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KDDIとLGが生んだ異才な存在「isai LGL22」――“ただのコラボモデル”じゃない理由とは

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 11月23日に発売されたKDDIのauスマートフォン「isai LGL22」。同社が10月2日に発表した2013年冬モデルの1つであり、LGエレクトロニクスと共同開発したコラボモデルとして、特に力を入れている機種だ。

photophoto「isai LGL22」

 製造を担当したLGエレクトロニクスは、11月5日から日本の報道陣を対象とした「isai Press Conferance2013」を韓国・ソウルで開催。KDDIの担当者も出席したこのイベントで、2社が取り組んできたLGL22開発の道のりが明かされた。海外のスマートフォンメーカーが開催するプレス説明会に日本のキャリアが参加するのは極めて珍しく、LGエレクトロニクスとKDDIが「isai」にかける強い思いが伝わるイベントとなった。

KDDIはなぜLGを選んだのか LGの狙いは

photoLGエレクトロニクス・ジャパンのキム・ヒチョル氏

 LGエレクトロニクス・ジャパンでisai開発の陣頭に立ったのが、同社モバイルコミュニケーション プロダクトチーム課長のキム・ヒチョル氏だ。説明会ではまず、キム氏からisai開発の経緯が語られた。

 LGエレクトロニクスのスマートフォンといえば、長らく「Optimus」というブランド名でシリーズ展開をしていた。しかしこの夏、LGエレクトロニクスはスマートフォンの主力製品について、ブランド名を「G」に統一すると発表。Optimusブランドは新興国向けモデルなどに一部で残るものの、日本や米国に投入するフラッグシップモデルは「G」というシリーズ名になった。

 その第1弾となったのが、8月に発表された「LG G2」だ。第1弾でありながら“2”が付くのは直前まで「Optimus G」シリーズを展開していたからであり、ブランドイメージの継承を意識させる意味もあるのだろう。Optimus Gに限ると、国内ではNTTドコモが「L-01E」として、またKDDIもauの「LGL21」として販売。特にau向けのLGL21は、予想以上に日本市場とKDDI内部での反応が良かったという。

 キム氏はこのLGL21の成功が今回の共同開発のきっかけになったと振り返る。「3M」戦略などを進めるKDDIには、さらに幅広いユーザーに受け入れられるスマートフォンが必要であり、それを実現してくれるメーカーの存在が欠かせない。LGL21の高い商品力を評価したKDDIは、LGエレクトロニクスにオリジナルスマホの共同開発を打診。一方のLGエレクトロニクスは、日本という厳しいユーザーがいる市場で自身の商品力を高める機会と捉え、グローバルメーカーとしては異例の取り組みを進めることになった。

単なるコラボモデルの枠組みを超えた「isai」な存在

 こうしてスタートした共同開発だが、具体的にどういった製品を作るのか、最初からイメージしていたわけではないという。auといえばフィーチャーフォンのころからデザインに注力したコラボモデルを多く手がけており、スマートフォンでもHTCとタッグを組んだ「HTC J」「HTC J butterfly」などが記憶に新しい。LGとしてもグローバルモデルの日本向けカスタマイズをはじめ、防水ボディやオリジナルデザインなど、従来のコラボモデルで考えられる取り組みはこれまでも行ってきている。

photo「isai」ブランドの目的

 「ユーザーが驚くような商品を提供しよう」という目的こそ一致していたが、より一歩進んだ共同企画では何をするべきなのか? 両社の担当者が議論を重ねた結果、製品の「意外性」、所有の「特別感」、誰もが「使いこなせる」簡単さ——という3つの目的が設定された。特に“使いこなせる”というキーワードは、今後増えるさまざまなユーザー層に受け入れられる端末を目指すためのものだ。この3つの目的を達成するための手段が、作り込まれたボディデザインと、オリジナルのユーザーインタフェースおよびユーザー体験(UI/UX)の提供になるのだが、この段階ではさらに重要なことも決定した。それが「isai」というブランド名だ。

 キム氏によるとisaiとは「異才」を意味し、日本のモバイル業界に両社の新しい取り組みを伝える特別な存在として位置付けたのだという。つまりisaiとは、個々の端末を指すだけでなく、このプロジェクトそのものを意味する。それがどれくらい特別なのかを表わすエピソードとして、キム氏はスタッフの人選について明かした。

 LGはisaiの開発チームに、普段はグローバルモデルの開発に携わっているスタッフをアサインするなど、かつてないシフトを敷いた。いかにisaiがKDDI肝いりのモデルとしても、その調達数はグローバルモデルには到底及ばない。ビジネスの規模から見れば、日本向けローカルモデルの開発にグローバルモデルと同じような体制を取ることは、異例中の異例だったという。もちろん日本語に堪能なスタッフばかりではない。韓国本社の開発陣に日本語の“isai”という意味を知ってもらい、チームでブランド価値を共有することからスタートしたという。最終的にクリアしたものの、日本市場への意識の違いも浮かび上がった。例えばグローバル市場で「防水」は優先度が低いが、日本では必須の要素。こうした違いを埋めるのもまた、開発の第一歩だったという。

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モノのインターネット実現へ、Bluetooth SIGが「Bluetooth 4.1」を策定

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 Bluetooth Special Interest Group(Bluetooth SIG)は、12月5日にBluetooth無線技術の最新仕様「Bluetooth 4.1」を発表した。

 Bluetooth 4.1では、LTEとの共存のサポート強化や大量データの高速転送などでユーザーの利便性を向上させる。また、Bluetooth機器の多機能化をサポートする開発者向けに、1つのデバイスをBluetooth Smart周辺機器およびBluetooth Smart Readyハブ機器として同時に使える機能を追加。さらに、IPv6通信が利用可能な専用チャネルを構築することで、“モノのインターネット(IoT:Internet of Things)”実現に向けたIP接続への基盤作りも今回のリリースに含まれている。

 Bluetooth 4.1は、「共存」「接続性の改善」「データ転送の高速化と効率化」という3つの点がポイントとなる。まず共存は、LTEをはじめ最新の携帯電話技術とシームレスに連携できるよう設計。BluetoothとLTEの無線通信ではデータ転送が自動調整され、近い周波数帯との相互干渉が抑えられる。

 接続性の改善については、再接続にかかる時間を柔軟かつ可変に設定できることで、開発者はBluetooth接続の確立と維持を制御しやすくなる。また、デバイス間の距離が近くなった時点で自動的に再接続するため、例えばユーザーがデバイスを持って部屋を出ると別のデバイスに接続し、再び部屋に戻ると元のデバイスに再接続する、といったことが可能になる。

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2013年のプロセッサ市場は急成長、モバイル端末がけん引役に

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 米国の市場調査会社であるIHS iSuppliによると、2013年全体におけるプロセッサの世界出荷数量は、前年比24%増となる15億米ドル規模に達する見込みだという。

 同社の最新リポートによれば、プロセッサ市場が急成長を遂げた背景には、スマートフォンやタブレット端末の売上高の堅調な増加がある。デスクトップPCの売上高が13%減少し、さらにノートPCが2%減少しているにもかかわらず、これを相殺してなお上回る成長を達成した。2013年のプロセッサ市場全体を見てみると、サーバ向けプロセッサ市場でさえ売上高を伸ばしているのに対し、PC向け市場は唯一、伸び悩みをみせている。サーバ向けプロセッサの出荷数量は、2012年第2四半期には460万個だったが、2013年第2四半期には480万個に増加している。

 IHS iSuppliによると、急成長を遂げるモバイルプロセッサ市場は、プロセッサ市場全体の中で2桁台の成長を記録しているという。モバイルプロセッサの価格帯は、PC向けに比べて低いものの、2013年のプロセッサ市場全体としての売上高を押し上げ、市場全体としても1桁の成長率を達成する見込みだという。

 同社のアナリストであるGerry Xu氏は、「ユーザーの間で、タブレット端末やスマートフォンによるPCの置き換えが進んでいる。このようなモバイルデバイスの人気の高まりを受け、プロセッサ市場の形勢は一変した。PC向けプロセッサの出荷数量は、今後も減少し、低迷状態が続くだろう。一方、モバイルプロセッサ市場は、スマートフォンやタブレット端末の売上高増加を受け、急激に拡大していくとみられる」と述べている。

 IHS iSuppliは、プロセッサの製品カテゴリの中に、サーバ/PC向けマイクロプロセッサの他、ノートPCやタブレット端末、スマートフォンに向けたモバイルプロセッサなどを分類している。ただし、スタンドアロン型のアプリケーションプロセッサであるか、またはベースバンドプロセッサを搭載したSoCであるかどうかは区別していない。

 Xu氏によれば、PC市場ではこれまで、理論速度が最重要視されてきたが、現在活況を呈するモバイルプロセッサ市場では、モバイルコンピューティング関連の機能が最も重要だとされている。同氏は、「PC市場では、演算能力の向上に重点が置かれてきたが、モバイルプロセッサ市場では、電力効率やユーザーエクスペリエンスなどの機能の向上が重視されている」と述べる。

 Xu氏によると、アプリケーションプロセッサメーカー各社は現在、アーキテクチャ機能と価格の両面において競争を激化させているという。Allwinner TechnologyやRockchipなどの中国メーカーが、ホワイトボックスメーカーだけでなくHP(Hewlett-Packard)やLenovoといったメーカー各社に向けて、タブレット用プロセッサを供給しているためだ。

 「アプリケーションプロセッサメーカー間の競争は、激化の一途をたどっている。メーカー各社は、実にさまざまな手法を採用することによって、競合他社との差異化を図ろうと取り組んでいる。例えばQualcommは、スマートフォン向けプロセッサ市場において、安定したユーザーエクスペリエンスを提供することにより、確固たる位置付けを得ている。また、Androidタブレット端末向けプロセッサの分野において、中国メーカー各社がリードを広げていることから、特にタブレット向けプロセッサ市場における価格競争が激しくなっている」(同氏)。

 また2014年には、IntelやMediaTekが出荷数量を大幅に増加させて価格競争に参入する見込みであることから、さらなる競争の激化が予測される。

mm131205_processor1.jpgスマートフォンとタブレット端末の普及により、2013年におけるプロセッサの出荷量は堅調に増加していて、第4四半期も伸びが期待できる 出典:IHS iSuppli

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

原文へのリンク

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Microsoft、月例セキュリティ情報11件の公開を予告

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 米Microsoftは、12月の月例セキュリティ情報11件を米国時間12月10日(日本時間11日)に公開する。11月上旬に発覚したグラフィックスコンポーネントの脆弱性にも対処する予定。5日の事前通知で明らかにした。

 セキュリティ情報11件の内訳は、深刻度が最も高い「緊急」が5件、上から2番目の「重要」が6件。緊急レベルの更新プログラムでは、Internet Explorer(IE)やWindows、Microsoft Exchange、グラフィックス処理に使われるGDI+などの深刻な脆弱性に対処する。

 このうちGDI+の脆弱性は、Microsoftが11月5日付のセキュリティ情報で注意を呼び掛けていたもので、不正なWordファイルを使ってこの問題を悪用しようとする標的型攻撃の発生も確認されている。脆弱性はTIFF画像の処理に関連して発生し、Windows VistaとWindows Server 2008、Microsoft Office 2003〜2010、およびMicrosoft Lyncの全バージョンが影響を受ける。

 一方、やはり標的型攻撃が確認されているWindowsカーネルコンポーネントの脆弱性については、まだ更新プログラムが完成していないとして、今回の月例セキュリティ情報での対処は見送った。この問題の影響を受けるWindows XPおよびWindows Server 2003のユーザーに対しては、11月27日付のセキュリティ情報を参照して回避策を講じるよう促している。

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iPod touch 600台を看護師に配布した高知大学医学部附属病院

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 高知県南国市にある高知大学医学部附属病院は、「患者の尊厳と地域特性を重視した医療環境の実現」などを基本理念として1981年に開院した(現在の病床数は605床)。同県にある唯一の大学病院(特定機能病院)として、地域住民に全人的な医療サービスを提供し続けている。2012年度から実施している再開発計画では「『日本一の健康長寿県』を目指して『地域に密着した先端医療の推進と優れた医療人の育成』」に取り組むなど、高知県における地域医療ネットワークの充実、県民のニーズに沿った予防医学や最先端医療の開発を推進している。

 高知大学医学部附属病院は2011年、統合医療情報システムの全面刷新(2013年1月実施)を見据えて、看護業務支援システムの見直しを検討。看護師へのヒアリングを通じて、指示書の管理や指示変更時の連絡確認など情報伝達に関する業務負担が多いことが明らかになった。

 従来の看護業務支援システムにおける情報伝達の手段として、同病院は2007年からバーコードリーダー機能とPHS機能を持つ専用PDA端末185台を複数の看護師で共同利用してきた。入院患者のベッドサイドにおける患者認証やバイタルサイン登録などを実施していたが、幾つかの問題点があったという。その問題解決に向けて同病院では、看護師が所持するモバイル端末の変更を決定。iPhoneやAndroid端末など複数の機器を検討した結果、Appleの汎用携帯端末「iPod touch」を看護師全員に1台ずつ配布することを決めた。

 iPod touchが採用された理由とは? 本稿では、2013年11月に開催された「第33回医療情報学連合大会」における、高知大学医学部附属 医学情報センター 中島典昭氏の講演内容を基に、iPod touchの導入経緯や具体的な導入効果などを紹介する。

185台 3330万円の導入コストが、600台でも1488万円に

公立高校が導入、「電子書籍リーダー」は生徒にどう役立つのか?

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 教育機関では、スマートフォンタブレットなど、多機能かつ豊富なアプリケーションが使える端末の導入が目立つ。こうした中、スマートフォンやタブレットではなく、電子書籍の閲覧に特化した電子書籍リーダー「kobo Touch」を導入したのが、関市立関商工高等学校(以下、関商工高校)だ。同校は、kobo Touchをどう活用しているのか。生徒の反応はどうか。kobo Touchの活用を推進する関商工高校の尾崎圭子氏に話を聞いた。

kobo Touch活用の概要:朝学習の読書に利用

Amazon「Kindleストア」を徹底解剖する

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KindleストアKindleストア

 紙の本は、購入してしまえば「どの書店で買ったか?」が大きな違いになることはありません。しかし、電子書籍は「どの書店で買ったか?」で、その後の体験が大きく異なります。それは、音楽・映像・ゲームなどの配信サービスと同じように、電子書店がただ単に読み物をパッケージとして販売しているだけではなく、購入後の読書環境や保管に至るまでの総合的な「サービス」を提供しているからです。

 国内でサービスを展開している電子書店はいくつもあり、まさに群雄割拠の様を呈しています。まだ「どこを利用すればいいのだろう?」と悩んでいる方も多いでしょう。どの電子書店もユーザーの満足度向上のためサービス内容を進化させ続けており、1年前に開始したこの「電子書店完全ガイド」特集も既にやや古い内容となりつつあります。

 そこで今回、「電子書店完全ガイド2013」と銘打ち、特に進化の著しい電子書店をレビューし直すことにしました。これまで通り以下の5つの要素に基づき、前回のレビューとの違いを中心に徹底解説していきます。

 各項目について、3点を平均とし、いい所があれば加点、悪い所があれば減点という形で評点します。記事の最後で、評点結果をチャートグラフにしたものを用意しています。前回の評点と比較できる形で表示していますので、そちらも参考にしてください。

 なお、どの電子書店も以前と比べてサービスレベルが向上しているため、前回は加点した項目でも今回は通常レベルのサービスとみなして加点しない場合もあります。全体のレベル向上により、相対的に評点が前回より下がる場合もあることをあらかじめご了承ください。

 2013年版の第5回目は、Amazonの「Kindleストア」をレビューします。前回のレビュー(2012年10月26日)はこちらです。

ラインアップは充実しているか?

 Amazon.co.jpでカテゴリーを[Kindleストア]にしてキーワードを何も入れずに検索すると、240万873件と表示されます(2013年11月20日時点)。これは、洋書も含めたKindleストアで購入できるすべての電子書籍と端末やアクセサリーの合計数です。

 左カラムを見ると、以前とは異なり[Kindle本]と[Kindle洋書]が別のカテゴリになったので、日本語書籍だけの点数が分かります。「近日発売」の765点を除くと、本稿執筆時点で15万6448点が配信中で、前回の調査(2012年10月25日)から8万9753点増です。また、左カラムメニューから[無料本]を開くと、青空文庫など無料で配信されている[Kindle本]は1万1599点、[Kindle洋書]は3万2025点であることが分かります。

 配信中の数字にはKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)による個人作家の自己出版作品が相当数含まれていますが、KDP作品だけの検索はできないため、どの程度の割合を占めているか正確なところは分かりません。ただ、左カラムの「出版社」から「>続きを見る」を開くと、Kindleストアに配信している出版社の一覧と、配信書籍数が確認できます。記載されている出版社は210件で、配信数を合計すると8万4022件でした。ここには、KDP作品や、「AllAbout編集部」「ゴマブックス」などが配信するボーンデジタル作品は含まれていないようです。


Kindleストア全体の取り扱い商品一覧Kindleストア全体の取り扱い商品一覧
Kindle本(日本語)だけの一覧Kindle本(日本語)だけの一覧

 次に、カテゴリ別の数字です。前回の数値(日本語書籍のみ)と比較してみます。なお、Kindleストアの登録書籍には複数のカテゴリが登録されている場合があるので、縦に合計しても総ラインアップ数にはなりません。

カテゴリ2012年10月25日時点2013年11月20日時点増加分
文学・評論261303955413424
人文・ 思想255186636112
社会・政治132743933066
ノンフィクション14001279-121
歴史・地理82330682245
ビジネス・経済153856684130
投資・金融・会社経営31117221411
科学・テクノロジー138044183038
医学・薬学4561014558
コンピュータ・IT18818481660
アート・建築・デザイン11151300185
趣味・実用158548563271
スポーツ・アウトドア229758529
資格・検定・就職26315289
暮らし・健康・子育て71655694853
旅行ガイド・マップ132951819
語学・辞事典・年鑑85675590
教育・学参・受験16314171254
絵本・児童書20513801175
コミック150805676741687
ラノベ・BL3894133069412
タレント写真集057675767
エンターテイメント4941328834
楽譜・スコア・音楽書2258256
アダルト131385877274
Kindle洋書13857982207417821619

 [コミック]と[文学・評論]の増加が著しく、[ラノベ・BL][アダルト]の伸びも目立ちます。最近追加された[タレント写真集]もかなりの数です。他の電子書店と比べて見劣りしないラインアップになりましたが、電子雑誌の取り扱いはまだ少ない(☆-0.5)です。

評点:☆2.5

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あの可変戦闘機からゴミ箱ロボまで――【2013国際ロボット展】フォト&ムービーリポート

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2013国際ロボット展

 「2013国際ロボット展(International Robot Exhibition 2013)」が2013年11月6〜9日、東京ビッグサイトにて開催された。国際ロボット展は2年に一度開催される世界最大級のロボット展示会で、今回で20回目。334社・団体(前回は272)が参加しており、過去最大規模での開催となった。

 国際ロボット展の会場は、大きく「産業用ロボットゾーン」と「サービスロボットゾーン」に分けられているのだが、今年は主にサービスロボット関連の展示にフォーカスしてお届けしたい。


20回記念となる国際ロボット展画像1 20回記念となる国際ロボット展が開催された

「マッスルスーツ」を介護、物流分野で——東京理科大学・小林研究室

 東京理科大学・小林研究室の「マッスルスーツ」は、こういったイベントではもはや“常連”ともいえるものだが、今回は介護、物流の企業2社と協力し、より「実用」を意識したデモを行っていた。

マッスルスーツ画像2 「マッスルスーツ」を装着すれば、40kgの荷物も軽々と持ち上げることができる

 マッスルスーツは圧縮空気で動作する人工筋肉を使用した着用型ロボットである。この人工筋肉はゴムとPET繊維で構成されており、モーターを使ったタイプに比べると、軽量にできるというメリットがある。腕と腰を補助するモデルと、腰のみを補助するモデルがあり、最新バージョンではタッチセンサー、加速度、呼気、音声などさまざまな方法で操作できるようになっている。

人工筋肉画像3 中央の黒いチューブが人工筋肉。空気を入れると太く・短くなる

 介護分野では、アサヒサンクリーンと協力、実証実験を行っているという。同社のスタッフによれば、訪問介護では無理な姿勢のままお客さんを持ち上げる場合も多く、仕事を続けたくても腰を痛めて辞めざるを得ない人が多いとか。マッスルスーツで腰の負担を大幅に軽減できるので、現場からの期待はかなり高いようだ。


 なお、このタイプのマッスルスーツでは、圧縮空気の供給に小型のボンベを搭載している。これ1本で持ち上げられる回数は20回程度に制限されるものの、訪問介護は1日5件くらいなので、十分余裕があるとのことだ。

 一方、物流分野では、ユーピーアールと協力している。開発した物流用マッスルスーツでは、圧縮空気は外部のコンプレッサーから供給。人工筋肉を動かすと同時に、マッスルスーツの装着部から空気が流れ出るようになっており、作業者の快適性も向上している。


エイリアン2のパワーローダーに憧れて——パワードスーツ「POWDER」

 もう1つ、着用型ロボットで面白かったのがパワードスーツ「POWDER」。こちらはなんと個人が開発しているもので、既に右半身が完成。ブースのデモでは、10kgの荷物を軽々と振り回していた。だが、ここで開発資金を使い切ってしまったとのことで、残りの左半身も製作するため、現在スポンサーを募集中だ。


 肩、肘、腰、膝に電動モーターを搭載しており(全てピッチ軸)、装着者の力を増幅する。設計上は、腕を伸ばしたままでも最大60kgの荷物を持ち上げることができるという。上腕、前腕、大腿、下腿に力センサーが設置されており、装着者の動きに応じてモーターを動かすという、非常にシンプルな制御を用いているのが特徴だ。

右手部分画像4 右手部分。手首を通すバーの根本に力センサーが設置されている
右脚パーツ画像5 こちらは右脚パーツ。構造の大部分はアルミ製で、非常にゴツい印象

 チーム代表の妻木俊道氏は、20代だったころに映画『エイリアン2』を見て、パワードスーツの開発を決意。しかし、会社で開発を提案してきたが許可が出なかったため、ついに2012年から、個人プロジェクトとして開発を始めたという。用途としては、「災害救助などに使ってもらえるようにしたい」(妻木氏)とのことだ。

「これ完全にあのロボットですよね?」——姫路ソフトワークス

 姫路ソフトワークスは、飛行も可能な2足歩行ロボット「HVF-04X」の試作機を出展。どこかで見たことがあるような形状や型番は恐らく気のせいだが、なんと3つの形態に変形することまで可能だという。重量は約2kgで、サーボーモーターは18個搭載。2014年1〜3月の発売を予定しており、価格は30万円以下になる見込み。

飛行機形態画像6 飛行機形態(実際の飛行時には、ファンは上に向ける)
2足歩行ロボット形態中間形態画像7(左) 2足歩行ロボット形態。もちろん歩行も可能だ/画像8(右) 中間形態。飛行機に手足が生えたような形態だ ※画像クリックで拡大表示

 変形できるのは、飛行機形態、2足歩行ロボット形態と、その中間形態の3種類。ここでは仮に、それぞれFモード、Bモード、Gモードと呼ぶことにしよう。FモードとGモードでは、ダクテッドファンによる飛行が可能で、Bモードではちゃんと歩くこともできる。各モードへの変形は、コントローラーからボタン1つで行うことができる。

 面白いのは、機体の底面の3カ所にPSDセンサーが搭載されていること。これにより、地面までの距離や機体の傾きが分かるようになるので、墜落しないように、高度や姿勢を自動で調整する。これは、Gモードで地面スレスレを飛びたいという開発者のこだわりから実装された機能であるとか。

PSDセンサー画像9 左右の翼と、中央にPSDセンサーが搭載されている
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「MIPSを捨てた、というわけではない」 Broadcom、ARMベースの64ビットSoCを説明

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 ブロードコムは2013年12月5日、次世代のマルチコアプロセッサ・アーキテクチャに関する記者説明会を開催。同年10月15日(米国時間)に発表したARMベースの64ビットマルチコアプロセッサについて、米Broadcom プロセッサーズ&ワイヤレスインフラストラクチャ シニアディレクターのクリス・オライリー氏がその概要を語った。


photo米Broadcom プロセッサーズ&ワイヤレスインフラストラクチャ シニアディレクターのクリス・オライリー氏

 同社が次世代のマルチコアプロセッサとして投入を計画しているARMベースの64ビットSoCは、命令セットアーキテクチャ「ARMv8」をベースにしたクアッドイシュー、クアッドスレッディング、アウト・オブ・オーダー実行機能を備えたカスタムプロセッサ。サーバや通信インフラ向けとなるもので、動作周波数3GHzを超える高性能スペックは、16nm FinFETの製造技術で実現するという。

 接続デバイスやクラウドサービスの拡大にともない、全世界でネットワークトラフィックの増加が進んでいる。トラフィック増大の影響を回避するためには、より機動性と柔軟性に優れたネットワークに移行する必要性が出てきた。その中で注目されているのがNFV(Network Functions Virtualization:ネットワーク仮想化技術)だ。

 今回の次世代マルチコアプロセッサは、このNFV向けに開発されているのが特徴。ARMと共同で、オープンかつ標準化されたNFVソフトウェア環境の定義と開発を行っているという。

 サーバクラス性能のマルチコアプロセッサの有効市場についてオライリー氏は「そのマーケットは30億米ドル規模で、内訳はワイヤレスセグメントが6.8億米ドル、ネットワーキングセグメントが約12.6億、ストレージセグメントが約10.6億。4つ目のセキュリティ(2.7億米ドル)はまだ市場規模こそ小さいが成長率が一番高い」と、同市場の有望性を語る。

photoサーバクラス性能のマルチコアプロセッサの有効市場

 この成長市場には、サーバ向けではインテル/IBM/オラクル、通信向けではLSI社/CAVIUM/フリースケールなど競合ベンダーもひしめくが、オライリー氏は「ネットワーキングIPも含め3つの優位性を組み合わせているのはブロードコムだけ」と語り、クラス最高のマルチコア・プロセッサである点を強調する。

photo3つの優位性を組み合わせているのはブロードコムだけ
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Haswell搭載NUC見参!! USB 3.0とGbEで「可能性」が大幅アップ!

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ココが「○」
・第4世代Coreシリーズを採用し、CPU性能とGPU性能をアップ
・インタフェースを強化。USB 3.0を搭載
ココが「×」
・DisplayPortがThunderbolt非対応

ちっちゃくても十分な性能。見た目は旧モデルと変わらなくても中身は別物

og_nuc_001.jpg第4世代Coreを採用した最新NUCベアボーンキット「D54250WYK」

 NUCは、マザーボードのサイズで言うと101.6(幅)×101.6(奥行き)ミリというMini-ITXよりもさらにひと回り小さいフォームファクターで、マザーボード版とベアボーンキット版が用意されている。その小ささゆえに、机上で置き場所を選ばず、あるいは液晶ディスプレイ裏のVESAマウンタに搭載してオールインワンPCのようにも使える新しいスタイルを提案している。

 さて、待望のHaswell版NUCのベアボーンには「D54250WYK」と「D34010WYK」の2製品が用意されている。前者はCore i5-4250U(1.3GHz/最大2.6GHz/2コア、4スレッド/Intel HD 5000)を、後者はCore i3-4010U(1.7GHz/TurboBoost非対応/2コア、4スレッド/Intel HD 4400)を搭載している。今回試すのは前者、Core i5-4250Uを搭載するD54250WYKだ。

 従来モデルでは、箱を開くとジングルが鳴り響いたわけだが、今回はどうやら違う。ジングルが鳴るのは箱の中に収められたNUCサイズの紙箱で、その中にはIntel製品を紹介するカードが入っていた。まあ、それは置いておき、肝心のNUCベアボーン本体を見ていこう。

 Haswell版NUCのベアボーンキットとしての接地面積は、従来モデルと変わらず116.6(幅)×112(奥行き)ミリだ。しかし新モデルの高さは34.5ミリとなり、39ミリだった従来モデルより若干背が低くなった。ただ、意識するほど薄くなったわけではないし、そもそも十分にコンパクトだ。

og_nuc_002.jpgog_nuc_003.jpg接地面積は116.6(幅)×112(奥行き)ミリで従来のNUC同様(写真=左)。内部へのアクセスは底面四隅のネジ4つだけ(写真=右)

 インタフェースは、前面にUSB 3.0×2と音声入出力、背面はUSB 3.0×2、ギガビットLAN、Mini HDMI、DisplayPortと電源ジャックとなっている。従来モデルと比較して、USB 3.0対応とそのポート数が増えたのが大きなポイントだ。

 従来モデルは転送速度が480MbpsのUSB 2.0で3ポートだったが、5GbpsのUSB 3.0×4ポートに増えたことで内部ストレージをUSB 3.0外付けHDDなどで補うことができ、快適度は高まった。また、有線LANが搭載されたことで、無線LANに縛られたり、あるいはUSB→LAN変換アダプタを用意する必要もなくなった。

 ただし、ディスプレイ出力端子のMini HDMIはあまり普及している規格とは言えず、Mini HDMI→HDMI変換アダプタはやや入手性が悪い。むしろMini DisplayPort→HDMI変換アダプタのほうが入手性がよいのではないだろうか。

og_nuc_004.jpgog_nuc_005.jpg本体前面にはUSB 3.0×2と(写真=左)。背面には右からUSB 3.0×2、LAN、Mini HDMI、DisplayPort、電源ジャックで、その上に排気口を備える(写真=右)。このほか左側面にセキュリティロックスロットがある

 内部にも変更点を見つけた。目立つところではSATAポートとSATA電源コネクタがある点だ。D54250WYKをそのまま組む場合には活用しようがないが、フタ部分のネジ穴を流用し、内部スペースを拡大するようなアクセサリが登場すれば、あるいは2.5インチSATAドライブが搭載できるようになるのかもしれない。

og_nuc_006.jpgストレージ用mSATA/Mini PCIeカードスロットに、無線LAN用のハーフサイズMini PCIeカードスロット、DDR3 SODIMMスロット×2は従来同様。しかしSATA/SATA電源コネクタが追加され、従来のベアボーンキットでは省略されていたUSBピンヘッダも実装されている

 ピンヘッダでも、従来のベアボーンキット版では省略されていたUSBピンヘッダが実装されていた。ただ、密度の高いピンヘッダであるため、通常のマザーボード用USBピンヘッダ→USB端子変換ケーブルは利用できそうにない。専用品の登場を待つしかなさそうだ。そのほかの部分は従来モデルと同様で、DDR3 SODIMMスロットが2基、ハーフサイズのMini PCIeカードスロットとその上に通常サイズのMini PCIe/mSATA共用スロットが用意されている。

 今回の評価機は、無線LAN Mini PCIeカードの「Intel Dual Band Wireless-AC 7260+Bluetooth」と、mSATA SSDの「Intel Solid-State Drive 530」(SSDMCEAW180A4)を搭載してテストしていく。前者はIEEE802.11acに対応する最新の無線LANカードだ。ただし、アンテナ端子は2×2で、最大867Mbpsとなる。Bluetooth側はVer. 4.0に対応している。一方、後者のSSDは最新シリーズの180Gバイトモデルで、シーケンシャルリードは540Mバイト/秒、同ライトは480Mバイト/秒が公称値だ。このほか、メモリはCrucialのDDR3L-1600 4Gバイト×2枚キットを使用した。こちらは駆動電圧が1.35ボルトと、通常のDDR3メモリの1.5ボルトよりもやや低いのがポイント。なお、これらはキットには付属しないのでユーザー自身で入手する必要がある。

  このほかのNUCベアボーンキットとしての付属品は、VESAマウントプレートと、ACアダプタのアダプタ部分といった具合で従来同様だ。ACアダプタは今回も3極の「三つ葉」タイプだ。

og_nuc_007.jpgog_nuc_008.jpg評価キットに付属した無線LANカードとmSATA SSD、DDR3L-SODIMM×2枚。逆に言えば、このあたりのパーツをそろえるだけでハードとしてのNUCベアボーンは完成する(写真=左)。65ワットACアダプタ(写真=右)

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「広く問題提起」──ドワンゴ「入社試験に受験料」発案の川上会長に聞く、その真意と“就活”観

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 「niconico」を運営するドワンゴは、2015年新卒採用に受験料制度を導入する。ネットでは「面白い試み」「合理的」「どう変化があるか楽しみ」など肯定的な意見の一方、「多数の企業が導入すれば学生の経済負担が増すのでは」といった懸念の声も上がるなど、大きな反響を呼んでいる。賛否両論は「予想通りの反応」という同社の川上量生会長。受験料制度導入に踏み切った背景について聞いた。

photo川上量生会長

──「受験料制度」のアイデアは川上会長があたためていたもの?

 そうです。何年か前から考えていて、今年やっと準備が整いました。

──どういう背景があったのか

 その前に、まずドワンゴの成り立ちについて触れたいと思います。

 ドワンゴはもともと、友人同士の優秀なエンジニア集団と“ダメ人間”のゲーマーたちで始まった会社です。創業したての小さくて若い企業に高学歴でコミュニケーション力が高い立派な人なんか集まってくるわけもなく、「この人大丈夫かな?」と思ってしまうような人にもやむを得ず働いてもらっていたんです。——でも、結果的に、創業初期の大きな事業の成功にも「ニコニコ動画」のスタート時にも“廃ゲーマー”たちに何度も助けられたんです。

 彼らはゲームばかりやってきた人間で、学歴もないしゲームの話しかできないし、世間一般には絶対に評価されない存在。間違いなく“ダメ人間”ですが、心血をゲームに注いでいただけで、優秀だったんですよね。「ダメな人がうまいこと生きていける環境を作れるのは素晴らしいな」とその時思って。適切な役割とタイミングが合えば、人の能力はかなりの確率で引き出せることを僕は実感を持って知りました。

 なので、「社会的に問題はあるけど能力が高い人」を拾いたい、という意識がずっとあります。「2ちゃんねる採用」「一芸採用」などの“裏口採用”も実験して、いかに「うちでしか働けない」人をとるかを考えてきました。それが会社にとっても社会にとっても意義があることだと思ってきたわけです。例えば5年前まで、エンジニアのトップに大卒の人間はほとんどいなかった。中卒や高卒でも、小さい時からプログラミングが好きで好きでたまらなくて能力の高い人はきちんと会社として評価していたんです。

 とはいえ、この数年でずいぶん状況は変わっています。僕は今、ほとんど新卒採用に関わっていないんです。最終面接にすら出ていかない。なので3年くらい前に初めて、今は高卒を採用してないことやSPI(適性検査)で「足切り」をしていることを知って怒ったんです。だってSPIでふるい落としたら他の会社と同じですよね? 普通の会社はとらないけど優秀な人、を探してきたはずなのに。

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“ポスト・スマートフォン時代”はソニーが優位に?――元ソニエリのCTOらが語る

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 Samsungが「GALAXY Gear」、ソニーモバイルが「SmartWatch 2 SW2」を発売し、Googleの「Google Glass」も一般発売が待たれるなど、ウェアラブルコンピューター、そしてモノのインターネット(IoT:Internet of Things)の時代が少しずつ近づいている。だがネットワークやサービスはもちろん、端末やUI側の課題はまだまだある。11月中旬に米サンフランシスコで開催された「Open Mobile Summit 2013」で、ソニー、Motorola(Google)などの代表者が“ポスト・スマートフォン”(スマートフォンの後)時代についての課題や展望を語った。

photophoto「GALAXY Gear」(写真=左)と「SmartWatch 2 SW2」(写真=右)

 パネルには、ソニーモバイルでCEOに助言する立場にあるシニア技術アドバイザーのJan Uddenfeldt氏、Motorola Mobilityで製品マネジメント担当シニアバイスプレジデントを務めるRick Osterloh氏、Verizon Wirelessでデバイス技術担当バイスプレジデントを務めるRo McNally氏、デザインやコンサルの草分けであるFrog Designの最高クリエイティブディレクター、Mark Rolston氏の4氏が参加。そしてGartnerでモノのインターネット分野を担当するリサーチディレクター、Angela Mclntyre氏がモデレーターを務めた。

photo左からMotorola MobilityのRick Osterloh氏、ソニーモバイルのJan Uddenfeldt氏、Frog DesignのMark Rolston氏、Verizon WirelessのRo McNally氏。そしてGartnerのAngela Mclntyre氏

スマートフォン単体で戦ってきたメーカーが弱くなっている

 スマートフォンが成長国で普及し、これから途上国市場に拡大という段階だが、業界はすでにスマートフォンの次を探っている。現時点ではスマートウォッチやメガネ型コンピューターが注目されているが、全体としてはモバイル端末だけではなく、家電などすでにある製品カテゴリーもインターネットに接続される“モノのインターネット”の時代に向かっている。その流れについてモデレーターのMclntyre氏は、「スマートフォンは(ポストスマートフォン時代も)十分活用される。技術を操作するにあたって中心的な存在になる」と予想する。

 ソニーのUddenfeldt氏も「スマートフォンは周囲から独立した製品ではない。コンシューマー家電の中心になる」と述べ、Mclntyre氏の意見に同意する。これは家電メーカーのソニーにとっては優位になるという。「ソニーは端末間で共通のユーザー体験を構築している。テレビ、カメラなどほかの製品との統合をすすめており、これにはウェアラブルも含まれる」とUddenfeldt氏。この点については、「(これまでの携帯電話とは)根本から異なる点だ。スマートフォン単体で戦ってきたベンダーが、(コンシューマー家電との連携戦略を持たないために)どんどん弱くなっている」と続ける。

photo

 ソニーの具体的な対策の1つとしてUddenfeldt氏が挙げたのが「One Touch」だ。NFC接続によりヘッドフォン、スピーカーなどの周辺機器とBluetoothペアリングを行うことができるサービスで、Xperia側の音楽をスピーカーで聴くなどのことができるようになる。Xperiaを中心に「コンシューマー家電のエコシステムを作る」とUddenfeldt氏は述べる。すでに対応製品は60機種を超えているという。

 これに対し、ライバルMotorolaのOsterloh氏は「ポストスマートフォン時代をどうやって可能にしていくか、これに時間を割いている」と述べるにとどまった。Osterloh氏はその代わり、IoT時代に向けた動きの一例として、Disneyがフロリダ州Disney Worldでテスト中のリストバンド「Magic Band」に触れた。RFID内蔵のユーザー情報を含むリストバンドで、入場券、ホテルのキーとして利用できる。「さまざまな技術が含まれているが、目に見えない。利用も簡単で、シンプルさを実現している」と評価した。

SmartWatch 2は「実際に使えるレベルに達した」

 スマートフォンを活用する上で、クラウドも重要になってくる。「複数の画面がある環境で、便利で使いやすい体験を提供するために、クラウドをスマートに使う必要がある。ある程度の自動化も必要だ」とソニーのUddenfeldt氏。

 あわせて、スマートフォンを便利に使うための取り組みの1つとして、Uddenfeldt氏はSmartWatchを紹介した。Bluetooth接続でXperiaスマートフォンと連携できるのがSmartWatch最大の特徴。電話の着信やメールの受信、TwitterやFacebookなどのソーシャルメディアからのフィードや天気情報などを表示できる。先に登場した3世代目のSmartWatch 2については、「実際に使えるレベルに達した」と満足顔だ。スマートフォン背面に装着できる“アタッチャブルカメラ”「DSC-QX100」も紹介、Wi-Fi経由でXperiaと接続できるカメラとなる。

 だが、課題も多数挙がった。スマートフォンと周囲の端末との連携という点では「かなり望ましい状態になってきた」としながらも、全体としては、「エンドユーザーにとっては、恐ろしいぐらいぐちゃぐちゃな状態」とMotorolaのOsterloh氏は言う。さまざまな端末からクラウドにあるデータやサービスにアクセスできるようになったが、利便性や操作性はまだまだ大きく劣るとみる。

 FrogのRolston氏は端末連携で必要になる管理面も課題に挙げた。「Bluetooth接続、パスワードの入力、ホームWi-Fiの管理など、常時接続はコンシューマーにとってやっかいでもある。コンシューマーが一種のネットワーク管理者になってしまっている」とRolston氏。一方で、これは企業にとってチャンスでもあるという。「サービスが連携して動くように1つにまとめることにビジネスチャンスがある。データやセキュリティだけではなく、ネットワークも管理する1つのバーチャルプロバイダが必要」とRolston氏。

家電連携もスマートフォンが中心になる

photoJan Uddenfeldt氏はEricsson出身。Sony Ericsson時代にはCTOを務めた。業界30年のベテランで、現在はCEOの技術アドバイザーを務める。手にしているのはXperia Z1。腕にはSmartWatch 2を装着している

 VerizonのMcNally氏は、家電との連携が実現するスマートホームへの期待として「冷蔵庫などが接続される。スマートフォンは中心になる」と語った。どの技術が連携をスムーズにするのかの模索を経て、音声認識など方向性が定まりつつあるとトレンドをまとめる。特に音声認識については、「ユーザーの違和感がなくなってきている」とMcNally氏。ソニーのUddenfeldt氏も音声認識について「長年の技術開発を経て、入力方法として使えるようになってきた」と進化を認めた。だが、FrogのRolston氏はさらにパワフルなUIに期待を寄せ、最終的にはスマートフォンの制御なしにユーザーが何をしたいのかに合わせて、端末側が自動対応することが理想であることを展望した。

 これをGartnerのMclntyre氏は「バーチャルアシスタント」と形容し、アプリやサービスが協調して動く世界だと考える。MotorolaのOsterloh氏は「マシン間がユーザーの介入なしに自動的にやり取りする構想に向けて、Googleは取り組みを進めている。Webにあるサービス側の進化にデバイスとネットワークが追いつき、現実のものにしていく必要がある」と述べた。普及にあたっては、「先駆者が出てきて道筋を示すことが大切」とOsterloh氏。ソニーのUddenfeld氏はこれに同意しながら「Androidエコシステムで協業が進んでいる」とAndroid陣営のリードを強調し、隣のOsterloh氏と握手を交わした。

XperiaはSony Ericsson買収後に販売台数が伸びている

 パネルの後、Uddenfeldt氏と話をする機会があったが、そこでUddenfeldt氏はソニーによるSony Ericsson買収からこれまでの経緯を評価して、次のように語った。「Xperiaラインは買収後に販売台数が伸びており、買収の成果が出ている。モバイルはソニーの3つのコア事業の1つであり、Xperiaはソニーにとって戦略的製品だ。ソニーはモバイルを積極活用して企業を変革している」。同じくコア事業であり、先に登場した「Sony Playstation 4」などゲーム分野との統合については、「SP4ではクラウド活用を進めているが、これは非常に重要なこと。詳細な計画は話せないが、クラウドゲームの文脈でモバイルがどう利用されるかが大切になる」とコメントした。

 平井一夫社長が進める「One Sony」については、「これまでの経過は素晴らしい。連携できる端末が増えている」とし、60以上の端末と連携できるという先述のOne Touchを引き合いに出した。プラットフォームについては、「テレビなどほかの端末でも重要になっている」とAndroid戦略を強調した。

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親子ペア快進撃――レゴ マインドストームを活用した一番すごいロボット決定戦!!

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ロボTRY

 「理系学生ものづくり日本一決定戦」と銘打つコンテスト「ロボTRY」の決勝イベントが、2013年11月24日にJR東京駅前のグラントウキョウサウスタワーにて開催された。本大会は「レゴ マインドストーム EV3(以下、EV3)」を用いたロボットコンテストで、今回が初開催となる。特にテーマは設定されておらず、EV3さえ用いればどんなデバイス、Webサービスと組み合わせてもよい。つまり、技術力だけでなく、発想力も問われる大会なのだ。

 決勝イベントでは、特別ゲストとして“Rubyの女神”こと池澤あやかさんが登場。自身でEV3をプログラミングしたロボットを持参し、会場を盛り上げてくれた。

「ロボTRY」決勝イベント「ロボTRY」の決勝イベントでは、特別ゲストとして“Rubyの女神”池澤あやかさんが登場!

 本大会は、同年9月下旬にコンテスト開催が告知され、11月12日には作品提出(ビデオなど)という超短期スケジュールだったが、何と30以上のチームがエントリー。その中から、厳しい予選審査を勝ち抜いた精鋭12チームが決勝イベントに進出したのだ。

 決勝イベントでは、12チームによる各10分間のデモンストレーションを含むプレゼンテーションと質疑応答が行われた。これを3人の審査員が採点し、優秀作品・チームを決定した。

 結果は以下の通りだ(表1)。

順位チーム名作品名
第1位一菜Mindeyes
第2位ASONDEMITA2wayユーフォーキャッチャー
第3位みやけんCABA-ROBO
アフレル特別賞くろだ02Fisans
teamLab特別賞みやけんCABA-ROBO
表1 決勝イベントの結果。第3位のチーム「みやけん」の作品「CABA-ROBO」は、teamLab特別賞も受賞している

決勝イベント「ロボTRY」決勝イベントの集合写真

 本稿では、表1に挙げた受賞作品を中心に、テクノロジーの観点からリポートをお届けする。

「センサー」と「アクチュエーター」の活用が腕の見せどころ!

 ロボットのテクノロジーといえば、「センサー」と「アクチュエーター」が重要である。WebやデータベースなどのITシステムとの決定的な違いはここであり、実世界とのインタラクションを実現する上で、入力となるセンサーと、出力となるアクチュエーターを、どのように利用し、使いこなせるかが腕の見せどころになる。

 第1位(グランプリ)に輝いたチーム「一菜」は、EV3の赤外線センサーと、汎用の24GHzマイクロ波センサーを利用した、見えないものを識別するロボット「Mindeyes」を開発した。本物の果物と食品サンプルやオモチャの果物、そしてぬいぐるみを選別するベルトコンベヤーを搭載したロボットで、電波の吸収量から対象物を識別し、ベルトコンベヤーやターンテーブルによってモノを振り分ける。決勝イベントでは、紙の箱の中に隠された対象物を見事に選別してみせた。

チーム「一菜」の見えないものを識別するロボット「Mindeyes」チーム「一菜」の見えないものを識別するロボット「Mindeyes」

 この24GHzマイクロ波センサーはEV3ではなく、前世代機である「レゴ マインドストーム NXT(以下、NXT)」にI2C接続されるが、このNXTと、赤外線センサーを接続したEV3が、モーターを介して連携することによって機能実現している。

 アクチュエーターとしては、EV3の標準モーターを利用するチームも多い中、モーター出力のI2C情報を利用し、ハイパワーのアクチュエーターを利用するチームもあった。惜しくも上位入賞を逃したチーム「えりたけんちゃん」の作品「宇宙エレベーター」や、チーム「ToolBox」の作品「大阪のオカン」がそれである。宇宙エレベーターは高出力のモーターを、大坂のオカンはパトライトを派手に回転させていた。

Twitter、Ustreamを活用したネット活用ロボ

 また、ネットワーク接続を活用したロボットも多くみられた。例えば、Twitterと連動し、イベント情報をタイムラインに投稿するロボットとしては、前述の大坂のオカンの他、第3位に輝いた大学生チーム「みやけん」の作品「CABA-ROBO」があった。大坂のオカンは、対象者のヘッドフォンに組み込まれた加速度センサーによって、居眠りを検出し、ピンポン玉を対象者に投げ付け、パトライトを派手に回転させる。そして、居眠りしたことをTwitter上にさらすという仕打ち(お仕置き)をするものだ。一方のCABA-ROBOは、遠距離恋愛する恋人や奥さまからの“遠隔アーン”を実現するロボットで、ラブラブ状態をTwitterに自慢げに投稿する機能を備える。

チーム「みやけん」の作品「CABA-ROBO」第3位に輝いたチーム「みやけん」の作品「CABA-ROBO」

 第2位となったチーム「ASONDEMITA」の作品「2wayユーフォーキャッチャー」は、遠隔地からUstreamを介してUFOキャッチャーを操作できるというものだ。Ustreamの中継映像を見ながら、チャット欄にコマンドを入力することで操作できる。UstreamからIRCをAWS(Amazon Web Service)のPerlスクリプトで処理してEV3を制御している。

チーム「ASONDEMITA」の作品「2wayユーフォーキャッチャー」第2位となったチーム「ASONDEMITA」の作品「2wayユーフォーキャッチャー」
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イヤフォンの左右で違う曲を同時に聴けるiPhone向けミュージックプレーヤー

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 イヤフォンで音楽を聴いているとき、友人などに「聴かせて」と頼まれたことはないだろうか。今回紹介する「Double Player for Music with Headphones Pro」は、そんなときに役に立つiPhoneアプリだ。このアプリはイヤフォンの左右それぞれに独立したミュージックプレーヤーを用意していて、これを使えば左右で違う曲を聴ける。

ts_double01.jpgts_double03.jpgts_double02.jpg起動するとすぐに再生画面となる(左)。曲を選択中(中)。App Storeのアプリ紹介より。こんなシチュエーションになったときのために普段から準備しておこう(右)

 同じ曲を時間差で聴いたりすることも可能で、例えばある曲を聴いているときに「聴かせて」と頼まれてイヤフォンの片側を貸してあげた場合に、友人が聴いているほうだけ曲の頭に戻って再生し直すこともできる。

 アプリを起動すると上下に同じ操作ボタンが並ぶので、それぞれ再生させる曲を選択する。選択が終わると曲名が表示されて再生がスタートする。操作ボタンは再生と停止、曲送り、シャッフルとリピートと必要最低限の機能だけだ。

 このほか、上下の操作ボタンの中央には左右の入れ替えボタンも用意されており、これをタップすれば左右の曲をワンタッチで入れ替えられる。イヤフォンの片方を貸している相手に、「ここ聴いて」と、聴かせたい箇所を教えてあげたいときなどに使うと便利だ。ただし上下を入れ替えるのは曲が再生中の間だけで、停止中は入れ替えられない。

ts_double04.jpgts_double05.jpgts_double06.jpg再生中の画面(左)。左右で別々にボリュームを調整できる(中)。画面の上下を入れ替えるとイヤフォンの左右が入れ替わる(右)

 曲の停止中も再生中も画面は変わらない。できればアルバムアートの表示機能くらいは欲しかったところだが、情報を増やすとボタンやスライダーが小さくなってしまうので仕方ないかもしれない。左右別々に再生ボタンや停止ボタンが用意されており、ゴチャゴチャしたUIになりがちなところを、機能を絞ることでUIをシンプルにまとめている。

 1つ不満なのが、左右の曲の再生位置をそろえる機能がないこと。2人で聴いていて、どちらかが曲を早送りした場合に、ワンタッチで再生位置やボリュームレベルを同期させる機能があると便利だと思う。この機能があれば普通のミュージックプレーヤーとして使うこともできるので、次バージョンにはぜひ追加してほしいと思う。

 価格も100円と安いので、友人と2人でイヤフォンを分け合う機会があまりない人でも、とりあえずダウンロードしておくと、いざというときに使えて便利だ。

  • Double Player for Music with Headphones Pro(100円)
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次期Windowsは2015年春登場? 開発コード名「Threshold」とは

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次期Windowsの開発コード名(?)「Threshold」とは何か

 Windows 8.1が無事リリースされ、同OSを搭載したPC/タブレットの新製品もたくさん登場している2013年末冬商戦期の現在、もう“次”のWindows OSに関するうわさがちらほら聞こえてきた。

 次期Windowsの開発コード名(?)「Threshold」が紹介されたのは、米ZDNetに寄稿しているMary Jo Foley氏の「Microsoft codename 'Threshold': The next major Windows wave takes shape」という記事中のこと。

 ここ最近のWindowsやMicrosoftに関するリーク情報で、Foley氏は比較的正確で興味深い話題を多数提供しており、その意味で信頼性が高いといえる。同氏は2013年10月のWindows 8.1が正式リリースされる直前のタイミングにおいても、この次期Windowsのリリース時期について言及しており、それによれば「世間の一部では、(Windows 8.1リリースから1年後にあたる時期となる)来年2014年秋が次のWindowsの登場時期だと言われているが、信頼できる内部情報によれば“2015年春頃”のリリースになる」のだという。

 一方で現行のWindows 8.1(開発コード名「Blue」)のマイナーアップデートも2014年春頃に登場する見込みであり、同時期にはWindows Phone “Blue”こと「Windows Phone 8.1」のアップデートが提供されるという話だ。

 Foley氏の記事では次期Windows OSそのものについての言及は少ないものの、このThresholdは、単一のWindows OSのことを指しているのではなく、Windows、Windows RT、Windows Phone、Xboxまで、Microsoftのプラットフォーム全体を指した統合開発コード名だということだ。同社では2014中の引退を表明しているCEOのスティーブ・バルマー氏が「One Microsoft」をキーワードに大規模な組織改編を行い、同社をサービス&デバイスの会社に変革していくと目標を掲げているが、Thresholdはこれを象徴するものになる──ということだろう。

 現在Microsoftの抱えている問題は比較的シンプルではある。前述のように現時点では用途に合わせてOSプラットフォームが分散しており、相互連携も弱い。つまりWindowsが本来持っている強みを生かせていないことにある。特にWindows RTとWindows Phoneは顕著で、統一されていない開発環境やアプリストアは開発者の負担を増やすだけであり、これが結果としてユーザーに対して「プラットフォームとして弱い(それなら別のものでよい)」という印象を抱かせてしまっている。特にスマートフォンやタブレット市場では出遅れ感が強いだけに、追い上げる側の印象としては致命的だ。

 そこで、開発コード名(?):Thresholdまで段階的にプラットフォームを統合していくことで、こうした現状の問題を解決していくことが同社の当面のロードマップとなる。

 なお「Threshold」という名称、英単語自体は「敷居」「境界」を意味するものだが、語源や意図はまだよく分からない。Foley氏によればMicrosoftの大ヒットゲーム「Halo」に登場する惑星の名前から来ているようだ。

2014年は「Windows Phone 8.1」がカギに

 先ほど紹介した2013年10月のFoley氏の記事では、Windows RTとWindows Phoneの将来について重要な言及がある。それは「1つのOSへの統合」だ。

 どちらもARMプロセッサ上で動作し、カテゴリこそタブレットとスマートフォンで異なるものの、モバイルOSとしての役割は似通っている。だが従来のWindowsの“流儀”を踏襲するWindows RTに対し、Windows Phoneは以前からあるWindows Mobileの延長線上にある。開発環境こそ現在では統一されたものの、アプリをリリースする際には異なるバイナリとパッケージを用意し、別々のストアに登録する必要があった(ストア登録についてはつい最近統一されたようだ)。さらに、ユーザー視点でも別々のストアにアプリが存在しているような形になる。

 これを近い将来、完全に統一し、シングルバイナリでWindowsベースのスマートフォンでもタブレットでも利用可能にする仕組みがWindows Phone 8.1以降のアップデートで段階的に導入されるのだという。そして、Thresholdの登場する2015年春までに完了するというわけだ。ただ、コンセプト自体はWindows 8とWindows Phone 8登場のタイミングでもすでに語られていたことなので、問題は「実際にこれを実現できるか」という点がMicrosoftの腕の見せ所だといえる。

 このOS統合に関してはいくつかの課題も示唆されている。それはWindows Phoneに関するいくつかの噂から来ている。Paul Thurrott氏のWindows SuperSiteによれば、Windows Phone 8の3番目のアップデートにあたるGDR3(General Distribution Release 3)に続き、2014年春のWindows Phone Blue(Windows Phone 8.1)アップデートで対応スクリーンサイズを最大7〜10型サイズまで拡大し、Windows RTの領域をカバーする方向で進んでいるという。

 GDR3ではマルチタスクや「戻るボタン」の挙動に変更が加えられたが(GDR3の詳細についてはWP Centralの記事を参照するといい)、Windows Phone 8.1はWindowsとのAPIレベルでの互換性をさらに高め、Windows RTと比べ、現状では3割程度の互換性レベルを77%まで引き上げる。また、現在のWindows Phoneは6型までが最大サポートサイズとなっているが、今後はより大きなディスプレイサイズのタブレットにも対応することを視野に入る。開発者サイドも「Windows Phone上で動作する大画面アプリ」を想定しなければならないかもしれない。

 このほか、Windows Phone 8.1に関しては別のうわさもある。こちらはMicrosoftからの質問に対する回答を掲載したものだったり、Twitterでのリーク情報だったりするのだが、これらによると「File Managerが公式サポート」され、タッチスクリーン以外での指のジェスチャーを認識する「3D Touch技術を搭載」するという。これらは前述のOS統合と比べれば目先の実用性や少し夢のある話程度ではあるが、次期Windowsを語るうえで「Windows Phone 8.1」というキーワードも欠かせないものになるかもしれない。

 これらアップデートに関することは、2014年2月にスペイン・バルセロナで開催される展示会 Mobile World Congress(MWC)で発表されるようだ。Microsoftに確認したところによれば、2014年1月のInternational CESのタイミングでは特にアナウンスを予定していないが、MWCのタイミングでは何かしら発表がある可能性を示唆した。この時期はおそらく2014年のMicrosoftを語るうえでのキーポイントとなりそうだ。

 では、日本においてはどうか。日本ではWindows Phone 8がリリースされていないこともあり、先日発表されたXbox Musicの日本展開も含めて、2013年12月現在はなんだか中途半端な状況である。加えて日本はWindows Phoneを投入するNokiaがすでに撤退した市場ということもあり、せっかく同社の一部門がMicrosoft傘下に入ったとしても、国内への端末投入は当面期待できない──というマイナス要素がある。

 だがもし、同社が「One Microsoft」構想を基にOSとデバイス戦略を見直したとするならば、2013年現在はSurfaceのみが投入されている日本市場において、何らかの変化があるとは思いたい。携帯関連の情報アップデートでは日本市場に冷淡な印象を受けるMicrosoftだが、Windows Phone 8.1はその変化のきっかけになるのかもしれない。


「鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8」」バックナンバー


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iPhone/iPadで使いたい本当に便利な「パスワード管理アプリ」8選

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 パスワードがなければオンラインでは何もできない。最近のセキュリティに対する関心の高まりを受けて、パスワードのルールは厳しくなる一方だ。さらに面倒なことには、パスワードのルールはWebサイトによってバラバラである。その結果、Webサイトによって異なるパスワードを使用しなければならない(面倒だが、そのように対応すべきことは間違いない)。このようなパスワードを全て記憶するのは不可能だ。この状況に対応するには、パスワードマネジャーを使用する必要があるだろう。この記事では、「iPad」「iPhone」で利用できるお勧めのパスワードマネジャーについて詳しく説明する。

 辞書に掲載されている単語、つまり、単語として認識できる文字列をパスワードとして使用することを認めていないWebサイトもある。少なくとも1つの数字と1つの大文字か記号を使うことを条件としているWebサイトもある。また、7文字以上(または8文字や9文字以上)のパスワードを使用することを義務付けているWebサイトもある。特にiPadやiPhoneなどのモバイルデバイスで、このようなパスワードをいつも入力しなければならないのは面倒だ。

 そこで、現状に合った最適なパスワード管理ソリューションを紹介したい。この記事で紹介するパスワードマネジャーには、スタンドアロンのアプリもあれば、デスクトップにクライアントをインストールしなければならないものもある。この記事を読んだ後には、ぜひ、あなたのニーズに最適なものを選んで使ってみてほしい。

ウイルスと何が違う? シマンテックが改めて「脆弱性」を解説

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 シマンテックは2013年12月6日「脆弱性を突くWeb攻撃に関する記者説明会」を開催し、昨今増える標的型攻撃の解説で取り上げられる「脆弱性」という言葉について、改めて解説を行った。

セキュリティ・ダークナイトが語る、脆弱性とマルウェアの関係

tm_symantec01.jpgNTTデータ先端技術研究所 セキュリティ技術部 辻伸弘氏

 説明会では、@ITにて「セキュリティ・ダークナイト」を連載する、NTTデータ先端技術研究所 セキュリティ技術部の辻伸弘氏が登壇し、「脆弱性を体験しよう」と題した講演が行われた。辻氏は侵入テスター、リサーチャーとして活躍するセキュリティのスペシャリストだ。

 辻氏は脆弱性を「人に対するものも含む、保安上の脅威となる行為に利用できる“欠点”や“問題点”」と定義する。「一般的な印象として『Windowsはセキュリティが甘い』と思われがちだが、攻撃者の側から通信をかけて侵入できる脆弱性は2008年(MS08-067:Downadup/Confickerで利用されている脆弱性)を最後に見つかっていない」と述べる。犯罪者が利用する脆弱性の傾向として、現在ではOSの脆弱性よりも、インストールされているブラウザやJava、Acrobatなどの個別アプリケーションの問題点、つまり脆弱性が狙われている。

tm_symantec02.jpg辻氏は「任意のコードが実行されます」という表現が分かりにくいのではと指摘。「PCで何ができるの? と聞かれたときに答える『何でもできる』と同じことが可能」(辻氏)

 辻氏は対策として、“怪しいから近づかない”といったこれまでの対処は通用しないと述べ、「怪しさで判断するのではなく、振る舞いで“現行犯逮捕”すれば確実につかまえることができる」とした。

 これまでの被害は、(1)システム内に侵入し感染させ、(2)脆弱性を利用した攻撃を行い、(3)情報を抜き取るという3段階で行われていた。「これまではシステムへの侵入、つまりマルウェアを検知することに注力していたが、無限に発生するマルウェアよりも、有限であるアプリの問題点、つまり脆弱性を利用した攻撃を検知し、守るほうが効率がよい」と指摘した。

tm_symantec03.jpg実際に脆弱性を攻撃するデモを実施。Symantec Endpoint Protectionを動作させているPCでは検知後該当IPアドレスからの通信を一時遮断するポップアップが表示された

Macにも対応、「侵入防止機能」がエンドポイントを守る鍵になる

tm_symantec04.jpgシマンテック コマーシャル営業統括本部 ビジネスディベロップメントマネージャー 広瀬 務氏

 シマンテック コマーシャル営業統括本部 ビジネスディベロップメントマネージャーの広瀬 務氏は「一般の方は、脆弱性を攻撃すると言われてもその意味が理解されていないのではないかと思う」と述べ、コンピュータウイルスやマルウェアに感染することと、脆弱性を攻撃されることが混同されているのではと指摘した。

 これまで、マルウェアへの対策としては、セキュリティベンダーがマルウェアそのものを捕獲し、特徴をパターンファイルの形でPCに配信、パターンマッチングを行うことで対処ができていた。これは同じ種類のマルウェアが無差別にばらまかれていることを前提にした方法だ。

tm_symantec05.jpgパターンマッチングに頼るマルウェア対策の限界

 しかし、昨今話題となっている標的型攻撃は、カスタマイズされたマルウェアを、特定企業、団体にピンポイントに送るため、セキュリティベンダーが捕獲できない。当然、パターンファイルを作成できないため、従来のパターンマッチングに頼るマルウェア対策は限界に来ている。そうした部分を、侵入防止機能でカバーできるという。

tm_symantec07.jpgシマンテックのエンドポイントセキュリティ製品において、攻撃の42%を侵入防止機能でブロックしている

 シマンテックのエンドポイントセキュリティ製品において、どの機能で攻撃をブロックできたか調査したところ、2012年では全体の42%が「侵入防止機能」でブロックできているという結果が出たという。

 シマンテックは2013年11月、Symantec Endpoint ProtectionのMac版にも侵入防止機能を搭載した。広瀬氏は「侵入防止機能は必須の時代になった。パターンマッチングで防げなかったマルウェアも、この機能でセキュリティリスクを下げることが可能だ」と述べる。

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国産小型3Dプリンタ「BS01」、クラウドファンディングで購入受付開始。7万9800円から

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 3次元造形機の研究・開発支援など行うボンサイラボと工作機械メーカーのSラボは2013年12月5日、共同開発した個人向け小型3Dプリンタ「BS01」に関する記者発表会を開催した。同年12月6日0時より、クラウドファンディングサイト「kibidango(きびだんご)」で、BS01の購入受付を開始。受付終了は、12月26日24時。

 BS01の販売価格は7万9800円から。クラウドファンディングの目標額である200万円に達した場合、支援者に対して1月末から出荷を開始する。国産の3Dプリンタがクラウドファンディングによって販売されるのは初めてだという。

yk_bonsai_3d_01.jpg個人向け小型3Dプリンタ「BS01」

 BS01はオープンソースの熱溶解積層法の国産3Dプリンタである。造形材料はPLAおよびABSであり、PLAのみのモデルと、PLAおよびABS対応のモデルの2つがある。この製品は従来の個人向け3Dプリンタよりも小型・軽量で、10万円以下の低価格に抑えたことが特徴だ。

yk_bonsai_3d_02.jpg(左)きびだんご 代表取締役の松崎良太氏、(右)ボンサイラボ 代表取締役の大迫幸一氏

 「BS01の大きなポイントは教育への普及」とボンサイラボ代表取締役の大迫幸一氏が言うように、教育分野をメインターゲットに設定しており、子どもでも持ち運べることや、教育関係者が購入しやすい価格設定を目指したという。

 本体サイズは縦、横ともに200mm、高さ270mmで重量は約6kg。フレームはMDF合板製で、5色を展開する。日本の住環境に配慮し、使うときに机の上に運びやすいサイズを目指したという。造形サイズは幅150mm、奥行き130mm、高さ100mm。シングルヘッドで積層ピッチは0.1mm推奨である。2014年3月にオプションでデュアルヘッドに対応予定である。

yk_bonsai_3d_03.jpgBS01のプリントヘッド部

 また教育分野だけでなく、より使い込むユーザーにも対応できるとしている。標準のノズルは0.4mmで、オプションは0.2、0.3、0.4、0.5mmの4種類を用意する。またノズルは頻繁に交換できるよう、1000円と低価格に抑えている。サポートについてはユーザーコミュニティーを用意し、最新の技術情報やトレンドを共有していく。

 詳細のスペックについては、各軸の理論分解能はz軸が0.3μm、x軸、y軸は14μm。造形スピードは造形時が秒速100mm、空送り時が秒速200mmである。対応OSはWindows 7以上およびMac OS X。推奨の対応ソフトウェアはRepetier Host、Slic3rである。

 PLAモデルは限定20台の早割(組み立て版)が7万9800円、自分で組み立てるキットが8万9800円、完成版が9万9800円となっている。また、完成版に、修理の際の「代替機貸し出しサービス(1年間)」を付けたモデルは12万9800円となっている。

 ヒートベッド付のABS/PLAモデルはキットが9万4800円、完成版が10万9800円、貸し出しサービス付は13万9800円。フィラメントは1.75mmでPLA、ABSそれぞれ10色をそろえており各4130円。夜光色フィラメントは各4630円。今後もトレンドカラーを追加していく予定だという。ノズルおよびフィラメントは目標金額達成後に、kibidangoのサイトのショッピング機能から購入できる。

 大迫氏よれば「普及のためには低価格設定が重要。2014年以降は10万円以下が主流になるだろう」という。そして「プリンタだけではなく、モデリングやスキャンなどもそろって初めて普及する。ソフトウェアの買収や開発が盛んなので、さらに3Dプリンタは普及するだろう」と見る。

 きびだんご 代表取締役の松崎良太氏によると「オープンソースの3Dプリンタとクラウドファンディングの親和性はよく、海外では米クラウドファンディングサイトのKickstarterなどを通して資金を集めることは珍しくない。だが日本では3Dプリンタをクラウドファンディングで販売するのは初」だという。

 Sラボは3Dプリンタ開発の他にもCNC工作機や樹脂加工機の製造、販売などを行っている。ボンサイラボは個人向け3Dプリンタの市場調査、コンサルティングなどを行っている。BS01のBはボンサイラボ、SはSラボの名から付けたという。今後もkibidangoを通じて同シリーズの3Dプリンタを販売していく計画もあるという。

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PT3が価格破壊&HDDがまもなくプチ値上がり?

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PT3が1万円切り

og_akibatokka_001.jpgBUY MORE秋葉原本店のPT3特価POP

 アースソフトがキャプチャーカード「PT3」の追加生産を決定し、12月初旬に価格改定を実施。標準価格1万3200円の設定がオープンプライスとなり、今週末は複数のショップで9980円の値が付けられている。

 ある店員さんは「PT3は2012年6月の登場後、3カ月くらいして需要が落ち着いた感がありましたが、そこから一定の需要が続いている印象ですね。年末にかけて流通量が増えれば、欲しい人は結構いるのでは」と話していた。

 そのほかの週末特価の目玉として120〜256Gバイト級のSSDを安くするショップが複数あるが、なかでもサムスン「840 EVO」シリーズの120Gバイトモデルが目立っている。限定8800円という値付けがチラホラ見られるが、ここからさらに「国内代理店のITGマーケティングによるキャッシュバックキャンペーンが受けられますから、もう1000円引きになります」(パソコンショップ・アーク)とのことで、実質7800円となる。

 一方、大容量HDDは週明けに少しだけ値上がりするという観測が広がっている。某ショップは「最近の円安傾向の値差が、複数の代理店でそろそろ吸収できなくなっているみたいです。週明けくらいから数100円程度ですが引き上げるショップが出てくるかも」と話していた。近々に買う予定があるなら、今のうちに調達しておくといいかもしれない。

og_akibatokka_002.jpgog_akibatokka_003.jpgパソコンショップ・アークの840 EVO特価POP(写真=左)。BUY MORE秋葉原本店の840 EVO価格表(写真=右)

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第36回 iPhoneでイルミネーションをキレイに撮るコツ

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 年末といえばイルミネーションの季節でありまして、イルミネーションがきれいだなと思ったら、反射的にiPhoneを向けてしまうのが人情というもの。それできれいに撮れたら問題なし。

 でもなんだかな、って写りになることもある。一番の問題は手ブレ。これはもうとりあえず、立って撮る時は脇をぎゅっと締めて(目の高さより少し下げた方が安定する)、シャッターボタンにそっと触れてそっと離す。触れるだけでいい。押すというよりは触れるという感覚で。

 実はiPhone5sは以前のiPhoneより手ブレしにくくなった。以前は手ブレしてた状況でもブレないで撮れていることが多い。ありがたや。

photo

 で、手で持って撮ってどうしてもブレちゃう人は、周りを見渡してみるべし。iPhoneをのっけられる場所がないか探すのだ。塀の上でも郵便ポストでも何でもいい。どこか安定したところに置いて、手で支えつつアングルを調節して、指でそっと触れてそっと離して撮る。これが一番簡単。

 次の問題は明るさ。

 これはもう、AF/AEロックを使う習慣を付けるべし。例えば、AF/AEロックを使わずに夜景を普通に撮るとこうなる。

photo普通に撮った夜景

 明るく光っている所と暗い空の明暗差が大きいので、照明と夜空の両方がぼやけてしまっている。どこにポイントをおいて撮りたいのか、カメラ側に教えてやる必要があるのだ。

 ここで「乃木坂駅」って書いてある文字がしっかり見えるように撮りたいときは、そこを指でタップして、AFとAE(要するにピントと明るさ)を指定してから撮る。すると、明るいところが明るくなりすぎないように撮ってくれるから、全体にぎゅっと締まって、空も暗くなる。

photoぎゅっと締まって夜っぽくなった

 簡単ですな。

 この要領でイルミネーションを撮ってみる。

photo普通にただカメラを向けて撮ってみた

 普通に撮るとこうなる。夜景撮影でありがちな写真だ。

 画面全体に「暗いところ」が多いので、カメラアプリは「お、暗い場所だから明るめに撮らないと写らないや」と判断して必要以上に明るく撮ろうとしちゃうのである。その結果、空がもやっとしてノイズが増えて、なんだかなって画質になる。

 それではさみしいので、あらかじめ明るいところを指でタップして「ここの明るさを基準に撮ってね」とカメラアプリに教えてやる。すると全体が明るくなりすぎないように撮ってくれる。

photo空が暗くぎゅっと締まり、遠くの東京タワーもそれらしくなりました

 暗いところにイルミネーションの点光源がずらっと並ぶ感じになってくれた。どのくらい明るく、あるいは暗く撮るかはケースバイケースなので、あれこれ試してみるべし。

photoちょっと低いアングルから、イルミネーションが鮮やかに光るタイミングを狙ってみた

 ここまで濃い密度で派手なイルミネーションを見せてくれてる場所ならいいんだけど、そこまで凝ってないケースもひとつ。

 街路樹にぐりぐりと巻き付けられたケーブルとLEDというよくあるパターン。これ、肉眼ではきれいに見えるけど、写真に撮ってみるとそうでもなかったりするもので、そんなときは遠近やボケを利用する。

 iPhoneでボケを利用するなんて……できるのです。ボケはメインの被写体がカメラにすごく近くて、背景が遠いときにすごく大きくなるので、それを利用する。たとえば、手前のイルミネーションにギリギリまで寄ってそこにピントを合わせて撮るとこんな風になる。

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 ピントは近い場所の木の幹に合わせてくるのでそこがくっきり写り、背景の並木がほわんとぼけて連なる。こうすると遠近感も出るし、光も柔らかくきれいに乗る。この方が「ああ、イルミネーションがきれい」と感じたときのイメージに近いのだ。

 個人的には全部ぼかしちゃうのも面白かったりする。

 LED付ケーブルをグルグルに巻かれた木を下から見上げて撮ってみる。葉っぱが写っちゃうし、今ひとつイルミネーションのきれいさがでない。

photo葉っぱやケーブルも写っちゃって生々しい

 そこでわざと少しボカしてみる。

 ボカすのは簡単。至近距離のイルミネーションにいったんピントと明るさを固定してやればいいのだ。長押しするとiPhoneの画面に「AE/AFロック」と表示される。これが固定された状態なので、あとは好きな場所から好きな角度で撮ればOKだ。

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 で、少しボケたイルミネーションと大きくボケたイルミネーション。どちらもさっきと同じ木。

photophoto

 大きくボカすとひとつひとつの光源が大きくふわっと写るので、生々しさがなくなってちょっと幻想的になる。iPhoneのカメラは細かいセッティングはできないけどちょっと工夫すればいろんな撮り方ができるのだ。

 ちなみに、夜は冷え込んで寒い季節ではありますゆえ、iPhoneでイルミネーションを撮るときは、スマホ対応の手袋を用意するのが賢明かと思います。

iPhoneで車のテールライトの光跡を撮れるアプリ

 夜景というと、やっぱ思い浮かぶのが、夜の道路に車のテールライトが光跡となって流れているような写真。それを撮るには30秒以上のスローシャッターが必要なわけで、iPhoneには無理な話……と思いきや、擬似的にああいう写真を撮れちゃうアプリがあるのだ。

 名前は「Slow Shutter!」。そのものずばりの名前ですな。「Duration」は合計何秒間撮影するか。「Sensitivity」は感度。明るい場所で感度1にすると真っ白な写真になっちゃうのでそういうときは落としてやる。FPSはまあ24か30にしておけばOK。

photo一応、手ブレ補正モードは持っているけど、できたら三脚などを使って固定して撮るべし

 そうするとこんな写真を撮れるのだ。

photo

 実際には高速連写したものを合成する疑似スローシャッターなのでちょっと点線になっちゃうけれども、iPhoneでもこんな写真を撮れるのだ、ってことでお好きな方はぜひ。

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