iPad mini Retinaは、米Appleが発売した最新の8インチタブレットだ。同社の代名詞であるRetinaディスプレイを搭載し、その仕様が強化されている。初代の「iPad mini」は、「iPad 2」をスケールダウンしたバージョンだったが、iPad mini Retinaは通常サイズの「iPad Air」に匹敵する機能を備えている。
構造とデザイン
iPad mini Retinaは、スリムでコンパクトで軽量というApple製品らしい魅力を備えたデバイスだ。寸法は200(高さ)×134.7(幅)×7.5(厚さ)ミリで、重量はわずか331グラムである。3G接続や4G接続を利用した無線通信が可能なCellularモデルの重量は若干増えて341グラムになる。
iPad Airと同様に、iPad mini Retinaの枠は薄く、デバイスの小型化に貢献している。しかし、片手で持つのは少々困難だ。片手でも持てる大きさだが、両手で持った方が操作しやすく、安定感がある。ディスプレーの端を親指で押さえていても、そのことが適切に認識されるため、ユーザーはもう一方の手で自由にジェスチャを使用できる。
6.5ミリのボディに6.4インチのディスプレイを搭載したスマートフォン「Xperia Z Ultra」は、そのサイズ感が大きな特徴だが、ソフトウェアも進化を遂げている。開発者インタビューの第4回では、ソニーモバイルコミュニケーションズのエクスペリエンス・プランナーの石田氏と、プロダクトプランナーの市野氏に、ソフトウェアの新しいポイントを聞いた。
6.4インチディスプレイ搭載の「Xperia Z Ultra」。ボディカラーはBlack、White、Purpleの3色
進化した「アルバム」「WALKMAN」「ムービー」アプリ
エクスペリエンス・プランナーの石田氏
ソニーは、同社が培った家電の技術を集約させる“One Sony”を掲げてスマートフォンやタブレットを開発しているが、これはハードだけでなくコンテンツにも当てはまる。「夏に向けて、ソニーのエンターテインメントをもう一度作り直したいと考え、音楽、映画、写真の3ジャンルを、特に集中して取り組みました」と石田氏は話す。これら3つの体験を得られる入口となるのが、ソニー独自の「アルバム」「WALKMAN」「ムービー」アプリであり、Xperia Z Ultraではその使い勝手が改善されている。なお、3アプリはXperia Z1/Z1 fも同様の進化を遂げているので、ご存じの方も多いと思うが、あらためてチェックしていこう。
まずはアルバムアプリについて。Xperiaのアルバムアプリといえば、ピンチイン/アウトでサムネイルの画像を縮小/拡大でき、スムーズにスクロールできることが特徴だが、Xperia Z Ultraでは、よりサクサクスクロールできるよう磨きをかけた。「今までもサクサク見られるようこだわっていましたが、(Xperia Z Ultraでは)スクロールしたときのローディングアイコンが出ないよう作り込みました。スクロール速度も従来から改善しています」と石田氏は説明する。
ソニーのクラウドサービス「PlayMemories Online」にアップロードした写真もアルバムアプリから閲覧できるのはもちろん、「一度アクセスすると、すべてキャッシングをするので、オフライン環境でも閲覧できる」(石田氏)という。6.4インチという大画面と、広い色域で表示できる「トリルミナスディスプレイ for mobile」によって、Xperia Z Ultraなら、よりリッチな環境で写真を楽しめる。
さらに、Xperia Z Ultraではチップセットの性能を生かしつつ再生の仕方を工夫することで、音楽は約120時間の連続再生を実現した。“ちょっと大きなWALKMAN”としても、十分に活用できそうだ。
高音質なサウンドに簡単に設定できる「ClearAudio+」は、従来はWALKMANアプリからしか変更できなかったが、Xperia Z Ultraでは「設定」から変更できるようになった。これにより、ムービーやYouTubeなどのWALKMANアプリ以外でもClearAudio+が有効になる。
ムービーアプリは撮影した映像、Video Unlimitedの作品、ホームサーバにある映像などを一元管理できる。高画質処理エンジン「X-Reality for mobile」によってより鮮明に再生できることに加え、Xperia Z Ultraではムービーアプリでも、ClearAudio+やイコライザーの設定も可能になった。「良い音と映像で気楽に映像を楽しんでほしい」(石田氏)という思いから改善した。
特にUltrabook向けのUシリーズと2in1デバイス向けのYシリーズは、従来のチップセットの機能をワンパッケージに統合したSoC(System On Chip)に進化した。システムレベルの高度な省電力機能を搭載することで、特にアイドル時の消費電力を大幅に下げることに成功し、実装面積の縮小もあり、モバイルPCの設計の自由度を大幅に広げた。2013年には、特にUシリーズを搭載した魅力的なモバイルPCが続々と登場した。
その先陣を切ったのが、6月に発表されたソニーの「VAIO Pro 13」「VAIO Pro 11」と「VAIO Duo 13」だ。VAIO Pro 13/11は、従来のクラムシェルスタイルを踏襲した薄型軽量モバイルノートPCだが、そのスペックがスゴい。13.3型のVAIO Pro 13は約940グラムから、11.6型のVAIO Pro 11は約770グラムからという超軽量で、バッテリー駆動時間もそれぞれ約13時間、約11時間と長い。
さらにフルHD表示に対応した広色域な「トリルミナスディスプレイ for mobile」という非常に美しい液晶ディスプレイを搭載することも特徴だ。数年前あたりの段階でイメージできたモバイルPCの1つの理想形に到達した、といっても過言ではない。
ソニーの「VAIO Pro」シリーズ。13.3型の「VAIO Pro 13」(写真=左)と11.6型の「VAIO Pro 11」(写真=右)
13.3型モバイルノートPC「VAIO Duo 13」は、VAIOノートのラインアップでフラッグシップモデルとなる
もっとも、技術というものは日々進化するもので、今ではもっと先の可能性も見えている。その可能性をいち早く示しているのが、ソニーが「スライダーハイブリッドPC」と呼ぶ13.3型モバイルノートPC「VAIO Duo 13」だ。
東芝が4月に発売した「dynabook KIRA V832」は、13.3型で2560×1440ドット表示、画素密度約221ppiという高精細なディスプレイをUltrabookで初めて搭載しただけでなく、最適な色味を実現するため、出荷前に液晶パネル1台1台の色調整を実施するという画質へのこだわりが大きなインパクトを与えた。年末の12月27日にはHaswell版の「dynabook KIRA V834」が登場し、解像度はそのままにタッチパネルを省いた下位モデル(V634)も加わっている。
まずは「ARROWS ef FJL21」。auの「4G LTE」対応Androidスマートフォンの第1陣として登場した同機は、筆者にとって、初めての富士通モバイルコミュニケーションズ製ARROWSとなった(ARROWSはドコモ向けのみ富士通製、それ以外は富士通モバイルコミュニケーションズ製。ここ、ARROWSフリークテストに出ますよ!)。
続いて「ARROWS X F-02E」。2012年の振り返り記事で紹介した「ARROWS V F-04E」よりも型番的には先なのだが、なぜか2013年春モデルとして登場した。ARROWS初のフルHD液晶を搭載したり、機能をあえて削って使いやすさを重視したカメラアプリを搭載したりと、意欲的な取り組みもなされていた。だが、包み隠さず正直に言うと、F-04Eの方が完成度・安定感ともに上で、F-02Eの出番は少なかった。F-02Eはスペック至上主義の旧来路線のARROWS最後の機種となった。
2013年に購入したARROWSの中で、一番出番が少なかった「ARROWS X F-02E」。手に入れたものの、この後どうなったかは……お察しください(1年ぶり2度目)
そして、いよいよ路線変更が決定的となった2013年夏モデル「ARROWS NX F-06E」に至る。ドコモ向けARROWSとしては初めて、Qualcomm製のチップセットを採用し、ハードウェア・ソフトウェアともに安定性を最重要視して開発が進められたモデルだ。実際、従来のARROWSと比較すると、本体の発熱は他社並みかそれ以下に抑えられ、ベンチマークやアプリを動かした際の印象も悪くない。ソフトウェアの不具合更新も、従来機種と比べると少なくなっている。スマートフォン初搭載となったフルセグも、視聴環境に恵まれているせいか筆者的には非常に重宝した。まさしく個人的に「Best of ARROWS」を与えるにふさわしいモデルだ。“そつのない優等生”になった
ITmedia PC USERは、タブレット端末の記事を多数掲載しており、タブレット USERというまとめページも設けている。とはいえ、昨年までは、パソコン(PC)の名を冠する媒体でタブレットについて書くことに、やや抵抗感を感じつつ、編集部のリクエストや注目を集める分野ということでコラムに取り上げてきた。
Windows 8.1の登場で、Windowsタブレットの使い勝手は向上した(写真=左/「Surface Pro 2」)。2012年9月に登場した「Clover Trail」と、2013年2月にAndroid向けとして登場した「Clover Trail+」の後継となる「Bay Trail」(写真=右)。Windows/Androidの両OSに対応する。タブレット向けSoCである「Bay Trail-T」は、Atom Z3000シリーズとしてリリースされた
ソニーモバイルのグローバル色の強いスマートフォンは、2012年まではおサイフケータイや防水などは対応せず、arcに対してXperia acro、NXに対してXperia acro HDなど、同時期に日本仕様に対応させたXperiaを販売していた。しかしドコモから発売された「Xperia Z SO-02E」は、おサイフケータイや防水にもしっかり対応させ、グローバル仕様と日本仕様をうまく融合させた。5インチフルHD、新しいCMOSセンサー「Exmor RS for mobile」、当時最新のQualcomm製プロセッサーを採用するなどスペックも申し分なく、ソニーが称する“スーパーフォン”と呼ぶにふさわしいモデルに仕上がった。
実際にXperia Z SO-02Eを購入したが、確かに満足感は高かった。スマートフォンは通常は画面を表向きにして置くが、Xperia Zは背面を表にして机に置いてしまう。とにかくガラスパネルを見せたくなってしまうのだ。また静止画と動画を鮮やかに見せてくれる「モバイルブラビアエンジン2」も個人的には気に入っていた。このようにXperia Zは「見る」部分を特に満足させてくれたモデルだった。
Xperiaのデザインは1年ごとに変更されるのが通例だ。2013年のXperiaは、どの方向からでも持ちやすい「オムニバランスデザイン」で統一されていたが、2014年はどんな新しいカタチを見せてくれるのか。ソニーモバイルコミュニケーションズ UXデザイン・商品企画部門 部門長の田嶋知一氏は「フラッグシップモデルは6カ月で進化させる」とIFAで話していたので、9月から数えると、2014年2月下旬開催の「Mobile World Congress 2014」で次期Xperiaが披露される可能性は高い。まだ気が早いが、次のXperiaもわくわくしながら待ちたい。
2013年PC夏モデルとして登場したソニーの「VAIO Duo 13」は、Haswellこと第4世代Coreと64ビット版Windows 8/8.1を搭載し、InstantGoもサポートした先進的な2in1デバイスだ。2013年秋冬モデルになっても、これに対抗するInstantGo搭載機は販売されなかった
筆者もInstantGo対応には、各デバイスの選定やドライバなどの対応が必要とは知っていたが、まさか2013年の年末に「まだ、Haswell搭載機ではソニーのVAIO Duo 13だけしか対応していない」とは想像していなかった(Atom搭載の32ビット版WindowsタブレットならInstantGo対応製品は他にもある)。
2014 International CES(以下、2014 CES)が、現地時間の1月7日から始まる。会場は、例年と同じく、米国ラスベガスのLas Vegas Convention and World Trade Center(LVCC)と、The Venetianになる。また、開催前日の6日には各企業の説明会が集中するが、その会場も2013年と同じMandalay Bay Hotelだ。
5日のCES Unveiledから6日の各メーカー説明会の会場になるMandalay Bay Hotel(写真=左)……の隣にあるMandalay Bay HotelのConvention Center。ホテルの建物を目指して歩くととんでもないことになる広大なラスベガスで、ITmedia取材班の老兵は腰痛をおして取材を観光、いや、敢行するのであった
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