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第38回 iPhoneで全天球パノラマに挑戦するのだ

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Sphereで全天球パノラマに挑戦

 iPhoneカメラのパノラマ機能といえば、カメラを動かしながら撮影してだいたい240度分を撮れるというもの。360度よりちょっと足りない。まあ360度撮れますといわれても、きれいに360度ぐるっと周りながら撮るのは大変なので、240度程度ってのはきわめて現実的なんだけど、デジカメ界でパノラマといえば「横長のパノラマ写真」を撮るだけじゃない。

 360度全周の写真を撮り、その一部をiPhoneで表示してフリックでぐりぐり動かしたり、ピンチインアウトで拡大縮小したりと、自在に動かしてその場の風景を自由に楽しむ、というのが主流で、デジタルならではの楽しみ方でもあるわけで、iPhone用パノラマ撮影アプリにも、単にパノラマを撮るだけじゃなく、それを鑑賞したり公開したりするところまでフォローするのが主流だ。

で、先週、Facebookで面白いアプリを教えてもらったのでさっそく紹介するのである。 それが「Sphere - 360 camera」。これがかなり面白いのだ。

photoSphereの初期画面。+をタップすると撮影開始

 ポイントは3つ。

 ひとつめは「指示に従って撮影していくだけで全天球パノラマ」を撮れること。ふたつめはiPhone内のジャイロ機能を使って「iPhoneの動きに連動してパノラマを見られる」こと。みっつめは、位置情報付で専用サーバーに公開できるので「世界中のパノラママップ」を楽しめることだ。

全天球パノラマを撮るのだ

 全天球パノラマというのは、「Googleのストリートビューみたいなの」と言えばたぶん分かるかと思う。前後左右に上下も加えて、全方向が写された画像のこと。まずはそれが必要だ。

 Sphereを使って、iPhoneで撮る。iPhoneのカメラで撮れる範囲は限られてるので、何枚も少しずつずらしながら撮っていき、つなぐのである。フルに全天球撮ろうと思ったら、30回以上撮影する必要があるかな。

 でもガイドに従ってiPhoneを動かしていけばいいので、面倒くさくはあるけれども、そう大変じゃあない。+をタップして新規パノラマを選択すると、最初に「位置と方向」を合わせる画面が出る。

photo最初に白い円に黒い円を合わせて水平垂直をリセット

 そこで白い○の中に黒丸が重なるよう合わせて撮影開始。あとはiPhoneを動かしながら画面上の丸を合わせては自動撮影、合わせては自動撮影という感じで上を向いたり下を向いたり横に回転したりしつつ撮っていくのだ。

photo撮影中。白い丸に黒丸(スクリーンショット撮ったときにうまく写らなかったけど、本来は黒丸が表示される)を合わせると自動的に撮影。このように少しずつ動かしながら目の前の風景を記録していくのだ

 全部撮らなくてもある程度撮ったらあとはアプリが適当に処理してくれるので、あなたの性格がアバウトなら適当に切り上げてOK。几帳面な人は几帳面に撮ればOKだ。

photo今回の撮影結果。地面はめんどくさいんで省略。なんとなくそれっぽくつないでくれるのがえらい。「正距円筒図法」で全天球パノラマを1枚のJPEG画像に展開している

 撮影中は「えー、なんかずれてて上手くいきそうにない」と思えるけど、大丈夫。それなりに合っていれば、Sphereが合成時に良きに計らってくれます。

photo再生してみた。ちょっとズレてるけどまあ気にしない

 こういう複数枚撮影してつなげるパノラマって、きれいにつなぐには、きちんと「レンズを中心に回転させる」(厳密にはちょっと違うけど)必要があり、手持ちでそれをやるのは不可能だから、しょうがない。Spehereで重要なのは「どこで撮ったか」なので、撮影が終わったら、最寄りの場所を選び、タイトルなどをつけ「Share」する。

photo完成したら場所やキャプションやカテゴリーを入れる
photo最後にShareするとSNSなどに公開できる
photo自分で撮ったパノラマはこのようにリストで表示される。全天球パノラマ専用SNSみたいなもんだ

全天球パノラマを見るのだ

 撮ったパノラマを見るときは、指でフリックして上下左右に回転させたり(ぐるぐる前転させるのも面白い)、ピンチイン・アウトで拡大縮小すればいいんだけど、Sphereが面白いのは、iPhoneが内蔵するジャイロに対応して、iPhoneの向きに応じて見せてくれること。

 例えばここにわたしがアップした、銀座四丁目交差点のパノラマがある。これをいろんな角度で持ってみた。上に向けると画像も上を向き、左右に回転させると見える方向も変わり、本体を斜めにしても見えている映像は水平のままってのがわかるかと思う。

photoまずは正面から
photo上を向いてみた。パノラマも自動的に上を向く

photoiPhoneを左に回転させると画面上の風景も左を向く
photoiPhoneを斜めにしても中の画像の水平は保たれたまま

 これが面白い。

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ファン穴のSSDベイ化やタブレットのサブ液晶化――技アリ系新製品ラッシュ

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「これはいいアイデア」連発——PCI-E x1を4基にできるカードや多機能Wi-Fiルータも

 先週は、独自の切り口でオンリーワンの存在感を放つ新製品が多く、店員さんの口から「これはいいアイデア」という言葉を多く聞いた。

og_akiba_001.jpgアユート「Project M PM-PCIE1T4」

 板モノではアユートのProject Mモデル「PM-PCIE1T4」が典型例だ。PCI Express x1接続のホスト側基板と4基のx1スロットが並ぶデバイス用基板のセットで、付属のUSB 3.0ケーブルで両者をつなぐことで、x1用の4ポートハブのように使える。デバイス用基板側の給電はペリフェラル4ピンで行う。ブリッジチップにPericom社の「PI7C9X」を搭載しており、PCI Express Gen1をサポートする。価格は9000円弱だ。

 BUY MORE秋葉原本店は「デバイス用基板は外付けしたりケース内部に置いたりできます。x1スロットは物理干渉の犠牲になることも多いので、それを回避しつつ複数挿せるようになるのはいいですね」と話していた。なお、ブリッジチップとの相性により動作しない場合もあるという。活用するには、ブリッジ用基板の固定方法も含めて、そうした問題に対応できるスキルが求められる。

 よりハードルが低いのは、親和産業の「120ミリブランクパネル用SSDマウンタ SS-N120BPMT」だ。ケースの12センチ角通気口を潰すプレートとSSDが2台固定できるマウンタが融合した道具で、1ミリ厚の鉄板で作られている。価格は1000円弱。TSUKUMO eX.は「SSDは物理的な動作がないので設置場所を選ばないんですよ。ドライブベイはHDD専用にしたいという場合に便利です」と話す。

 2台のPCをフレキシブルに連動させる、j5 createの「Wormhole Switch DSS JUC700」も話題を集めている。同梱のUSB 3.0ケーブルでつないだ2台のWindowsマシン間で、入力デバイスやファイル、ディスプレイの共有ができる機器で、価格は8000円弱。

 例えば、WindowsタブレットとノートPCをつないだ場合、ノートPCのキーボードでタブレット側の文字入力をしたり、一時的にタブレットをノートPC側のサブディスプレイとして利用したりできる。対応OSはWindows 8.1/8.0/7/XPだ。

 パソコンハウス東映は「モードを切り替えると、カーソルを2台のマシン間で行き来させて、ドラッグ&ドロップでデータをコピーしたりと、かなり自由度の高い仕様になっています。ノートやWindowsタブレットなどを持てあまし気味な人にうってつけなアイテムだと思いますよ」とプッシュしていた。

 また、同店では、5200ミリアンペアアワーのバッテリーとIEEE802.11b/g/n、外付けHDDやメモリカードも接続できるUSBポートを搭載した、ラトックシステムの「REX-WIFIUSB2」も注目されていた。価格は9000円弱だ。「家庭用コンセントのプラグと有線LANポートもついていて、これ1個あれば充電はもちろん、Wi-Fiルータとしても使えて、ファイルサーバにもできるという万能性が魅力です。モバイルバッテリやWi-Fiルータなどがカバンでかさんでいるならおすすめですよ」とのことだ。

og_akiba_002.jpgog_akiba_003.jpgog_akiba_004.jpg親和産業「120mmブランクパネル用SSDマウンタ SS-N120BPMT」(写真=左)。j5 create「Wormhole Switch DSS JUC700」(写真=中央)。ラトックシステム「REX-WIFIUSB2」(写真=右)

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ソニー、米グレースノートを売却

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 ソニーは12月24日、米国完全子会社のソニー・コーポレーション・オブ・アメリカが、その完全子会社であるGracenote.Inc(グレースノート)株式を米Tribune Company(トリビューン)にすべて売却すると発表した。関係当局の許可などを含め、2014年3月31日までに売却を完了する。

 売却価額は1億7000万USドル。これに伴い、ソニーは約6000万USドルの売却益を営業利益として計上する見込みだ。なお、売却益は2013年10月31日に発表した2013年度通期連結業績見通しに折り込み済みとしている。

 グレースノートは、音楽やビデオ情報を扱う世界最大のメタデータ・プロバイダー。ソニー製のAV機器をはじめ、さまざまなエンターテイメント製品に利用されている。

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日本でもついに開始──「Xbox Music」ファーストインプレッション

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日本版「Xbox Music」はどうか 日本マイクロソフト初の本格音楽配信サービスはMP3のDRMフリー

photo音楽配信サービス「Xbox Music」 Windows 8.1の「ミュージック」アプリより利用できる

 2013年11月末に日本でのサービス開始が発表された「Xbox Music」。12月20日にようやく正式サービスがはじまった。

 Windows 8のリリース以降、「デバイス&サービスカンパニー」をうたいつつ、その方翼である「サービス」が日本市場ではいまひとつ充実していなかった印象のあるMicrosoftだが、今回の「Xbox Music」のサービスインでようやくその一歩を踏み出した感がある。まずはサービスの概要を見ていこう。

 日本版Xbox Music(以下、Xbox Music)は、MP3形式のDRMフリー楽曲をダウンロード可能な音楽配信サービスだ。サービスイン時点での対応国内レーベルはエイベックスなど9社(エイベックス、キングレコード、テイチクエンタテインメント、徳間ジャパン、日本コロムビア、ビクターエンタテインメント、フォーライフミュージック、ユニバーサル ミュージック、ワーナーミュージック)で、全世界約3600万曲のうち日本では約2500万曲が利用できる。音楽データはDMRフリーのMP3で、ビットレートは最大320kbps。価格帯は1曲150〜250円で、支払いはクレジットカードのほか、Windowsストアギフトカード/Xboxギフトカードも利用できる。WindowsストアギフトカードはiTunesカードなどのように量販店やAmazon.co.jpなどで購入できるプリペイドカード(パッケージ版は2000円、5000円)で、今回のXbox Musicの楽曲のほか、Windowsストアアプリ購入の決済などに使用できるもの。通販サイトではパッケージ版のほか、すぐ使えるダウンロード版も販売されている。クレジットカードを持たない若年層(あるいは登録したくない/使いたくない層)も手軽に利用できるよう考慮している。

 利用にあたってはWindows 8.1/RT 8.1搭載マシンから、標準の「ミュージック」アプリ経由でアクセスするかたちとなり、現時点でWindowsの旧バージョンやその他のデバイスからアクセスする手段はない。Web用インタフェースも提供されていないため、基本的に「Windows 8.1マシンで曲を購入/ダウンロードし、他のデバイスへはファイルコピーで転送する」やり方をとることになる。Windowsデバイス拡販の1つと考えれば理解はできるが、昨今、間口が狭いという点は少々残念なところだ。

 では実際に試してみよう。

photophoto筆者の8.1アップデート済みSurface Proの既存アカウントで見たミュージックアプリの状態。Xbox Musicに関する項目が表示されない……(画像=左) 別のMicrosoftアカウントを新規作成して再度アクセスしてみたところ、この画面が表示された(画像=右)。うまくいったと思いきや、今度は日本版サービスにはないはずの「Radio」メニューが見える。ストアの内容も日本のものではなく米国版になってしまったようだ

 はて、……ミュージックアプリよりXbox Musicストアにアクセスできない。ミュージックアプリの左メニューに「見つけよう」という項目が出現するはずなのだが、アプリを再インストールしてもそれが表示されない(これまでの単なるミュージックアプリのインタフェースのまま)ことでいきなりつまずいた。知人のアドバイスで「それはMicrosoftアカウントの問題では?」とのことなので、これまで使っていた現アカウントではなく新規に別のMicrosoftアカウントを作成してみたところ無事望むメニューが表示された。

 「画面の表示が英語」であり「ストアの内容が米国版のもの」「日本版にはないはずの“Radio”項目がある」などの日本版サービスとは違うのだが、とりあえずXbox Musicは利用できるようになった。こちらはどうやら「筆者のプライマリのMicrosoftアカウントは米国ベースのもの」であり、「すでにXboxアカウントとも連携している」などの理由からか、うまく日本版サービスとしてミュージックアプリが処理されなかったらしい。

photophotoSurface Proの優先言語を「日本語」に変更したところ、項目から“Radio”メニューが消えて日本語版サービスの内容になった。なぜかメニュー表記は英語のままだが……まあいいや(画像=左) スタートしたばかりのせいか、トップページはシンプルで表示されるラインアップはそこそこだ。最初は、アーティスト名や曲名を入れて検索していくスタイルとなる(画像=右)

 新規アカウントで表示が英語となったのは、使用する機材が米国版(米国で購入した)Surface Proで表示言語も英語表示であることに起因するようだ。こちらは言語設定の優先順位を日本語に変更して再起動したところ、先ほどの項目から“Radio”が消え、日本版のXbox Musicストアに接続された。ともあれ、表示がまだ英語のままなのは何かの不具合と思われるが、こちらは今後の利用にて影響はないのでこのまま進めることにする。

使い勝手は良好 間口は狭いが……DRMフリーですし

photo曲は30秒間の試聴が可能。曲リストの三角ボタンを押すと試聴できる(視聴できないものもたまにある)。となりのカートボタンを押すと購入画面に移動する

 Xbox Musicのトップ画面は「新作アルバム」や「ランキング」が並ぶ比較的シンプルなものだ。ただ、米国版Xbox Musicにあるような無料の楽曲ストリーミング音楽を聞き流せる「Radio」機能や、他の音楽配信サービスにあるようなお勧め機能など、“楽曲を発掘するための機能”がまだあまり充実しておらず、当面はアーティスト名や楽曲名を直接入力して探す検索に頼るスタイルになる。

 もちろん、楽曲そのものは邦楽、洋楽ともにある程度カバーされ、古い楽曲から新作までライアップされていたりと、サービス開始直後にしてはがんばっている印象はある。ただ、この点は他のサービスと比べて特別秀でているわけでもないため、DRMフリーでWebからのアクセス/購入手続きも可能なAmazon.co.jpのMP3ストアなどと比べ、後発ならもう少し……な印象も受ける。なお、米国版Xbox Musicは月額9.99ドルまたは年額99.9ドルで音楽が聴き放題になる「Xbox Music Pass」呼ぶサブスクリプション型サービスも展開されているのだが、日本版サービスではまだ(?)提供されていない。現時点は「気に入った曲があれば購入」という形で、あくまでWindows 8.1の付加価値を高める付加サービス程度に考えておくのがいいかもしれない。

 ヘビーユーザーにはやや物足りない印象はあるのだが、楽曲購入までの導線はスムーズで悪くない。各楽曲には“試聴”ボタンが用意されており、30秒間の試聴が可能。気に入ったらとなりの“カート”ボタンを押せば、そのまま決済手続きに進む。ちなみに初期状態では、決済に必要なXboxプロフィールを入力・登録済みとしているユーザーは少ないと思われるため、いちどMicrosoftアカウントにアクセスしてクレジットカード情報を登録する必要がある(こういった複雑な部分はいささか分かりにくい。Xboxプロフィールってそもそも何だよという人もいるだろうし)。

photophoto曲購入の決済にはまずXboxプロフィールを作成・登録する必要がある。初回、Musicアプリ右上にメッセージとして表示されるであろう「Xboxに加入(Sign up with Xbox)」はそれを促すためのものだ
photophoto購入の確認画面。初回は多くの人が支払い方法を指定していない状態だと思われる。クレジットカード情報をWindowsストアに登録する場合はこの画面より登録する(画像=左) カード情報追加後、「購入を確定」ボタンが押せるようになる。購入後にダウンロードが開始される

 決済後にダウンロードが開始され、PCの「音楽」フォルダに楽曲が保存される。購入データはDRMフリー(デジタル著作権保護管理を施していない、普通のファイル)なので、ここから他のマシンへの移動/コピーも可能であり、普段使用する携帯音楽プレーヤーへ転送して活用してもよいだろう。

photophotoダウンロードされた音楽ファイルはそのままWindows 8.1デバイスの「音楽」フォルダに保存されるが、DRMフリーファイルなので適当にほかのデバイスでも活用できる。他のPCでファイル内容を確認したところ、一般的なメタタグもきちんと登録されていた。この購入した楽曲のサンプリング周波数は44.1kHzだったが、PCオーディオファンとしてはそれ以上のハイレゾ音源もズバッと豊富に用意するサービスになってくれるとうれしいと思う

 Xbox Musicは、米国版にはすでにあるサブスクリプション型サービス「Xbox Music Pass」がまだない点は別にして、楽曲の扱いやすさや購入プロセスが普通にシンプルであるのは悪くない。今後の課題としては購入できるアーティスト/楽曲のラインアップを拡充しつつ、「手続きはWindows 8.1/RT 8.1のミュージックアプリ経由のみ」という間口の狭さの改善と、楽曲を“発見”する仕掛けの強化が挙げられる。

 ちなみに“発見”を後押しするリコメンド機能は、2013年11月に行われた発表会でWindows 8.1以降に導入された「Bingスマート検索」と連携提供する予定だ。アーティスト名の検索ワードから、対象Webサイト、ディスコグラフィー、バイオグラフィー、アーティストの画像、購買可能な楽曲リストなどはもちろん、関連アーティスト(ファンが同様に好む別のアーティスト、あるいは師弟やコラボ実績のあるアーティスト、ライバル……など)の情報など、検索ワードに由来する周辺情報も一元化して表示する“自動リコメンド的”な機能を実装することがXbox Musicのポイントの1つなのだが、2013年12月24日現在、残念ながらこの機能はまだ実装されていない。

 ともあれ日本マイクロソフトは「Windows 8.1の機能との融合、Windows 8.1デバイスとのシームレスな連携性を強みに独自性を出す」「Windowsで音楽がもっと好きになる」とサービスの強みを述べていることから、まずはサービスインを──後日続々、という状況だろう。サービスがどこまで進歩し、音楽ファンに受け入れられるものになるか、さらには新たな音楽ファンを生み出せるものになるか、今後を見守りたい。


「鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8」」バックナンバー


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PacSec 2013 レポート 2日目〜Chromeの守り方、マルウェアの見つけ方

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 2013年11月13〜14日、セキュリティカンファレンス「PacSec 2013」が東京で開催されました。連載第2回は、その2日目の様子をお伝えします。

2日目に行われた「濃い」セッション群

 会場の様子はほとんど1日目と同じでした。私が以前参加したCanSecWestでも同様なのですが、2日目の朝は人が少なく、お昼ごろからようやく人が増えてきます。ハッカーは世界共通で朝に弱いようです。

 さて、前回同様、それぞれの発表の概要と個人的に注目した発表について少し詳しくお伝えしたいと思います。

Fighting advanced malware using machine learning

 機械学習を用いて、パターンマッチでは捕らえ切れないマルウェアの検知率を上げる手法について(後述)。

Defeating the protection mechanism on Android platform

 Androidアプリの難読化やアンチデバッグ技術の回避方法の紹介。

Bypassing DDoS Mitigation

 DDoSの防御機能をバイパスして、DDoSを仕掛ける方法について。JavaScriptによる認証、画像認識を用いたCAPTCHA認証のバイパスなどを用いて、リクエストをサーバーに送信する方法の紹介。

How to win Pwnium - You've got 4 months, this is where to start

 Chrome/Chrome OSハッキングコンテスト「Pwnium」で勝つために、これまで実際にあった脆弱性や、現在のChromeブラウザーの弱い点などを紹介。過去の脆弱性の問題の解決のために最近導入されようとしている防御機能も紹介(後述)。

Mobile Phone Baseband Exploitation in 2013: Hexagon challenges

 多くの携帯端末に利用されているベースバンドプロセッサのセキュリティ上の問題点について紹介。スタックに対する防御機能が弱く、古典的な脆弱性が存在することを指摘。

attacking microchips through the backside

 セキュリティマイクロチップのハードウェアレベルでの回路の解析手法の紹介。パッケージの裏側から回路へアクセスすることでセキュリティ対策を回避。

Deeper than ever before: Exploring, Subverting, Breaking and Pivoting with NAND Flash Memory

 NAND Flashメモリの特性を利用し任意のデータを隠す方法の紹介。

UEFI and PCI BootKitsk

 UEFIを用いて実行されるPCIデバイスに仕込むルートキット作成方法の紹介。

2日目は「マルウェアの機械学習による検知」からスタート

 2日目最初の発表は、FFRI事業推進本部長、村上純一によるものでしたので、それについて少し詳しく紹介しようと思います。

 今回の発表は、マルウェアの機械学習による検知の研究成果でした。FFRIでは標的型攻撃対策ソフトウェアを開発していますが、そのコンセプトの1つとして、パターンマッチングに依存しない未知のマルウェアの検知を実現するというものがあります。

 さまざまなアンチウイルスソフトウェアですでに振る舞い検知や、ヒューリスティック検知などが導入されていますが、マルウェア全体の検知に対するそれらの寄与はまだ小さいままとなっています。この研究は振る舞いに関して、マルウェアのAPIの呼び出し履歴を基に機械学習を用いてマルウェアを特定できないかという試みです。

 特に、毎日大量に生成されるマルウェアの動作を、効率的に検知ロジックに反映させる方法として期待されます。

このときの発表資料はこちらからダウンロードできますので、興味のある方はご参照ください。

ffri01.jpg機械学習によるマルウェアの検知について説明する、FFRI事業推進本部長の村上純一氏
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スマホで操作可能、新エネファームは価格を66万円引き下げ

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 家庭用燃料電池「エネファーム」は、都市ガスから水素を取り出し、この水素と空気中の酸素を反応させる装置。お湯と電力の両方を同時に得ることができるコージェネレーションシステムの一種だ。国内では東京ガスや大阪ガス、東邦ガスなど大手ガス会社が製品を販売している。大阪ガスによれば、一般のガス給湯暖房システムなどを利用した場合と比較して年間の光熱費を7万3000円引き下げられるという。

yh20131224Osakagas_enefarm_590px.jpg図1 2014年4月に発売するエネファーム新製品(長府製作所の排熱利用給湯暖房ユニットを採用したもの)。出典:大阪ガス

 大阪ガスは2013年12月、戸建て住宅用のエネファームの新製品6モデル*1)を発表、2014年4月に発売する(図1)。特徴は大きく4つある。現行製品と比較して、販売価格を引き下げたこと、エネルギー効率を高めたこと、スマートフォン対応のモデルを投入したこと、屋外設置に必要な面積を小さくしたことだ。

 発電出力(250〜700W)や貯湯タンク容量(200L)、貯湯温度(60度)、機器の寸法、メンテナンスサポート期間(10年間)は現行製品と同じだ。

*1) 製品が6モデルと多い理由は2つある。まず、停電時にも利用可能な自立運転(関連記事)の有無と、スマートフォン対応、非対応によって4モデルに分かれ、スマートフォン非対応の場合は、排熱利用給湯暖房ユニットのメーカーが2社あるからだ。

 6モデルのうち、最も安価なものは194万4000円(8%税込)*2)。2012年4月に発売した現行製品と比較して、価格を66万円引き下げた。価格を低減できた理由は5つあるという。水素と酸素が反応するセルを組み合わせたセルスタックについて、材料の低コスト化を進めたこと、都市ガス(メタン、CH4)から水素(H2)を作り出す燃料改質装置の構造を簡素化したこと、部品点数を削減したことが主な要因だ。この他「(セル内で用いる)触媒に新規品を用いたことと、量産が進んだことで、部品の調達コストが下がったことが効いている」(大阪ガス)。

*2) 新製品6モデルの価格は4種類に分かれる。最も安価な場合は自立運転機能がないモデルで、標準リモコンセットを選択した場合。最も高価なのは、自立運転機能が備わったモデルでスマートフォン対応リモコンセットを選択した場合(213万8400円、8%税込)である。なお、エネファームはこれまで民生用燃料電池導入緊急対策事業で、補助金の対象となってきた。2013年度は補助金の上限が45万円。2014年度の補助金の金額は未定である。

 エネファームは電力と熱を生み出すため、効率を表現する場合、発電効率と、熱効率を含んだ総合効率の2つの数字が現れる。6モデル全て、発電効率は39.0%、総合効率は95.0%*3)であり、これは現行製品と比較して、それぞれ0.5ポイント、1.0ポイントの改善に当たる。主に燃料改質装置を高効率化することで達成した。「(改質装置内の)バーナーに新型品を採用し、熱のロスを抑えることで実現できた」(大阪ガス)。

*3) いずれも、燃料ガスを完全に燃焼したときの発熱量から水蒸気の凝縮潜熱を差し引いた値である低位発熱量基準(LHV:Lower Heating Value)に基づいた効率値。

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世界がフラットなら、楽園から世界を変えられるんじゃないか? 「Re:Charge」プロジェクトの挑戦

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 2013年10月5日Splash in Miyakoと題するイベントが開催された。CSS Nightの一環である。場所は沖縄県宮古島だ。宮古島といえば、トライアスロンのサポートを、地元のITエンジニアが手作りかつ最新技術を駆使してサポートしたことで話題になった。@ITでもその時の模様を紹介している

 宮古島が属する沖縄県は、地理的特性や歴史的な背景もあり、北海道と並んで他の都府県とは別に国家予算が配分される地域だ。現に、沖縄本島は、データセンターやコールセンターの誘致が盛んであり、IT産業の一大集積地になりつつある。もちろん、誘致のための税制上の支援策もある。参加企業は一定の条件が整えば税制上の優遇が得られる。

 その沖縄県の離島である宮古島は、人口約5万人、島の外周は自動車を使って1時間ほどで回れる小さな島だ。那覇市からは飛行機で45分程度。本島から同程度の距離にある石垣島よりも、ややのんびりとした印象がある。

 ここに、島内の(Iターン、Uターンを含む)IT系技術者や地元商工会青年部のメンバーが一堂に介した。宮古島トライアスロン支援プロジェクトのコアメンバーもいる。一方、同じ場には、名古屋でWeb制作会社を営む面々も顔をそろえた。

mhux_miyako_overview.jpg宮古島市内から港を眺める。市街地のすぐ先に南国の海が見える

名古屋の制作会社が宮古島に掛ける思い

 このイベントを企画したのはRe:Charge代表 志水哲也氏。志水氏は、リチャージの活動を続ける傍ら、名古屋市内でWebの制作会社「タービン・インタラクティブ」を経営している。大型案件も多数受注する地元では大手の制作会社だ。志水氏は、広告代理店で実績を積んだ後に同社を起業、経理部門などを統括する婦人と二人三脚で経営してきたという。事業は順調に拡大し、多数の案件を抱えるようになった同社では現在、従業員も30人ほど雇用している。

 「名古屋の企業がどうして宮古島に?」と思う向きもあるだろうが、ことの始まりには深刻な問題があった。それは、Web制作の多くの現場が抱える問題だ。

 志水氏は、このプロジェクト発足の経緯を語る。

 事業運営に精力的に取り組み事業が順調に拡大してきたときのことだったという。突然、現場を支えてきてくれたスタッフが辞職の意思を伝えてきたのだ。辞職理由は、業務への「疲れ」だという。その後も、何人かのスタッフが、同様に退職していった。社長として「スタッフへの目配りが足りなかったことを痛感した」という志水氏は、以来、オフィスにはリラックスできるスペースを置き、スタッフの誕生日を皆で祝い、働き甲斐や働きやすさを考えた企業運営にかじを切ったのだという。

 その志水氏が宮古島を訪れたのは数年前。航空会社スカイマークエアラインが、名古屋—沖縄便、沖縄—宮古便を低価格で提供するようになったころだという(那覇—宮古間の定期便は2011年9月に就航している)。名古屋からここまでは、沖縄を経由して2時間程度。東京を訪れるのと時間的には大差がない。

 スタッフの労働環境を考えてきた志水氏は、ここで「この海岸を見ながら仕事をして、地元の人たちとのコミュニケーションの輪の中で仕事をしたら、もっと心の余裕が出るんじゃないか」と思い至る。

 名古屋のオフィスは市街地中心部にあり、地方都市といえども通勤はそれなりの負荷が掛かる。Web制作の現場は、納期もある、クライアントの要望が難解な場合もある。場合によっては全てのしわ寄せを現場が吸収しなければ完成しないプロジェクトもある。ことによっては連日、徹夜をしても納期には仕上げなければならない。これは、ソフトウェア開発の現場でも同じ状況だろう。

 一方、現場業務の多くはPCと通信環境があれば、実はどこでもできる。オンラインで発注し、オンラインで納品する「クラウドソーシング」などの状況が一般的になりつつある現在、製作現場の人間はどこででも業務はできる。そこでノマドワークや自宅勤務といった労働形態が許容され始めているが、志水氏はそれを一歩進めるアイデアを思いつく。

 現場スタッフがオンラインで業務を簡潔できるならば、オフィスや自宅よりも、もっと心地のよい場所で働ける環境を用意できないか? そう考えて立ち上げたプロジェクトがRe:Chargeだという。

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海外と日本の子供、ネット利用はどう違うか(1)

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 11月上旬、米国のFOSI(Family Online Safety Institute)という非営利団体が、ワシントンD.C.でカンファレンスを開催した。FOSIは通信業界や政府、非営利団体職員らで構成される、子供たちと家族のオンライン上の安全性を確保するために働く団体である。

 カンファレンスでは、欧州とオーストラリアの子供たちのネット利用と安全性について、プレゼンテーションが行なわれた。このうち欧州の資料(PDF)はかなり内容が興味深いので、それを参考に海外と日本の子供のネット利用状況の違いを考えてみる。

 欧州での調査は、デンマーク、イタリア、ルーマニア、英国の9歳から16歳まで、およそ2000人を対象に行なわれている。ネットワーク機器の所有と、毎日使うデバイスの調査では、13歳以上でスマートフォンが高い比率を示している。所有が66%という数字は、日本に迫る数字だ。

photoネット端末の所有と利用比率

 ちなみに日本の普及率は、今年6月に高校生を対象に総務省が行なった調査(PDF)によれば、84%となっている。

 そのほか欧州では、ノートPCの所有率が13歳〜16歳で57%、利用率も59%と結構高い。日本で今年6月に行なわれた総務省主導のILAS調査によれば、ノートPCの所有が2012年から2013年の間で49%から44%に減少中で、利用率は2013年で7%、デスクトップPCと合わせても11%しかなく、完全にスマートフォン偏重の傾向がある。

photo日本の高校生の利用機器状況

 続いてスマートフォンをどこで使うか、という調査では、自分の部屋、もしくは家の中という解答が高い。他の端末の利用状況を見ても、ネットアクセスそのものがほぼ家庭内に限られている。

photo毎日使用するデバイスと使用場所

 スマートフォンによって、多少は屋外でのアクセスも増えているが、ケータイからの乗り換えとして外で使うのではなく、家庭内でPCからの乗り換えという形で移行しているのが分かる。

ネットでの活動

 子供たちはネットで何をしているのか、という調査では、2010年からの変化を見る事ができる。近年増加しているのは、「動画を見る」と「SNS利用」「写真やビデオ、音楽の共有」だ。写真やビデオの共有は、そもそもSNS利用と不可分であろうと思われるが、増加率はより高くなっている。

photo子供たちのオンライン活動

 SNSの利用とメディア共有は、年齢別や国別に統計が出ている。SNS利用で男女差があまりないところは、日本とは事情が違う。またメディア共有のプラットフォームは、男の子はYouTubeの圧勝、女の子はInstagramが高いなど、利用形態がかなり異なっていることが分かる。

photoSNSとソーシャルメディアの利用頻度

 日本においても、最近「ツイキャス」が高校生の間でブレイクし、一日中全公開状態で突発的な生放送が行なわれている。一方短編動画投稿SNS「Vine」では、女子高生投稿動画が爆発的な人気を呼ぶといった現象も起こっている。

 上記の例のように、写真や動画の共有をコミュニケーションの一部として利用するか、作品として投稿するのかで、そのリスクをどのぐらい見積もるか、解釈がかなり異なる。

 おそらく欧州では、子供が自分でライブ配信を行ない、不特定多数とコミュニケーションするという活動は見られないと思われる。なぜならば、利用がほぼ家庭内であること、アクセスするプラットフォームにUstreamやGoogleハングアウト オンエアなどのネット放送メディアが上げられていないからだ。

 YouTube LiveはYouTubeに入るのではないかという指摘もあるだろうが、これは最近までYouTubeパートナーなど一部ユーザーしか利用できなかったため、子供も含め、だれでも利用できるメディアとは言えない。

 子供のSNS利用の次に来るテーマとして、メディア共有をどのように考えるか。まだ具体的な議論はないが、問題が起こるまで放置し、起こったとたんに規制という流れはそろそろ打ち切らなければならない。まずはポジティブなメディア共有の形やメリットをどのように子供に伝えられるか、その良いモデルを探して伸ばすべきであろう。

小寺信良

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は、ITmedia Mobileでの連載「ケータイの力学」と、「もっとグッドタイムス」掲載のインタビュー記事を再構成して加筆・修正を行ない、注釈・資料を追加した「子供がケータイを持ってはいけないか?」(ポット出版)(amazon.co.jpで購入)。


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JEITA佐々木会長「“地産地消”を進めれば必然的に国内生産比率は下がる」

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JEITA

 電子情報技術産業協会(以下、JEITA)は2013年12月24日、電子産業の2013年世界生産見込みと、2014年世界生産予測を発表した。電子機器や部品とITソリューション産業全体を併せた電子情報産業の、2013年の生産額は前年比20%増となる248兆4223億円となる見込みで、2014年も同5%増と堅調に推移する予測を示している。

 同協会では会員企業へのアンケートなどから、毎年世界および国内の生産額の調査を実施。各商品分野についてのレポートを会員企業などにフィードバックしている。



堅調な電子情報産業だが日系企業のシェアは低下

JEITA 代表理事会長 佐々木則夫氏JEITA 代表理事会長 佐々木則夫氏

 同協会の調査によると、電子情報産業(電子機器+電子部品+ITソリューション)の2013年の世界生産額は、対前年比20%増の248兆4223億円と大きく成長する見込み。スマートフォンやタブレットなどの個人モバイル端末市場が急速に拡大している他、自動車のエレクトロニクス化により自動車関連部品の成長があることなどが要因だ。またそのうちITソリューション関連の額を抜いた電子工業(電子機器+電子部品)の生産額は181兆3850億円で、こちらも前年比20%増となる見込みを示した。

 2014年についても、新興国経済の不透明感があるものの、欧米経済の回復や、個人モバイル市場と自動車市場の拡大などにより、同5%増の261兆2323億円を予測する。

 JEITA 代表理事会長 佐々木則夫氏(東芝 取締役副会長)は「2013年はリーマンショック以前の2008年の水準を上回る結果となった。2014年も個人モバイル端末や医用電子機器の伸長により継続的に成長する見通しだ」と話している。

 しかし、これらのうち日系企業の世界生産額を見ると厳しい現状が見えてくる。日系企業の世界生産額は2013年は同5%増の37兆7059億円で、3年振りのプラス成長となった。そのような回復は見せたものの、20%という全体の成長率には大きく及ばない状況で、電子工業における日系企業のシェアが低下した現実が浮かび上がる。世界における日系企業のシェアは2011年が18.9%、2012年が17.3%と漸減しているが、2013年は15.1%と2%以上のシェア低下につながった。

 2014年については、日系企業の生産額は3%増となる38兆7864億円と予測するが、シェアはさらに低下し14.8%となる見込みだ。佐々木氏は「2010年以降の超円高、2011年の東日本大震災とタイの大洪水、2012年の尖閣問題など、日本企業がグローバルで戦う中で、厳しい環境がありその影響を受けた」と語る。

世界生産見通し日系企業の世界生産電子情報産業の世界生産額見通し(左)と電子情報産業日系企業の世界生産額見通し(クリックで拡大)
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スマホ1台で財布いらず、「モバイルウォレット」普及の鍵は?

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 小売店やレストランで、スマートフォンを使って支払いを済ませたことがあるだろうか。米コーヒーチェーンのStarbucksで、そんな経験をしたユーザーがいるかもしれない。「Google Wallet」や「Isis Mobile Wallet」など、いわゆる「モバイルウォレット」と呼ばれる技術が充実しつつある。だがユーザーは、まだそう多くはない。

 一部のアナリストたちは、今後数年以内に、店舗内でのモバイル端末による決済である「インストアモバイルペイメント」が急速に普及すると予測する。事実、米電子決裁大手のPayPalは先ごろ、販売時点情報管理(POS)を念頭に置いて、AndroidやiPhone、Windows Phone用の顧客向けアプリをアップデートした。サンドイッチストアチェーンの米SUBWAYも、2013年内にインストア購入アプリを導入する計画を明らかにしている。また、Best Buyや7-Eleven、Dunkin' Donutsなどの米大手各社も、独自のアプリ構築に向けた企業「Merchant Customer Exchange(MCX)」を合同で設立した。

「全てのドラクエに堀井雄二さんがいる」――キーマンが語る「ドラゴンクエスト」のスマホ展開(前編)

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 人気RPG「ドラゴンクエスト」(以下、ドラクエ)シリーズのナンバリングタイトルをスマートフォンで本格展開すると公表したスクウェア・エニックス。先着100万ダウンロード限定で無料配信した初代ドラクエ(以下、ドラクエI)は、初日で100万ダウンロードを達成し、12月10日まで無料期間を延長。12月2日時点では累計ダウンロード数は300万を超えたという。

 多くの人にインパクトを与えた人気タイトルのスマホ展開について、同社の「ドラゴンクエスト」シリーズエグゼクティブプロデューサー 三宅有氏、アプリ版「ドラゴンクエスト」シリーズプロデューサー 藤本則義氏の2人に話を聞いた。スマホ展開の狙いや無料配信を決断した理由、さらにユーザーからの声が多かったユーザーインタフェース(UI)などの仕様面まで、気になる質問にも答えてくれた。前編では、主にゲーム作りの面で話を聞いている。

photo「ドラゴンクエスト」シリーズエグゼクティブプロデューサー 三宅有氏(写真=左)とアプリ版「ドラゴンクエスト」シリーズプロデューサー 藤本則義氏(写真=右)

UIはあらゆる可能性を試した

——(聞き手、ITmedia) ドラクエIは無料配信ということもあり、ユーザーの反響がすごかったですね。さまざまな反応がありましたが、どう思いましたか。

photo「ドラクエを作るときは、全てのユーザーではなく、ある程度の範囲の人たちに届けるイメージ」と話す三宅氏

三宅氏 ユーザーの皆さんの遊び方はさまざまなので、今回に限らず新作のたびにいろんな反応があります。そんな中でドラクエを提供する上でいつも心がけているのが、できるだけ多くのユーザーの皆さんが一番遊びやすいものを1つ提供することです。

藤本氏 UIもあらゆる可能性を試して、これが一番分かりやすいだろうというものを堀井雄二さんも含めて決めています。全部のパターンを用意すればいいという議論もあるんですが、それはユーザーに責任を転嫁しているだけで。それはやりたくないので、しっかり作り込んだものを提供しています。

—— 特にユーザーからの反響が大きかったバーチャル十字キーについては、現在の形になるまでどういった経緯があったんですか。

三宅氏 ドラクエIはもともとシンプルなものなので、あまりいじれないんですよ。まず、最近の若いユーザーの方だと4方向にしか動けないこと自体が驚きなんだと思います。キャラが斜めに動けない(笑)。

藤本氏 十字キーもいろんなパターンを考えていて、最初は画面のどこをタップしてもそこに十字キーが付いてくるようにしたりしていました。ただ結局どれも一長一短で、試行錯誤を経て今の形になりました。

スマホで重要なのは、片手での操作性

—— 縦向き画面を採用した理由は何ですか。

藤本氏 スマホ向けに意識したのは、片手で簡単に動かせる直感的な操作感です。これを横向きにするといろいろなことができる反面、操作が複雑になりやすい。見た目的にも、戦闘画面は縦の方が向いてると思います。

photo縦向き画面なので、ラダトームの城を出ると竜王の城の全貌が見える

—— 縦画面だと、ラダトームの城を出た瞬間に竜王の城が丸見えだという指摘も。

三宅氏・藤本氏 (苦笑)

三宅氏 (オリジナルのように)画面の端っこに竜王の城が見えるように忠実に再現しようとすると、マップ自体を変えないといけないんです。ただ、縦長になると、微妙に町の中で見えないはずの宝箱が見えたりするんですよ(笑)。

藤本氏 見えますね(笑)。あと、初めてドラクエIをプレイされる方にはあれが竜王の城だとは分からないと思うので。

—— 難易度の調整ってしてますか。

藤本氏 (12月12日に配信を開始した)スマホ版の「ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君」(以下、ドラクエVIII)は獲得経験値を増やしたり、途中でゴールドに困らないように宝箱にゴールドを入れたり、スキルポイントをためられたりと、いろいろ細かく調整しました。ドラクエIもエンカウント率や洞窟内のたいまつ効果などを調整しました。

三宅氏 今までのリメイクもそうですが、ユーザーがプレイしていて気付かれないような修正がベストだと思っています。ハード環境や時代などのタイミングでも最適なものは変わってくるので、その都度、目立たないように直してます。

—— スマホ版ではゲーム中の重要なアイテムが光っていて、ユーザーが見つけやすくなっていますよね。

藤本氏 最初は光ってなかったんですよ。昔、同じゲームを遊んでいただいたユーザーさんにとってみれば「俺らが苦労して見つけたものをなんで教えてるんだ!」ということになってしまうかもしれませんが(笑)。家庭用ゲーム機なら、Aボタンを押しながら歩けばいいですが、スマホで画面連打は面倒くさいですからね。それに、最近のゲームに慣れている人は、全くヒントがないとクリアが難しいと思います。

 本当は自分でそれを見つけたり、友達に聞いたりするのが面白いはずなんですけど、そこのバランスは難しいですね。何もかもを教えてしまうとやらされてる感が出てしまうので。

三宅氏 そういうゲームの作法も随分変わってきてます。昔は自由度が高い方が好まれてたんですが、今は次に何をすればいいか明確な方が好まれる。次に行く町の名前を直接セリフに追加したりもしました。そこは堀井さんとも相談しながら調整しています。

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高級コンパクトの確立、レンズは“味”の時代へ、ニコン「Df」の衝撃

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 2013年は写真・カメラ界にとってなかなかエキサイティングな年だったのではないだろうか。

 大きなトピックと言えば、iPhoneを代表するスマートフォンの影響で、コンパクトデジタルカメラが徹底的にやられてしまったことだろう。リーズナブルな価格の機種は売れていないらしく、メーカー各社とも低価格な製品からの撤退もしくは縮小を余儀なくされている。大手量販店をのぞいてみると、発売からそんなに時間が経っていないのにも関わらず、プライスタグには何枚も「値下げ!」の札が追加され、それでも商品の動きが鈍いという状況だ。好調と思われているミラーレス一眼は日本や台湾、東南アジアのみの地域限定らしい。

 カメラ業界はお先真っ暗かと思っていたところ、ようやく円高も落ち着き、日本や米国ではプライスの高いハイエンドのカメラやレンズが徐々に売れ始めてきた、という話を聞いた。「日本は特にハイエンド製品が好調で、米国もかなり上向いてきている」(メーカー関係者)という明るい兆しだ。

 前述の通りコンデジが危機的な状況なので、各メーカーの製品は高性能でより高価格なハイエンド、そして趣味性の高いレンジにシフトしていくのは間違いない。この上向きのいい流れに2014年春の消費税増税がどう影響するかが気にかかる。そんな2013年カメラ界の個人的に印象に残った3つの事柄について触れてみたいと思う。

ジャンルを確立した高級コンパクト機

 大型センサー、そして高性能な単焦点レンズを搭載するコンパクトデジタルカメラが増えてきた。いわゆる「高級コンデジ」である。この流れを作ったのはシグマだ。2008年に登場した「DP1」がパイオニアである。どちらかというとキワモノ扱いだったこのジャンルに各社から新製品が登場した。

 ソニー「DSC-RX1R」、ニコン「COOLPIX A」、ペンタックスリコー「GR」など、APS-Cやフルサイズセンサーを積んだカメラが出そろった。いずれも高価格に関わらず、高い画質が話題を呼んで予想以上にヒットした機種もあった。固定焦点レンズとセンサーの組み付け精度が画質に大きく影響を与えるということが認知された形だ。

 実際に撮影してみるとデジタル一眼と遜色ないイメージが得られるし、コンパクトなのでハンドリングがとても軽快なのが分かるはずだ。先駆者たるシグマはDP1を「DP1 Merrill」へとブラッシュアップ、加えて、35ミリ換算45ミリ相当のレンズを備えた「DP2 Merrill」、75ミリ相当の「DP3 Merrill」を投入しDPシリーズとして3製品をそろえたが、各社が同ジャンルで追従し、ソニーがフルサイズというインパクトある製品を投入した今、どう出るかが楽しみだ。

photoシグマ「DP3 Merrill」にて撮影

・ミニマムボディから最高画質、そのギャップがたまらないフルサイズコンパクト——ソニー「DSC-RX1」

・街撮りスナップに最適なAPS-Cコンパクト ニコン「COOLPIX A」

・ついにAPS-Cセンサーを搭載した高級コンパクト——ペンタックスリコー「GR」

フルサイズ、高画素に対応した高性能レンズ

 フルサイズ機や高画素機の登場によって高性能なレンズも続々と投入された。なかでもニコンは交換レンズのすべての収差を測定できるという計測装置「OPTIA」(Optical Performance and Total Image Analyzer)を開発し、画像シミュレーターと連携して「味」のあるレンズ開発を開始した。

 その成果であるAF-S NIKKOR 58mm f/1.4Gは実に素晴らしい写りで(交換レンズ百景:オーラが違う新生ノクト——ニコン「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」)、女性ポートレートや夜景は何とも言えないいい雰囲気の描写だった。MTF曲線だけでは評価できない「わびさび」がこのレンズには存在するのを感じる。私も欲しいのだが、市場の評判もよく高価にも関わらず大人気で手に入らない状態が続いているようだ。

photoニコン「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」にて撮影。ボディは「D610」

 また、カールツァイスのミラーレスカメラ用交換レンズ「Touit」シリーズや、シグマの「コンテンポラリー」「アート」「スポーツ」の新プロダクト・ラインレンズ群も注目された。高精細高画質は当たり前で、レンズ描写の「味」の新時代に突入した2013年だった。

・交換レンズ百景:オーラが違う新生ノクト——ニコン「AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G」

・交換レンズ百景:描写とデザインにこだわった名門ブランドの単焦点レンズ——カールツァイス「Touit 2.8/12」「Touit 1.8/32」

・交換レンズ百景:撮る喜びを体感できるフルサイズ対応 万能ズーム——シグマ「SIGMA 24-105mm F4 DG OS HSM」

ニコン「Df」の衝撃

 一番最後に現れて、話題を総ざらいしていった感のあるカメラと言えば「ニコンDf」だろう。スペック競争から一歩離れたところで、改めて写真を楽しもう、という提案のカメラだ。

photoニコン「Df」

 実際に使って見るとコンセプトがよく分かる。懐古趣味と言われるが、Dfの「f」のとおり、デジタルとアナログの「フュージョン」で、コマンドダイヤルでもアナログダイヤルでも気持ちよく操作でき、写真撮影という行為を楽しめるカメラに仕上がっていると思う。シャッター音も官能的で実にいいのだ。単焦点レンズがよく似合うため、とっかえひっかえレンズ交換していると、今までいかにズームレンズ偏重だったかに気づかされた。

photoニコン「Df」にて撮影

 このカメラはレンズ交換の楽しさを再確認させてくれたと思う。購入してから毎日使っているが、とても満足している。セールスもとても好調なようで、一定の反響があったといえるのではないか。これならひょっとしたら次期型機も期待できるかもしれない。次作はもっと踏み込んで、マニュアル露出オンリー、絞りリング搭載レンズの拡充、より一層の小型軽量化……などと妄想してしまう。写真撮影の楽しさを再認識させてくれたカメラだと言えよう。

・ニコン党待望、メカニカル操作を極めたフルサイズ一眼——ニコン「Df」

・「写真に没頭するカメラ」 ニコン「Df」詳報

 という風に2013年はなかなか印象的な年だった。2014年のカメラ業界がどうなるか楽しみである。

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連携進むスマホと車載システム、Androidアプリ対iOSアプリの戦いに

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 2014年、自動車業界はAndroidアプリ対iOSアプリの戦いの場になるだろう。

 これまで携帯電話機向けのアプリを開発してきたソフトウェア開発者にとって、次なる目玉は車載向けプラットフォームだ。こうした背景の中、大手ソフトウェア開発メーカー同士の競争が始まろうとしている。

 Googleは2014年1月に米国ネバダ州ラスベガスで開催される「2014 International CES」で、Appleの車載ディスプレイ「iOS in the Car」に対抗する製品を発表する予定である(関連記事:Appleがクルマのど真ん中を占拠!? 車載ディスプレイ「iOS in the Car」の衝撃)。

mm131225_car2.jpg画像はイメージです

 EE Timesにこれまでに入った情報によると、Googleは車載向けのAndroidに加えて、産業コンソーシアムの設立と通信規格の採用についても発表する予定だ。Googleの目標は、開発者が車載用アプリをより容易に設計できるようにすることだと思われる。

 実際のところ、自動車メーカーのアプリ開発能力は、まだよく分からないのが現状である。また、アプリ開発者側も、フォード(Ford Motor)やGeneral Motors(GM)、BMW、トヨタ自動車向けなどに、異なるバージョンのアプリを個別に開発できる体制を整えることは難しい。

車載用UI市場の勝者になるのは?

 Apple、Google、自動車メーカー……。どの企業が車載用UI(User Interface)市場で優位に立つのだろうか。さらに重要なのは、安全で適切なUIをドライバーに提供するのはどの企業かということである。

 Freescale Semiconductorの車載用アプリケーション・プロセッサ部門で事業開発担当のマネージャを務めるDan Loop氏は、EE Timesとの最近のインタビューの中で、「iOS in the Carは、間違いなく革新的な製品になる」と述べた。Loop氏は、Appleのようなソフトウェア企業と協業する目的は、車載インフォテインメントシステムに「iPhone」(iPhoneの画面)やiOSアプリを統合することだと説明した。同氏によれば、この目的を達成するためには、車載用ソフトウェアをシステムレベルで統合することが必要になるという。

 同じことはAndroidにも当てはまる。Googleは、ピアツーピアの通信規格「Wi-Fi Direct」を応用した「Miracast」を採用し、Androidスマートフォンで動作するアプリを車載ディスプレイに映し出せるようにする計画を打ち出している。

 爆発的な勢いで普及し続けているスマートフォンによって、車載インフォテインメントの定義が変わりつつあるのは間違いない。

 だが、自動車とモバイル機器の互換性という課題が大きくのしかかっている。

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「Touch ID」は便利か否か

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指紋をパスコードとして使える「Touch ID」

 iPhone 5sに搭載された指紋認証センサー「Touch ID」は、iPhone 5からの大きな変更点のひとつだ。あらかじめ設定しておけば、画面ロックの解除やコンテンツのダウンロード時などに、パスコードを入力する必要がなくなる。

photoホームボタンをぐるりと囲むように埋め込まれているリングが指紋認証センサーの役割を果たす

 利用するには、まずパスコードを設定する。次に、指紋を登録すれば設定は完了。指紋は最大5本登録できるので、よく使う指をあらかじめ登録しておこう。ちなみに筆者が登録しているのは左手と右手の親指と人差し指。机に置いているときは中指を使うこともあるので、5本というのは少し悩ましい。

photophoto「設定」→「一般」→「Touch IDとパスコード」でパスコードを設定し、「Touch ID」を選択して指紋を登録する(写真=左)。いろんな角度の指紋を登録するので、スムーズに識別してくれる(写真=右)

 筆者のような悩みを抱えたユーザーは、1回の登録で複数の指をスキャンして、まとめて1本としてカウントする“抜け道”を活用するといいかもしれない。3本の指の指紋を順に登録すれば、そのなかの指なら反応するようだ。しかし、1本の指から取れる指紋データが少なくなって認証制度が下がるため、あまりおすすめはしない。

 画面ロックの解除は、スマホを使ううえでもっとも頻度の高い操作なので、パスコードを入力しなくていいのは非常に便利だ。ただし、指紋を上手く認証してくれないことがあるのも事実。水仕事をして指が乾ききっていないときや、ハンドクリームを塗ったばかりのときに認証されないのを、筆者も何度も経験した。また、指が乾燥しすぎているときも認証しづらい印象だ。そんなときは、諦めてパスコードを入力して画面のロックを解除しよう。指紋認証とパスコードロックを併用できるのは、ある意味で利点かもしれない。

photo有料アプリやコンテンツの購入時にApple IDの入力が不要。使いすぎを防ぎたいなら、「Touch ID」の「iTunes & App Store」をオフにしておこう

 アプリのダウンロードやコンテンツのダウンロード時にApple IDのパスワード入力が不要になったのは、個人的にはかなり気に入っている。しかし、Amazonの「1-Click」設定同様、コンテンツをスピーディーに買えてしまうので、一考する暇がないのはやや考えもの。「使いすぎてしまうかも……」と不安のある人は、この設定はオフにしたほうがいい。

アプリの自動ダウンロード機能が便利

 iOS 7になり、「App Store」がなかなか気の利いた仕様になったと感じている。ここでは覚えておくと便利なポイントを紹介しよう。

 まず、インストール済みのアプリを自動的にアップデートしてくれるようになったのは最も気に入っている進化点だ。ただ、「アプリのアップデートが改悪だった……」という場合もあるので、そのあたりが気になる人はこれまでどおり、手動アップデートにしたほうがいい。なお、自動アップデートされたアプリは、アプリ名の左横に水色の丸印が表示される。

photophoto「設定」→「iTunes & App Store」内の「アップデート」をオンにする(写真=左)。アップデートの内容は、「App Store」の「アップデート」タブで確認できる(写真=右)

 もうひとつおすすめしたいのが、「ウィッシュリスト」機能だ。ランキングなどを見ていて気になった有料アプリをリストに登録できる。高額アプリなどの購入を少し考えたいときにメモ感覚で利用しよう。一旦登録しておき、価格が安くなったときに購入するのもいいだろう。

photophoto有料アプリを表示して画面右上の共有アイコンをタップ。「ウィッシュリストに追加」を選択する(写真=左)。画面右上のリストアイコンをタップすると、ウィッシュリストに登録したアプリの一覧が表示される(写真=右)

 ウィッシュリスト機能は「iTunes Store」にも搭載されているので、こちらでも活用しよう。個人的に残念なのは、「iBooks store」にこの機能がないこと。日頃から気になる本をリストにまとめている筆者としては、アップデートでの対応を心待ちにしている。

photoApp Storeと同様、iTunes Storeでも画面右上のリストアイコンをタップするとウィッシュリストが表示される。ウィッシュリストへの登録方法も同じだ

 また、新機能の「近くで人気」もいざというときに便利だ。位置情報をもとに、その地域の近辺で人気のアプリを紹介してくれる機能で、地域の特性に合ったアプリを発見できる。とくに、観光地やテーマパークなど、普段訪れることのない場所で使うのがおすすめ。

photo現在地情報をオンにした状態で「近くで人気」タブを開く。駅の近くであれば、その路線に関するアプリが出てきやすい

 たとえば、東京ディズニーリゾートなどで使えば、アトラクションの待ち時間が調べられるアプリやディズニー関係のアプリなど、そのエリアならではのアプリをすばやく見つけられる。

 また、この機能は「マップ」でも利用できるので、現地を訪れる前にアプリをダウンロードしておくのもいいだろう。

photo実際にマップで東京ディズニーランドを検索したところ、バスの時刻表やアトラクションの待ち時間を調べられるアプリが表示された

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iPhone | iPhone 5s | 指紋認証 | 音楽 | App Store


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マイクロソフト、Windows 7向けIE 11の自動アップグレード開始──1月2週目より順次

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 日本マイクロソフトは12月25日、2013年11月にリリースしたWindows 7向けInternet Exolorer(IE)11の自動アップグレード(Windowsアップデートにて自動配布)を2014年1月第2週目より順次行うと告知した。

 IE 11はWindows 8.1に標準搭載されるバージョン。前バージョン比でWebサイト表示を30%高速化するパフォーマンス改善やWebブラウザ上での3Dレンダリングを可能にする標準仕様「WebGL」をサポートしたほか、セキュリティ性、信頼性の向上も果たした。

 なお、企業ユーザーなど「勝手にアップグレードされては困る」層に向け、自動配布を無効化する「Internet Explorer 11 Blocker Toolkit」も公開している。

関連キーワード

IE 11 | 自動更新 | Windows 7 | Windows 8.1 | WebGL


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Huaweiが生き残るには“革新的な技術”が必要――そのカギを握るのは?

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 この冬、Huaweiが日本で投入したモバイル機器は、イー・モバイルとソフトバンク向け「Pocket WiFi GL10P/301HW」と、WiMAX 2+対応ルーターの初号機「Wi-Fi WALKER WiMAX2+ HWD14」の2モデルだ。スマートフォンはドコモから5月に発売された「Ascend D2 HW-03E」以来投入していないが、海外では厚さわずか6.14ミリのスリムなスマートフォン「Ascend P6」が発売されて話題を集めた。IDCの調査では、2013年第3四半期のスマートフォン出荷数で、HuaweiがAppleとSamsungに次ぐ第3位につけており、世界でもシェアを伸ばしている。

 ファーウェイ・ジャパンは10月に開催されたCEATEC JAPAN 2013で、Ascend P6を初めて日本で披露した。Ascend P6は3G版しか発売されておらず、現在LTE版を開発中で、日本投入への期待も集まる。今回は、そんなHuaweiのモバイル戦略について、ファーウェイ・ジャパン 副社長 端末統括本部 統括本部長のオリバー・ウー(Oliver Wu、呉波)氏に話を聞いた。

photoファーウェイ・ジャパン 副社長 端末統括本部 統括本部長のオリバー・ウー(呉波)氏

日本ではスマートフォンのシェア3位を目指す

—— 10月のCEATEC JAPANでは海外メーカーの出展があまり目立ちませんでしたが、そんな中で出展した狙いを教えてください。

ウー氏 弊社は2007年に日本で初めて端末のビジネスを展開し、2012年の日本における端末の出荷台数は600万台でした。日本市場でのシェアは、フィーチャーフォンが第5位、スマートフォンが第9位ですが、Pocket WiFiなどのモバイルWi-Fiルーターは、5年間で第1位、デジタルフォトフレームは4年連続で1位です。タブレットは、6月に行われた日経BP社のお客様満足度調査で「dtab」が3位を獲得しました(外部リンク参照)。Huaweiが出している製品は、日本で高い知名度を持っていると認識していますので、これからは“知名度の高い製品をHuaweiが作っている”というメッセージを打ち出したいと考えています。世界中どこでもHuaweiのロゴを見られるようにしたいですね。

—— Pocket WiFiやデジタルフォトフレームの1位はすごいと思いますが、一方でスマートフォンは9位で、この現状についてどう思いますか。またスマートフォンのシェアは上げられると思いますか。

ウー氏 (日本での)スマートフォンのシェアはトップ3に入ることを目指しています。かつて、携帯電話で業界をリードしていたメーカーが次々と撤退していますが、市場シェアを追求するだけでは、日本市場の自然の摂理に反すると考えています。Huaweiでは、先進的な技術を用いて、ユーザー体験の優れたスマートフォンをエンドユーザーに提供していくことを重視しています。CEATECではAscend P6や、(LTEの)キャリアアグリゲーション、4×4 MIMOといった先進的なものを訴求しました。

 日本では、初めてLTE Category4に対応したモバイルWi-Fiルーター(HW-02E)を3月に、下り最大150Mbpsのスマートフォン(Ascend D2 HW-03E)を5月に出しました。ただし、当時は日本の通信事業者の都合もあり、性能的には150Mbpsの速度が出せますが、実際には使える範囲が限られていたため、宣伝には力を入れませんでした。今後は、先ほど申し上げた4×4 MIMOとキャリアアグリゲーションを日本で訴求したいと考えています。通信速度は220Mbps〜300Mbpsまで上げていきたいですね。

photophoto約4.7インチHDディスプレイを搭載した3Gスマートフォン「Ascend P6」。プロセッサーはHuawei傘下のHiSilicon製「K3V2」を備える。OSはAndroid 4.2、バッテリー容量は2000mAh

端末、ネットワーク、チップセットの3つを持つことが強み

—— 通信のスペックについては恐らく今後、ほかのメーカーもキャッチアップして横並びになっていくと思いますが、その中でHuaweiの優位性はどこにあるのでしょうか。

ウー氏 キャリアアグリゲーションや4×4 MIMOは終点ではありません。4×4 MIMOはCategory5で実現しますし、8×8 MIMOもあります。通信技術は、2020年の東京オリンピックに向けてさらに進化していくでしょう。

—— 通信技術の進化について、例えばHuaweiが新しい通信のチップセットをいち早く搭載するなど、具体的なプランはあるのでしょうか。

ウー氏 Huaweiはチップセットを自社開発し、ネットワーク製品も取り扱っているので、端末、ネットワーク、チップセットの3つを自社で持っていることが他社と違うところです。LTEのネットワーク(基地局)も世界で高いシェアを持っています。Huaweiは先進的なネットワークを作っているので、ネットワークにマッチングさせたチップセットや端末も出しています。

Ascend P6のウリは金属ボディとEmotion UI

—— Accend P6がCEATECで展示されましたが、現在のところ3G版のみでLTE版は発表されていません。日本のユーザーはLTE版が欲しいと思いますが、LTE版開発の状況や見通しを教えてください。

ウー氏 LTE版は開発中で、ほぼ終わりの段階に来ています。Huaweiとしても、日本のお客様にできるだけ早く提供することを目指しています。具体的な時期は決まり次第、お知らせします。

—— Accend P6は世界最薄をうたっていますが、LTE版も同じ薄さになるのでしょうか。あるいはバッテリー容量を増やすことになるのでしょうか。

ウー氏 LTE版のデザインは3G版と同じにしますが、サイズについては申し上げられません。

 Ascend P6では世界最薄をアピールしていますが、一番のウリはメタリックなボディ。もう1つのウリはHuawei独自のEmotion UIです。Emotion UIは、ユーザーの年齢層に応じて最適なUIを選んで使えるようになっています。例えばシニアユーザー向けUIだとアイコンのサイズが2倍になりますし、フィーチャーフォンに慣れているユーザーにはフィーチャーフォンに似せたUIにすることもできます。

photoアプリトレイのない独自の「Emotion UI」を採用。フォルダ管理も可能

—— CEATECの発表会では、Ascend P6はHuaweiにとって物作りの方向性を変えたスマートフォンだと説明されていましたが、その背景は?

ウー氏 きっかけと背景はいくつかありますが、デザインが格好いいスマートフォンを提供したい、一番操作がしやすいスマホを提供したい、使用時間が一番長いスマホを提供したい——と考えたことが大きいです。

 デザインだけを見ていただくと、2008〜2009年にHuaweiが初めて開発したスマートフォンと比較しても、飛躍的に進化したことがお分かりいただけると思います。そして先ほど挙げた3つのポイントを実現するために、Huaweiは世界14カ所にR&Dセンターを設立し、そのうちの1つが横浜にあります。さらに、世界に3つのデザインセンターがあります。これらの施設のお陰で、Huaweiは優れたデザインのスマートフォンを開発できるようになりました。

photophoto側面にはステンレスを用いており、金属の質感を得られる(写真=左)。2つのCを重ねたように見える“Dual-C”デザインも特徴の1つだ(写真=右)
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EVFの性能アップにグッときた、2013年だったかな

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「EVF+チルト式背面モニタ」モデルの増加がうれしい2013年

 2013年も仕事がらいろんなデジカメを触ってきたのだけれど、今年を象徴するのは普及型コンパクトデジカメ絡みの依頼がぐっと減ったこと。ラインアップが縮小されたり従来ほど各社が力を入れなくなって新しい試みが盛り込まれなくなったこともあるけど、要するに市場のニーズがそこから離脱したんだろうなと思う。わたしもそのニーズならiPhoneでいいし。

 で、2013年にマイブームだったのは「EVF+チルト式モニタ搭載カメラ」。そこに使えるカメラがいくつも出てきたのだ。

 マイブームになった理由は3つ。ひとつは光学ファインダー搭載機(要するに一眼レフ)に今ひとつ魅力的なモデルが出なかったこと。ニコン「Df」は欲しいけど、あれはちょっと特殊というか別枠な感じだし。

 ふたつめは、EVFの大きさやクオリティがひと頃に比べてぐっと上がったこと。光学ファインダーに比べるとタイムラグがゼロとは言えないけれど、普通の撮影なら問題ない。最近のEVFは画面が大きくて明るいし、拡大表示ができるからMF時も安心だし、何より撮影後をイメージしながら撮れる。個人的にはEVFに対する抵抗ってないので、レベルがあがればさっさと移行します。

 みっつめは、老眼が進んだから。ローガン卿と呼んでください。老眼が進むと背面モニタでは細かい設定やピントの山を確認しづらくなるのだ。ラフに撮る時はいいけど、ディテールを確認してしっかり撮りたいときはEVFを使いたくなる。「視度補正」機能を使えば老眼でもしっかりピントを合わせられるのだ(これは光学ファインダーでも一緒だけどね)。これはありがたい。高齢化社会に向かって、EVF搭載カメラは増えていくと思うよ。近いうち、日本人の4割は老眼とかそんなことになりかねないもの。

 で、アイレベルでしっかり撮りたいときはEVFをのぞき込むとなると、背面モニタはもっと適当に撮ったり楽をしてアングルを変えて撮ったりするときに使いたいわけで、可動式じゃなきゃイヤってことになる。

オリンパス 「OM-D E-M1」

 その筆頭がオリンパスの「OM-D E-M1」。昨年E-M5をこの年末コラムで取り上げたのにまたOM-Dかよ、と思わないでもないけど、気に入って買っちゃったのだからしょうがない。E-M5よりちょっと大きく高価になった分、使い勝手も性能も上がってるし。

photophotoオリンパス 「OM-D E-M1」

 これのEVFがいいのだ。さらにデカくなり(フルサイズ一願レフのファインダーをのぞいてるようなサイズ)、屋外でのぞいても明るくて見やすい。マイクロフォーサーズだからまあフルサイズ機と比べるとクオリティや被写界深度で劣るところはあるけど、その分レンズが小さくて済むのでシステム全体としてコンパクトに収まる。いいレンズもそろってきたし、実用性ではこれが一番いい。

photo「OM-D E-M1」(写真右)と同社コンパクトデジカメ「STYLUS 1」

 次点はパナソニックの「DMC-GX7」。EVFもチルトするところとか、ボディバランスの良さはさすが。

・長期試用リポート:「OLYMPUS OM-D E-M1」第3回——望遠マクロレンズで楽しむ大人の休日

・レビュー:実用度の高いハイエンドミラーレス 「OLYMPUS OM-D E-M1」

・E-5後継はなぜミラーレスなのか、ZUIKOレンズの今後は:統合機でありフラッグシップ機——オリンパスに聞く「OM-D E-M1」

・レビュー:大人のマイクロフォーサーズ、パナソニック「DMC-GX7」

・提供するのはGX7の「世界観」 パナソニック北尾氏に聞く(後編)

・「GX7はスナップカメラの最高峰を目指した」 パナソニック北尾氏に聞く(前編)

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「MacBookがオフィスを席巻する日」に備えて今からできること

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 BYOD(私物端末の業務利用)が進んだことで、Windows端末以外を使うユーザーが増えている。中でもApple製品は、コンシューマーにとって親しみやすいイメージがあり優勢だ。つまり、IT担当者は、社内であれモバイル環境であれ、Apple端末をサポートする準備を整える必要がある。そう語るのは、クラウドホスティングやデスクトップ管理製品を提供する米Parallelsの最高情報責任者、アレックス・スケニック氏だ。

全世界の営業担当がOffice 365に注力

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 オフィスアプリケーションやメール、グループウェア、Web会議ツールなどを統合した日本マイクロソフトのクラウドサービス「Office 365」。今年2月に製品をリニューアルするとともに、よりいっそう営業活動やプロモーションを強化したことで、中小規模から大手まで幅広い企業への導入が進んでいるようだ。

米Microsoft Officeマーケティング部門 バイスプレジデントのジョン・ケース氏米Microsoft Officeマーケティング部門 バイスプレジデントのジョン・ケース氏

 米MicrosoftのOfficeマーケティング部門でバイスプレジデントを務めるジョン・ケース氏によると、日本では日経平均株価(日経225)銘柄企業の約60%がOffice 365を採用し、米国ではFortune 500のうち60%の企業がこの12カ月以内に導入したという。「今年7月時点でOffice 365の年間売り上げは1500億円に達する。現在、Microsoftがサポートする全世界の大手企業のうち4社に1社が活用する」とケース氏は説明する。例えば、日本では、ヤマハやパソナ、日本航空などの大企業が導入している。

 特にこの1年は、Microsoftのあらゆる営業社員がOffice 365をはじめとするクラウドサービスを売ることを大きなミッションに掲げていたり、パートナー各社のクラウド拡販に対する奨励策を打ち出したりと、同社の主力ビジネスがクラウドにシフトしていたという。

日本企業が導入する理由

 そうした中で、日本企業がOffice 365を採用する理由は大きく4つ挙げられるという。1つ目は、テレワークを検討する企業が増えており、ワークスタイルを変革するため。2つ目は、海外展開をする企業が拠点共通のシステム基盤としてクラウドを導入したいため。3つ目はBCP対策のため。最後は、オペレーティングシステム「Microsoft XP」およびオフィス製品「Microsoft Office 2003」が2014年4月にサポート終了となるためだ。

 また、中小企業と大企業とでは採用の決め手が異なるそうだ。中小企業は、これまでエンタープライズ向けツールは高価すぎて手が届かなかったため、例えば、グループウェアおよびメール製品「Microsoft Exchange Server」やコラボレーション製品「Microsoft SharePoint」などをオンプレミスで導入することが難しかったという。

 「Office 365にはこれらの製品機能が含まれており、従量課金で利用できる。加えて、頻繁にサービス機能はアップデートされるため、中小企業でも最新のテクノロジーを活用できるのが大きなメリットといえるだろう」(ケース氏)

 大企業においては、事業のグローバル化に伴いクラウドを導入するケースが増えているという。

対Google Apps

 ところで、競合製品と比較されることの多い米Googleのクラウドサービス「Google Apps」に対してOffice 365の優位性とは何か。

 「Google Appsはコンシューマー向けサービスとしては優れているかもしれないが、Microsoftは長年にわたりエンタープライズビジネスを展開してきた経験がある。企業向けサービス、とりわけ大企業に対しては一歩先を行っているという自負がある。また、Office 365はオンプレミスとクラウドのハイブリッドなシステム環境で利用できるのも強みといえよう」(ケース氏)

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2014年のセキュリティ脅威予測・Juniper編

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 2014年のITセキュリティ動向を振り返ると、標的型攻撃のさらなる高度化や巧妙なオンライン犯罪の拡大、国家的なサイバー諜報活動の暴露などさまざまな出来事があった。2014年は引き続きこうした動きが続くのか、それとも新たな脅威などが出現するのか——セキュリティ各社の予測を紹介する。

Juniperのトップ10予想

1:カスタマイズされたMalware as a Serviceにより、シグネチャ検知の無効化が加速

 闇市場で新たなマルウェアを作成するサービス(Malware as a Service)が利用可能になると、攻撃者は技術や労力をいとわずに、カスタマイズされた攻撃ツールを容易に作成できる。Malware as a Serviceは闇市場で商品化され、数ドルでカスタマイズされた攻撃を配布できる。カスタマイズされたマルウェアがより浸透し、最終的にはシグネチャ・ベースによる防御の有効性の低下につながるだろう。

2:人気があり、信頼されたWebサイトがマルウェアをホスト

 マルウェアをホストする違法なWebサイトをGoogleがブラックリスト化し、攻撃者はクロスサイトスクリプティング(XSS)などの技術を駆使して、合法なWebサイトにマルウェアをホストしようとする。長期的には非常に高度な専門性と回避手段を合わせ持つ攻撃者のみが生き残り、その他の攻撃者は廃れていく。

3:SDNのキラーアプリとなるセキュリティ

 SDNの普及を促進される。セキュリティ機能がサービスレイヤでインテリジェントに分配されるため、企業はデータセンター環境での導入を迅速に行える。

4:アクティブな防御の普及

 企業は、巧妙化している脅威から防御するために、よりアクティブな防御手法を模索する。企業はIDS(侵入検知システム)のようなアクティブな防御手法を導入することで、攻撃者を動的に特定、リアルタイムで攻撃を遮断し、攻撃者を阻止するようになる。また、国家間で徹底的かつ攻撃的なサイバー攻撃とサイバースパイ活動も増加する。無法国家がスパイ活動の領域を超越して、攻撃によって重要なインフラを破壊する可能性も十分にある。

5:さらに巧妙化するDDoS攻撃

 アプリケーション(レイヤ7)におけるDDoS攻撃の加速的な増加と巧妙さの向上が挙げられる。この種の攻撃は、従来型の緩和技術およびサービスを回避するため、検出するのが非常に難しい。2014年に攻撃者はDNS、データベース、およびコンテンツサーバーの脆弱性を突く、より強力なレイヤ7ツールを開発するだろう。これに対処するため、オンラインサービスなどの企業は、オフプレミスのDDoS緩和サービスとアプリケーションDDoSを制御するオンプレミスのDDoS技術を組み合わせた「ハイブリッドのDDoS緩和ポリシー」を導入する。

6:ユーザー行動を変えるデータプライバシーへの懸念

 米国家安全保障局(NSA)の監視活動が明らかになり、プライバシーに対する懸念はかつてないほど広がっている。より多くの一般消費者や企業が監視活動から情報を保護しようと警戒を強める。これはセキュリティ業界にとって、新しく、より強力な暗号化に対する要求の高まりを意味する。一般消費者の間ではプライバシー保護を強化する技術の利用が増加していくだろう。これはプライバシーにとってはプラスだが、セキュリティ管理者はネットワークトラフィックの可視性と制御を失うことになる。

7:競合を上回るAndroidとAndroidマルウェアの普及

 GoogleのAndroidが最も普及するモバイルOSとして地位を固め、モバイル端末に侵入しようとする悪意のある攻撃者の主な標的となる。モバイルアプリにトロイの木馬を仕掛けるという現在の傾向は今後も継続する。

8:巧妙な新種のランサムウェア

 攻撃者は早く収益化させようと、巧妙な新種の「ランサムウェア(身代金要求型不正プログラム)」を取り入れる可能性がある。ランサムウェアを使用した場合、ユーザーは攻撃者へ「身代金」を支払わない限り、ソフトウェアやファイルにアクセスできない。市販のアンチウイルスで対処できるものもあるが、「身代金」を支払わなくてはならない高度なものもある。またCryptoLockerという、「身代金」を支払う以外に対処法が知られていないランサムウェアもある。

9:継続するSQLインジェクションをはじめとする既知のWeb攻撃

 SQLインジェクションやクロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)など、既知のWebベースの脅威に対する認識は非常に高いのにもかかわらず、数多くのデータ侵害がこれらの攻撃によって引き起こされる。さらに、新たなWebアプリでも、アプリからデータベースに膨大な量の情報を伝達するため、攻撃の可能性を生じさせる。

10:モバイルセキュリティは端末保護からデータ保護へ移行

 企業のBYOD(私物端末の業務利用)は成熟期を迎え、端末の保護と企業ネットワークへの再接続の双方に重点が置かれる。端末上で企業データと個人データを区分する「セキュリティコンテナ」の導入が増加していることから、新たな焦点は企業ネットワークへの再接続を、同様のレベルで綿密に保護することに向けられる。アプリごとのVPNが普及し、複数アプリによる認証は廃れる。

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