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クールにコンピュータを冷やす――最新データセンターのからくりとは

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 従来のデータセンターでは、数台の精密空調装置(CRAC)が、フリーアクセスフロアに設けられた有孔パネルから冷却空気を送り出すことにより、コンピュータルーム内の全てのラックを適温に維持している。だが、これよりも効率的な方法がある。最新の冷却手法や冷却技術を利用すれば、投資を短期間で回収し、ランニングコストも削減できる可能性がある。

熱過ぎず、冷し過ぎず

 まず、データセンターの温度設定が低すぎないかチェックする必要がある。


今から始める超入門!! iPad+iPhotoの写真管理術(前編)

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og_macdego24_001.jpgリコーの「THETA」。荻窪圭さんのレビューを読んで「どう考えても楽しいガジェットだ!」と直感し、筆者も即買いしました

 ほんの20年ほど前を思い起こせば、多くの人が「写ルンです」のようなレンズ付きフィルムを持ち出して撮影し、写真屋に持ち込んでプリントして配っていたわけだ。それが今やスマホですら十分に高画質な画像を撮れて、一瞬でネットで共有できる。デジタル一眼レフで写真を撮る楽しさに目覚めた人も数えきれないほどいるし、最近でいえば、360度を一発で撮れるリコーの「THETA」なんて革命的なカメラがガジェット好きの熱い視線を集めている。

og_macdego24_002.jpgiPad Air(5万1800円から)とiPad mini Retinaディスプレイモデル(4万1900円から)。写真を管理するなら要注目!

 しかし、そんなデジタル化が押し進められて際限なく写真を撮れるようになったがゆえ、意外と写真が死蔵されているケースも出てきてるはず。PCの前に鎮座して、失敗ショットを消したり、フォルダで分類したりする管理って、やっぱり面倒くさいですよね……。というか、筆者がそんな感じで、仕事でバカスカ写真を撮るようになってから、「Macに放り込んで一度見たら終了」みたいな感じになってしまっていたのです。

 そこで注目したのが、新しいiPadとアップルの写真管理ソフト「iPhoto」の組み合わせだ。特に画面が9.7型サイズと大きいiPad Airは写真管理にピタリとハマってくれる。すでに実践していて「いまさらじゃーん」と思われる方も多いかもしれないが、ここ1、2カ月でiPadやiPhotoなど写真を取り巻く環境がアップデートされて、ぐぐっと使い勝手がよくなった。今回から2回にわたって、iPad+iPhotoの管理術をまとめていこう!

デジタルの写真でも、iPadなら「触れる」

 iPadで写真を扱うときに何より素敵なのが、手で触れるという点だ。

og_macdego24_003.jpg写真は指で触れると本当に快適!

 道具には向き不向きがあって、例えば、文章を書いたり、表計算のマス目に数字を入れていくなら、スマートフォンやタブレットの画面でちまちま打ち込むより、PCのマウスやキーボードを使ったほうが手っ取り早い。一方で写真を扱うなら、断然タッチパネルだ。閲覧時はフリックしてページをめくる感覚で次々と見ていけるし、「この部分をちょっとだけ明るくしたい……」といった編集作業も写真をダイレクトに触って編集できる。手を使うので、子供やお年寄りでも操作がカンタンだ。

 タブレットならスマホより大画面で写真を大きく表示できるし、PCより持ち運びも楽。さらにiPadなら、9.7型のAirも、7.9型のminiも2048×1536ドットという高精細な「Retinaディスプレイ」なので、高解像度な写真でもシャッキリくっきり表示してくれる。

 アップルやサードパーティから発売されているカメラアダプタを利用すれば、デジカメやメモリーカードから写真を取り込める。例えば、旅の途中でiPadに取り込んで、整理やレタッチしたたうえでみんなに転送することも可能だ。もちろん、今までPCで管理していた写真も同期して扱える。

og_macdego24_004.jpgog_macdego24_005.jpgアップル純正なら、SDカードを読み込める「Lightning - SDカードカメラリーダー」や対応カメラを直接つなぐ「Lightning - USBカメラアダプタ」を用意。ともに3080円。iPadのみの対応で、iPhoneでは取り込めない

 その編集をより楽にしてくれるのがiPhotoだ。実はiPhoneより歴史が古く、2002年からMac版をリリースしている。iOS版は、第3世代iPad(通称、旧「新しいiPad」)と同じタイミングの2012年3月に登場。今年10月にバージョン2.0にアップデートして、使い勝手がググっと上がった。

 iPadで撮影したり取り込んだ写真は、「カメラロール」という場所に保存される。多くの人は、最初から入っている「写真」というそのものズバリなアプリを使って、閲覧や管理するわけだが、iPhotoを導入すればその効率を上げられるというわけだ。

og_macdego24_006.jpgog_macdego24_007.jpg左がiPhone、右がiPad。メニューの項目数や、プレビューのサイズなどが段違いだ。iPhoneでもiPhotoは動作するが、画面が小さすぎてまったく気分よく作業できないのでぜひiPadで使いたい

 次のページからiPhotoを使った具体的な写真管理術を紹介していこう。

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第35回 「メシマズ写真」にならぬiPhoneテクニック

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料理写真は一手間かけてから公開すべし

 何やら、iPhoneで撮影される写真の多くが料理とペットだそう。「他人が食べた料理の写真見せられても面白くもなんともないわ」という人も多いけれども、iPhone購入以来いろんな写真をアップしてきた身からすると、料理と猫と空(特に夕日)の写真に対する反応はいい。なぜなんでしょうねえ。

 食べ物やペットや空といった日常的なものの方が共感を得やすいのかもしれない。誰が何を食べてるかは全然興味なくても(というか、正直なところ、あまりない)、美味しそうな料理写真があったら食べてみたいし、どの店だろうと気になったりするものです。

 というくらいiPhoneと料理写真ってのはよくあるカップリングなんだけど、最近、残念な料理写真ってのが何度か話題になってて、要するに、当人は「おいしかったよ」といってるのに、その写真がとても美味しそうにはみえないって話。あまりに残念すぎるので「ちょっとまて、その写真をアップする前に一手間かけてあげよう」といいたくなったりするのだ。

撮ったあとで美味しそうにするコツ

 美味しそうな料理写真を撮るコツというのは確かにあるんだけど(今日から始めるデジカメ撮影術:第163回 イマドキのランチ撮影と基本とスマホの関係 )、iPhoneはあまり細かいセッティングはできないし、ランチを食べに行って「料理が美味しそうに撮れるライティングの席が空くのを待つ」とか普通はしないし(する人もいるそうです。料理を柔らかい逆光で撮るために窓際の席を狙うとか)、そもそも何分もかけてたら料理は冷めるし、ラーメンはのびるし、蕎麦はくっつく。

 料理を撮る時はとにかく手早く、手ブレとピンボケだけに気をつければよいかと思う。それこそ撮るのなら5秒くらいですませてさっさと食いたい。あと、フラッシュはオフにすること。これは大事。フラッシュが光ると光のあたりかたが不自然になって美味しくはみえないし、光らせないと撮れないような暗い店ではもう何をやっても無理なので諦めるのがよい。

 料理写真の公開なんて食べ終えてからゆっくりやればよい話でしょう。食べてみておいしかったら、公開すればよいのです。

 で、ここに先日、何の気なしに撮った写真がある。

photo外光が入る席で軽くランチを、という感じ。

 これ、あまり美味しそうに見えない。まあもともと見た目で勝負するたぐいの料理じゃないかもしれないんだけれど、こいつをもうちょっと美味しそうにしてみる。

 まずは色。お皿を見ると分かるけれど、ちょっと青白い。料理って青白いと美味しそうにみえない。だから色を調節して、少し鮮やか目にする。今回使うアプリは「iPhoto」。他のアプリでも基本的に手順は同じようなものだ。色を調整するだけでかなり食べ物がおいしそうになる。

photo少しホワイトバランスを調整し、赤みをちょっと加えて、彩度を少し上げてやる。

 色をなおしたら次は明るさ。

 料理は明るめに撮るべし。特にお皿が白いと全体に暗めに写りやすいので、明るく。背景やお皿の白が白飛びしても気にしない。むしろ飛ばそう。

photo明るさを調節。全体に明るめにしてハイライト部は容赦なく飛ばす

 必要ならトリミングしたり角度を直したりする。で、仕上げにアートフィルタでぼかしをかけてやる。メインの料理以外をぼかすのだな。こんな感じで。

photo背景をぼかす効果をかける

 で、完成したのがこちら。

photo

 分かりやすいように、元の写真と比較してみた。

photo左が元の写真、右がiPhotoで処理した写真。この差はでかい

 撮った写真をその場で補正するというとめんどくさそうだけど、料理に限っていえば単純である。色をいじって明るさをいじって、角度を直したりトリミングしたりするだけでずいぶん変わる。

 色と明るさは特に大事。

 SNSにアップされた「高いけど不味そうにみえる」ディナーの典型的なパターンがある。暗くて色がくすんでるのだ。往々にして、その手の店は照明が暗くて白熱灯系の電球を多用するため、きれいに撮るのが難しいのである。特に夜ともなると、白い皿は少しくすんだ灰色になり、鮮やかな色の肉はどよんとした鈍い色に写っちゃう。おそろしや。

 高級店ではないけど、まあ夜のそれなりに店内の装いに凝ったとこだとこんな風に写る。

photoおいしい肉だったんだけど、おいしそうな色にはみえません

 でも、色と明るさをちょっといじってやるだけでこうなる。もともと室内が暗いので限界はあるけれども、やったことといえば、色を少し赤めにして彩度を上げ、明るさを調節して全体に明るくしただけだ。1分もかかってない。

photoちょっと肉らしくなったかと思う

 同じようなパターンでもうひとつ。

photo左が元の写真、右が明るさ(露出)と色をいじった写真。

 つまるところ、わずかな手間でこれだけ差が出るのだから、残念な料理写真といわれないためにも、覚えておくべし。そもそも、自分がおいしいと思って食べた料理は他の人に美味しそうと思って欲しいじゃない、自分がおいしいと感じた料理はおいしそうな写真で残したいじゃない。そういうことですよ。

料理専用SNS「miil」

 自分で作ったりお店で食べた料理をネットに公開する人があまりに多いせいか、とうとう料理写真専用SNSまで登場。いくつかあるけれども、わたしが使っているのは「miil」(ミイル)というサービスとアプリ。

 まあ、Instagramの料理専用版みたいな感じで、料理写真をお店の名前や情報、コメントとともにアップすると、フォロワーさんたちが見てくれて、気に入ったら「いいね」ではなく「食べたい!」をタップしてくれる。

 このアプリが面白いのは、撮った写真をおいしく見えるように補正してからアップできること。さっき書いたように、ちょっと明るくして少し赤みを加えて美味しそうに見えるよう効果をかけてくれるのだ。

photo写真を選んだら「効果」画面になる。いくつかあるけどPiPict、RedHot、Bokehのどれかから選ぶのがお勧め。で明るさや色合いの微調整もできる。
photo左が元の写真。右がmiilで加工した写真。bokeh効果を使ってみた。色が全然違うのがわかるかと思う

 で、コメントを書いて、お店やジャンルなどを書いて投稿。

photoお店/場所は撮影した位置情報を元に(だから位置情報をオンにして撮影すること)、近くの店をリストアップしてくれるのでそこから選べる。レシピは自作料理用。そしてコメントを付けてアップ
photo投稿した写真はこんな風に表示される。このシュークリームには「食べたい!」が7つつきました

 miilが面白いのは写真からそのお店の情報を見たり、そのお店で他の人が撮った写真も見られること。「近所」をタップすれば「この辺でおいしいお店はないかな」と思ったとき探すこともできる。

 食べ歩きが好きな人はぜひ。

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Apple、Twitter検索・分析のTopsyを買収 2億ドル超

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 米Appleは、Twitter検索・分析サービスを運営する米Topsyを買収したことを明らかにした。米Wall Street Journalによると、買収額は2億ドル以上。ロイター通信は、ソーシャルメディアにはあまり踏み込まないAppleによる異例の買収と報じている。

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 Topsyは米Twitterと「Firehose」契約を結び、全ツイートを利用した検索・分析が可能なサービスを運営している。ロイター通信によると、AppleはTopsyの買収は認めたものの、買収目的については明らかにしなかった。

 Wall Street Journalは、Topsyのソーシャルメディア分析技術がiTunesユーザーへの音楽や映像などのリコメンドに役立つだろうというアナリストの見方を紹介している。またTwitterでリアルタイムに投稿されるさまざまな意見をサービス改善に活用したり、音声認識エージェント「Siri」の検索能力を強化するといった使い道もありうると推測している。

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月額490円で聴き放題 スマホ向け音楽・エンタメ配信サービス「USEN 550ch×HMV」開始

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 USENとローソンHMVエンタテイメント(LHE)は12月3日、月額490円で聴き放題のスマートフォン向け定額音楽・エンタメ配信サービス「USEN 550ch×HMV」をスタートする。

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 音楽やトーク・バラエティ、語学などラジオのように多数のチャンネルを提供する。550以上のチャンネルが聴き放題となる。楽曲は「HMV ONLINE」とリンクしており、気に入った音楽のCDをすぐに購入可能。

 同サービスはAndroid、iPhone向けの専用アプリから利用できる。対応OSはAndroid 4.0以上、iOS 6.0以上。

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キヤノン、AF速度が2倍以上に高速化 Wi-Fiも搭載した「EOS M2」

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 キヤノンは12月3日、ミラーレスカメラの新製品「EOS M2」を12月中旬より販売開始すると発表した。ボディのみ、標準ズームレンズ「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」とのレンズキット、加えて「EF-M22mm F2 STM」を組み合わせたダブルレンズキット、広角ズーム「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM」も組み合わせたトリプルレンズキットが用意され、いずれも価格はオープン。

photophoto「EOS M2」 カラーはブラックとホワイトの2色

 各レンズキットにはストロボ「スピードライト90EX」が含まれるほか、ダブルレンズキットとトリプルレンズキットにはEFマウントアダプター「EF-EOS M」も含まれる。販売形態および同梱物、同社直販サイト価格は以下の通り。

製品同社オンラインショップ価格同梱レンズ同梱アクセサリ
トリプルレンズキット13万4800円「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」「EF-M22mm F2 STM」「EF-M11-22mm F4-5.6 IS STM」「スピードライト90EX」「EF-EOS M」
ダブルレンズキット10万4800円「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」「EF-M22mm F2 STM」「スピードライト90EX」「EF-EOS M」
18-55 レンズキット8万4800円「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」「スピードライト90EX」
ボディのみ6万4800円————

 2012年9月に発売された同社初のミラーレスカメラ「EOS M」(レビューまとめはこちら)の後継製品。外観の差異には乏しいがほとんどの部品が新造され、Wi-Fiを新搭載しながらも約104.9(幅)×65.2(高さ)×31.6(奥行き)ミリ、約238グラム(本体のみ)と小型軽量化も果たした。

 AFは「EOS M」と同様にコントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドCMOS AF」だが「ハイブリッド CMOS AF II」へと強化され、像面位相差AFのエリアが縦横ともに約80%(撮像面全体を100とする)まで拡大し、その速度も初代から「約2.3倍」(同社)の速さまで高速化された。タッチシャッター利用時には、撮影後のブラックアウトなしで利用できる。

photophoto
photophoto

 搭載する撮像素子は位相差AF用センサーを搭載したAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素のCMOSセンサーで、画像処理エンジンには「DiGiC 5」を組み合わせている。連写も最高約4.6コマ/秒(EOS Mは約4.3コマ/秒)と強化され、また、サーボAF使用時にはピントが合うとAF枠が青に変更されるため、利便性も向上している。

 外観の違いは少ないが、撮影モードダイヤルはEOS Mの3ポジション(「シーンインテリジェントオート」「静止画」「動画」)から、「シーンインテリジェントオート」「簡単撮影モード」「応用撮影モード」「動画」の4ポジションに変更された。簡単撮影モードでは「クリエイティブオート」や「ポートレート」などのシーンモード、応用撮影モードではP/A/S/Mの各撮影モードを利用できる。

 動画撮影機能「EOS MOVIE」では新たにジオラマ風撮影の機能が追加されたほか、デジタルズーム(3〜10倍)も利用できる。ステレオマイクの位置は本体上面からボディ前面に変更されており、よりクリアな録音を可能としている。

 搭載するWi-Fiと提供されているアプリ「EOS Remote」を利用すれば、スマートフォンからのリモート撮影やスマートフォンへの画像転送などを行える。そのほかにもプリンタへのワイヤレスデータ送信やカメラ間でのデータ交換、テレビ(DLNA対応機種に限る)への出力などにも対応する。

 撮影機能は今春モデル「EOS Kiss X7」とほぼ同様となっており、1枚のシャッターでエフェクトあり/なしの2枚を同時撮影できる「エフェクトショット」やスライダー操作で直感的に背景をぼかすことができる「背景ぼかし」、PC内でのトリミング機能などが利用できる。

 そのほかの特徴はEOS Mをほぼ継承しており、背面液晶は3型ワイド/104万画素のタッチパネル液晶で、ピンチイン/アウトによる操作が行える。EFマウントアダプター「EF-EOS M」を組み合わせればEFマウントレンズをAF連動させて利用することもできる。アクセサリーシューも既存EOSシリーズと共通しており、外部ストロボなど豊富に用意されているアクセサリが利用可能だ。

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イー・アクセスがウィルコムを吸収合併、2014年4月に新会社

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 ソフトバンク傘下のイー・アクセスとウィルコムは12月3日、両社の合併を発表した。イー・アクセスが存続会社としてウィルコムを吸収合併し、新会社として2014年4月にスタートする。

 新会社はイー・アクセスの無線通信事業と固定通信事業、ウィルコムのPHS事業を引き継ぎ、市場拡大が見込まれるスマートフォン市場に注力する。9月末時点の契約者数はイー・アクセスが約440万人件、ウィルコムが約570万件で、合併後のユーザー規模は約1000万件になる。

 社名やブランド名の存続については未定で、“イー・アクセス”や“イー・モバイル”、“ウィルコム”といった名前が消える可能性もある。新会社の社長には現イー・アクセス代表取締役社長のエリック・ガン氏が、また副社長には現ウィルコム執行役員で営業統括マーケティング本部長の寺尾洋幸氏が就任する予定。そのほかの経営体制についても未定となっている。

 ウィルコムは2010年2月に会社更生法の適用を申請して事実上の経営破綻に陥り、同年8月にソフトバンクの支援を受けて再建を開始。ソフトバンクがウィルコムの全株式を取得した後、2013年7月の再建完了後に完全子会社に移行した。

 またイー・アクセスは、2012年10月に株式交換でソフトバンクの完全子会社になると同時に、ソフトバンクモバイルとの業務提携を発表。その後、ソフトバンクがイー・アクセス株を他社に譲渡するなどして持分法適用会社となっていた。

 2社は2013年1月からキャリアショップの「イー・モバイルショップ」「ウィルコムプラザ」で相互の製品・サービスの販売を行なっており、経営資源のさらなる活用を目指して合併する。両社は12月3日、合併に関する基本合意書を締結。今後は2014年1月をめどに合併契約を結び、2月に行なわれる両社の臨時株主総会を経て2014年4月に正式に合併する予定。

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徹底したこだわりの表現を可能に ジャストが「一太郎2014 徹」発表

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 ジャストシステムは12月3日、2014年2月7日に発売予定の日本語ワープロソフト「一太郎」、日本語入力システム「ATOK」の最新バージョンを発表した。

ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏

 長い歴史を持つ日本語ワープロソフト「一太郎」は、2011年のバージョンからそのバージョンを象徴する漢字が一文字添えられるようになった。2011年は「創」、2012年は「承」、2013年は「玄」。そして一太郎2014に添えられた文字は「徹」だ。

 同社代表取締役社長の福良伴昭氏は冒頭、同社の利益は過去最高で推移していると紹介。一太郎は、一太郎2009時代と比べ、一太郎 2013 玄で売り上げ比120%に成長、ATOKも有償ATOKの出荷/ダウンロード本数は2011年から2012年で約4倍となるなど、同社の業績が好調であることを紹介した。

一太郎はIVS対応

 ジャストシステム コンシューマ事業部企画部の大野統己氏は、“徹”を冠した意図を「こだわりを持ち、作品の細部まで完成を研ぎ澄ませて作り上げる一徹な職人のように、文字としての適切さや体裁まで徹底したこだわりの表現を可能にする日本語ワープロソフト」と説明。文字・漢字表現、スタイルなど「一太郎が本来持つ機能をブラッシュアップした」という。

 一太郎2014 徹の具体的な強化ポイントとしては、IVS(Ideographic Variation Selector)対応が大きな特徴。異体字セレクタなどとも呼ばれるIVSは、異体字を含めた文字の字形をより詳細に指定するための機能。IVS対応に加え、それに対応したフォントがあれば、従来なら外字扱いなどになっていたものも入力・表示できる。人名や地名などで今なお多く使われている異体字を簡略化せず正確に表現できるようにするものだ。同社の法人向け製品「一太郎Pro」での対応に続くものとなる。

tnfigjust3.jpg異体字も自由自在に

 一太郎 2014ではHanyo-Denshiコレクションに準拠してIVSを実装したIPAmj明朝フォントを標準搭載。これにより、前バージョンで約1万3000の文字種だったものが約5万8000文字まで拡大。IVS対応を果たしているアプリケーションであれば字形を維持したままコピー&ペーストなども可能で、ATOK 2014からIVS対応アプリ(例えばWord 2013)に異体字を入力することもできる。

 スタイルの強化では、レポート、文庫本、会報など約380点のスタイルを収録し、美しいレイアウトを適用できるようになったほか、約350点のサンプルから罫線表を簡単に作成できるようになった。

tnfigjust2.jpgスタイルの指定もさまざまなバリエーションが用意されている

電子書籍関連の機能も強化

 電子書籍関連では、新たに章見出しを中扉としたり、奥付をページ末尾に簡単にレイアウトできるようにしたほか、固定レイアウトのEPUBでも目次の設定に対応。個人電子出版の現場の声を生かした強化を図ったとしており、例えば特定の入稿仕様に合わせるためにEPUBとは別に表紙を画像として出力できたり、mobi形式の保存時にEPUBファイルも出力できるようになった。

 一太郎2014 徹の価格は2万円。このほか、上位版として「字游工房フォント 10書体」、統合グラフィックソフト「花子2014」、「Shuriken 2014」「詠太4」を収録した「一太郎2014 徹 プレミアム」(2万5000円)と、フォトレタッチソフト「Zoner Photo Studio 15 HOME J」、「一太郎マウス型スキャナ」(キングジム製)を同梱した最上位版「一太郎2014 徹 スーパープレミアム」(3万3000円)も併せて発売する。

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スマホ向け月額490円の音楽配信「スマホでUSEN」 最新J-POPから「羊の数」まで500チャンネル以上

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 USENは12月3日、ストリーミングラジオ形式のスマートフォン向け定額音楽配信サービス「スマホでUSEN」(iOS/Android)をスタートした。月額490円で、最新J-POPや懐かしの洋楽、外国語学習、ランニング向けBGMなど同社の業務用BGMサービスを生かした500チャンネル以上・数十万曲が聴き放題になる。

photo好きなチャンネルを選んでストリーミングラジオ形式で視聴

 同社が50年以上にわたって提供してきた全国60万店舗以上に導入されている業務用BGMサービスを生かし、スマートフォン向けアプリを通じてストリーミングラジオ形式で楽曲を配信。最大の特徴はチャンネルの多さで、開始当初から575チャンネルを展開する。「最新J-POP」「1960's HITS(洋楽)」「J-POPジャズカバー」「ヒーリング・クラシック」などジャンル別に気分や好みで選ぶことができる上、「ジャズ」というカテゴリ内でも「スウィング」「クロス・オーヴァー」「フュージョン」などさらに細かく分かれている。

 音楽ジャンル以外にも、ECC外語学院が提供する「外国語講座」やアイドルやタレントによる「トークバラエティチャンネル」、同じようなテンポの明るく走りやすい曲をそろえた「ランナー向けBGM」、眠れない夜にぴったりとUSENでも人気という、羊を1匹ずつ数え上げる音声が続く「羊の数」など幅広くラインナップする。アーティストに特化したチャンネルも強化し、来年中に1000チャンネル突破を目指す。

photo「Pick up」でオススメのジャンルやアーティストを紹介
photoこれから再生される曲が確認できる。お気に入り登録や楽曲購入もワンタップ
photo多彩なチャンネルがズラリ

 宇野康秀会長は、「既存事業で培ってきたノウハウを生かし、今旬の音楽からニッチなジャンルのオススメ曲まで、各チャンネルごとにディレクターが厳選した楽曲を曲順にもこだわって配信していく。一番身近なツールであるスマートフォンで新たな音楽との出会いを楽しみながら、生活のあらゆる場面で音楽に触れる時間を増やしてほしい」と話す。

 また、同サービスの販売パートナーとしてローソンHMVエンタテインメントとの業務提携も開始。アプリ内から「HMVオンライン」のCD販売ページや「ローチケ.com」のライブチケット購入ページに誘導し、相互利用を促進する。全国のローソンやHMVの店舗での販促、会員向けマーケティングなどでも協力する。

 3年後までに100万ユーザー獲得が目標。「サブスクリプションモデルは通信インフラの整備と共に今後も拡大が予想される分野。チャンネル形式で配信することで新しい楽曲との出会いを促進し、CD購入やライブの参加につなげ、音楽業界全体を活性化したい」(宇野会長)

photoUSENの宇野康秀会長、自身のトーク番組を持つ国生さゆりさん、「JiLL-Decoy」のボーカル・chihiRoさん、ローソンHMVエンタテイメントの坂本健社長(左から)

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2013年冬のノートPCとタブレットはどう選ぶ?――実際に買った新製品はコレ

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 年末商戦たけなわの今、PC USER編集部から「いつもと趣向を変えて、バイヤーガイドでも……」とお題をいただき、今年取材などで触れてきたさまざまな製品を紹介していこうと思ったのだが、しかし、それではあまりに膨大な数になりすぎる。

 そもそも、「なぜAという製品は好みで、Bという製品ではダメなの?」という話になりがちだ。そこで今回は少しアプローチを変えて、各製品ジャンルごとの状況を整理し、筆者ならこういう選択基準で選ぶといった、「製品選びの考え方」について話を進めたい。

 製品名にも触れることは触れるが、製品を自分で選ぶためのヒント、参考といった捉え方で読み進めていただけると幸いだ。

Windows PC、選び方のポイントはタッチパネルと解像度

 仕事柄、道具として常に携帯するモバイルPCを利用しているため、どうしてもそちらに気持ちが向かう。というよりも、普及価格帯クラスのPCは、デザインやスペック、それに価格を見ながら「好きなものを買って下さい」という状況だと感じている。メーカーごとの個性が出てくるのは、作り手の目的意識がハッキリしている製品ジャンルだろう。ということで、まずはモバイルPCから話を始めよう。

ki_kira01.jpg東芝の「dynabook KIRA V832」。WindowsモバイルノートPCでRetinaディスプレイ級の高精細表示をいち早く実現した

 この半年、最も外に持ち出していたのは、実は東芝の「dynabook KIRA V832」だった。ちょっとオーバースペックという意見もあるかもしれないが、コイツが搭載するディスプレイは本当に美しい。筆者の場合、自宅や出張先ではアップルの「15インチMacBook Pro Retinaディスプレイモデル」を利用し、出先では用途に応じてPCを使い分けている。

 「そんな、モバイル向けにはもっと軽いものじゃなきゃ」というかもしれないが、dynabook KIRA V832は15インチMacBook Pro Retinaが搭載する液晶ディスプレイと画素ピッチがほぼ同じだ(厳密にはKIRA V832が約221ppiと1ppiだけ高精細)。dynabook KIRA V832にMacTypeをインストールすると、さらに美しい文字で原稿を書けるため、コレが癖になってやめられなかったのである。そのためなら、多少大きなバッテリーを搭載することで重くなっても文句は言わない、というぐらいに。

 とはいえ、発売当初のdynabook KIRA V832には弱点が3つあった。1つは縦方向のキーピッチがやや詰まったキーボード(これはビジネスモバイルPCで採用例が多いパナソニックの「Let's note」シリーズなども同じなので、本機だけの問題ではない)、もう1つは最新の第4世代Coreプロセッサー(開発コード名:Haswell)ではないこと。最後にプリインストールOSがWindows 8で発売されたことだ。

 Windows 8は、dynabook KIRA V832が搭載したような高画素ピッチのディスプレイに対応し切れておらず、標準でインストールされるマイクロソフト謹製のアプリケーションですら、適切なサイズで文字を表示できなかった。Windows 8.1では、この点がかなり改善されている。

 まだ未発売の最新モデルである「dynabook KIRA V834」は、Windows 8.1をプリインストールしたことに加えて、CPUが第4世代Coreに進化し、HDMI出力が4Kに対応、高精細液晶パネルの継続によりバッテリーの面では不利にもかかわらず、駆動時間が約9.5時間から約14時間へと延びた。ということで、前モデルを使ってきた筆者も、最新モデルのdynabook KIRA V834はオススメだ。

 ただし、「14時間なんてバッテリー駆動時間のスペックはいらないよ……」という方もいるだろう。このシリーズは第3世代Coreプロセッサー(開発コード名:Ivy Bridge)用に企画されたもので、高精細ディスプレイとの組み合わせで大容量バッテリーの搭載を前提に設計されたためである。その副作用として、最新のCPUコア、最新の液晶パネルと組み合わせたときに長時間駆動が標準のモデルとなったわけだ。

si_nech-06.jpg2560×1440ドット表示のIGZO液晶パネルを搭載し、重量を約795グラムに抑えたNEC「LaVie Z(LZ550/NS)」。女性が2本指でつまんで持ててしまうほどの軽さだ

 もちろん、これはこれで大きな長所でもあるが、使い方によっては「省電力化されたぶん、軽量化に割り振った設計のPCが欲しい」という読者もいるはず。そこに加え、“Windows 8.1”という最新Windowsになったことで高解像度を使いこなせるようになったポイントも加えて考慮するなら、NECの新型「LaVie Z」に注目だろう。

 いくつかのバリーションが存在するが、シャープのIGZO液晶パネルを使った約795グラムの超高解像度ディスプレイを搭載する「LZ750/NS」は、軽さ、キーボードの操作性、ディスプレイの精細度などの面で圧倒的な立ち位置にある。Windows 8.1でデスクトップ画面からの起動もサポートされるなど、従来の“純クラムシェル型PC”での使いやすさが増していることも、この製品の価値を高めていると思う。

 しかし、Windows 8.1の特徴を生かしたモバイル系のノートPCという意味で、いま1番注目しているのはソニーの「VAIO Fit 13A」だ。上記のようにWindows 8.1はクラムシェル型のノートPCが使いやすくなったが、一方でタッチパネルに関しても使いたいときには使いたいもの。VAIO Fit 13Aのよさは、従来のユーザーが普通のノートPCとして使えるスタンダードな使い勝手を提供したうえで、タブレットとしての使いやすさも兼ね備えているからだ。

tm_1310fit13a_01.jpgソニーの「VAIO Tap 13A」。一見、普通のクラムシェル型ノートだが、天面に走る1本線を軸に、液晶ディスプレイをぐるりと180度回転できる

 こうしたコンバーチブル型の筐体は、ノートPCとして使うとき、あるいはタブレットとして使うとき、いずれかに何らかのエクスキューズがあったり、あるいは重量面で大きなペナルティがあるものだが、VAIO Fit 13Aにはそうした問題が少ない。また、タッチパネルだけでなく、筆圧対応のペン入力が行える点も見逃せない。

 VAIOにはトップエッジの製品が2つある。1つは軽量・薄型に特化した「VAIO Pro」シリーズ。もう1つはキーボードとタブレット、2つの利用形態に対応するコンバーチブル機構を、メカ設計の工夫と作り込みで実現している「VAIO Duo」シリーズだ。

 それらに比べ、VAIO Fit 13Aはよりスタンダードな作りや素材の選び方をしており、価格的にも(昨今の円安のため値頃感を感じないかもしれないが)手頃にまとめている。

 この製品に限らず、Windows 8がリリースされて1年、Windows 8.1も登場し、新しいWindowsの特徴をどう引き出そうとしているのか? という視点で製品を眺めてみるといいと思う。

tm_1310fit13a_25.jpgtm_1310fit13a_22.jpgtm_1310fit13a_23.jpgVAIO Tap 13Aの変形機構。天板が2つに折れ曲がって、液晶ディスプレイ部だけが180度回転する(写真=左)。画面を反転させると、対面する相手に表示を見せたり、映像コンテンツを視聴したりするのに適した「ビューモード」に切り替わる(写真=中央)。ビューモードの状態で画面を倒せば、タブレットのようなスタイルでタッチ操作や写真撮影、ペン入力が行える「タブレットモード」に切り替わる(写真=右)
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不正アプリは「Google Play」の中にアリ トレンドマイクロがサイバー犯罪の最新手口を解説

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 トレンドマイクロは12月3日、サイバー犯罪者の視点に立った犯罪の手口とその対策を考える「スマートフォン向け脅威動向セミナー」を開催。同社のフォワードルッキングスレットリサーチ シニアリサーチャー林憲明氏が登壇し、多様化・巧妙化するAndroidスマートフォン向け不正アプリの現状と対策を語った。

不正アプリは「Google Play」の中に有り

photoトレンドマイクロの林憲明氏

 林氏は「2010年8月に世界初のAndroid向け不正アプリが発見されて以来、犯罪手口は多様化・巧妙化し、現在ではAndroid端末の正規マーケットである「Google Play」に不正アプリが混入する例が後を絶たない」と説明する。日本の場合、その実態のほとんどが出会い系業者、サクラサイト業者で、その手法としてワンクリック詐欺が多用されているという。


photophoto「Google Play」の中にも不正アプリは横行している(写真=左)。初回審査と巡回審査を回避するため、犯罪の手口はより多様かつ巧妙になっている(写真=右)

 Googleというブランドと巨大ネット企業への信頼感や、Android端末に標準搭載されている安心感もあり、ユーザーにとってGoogle Playは身近な存在。サイバー犯罪者にとっても魅力的なマーケットだが、Google側も初回審査だけでなく巡回審査で不正アプリを検出しようと努めている。しかし、「それらの審査を巧妙にかいくぐる不正アプリが横行している現状がある」と林氏は指摘。「人力で審査するApp Storeと比べて、機械的な審査をするGoogle Playは審査が甘い」という。

“アップデート”で、無害なアプリが有害アプリに変化

 審査回避の手段として使われるのが「機能限定と時間差攻撃」だと林氏は話す。機能限定とはブラウザ機能など最小限の機能のみを持たせることで、正規アプリを装うことだ。実際の詐欺行為は誘導先のサイトで実施するため、アプリ自体に不正なソースコードは見られない。また、正規アプリのソースコードをコピー&ペーストして改変したものを大量生産したり、同一の犯罪グループが異なる開発者を装うなどの手口が見られるという。

photophoto機能限定は必要最小限の権限要求をするため、一見して詐欺アプリだと見抜くことが難しい(写真=左)。無害アプリを装い、更新機能により不正アプリ導入を促す時間差攻撃などもある(写真=右)

 時間差攻撃は、ダウンロードする際は無害なアプリでも、更新機能(アップデート)によって有害アプリに変える手法のこと。有害アプリ化すると、犯罪者側のサーバーにある不正アプリを自動でプッシュ配信するなどの挙動を見せる。機能限定に比べてアプリの生存期間が長いが、加害者側が自前でサーバーを用意する必要があるなど、参入障壁も高い。機能限定は簡単に大量生産できる一方で、目視確認で不正を検出できる傾向がある。

 林氏は、「加害者にとっては一攫千金か小さな成功か選択することになるが、どちらか一方に偏るわけではない。状況に応じた使い分けが進んでいくと予測される」と説明する。

サイバー犯罪を容易にするツールキット

 林氏は今後、不正なソースコードを分散させ、ユーザー側でその分散したパーツを組み立てさせる手法が現れるのではないか、と予測する。例えば「辞書アプリ」と「言語データ」を装い、セットで使用させるケースが当てはまるという。

 また、現状ではAndroidアプリは「(CPUが理解する)バイナリコードから(人間が理解する)ソースコードへの可逆性が高く、なりすましが容易」という傾向がある。正規アプリを無断で改変して再配布する「リパッケージ」のほか、不正アプリを誰でも簡単に利用できるツールキットの存在も挙がった。

photophotophoto専用ツールが無料で入手できるなど、不正アプリを悪用することは容易になっている現状がある(写真=左)。ツールキットの構成要素は3つ(写真=中)。ツールキットの仕組み(写真=右)

 ツールキットは正規アプリと遠隔操作アプリの結合ツールで、2つのアプリを結合する「バインダー」、犯罪者が遠隔操作を行う「操作パネル」、被害者のスマートフォンに潜伏する「遠隔操作アプリ」の3つから構成される。林氏がこのツールの実演を行ったが、アプリ起動後も、ユーザー側では不正アプリと見抜くことは難しい。アプリ側の権限要求が増えるとユーザーが異変に気付くので、あらかじめ要求の多いアプリを選ぶ犯罪者もいるという。一方で、犯罪者側ではユーザーの連絡先情報、各種保存データ、メールの内容、位置情報などを入手できるほか、音声通話の盗聴も可能となっている。このようなサイバー犯罪が可能なツールは、現在無償で入手できるという。

photophoto不正アプリをAndroidスマートフォンで起動した画面。一見して有害なアプリと見抜くのは難しい(写真=左)。遠隔操作で連絡先などのデータを盗み取られる(写真=右)

ユーザーは最新のセキュリティアプリを

 こうした現状を踏まえ、トレンドマイクロはクラウド型アプリ評価技術「Trend Micro Mobile App Reputation」をAndroid向けの「ウイルスバスター モバイル for Android」に採用している。クラウドで大量のアプリ検証を自動的に実施するほか、アプリを実際に動作させてチェックしたり、誘導先のサイトの危険度も数値化するなど、多角的に不正アプリの検出を行う。国内だけでなく全世界のマーケットからサンプルを収集するため、人気ゲームに便乗した不正アプリを見抜くことも可能だという。

photophotoトレンドマイクロが提供するクラウド型アプリ評価技術(写真=左)。全世界のマーケットを探索し、サンプルを収集している(写真=右)

 「ユーザーは、犯罪者の手口を熟知しているセキュリティベンダーを選び、最新のセキュリティアプリを導入するといい。端末のOSアップデートも怠らず、常に最新版にしておく必要もある」と林氏は話した。

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AFはどれだけ快適か 着実な進化を遂げたミラーレスEOS「EOS M2」をチェック

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 キヤノンから発表されたミラーレスカメラ「EOS M2」は既存「EOS M」に通じるボディデザインを保ちながら本体を小型化し、新たにWi-Fiを搭載。さらにはAFを高速化するなど正常進化とも呼べるモデルとなっている。新製品のβ機で、高速化したAFを中心としたファーストインプレッションをお届けする。

photo「EOS M2」(β機)

 「EOS M2」のボディデザインはあえて変えなかったというだけあって、既存のEOS Mと非常によく似ている。両製品を見比べてみると、アクセサリーシューがブラックからシルバーに変更されているのが目立つ程度だ。

photophoto正面(写真=左)、背面(写真=右)
photophoto上面の撮影モードダイヤルが3ポジションから4ポジションに変更され、ステレオマイクの位置も上部から正面に変更されている
photoEOS M(写真=左)と並べて

 しかし、撮影モードダイヤルはEOS Mの3ポジション(「シーンインテリジェントオート」「静止画」「動画」)から、「シーンインテリジェントオート」「簡単撮影モード」「応用撮影モード」「動画」の4ポジションに変更されている。また、ボディ前面および背面のサブグリップの形状が変更され、ホールド時の安定性も高くなっている。

 搭載する撮像素子は位相差AF用センサーを搭載したAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素のCMOSセンサーで、AFについてはコントラストAFと位相差AFを組み合わせた「ハイブリッドCMOS AF II」(既存EOS Mは「ハイブリッド CMOS AF」)となっているほか、像面位相差の有効エリアがセンサー全体の80%まで拡大されている。

photoプログラムオート

 さて、既存のEOS Mに比べて「約2.3倍高速」(AF高速化ファームウェアアップデート前との比較)をうたうAFだが、確かに高速だ。AF高速化ファームウェアアップデート前のEOS MのAFはお世辞にも高速とは言えず、アップデート後でやっとそれなりという印象だったが、新製品のAFは快適に利用できる速さだと言っていい。

photo絞り優先オート F5.6 水に潜るカモ カメラ内トリミング機能で縦位置に

 もちろん、使用した機材はβ機であり、組み合わせたレンズは標準ズームの「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」のみ、試用時間もそう長くはないという注釈をつけねばならないが、少なくとも「AFが遅い」とストレスを感じる局面には出会わなかった。なお、「約2.3倍」となるのはレンズに「EF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STM」、AF方式に「ライブ多点」を選択した際とのことだが、レンズにEF-M18-55mm F3.5-5.6 IS STMを装着したまま、AF方式に「顔認識+追尾優先」「ライブ1点」を選択しても大きな速度低下を感じることはなかった。

photo「くっきり鮮やかに」

 そのほかにも、撮影モードダイヤルのポジション追加を便利に感じることが多かった。既存EOS Mの撮影モードは「静止画」「動画」「シーンインテリジェントオート」の3つだけで、静止画撮影のプログラムオートや絞り優先、シャッタースピード優先などは「静止画」を選択した後にタッチパネルから操作するスタイルを採用していたが、静止画撮影については「簡単撮影モード」「応用撮影モード」の2つに分けられ、前者ではクリエイティブモードやシーンモード、後者からはP/A/S/Mの各モードを利用できる。

 つまり、新製品での静止画撮影で完全にカメラ任せにしたいときは「シーンインテリジェントオート」(既存EOS Mでは「静止画」)、「くっきり鮮やかに」などといったニュアンスを追加したり「ポートレート」などシーンモードを使いたいときは「簡単撮影モード」、絞り値やシャッタースピードを任意で設定してしたいときは「応用撮影モード」と使い分けが便利になった。こればよい変更点だと思える。

photoシーンインテリジェントオート
photo「くっきり鮮やかに」 背景ぼかし「中」
photo「しっとりと深みのある」 背景ぼかし「中」 露出補正 −2/3

 本稿にて使用した機材はβ機のために画質に関する評価は差し控えるが、撮影及び再生においての操作は軽快で、AFも含めてストレスなく利用することができた。ビューファインダーや可動式液晶、それにEOS 70Dで採用された新AFシステム「デュアルピクセルCMOS AF」の非搭載など、次世代機というには新鮮味に乏しいが、スマホカメラに物足りなさを感じ始めたステップアップ層や一眼レフに一度は離れた層を引き戻す存在としては着実な進歩を遂げていると言える。

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クラウドの“勝ち組”Amazonに浮上するベンダーロックインの懸念

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 米Amazon Web Services(以下、Amazon)は2013年11月中旬、クラウドサービス群「Amazon Web Services」(AWS)の新サービスと既存サービス強化を多数発表した。だが、AmazonがAWSの拡充を進めれば進めるほど、より多くのIT担当者が有力なライバルを探すようになっている。市場における選択肢を確保するためだ。

 Amazonの発表内容は次の通り。(1)新しいデータストリーミングサービス「Amazon Kinesis」、(2)「Amazon Relational Database Service(RDS)」でのPostgreSQLデータベースのサポート、(3)データウェアハウスサービス「Amazon Redshift」によるリージョン間でのスナップショットの自動コピー、(4)ハイパフォーマンスコンピューティング用の2つの新しいインスタンスタイプ。

 Amazonは現在、シンプルなIaaS(Infrastructure as a Service)にとどまらないさまざまなクラウドサービスを投入し、AWSのラインアップの拡大を続けている。同社が2013年11月中旬に米ラスベガスで開催したカンファレンス「AWS re:Invent」の参加者は、数多く発表されたAWSの新展開に強い関心を示した。だが、その一方で、今後、AWSと競合サービスとのギャップが広がり、自社がベンダーロックインに陥る可能性も認識していた。

第4回 ブランド戦略(前編):日本は新興国に追われる「おじさんブランド」――全ての日本企業が直面する課題「カントリーブランド」とは

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編集部より

 本連載では、東南アジアに進出する企業がマーケティングコミュニケーション戦略を立案する際に求められるノウハウを電通 マーケティングデザインセンターの小山雅史氏の取材を通じてお届けしている。今回は、1社の企業だけでは決して抗えない、「日本企業」であるがゆえに認識すべき、「日本」という国が持つブランドの現状と課題を解説する。東南アジアにおける日本のイメージは改善され、またその存在感は高まっているのだろうか——。


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マニアが熱狂するモバイルワークステーションの魅力とは?

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 最新のモバイルワークステーション(以下、モバイルWS)は、モバイル対応のフォームファクタに高度なコンピューティング機能を詰め込んでいるが、それは価格と引き換えだ。

 モバイルWSは、通常のノートPCやタブレットにはない機能が搭載されたノートPCだといえる。先ごろ、米Dellを含め、ベンダー数社がエンタープライズ向けのモバイルWSを刷新した。

 「高速なGPU、ハイエンドのCPU、大量のメモリが必要なユーザーなら、モバイルWSに投資するだろう」と語るのは、ワイヤレスおよびモバイル技術を専門とするコンサルティング会社の米Farpoint Groupのクレイグ・マサイアス社長だ。

 新しい15.6インチの「Dell Precision M3800」は、重量が1.88kgで、Windows 8.1 Proを搭載し、第4世代のIntel Core i7クアッドコアプロセッサ、NVIDIA Quadro K1100M GPU、2Gバイトのメモリを採用している。2013年11月20日に販売開始となった。

 Dellによると、携帯性を優先するとパフォーマンスを犠牲にしなければならないが、このワークステーションに関してはそのようなことはないという。


「M2M」「IoT」「クラウド」――“つながる技術”が切り開く組み込みの未来

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「ET2013」展示会場リポート

 2013年11月20〜22日の3日間、パシフィコ横浜で、組込みシステム技術協会(JASA)主催の「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展(以下、ET2013)」が開催された(併催:設計ソリューションの必須技術を紹介する「EDS Fair 2013」)。組み込み関連技術のイベントとしては、春に開催される「組込みシステム開発技術展(ESEC)」と並び、国内最大規模のものだ。

 主催者の発表によると、出展社数は403社、来場者数は2万1485人でいずれも2012年比(出展者数407社、来場者数2万2813人)では若干減っているが、各社展示ブースは盛況で最新の組み込み技術について熱心に話を聞く来場者で混み合っており、取材で目当ての展示の説明を聞くのも一苦労だった。

パシフィコ横浜2013年11月20〜22日の3日間、パシフィコ横浜において恒例の組み込み関連イベント「Embedded Technology 2013/組込み総合技術展(ET2013)」が開催された

>>「ET2013」特集

 前回のET2012では、インテルやマイクロソフトが中心となり「インテリジェントシステム」というキーワードを訴求していた(関連記事:「インテリジェントシステム」のさまざまな“カタチ”をアピールする、インテルとマイクロソフト)。今回のET2013でもこの言葉は聞かれるものの、(データを送るハードウェアという意味での)インテリジェントシステムやIoT(Internet of Things)それ自体よりも、クラウドと組み合わせたシステムやサービスなど、より具体的なアプリケーションに近い展示が見られた。その多くは、企業側からの提案であるが、実際に運用されているシステムも幾つかあった。それでは順に紹介していこう。

今後のIoT市場でもイニシアチブを狙うインテル

 例年ETで、最大規模のブースを構えるインテル。前回のET2012で“インテリジェントシステム”を前面に押し出していたが、最近、社内にIoTソリューション事業部を新設したこともあってか、ET2013では(対外的には)“IoT”をキーワードに据えていた。実質的な意味合いが変わったわけではないが、「Quark」プロセッサファミリの発表や、それを搭載したArduino互換開発ボード「Galileo」(関連記事:インテル、「Quark」搭載のArduino互換開発ボード「Galileo」発表)の登場から、同社がこの分野でさらに裾野を広げようとしている姿勢が見て取れる。

 ブース中央では、ロボットによる琴の演奏会(関連記事:インテル、ロボットによるお琴の演奏会を開催!? ワークロード集約のメリットを訴求)が行われ、多くの来場者の注目を集めていたが、その横ではもう1体の別のロボットによるデモンストレーションが披露されていた。三菱電機が製造現場向けに開発した障害発生予知システムだ。

三菱電機の障害検知デモギヤを組み立てるロボットの故障の予兆となるデータを検知して、効率的なメンテナンスを可能にする三菱電機の障害発生予知システムのデモ

 同社の「C言語コントローラ」と日本電能の「CIMSNIPER」を組み合わせて、簡単な設定だけでロボットから製造情報(PLC情報、ネットワークを流れる制御情報など)を収集し、解析サーバに送る。ここでのポイントは、ただダラダラと大量のデータを集めて送るのではなく、収集条件を絞って狙ったデータだけを集めることで、後で解析しやすくするという点にある。日本の製造現場では、「何かあったときに使えるかもしれない」とデータをとにかく大量に集めたがるのだが、データが膨大になり過ぎて解析ができず、結果として活用しないままデータが死んでしまっているケースが多い。これに対し、本システムでは「ある状況/あるときのデータ」をすぐに引っ張り出せて、解析しやすいフォーマットで取得できるため、“データを生かす(活用する)”ことができるという。

マカフィーインテルはハードウェアに加えて、傘下のマカフィー(セキュリティ)とウインドリバー(リアルタイムOS)のソフトウェアソリューションを組み合わせることで、将来ネットワーク接続機器が世界に数百億台になるという時代にも、トータルソリューションを提供できるとアピール。このデモは、インテルCPUの「vPro」テクノロジーとマカフィーのセキュリティソフトウェアを組み合わせたもので、組み込み機器を制御するPCの遠隔監視機能を披露した。制御用PCに攻撃的なパケットやウイルスなどが送られても、それらの実行を阻止。万が一、障害が発生した場合でも遠隔操作で修復できるという

「Windows Embedded」の広範な応用例を示したマイクロソフト

 マイクロソフトのブースではパートナー企業とともに、組み込み機器向けOS「Windows Embedded」ファミリーをハードウェアに組み込むことで、さまざまなシチュエーションに対応できる点をアピールしていた(関連記事:高級オーディオ機器からレーシングカーまで——Windows Embedded採用事例)。

 富士通ソフトウェアテクノロジーズは、「Windows Embedded Compact BSP for Zynq-7000」(Windows Embedded Compact 2013ベース)とARMプロセッサコアとFPGAを混載するザイリンクスのSoC「Zynq」環境を用い、画像処理はFPGA側に任せ、OSの立ち上げや圧縮画像のネットワーク配信をARMコア側で行わせるデモを披露した。CPUにやらせるには負荷が大きい画像のキャプチャー/圧縮と、ネットワークによる配信を並行動作させられることがポイント。実際の応用例としては、得られた情報をそのままネットワークに流さず、FPGAに演算/解析させたり、暗号化処理をさせたりすることを想定している。

富士通ソフトウェアテクノロジーズのデモ富士通ソフトウェアテクノロジーズのデモ。産業機器、デジタルサイネージなどでの利用を想定している
NECNECが参考出品していた「Windows XP 延命ソリューション」。Windows XPベースの組み込みOS「Windows Embedded Standard 2009」が、来春にサポート期間が終了するWindows XPよりもサポート期間が長いことを利用し、「Windows Embedded 8.1 Industry Enterprise」のゲストOSとして、Windows Embedded Standard 2009を動かすというもの。既存アプリ資産の最新Windows環境への移行が完了したら、Windows Embedded 8.1 Industry Enterpriseをそのまま「Windows 8.1」として使用するというソリューションだ。2014年2月に提供予定とのこと
東京エレクトロン デバイス東京エレクトロン デバイスが展示していた、視聴者属性測定システム「InSight/CrowdSight」。人の顔から性別/年齢層/感情を判断するシステム。デジタルサイネージシステムと組み合わせ、データをビッグデータとして処理することで価値を持たせようという狙いだ。開発はオランダのSightcorp社である
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「ポストPC時代」をにらんで多様性に対応する――ファイルメーカー・エプリング社長

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 ファイルメーカーは12月4日、カスタムデータベース作成ソフトの最新版「FileMaker 13」を発表。新バージョンの狙いについて、同社のビル・エプリング社長と米FileMakerのアンドリュー・ルケイツ氏(システムエンジニアリング・ディレクター)に聞いた。

FileMaker 13は「ポストPC時代」をにらんだ新バージョン

photoビル・エプリング社長

——昨年4月に投入したFileMaker 12では、それまで有料だったモバイル端末向けアプリケーション「FileMaker Go」を無償化した。この試みは市場にどう受け止められたか。

エプリング社長 FileMaker Goは、無償化後の最初の週にかつてないダウンロード件数を記録しました。グローバルでの累計ダウンロード数は現在までに80万件を超えています。

 モバイル端末を業務で使いたいと思っていなかった企業でも、FileMaker Goのことを知れば興味を持ってもらえるケースが多いです。FileMakerシリーズが新規ユーザーを獲得する上で、FileMaker Goはいまや重要な要素の1つになっていますね。

——「FileMaker 13」で強化したポイントは。

photoアンドリュー・ルケイツ氏(米FileMaker システムエンジニアリング・ディレクター)

ルケイツ氏 新しいデザインエンジンを搭載し、モバイル端末上でより使い勝手のよいカスタムデータベースを構築できるようになりました。また、開発者向けにさまざまなスクリプトやプログラムをまとめて提供し、従来以上に多機能なカスタムデータベースを作成できるようにしたのもポイントです。

 さらに今回は新機能として、カスタムデータベースをWebブラウザ上で利用できる「WebDirect」機能を追加しました。

——WebDirect機能では、FileMakerの専用アプリケーション経由ではなくWebブラウザ上でカスタムデータベースを利用できる。この狙いは。

エプリング社長 新バージョンの前提にあるのは「ポストPC時代」の到来です。PCの出荷数が減り続ける一方、モバイル端末の出荷数は爆発的に増えています。PCとモバイル端末は完全に入れ替わるものではありませんが、ポストPC時代は確実に現実化しつつあると言えるでしょう。

 そうした中、FileMakerは1つ1つの企業ニーズに合わせて一層カスタマイズされたビジネスソリューションになることを目指しています。具体的には、ユーザーが現在使っているデスクトップ版のアプリケーションと同じようにリッチな環境をFileMaker上でも再現したい。Webダイレクト機能は、カスタムデータベースを専用アプリケーションから解放することで、より柔軟性の高い使い方を支援するものです。

——カスタムデータベースをWebブラウザ上で利用できるということは、例えば(FileMakerの専用アプリが対応していない)Android上でも使えるようになるということか。

エプリング社長 WebDirect機能は今回「バージョン1」として提供するので、モバイル端末向けにはまだまだ最適化されていません。

 ただし今後はOSが何であれ、ユーザーのWebブラウザ環境に適した形で利用できるようにWebDirect機能を改善していく予定です。特定の利用方法に合わせるわけではありませんが、ユーザーにとってよりよい方向に進化させていきたいと考えています。

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スマホ二刀流で電話代を節約する方法

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ビジネスパーソン

 LTEスマホを使い始めてから、月額料金が高くなった——。こんな声が後を絶たない。フィーチャーフォン(従来型携帯電話)に比べてスマホの月額利用料は高く、無料通話分がない。うっかり長電話をすると、驚くような請求が来てしまうこともある。「どうにか節約できないものか」と考えている人も多いことだろう。

 こうした中、注目を集めているのが「格安SIM」を使った安価な携帯電話サービスだ。月額1000円以下のサービスなど“安さ”が脚光を浴びているが、安いのには理由がある。低速のサービスだったり、高速ながらも1日に使えるデータ容量が限られていたりと、何らかの制限付きで安くなっているのだ。

 しかし、がっかりするのは早計だ。テキストベースのWebやメール、スケジュールのチェックが主な用途のビジネスパーソンなら低速でも十分かもしれないし、たまにしか高速パケット通信が必要ないのであれば、必要に応じて高速通信をオプション購入できるような格安SIMサービスを選べば月額料金を節約できる。また、メインのスマホとは別に、仕事用のスマホを持ちたいというニーズにも適している。

 この新連載では、“制限付きながら安い”ことがウリの格安SIMについてビジネスシーンを想定した長期テストを16回に渡って実施。格安SIMでWebやメール、050番号の通話、SNS、マップ、クラウドストレージなどをストレスなく使えるのかどうかを検証する。通信コストを本気で抑えたい、そして「格安SIMで仕事を効率的に」と考えているビジネスパーソンは必見だ。

格安SIMって何?

 NTTドコモやKDDI、ソフトバンクモバイルといったおなじみの携帯電話会社が提供するのではなく、携帯電話会社からモバイル回線を借り受けた企業が提供する安価な携帯電話サービス。大手携帯電話会社のサービスとの差別化を図るため、安価で提供しているサービスが多いが、速度や通信容量を制限することで安くしているケースが多い。

 多くのサービスがNTTドコモのモバイルネットワークを借り受けてサービスを提供していることから、格安SIMを使う際にはドコモの中古のスマホを端末として利用できる。ほかにも、SIMロックがかかっていないiPhoneやNexus 5といったSIMフリー※端末を利用可能だ。

※SIMフリー、SIMロックフリー、unlockedなどという表記があるが本連載ではSIMフリーで統一する。

格安SIMのビジネススマホ二刀流をオススメする理由

格安SIM本連載で検証に使うU-NEXTの格安SIM「U-mobile*d」。U-mobileはドコモのXi(LTE)のネットワークを借りているので、手元に届くSIMカードはドコモのもの。台紙には設定方法が記載されている

 「『格安SIM』とは何か?」という詳細な話は後回しにして、ビジネスパーソンが格安SIMを導入すると何ができそうなのかを考えてみよう。

 まず何より、月額利用料金を大幅に安くできる。一般的にスマホの月額利用料金は、パケット定額プランなどを合わせて6000円以上するのはご存じのとおり。ところが格安SIMを使えば月額1000円以下は当たり前、中には月500円以下というサービスもある。

 では、メイン端末を格安SIMに切り替えてしまえばいいのか? と考えるとちょっとためらいがある。確かに節約効果は高いが、多くの格安SIMは「通信専用」だ。通話が一切不要というビジネスパーソンはいないだろう。

 ゆえにオススメしたいのは、既存のスマホは通話用、あるいはプライベート用として残して、格安SIMでの「ビジネス専用スマホ」(データ通信しかできなくてもIP電話は使える)との2台持ちで総コストを下げる方法だ。

 2台を使い分けることで新たなメリットも生まれる。1台では着信履歴やアドレス帳、メールがビジネスとプライベートで混ざった状態になってしまう。また、メモやToDoリスト、スケジューラーの予定もどうしてもごちゃごちゃしてくる。それを解決するための「整理術」を習得するのもいいが、2台持ちなら簡単に解決できる。

 ただしビジネスで使う以上、万全を期す必要がある。客先に電話しようとしたら通話できなかった、調べものをしようとしたらネットにつながらなくなった、書類を閲覧しようとしたらアプリが使えなかった……こんなことがあっても「格安SIMだから」なんていう言い訳は通じない。

 また、仕事でバリバリ使っていたら「通信料金が結局高くついた」「使い過ぎて通信速度がずっと低速……」なんてことも避けたい。めいっぱい使っても格安SIMは、安くて快適なのか。どう使えば快適なまま使い続けられるのか。そのあたりをこれから毎週チェックして検証していく。

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Windows 8.1+「SkyDrive」を使いこなす──「オフライン機能」編

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SkyDrive上のファイルをオフラインでも利用する方法

photoローカルフォルダ/ファイルを操作するおなじみのWindowsエクスプローラへ自然に統合された、オンラインストレージのSkyDrive。SkyDriveフォルダに対し「オフラインで使用する」にチェックを入れるとオフライン操作対応になる

 SkyDriveのオフライン機能も便利なまたWindows 8.1の新機能の1つだ。機能の詳細は以前紹介したが、今回は使いこなし方を実践していこう。

 設定方法は簡単。デスクトップUIのWindowsエクスプローラからSkyDriveフォルダを参照し、オフラインで使いたいSkyDriveフォルダ上で、右クリックメニュー(タッチ長押し)→「オフラインで使用する」の項目にチェックを入れるのみである。

 設定するとそのフォルダの内容がローカルストレージへとコピーされ、PCがオフライン状態(インターネットに接続していない状態)であってもこのフォルダの中身を参照したり、編集することが可能になる。

 編集した内容は、次回、PCがオンラインになればSkyDriveの同じフォルダと自動で同期される。SkyDrive上のフォルダがオフライン操作可能か否かは、詳細メニューの中に「利用可能」という項目が出現するので、これで確認できる。

photophoto「オフラインで使用する」にチェックを入れると、SkyDriveからローカルにファイルがコピーされ、以降は同期される。オフライン時に編集した内容は、次回のオンライン時に自動同期してくれる。オフライン対応としたフォルダがどれかは、“利用可能”の項目より確認できる
photo航空機内にて、フライトモード設定時に使用してもみた。もちろんPCはオフライン状態だが、SkyDriveの共有フォルダにアクセスできており、ファイルももちろん開ける。いわゆる仕組みはローカルに保存/同期されているだけだが、SkyDriveフォルダという1つのUIに統合され、あたかも──と見える動きなのがポイントだろう

 ただ、すべてのSkyDriveフォルダを「オフライン設定」にするのは少しムダがあるだろう。すべてのデバイスのストレージ容量に余裕があればそれも構わないが、ストレージ容量が乏しいことがあるタブレットで──となると、共有フォルダだけで空き容量を使い果たしてしまう恐れがある。

 というわけでオフライン機能については、オフライン設定をした「作業用フォルダ」を1つ設けて運用するとよい。ここを各々のデバイスの共通した「作業用データ保管場所」にすることで、デバイスを変えても最新状態のファイルを参照でき、インターネットに接続できない場所でも作業できるというわけだ。

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「日本人は起業家を珍しがるが……」 3Dプリンタが生み出す、日本の起業家精神

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REUTERS

 浅見純一郎氏(38)は安定した仕事を捨て、3Dプリンタのビジネス活用を目指す日本人起業家の仲間入りを果たしたが、安倍晋三首相はまさにこうした開拓者魂こそが「日本の疲弊した経済を立て直す力になる」と期待している。

 ただし、こうした起業家が日本製品の新たな時代の基礎を築けるかどうかは恐らく、安倍首相が「リスクを嫌い、現状維持を好む日本企業文化の壁を打ち破れるか否か」にかかっている。

 かつてデロイトトーマツコンサルティングで経営コンサルタントを務めていた浅見氏は、3Dプリンタビジネスの明るい前途を確信し、「3Dプリンタは市場を一変させる技術になる可能性がある」と考えている。3Dプリンタがあれば、個人や企業は製造業者に頼らずとも、自分の思い通りの部品や商品を製造できるようになるからだ。

 「3Dプリンタに適応するために、企業はビジネスモデルや生産システムを丸ごと変えなければならなくなるだろう」。浅見氏は起業家向けのセミナーで、そう語る。

 これまでの歴史からすると、浅見氏と安倍首相に課せられた課題は容易ではない。第2次世界大戦後、日本には数多くの企業が誕生し、その幾つかが電機大手ソニーのような大企業へと成長していった。たが、リスクや失敗を恐れる風潮が徐々に広まり、それ以降、日本はテクノロジーの分野で世界的な大企業を生み出せずにいる。

 ここ20年間の景気低迷に終止符を打つための大胆な政策を掲げて約1年前に発足した安倍政権は、技術革新を推進し、日本を「企業が活躍しやすい国」にすることを目指している。だが安倍首相が現在取り組んでいるのは、主に旧来型の大企業を中心に確立されている政治経済システムの改革だ。

 さまざまな分野に広がる障壁を撤廃するための規制緩和策に対する期待は高かった。だが、安倍首相が今年6月に打ち出した経済成長戦略では多くの分野が手付かずのまま残された。

 安倍首相は雇用や解雇をめぐる規制緩和など、より大規模な経済改革の実行にも苦戦している。アナリストによれば、こうした改革はよりダイナミックな経済活動を促すという。

 だが、小規模ながら、浅見氏をはじめとする起業家にとってプラスとなるような成果も幾つか出てきている。

 企業の幹部やコンサルタントによれば、最近は政府補助金を受けやすくなっており、このことは、リスクを嫌う日本の銀行から追加融資を受ける上でもプラスに作用する可能性があるという。

 政府は2013年春、約6年間棚上げにしていた起業支援のための補助金を全国規模で復活させた。これまでのところ、この補助金の採択率は77%と非常に高くなっている。

 この補助金に応募する企業の数も急増し、4月の15社から、6月には2302社にまで増えている。

 3Dプリンタに関しては、経済産業省もその可能性を認識しており、ハイエンド3Dプリンタの開発支援のために予算の概算要求に45億円(4400万ドル)を盛り込む方針という。

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