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「“VUCA”の時代を生きるには“外”を見ろ」――Autodesk University基調講演

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 米Autodeskは2013年12月3日(現地時間)、同社のユーザー向けイベント「Autodesk University 2013」(米国ラスベガス、会期2013年12月3〜5日)の基調講演として、同社社長でCEO(最高経営責任者)のカール・バス(Carl Bass)氏と同CTO(最高技術責任者)のジェフ・コヴァルスキ(Jeff Kowalski)氏が登壇した(関連記事:オートデスク、クラウドベースCAMへの参入を発表)。



基調講演の様子基調講演の様子。

“VUCA”の時代

 最初に登壇したコヴァルスキ氏は「“VUCA”の時代に直面する中、われわれはマインドセットを変えなければならない」と訴えた。“VUCA”とは、「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧さ)」の頭文字から成る造語で、技術の変化が激しく確実なものが見定められない現在の経済や技術の状況などを示す時によく使われる。

 コヴァルスキ氏はこのような状況の中で「社内など自分たちの所属する組織の“Inside”(内側)だけを見ていては駄目だ。“Outside”(外側)を見る、もしくはOutsideから自分たちをもう一度見つめ直してみる、ということが非常に重要になる」と主張する。

 さらにその「外部」をキーワードとして見ていく内容は、「Tools(道具、ツール)」「People(人)」「Work(働き方)」「Insight(洞察、気付き)」の4つのポイントだと話した。

4つのポイントコヴァルスキ氏が指摘する4つのポイント

既に使えるモノがないかを探す必要性

 コヴァルスキ氏は「例えばツールの面で考えた場合、コンピューティング技術の目覚ましい進歩が重要な要素となる。コンピューティングパワーの向上やクラウドコンピューティングの進歩により、無限に使えるリソースができたということ。例えば過去は巨大プロジェクトを1つのセグメントとして管理することはできなかったが、今では全体像を見据えた形で管理できる」と話す。

コヴァルスキ氏Autodesk CTOのジェフ・コヴァルスキ氏

 さらに、このような“ハイパーコネクト”(全てがつながった状態)の時代を迎える一方で、増大するデータを管理できるようになった世界では「自分たちで全てを作る必要性は全くなくなっている。既に使えるものがないか“外部”を探すことが大事だ。CADモデルは、90%は既にあるものを使い、残り10%を(新たに)作るようになる」とコヴァルスキ氏は語る。

 また「人」の面では、企業の内部と外部が境界なくコラボレーションを進めていくことで新しいアイデアが生まれてくると述べた。「オープンイノベーションやクラウドソーシング、コ・クリエーションなど、社内外問わずにベストな人と協力していくマインドセットが必要になる。そうすることで不確実な世界に対応する俊敏性を得られることになる」とコヴァルスキ氏は話している。

 さらに「“外部”を見て“外部”から内部のリソースを見ることがインスピレーションを生むことにもつながる。新たな開発を行わなくてもイノベーションを生み出せる可能性がある」(コヴァルスキ氏)とし、リバースメンタリングやリバースイノベーションの成功例を示した。

 コヴァルスキ氏は「“中”を見るマインドセットから“外”に目を向けるマインドセットに変えていくことが必要だ。そうすることで、今までは不可能だと思っていたことが実は簡単に実現できるようになることさえある」と強調している。

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DeNAが週刊マンガ雑誌アプリ「マンガボックス」創刊 「進撃の巨人」スピンオフなど日本語/英語で配信

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 ディー・エヌ・エー(DeNA)は12月4日、人気マンガ家の連載作品を無料で読めるiPhone/Androidアプリ「マンガボックス」を公開した。「進撃の巨人」のスピンオフ「寸劇の巨人」や「金田一少年の事件簿」のスピンオフ「高遠少年の事件簿」など28作品を日本語/英語で連載する。編集長はマンガ原作者の樹林伸さんが務める。

画像メインターゲットは20〜30代の男性

 マンガボックスは週刊のマンガ雑誌アプリ。講談社や小学館と提携し、異なる出版社の人気マンガ家の新作や人気作のスピンオフを集約した。最新話は毎週水曜日から毎日3〜5作品ずつ更新され、会員登録なしで閲覧できる。バックナンバーも過去12号分がいつでも読める。それ以前の部分は「アーカイブ」から冒頭100ページ程度を公開する。

 その先は、単行本/電子書籍として販売するほか、ゲーム化したり、映像化/商品化したりとマルチメディア展開を検討していく。「両者(出版社とDeNA)の強みを持ち寄って新しい何かを提供したい」「フルスイングでヒットサービスにしたい」と、DeNAの守安功社長は意気込む。

画像閲覧ページにほかの作品へのリンクも

 ラインアップは「寸劇の巨人」(原作:諫山創、マンガ:hounori)「高遠少年の事件簿」(原作:天樹征丸、マンガ:さとうふみや)といった新作のほか、「攻殻機動隊S.A.C.」(衣谷遊)「シュート!」(大島司)「奴隷区」(原作:岡田伸一、マンガ:オオイシヒロト)「女に惚れさす名言集」(地獄のミサワ)など。英語版を用意し、将来的には多言語対応していく。


画像画像ミサワも英語です

 樹林さんによると、マンガボックスは「カラーがないのがカラー」で「どんな作品でも受け入れていく」方針。おもちゃ箱をのぞくような感覚で、琴線に触れる作品を探して欲しいという。「これが成立するのは無料だから」と樹林さん。新人発掘にも力を入れ「オーソドックスな作品もエッジの効いた作品も放り込んでいきたい」と語る。

 昨今のマンガ誌の部数低迷については「原因は立ち読みが少なくなってきているから。コンビニでもマンガ誌はヒモでしばられている。蛇口が閉まっている」と語り、無料で読めるマンガボックスは「立ち読みを補ってくれるんじゃないか」とアピール。「紙のマンガを否定するのではなく、マンガボックスを通じて紙のマンガに戻ってきてほしい」と話した。

画像樹林さんとゲストの福田彩乃さんが大きなスマホの前でマンガトーク
画像左から講談社の古川公平取締役、DeNA守安社長、樹林さん

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“自称”iPad 2に潜む“驚がくの真実”を分解して知る

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iPad 2の128Gバイトモデルが登場

kn_pachipad2_01.jpg詳細情報まったくなしのこのタブレット。背面に「iPad2」のロゴはあるが、なにかとおかしいところ満載

 メーカーが分からず、ほとんど情報がないこのタブレット。購入は2012年8月ごろで、実売価格は85ドルだった。当時の為替レートで7000円程度になる。取扱説明書もなく、箱の表面に印刷した不鮮明な説明だけが頼りだ。箱のイラストからAndroid OSを搭載しているらしい。バッテリーの稼働時間に関する情報もない。

 この製品だけに限らないが、とにかく中国で入手できる“模造品”には謎が多い。これを分解し、本物との相違点とコスト削減の理由、そして、構造上危険域に突入している部分などを解説する。

 本物のiPad 2でディスプレイが9.7インチであるのに対し、こちらは7インチなので、本体サイズはiPad mini(初代)に近い。重量も370グラムで、本物のiPadと比べて半分程度。なお、iPad mini(初代)の重さは312グラム(無線LANとワイヤレスWAN対応モデル)だ。

 電気製品や通信機では、認証を受けたことを示すロゴを表示する必要がある。例えば「FCC=米国連邦通信委員会」「CE=欧州安全規格」などだ。iPad 2(パチ)にも「FCC」「CE」をはじめとする認証ロゴを本体に印刷している。その1つの工業規格商標の上にはリンゴマークとともに「iPad2」の名称も印刷している。そのすぐ下には「128GB」とあるが、本物のiPad 2にでは最上位機種でも64Gバイトだ。しかも、実際に搭載していたのは、汎用品向けの2Gバイトフラッシュメモリだったので、なんと64倍の水増し表示ということになる。

iPad 2なのに分解がこんなに楽とは

 iPadといえば、分解が最も難しい製品の1つだ。ボディ外側に露出したネジはなく、ひたすら家庭用ドライヤでタッチパネル周辺を温めてボディパネルを外し、その下の基板やバッテリーを取り出す。しかし、いま目の前にあるiPad 2(パチ)では、本体裏側のパネルをスライドさせると簡単に外れる。

 iPad 2(パチ)の価格抑制には、使用する部品もさることながら、組立工程の簡素化も大きく貢献している。絶妙な貼り合せスキルを要求する糊や紫外線硬化接着剤の類は一切使用しておらず、ネジと両面テープで部品やボディパネルを固定している。しかも、ネジは金属部品接合用ではなく、木材接合用の、いわゆる“木ネジ”を使っていた。金属部品接合用のネジは、ネジ部が寸胴で上から下まで直径が同じなのにたいして、木ネジはネジ部がキリのようにとがっている。

 金属部品接合用のネジを使う場合、ネジ穴を適切なサイズでくりぬく必要がある。しかし、iPad 2(パチ)では木ネジを使ったために、小さなネジ穴を強引に広げて接合した形跡があった。

 背面のボディパネルを取り外すと、バッテリーや基板など主要部品が見える。大容量化が進むバッテリーを薄くて小さいボディに収納することは、タブレット開発における大きな課題の1つとなっている。各メーカーとも、ボディ内部を最大限に活用してバッテリースペースを確保している。どちらかというと、基板は残ったスペースに詰め込んでいる場合が多い。本物のiPad 2もボディ面積の70パーセント程度をバッテリーが占めている。

kn_pachipad2_02.jpgkn_pachipad2_03.jpgiPad 2(パチ)の構成部材(写真=左)と内部レイアウト(写真=右)

 iPad 2(パチ)では、iPad mini相当のボディ面積なのにリチウムイオンバッテリーは40パーセント程度を占めているに過ぎなかった。「Replacement Battery for Laptop」と記載しているが、メーカーの記載はない。バッテリーに記載している表示を信じるとすれば、定格は7.4ボルト1800mAhの13.32Whrとなり、iPad 2の半分程度しか電力を供給できないことになる。

 リチウムイオンバッテリーは、乾電池などに比べて多くの電力を発生できる。それだけに、ショートさせたり不適切に取り扱うことで発生する反応も爆発的に大きい。そのため、この種のバッテリーは金属のピンで基板と接するように配置し、簡単には動かないように固定する場合が多い。

 しかし、iPad 2(パチ)では、バッテリーと基板はワイヤではんだ付けし、バッテリーも両面テープで貼り付けているだけだ。固定していないバッテリーが動いたり、内部にたまるホコリと湿気でコード線の被覆していない部分がショートする可能性がある。発煙や急激な発熱が起きて、最悪の場合は発火も考えられる。

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この冬の本命?――“4万円から買える”8型Windowsタブレットを比較する

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Windowsタブレットは“8型”が熱い

 タブレットといえば、iPadやAndroidを思い浮かべる方も多いだろうが、ここへ来て小型Windowsタブレットの注目度が高まりつつある。

 日本人が携帯しやすい8型サイズ、RTではなくフルのWindows 8.1が動作すること(もちろん、人気のブラウザゲーム「艦これ」も動作可)、新型プロセッサによる性能の改善、そしてOffice 2013が付属して約4万円から購入できる高いコストパフォーマンスと、特にWindowsに慣れ親しんだユーザーにとって、魅力的な新機種が複数登場してきたのだ。

 この冬商戦で国内販売が行われるのは、日本エイサー「Iconia W4-820」、東芝「dynabook Tab VT484」、デル「Venue 8 Pro」、レノボ・ジャパン「Miix 2 8」の4機種。主なスペックを下表にまとめた。

tm_13118tab_01.jpgtm_13118tab_02.jpgtm_13118tab_03.jpgtm_13118tab_04.jpg左から日本エイサー「Iconia W4-820」、東芝「dynabook Tab VT484」、デル「Venue 8 Pro」、レノボ・ジャパン「Miix 2 8」
8型Windows 8.1タブレットの比較
製品名Iconia W4-820dynabook Tab VT484Venue 8 ProMiix 2 8
メーカー日本エイサー東芝デルレノボ・ジャパン
OS32ビット版Windows 8.132ビット版Windows 8.132ビット版Windows 8.132ビット版Windows 8.1
幅(縦位置)134.9ミリ135.9ミリ130ミリ131.6ミリ
高さ(縦位置)218.9ミリ213ミリ216ミリ215.6ミリ
厚さ(縦位置)9.75〜10.75ミリ10.7ミリ8.9ミリ8.35ミリ
重量(実測値)約415グラム約445グラム約395グラム約350グラム
画面サイズ(アスペクト比)8型ワイド(16:10)8型ワイド(16:10)8型ワイド(16:10)8型ワイド(16:10)
タッチパネル静電容量式静電容量式静電容量式静電容量式
ペン入力筆圧対応スタイラス(+2980円)
ディスプレイ解像度(ppi)1280×800ドット(約188ppi)1280×800ドット(約188ppi)1280×800ドット(約188ppi)1280×800ドット(約188ppi)
CPU(コア/スレッド)Atom Z3740(4/4)Atom Z3740(4/4)Atom Z3740D(4/4)Atom Z3740(4/4)
CPU動作周波数1.33GHz/最大1.86GHz1.33GHz/最大1.86GHz1.33GHz/最大1.86GHz1.33GHz/最大1.86GHz
GPUHD GraphicsHD GraphicsHD GraphicsHD Graphics
メモリ2Gバイト(LPDDR3)2Gバイト(LPDDR3)2Gバイト(DDR3L-RS)2Gバイト(LPDDR3)
ストレージ64GバイトVT484/22K・VT484/23K:32Gバイト、VT484/26K:64Gバイト64Gバイト64Gバイト
無線LANIEEE802.11a/b/g/nIEEE802.11a/b/g/nIEEE802.11a/b/g/nIEEE802.11a/b/g/n
BluetoothBluetooth 4.0Bluetooth 4.0Bluetooth 4.0Bluetooth 4.0
GPS搭載搭載
インカメラ200万画素200万画素120万画素200万画素
アウトカメラ500万画素800万画素500万画素500万画素
USBMicro USB 2.0Micro USB 2.0Micro USB 2.0Micro USB 2.0
HDMI出力Micro HDMIMicro HDMI
オーディオ入出力ヘッドフォン(3.5ミリ)、ステレオスピーカー、マイクヘッドフォン(3.5ミリ)、ステレオスピーカー、マイクヘッドフォン(3.5ミリ)、モノラルスピーカー、マイクヘッドフォン(3.5ミリ)、モノラルスピーカー、マイク
メモリカードスロットmicroSDメモリーカードスロットmicroSDメモリーカードスロットmicroSDメモリーカードスロットmicroSDメモリーカードスロット
SIMカードスロット3G/HSPA+対応Micro SIMスロット(+7854円)
バッテリー動作時間約10時間(Web閲覧)、約8時間(動画再生)約11時間約8時間約10時間
カラーバリエーションガンメタルライトゴールドブラック、レッド選択可シルバー
Office 2013W4-820/FP:Personal、W4-820/FH:Home and BusinessVT484/22K:Personal、VT484/23K・VT484/26K:Home and BusinessPersonal、Home and Business選択可59404411:Personal、59399891:Home and Business
実売価格W4-820/FP:4万3000円前後、W4-820/FH:4万8000円前後VT484/22K:5万円台前半、VT484/23K:6万円前後、VT484/26K:6万円台半ばPersonal搭載:3万9980円、Home and Business搭載:4万1980円59404411:4万2800円前後、59399891:4万7800円前後
発売日2013年12月中旬2013年11月22日から順次2013年12月31日2013年12月6日

 いずれも1280×800ドット表示の8型ワイド液晶ディスプレイをはじめ、Bay Trail-T(開発コード名)ことAtom Z3740/Z3740Dのプロセッサ、2Gバイトのメモリ、32G/64Gバイトのストレージと、基本スペックはほとんど横並びという状況だ。

 少し細かく見ていこう。Venue 8 Proは4機種のうち唯一、Atom Z3740Dを採用し、メモリのパフォーマンスが少し低い。ただし、4コア/4スレッド対応で最大1.86GHzのバースト周波数、2MバイトのキャッシュといったCPUの仕様は変わらず、メモリ容量はどれも2Gバイトに固定なので、大きな性能差は生じないと思われる。

 機能面ではdynabook Tab VT484とMiix 2 8がGPSを標準搭載、Iconia W4-820とdynabook Tab VT484がMicro HDMI出力(Venue 8 ProはMiracastに対応)およびステレオスピーカーを内蔵、dynabook Tab VT484が約800万画素のアウトカメラを採用、Venue 8 Proが3G/HSPA+対応Micro SIMスロット(+7854円)、シナプティクス製の筆圧対応スタイラス(+2980円)を追加可能といった違いがある。この辺りの対応状況で使い勝手は変わってくるだろう。

 本体サイズと重量については、Miix 2 8が8.35ミリ厚、約350グラムと最も薄型軽量に仕上がっている。これに8.9ミリ厚、約395グラムのVenue 8 Proが肉薄し、以下はIconia W4-820(9.75〜10.75ミリ厚、約415グラム)、dynabook Tab VT484(10.7ミリ厚、約445グラム)と続く。1番軽いMiix 2 8と1番重いdynabook Tab VT484の差は100グラム近くなり、実際に持ち比べてみても重さの違いはハッキリ分かる。バッテリー駆動時間は約8〜11時間とされているが、測定方法がメーカーごとに異なると思われるため、単純にこの表で優劣は決められないだろう。

 価格は直販専売のVenue 8 Proが3万9980円からと最も安く、量販店などで売られるMiix 2 8とIconia W4-820もポイント還元などを考慮すると、それに近い実売価格といえる。唯一、dynabook Tab VT484は5万円台前半からと割高だが、年内に購入して専用Webページから応募すれば、マイクロソフトの小型Bluetoothキーボード「Wedge Mobile Keyboard」(実売5000円台半ば)と、Skypeの世界41カ国・固定電話かけ放題プラン1カ月間分(1100円相当)が必ずもらえるキャンペーンを実施中だ。これらを加味すると、価格差はずっと小さくなる。

 次のページからは4機種の特徴を紹介しよう。

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200万件の盗難パスワードがマルウェアサーバに、大手サイトのアカウントも発見

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 セキュリティ企業Trustwaveは12月3日、情報を盗み出すマルウェアの制御用サーバから、大手のWebサイトやメール用アカウントへのログインに使われているパスワードなど200万件あまりが見つかったと伝えた。

 Trustwaveのブログによると、同社はマルウェア「Pony」を操っているサーバにアクセスし、管理コンソールを調べた。その結果、パスワードなどのログイン情報約200万件が見つかったという。

 内訳は、Webサイトのものが158万件、メールアカウントのものが32万件、FTPアカウントのものが4万1000件、リモートデスクトップのものが3000件など。ドメインを調べたところ、Facebook、Google、Yahoo、Twitter、LinkedInといった大手サイトやサービスのログイン情報が大半を占めていた。

 被害が発生している国はオランダ、タイ、ドイツを筆頭に100カ国あまりに上っていて、「少なくとも一部の被害者は世界中に広がっていることをうかがわせる」としている。

 具体的にどんなパスワードが使われていたかを調べたところ、トップ10には「123456」「123456789」「1234」「password」などの安易なパスワードが並んだ。強度を分析した結果、「最高」「優良」と判定されたパスワードは22%、「中程度」が44%、「悪い」「最悪」は合わせて34%だった。

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次世代USBのコネクタ「Type-C」は小型で“リバーシブル”に

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 USB規格策定団体であるUSB Implementers Forum(USB-IF)のUSB 3.0 Promoter Groupは12月3日(現地時間)、次世代USBのコネクタ「USB Type-C」の開発を開始したと発表した。このコネクタで、ついにプラグの向きを気にせずにさせるようになる。

 USB 3.1(8月に策定完了)のこのコネクタは、2014年半ばに完了する見込みという。

 最近の製品がより薄型になってきていることに対応するため、完全に新しく設計したという。サイズは現行の「USB 2.0 Micro-B(Micro USB)」と同程度になる。その結果、現行のコネクタ形状(Type-A、Type-B、Micro-Bなど)との後方互換性はなくなる。

 Type-Cの仕様で新旧コネクタの接続ケーブルやアダプターについて明示するとしている。

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「オフラインだと仕事ができない」は甘え? 進化するモバイルワーク技術

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 モバイルワーカーは甘やかされている。彼らはいつでもどこでも接続を求め、仕事をするための無料のWi-Fi接続環境がないとパニックになる。

 いまから20年ほど前は、ほんの一握りの幸運なエリートモバイルワーカーだけが9.6Kbpsのダイヤルアップモデムを与えられ、何とか持ち運べる重さのコンピュータから、ファイルやメールを会社に送ることができたものだ。

 今日、モバイルデバイスはより軽く、より小さく進化し、多くのモバイルワーカーたちがWi-Fiや携帯電話網、クラウドサービスなどを利用して会社と常時接続している。接続は今や、いつでもどこでもが当たり前となった。

 「現実の労働環境は変わりつつある」と語るのは、米ITコンサルティング会社En Pointe Technologiesのマーケティング担当ディレクター、ジョン・バーツ氏だ。

XP移行の前に立ちはだかる大きな壁

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 前回の記事では、企業においてWindows XPからどのように移行していくのかを解説した。今回は、新しいOSの移行を何が阻んでいるのかを分析していこう。

IT部門の本質も問われる

 Windows XPから新しいOSへの移行を阻んでいるものは、XPで動作している業務アプリケーションや、リプレイスに要するハードウェアやソフトウェアのコスト、手間などではないだろうか。

 まず移行にかかるコストに関しては、企業の事情などもあり、一括に計上できないということがあるだろう。また、単にクライアントPCを入れ替えるだけでなく、サーバ側の対応、アプリケーションの改修や再開発など、ITシステム全体でも膨大なコストがかかる。ある意味、今後10年以上利用していくITシステムの姿を作り上げる必要が生じるわけだ。

 理想としては、このような大きなビジョンを持ってITシステムを再構築していくことになるが、ビジョンを持ってITシステムを導入・構築しているという企業はそれほど多くはないだろう。大半の企業は、目の前の問題を解決していくだけでIT管理者の仕事量があふれてしまい、「そんなビジョンは無駄」と思っているかもしれない。ビジョンを持っていても、年間にIT関連にかけられるコストが限られている場合は、ビジョンを具体化するための資金が無く、日々のシステム管理やメンテナンスにコストが出ていってしまう。

 会社の組織的な問題もあるが、IT部門が「便利屋さん」的な仕事になってしまっていることが大きな問題ではないか。欧米ではIT部門をプロフィットセンターとして考え、社内の各部門にITサービスを提供し、各部門から費用を支払ってもらうという形態になっている。こうなると、IT部門は社内の顧客である各部門にサービスを提供して、利益を生むことになる(社内の帳簿上だけでも)。日本ではアウトソーシングの流れに従って、社内のシステム部門を子会社化する動きがみられるものの、結局は親会社や関連会社の仕事にとどまり、立ち行かなくなった例も多い。

 そこで日本的なIT部門としては、社内にいながら顧客(社内の部署)のITコンサルティングを行うようにし、顧客の満足度をどれだけ高めることができるかということが主眼となってくる。もちろん、日々の管理業務に関してはアウトソーシングやクラウドコンピューシングなどを利用することで、内部調達を行わないようにしていく必要があるだろう。

 こういった部分は、企業の組織論になるため、本稿ではあまり踏み込まないが、根本的な部分として考えておくべきだろう。欧米では子会社化やアウトソーシング化していたシステム部門を2000年頃から社内に引き戻し、機動的なシステム開発が行えるようにしている。

newwinera0301.jpgWindows XPのデスクトップ画面。2014年4月には、サポート終了が決まっているため、その後はセキュリティの脆弱性を突かれる可能性もある
newwinera0302.jpg日本マイクロソフトでは2013年4月から移行に関する情報を提供しているため、徐々に移行に関する関心が高まっている(マイクロソフトより)
newwinera0303.jpgVistaやOffice 2007以降では標的型攻撃への備えをしているが、XPやOffice 2003だけでは今日のサイバー攻撃に対抗できない。このため、サポート終了後にXPやOffice 2003の既知の脆弱性を使ったサイバー攻撃が頻繁に行われる可能性が高い(同)
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「Microsoft Office 365」がSNS化、仕事の仕方はどう変わる?

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 米Microsoftは、クラウドとブラウザベースのコンポーネントの強化によって、衰退するクライアントPC市場からビジネスの幅を広げる取り組みを続けている。その最新の取り組みが、「Yammer」の「Office 365」への統合だ。

 この2つのクラウドサービスの密接な統合により新しい機能が提供される。例えばYammerアカウントを作成することなく、メールの画面からYammerの会話に参加する機能や、携帯電話のSMSと同じような機能の提供によるメッセージングの強化だ。

タブレット市場に注力するIntelのモバイルプロセッサ戦略

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 Intelは、さる11月21日(米国時間)に投資家向け会議を行ない、5月に新CEOに就任したブライアン・クルザニック氏率いる新生Intelの企業戦略を明らかにした。この会議において、今後Intelはタブレットやスマートフォン向けのモバイルSoCの大幅な強化を図ることや、最先端の製造技術を誇る同社の半導体技術を、他社に対しても積極的に提供していく考えを示した。そこで、今回は、先日行われた投資家向け会議の概要と、同社新戦略に対する関係企業の反応などをまとめる。

 Intelが、2014年の最大目標に掲げるのは、タブレット市場における影響力の拡大だ。クルザニック氏は「急成長を遂げているタブレット市場に対し、現状の4倍の製品(SoC)を出荷する」とし、低価格帯から高性能モデルまで、すべてのレンジでIntel製SoCを実現できるよう、モバイル向けSoCのロードマップを大幅強化した。

og_intel_001.jpgog_intel_002.jpg2014年、Intelはタブレット市場向け製品の出荷量を4倍に増やす計画だ(画面=左)。2014年にはタブレット市場は15億台市場へと成長するという市場予測(画面=右)

 同社でモバイル通信事業を統括するヘルマン・オイル副社長は、2014年にはタブレットやスマートフォンの市場が15億デバイス市場へと拡大するという市場調査結果を踏まえつつ、まずは、同社の競争力が上がっているタブレット市場に注力し、続いてスマートフォン市場に積極的に進出する意向を示した。そこで同氏は、

  • パフォーマンスの加速度的向上とSoCへの機能統合
  • Androidへの対応強化
  • 低価格製品の実現
  • LTEへの対応

がカギになるという見方を示した。このうち、パフォーマンス面では同社CPUコアがすでに64ビット対応を果たしていることの優位性をアピール。来年にも64ビット対応が果たされるAndroid市場において、機能や性能で優位に立てるという自信を見せた。

og_intel_003.jpgog_intel_004.jpgIntelが自認するIntel製SoCのアドバンテージ(画面=左)。まずは、タブレット市場での影響力を拡大し、つぎにスマートフォン市場に取り組むという戦略を採る(画面=右)

og_intel_005.jpgog_intel_006.jpgAndroidでもWindowsでも、タブレットのユーザー体験では、Intel製SoC搭載タブレットのほうが優れているとアピール(画面=左)。Androidの64ビット対応で、Intel製SoCのアドバンテージはさらに広がると主張する(画面=右)

 また、同氏は現在のタブレット市場を価格帯別に分析し、ミッドレンジからエントリーモデル市場の成長が大きくなると予測。この市場トレンドをサポートすべく、同社のモバイルSoCロードマップを大幅に強化する計画を明らかにした。

 まず、同社は2014年前半に、“Bay Trail”(ベイ・トレイル)の開発コードネームでも知られる最新のAtomプロセッサと同じSilvermontコアを採用するタブレット・スマートフォン向けSoCの“Merrifield”を投入する。

 同SoCはデュアルコア構成となるが、2014年後半にはMerrifieldのクアッドコアCPU版となる“Moorefield”(ムーアフィールド)、さらに2014年末までには14ナノメートルプロセスを採用し、次期Atom CPUアーキテクチャとなる“Airmont”(エアモント)コアを採用する“Cherry Trail”を投入するなど、矢継ぎ早にタブレット・スマートフォン向けSoCを投入する意向を示す。

og_intel_007.jpgog_intel_008.jpgIntelによるタブレット市場の価格帯別分析(画面=左)。2014年前半に市場投入するMerrifieldでは、CloverTrail+比で1.7倍のパフォーマンスアップを実現する計画だ(画面=右)

og_intel_009.jpgog_intel_010.jpgまた、2014年前半にはLTE Advancedにも対応する(画面=左)。2014年後半には、MerrifieldのクアッドコアCPU版となるMoorefieldを投入する(画面=右)

og_intel_011.jpgog_intel_012.jpg2014年後半には、Bay Trail後継となるCherry Trailの投入も計画。14ナノメートルプロセスを採用する最初のAtomプロセッサとなる(画面=左)。エントリー市場向けには、3Gモデムなどをワンチップに統合した“SoFIA”を投入(画面=右)

og_intel_013.jpgog_intel_014.jpg2015年にはSoFIAのLTE対応を実現するほか、Goldmontアーキテクチャを採用するBroxtonを投入し、パフォーマンスアップを図る(画面=左)。Intelとしては、AtomをCoreプロセッサと同規模のビジネスへと加速させるべく、投資を強化する(画面=右)

 一方、低価格タブレットやスマートフォン向けには、LTE/3GモデムやGPS、Wi-Fi機能などを統合する“SoFIA”を投入し、100ドルを切るスマホにもIntel製品を浸透させる計画を明らかにした。なお、同社はSoFIAに統合するモデム機能として、3G対応版を先行させ、LTEモデムの統合は2015年に行なう計画だ。また、同SoCはIntel自身では製造せず、外部ファブを利用することも明らかにされた。

 これにより、Intelはタブレットの全価格帯をサポートするソリューションをそろえるとともに、Androidの64ビット対応をきっかけにモバイル市場におけるイニシアチブを握り、さらにスマホ市場でもSoFIAで市場拡大を狙うようだ。

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「Xbox One」を分解

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 クリスマスシーズンを間近に控え、タブレット端末やゲーム機が続々と発売されている。ソニーの「プレイステーション4(PS4)」に続き、「マイクロソフトは2013年11月22日、「Xbox One」を発売した(関連記事:「プレステ4」を分解)。初代「Xbox」の発売から12年、「Xbox 360」の発売から8年が経ち、満を持しての発売となった。Xbox Oneは、初代Xbox 360から数点のアップグレードがなされている。半導体や電子機器の解析を手掛けるカナダのChipworksは今回、Xbox Oneを分解した。

mm131205_xbox1.jpgXbox Oneのコンソールデザインは、Xbox 360よりもすっきりしている。ただし、電源はソニーの「プレイステーション4(PS4)」のように内蔵されていない 出典:Chipworks
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mm131205_xbox3.jpg出典:Chipworks
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「クラウド・ソーシャル・モバイルへの対応は必須だ」――オートデスクCEO

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 米Autodesk社長兼CEO(最高経営責任者)のカール・バス(Carl Bass)氏は2013年12月4日(現地時間)、同社ユーザー向けイベント「Autodesk University 2013」(米国ラスベガス、会期2013年12月3〜5日)会場で、日本記者団のインタビューに応じ、クラウド、ソーシャル、モバイルなどの新技術に積極的に対応していく姿勢を示した。

 エンタープライズITでは、クラウド、ソーシャル、モバイルなどへの対応の動きは本格化し、これらに伴うオープン化の動きが加速している。しかし、CADなどの製造IT分野では、まだ始まったばかり。重要な製造データなどを外部に預けるセキュリティ面での不安や、大規模データを扱うためにパフォーマンスが不安定になることへの懸念は製造業の現場ではまだ根強いものがある。

 しかし、これらの抵抗感に対し、バス氏は「クラウド、ソーシャル、モバイルの動きは避けられないもの。従来の方法を使い続ける人もいるが、新しい方法が出てきた時に移行する人はいる。そういう動きに対応していかなければならない。既に若い人々はクラウドを当たり前のものとして取り入れている。新しい方法への抵抗感にこだわり過ぎるのは間違いだ」と新技術を積極的に取り入れ、これらを推進していく姿勢を示した。



クラウド、ソーシャル、モバイルへの移行は避けられない

バス氏の主な質疑応答は以下の通り。

—— 基調講演では「マインドセットを変える」ということを強調していたが、特に訴えたかったのはどういう点か(関連記事:「“VUCA”の時代を生きるには“外”を見ろ」——Autodesk University基調講演)。

バス氏 時代が大きな変化を迎え、技術や人々なども変わってくる中で「仕事のやり方を変える」ということが最も訴えたかった。古いやり方から新しいやり方に変える、その時に古いツールのままでいいのか、ということを投げかけたかった。

バス氏インタビューに応じた米Autodesk社長兼CEOのカール・バス氏

 クラウド、コンピューティングパワーの進化、コラボレーション、モバイル、ソーシャルなど新しいやり方が次々に登場している。これらを使いこなす人々がどんどんと出てきている。そういう時に企業だけが今までのやり方でいいはずがない。ユーザーも考え方を変える時が来たということを訴えたかった。

—— クラウドを強化する姿勢を鮮明に打ち出したが、既存のデスクトップ型のビジネスモデルとぶつかり合うことについてどう考えているのか。

バス氏 当社はツールプロバイダーであり、顧客が望むツールを提供していくことが役割だ。既存のデスクトップ型製品も提供は続けていく。ただ、クラウドなど新しい技術に対応した製品を求める顧客がいるからこそ、新たな技術の製品を提供していかなければならない。

 例えば、古い世代であれば企業内でもMicrosoft Officeは必須だと考えるかもしれない。しかし、私の息子のような若い世代では、Google Docsでクラウド環境を利用して文書管理などを行うのが当たり前になってきている。いつの時代でも、新しい技術が登場した時に「それは必要ない」という人が何割かいる。しかし新しい技術に移行する人は必ずいて、そうした人たちが主流になる時に適応できないというのであれば、話にならない。

 クラウド、ソーシャル、モバイルへの対応は避けられないものだと考えている。これらへの移行は必ず進んでいく。そのため、これらへの対応は積極的に進めていかなければならないと考えている。

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番号そのままでスマホ通話料を半額に 「楽天でんわ」、フュージョンが投入

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 「スマホの通話料に改革を」——楽天グループのフュージョン・コミュニケーションズは12月5日、スマートフォンの通話料を半額にするとうたう「楽天でんわ」サービスを始めた。専用アプリから電話をかけると、LTEスマートフォンの一般的な通話料の半額となる30秒10.5円で国内通話できる。

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 初期費用や月額基本料は無料。専用のWebサイトから電話番号やクレジットカード情報などを登録した上で、iOS/Androidアプリをスマートフォンにインストールして通話すると、フュージョンの電話回線を経由して音声を届ける。スマートフォンだけでなく、フィーチャーフォンや固定電話にもかけられる。

う。

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 電話をかける際、番号の頭に自動で「0037-68-」を付けることでフュージョンの電話回線を経由する仕組みだが、着信先には「0037-68-」は表示されず、利用中の携帯電話番号が通知されるため、電話を受ける側も違和感がないとい

 パケット通信を利用した無料通話アプリとは異なり、移動中の通話の途切れや、聞き取りにくいといった音質の問題もないとしている。通話料100円につき「楽天スーパーポイント」が1ポイント付与される。

 アプリに「無料通話リスト」機能を備えた。家族間や同キャリア間など、キャリアが無料通話を提供している番号を登録しておけば、「0037-68-」を付けずに発信でき、従来通り無料通話が利用できる。

 普及が進んでいるLTEスマートフォンは、標準プランの通話料は各社一律30秒21円。基本料金に無料通話分も含まれておらず、ユーザーの通話料単価は増加傾向にあると同社は指摘する。「日本の通信環境をドラスティックに変えるという創業当初のコンセプトの下、今後もユーザーベネフィットを徹底的に追求したサービスを創出する」としている。

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Microsoft反撃の鍵は「モバイルでもWindows体験」

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 エンドユーザーのニーズが高い米Appleと米Googleのモバイルプラットフォームは、市場でも大きなシェアを占めている。もはや、この市場において、米Microsoftが「選ばれるエンタープライズベンダー」となる見込みは薄いのかもしれない。

窮地に追い込まれたMicrosoft、企業へのアプローチに変化

NICTが目指す「安全」で「プライバシー」が保てるIT世界

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 独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は2013年11月28日、29日、「NICTオープンハウス2013」を開催した。このイベントはNICTの最新の研究成果を講演、デモンストレーション、パネル展示を通して紹介するものだ。普段接するITに比べ、未来を指向した展示が多いことが特徴だが、その中でも気になる展示を2つレポートしよう。

視覚化でRSA公開鍵問題に注目を 脆弱性検証システム「XPIA」

 NICTの成果物といえば、インシデント分析センター「nicter」や、対サイバー攻撃アラートシステム「DAEDALUS」のビジュアルを思い出す読者も多いだろう(参考:2012年のNICTオープンハウスレポート)。現在ではこれらのツールは展開のステータスにあり、多くの自治体や企業の協力を得て、観測範囲を広げているという。

tm_nict01.jpg「nicter」「DAEDALUS」「Nirvana改」のビジュアル

 展開に大きく寄与したのは、その「見せ方」だった。今回のNICTオープンハウスでは見せ方に力を入れた、新たなプロジェクトが登場していた。それがセキュリティ基盤研究室によるSSLの脆弱性を検証するシステム「XPIA」だ。

なかなか注目されないRSA公開鍵の脆弱性をどう見せるか

 XPIA(X.509 certificate Public-key Investigation and Analysis system)は、インターネット上で公開されているSSLサーバの公開鍵証明書から抽出したRSA公開鍵の脆弱性を検証するシステムだ。X.509公開鍵証明書からRSA公開鍵を抽出し解析、それを可視化する部分に力を入れている。

 RSA公開鍵については、2012年にヘニンガーとレンストラのチームにより、RSA公開鍵作成時に利用される乱数の偏りから、同じ秘密鍵を持つ公開鍵が多数生成され、SSLサーバ証明書に組み込まれて利用されている問題が報告されている。2つのRSA公開鍵に同じ秘密鍵が含まれていた場合、容易に秘密鍵を特定できることから、SSLサーバ証明書の偽造も可能となる。

 XPIAではこの「同じ秘密鍵が含まれるSSLサーバ証明書」のペアが世界にどの程度あるか、IPアドレスのペアを赤い線で結び、可視化を行っている。

tm_nict02.jpgXPIAによる可視化。日本から伸びている線は、共通の秘密鍵を持つサーバにつながっている

 XPIAによる可視化の狙いは「この問題を多くのサーバ管理者に知ってもらうこと」だという。SSLサーバ証明書のメンテナンスが行き届いているか、いま一度確認しておきたい。

証明書への署名に伏せ字、それでも「署名をいかす」仕組み

 NICTオープンハウスで気になった展示をもう1つ紹介しよう。セキュリティアーキテクチャ研究室によるパネル展示「プライバシー保護プロトコル」のデモンストレーションだ。

 例えば自動車を購入するとき、住民票のような情報をディーラーに渡すというシナリオを考えてみよう。住民票は署名者である役所が署名を行い、正当性を証明する。しかしディーラーである検証者に対して、生年月日などの情報は渡す必要はない。プライバシー保護プロトコルでは、住民票自体の署名を生かしつつ、不要な部分を利用者自身が暗号化し、部分暗号化したことを証明する署名が追加される。

 これまでの仕組みでは、一度署名が行われたものに対する改変は「改ざん」と判断されてしまう。利用者自身により、一部の情報を伏せ字にできる仕組みを目指したのがこのプロトコルだ。

tm_nict03.jpgプライバシー保護プロトコルの概要。生年月日部分を利用者が暗号化し、新たに署名を施している

 これにより、立場が異なるサービス間、データベース間で大容量のデータを利用する場面を考慮した、利用者の要求に応じたプライバシーが提供できるとしている。主な利用シーンとしては上記のような住民基本データのほか、投票権を持つことは証明しなくてはならないが、記名内容はプライバシーを保たなければならない電子投票にも応用できるという。

 プライバシー保護プロトコルは現在も研究中で、これが実現すれば同様の機能を実現するために個別にプログラムを作り込む必要がなくなるという。

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スマホの通話料金は高すぎる――楽天が“通話半額”サービスに乗り出した理由

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國重惇史楽天の國重惇史副社長

 「携帯電話の通話料金というものは10年以上も高止まりしたまま、『何でこんなに高いの?』という状態が続いている。『楽天でんわ』はスマホの通話料金をメガキャリアの半額である30秒10.5円にする」——楽天の國重惇史副社長は新サービス「楽天でんわ」の発表会席上でこう宣言した。

 國重副社長は、通話料金が下がらない理由として「国内にメガキャリアと呼ばれる3社しかいない環境」を挙げる。楽天でんわが通話料半額サービスを提供することで、この寡占状態に一石を投じ、価格競争を喚起しようというのだ。

電話回線を使った高品質、低価格な通話サービス「楽天でんわ」

 楽天でんわは、楽天グループの通信会社であるフュージョン・コミュニケーションズの電話回線を使った発信専用の格安通話サービスだ。固定電話、携帯電話と通話できるが、国際電話は使えない。

 専用アプリ(iOS/Android)を使って電話をかけると、通話料金が一般的なLTEスマホプラン(30秒21円)の半額に当たる30秒10.5円になる。また、通話料金100円につき1ポイントの「楽天スーパーポイント」が付与される。将来的には楽天でんわの支払いにもポイントを使えるようにする予定だ。

 具体的には、アプリが自動的に相手番号の前に「0037-68」という番号を付けて発信することでフュージョンの電話回線を経由する仕組みだが、かけた相手には利用中の携帯電話番号(090もしくは080から始まる番号)が通知される。データ通信を使ったIP電話とは異なり、通常の電話回線を使うために通話が途切れたり、遅延が発生したりといった品質の低下を招かないとしている。

楽天でんわ楽天でんわの概要(出典:楽天でんわ)

 サービス利用に当たっては、専用Webサイトから電話番号とクレジットカード情報の登録が必要。月額利用料金や初期費用は発生せず、利用年数縛りもない。既存の携帯電話契約を維持したまま、通話部分だけを楽天でんわに置き換えられる。

 フュージョンの相木孝仁社長は、「通信キャリアが提供するスマホのサービス体系は、さまざまなオプションサービスなどが複雑に絡み合っていて非常に分かりにくい。楽天でんわは、使わなければ費用が一切発生しない料金体系。使ったときに、使った分だけ料金が発生するシンプルさ、分かりやすさを重視した」という。

携帯電話のサービス乗っ取りではない

相木孝仁フュージョン・コミュニケーションズの相木孝仁社長

 質疑応答では「携帯電話キャリアの番号がそのまま使えるというのは、ある意味で“サービスの乗っ取り”ではないか?」という指摘を受けた相木社長。楽天でんわは既存の携帯電話会社と相互接続協定を結んだ中継サービスであり「乗っ取りには当たらない」と否定した。発信側と着信側の携帯電話会社に対して回線接続料を支払っているという。

 また記者会見後の囲み取材で、楽天の國重副社長は「大手携帯電話会社は、従来型携帯電話の通話料は割安となるプランを柔軟に用意しているのに、LTE対応スマートフォンに対しては最高値となる30秒21円しか提供していない。無料通話分も提供しない。これはおかしい」と疑問を提示。「契約にのっとってサービスを提供しているが、半額ということに対して既存キャリアから何らかの圧力を受けるような事態になれば、そのときはぜひメディアのみなさんに指摘してもらいたい」と笑っていた。

スマホの通話料金は高い

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進化したレトロデザインのミラーレス――富士フイルム「FUJIFILM X-E2」

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回折ボケを低減する点像復元処理を搭載

 富士フイルムは、レンズ交換式のミラーレスカメラ「X」シリーズを2012年2月から展開している。これまでに発売したボディは、最上位モデルの「X-Pro1」からエントリーモデルの「X-A1」までの5製品。いずれもクラシックカメラを思わせるレトロなデザインを採用し、そのことが同シリーズの個性になっている。

photo富士フイルム「FUJIFILM X-E2」レンズキット

 今回取り上げるのは、今年11月に発売になったXシリーズのスタンダードモデル「X-E2」だ。昨年発売した「X-E1」の後継機にあたり、画質とスピード、機能、操作性をいっそう高めている。

 なかでもまず注目したいのは、センサーとエンジンを一新したこと。センサーには「X-Trans CMOS II」を、処理エンジンには「EXR Processor II」をそれぞれ搭載。これらは今年2月に発売されたレンズ一体型モデル「FUJIFILM X100S」から継承したものだ。絞り込み時の回折ボケやレンズ周辺部のボケを補正する「点像復元処理」も受け継いでいる。

photo点像復元処理は、撮影メニューからON/OFFが選べる

 下の2枚の写真は、点像復元処理のOFF/ONを比較したもの。絞り値をF22まで絞り込んだため、OFFのカットでは、回折の影響によって遠景のディテールがやや甘い描写になっている。しかしONでは、画面全体のシャープネスが高まっていることが分かる。

photoF22 点像復元処理:OFF
photoF22 点像復元処理:ON
photoレンズマウントを中央に配置した端正なデザインを継承
photo外装は高品位なマグネシウム合金製。高級感が漂っている
photo側面にはシボ革風のシートが張られ、手触りを高めている
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「PC+」と「マルチモード」で、あなたの何が変わるのか──レノボ・ジャパンのマーケティング戦略を聞く

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レノボが提唱する「PC+」と「マルチモード」

photoレノボ・ジャパン コンシューマーマーケティングマネージャーの室井崇裕氏

 「レノボは直近の連続2四半期で販売台数世界ナンバーワンのPCメーカーです。でも、実は出荷台数で見るとPCよりもタブレットやスマートフォン(日本未発売)を合わせた台数のの方が多くなっています。ユーザーがデジタルデバイスに求めるものが変わってきている“今”、それに合わせた製品ラインアップでそのシーンを具体的に提案するのが必要と考えています。マーケティングのイノベーションを起こすのもまさに“今”です」

 こう語るのは、レノボ・ジャパン コンシューマーマーケティングマネージャーの室井崇裕氏。室井氏の説明にあるとおり、デジタルデバイスの使い方の変化に応えるよう、レノボはPCを主軸としつつも、利用シーンに応じてPC、タブレット、スマートフォンと、デバイスあるいはスタイルを使い分けるという、これまでのPCに何かを“プラス”するという新しい製品群の考え方「PC+」を提唱。このPC+の考え方に沿った製品を続々と投入している。

 このPC+を象徴するキーワードが「マルチモード」だ。1つのデバイスが利用シーンに応じたスタイルに変化することで、それぞれのシーンで最も快適な使い勝手を実現する──というのが狙いだ。このマルチモードコンセプトを持った製品が2013年秋冬商戦向けに投入した「Yoga 2 Pro」であり「Flex 14」「Flex 20」、そして「YOGA TABLET」シリーズとなる。

 しかし、これらはいずれもPCをもとにしたデバイス。PCのカテゴリでは、ようやくレノボの日本での認知度は高まっているが、レノボがタブレットも販売していることはまだまだ知られていない。そんなタブレット“も”しっかり投入するメーカーとして知名度を一気に押し上げる役目を担うのが、10月29日に発表された「YOGA TABLET」シリーズ。そして、この「マルチモード」プロモーションの中心となる存在が、“レノボ ブランド・アンバサダー”として就任したアシュトン・カッチャー氏である。

photoレノボはアシュトン・カッチャー氏をブランドアンバサダーに起用。戦略的デバイス「YOGA TABLET」シリーズを軸に、「PC+」そして「マルチモード」の具体的な価値を積極的にユーザーに提案していく

ジョブズ役を演じたアシュトン・カッチャー氏が、“次に選んだ”プロジェクト

photo2013年10月29日に行われたYOGA TABLET発表イベントで登壇したアシュトン・カッチャー氏

 アシュトン・カッチャー氏は、俳優、起業家、テクノロジー投資家、プロデューサー、社会奉仕事業家と多彩な顔を持つ人物。とりわけIT分野の技術や事業に精通し、カッチャー氏のTwitterアカウントには100万以上ものフォロワーがいる。アシュトン・カッチャー氏がこれまでと大きく違うのは、レノボの単なるプロモーションアイコンではなく、氏のテクノロジー知識と行動力を生かした「プロダクトエンジニア」として、今後のレノボ製品の開発からマーケティングに携わる役割をも担っている点である。

 実際、2013年10月29日(日本時間)に世界同時に行われたYOGA TABLET発表イベントでは、カッチャー氏自身がステージに立ち、なぜレノボのプロダクトエンジニアとして参画したか、そして画期的なマルチモードタブレットであるYOGA TABLETはどんなコンセプトを取り入れ、どんな意図があるデバイスなのか、ITに造詣の深いカッチャー氏らしい言葉で熱く語っている。それは、まるで氏が映画で演じたあの人を思わせる存在感があった。



 日本では、俳優としてのアシュトン・カッチャー氏を知る人はまだ少ないかもしれない。米国で2013年夏に公開(日本では2013年11月1日に公開)された映画『スティーブ・ジョブズ(原題:Jobs)』で、物語の中心人物であるスティーブ・ジョブズ役(Apple 元CEO)を演じたことで一躍脚光を浴びた。世界中の多くの人が知るスティーブ・ジョブズという主役を射止めた背景には、ITに精通したガジェット好きであり、IT企業への投資家でもあるというカッチャー氏の顔があったことは言うまでもない。そんなスティーブ・ジョブズを演じたカッチャー氏が「次のプロジェクト」として選んだのが、レノボとのパートナーシップなのである。

 実はアシュトン・カッチャー氏以外にも、今回のブランド・アンバサダー候補は存在した。その中でレノボがカッチャー氏を選んだのは「彼のリスクをいとわないチャレンジ精神と、レノボの常にイノベーティブなスタンスが合致したことにほかならない」(レノボ・ジャパンの室井氏)。YOGA TABLETのプレゼンテーションでもアシュトン・カッチャー氏は、「“安全圏から出ようとしない人”という顔は、絶対に自分の顔ではない。リスクがあって大いに結構」と語っている。

 スティーブ・ジョブズというアメリカンドリームの象徴のような人物を演じた後に、中国発祥のグローバル企業であるレノボとパートナーシップを組むということは、アメリカ人俳優にとってリスクになるのかもしれない。しかしカッチャー氏は「そんなことはどうでもよい。優れたテクノロジーを持ち、いい製品を送り出し、私のアイデアを取り入れてくれる企業と組みたい」と考えたのだ。そんなカッチャー氏の考えと、YOGA TABLETのような新しいコンセプトの製品を業界で初めて生み出す土壌を持つレノボのスタンスが響き合い、今回のパートナーシップが誕生した。室井氏によると、カッチャー氏の起用を決めたレノボのCMO(チーフ・マーケティング・オフィサー)であるデビッド・ローマン氏は「今後レノボのプロダクトを彼(アシュトン・カッチャー氏)と一緒に育てていく」と述べたという。

 ブランド・アンバサダーという広告塔としての役割だけでなく、プロダクトエンジニアとしての役割も担うアシュトン・カッチャー氏。すでにレノボ各国拠点のプロダクトエンジニアとディスカッションを重ねており、今後はカッチャー氏の意見も製品開発にフィードバックされていくだろう。室井氏によると、カッチャー氏とレノボとの契約も、プロモーションアイコンとしての一時的なものではなく、プロダクトエンジニアとしての長期的なものとなっているそうだ。

photoレノボ各国拠点のプロダクトエンジニアとディスカッションするカッチャー氏

2013年秋冬のレノボのマルチモードキャンペーン

 日本では2013年11月30日から12月上旬にかけて、アシュトン・カッチャー氏を起用したYOGA TABLETのテレビCMが東京・名古屋・大阪地区で放映されている。

 CMでは、YOGA TABLET 10の最大18時間というバッテリー駆動時間をチェックするように指示を受けたカッチャー氏が、レノボのプロダクトエンジニアとして、さらに俳優、起業家、投資家として忙しく“マルチモード”に活躍する中で、「ホールドモード」「スタンドモード」「チルトモード」と形が変わるYOGA TABLETの“マルチモード”な性能を使いこなしている様子を描いている。


 このほか、2013年秋冬シーズンのマーケティング戦略の一環として、2014年1月31日まで(応募受付は2014年2月15日まで)に対象製品を購入すると賞品が当たる「Lenovoマルチモードキャンペーン」を展開する。

 賞品は同じく“マルチモード”な特長を持つ、折りたたみ自転車、リストウォッチ、コーヒーメーカー、マルチツールが抽選で当たるほか、応募者全員にもれなくLenovoオリジナルパソコンクリーニングキット(マイクロファイバクロス+ウェットクリーニングティッシュ)がもらえる。

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 「Yoga 2 Pro」「Flex 20」「Flex 14」、そして「YOGA TABLET」と、続々と投入する“マルチモード”なデバイスとともに、その利用シーンをいかに分かりやすく、自然に、具体的にユーザーに伝えられるか。「マルチモード」を使って私はアレにチャレンジしてみたくなった、「PC+」ってこう使うと楽しい──ユーザーの“DO”をひらめかせる。レノボ・ジャパンの狙いはここだ。

 PC、タブレット、スマートフォンと、ユーザーの利用シーンに応じて、最適なデバイスを選んで使ってもらうという、グローバル企業であるレノボが全世界で提案する「PC+」という考え方は、俳優、起業家、投資家、プロデューサー、社会奉仕事業家と、同じく“マルチモード”に活躍するアシュトン・カッチャー氏をパートナーに迎えたことで、今後さらにイノベーティブなマルチモードな製品を生んでいくことであろう。


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ARMでウシとヒツジがネットにつながるIOTの世界

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すべてのデバイスとセンサーをネットワークにつなげるためにARMがある

 ARMは、12月5日に同社の事業展開を紹介する説明会を東京で行った。コンシューマー市場では、スマートフォンやタブレットに搭載するモバイルプロセッサのコアとして知る人も多いARMだが、この説明会では、このところIT業界でよく聞くようになってきたキーワード「Internet Of Things」(IOT)をメインテーマに、これからビジネスと生活が大きく変化し、ARMが広い分野で貢献しておくことを訴えた。なお、ARMは12月6日(受付開始9時30分)に「ARM Technology Symposium 2013 Japan」を東京コンファレンスセンター品川で行い、基調講演やテクニカルセッションなどでアームとパートナー各社の最新情報を紹介する。

 ARM グローバル&コマーシャルデベロップメント担当エグゼクティブ バイスプレジデントのアントニオ・ヴィアナ氏は、ARMを採用するモバイルデバイスが、これまでのようにただ文字を入力したりデータを送受信するだけではなく、よりパワーを必要とする高度な処理が可能になっていると述べた上で、現在、多くの市場はモバイルデバイスのコネクティビティから大きな影響を受けていると語った。

 現在、全世界でARMを搭載したスマートフォンのユーザーは10億人を超え、搭載するスマートフォンの台数は20億台を超えている。モバイルデバイスで送受信するデータ量は2018年までに12倍となり、LTE接続も10倍になるという調査会社の予測を紹介したヴィアナ氏は、この急激に成長する分野に参入する企業も多くなっており、ARMにとってチャンスだが、その一方で課題も多くなってくるとしている。

 この、モバイルデバイスのネットワーク接続が急激に増加していることは、あらゆる市場に影響を与えるというが、その典型的な例としてヴィアナ氏は車載デバイス業界を挙げている。すでに車は安全性に関連する機能や装備はかなり高度なことができるようになっており、そのおかげで事故による死亡率も下がっているという。

 その一方で、モバイルコネクティビティを考えると、情報の取得と活用、センサー情報の利用、運転の時間をより楽しめるようにする工夫などで、さらに進化する可能性が自動車業界全体を支えているという考えを示した。そこでは、周りの車両の位置や自分の車の位置をセンサーでただ検知するだけでなく、インテリジェンスシステムに接続することで、道路状況などが利用できるようになる。

kn_armiot_01.jpgkn_armiot_02.jpgなんでもかんでもインターネットにつながるIOT環境の到来で、モバイルデバイスで扱うデータ量は2018年には2012年の12倍に達するという(写真=左)。最近になってモバイルコネクティビティを訴求する車載デバイスもただ接続するだけでなく、センサーやネットワークから得たデータをいかにして役に立つ情報としてユーザーに提供できるかが重要になってくる(写真=右)

 ただ、すべてのデバイスがネットワーク接続する「IOT」の時代になると、実際にすべてのデバイスが接続したときにどのぐらいの規模になるのかを知ることで、ビジネスや生活が変わってくるとヴィアナ氏は語る。「IOTが社会に与える影響は大きく、モノが単につながるだけでなく、ビジネスと生活を変えてしまうほど衝撃的な影響を与えるだろう」(ヴィアナ氏)

 IOTを実現するためのソリューションが必要になるが、そのソリューションを提供できるのか否かが参入する企業にとってチャンスをものにする違いになるという。ヴィアナ氏は、IOTはその進化の過程で多くの業界に影響を与え、ときにはこれまでITに関係なかった新しい業界も加わっている。

 その例としてヴィアナ氏は、製造業、運送業、エネルギー供給業、そして、健康医療業を挙げた。運送業では、これまでのGPS位置情報だけを使うシンプルなトラック配送システムから、IOTで各種センサーも接続してデータを利用することで、GPSによる追跡だけでなく、積荷管理のため「温度の制御」も可能になると説明する。

 一方、IOTを実現するための課題の1つとして、ITとは関連のない人口分布の偏りを挙げ、中国で今後新たに4億人が都市部に居住すると予測しているが、その人口増加を受け入れる整備された都市が存在せず、それが運送業にとって大きな問題となると説明した。同様に、エネルギー業界では、生産するエネルギーの量だけでなく、効率化を図る必要がある。

 このような多岐にわたる問題を解決してIOTを実現するために、ヴィアナ氏は協業が重要で、そのためにARMではパートナー企業を重視して、あらゆる変化に対応するため幅広い領域をカバーしていくという考えを示した。「今後もARMは省電力に注力していく。ソリューションを提供し続けてパートナー企業の期待に応え、問題を解決していく」(ヴィアナ氏)

kn_armiot_03.jpgkn_armiot_04.jpgヴィアナ氏がIOTの導入で変わる業界として挙げる製造業と運送業とエネルギー供給業と健康医療業(写真=左)。IOTでその姿を大きく変えることができる一方で、実現のために課題も多い。その解決にARMの技術と製品が貢献すると訴える(写真=右)

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三菱電機、個人向け液晶ディスプレイ事業より撤退

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photo2013年7月に発売した「Diamondcrysta WIDE RDT273WX(BK)」

 三菱電機の液晶ディスプレイ事業が終息することが12月5日、分かった。

 「Diamondcrysta」シリーズ、「VISEO」シリーズなどを展開。個人向け製品として最近では10ビットのガンマ補正対応のマルチメディア用途向け27型ワイドIPS「Diamondcrysta WIDE RDT273WX(BK)」を発表していた。事業撤退は個人向け、法人向け(パブリックディスプレイ含む)ともに対象となるという。

 同社Diamondcrystaシリーズは、国内市場では特に人気のある国内液晶ディスプレイブランドの1つ。家電量販店のPOSデータを集計したGfK Japan調べによる直近の国内液晶ディスプレイ販売数ランキングにも「RDT235WLM」「RDT235WX(BK)」の2機種がTOP10圏内に入っている。


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