置されていた。社内で印刷した紙も同様である。

 その中で、社長の周囲と今回の作業を依頼した総務部長の動きに不自然な点がみられた。筆者は作業に専念したかったのだが、どうにも不自然なので思い余って社長に個人面談を依頼した。意外にもすぐにOKの返事があり、応接室兼会議室で2人きりで面談した。今回の作業が1日だけであること、また、筆者の感じた不自然な点について追及したところ、社長がこう切り出したのである。

「実は、1週間ほど前にB課長がお得意先にFAXを送付しました。通常ならメールだと思いますけど、“アングラ”系雑誌の数ページを全部送付するので、メールより簡単なFAXを使ったと言うのです。彼は『スキャンすればよかった』と悔やんでいました」

 その結果、どうやら電話番号の最後の2けたを本来は「63」と入力すべきだったが、「36」と打ち込んでしまったらしい。番号を確認しないままに送信したという。テンキーで「3」と「6」は、ちょうど上下の位置関係にあり、うっかり逆に入力したようだ。

 その話を伺い、筆者は社長に「それなら22人の社員に注意喚起するだけで済んだはずです」と伝えた。ところが、社長が言うには、「その後が大変でして……。間違って送信した先は、偶然にも有名な暴力団関係者の組織だったのです」とのことだった。

 社長は続けて、「しかも、B課長が送信した内容はお客様に依頼されたもので、ある認証を迂回するための作業方法の手順や不法ソフトを入手するやり方だったのです。当然ながら、お客様の社名、部署、個人名、電話番号も記載していました。B課長はお得意先(しかもA社とって最大級の得意先)の役員から接待時に頼まれたそうで……」と話した。

 お得意先の役員がB課長に頼んだこととは、市販のブルーレイソフトやDVDのコピーガードの外し方と不正にコピーを行う方法、そして、マイクロソフトのWindows 8やOfficeソフトの「アクティベーション」認証を迂回する手口だったという。

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クラウドじゃないと満足できない“今どき社員”

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 ITのコンシューマライゼーションが進むにつれて、企業のバックエンドインフラにも副次的な影響が及ぶことになる。

 私物のスマートフォンタブレットからファイアウォールを超えて社内システムへアクセスし、よりコラボレーティブな方法で同僚とデータを共有したい——。こう考えるユーザーは今後増えるはずだ。だが、従来のバックエンドインフラやサーバベースのアプリケーションは、こうした作業をうまく実行できるようにはなっていない。

KDDI、LTE通信障害から復旧 障害は2日連続

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 KDDIの4G LTEデータ通信が、関東の一部で利用しづらくなっていた通信障害は、発生から約11時間後の5月30日午後11時50分に復旧した。

 障害が発生したのは30日午後1時4分で、原因は設備故障。東京都、神奈川県、山梨県の一部でLTEデータ通信が利用できない状況になった。3Gデータ通信に通信が集中し、利用しづらい状況も起きていた。

 同様の障害は29日にも起き、18時間にわたってLTEデータ通信が利用しづらくなっていた。

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アップル、「iPad mini」や「iPad Retinaディスプレイモデル」を値上げ

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 アップルがiPad miniとiPad Retinaディスプレイモデルの価格を改定した。最も値上げ幅が高いのはiPad Retinaディスプレイモデルの128Gバイト版で、6万6800円が7万9800円と1万3000円ほど高くなっている。米国Apple Storeの価格は登場時と同じ799ドルで、円安が進む国内だけの対応。なお、5月30日に一部仕様を変更したモデルが追加されたiPod touchなどでも同様の影響が見られる。

モデル名旧価格改訂後値上げ幅
iPad mini 16GB2万8800円3万2800円4000円
iPad mini 32GB3万6800円4万2800円6000円
iPad mini 64GB4万4800円5万2800円8000円
iPad Retina 16GB4万2800円4万9800円7000円
iPad Retina 32GB5万800円5万9800円9000円
iPad Retina 64GB5万8800円6万9800円1万1000円
iPad Retina 128GB6万6800円7万9800円1万3000円
og_ipad4_001.jpgiPad Retinaディスプレイモデル

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誰も望んでいない“グローバル化”、それでもエンジニアが海外に送り込まれる理由とは?

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 われわれエンジニアは、エンジニアである以上、どのような形であれ、いずれ国外に追い出される……。いかに立ち向かうか?→「『英語に愛されないエンジニア』」のための新行動論連載一覧

会社の利益か、個人の利益か

江端君、君は何も分かっていない

 先輩のIさんと久々に飲んでいた時のことです。Iさんが、このように切り出しました。彼は、私が入社3年目の時に、他の会社に転職しました。

「君は、素晴らしい技術を研究開発さえすれば、それが、会社に利益を与えて、皆が幸せになると思っているだろう?」
「えっーと、思っています」

「そもそも、君は、そこから間違っているのだ」
「どういうことですか?」

「会社の経営陣が欲しているのは、屁みたいな安い投資で、ほとんど手間がかからず、新規の設備を作る必要もかからない、そういう『技術』なのだよ」
「……はあ」

「加えて、サルでもできるくらい設備管理が簡単で、だまっていても金がガンガンたまって、もうかって笑いが止まらない。経営者が求めているのはそういう『技術』なのだ」
「私たちエンジニアは、『魔法使い』ではないのですが」

「処理速度が速いとか、情報の転送品質が良いとか、従来比2倍の改善とか、そういうことは、経営者にとっては、どうでもよいことで、問題は、いかに『楽して金をもうけることができるか』というビジョンがあるかどうかなんだ。これが一番大切。よく覚えておいてね」


 このIさんの主張に対して、もう一人の先輩Mさんが反論しました。

「あくまで経営者としての視点であれば、正解だろうと思う。しかし、それはわれわれエンジニアの視点ではない」
(……ん?)

「われわれエンジニアは、経営者のビジョンに盲従して仕事してはならない。そのような考え方によっていては、真に優れた技術を開発することはできない」
(まあ、それはそうかもしれない)

「もっとも、スポンサーである経営者に対して、『楽して金をもうけることができる技術』であることを『装う』努力を怠ってはならないが、それは本質ではない」
(……?)

「われわれエンジニアが目指すのは、詰まるところ、われわれエンジニアが「やりたいこと」を「やる」ための新しい技術の開発である」
(……)


 この話は両方とも「利益」の話ではあるのですが、前半のIさんの主張は「会社の利益」を優先する技術開発がエンジニアの本分であり、後半のMさんの主張は「エンジニア個人の利益」こそ大切な要素であるというものです。

 どっちが正しいというわけではなく、どっちも正しいのです。われわれエンジニアは、逆方向にも回転しかねない、この2つの両輪をうまくコントロールしながら生きていく必要があるわけです。

 今回は、この2つの両輪に対して、海外で仕事を行わなければならない「英語に愛されないエンジニア」が、どのように振る舞うべきかを考えていきたいと思います。

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タッチ対応モデルを大幅拡充、ディスプレイ着脱式Ultrabookも登場――東芝「dynabook」新モデル

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dynabookシリーズの特徴

ラインアップ

ハードウェア

ソフトウェア

  • OSは全モデルで64ビット版Windows 8
  • オフィススイートは、一部を除きOffice Home and Business 2013が付属
  • ディスプレイ着脱式Ultrabook「dynabook V713」の下位モデルのみOffice Personal 2013
  • dynabook T553」にワイヤレスTVチューナー搭載モデルを追加
  • パーソナルラジオアプリ「AUPEO!」をプリインストール


ノートPC4機種を発表、新型Ultrabookも投入

 東芝は5月31日、2013年夏商戦向けのdynabookシリーズ新モデルを発表した。2013年6月14日より順次発売する。今回発表となったのはノートPCの4機種で、デスクトップモデルの「dynabook REGZA」シリーズについてはすでに発売している。

 夏モデルのポイントは、インテルが投入する予定の新世代CPU「第4世代Core プロセッサー・ファミリー」採用モデルの投入(dynabook Qosmio T953)、デザインリニューアル(dynabook Qosmio T953dynabook T653dynabook T553)、そしてIntel Developer Forum Beijing 2013で展示されたディスプレイ着脱式Ultrabook「dynabook V713」の投入だ。

Ultrabookにディスプレイ着脱式の新シリーズ「dynabook V713

photo夏モデルで投入したUltrabookの新シリーズ「dynabook V713」。ディスプレイ部を取り外してタブレットとして使える

 中国・北京市で開催されたインテルの開発者向け会議「Intel Developer Forum Beijing 2013」でお披露目された新型Ultrabookがついに発売する。

 11.6型フルHD液晶を備えた着脱式Ultrabook「dynabook V713」は、CPUに超低電圧モデルのCore i5-3339Y(1.5GHz/最大2GHz)を搭載しており、約7時間のバッテリー動作時間を実現した。バックライトつきキーボードを備えたキーボードドックには、HDMI出力やアナログRGB、有線LANポートといった豊富なインタフェースを搭載する。キーボード中央にはアキュポイント(トラックポイント)も配置した。

 ラインアップは標準モデルと、デジタイザスタイラスが付属する上位モデルの2種類を用意する。電磁誘導式のデジタイザスタイラスはワコム製で、1024段階の筆圧検知に対応するとしている。また、上位モデルは写真/動画編集ソフトの「Adobe Photoshop Elements 11/Adobe Premiere Elements 11」が付属するのも見どころだ。2013年6月下旬に出荷を開始する予定という。

“Haswell”搭載予定のAVノート「dynabook Qosmio T953」

photoテレビチューナーを内蔵する高性能AVノートPC「dynabook Qosmio T953」。夏モデルでは唯一、第4世代Coreプロセッサーを搭載する

 夏モデルで唯一、第4世代Core プロセッサー・ファミリー搭載予定とする「dynabook Qosmio T953」は上質なアルミ素材を採用したボディにデジタル放送チューナー、harman/kardonブランドのスピーカー、BDXL対応Blu-ray Discドライブを搭載し、AV+PCの高い性能を融合したシリーズとして展開する。自社開発の高速新ストレージ「ハイブリッドドライブ」も実装した。

 新CPUについては、春モデルではクアッドコアのCore i7-3630QMを採用していたこともあり、Ultrabookなどモバイル志向のモデル採用する低電圧/超低電圧版ではなく、ノートPC向け標準電圧版と同等のクラスを採用するとみられる。

 このほか、ディスプレイはフルHD(1920×1080ドット)表示に対応した静電容量式タッチパネル付きの15.6型ワイド液晶パネルを新たに搭載したのも見どころだ。2013年6月下旬に出荷を開始する。

15.6型スタンダードノートはタッチ対応モデルを拡充

 タッチ対応スタンダードノートの「dynabook T653」は画面サイズが14型ワイドから15.6型ワイドに変更となった。ラインアップも3機種に増やし、カラーバリエーションを含めて9モデルを展開する。CPUの種類もCore i7からCeleronまでと幅広く、今後はこちらを主力モデルにしようとする同社の意向がうかがえる。

 最上位モデルはCore i7+8Gバイトメモリなど高い性能に加え、フルHD対応200万画素ウェブカメラや写真/動画編集ソフトの「Adobe Photoshop Elements 11/Adobe Premiere Elements 11」を利用可能だ。

 一方で同社の主力モデルであった「dynabook T553」はCeleron搭載モデルのみのラインアップとなる。新デザインを採用してボディが薄くなったほか、ワイヤレスTVチューナー搭載モデルを新たに用意した。発売日はdynabook T653、dynabook T553ともに2013年6月14日となる。

photophoto15.6型スタンダードモデルはタッチ対応の「dynabook T653」(写真=左)とタッチ非対応の「dynabook T553」(写真=右)を用意する。モデル数もタッチ対応のT653が上回っており、同社は今後T653を主力モデルにする狙いがあるようだ
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スタートボタンが復活──「Windows 8.1」はどこが変わるのか

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Windows 8.1、「スタートボタン(のようなもの)が復活」

 米Microsoftが2013年6月末「BUILD 2013」で公開予定とする次期主力OSの名称が「Windows 8.1(開発コード名:Blue)」だと発表したのは先日リポートした通りだが、同社は5月30日(米国時間)、Windows 8.1に関するさらなる概要を公式ブログで公開した。

 全体にカスタマイズ性や標準アプリの機能強化が行われ、BingやSkyDriveなどクラウドサービスとのさらなる連携が前面に押し出される感じだ。早速要約していこう。

スタート画面とロック画面のカスタマイズ幅が拡大

photoWindows 8.1:スタート画面に画像を背景として設定できるようになる。タイルサイズもバリエーションが増えている点に注目

 まずはスタート画面のカスタマイズ幅拡大。Windows 8は、1つの画像を指定してロック画面の背景にできたほか、複数あるフレームとカラーバリエーションを選択するなどにてスタート画面をカスタマイズできた。

 Windows 8.1は、スタート画面で選択できるフレームのバリエーションがさらに増え、ロック画面に表示する画像をアルバム(フォルダ)ごと指定してスライド方式で切り替えられるようになる。タブレット型のデバイスであれば、ちょうどフォトフレーム的な使い方が可能になるイメージだ。スライド表示させる画像はローカルフォルダはもちろん、SkyDrive上の画像も指定できる。

 また従来のスタート画面は模様が描かれた既成のフレームのみが背景として選択できたが、Windows 8.1では従来のデスクトップ画面と同様に、写真など好きな画像を壁紙として配置できるようになる。タイルのサイズもこれまでの標準/横長の2種類に加え、さらに小さいタイルや4倍サイズのものまでサイズを可変できる。タイルのサイズ拡大縮小や移動などの場面においては、複数タイルを同時に選択し、同時に同じ操作を加えることもできるようだ。

 このほか、名称やインストール日時、使用頻度、カテゴリなどでアプリ一覧をフィルタリングして抽出する機能も備わり、必ずしもスタート画面に利用するアプリを全表示させる必要はなくなった。「スタート画面がアプリアイコンの羅列で埋まっている……。探すのに苦労する……」といった不便などもなくなり、スタート画面はより幅広くカスタマイズできるようになる。

クラウド連携をさらに強化

 Windows 8の特徴の1つに、従来バージョンと比べて既存のクラウドサービスとの統合を進めたソフトウェア&サービス的な製品である側面があるが、Windows 8.1はそれがさらに進んだ印象を受ける。

 例えば従来の「検索チャーム(Charm)」は、入力したキーワードに対して検索対象(Web、アプリ、ファイルなど)をタブで切り替える方式を採用していたが、Windows 8.1はBingを組み合わせて「アグリゲート検索」と呼ぶ検索表示画面を選択できるようになる。入力ワードに対してWeb、アプリ、ファイル、SkyDriveなどそれぞれの項目から最適だと思われるものを自動判別し、まとめて一覧表示するもの。プレビュー版などに触れてみるまで実際の使い勝手はどうか分からないが、クラウド連携をさらに強化した施策の一環であることはそれとなく理解できる。

photo「アグリゲートビュー」と呼ぶ新たな検索スタイルを取り入れる。画面はアグリゲートビューで検索した結果表示

 なお、Windowsエクスプローラから直接SkyDriveにもアクセスできる。ファイルの参照や保存はもちろん、個々のアプリからも透過的に──というものだ。Microsoftアカウントを介して作業環境が保存されるようにもなっており、普段とは別のWindows 8.1機器であっても、同一アカウントでログインした時点で自身のカスタマイズ/設定環境が再現される。

標準アプリと基本機能の強化、スタートボタン復活の真相は?

 Windows 8で設定の変更を行う場合、スタート画面のカスタマイズなどユーザーインタフェースに関する変更は設定チャームから呼び出す「スタート画面のPC設定」で、その他細かい機能の設定はデスクトップUIの「コントロールパネル」をそれぞれ選択する必要があった。設定項目が2つに分かれていたわけだ。Windows 8.1は「PC設定」のメニューそのものが見直され、コントロールパネルへ移動せずとも各種設定が可能になる。その他の標準アプリの数々も改良が加えられており、例えば「写真」アプリにおいては簡単な画像編集機能も追加される。

 機能面の強化で特徴的なのは「50:50」の画面分割機能だ。スタート画面/Modern UIでは、フロントエンドで同時に動作可能なアプリは1つ、それ以外のアプリは「スナップビュー」と呼ぶ縦長の縮小画面で、画面左右のいずれかに1つだけ追加配置が可能だった。

photo画面を分割して1つのスクリーンで2つのアプリが同時動作可能に。そして画面左下に何か気になるボタンも

 これはアプリ(およびハードウェア)の最低画面解像度が規定されている(1024×768ドット)ことに由来するものだが、Windows 8.1はこの制限が取り払われる。これにより、2つのアプリを1つの画面で半々、同時に表示させられるようになる。Microsoftによれば、マルチディスプレイ環境では最大3つのアプリを同時に表示できるとのこと。「フルスクリーン表示しかなく、使い方が限定される」と評価する人も多いであろうModern UI版アプリも、こういった変更により活用シーンはもう少し広がると思われる。

 このほか詳細は不明だが、改良された「Windowsストア」と、Webブラウザの新バージョンである「Internet Explorer 11」についても言及された。Windowsストアについては情報の網羅性を重視したデザイン変更を行う予定とし、IE11はパフォーマンス向上のほか、「複数の機器での(クラウドサービスを介した)タブ共有」が新たな機能として搭載される。

スタートボタンが復活 「スタートチップ(Start Tip)」と呼ぶ機能

 最後に、上の画面で気が付いた人もいるだろうが、「スタートボタン」のようなものが復活する。

 マウスカーソルを画面左下端に寄せると過去に開いたアプリの一覧が表示されるが、その際に「スタートチップ(Start Tip)」と呼ぶWindowsロゴが出現する。「Tip」とは先端とか突起を意味する単語だが、このスタートチップをとっかかりに、次の操作メニューを呼び出せるようになる。

 具体的には、スタート画面に戻ったり、あるいはスタート画面ではなく「Apps View」と呼ぶアプリ全一覧画面へと遷移したりと、従来のスタートメニューを補完する機能メニューが追加される。



 以上がこのたび公開されたWindows 8.1の新機能/変更機能の一部だ。

 2013年6月には米ルイジアナ州ニューオーリンズで「TechEd North America」が開催される予定であり、ここでWindows 8.1の最初の一般プレビュー情報が公開される予定だ。その他概要についても順次同社の公式ブログ上で公開していく計画という。

 そして、2013年6月末のBUILD 2013で「Windows 8.1の最初のプレビュー版が配布される」とみられる。本連載でも、今後1カ月かけてこれら情報を順に整理・紹介していく予定だ。


「鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8」」バックナンバー

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やっぱりネットとテレビは水と油? 求む、テレビ局の挑戦

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 前回の連載からずいぶん間が開いてしまった。その間、さまざまなことがあったが、テレビ関連の話題を抜き出すと、各社の4Kテレビが出そろったこともその1つ。北米でマイクロソフトの新型ゲーム機「Xbox One」が発表されたが、驚かされたのは既存のテレビをより楽しめるものにするための仕掛けを入れていたこと。ゲーム機だけではなく、AV体験を拡張するツールとしてもXbox Oneを訴求しようとしているようだった。

ts_xbox1.jpg「Xbox One」

ts_xbox2.jpgXbox Oneのシステムは、ゲーム用とSkypeやテレビ用が個別のOSで動く。例えばゲームと映画やテレビをシームレスに切り替えたり、画面を分割して映画を見ながらSkypeチャットするといったことができる

 と、これらも興味深いテーマなのだが、前回、中途半端なままだった話の続きを、今回はしておきたい。

 フジテレビが深夜枠でボーカロイドをテーマにした番組を流すという話を書いた。ドワンゴが企画に絡んでいると聞いていたので、ニコニコ動画とテレビ番組のコラボレーションがあると面白いな、と思ったのだ(→関連記事)。

 テレビ放送という、きちんとオーソライズされた、作り込んだコンテンツを大量の人に楽しんでもらうというメディアがあり、一方で強いテーマ性を持ち、コンテンツに集まるファンたちを強く結びつけるニコ動という通信サービスがある。本放送以外の領域をニコ動でカバーし、熱心なファンとの関係を構築。アウトプットとしてはテレビという手法を用いるという形には、大きな可能性がありそうだと思ったからだ。

ts_kayosai_01.jpg賛否両論あったフジテレビ「ボーカロイド歌謡祭」

 ところが、前回の連載を執筆した直後にフジテレビ関係者に話を伺ったところ、実のところ番組の企画や台本に、ニコ動のサービスが組み込まれる予定はないのだという。もちろん、せっかくボーカロイドをテーマにするのだから、ニコ動をうまく企画に組み込みたいと考える人たちはいたようだが、最終的には今回は見送ることになったという。その細かな経緯については分からない。

 さて、フジテレビの件はともかく、またニコ動という特定のサービスに関連する話はさておき、テレビ番組をより楽しく観るためのツールとして通信サービスを活用することに関して、僕はかなり肯定的な意見を持っている。1つには「JoinTV」のようなソーシャル視聴を起点とするものもあるだろうが、通信サービスを絡めるならば、上記のようにテレビを観ていない時間帯の活用の方がベターだろう。

 そもそも、僕らが子どもの頃と今とで、なぜ視聴率が大きく異なるのか。娯楽の多様化という話がよく囁かれる。しかし、テレビ黄金期を知る我々のような40代以上の人間でさえ、最近のテレビは以前ほど面白くないと感じている。

 すると多くの人から「番組がくだらないから」という意見が出てくるが、では昔の番組がくだらなくなかったにか? といえば、今よりもずっとくだらない、悪ふざけが電波に乗って伝わってくるような番組がたくさんあった。つまらなくなった理由は、もっと違いところにあるのではないだろうか。

 どんなエンターテイメントコンテンツでも、同じ娯楽性を共有できる仲間がいる方が楽しい。映画の趣味が同じ人同士なら映画の話で盛り上がれるものだし、切り口は特定のタレントや音楽ジャンルなどでもいい。ソーシャル視聴が楽しいのは、同じコンテンツにチャンネルを合わせている、というゆるやかな価値観の共有があるからだ。

 ところが、ライフスタイルが多様化し、子どもであっても放課後の過ごし方は人によって千差万別。ものごとの感じ方がバラバラなら趣味も、面白いと思うテーマも違う。昔と今では学校生活における人間関係は変化してきている。「8時だョ!全員集合」をみんなが観て、翌日になると男子全員が同じギャグで笑える時代ではなくなってしまった。

 しかしクラスの中に同じテーマ、同じコンテンツで盛り上がれる仲間がいなくても、ネットを通じてならば、同じ属性の仲間が集まれる。それが匿名であればなおさらのことで、年齢や立場を超えて盛り上がれる可能性が出てくる。もちろん、秩序の強制が必要な場合もあるだろうから、必ずしも匿名がベターというわけではない。同じ趣味の仲間を結びつけるために、通信サービスがとても有効であることは誰もが認めるところだろう。

 そろそろ放送と通信という、水と油のようにまるで異なる2つのメディアを上手に使いこなすテレビ局が顕れてくれるのではないだろうか。国主導で決める次世代テレビの”フレームワーク”とはまったく異なる価値観で考えられた、視聴者にとっての娯楽性を決定的に高めるアイデアとなることを期待したい。

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APIへの著作権適用に反対する意見書、科学者が連名で提出

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 米OracleがJava APIに関する著作権をGoogleに侵害されたと訴えている裁判の控訴審で、32人の科学者が連名で5月30日、一審判決を支持してAPIに対する著作権適用の主張を退けるよう求める意見書を米連邦高裁に提出した。「オープンなAPIはコンピュータのイノベーションのために不可欠だ」と訴えている。

 米電子フロンティア財団(EFF)によると、意見書にはMS-DOSの父と呼ばれるティム・パターソン氏や、ARPANETの開発にかかわったラリー・ロバーツ氏など32人が署名した。

 この裁判の一審判決では、APIに著作権は適用できないと認定し、著作権適用の範囲を過度に広げようとするOracleの動きは、著作権法の趣旨やコンピュータ科学の性質に相容れないと指摘した。

 この点についてEFFの弁護士は、「コンピュータ言語がコミュニケーションの媒介であり、著作権を適用できないことは明白だ。APIはプログラム同士のコミュニケーションを可能にしている仕様であり、一審判決通り、著作権を適用することはできない」と述べている。

 意見書ではさらに、APIの著作権を認めた場合、実世界に重大な悪影響が生じると主張。全てのソフトウェア開発者はAPIを使って自分のソフトウェアと他のソフトウェアを連携させており、もしもAPIに著作権が適用されれば、デベロッパが相互運用性を操作して、競合相手や創造的な新製品を阻止することができてしまうと訴えた。

 EFFは「オープンなAPIによって実現した相互運用性がなければ、現在のように活気あるコンピュータおよびインターネット環境は存在していなかった。オープンなAPIは、ソフトウェアの発展を促し、オリジナルのインターフェイスの作者が想像もしなかったプログラムを作り出す」と強調し、技術革新を守るため、Oracleの控訴を退けるべきだと主張している。

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TechTargetジャパン

「イモトのWiFi」グローバルデータの情報漏えい騒動、該当者は何をすれば?

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ニュース

「イモトのWiFi」グローバルデータの情報漏えい騒動、該当者は何をすれば? (1/3)

海外旅行者向けにモバイルルータや携帯電話をレンタルしているエクスコムグローバルから、約11万件ものユーザー情報が流出した。クレジットカード番号やセキュリティコードなどが含まれており、不正利用される可能性が非常に高いため、該当者は即対応すべきだ。注意点をまとめた。

[吉岡綾乃,Business Media 誠]

 5月27日、海外旅行者向けに携帯電話やモバイルWi-Fiルータのレンタルなどをしている「Global Cellular」や「GLOBALDATA」で、約11万件ものユーザー情報の流出が発覚した、というニュースがあった。

 グローバルデータ、というサービス名を知らない人も、「イモトのWiFi」というキャッチコピーにはピンとくるのではないだろうか。タレントのイモトアヤコさんをCMキャラクターに採用し、ネットでも大々的に広告展開していたので、バナーを見たことがある人も多いだろう。

 →「GLOBALDATA」「Global Cellular」に不正アクセス——10万9112件のユーザー情報が流出(参考記事)

ay_xcom03.jpgグローバルデータのWebサイト

 情報流出の可能性があるユーザーには、申込時に登録したメールアドレス宛にエクスコムグローバルからメールが送られているはずだ。実は筆者も、過去にGLOBALDATAのサービスを利用したことがある1人。もしやと思って確認したところ、「【エクスコムグローバル株式会社】不正アクセスによるお客様情報流出に関するお知らせとお詫び」と題したメールが27日の夜に届いていた。つまり、筆者のカード情報も漏えいしている可能性があるということだ。

 今回の情報流出騒ぎ、4月末に情報流出が発覚してから5月末に発表するまで1カ月近くも時間が経過している。情報漏えいが起こった場合、被害の拡大を防ぐために、できるだけ迅速に対応するのが原則である。しかし1カ月も発表せずにいたのは、旅行者が増えて同社にとっては最大のかき入れ時であるゴールデンウィークを逃したくなかったから、と言われても反論できないだろう。しかも、クレジットカードのデータを扱うにも関わらずシステムが穴だらけだった、加盟店が保存してはいけないセキュリティコードをサーバに保存していた(しかも流出した)、クレジットカード業界では標準的なセキュリティ基準であるPCI DSSを取得していない……など、同社のさまざまな問題点が指摘されている。

 加えて筆者が非常に気になっているのは、発表後のエクスコムグローバルの対応があまりに不誠実なことだ。同社から送られてきた「おわび」メールは、長い文章の割に、被害にあったユーザーが知りたい情報がほとんど含まれていなかった。

 この記事の読者の中にも、カード情報が流出してしまった人がいるかもしれない。本記事では、筆者がサポートセンターに電話をして聞いた話を中心に、今の時点で分かっていること、気をつけるべきことをまとめておこうと思う。

 本件について、詳細を確認しようと5月28日に電話取材を申し込んだところ「(広報)担当者から連絡するので待ってほしい」と言うだけで、いつまでに連絡をするという約束はもらえなかった。筆者の連絡先は伝えたが、広報担当者の名前や連絡先については、「今、非常にたくさんの電話がかかってきているので」「担当者がたくさんいるので」という理由で教えてもらうことはできなかった。

 しかし「担当者から連絡する」と言われたきり、すでに3日以上が経過している。仕方がないので、お詫びメールに書かれていた、サポートセンターに電話をかけて聞いた内容を中心に、本記事を執筆した。

 今後、エクスコムグローバルの担当者に取材ができた場合、もしサポートセンターで聞いた話と差異があれば、本記事に追加情報を加筆する予定だ。


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Windows RTタブレットは今後安くなる?

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ほとんどのWindowsアプリケーションを実行できないWindows RT

 米AppleiPadが大成功を収めて以降、米Microsoftや他のベンダーは競合可能なタブレットにWindowsを搭載しようとし続けてきた。しかし、そこには大きな障害が横たわっていた。Windowsはx86プロセッサ上で動くが、このチップはiOSやAndroidタブレットに搭載されたARMチップよりも多くの電力を必要とする。そのためWindowsタブレットのバッテリー寿命は競合製品のものより劣る。

 それに対するMicrosoftの回答が、ARMチップ上で実行できるように再コンパイルされたOS、Windows RTだった。このOSは基本的な問題を解決した。1回の充電でApple製品とほとんど同じ時間、稼働できるようになったのだ。ところが、このソリューションには大きな欠点があった。

「メイドさんにたっちなう」──NFC対応スマホがあればできるぞ! あんなことやこんなこと!

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ボクが押した色でメイドさんが光り輝く!

 ワイヤレスジャパン2013の最終日となる5月31日に、日本Androidの会は、Androidプラットフォームで“楽しく遊ぶ”ことを訴求する講演を行った。説明するのは、日本Androidの会に所属する「秋葉原支部」と「コスプレ理系女子普及部」、そして、「アクセサリ部」で、「ネクタイとスーツでビシッ!」という雰囲気に満ち満ちている会場では思いっきり異彩を放っていたものの、講演タイトル「メイドさんのハードビートを体感しよう! 2013」「メイドさんにたっちなう2013」に何かを期待してしまった来場者が、午前のセッションというのに多数押し寄せてきた。

 メイドさんのハードビートを体感できるデバイスは、ワイヤレスジャパン2012でも紹介した「ハートビート検出装置」だ。赤外線を使うフォトインタラプタを用いて、赤外線を吸収する性質を持つ血液中のヘモグロビンの流れを、反射量に応じて変化する電圧から検出することで、間接的に心拍を知ることができるという仕組みだ。

 この検出装置とAndroidデバイスをBluetoorhで接続し、センサーで検出した心拍(正しくは、ヘモグロビンが吸収する赤外線量)を送信し、Androidデバイスからインターネットを経由して、Webページでほかのユーザーもメイドさんの心拍を視覚的に“感じる”ことができる。

kn_mydo_01.jpgkn_mydo_02.jpgkn_mydo_03.jpgワイヤレスジャパン2012で登場したハートビート検出装置(写真=左)。ヘモグロビンの流れを検出してピコーンと光って(写真=中央)、Bluetoothで接続したAndroidスマートフォンを介してWebページ経由でメイドさんの“胸の鼓動”を知ることができる(写真=右)

 ここまでは、ワイヤレスジャパン2012で紹介した仕組みだが、ワイヤレスジャパン2013では、双方向性を持たせて、インターネットを介してユーザー側からもメイドさんにアクションを起こす機能を用意した。このために、日本Androidの会 アクセサリ部は、フルカラー表示のテープLEDを内蔵するカチューシャを“電子工作”で用意した。カチューシャのLED発光制御は「GR-KURUMI」を採用している。カチューシャとAndroidデバイスをBluetoothで接続することで、AndroidデバイスからカチューシャのLED発光を制御できる仕組みだ。

kn_mydo_04.jpgkn_mydo_05.jpgワイヤレスジャパン2013ではLEDを組み込んだカチューシャが登場した(写真=左)。BluetoothでAndroidスマートフォンを接続してインターネット経由で多くのユーザーをつながるのはこれまでと同じだが、ユーザーからコマンドを受け取ってカチューシャを好きな色に光らせることができる(写真=右)

 さらに、ハートビート検出装置とリンクしたWebページに新たにアイコンを設けて、そこにアクセスしたユーザーがクリックすることで、メイドさんが装着したカチューシャのLEDを光らせることも可能だ。Webページのアイコンには階名を記載していて、クリックしたアイコンに合わせて音も鳴らすことのできるほか、アイコンに割り当てた「色」でカチューシャを光らせることもできる。

kn_mydo_06.jpgkn_mydo_07.jpgkn_mydo_08.jpgWebページに用意した階名アイコンにあわせて、フルカラー対応LEDは赤に青にピンクに輝くー。

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第4世代Coreの性能は? 「Core i7-4770K」で速攻検証!!

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 Core i7-4770Kを筆頭とするデスクトップPC向け「第4世代Coreプロセッサー」の販売がスタートした。“Haswell”(開発コード名)は、Intelのチック・タックモデル順で「タック」にあたり、製造プロセスは変更せず、アーキテクチャ面の改良に力を注いだ世代の製品だ。今回、Core i7-4770KとIntel DZ87KLT-75Kマザーボードを入手したので、Haswellの実力を検証してみた。

Core i7-4770KはLGA 1150、対応チップセットは8シリーズへ

 Haswellで自作するにあたり、念頭に置かねばならないのがソケットの変更だ。これまでSandy Bridge、Ivy Bridgeと2代にわたり、LGA 1155が用いられてきたが、Haswellでは新たなソケット「LGA 1150」に変更されている。この2つのソケットには当然互換性はなく、ピン数が違えばCPU側の切り欠きの位置も異なる。Haswellへのアップグレードコストは、CPU+マザーボードということになる。

og_haswellbench_001.jpgog_haswellbench_002.jpgCore i7-4770Kのサンプル

og_haswellbench_003.jpgog_haswellbench_004.jpg左がCore i7-4770K、右がCore i7-3770K。サイズは従来の LGA1155版Core iプロセッサと変わらないが、接点のレイアウトは左右周辺部分で若干変わり、また、切り欠きの位置も若干角寄りに移った(写真=左)。ソケット側のコンタクトもLGA 1150用であり、従来のLGA1155 CPUは搭載できない(写真=右)

 それではCore i7-4770Kを見ていこう。Core i7-4770Kは、前述のとおりCore i7-3770Kと同様、22ナノメートル3D Tri-Gateトランジスタを採用している。動作クロックは、定格が3.5GHz、Turbo Boost時が3.9GHzに設定されている。つまり、スペック上ではCore i7-3770Kと同じクロックだ。ほかにも、共有L3キャッシュが8Mバイト、サポートするDDR3メモリのクロックが1600MHzまでなど、スペック上では共通する部分が多い。

製品名Core i7-4770KCore i7-3770K
コードネームHaswellIvyBridge
コア数44
スレッド数88
定格クロック(GHz)3.53.5
ターボ時クロック(GHz)3.93.9
L3キャッシュ(MB)88
製造プロセス2222
TDP8477
DDR3メモリ16001600
チャネル数22
グラフィックスIntel HD 4600Intel HD 4000
DirectXバージョン11.111
ソケットLGA 1150LGA 1155

 一方、異なるのがTDPだ。Core i7-3770Kは77ワットであるのに対しCore i7-4770Kは84ワットとなった。やや増加している点は気になるが、Core i7-3770KなどIvy Bridgeでは、TDPこそ75ワットだったものの、要求される冷却性能は95ワット相当だったことを考えれば、むしろこちらのほうが重要かもしれない。Haswellが必要とする冷却性能はまだ不明だ。

 また、統合グラフィックス機能も変わる。Core i7-3770KのIntel HD 4000に対し、Core i7-4770KではIntel HD 4600となった。EUの数はCore i7-3770Kの16基から20基へと増加。これに合わせて、DirectX 11.1対応となった点もポイントだ。

og_haswellbench_004tuika01.jpgog_haswellbench_004tuika02.jpg

 外観からは見えないところだが、CPU-ZなどでCPU情報を見ると、内部命令でAVX2に対応しているところが新しい。また、メモリは引き続きデュアルチャネルのDDR3-1600に対応する。なお、Haswellと組み合わせるチップセットは8シリーズとなる。今回の評価キットに含まれるマザーボード「DZ87KLT-75K」には、Intel Z87 Expressチップセットが搭載されている。

og_haswellbench_005.jpg大きなヒートシンクに各種のオンボード機能を備え、ハイエンド向け製品とみられるIntel DZ87KLT-75K。マザーボードとしての「見た目」は従来同様だが、Intelのマザーボードとして見るとスッキリした印象だ

 このDZ87KLT-75Kから分かるIntel Z87チップセットの特徴は、Serial ATA 3.0が6ポートに拡大されている点だ。Intel Z77チップセットまではSerial ATA 3.0が2ポート、そのほか4ポートはSerial ATA 2.0止まりだったが、ついに全ポートがSerial ATA 3.0になった。ただし、AMDのチップセットでは「AMD 890GX」に組み合わされる「SB85」から、6ポートのSerial ATA 3.0に対応していたので、追いつくまでに3年少々かかったことになる

 PCI Express x16スロットは、Intel Z77 Expressと同様、3.0の16レーン、あるいは分割して3.0の8レーン×2本として利用することが可能だ。DZ87KLT-75Kにおける3本目のx16スロットは、2.0の4レーンとなっている。ほか、x1スロット×3、PCI×1本を備えるとともに、PCIe Mini Cardスロット兼mSATAスロットも用意されている。

 DZ87KLT-75Kのインタフェースは、2ポートのギガビットLAN、IEEE1394a、そしてThunderboltと、かなり充実した内容となっている。バックパネルには6ポートのUSB 3.0、2ポートのUSB 2.0、BIOS進入スイッチなどが並ぶ。ディスプレイ出力は、HDMIとThunderbolt兼用のMini DisplayPortが用意されている。

og_haswellbench_006.jpgog_haswellbench_007.jpgSerial ATA 3.0は計8ポートで、うち青い6ポートがチップセットの機能。2ポートのグレーの追加SATAのうち1ポートはmSATA用(写真=左)。かなり充実したバックパネルインタフェース。チップセットではレガシーフリー化を進めるIntelだが、マザーボードにはPS/2やPCI拡張スロットを搭載したり、徐々に存在感の薄れてきたIEEE1394aを搭載するなど面白い。ゲーマーやアップグレードユーザー、ビデオ編集ユーザーのニーズはきちんと汲んでいるというところ(写真=右)

 メモリスロットは4本で従来と変わらない。DDR3-1600/1333をサポートするほか、オーバークロックでDDR3-2400+にも対応するとされている。メモリの電圧は、通常の1.5ボルトに加え、OC用の1.65ボルト、低電圧の1.35ボルトもサポートされる。

 Haswellでは、電源に対しても要求スペックが変わる。主に省電力機能のC6、C7ステートにおいて、0.05アンペアの出力が要求され、電源もこれを満たす必要があるというものだ。このあたり、80PLUS Platinum/Gold世代の比較的新しい電源であれば対応できるようだが、詳しくは各電源ユニットメーカーのサポートリストを確認してほしい。

 今回使用したSeasonicのXseries XP「SS-1000XP」では、代理店のオウルテックからアナウンスが出ており、対応製品とされている。そして検証においても問題は発生していない。

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「Core i7が世界一売れる街」で新CPUを語る――インテルの“Haswell”紹介イベント

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アキバの“ベルばら”で「第4世代Core」をアピール

tm_1306intel_01.jpgベルサール秋葉原で開催された「Intel Technology Day in AKIBA 2013」

 インテルは6月2日、「第4世代Coreプロセッサー」の紹介イベント「Intel Technology Day in AKIBA 2013」を東京・秋葉原にて開催した。

 同日0時に販売が開始された新型CPUの第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)を一般ユーザー向けに紹介するイベント。第4世代Coreと旧世代CPUの性能を比較するデモコーナーをはじめ、各メーカーの最新マザーボードやデスクトップPC、ノートPCが展示された。

 通称「パーツ通り」と呼ばれるPCパーツショップ密集地に近いベルサール秋葉原が会場だったこともあり、午前中から多くの自作PCユーザーが来場し、製品展示や比較デモを熱心に見入る姿や、世代交代による強化点などを説明員に質問する様子が見られた。

 会場に設けられたステージでは、インテルの吉田和正代表取締役社長が登壇し、「皆さんと生で接する機会を持てる場所、新しいトレンドが生まれて世界に発信される場所として、自分にとってアキバは本当に大事な街」とあいさつ。第4世代Coreの魅力について、「アーキテクチャが刷新され、特に内蔵グラフィックス性能の強化により、高解像度の写真や動画を楽に扱えるようになった。ミドルレンジ近くのGPUまでようやくカバーできる段階になり、FF XIVも内蔵グラフィックスで結構サクサク遊べる」とアピールした。

 また、「今後登場する次期NUC(Next Unit of Computing)では、弁当箱より小さいサイズに第4世代CoreとSSDが入り、4Kの映像まで扱えるグラフィックス性能を備えることで、PCの使い方も変わっていく」と、現時点で公表されていないモバイル向け第4世代Core低電圧モデルへの期待ものぞかせた。

 続いてステージには、第4世代Coreの販売解禁に伴い来日した米Intelの副社長兼セールス&マーケティンググループゼネラルマネージャーであるスティーブ・ダルマン氏が登場。「過去5年間において“K”型番を含むCore i7が世界で最も売れているのは秋葉原。新しいテクノロジーを最も早く取り込むリーダーたちが集う秋葉原で、第4世代Coreの出荷を世界で初めて開始できたのは素晴しいこと」とコメントした。

tm_1306intel_02.jpgtm_1306intel_03.jpgtm_1306intel_04.jpgインテルの吉田和正代表取締役社長(写真=左)。米Intelの副社長兼セールス&マーケティンググループゼネラルマネージャーであるスティーブ・ダルマン氏(写真=中央)。第4世代Core i7はロゴとリテール版のパッケージも変更された(写真=右)

tm_1306intel_05.jpg会場はデモが行われるステージのほか、第4世代Coreの性能や機能などを紹介するインテルソリューション、Intel 8シリーズチップセット搭載マザーボード、第4世代Core i7搭載PCといった展示コーナー、そしてPCショップをめぐるスタンプラリーの抽選コーナーに分かれていた

tm_1306intel_06.jpgtm_1306intel_07.jpgtm_1306intel_08.jpg第4世代Core i7-4770K(3.5GHz/最大3.9GHz、左)と第2世代Core i7-2700K(3.5GHz/最大3.9GHz、右)のグラフィックス性能を「ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア ベンチマーク ワールド編」で比較するデモ(写真=左/中央)。スコアはCore i7-4770Kが3328、Core i7-2700Kが1811という(「快適な動作が見込めるスコアは3500以上、2500〜3499は「やや快適」という評価)。CPU内蔵グラフィックスのIntel HD Graphics HD 4600で3画面のフルHD表示(DisplayPort、HDMI、DVI)を行うデモ(写真=右)

tm_1306intel_09.jpgtm_1306intel_10.jpgtm_1306intel_11.jpgインテルソリューションのコーナーでは、エンタープライズ向けSSD「Intel SSD DC S3500(SSDSC2BB800G4)」と一般PC向けSSD「Intel SSD 510(SSDSC2MH120A2)」の書き込み安定性を比較し、前者の優位性をアピールするデモ(写真=左)や、第3世代CoreベースのCeleronを採用したWindows 8タブレットの展示(写真=中央)、第3世代Corei5-3427UやUSB 3.0、Mini DisplayPort×2、HDMIを搭載した未発売のNUC「DC53427HYE」(写真=右)などの展示も行われていた

tm_1306intel_12.jpgtm_1306intel_13.jpgtm_1306intel_14.jpgガラスケースに入れて飾られたインテル純正のIntel 8シリーズチップセット搭載マザーボード。microATXの「DB85FL」(写真=左)と「DH87RL」(写真=中央)、ATXの「DH87MC」(写真=右)

tm_1306intel_15.jpgtm_1306intel_16.jpgtm_1306intel_17.jpgMSI(写真=中央)、GIGABYTE(写真=中央)、ASRock(写真=右)は、Intel Z87 Expressチップセット搭載マザーボードのデモを実施

tm_1306intel_18.jpgtm_1306intel_19.jpgtm_1306intel_20.jpgASUSのIntel 8シリーズチップセット搭載マザーボード群(写真=左)。ELSAは第4世代Coreに自社のGeForce GTX 780搭載グラフィックスカードを組み合わせたデモを行った(写真=中央)。ShuttleはCore i7-4770K搭載のキューブ型ベアボーン(左が第3世代Core、右が第4世代Coreを搭載)を展示(写真=右)

tm_1306intel_21.jpgtm_1306intel_22.jpgtm_1306intel_23.jpg第4世代Core i7搭載PCは、オーバークロックワークス、エプソンダイレクト、オリオスペック、サイコム、サードウェーブデジノス(ドスパラ)、タワーヒル(アーク)、ツクモ、マウスコンピューター、ユニットコム(パソコン工房、ツートップ、フェイス)の製品が展示されていた(写真=左/中央)。そのほか、MAKE JAPAN TEAMは第3世代CoreのNUCを使い、Kinectを3Dスキャナとして活用、3Dプリンタ「MakerBot」と組み合わせた展示を行った(写真=右)

前夜祭は著名クリエイターによる3Dプロジェクションマッピング

 なお、前日の6月1日には、同会場で前夜祭となる「Intel Technology Night in AKIBA 2013」が開催され、20時から21時30分まで3Dプロジェクションマッピングを実演。6月2日の第4世代Core販売解禁を前に、インテルのテクノロジーをモチーフにした3DCGのアニメーションとディスプレイ付きのロボットアーム、プロジェクターによる大画面投写を組み合わせたパフォーマンスが行われた。

tm_1306intel_24.jpgtm_1306intel_25.jpg「ROBOT AND MONOLITH」と題した3Dプロジェクションマッピングが、前夜祭として行われた。ロボットアームプログラミングは真鍋大度氏と石橋素氏(ライゾマティクス)、映像コンテンツ制作は土屋貴史氏(TAKCOM)、プロジェクションマップイングはピクス、マッピングコラボDJはSETSUYA KUROTAKI氏が担当している

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ビッグデータ分析、Hadoop活用の意外な落とし穴

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ビッグデータがIT部門に付きつける課題

 ビッグデータに備えよう。自社のデータセンターがその大波にまだ襲われていなくても、襲われるのは時間の問題だ。そうなれば、ITインフラとオペレーションの新たな要件に対応しなければならなくなる。

 ビッグデータアナリティクスは、「eHarmony」のような結婚仲介サービスのWebサイトや、小売業者による顧客の購買行動予測、さらには医療機関による個人の寿命や疾病罹患の予測など、多種多様な用途で利用されている。こうしたデータ利用は、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』で描かれた、ビッグブラザーが支配する監視社会を少し連想させるが、ビッグデータアナリティクスは、コンピューティングを利用して人間行動に解釈を加え、影響を与える方法に革命をもたらしている。

 ビッグデータとは単に「増大の一途をたどるデータ」を指すものではない。「大規模なデータセットを高速に処理し、複雑な、そして多くはリアルタイムの意思決定を支援する一連のプロセスと技術」を指すのである。米ベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンター(BIDMC)のストレージアーキテクト、マイケル・パース氏は、「予測分析を利用して治療を向上させることは、今後の医療が目指すべき方向だ。何らかの予測をしたい場合、ビッグデータはいつでも大いに役立ちそうだ」と語る。

 明るい展望だ。しかし、ビッグデータ活用に携わる多くのIT担当者は、思わぬ壁に突き当たることになるだろう。

3万円という価格差の意味は? ヤマハのAVアンプ「RX-V575」「RX-V775」を徹底比較

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 近年、AVアンプの性能底上げが著しい。中でもボリュームゾーンとなった10万円以下の価格帯には各社から複数のモデルが投入され、市場を活性化する一因になっている。しかし、買う側から見ると狭い価格レンジの中にいくつものモデルがひしめき合い、違いが見えにくくなっているのも事実だろう。そこで今回は、ヤマハの2013年春モデル「RX-V575」および「RX-V775」を取り上げ、機能から内部の作り、実際の音まで直接比較してみたい。

ts_rxv011.jpgts_rxv012.jpg「RX-V775」(左)と「RX-V575」(右)。RX-V775は上位機らしく、高さが1センチ、奥行きは5センチ長くなり、フロントパネルもアルミ製になっている

 まず2製品の概要を紹介しておこう。両モデルともディスクリート構成のパワーアンプを7基搭載したAVアンプで、独自の音場創生技術「シネマDSP」や「YPAO」といったヤマハならではの機能を網羅している。DLNA 1.5によるネットワークオーディオ機能は192kHz/24bitまでのPCM音源(WAV、FLAC)に対応し、さらにアップルのAirPlayをサポート。MHL対応のHDMI端子、apt-X対応のBluetoothアダプター「YBA-11」(8400円)など、時流にのってスマートフォンユーザー向けの機能も多く盛り込んだ。もちろん従来機同様、専用アプリ「AV CONTROLLER」を使えばスマートフォン/タブレットからAVアンプを無線でコントロールできる。

 希望小売価格は、RX-V575が6万3000円、RX-V775は9万2400円。定価では3万1000円の開きがあり、実売価格は安くなっているものの価格差は同程度だ。ちょっと“ふんぱつ”すれば1つ上のグレードが狙えるし、逆に下位モデルのコストパフォーマンスが高ければ初期投資を抑えて相対的な満足度を高めることもできそう。なんとも微妙な位置付けにある2機種といえる。

ts_rxv09.jpgts_rxv010.jpgRX-V575は奥行きが315ミリと5センチ短いため、薄型テレビ専用ラックなどにも収まりそう(左)。Bluetoothアダプター「YBA-11」。電源はAVアンプ背面のUSBポートから供給するため、コンセントはいらない(右)

 外観デザインは「RX-Vシリーズ」共通のシンプルかつ実用的なもの。RX-V775は上位機らしく、高さが1センチ、奥行きは5センチ長くなり、フロントパネルもアルミ製だ。また細かい点だが、MHL(Mobile High-Difinition Link)対応HDMI端子が前面(RX-V775)にあるか、背面(RX-V575)にあるかといった違いもある。もし、Android端末を所有していてMHL接続を頻繁に使うつもりなら、こうした使い勝手の違いにも着目したい。

ts_rxv04.jpgts_rxv03.jpgRX-V775はフロントにMHL対応のHDMI入力を装備(左)。RX-V575は背面の「HDMI5」がMHL対応になっている(右)

 HDMI端子は、RX-V575で5入力、RX-V775は6入力(2出力)と、どちらも必要十分。むしろ、数年前のAVアンプを使っている人なら、10万円以下のモデルがこれほどのHDMI入力を備えていることに驚きそうだ。なお、両モデルとも4Kパススルーに対応しているため、将来的にテレビやレコーダーを買い替えるときにも安心。さらにRX-V775では4Kアップスケール機能も備えた。もっとも、4Kテレビや4K出力対応BDレコーダーは超解像技術を含む強力なアップスケール機能を“売り”にしているため、とりあえず4Kパススルーがあれば必要十分だと思われる。

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KDDIの起業支援サービス「SmaBI」はどこまで使える?

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レビュー

個人事業主が挑戦:KDDIの起業支援サービス「SmaBI」はどこまで使える? (1/4)

書類作成を中心に起業に関するさまざまな課題解決をサポートするサービス「SmaBI」。実際に個人事業主として独立している筆者がその使い勝手を試してみた。

[三河賢文,Business Media 誠]

 私が初めて会社設立に関わったのは、2010年4月のこと。当時会社員だった私は、知人からの声がけで法人設立を手伝うことになった。その2カ月後、私自身も個人事業主として独立し、現在はその事業を法人化して運営している。

 会社設立そのものは、誰にでもできる。資金面にしても資本金は1円から可能になったし、30〜50万円程度あればすぐに設立できる。しかし厄介なのが、設立に必要な書類の作成だ。もちろん設立後にも、この“書類作成”という業務は経営者にとって頭を悩ませることの1つとなるだろう。

 そこで今回は、書類作成を中心として経営に関するさまざまな課題解決をサポートし、経営の円滑化に一役かってくれそうなサービスを紹介したい。それが、「SmaBI(スマビ)」だ。サービスを提供するKDDIとプロジェクトニッポンに聞いた話も踏まえて、実際にサービスを利用した上でSmaBIの使い勝手や感想を述べていく。

コストと時間の天秤から抜け出す「会社設立キット」

 現在私が経営するナレッジ・リンクスは、顧問契約を結んでいる税理士事務所からの紹介を受け、司法書士にそれら書類作成の一切を委託した。恐らく多くの法人が私と同じような選択をしていることだろう。しかし「委託する」ということは、当然ながらそこにコストが発生する。

 中には「設立0円」などをうたう設立サポートサービスも存在するが、それらは税理士事務所との顧問契約、あるいはオフィス用品や通信サービスの契約、購入を必須とする場合がほとんど。結局のところ、最終的には何かしらのコストが発生するわけである。

 では、自分たちで会社設立をすることはできないのか?

 インターネットで「法人設立」などと検索すると、上位には先に挙げたような設立サポートサービスのWebサイトがヒットする。そのため、そもそも自分たちで会社を設立しようという考えも浮かばないケースが多いのだが、結論から言えばそれは可能である。

 実際私が初めて設立に携わった会社では、設立に必要な書類作成から申請に至るまで、すべてを自分たちで行った。会社設立に必要なのは“書類の作成と申請”なのだが、これらは必ずしも外部の力に頼る必要などないのである。

 自分たちで設立できれば、委託に必要なコストは削れる。専門家だと電子定款によって幾分か設立費用を抑えられるのだが、結局は委託料が上乗せされるので変わらない。

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'); html.push('
'); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push('
投稿フォーム
'); html.push('

Biz.IDの「Webサービス図鑑」では、便利で楽しめるWebサービスを今後も続々と追加していきます。「おもしろいWebサービスを見つけた!」という方は、「URL」「サービス名」「コメント」をご記入の上、以下のフォームからご連絡ください。

'); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push('
Webサービスの名称
サービスのURL
利用料
(分かる範囲でお願いします)
ユーザー登録の有無
運営会社
(分かる範囲でお願いします)
概要など
認証'); html.push('
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アキバで聞いた「第4世代Coreプロセッサー」の評判

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「SとTへの注目度が増しているのを感じますね」

og_akibar_001.jpg新パッケージを採用したインテルの第4世代Coreシリーズ

 6月2日、“Haswell”ことインテルの新CPU「第4世代Core」シリーズが発売された。出回っているのはリテール品8モデルとバルク品6モデル。うちCore i7が5種類、i5が9種類だ。2万円前後から4万円弱の間で販売されている。

 旧世代のIvy Bridgeからグラフィックスが強化され、上位モデルは「Iris」というブランドのGPUを内蔵するようになった。消費電力が大幅に改善されているのも特徴だ。Turbo Boostにより自動クロックアップする機能やDDR3メモリに対応する点は同じ。ソケット形状は旧世代と互換性のないLGA 1150に変更されている。

 各モデルの仕様は以下のとおりだ。

モデル名コア/スレッド標準クロックTB最大GPU(Iris)TDP価格帯
Core i7-4770K4コア/8スレッド3.5GHz3.9GHzHD4600 1.25GHz84ワット3万8-9000円前後
Core i7-47704コア/8スレッド3.4GHz3.9GHzHD4600 1.25GHz84ワット3万4-5000円前後
Core i7-4770S4コア/8スレッド3.1GHz3.9GHzHD4600 1.25GHz65ワット3万3-4000円前後
Core i7-4770T4コア/8スレッド2.5GHz3.7GHzHD4600 1.25GHz45ワット3万4-5000円前後※バルク品のみ
Core i7-4765T4コア/8スレッド2.0GHz3.0GHzHD4600 1.25GHz35ワット3万4-5000円前後※バルク品のみ
Core i5-4670K4コア/4スレッド3.5GHz3.8GHzHD4600 1.20GHz84ワット2万6-7000円前後
Core i5-46704コア/4スレッド3.4GHz3.8GHzHD4600 1.20GHz84ワット2万4-5000円前後
Core i5-4670S4コア/4スレッド3.1GHz3.8GHzHD4600 1.20GHz65ワット2万4-5000円前後※バルク品のみ
Core i5-4670T4コア/4スレッド2.3GHz3.3GHzHD4600 1.20GHz45ワット2万4-5000円前後
Core i5-45704コア/4スレッド3.2GHz3.6GHzHD4600 1.15GHz84ワット2万2000円前後
Core i5-4570S4コア/4スレッド2.9GHz3.6GHzHD4600 1.15GHz65ワット2万1000円強
Core i5-4570T2コア/4スレッド2.9GHz3.6GHzHD4600 1.15GHz35ワット2万2000円前後※バルク品のみ
Core i5-44304コア/4スレッド3.0GHz3.2GHzHD4600 1.10GHz84ワット2万円強
Core i5-4430S4コア/4スレッド2.7GHz3.2GHzHD4600 1.10GHz65ワット2万円前後※バルク品のみ

 14モデルのうち、初回に売れ筋として挙げられることが多かったのは、Core i7のリーテルモデル「i7-4770K/4770/4700S」と、Core i5の最上位「i5-4670K」、その低消費電力版「i5-4670」だ。

 BUY MORE秋葉原本店は「基本はIvy Bridgeの売れ方を踏襲することになるでしょう。クロック倍率が変えられるKシリーズがけん引して、低消費電力志向のニーズはSシリーズが中心となって満たすという感じ」と語る。その一方で「SやTの注目度はグッと高くなっていると思います」とのコメントも聞く。

 第4世代Coreプロセッサー全体の評判はどうだろうか。これに対して、多くのショップが「初回の動きは予想どおり」と話している。

 ソフマップ秋葉原リユース総合館は「CPU性能自体はIvy Bridgeからそこまで大幅には進化していないので、初回に飛びついて買うという人は少なめかもしれません。ただ、GPU性能の底上げや消費電力が下がったことによるシステム全体の安定性の向上など、さまざまな部分がよくなっています。グラフィックスカードなしの構成でよりよいパフォーマンスを求めたり、小型マシンに従来より上のモデルを積んだりと、自作の幅を広げるCPUなのは確実です。これまでより裾野を広げる売れ方をしそうですね」と話す。

 なお、Coreシリーズのほかに、Haswell世代のXeon E3シリーズも同時に登場している。

og_akibar_002.jpgog_akibar_003.jpgog_akibar_004.jpg深夜販売時のZOA秋葉原本店のCPU価格表(写真=左)。BUY MORE秋葉原本店の価格表(写真=中央)。Xeon E3シリーズも同時に発売されている(写真=右)

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ゲームっぽさがテレビ番組との距離を縮めてくれた――「トルネ」開発陣に聞く

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インタビュー

ゲームっぽさがテレビ番組との距離を縮めてくれた——「トルネ」開発陣に聞く (1/4)

「トルネ」や「ナスネ」という製品をご存じだろうか。家庭用ゲーム機「PlayStation 3」「PlayStation Vita」などと組み合わせて使うものだが、これがいわゆる“テレビ離れ”を引き戻すきっかけになるかもしれない。

[宮田健,Business Media 誠]

 インターネットやスマートフォンなどから情報が得られるようになったいま、生活のなかでの「テレビ」の優先順位は昔に比べると下がってしまった。筆者も6年前、引っ越しを機にテレビを捨ててしまったが、ほとんど生活に変化がなかったのは意外だった。

 しかし、テレビにも良いコンテンツがある。残しておきたいドキュメンタリー番組や、自分の趣味にぴったりあったニュース。特にニュースは、一度流れたら再放送されることが少なく、資料として残したいものがけっこうあることに気が付いた。

 そこで手に入れたのが、ソニー・コンピュータエンタテインメントがPlayStation 3(PS3)の周辺機器としてリリースした地デジレコーダーキット「torne(トルネ)」だった。これはPS3に接続するUSB地デジチューナーで、PS3本体に内蔵されているHDDにテレビ番組を録画できるもの——機能の説明をすると、よくある製品とおなじものになってしまうが、以前使っていたHDDレコーダーに比べると、明らかに「一段上」なのだ。

 その「一段上」を提供したのは、ユーザーインタフェースだろう。PS3のコントローラーでテレビ番組を録画し、視聴するということが自然に思えるユーザーインタフェースは各所で絶賛された。

 それもそのはず、「ボタンを押したらすぐに反応がある」という当たり前の機能を、ほかの製品ではほとんど見たことがないからだ。これらの機能を(PS3を持っている、という前提だが)、たった9980円で実現したのがトルネだった。

 そして「nasne(ナスネ)」の登場。PS3の周辺機器だったトルネを「ネットワークレコーダー&メディアストレージ」として再定義したものだ。ナスネ単独で地デジ/BS/110度CS番組が録画でき、録画した番組はPS3、PlayStation Vita(PS Vita)、VAIO、Xperia Tabletなどのソニー製品だけでなく、DLNAやDTCP-IPに対応した製品でも再生できる。

 PS VitaやXperia Tabletとの組み合わせであれば、番組の持ち出しも可能になる。通勤などのスキマ時間をテレビ視聴に当てられるのは、現代人にとってありがたい機能だろう。

 筆者は、トルネもナスネも発売とほぼ同時に手に入れた。いまではスマートフォン経由で外からでも録画予約をして、気になる番組は毎週録画。資料として残したい番組は高画質で保存するということが、ネットを通じて手軽にできるようになった。これだけでも手に入れた価値があったと思う。

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