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「今までのBIとは違う」 Tableauが日本市場攻略に意気込み

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 ビジネスインテリジェンス(BI)ベンダーのTableau Japanは5月28日、記者およびアナリストに向けて事業戦略説明会を開催した。同社は2012年11月に日本法人として設立し、今年1月から本格的に営業活動をスタートしたばかりだが、既に数十社の導入実績を挙げている。日本市場での展開について浜田俊社長は「エンタープライズからコンシューマーまでさまざまな規模、業種の需要を取り込んでいく」と意気込んだ。

Tableau Japanの浜田俊社長Tableau Japanの浜田俊社長

 本社の米Tableau Softwareは1997年に創業。同社の主力製品であるBIツール「Tableau」はスタンフォード大学で開発されたテクノロジーを基にしており、とりわけデータのビジュアライゼーション(可視化)を特徴とする。データ分析、レポーティング、ダッシュボード作成などを実施するデスクトップ製品「Tableau Desktop」や、Tableau Desktopで共有したレポートおよびダッシュボードをWebブラウザからアクセスするサーバ製品「Tableau Server」などで構成される。

 最新版「Tableau 8.0」では、Google AnalyticsやSalesforce.comなどのデータソースとの連携、iPadやAndroidといったタブレット端末を活用したデータ分析など、90種類以上の新機能を実装した。

 同社は世界114カ国で事業展開し、企業や政府機関、教育機関など1万2000社以上のユーザーを抱える。2012年度の売上額は1億2773万3000ドル、純利益は142万7000ドルに上る(2012年12月末時点)。「過去3年間で売り上げは倍々ゲームで伸びている」と浜田氏は胸を張る。日本でも安倍晋三首相が「ビッグデータ」の活用を普及させるために規制緩和を進めるなど、ビジネス拡大の追い風が吹いているという。

 新規顧客獲得に向けたアプローチとして、浜田氏は既存のBIツールとの差別化を強調する。「今までのBI製品は“複雑”“遅い”“重い”“高い”が当たり前。IT部門担当者など限られた人しかデータ活用できないし、製品コストだけでなく開発コストも高かった。我々は“簡単”“早い”“軽い”“安い”BI製品を提供する。データは活用されて初めて『情報』になるのだ」と浜田氏は力を込める。そのためには、データを可視化して、誰でも簡単にすぐ使えるツールが不可欠なのだという。

 Tableau Software アジア太平洋地域営業担当副社長のJ・Y・プーク氏も「従来のBIツールだと、レポート作成するのにわざわざIT部門に頼まなければならなかった。製品導入にも数カ月かかる。コンシューマーが容易に利用できるようなBIが必要なのだ」と同社の強みをアピールした。

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きっかけは不正侵入――私がセキュリティ業界に足を踏み入れたワケ

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「どうしてこの業界に?」という質問にお答えします

 皆さんこんにちは、川口です。5月のゴールデンウィークも終わり、今年新入社員になったばかりの人は5月病になっていないでしょうか。株式会社ラックにも目をキラキラさせた新入社員が入ってきて、一生懸命研修に取り組んでいます。彼らの未来に期待したいところです。

 このコラムや@ITのセミナーを通じていろんな方にお会いする機会があるのですが、しばしば、「川口さんはどうしてこの業界(会社)に入ろうと思ったんですか?」という質問をいただきます。そこで今回は、私がセキュリティ業界に足を踏み込むことになったきっかけをご紹介しましょう。

きっかけは、大学院時代の不正侵入

 一言で言ってしまうとそのきっかけは、当時自分が所属していた大学院の研究室への不正侵入です。これを機に、セキュリティを意識するようになりました。

 当時、私が所属する研究室では、大学院生がシステムを管理する伝統となっていました。2000年4月に大学院に進学した私が、勉強がてら過去の研究室のメーリングリストのログを眺めていたところ、ふとあるメールが目に留まりました。

 誰かサーバで sn1ffer というプログラムを動かしていますか?

 サーバが /dev/xdd21/sn1ff/sn1ffer というプログラムが多数動いて過負荷に

 なっていたので再起動しておきました。

 知っている人は教えてください。


 1カ月前に、研究室の先生がサーバの負荷状態についてこのようなメールを送っていたのです。そのメールが送られた当時、私は学部生で卒業論文作成に追われていたうえ、先輩の管理者が在籍していたこともあって全く気に留めていませんでした。しかし、このときは「sn1ffer」という名前がひっかかったのです。

 多くの方はお気付きだと思いますが、この「sn1ffer」は、盗聴プログラム「sniffer」をもじったものです。春休みの間に有り余る時間を使ってネットの海を泳いでいる間に「Shadow Penguin Security」(懐かしい人もいることでしょう)などを見ていたおかげで、snifferという盗聴プログラムが存在することをたまたま知っていたのです。

 「盗聴? え? そんなことあるの?」と軽くパニックになった私は、問題のサーバにログインしてみました。いくつかコマンドをたたいて調べてみた結果は以下のようなものでした。

  • /dev/xdd21/というディレクトリは/devディレクトリで lsコマンドを実行しても表示されない
  • cd /dev/xdd21/というコマンドで移動することは可能
  • その非表示ディレクトリ(/dev/xdd21/)にいくつかのプログラムが配置されている
  • ls、ps、pstree、netstatなどのプログラムが配置されている(トロイの木馬と推定)
  • sn1fferプログラムと同じディレクトリにログファイルらしきものがある
  • sn1fferのログを確認すると多数のユーザー名とパスワードが記録されていた
  • もちろん自分のアカウントや管理者アカウントも含まれていた
kawa45_scr01.jpgトロイの木馬が仕込まれたディレクトリの一覧

 このsn1fferのログを見た瞬間に覚えた絶望感は今でも忘れられません。とっさに思ったのは、

「みんなのパスワードが記録されているのはまずいから、とりあえずこのログだけは消しておこう」

ということでした。まずrmコマンドでログファイルを消去した後に、今後の対応を検討し始めました。

 今思えば、インシデントレスポンスとしてはこの対応は間違っていたなと思うわけですが、セキュリティどころかITの知識もなかった当時の私では仕方なかったなと思っています。

 研究室の先生に相談してみたところ、1998年から1999年にかけてあちこちのネットワークで不正侵入事件が発生していたらしく、ファイルの作成日付を見ると、どうもその時期から1年以上不正侵入が継続していたようです。問題となったこのプログラムが動作していたサーバはWebサーバ兼メールサーバ兼ルータの役割を担っている古いRedHat Linuxでした。不正侵入されているとはいえ、これらの重要な役割を担っているサーバをできるだけ停止させずに、再構築をすることになりました。

 それから数日間、研究室にほぼ泊まり込みのような状態で研究室のサーバ全体の再構築を開始しました。しかし、当日の私は「サーバ=Webサーバ」と思っている程度の、リテラシーの低い学生でした。セキュリティ以前にITの知識がまるで足りません。さらに、助けを求めようにも、学科の中にはセキュリティのことが分かる人がいません(大学全体を探せばいたのかもしれませんが、その人へのつてもありませんでした)。研究室に置かれている書籍と過去の構築メモを読み、試行錯誤しながら再構築を行いました。

ラックとの出会い

 2000年といえば「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」が施行された年ですが、セキュリティの情報が非常に乏しく、情報収集に苦労した覚えがあります。当時は以下のような情報収集をしていました。

 まずはサーバ構築に関する書籍を買いあさりました。サーバのセキュリティ以前に、サーバを動作させることが大前提です。サーバを正しく動かすことができるように書籍を買いあさりました。幸い、研究室の費用で書籍代をまかなえたので、「セキュリティ」「サーバ構築」「システム運用」というキーワードが入っている書籍を片っ端から買って読みあさりました。

 次に、いろんなWebサイトを見まくりました。当時はセキュリティ関連情報が今ほどオープンになっておらず、アンダーグラウンドなサイトに多くの情報が蓄積されていたので、ハッキングやウイルス感染におびえながらアングラなサイトを巡回した覚えがあります(もっと古い人の中には、「アダルトサイトにしか情報がなかった時代もあるんだ」と言っていましたが、真偽のほどはわかりません(笑))。

 メーリングリストにも登録しました。今ではあまり流行っていませんが、当時はPush型の情報流通の方法としては一番メジャーだったのではないかと思っています(さらに古い方の中には「ニュースグループだろ」という人もいるかもしれませんが)。「セキュリティ」や「サーバ」と名のつくメーリングリストを探しては登録して、ひたすら読んでいました。

 そして一番大きな影響を受けたのが、サーバ構築やシステム管理に関する社会人の勉強会に参加したことです。社会人が「どうやってシステムを落とさずに運用するか」「新システムをどう構築するか」について話し合う勉強会に乗り込んでいきました。

 当時は地方在住だったため、都市圏に移動するのも交通費が厳しかったことを覚えています。学生という立場に甘えて、優しい社会人の先輩にたくさんのことを質問し、教えていただきました。それに対し、学生が勉強会に来ていることが珍しいのか、皆さんから丁寧に回答していただいたことが今でも記憶に残っています。特に、「システム管理者の眠れない夜」が大好きだったので、著者の「柳原 秀基」氏に会えた時は、アイドルに会えたかのように感動したことをを覚えています。

 そんな活動をしているうちに大学院1年も終わりに近づき、就職活動を意識する時期になってきました。「セキュリティ」に関することを仕事にするのも悪くないなあと思っていたところ、非常に多くのメディアに露出している会社がありました。それが今いる「ラック」です。当時は「Firewall Defenders」という団体を運営しており、かつ多数の社員がイベントや執筆に関わっていたことから、「こういう活動が認められる会社なんだ」という印象を持ちました。そして「とりあえず就職説明会に行ってみるか」という軽い気持ちで説明会に行ってみました。

 実はこのとき、全く就職活動の対策をせずに就職説明会に参加したのですが、説明会の後、「筆記試験をやりますので希望者は残ってください」と言われ、かなり焦りました。「説明会だけじゃないの? 試験やるの? 参加者のうち半分くらい帰らないかな」と思いましたが、帰る人は誰もおらず(当たり前ですが)、筆記試験を受けることになりました。結果的には何とか筆記試験、面談と合格してラックに入社することができました。世間の就職活動を頑張っている(or頑張っていた)学生さんには大変申し訳ないくらい適当な就職活動でした。

 このように、恥ずかしながら就職活動は1社しかしていない大変ナメた学生だったのですが、社会人の勉強会に参加することで、ITシステムに関わる人の働き方や悩みに触れることができていたのが非常にいい経験になっていました。

 また、研究室のシステムが不正侵入を受けて、システムを再構築したとき「セキュリティがダメだと家に帰れないんだな」と学生ながら学ぶことができたのも大きな経験でした。「ITに関わる人が家に帰れるようにセキュリティを何とかしよう」という思いが、今も昔も、私がセキュリティ業界に関わっている原動力です。

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TechTargetジャパン

“怪物級”ゲーミングノートPC――「Note GALLERIA GM7970M」の圧倒的性能に迫る

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規格外のパフォーマンスを誇る巨大ノートPC

tm_1305_gm7970m_01.jpgドスパラが販売する17.3型ゲーミングノートPC「Note GALLERIA GM7970M」

 「か、火力が違いすぎる」と思わずうなってしまうほどの圧倒的性能がここに——。

 PCショップ「ドスパラ」を展開するサードウェーブデジノスは、ゲーミングノートPCの「Note GALLERIA」シリーズに高性能な最上位機「Note GALLERIA GM7970M」を追加した。大画面の17.3型フルHD液晶ディスプレイに加えて、AMDのハイエンド級GPU「AMD Radeon HD 7970M」を2基も搭載し、ノートPCとしては3D描画性能を究極レベルに高めている点が最大の特徴だ。

 GPU以外のパーツはBTOで柔軟にカスタマイズできるが、標準モデルとしては、4種類のラインアップが用意されている。今回はその中からCore i7-3940XM(3.0GHz/最大3.9GHz)搭載の最上位モデル(Note GALLERIA GM7970M Core i7-3940XM 搭載)を入手したので、性能や使い勝手を検証しよう。

 ボディのサイズは419(幅)×293(奥行き)×49.7(高さ)ミリ、重量はなんと約4.28キロという超重量級だ。トレンドのUltrabookと比べて3〜4倍もの厚みがあり、直線的でシャープなラインから構成された個性的なフォルムに、もはや「ノートPC」というイメージはない。スポーツカー、あるいはプロ用の放送機材のような……、はっきり何かとはいえないが、「特別なマシン」ということが伝わってくるビジュアルだ。

 ボディカラーはブラックで統一されており、天面にはロゴなども一切ないシンプルな外装だが、その巨体と背面に設けられた大きな排気口が並々ならぬ存在感を放っている。天面とパームレストにはしっとりとした手触りのマットな塗装がされているほか、キーボードベゼルは金属をヘアライン加工で仕上げており、高級感もなかなかのものだ。

tm_1305_gm7970m_02.jpgtm_1305_gm7970m_03.jpgボディーカラーはブラック。天面はロゴや装飾が一切ないシンプルな外観だ(写真=左)。背面左右に配置されたGPUクーラーの排気口は、周辺をシルバーのパーツで囲っており、高性能を予感させるデザインとなっている(写真=右)

 本体装備の端子類も充実している。右側面と背面を合わせて4基のUSB 3.0のほか、1基のUSB 2.0/eSATAコンボポート、SDメモリーカードなどが使えるマルチカードスロットを備えている。ディスプレイ出力はHDMIのほかDisplayPortを装備し、ヘッドフォン出力、マイク入力のほか、ライン入力、ライン出力とオーディオ端子も豊富にそろう。液晶ディスプレイの上部には200万画素のWebカメラ、右パームレストには指紋センサーも装備している。

tm_1305_gm7970m_04.jpgtm_1305_gm7970m_05.jpg前面に端子類はなく、右側に各種インジケータが並ぶ(写真=左)。背面にHDMI出力、DisplayPort出力、ACアダプタ接続用のDC入力、USB 3.0、排気口が配置されている(写真=左)
tm_1305_gm7970m_06.jpgtm_1305_gm7970m_07.jpg左側面にメモリカードスロット、有線LAN、音声入出力、盗難防止ロック用コネクタを搭載(写真=左)。右側面に光学ドライブ、3基のUSB 3.0、1基のUSB 2.0/eSATAコンボポートを備えている(写真=右)

 底面に着脱可能な容量89.21ワットアワーのリチウムバッテリーを装着しており、バッテリー駆動時間は約2.5時間とされている。4キロ以上のボディだけにバッテリー駆動時間を重視するようなモデルではないが、非常時の備えとして、これくらいでもバッテリー駆動ができるのは心強い。

 ACアダプタもまさに規格外だ。実測でのサイズは113(幅)×208(奥行き)×53(高さ)ミリ、重量はなんと1.755キロと、一般的なモバイルノートPCよりも重い。本体と合わせると、総重量は約6キロにもなる。

tm_1305_gm7970m_08.jpgtm_1305_gm7970m_09.jpg底面の手前側に容量89.21ワットアワーのリチウムバッテリーを装着している(写真=左)。付属のACアダプタは巨大だ(写真=右)

2基のRadeon HD 7970Mを備えた究極レベルの描画性能

 ゲーミングノートPCブランドの最高峰モデルだけあって、最新のゲームタイトルを快適に楽しめる描画性能が魅力だ。ゲームをプレイするのに最も重要なグラフィックス機能には、AMDのRadeon HD 7970M(グラフィックスメモリ2Gバイト)を2基も搭載する。

 Radeon HD 7970Mは、AMD最新のGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャを採用。エンジンクロックは850MHzで、20基のコンピュートエンジン(1280基のストリームプロセッサ)、153.6Gバイト/秒のメモリ帯域を確保する。単精度計算で2176GFLOPS、倍精度計算で136GFLOPSといった演算能力を誇るAMDのモバイル向け最上級GPUだ。

 AMDは5月15日に新しいモバイル向け最上位GPU「Radeon HD 8970M」を発表したばかりだが、自動クロックアップ機能で900MHzまでブーストする以外、Radeon HD 7970Mと基本スペックに差はなく、ハイエンドGPUと呼んでも差し支えない性能を持つ。

 Note GALLERIA GM7970Mはこれを2基搭載し、AMDのマルチGPU技術「CrossFireX」により、描画/演算処理を2基のGPUで分散して行うことで、パフォーマンスを最大2倍に向上させているのがポイントだ。

 ゲームに使われるリアルタイム3Dグラフィックスは、常にリアルな動き、表現を追求している。こういった最新技術を積極的に取り入れている最新の3Dゲームタイトルの多くは、GPUにパワフルな演算、描画能力を要求するが、これだけのパフォーマンスがあれば、現存するどんな3Dゲームも、高解像度かつ高画質でサクサクと快適にプレイできるに違いない。

tm_1305_gm7970m_10.jpgtm_1305_gm7970m_11.jpgGPU-Zの情報表示画面(画像=左)。AMDのモバイル向け最上位GPU「Radeon HD 7970M」を2基搭載する。グラフィックスの各種設定を行うCatalyst Control Center(画像=右)。CrossFireXは標準で適用されており、ユーザー側での設定は不要だ
tm_1305_gm7970m_12.jpgtm_1305_gm7970m_13.jpgネジ止めされた底面の大きなカバーを開けると、内部構造が分かる。GPUはMXM(Mobile PCI Express Module)形式で2枚が装着されている。高性能なGPUだけに放熱システムもかなり大がかりだ。GPUに2本ずつ、グラフィックスメモリに1本ずつのヒートパイプを使って、発熱をファンのある排気口部に移動させ、背面のファンで放熱する仕組みだ。中央のファンはCPUを冷やすもので、合計3基ものファンを備える

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アフリカから東南アジアまで10億人にインターネットを Googleがワイヤレス網構築を計画

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REUTERS

 米Googleが、サハラ以南のアフリカから東南アジアにかけた無線ネットワーク網への出資・構築・運営支援に向けて動いていると、Wall Street Journalが5月24日に伝えた。新興国の10億人に上る人々にインターネット接続環境を提供するのが目的という。

 Googleは長年、世界における普遍的なWebアクセスの実現を提唱している。同社は、南アフリカからケニアまでの政府当局と話し合い、通信技術をパッチワーク状につなげることでこれを実現しようとしていると、Wall Street Journalがこの件に詳しい筋の情報として伝えた。

 インターネット上の膨大な情報にアクセスするための手段を持つことは、経済を価値連鎖に引き上げる鍵と見なされている。だが、多くの国が、インフラ構築には膨大な資金が必要であることや、調整の難しさなどに直面している。

 Googleは、普遍的なWebアクセス実現という目的達成──達成すればより多くの人々が同社の検索その他のネットサービスを利用することになる──に向けて、各国当局にテレビ放送向けの低周波数帯を利用するよう働き掛けているという。こうした低周波数帯は、ビルなどの中を通過でき、長距離に到達できる。

 同社はまた、低価格の携帯電話の提供や、高い上空から数百平方マイルをカバーする電波を送るための気球や飛行船の採用に取り組んでいる。

 同社は既に、南アフリカのケープタウンを含む幾つかの地域で小規模なトライアルを開始している。これらの実験では、信号を長距離送信するために基地局と無線接続ボックスを組み合わせて使っているという。

 ラリー・ペイジCEOは、より広範な非営利目的のためにGoogleを利用する計画を公表している。同社は24日、この計画についてのコメントを断った。

copyright (c) 2013 Thomson Reuters. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はThomson Reutersとの契約の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。

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写真で解説する「らくらくスマートフォン2 F-08E」

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 NTTドコモの「らくらくスマートフォン2 F-08E」は、シニア向け「らくらくホン」シリーズの最新作。同シリーズでは2012年の夏モデルに、Androidを搭載した初の「らくらくスマートフォン F-12D」が登場した。

 らくらくスマートフォンは、独自のユーザーインタフェース(UI)に加え、タッチパネルでもキーやボタンを押した際の感触がはっきりと伝わる「らくらくタッチパネル」を採用するなど、スマートフォンが初めてというユーザーにも使いやすいモデルとなっていた。後継モデルのF-08Eは、画面サイズの拡大を始め各部をブラッシュアップし、さらにXiに対応するなどリニューアルされているのが特徴だ。

photophotoドコモの富士通製スマートフォン「らくらくスマートフォン2 F-08E」。カラーはゴールド、ブラック、ピンクの3色展開

 本体のサイズは約64(幅)×130(高さ)×9.9(厚さ)ミリ。手にした際のサイズ感はF-12Dとあまり変わらないが、約1ミリ薄くなった厚さについては、その数字以上にスリムに感じられるフォルムだ。F-12Dが全体的に丸みを帯びたデザインであったのに対して、F-08Eはややシャープさを増したデザインとなっている。フィーチャーフォンのらくらくホンシリーズも、後から出たモデルはいかにもユニバーサル端末的なイメージを払しょくするデザインになっていったが、スマホでも同じ手法をとっているのだろう。

photophoto手にした感じはF-12Dと大きな違いは感じられないが、若干薄くなっている分、片手での操作の場合、ホールドしやすい印象だった

 全体をシャープに見せているもう1つの要素が、約4.3インチに拡大されたディスプレイだ。画面サイズが大きくなったことに合わせて、画素数がF-12DのワイドVGA(480×800)ピクセルからQHD(540×960ピクセル)になっている。

 タッチパネルはF-12Dで採用されたボタンのような押した感触がある「らくらくタッチパネル」を継承しつつ、センサーの精度を改良するなどして、タッチしたときの応答時間を短縮して軽快な操作ができる「新らくらくタッチパネル」に進化した。特に、文字入力などキーを連続入力する場合にサクサクと入力できるよう、操作性が向上した。またまたディスプレイは「White Magic(ホワイトマジック)」という最新のデバイスを採用し、より明るく、見やすくなっているという。これは通常の赤、緑、青の3色の画素に、白の画素を加えることで、全体と輝度をアップするというものだ。ただ、残念ながら発表会ではモックアップのみの展示だったため、実際の操作感やディスプレイの見やすさを確かめることはできなかった。

photophotoF-12D(左)とF-08E(右)を比較。全体的なフォルムは丸いF-12DからF-08Eはややシャープになった印象。画面サイズが4.0インチから4.3インチに拡大されたことで額縁部が細くなり、それによって前面の表情がシャープになったともいえる。背面もカメラ周りの造作がコンパクトにまとめられ、スピーカーも前面に移されたことによって、全体的にすっきりりとしたデザインになった
photophotophotoF-12D(下)とF-08E(上)の厚みを比較。F-12Dは厚さ約10.9ミリ、F-08Eは厚さ約9.9ミリと数値上の差は1ミリしかない。が、実はF-12Dは背面が反った形状となっていて、上下端の最厚部は約12.9ミリのため、見た目には3ミリも違うことになる
photophotoF-12D(下)が上面にイヤフォン端子とmicroUSB端子を持っていたのに対して、F-08E(上)では、microUSB端子を本体下面に移動してイヤフォン端子だけになっている(写真=左)。画面上部のレシーバー(受話口)回りのデザインは、F-12D(上)に比べてF-08E(下)はすっきり整理されている。また、レシーバーそのものもF-12Dではその位置を認識させる狙いが分かるデザインだが、F-08Eではデザイン処理された形となっている。また背面のスピーカーはF-08Eではレシーバーと兼用にすることで、前面からの効きやすさを向上(写真=右)

 ハード面ではチップセットが、他の夏モデルと同じ1.7GHzクアッドコアのクアルコムAPQ8064Tとなり、バッテリー容量も2100mAhに拡大した。メモリ容量はF-12DがROMが4Gバイト、RAMが1Gバイトなのに対し、F-08EはROMが8Gバイト、RAMあg2Gバイトに倍増している。またおサイフケータイ(Felica)はこれまで、モバイルSuicaとWAONに対応していなかったが、F-08Eはプリインアプリで対応するようになった。

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第4回 「ソーシャルでマーケティングはここまでできる」、最も身近なビッグデータとしてのソーシャルデータの活用法

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ビッグデータのマーケティング活用の第一歩としての「ソーシャルデータ」

 スマートフォンやタブレット等の「いつでもどこでも」ネット接続ができる端末の普及と、それらの上で利用されている「特に要件はなくともアクセスしたくなる」ソーシャルメディアによって、生活者の情報伝達の回路は大きく変化している。これらの変化によって、マーケティング戦略の立案と遂行に関係するデータ量は急速に拡大、ビッグデータは広告会社のプランニングに大きな変化をもたらしている。従来のように「限られた量で、必ずしも最新ではない、分断された情報」で判断をし、アクションしなければならなかったことも多かったが、「膨大な量で、最新の、統合された情報」で判断できるようになったことで、より精度の高いアクションが徐々に可能になってきているからだ。

 マーケティング戦略を立案する上で最も重要なのは、ターゲットとする生活者に、どのタイミングで、どのような情報のやりとりをし、商品やサービス、企業等との長期的な関係性を構築するかである。

 生活者が情報のやりとりに活用するタッチポイントや、その優先度、やり取りする情報の内容が変化すれば、当然戦略立案プロセスも見直す必要がある。ビッグデータによるマーケティングの次世代化の本質は、仕事の進め方や、意思決定の仕組み、さらには組織や人事評価体系のありかたまで、全体最適の視点で見直していくことを求められているということにある。

 一方で各企業におけるマーケティング活動は、宣伝部や営業部などの既存の複数の組織を横断して、これまでに収集可能であったデータを活用し、さらにこれまでのマーケティング活動の反響や、さまざまな制約条件の存在する現場での経験値の蓄積等も加味して実践されている。

 そのため、データを活用したマーケティングプロセスの革新について、総論としては賛成でも、各論になるとさまざまな問題が発生し、なかなかスムーズに実践できない……という声が多いのも事実である。

 これは日本にだけ独特な問題ではない。最高マーケティング責任者(CMO)が企業の全社的なマーケティング活動を統括しているケースが多い米国においても、デジタルデータを活用した次世代マーケティングの推進にあたって、「技術」だけではなく「組織」が課題という声も目立つ。2013年3月に米ソルトレイクで開催されたアドビデジタルマーケティングサミットでも、繰り返し「サイロを崩せ」(=組織の壁を崩せ)と繰り返されていたことも象徴的である。

 こうした状況の中で、我々はビッグデータ活用の第一歩として、ソーシャルデータのマーケティング活用に注目している。ソーシャルデータは最も身近に存在するビッグデータの1つである。入手が比較的容易で、関係者にとっても一生活者としてなじみが深いデータであり、活用の抵抗感が低いからである。

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Opera、Chromiumベースのデスクトップブラウザ「Opera Next 15」公開

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 ノルウェーOpera Softwareは5月28日(現地時間)、WindowsおよびMac向けWebブラウザのβ版「Opera Next 15」を公開したと発表した。現行の正式版はバージョン12だが、米GoogleのオープンソースのWebブラウザ「Chromium 28」をベースに構築し直したため、バージョンナンバーを2つスキップしたという。

 opera

 Opera Nextという名称は、同社のβチャンネルという位置付け。ユーザーからのフィードバックを受けるのが主な目的であり、Operaはインストール先のPCやMacはバックアップをとっておくよう勧めている。

 Operaは、2003年リリースのバージョン7.0から自社のWebブラウザに独自のレンダリングエンジン「Presto」を採用してきたが、今年の2月にエンジンをGoogleが中心となって開発しているオープンソースの「WebKit」に切り替えると発表。5月にはWebKitベースのAndroid版Operaブラウザの正式版を公開した。

 Googleは、ChromiumのレンダリングエンジンをWebKitのフォーク「Blink」に切り替えるとしており、Operaもそれに追随する計画だ。

 レンダリングエンジンの切り替えの他、Operaブラウザの特徴である「Speed Dial」のユーザーインタフェースが新しくなり、「Stash」や「Discover」といった新機能が追加された。

 Stashは、後で読みたいページのスクリーンショットとメタデータをブラウザのスタートページに保存しておく機能。このページはテキストでの検索が可能だ。

 stash

 Discoverは、設定しておいたカテゴリーと地域・言語に基づいてフィルタリングしたニュースやコンテンツを紹介する機能。Android向けブラウザにも搭載されている。

 discover

 また、ユーザーからのフィードバックに基づいて、従来はブラウザと統合されていたメールクライアントを独立した「Opera Mail」として提供する(こちらからダウンロードできる)。これにより、ブラウザのメモリ消費が減り、高速化できたとしている。

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タブレット信奉者がWindowsマシンを手放さない理由

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 モバイルコンピューティングが爆発的に成長し、さまざまなメリットをもたらしている。とはいえ、まだ当分は米MicrosoftのWindowsが企業のシステムの中枢を担うことになりそうだ。

 デスクトップOS市場でトップシェアを占めるのは「Windows 7」だ。Microsoftは、Windows 7を少なくとも2020年まではサポートする。つまり、企業は差し迫って他のOSへ移行する必要がない。その上、大半の従業員は「クライアントPCの代わり」ではなく「クライアントPCの他に」、モバイル端末を使用している。

 「(企業ユーザーは)タブレットを手元に置いて、いつでも利用できる端末として持っている」と、米Appleの認定ソリューションプロバイダーである米Tekserveの最高技術責任者(CTO)、アーロン・フライマーク氏は指摘する。

 一方、「モバイル端末は仕事のやり方を大きく変えることになるので、クライアントPCを手放したくない」という従業員もいるはずだ。米モバイルコンサルティング会社Paladorの共同創業者ベンジャミン・ロビンズ氏にとっても、モバイル端末だけの生活への移行は困難なものだったという。


マイクロソフトはいかに顧客をサポートしているのか

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月間10万件もの問い合わせ

 一般消費者からビジネスマン、アプリケーション開発者、企業の情報システム担当者に至るまで、幅広いユーザー層に対して数多くの製品・サービスを提供している日本マイクロソフト。そうしたユーザーを陰で支えているのが、同社のカスタマーサポート部門だ。

日本マイクロソフト 調布技術センター内にあるカスタマーサポートの現場日本マイクロソフト 調布技術センター内にあるカスタマーサポートの現場

 現在、日本マイクロソフトにおけるカスタマーサポートの体制は、社員数百人と、アウトソーシング先のパートナー企業から成る。拠点は東京に2カ所(調布、品川)と大阪に1カ所で、電話やメール、チャットなどによる問い合わせ件数は月間10万件に上る。

 問い合わせ件数の多さも然ることながら、その内容も多岐にわたることは容易に想像できるだろう。加えて、同社では製品の購入前、購入後のいずれの問い合わせにも対応しているため、例えば、発売前の製品について想定もしないような問い合わせが来ることもよくあるのだという。実に高いスキルレベルがサポートには求められるのだ。

 ただし、こうした問い合わせに対して人手を介すのはあくまで最終段階。サポートが必要な諸問題や各種インシデントの大部分をオンラインで解決してしまおうとするのが、同社のカスタマーサポートにおけるアプローチである。例えば、ユーザーが製品情報を知ろうとした場合、まずはオンラインヘルプを参照する。このコンテンツはサポートチームが作成しており、テキストに加え、イラストや漫画などを多用することで、特にITに詳しくないコンシューマーでも理解しやすくしている。

 オンラインヘルプで解決できない場合、次に用意するのがコミュニティーである。コミュニティーは一般消費者向け、開発者向け、システム運用管理者向けなど対象別に分かれており、MVP(Most Valuable Professional)がボランティアでユーザーのサポートを行っているのが特徴である。

マイクロソフトのサポートのアプローチマイクロソフトのサポートのアプローチ

 こちらでも解決できないとき、初めてエンジニアによるメール、電話、チャットという直接的なサポートが行われる。そしてリモートでも解決が難しい場合、最終的にはエンジニアが現場に足を運び、オンサイトで支援を行うのである。「いかに素早く簡単にユーザーに情報提供できるかを重視しているため、できるだけファネルの前段階で解決できるようにしたい。どうしても人手が必要となった際には、高いスキルを持つエンジニアが責任を持って対応するようにしている」と日本マイクロソフト 執行役 カスタマーサービスアンドサポート ゼネラルマネジャーの佐々木順子氏は説明する。

 こうしたカスタマーサポート活動に関して、同社が掲げるミッションとは何か。佐々木氏によると、サポートを通じて顧客がマイクロソフトの一生のファンになってもらうことだという。そのためには、単に1つ1つの問題を解決して関係が終わりというわけではなく、顧客のニーズを把握し、問題が起きないように事前にアドバイスを送ったり、より効果的な製品やサービスの活用方法を提案したりすることが重要だとする。加えて、日本ではサポートチーム全体で顧客に優れたサービスを提供することを心掛けている。これらの取り組みが顧客の継続的なサポートにつながっていくのだという。

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iPadで授業を変えた学習塾、「板書時間」から「考える時間」へ

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 108台のiPadを授業で活用する、学習塾運営の俊英館。同社は生徒の考える力を育てるための教育力強化や授業の効率化のためにiPadを導入し、授業スタイルの変化などの具体的なメリットを得ているという。本稿は、2013年5月に開催された「第4回 教育ITソリューションEXPO」で講演した、俊英館のマーケティング部長である小池幸司氏の話をまとめた。小池氏は、情報システム管理者としてiPad導入を主導した。

 「教育機関でのiPad導入」と聞くと、生徒がiPadを使う様子を思い浮かべる人が多いかもしれない。俊英館の場合はそうではなく、iPadを使うのは講師だ。講師がiPadに問題などの画面を表示。その内容をプロジェクターに投影したり、iPadに書き込んだ内容を即時にプロジェクターに反映したりして授業を進めている。

iPad導入の経緯:学習指導要領変更が導入を後押し

KDDIのLTE、東京など関東の一部で通信障害

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 KDDIの4G LTEデータ通信サービスが、5月29日午前5時20分から関東の一部で利用しづらい状況が続いている。

 同社によると、影響エリアは東京都、神奈川県、山梨県の一部。

 4G LTE端末を利用する一部ユーザーでLTEデータ通信が利用しづらい状況になっている。Eメール、ネット接続は3Gで通常通り利用できるとしている。

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UltraPixelとZoeカメラでどんな写真が撮れるのか?――「HTC J One」のカメラ機能を試す

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 HTCの新型スマートフォン「HTC J One」のカメラには、より多くの光を取り込んで明るく撮影できる「UltraPixel」、3秒間の動画を撮って後から自由に編集ができ、見せ方にもこだわった「HTC Zoe™」といった新しい要素が取り込まれている。HTC J Oneや海外の「HTC One」では、特にこれらカメラ機能が注目を集めているが、実際の画質はどうなのか。またZoeカメラの使い勝手は——。さっそくレビューしていこう。

photophoto“新しいカメラ”を備えた「HTC J One」

「UltraPixel」は夜景や室内撮影に有利

 まず注目したいポイントは、撮影用のCMOSセンサーに400万画素の「UltraPixel」を採用したこと。400万画素と聞くと、近ごろのスマホのカメラとしては画素数が少ないと感じるかもしれない。従来モデル「HTC J butterfly」が800万画素だったので、それに比べても半減である。

 だが実は、センサーサイズを変えずに画素数を下げたことで、ひとつひとつの画素のサイズが大きくなり、集光面積は拡大している。より多くの光を取り込めるようになり、高感度に強くなったことこそ本モデル最大の見どころだ。

 具体的に言うと、一般的な1300万画素のスマホの場合、ピクセルサイズは約1.3平方マイクロメートルだが、400万画素のHTC J Oneではその3倍となる約4平方マイクロメートルを実現。ピクセルサイズが3倍になったことで、取り込める光の量も3倍となり、低ノイズの高感度撮影が可能になったのだ。

 夜の屋外で写した下の2枚の写真を見てほしい。左の写真は、カメラのフラッシュは使わずに、街灯の光を利用して高感度で撮影したもの。EXIF情報を確認すると、感度はISO800まで自動でアップしているが、気になるノイズはほとんど見られない。一方、右の写真は、フォトライトを発光させ、低感度で撮影したものだ。

photophoto左の写真はフラッシュ非発光で感度ISO1000。右の写真はフラッシュ発光で感度ISO250

 フォトライトを使うと、低感度で撮影できるので画質自体は良くなるが、その反面、強い直射光なので被写体の立体感は損なわれてしまう。上の2枚のどちらがいいかは、写真の用途によっても違ってくるが、高感度でも十分に実用的な画質を得られることが確認できるはず。雰囲気を重視し、立体的な写真を狙うなら、その場の環境光を生かして高感度で撮るのがオススメだ。

 さらに、より実践的な作例を撮ってみた。以下の写真は、薄暗い室内の展示物をスナップしたもの。感度はシーンに応じて最大ISO800まで高まっているが、いずれもスマホの写真としては満足できる画質だ。発色はクリアで、シャープネスは高め。写真によってはザラザラとしたノイズが中間調から暗部にかけて見られるが、ノイズの粒がそろっているので、汚いという印象は受けない。

photophoto隅々までくっきりと見える。車体の金属感がリアルに表現されている(写真=左)。こうした薄暗い場所でも、濁りのないクリアな発色を得られる(写真=右)
photophoto画質調整メニューで露出を「−1」にセットして撮影。雰囲気のある写真になった(写真=左)。シャッター速度は1/17秒の低速になったが、手ブレせず、シャープな描写を得られた(写真=右)
photophoto暗所でもAFはスムーズに作動。画面上を指でタッチして好きな部分にピントを合わせられる(写真=左)。画像サイズは2688×1520ピクセル。キャビネ判くらいまでの印刷には十分な解像度だ(写真=右)

明るいワイドレンズ&光学手ブレ補正を搭載

 レンズは、前モデルから引き続き、開放値F2という明るさを持つ単焦点ワイドレンズを搭載する。この明るさには、室内や夜景といった光量が乏しいシーンでも、感度をあまり高めることなく比較的速いシャッター速度が使えるメリットがある。また、光学式の手ブレ補正も継承する。

 焦点距離については、35ミリ換算で28ミリ相当に対応する。広々とした画角を得られ、風景やスナップ、狭い室内などで使いやすい焦点距離だ。

photophoto28ミリ相当の広い画角を生かして、広がりのある構図で撮影(写真=左)。レンズの開放値が明るいので、手ブレだけでなく被写体ブレも最小限に防げる(写真=右)

 明るい場所で写した作例も見てみよう。下の写真は、晴天の屋外および十分な光量のある屋内で撮影したもの。いずれも感度はISO125となり、より鮮やかな発色と滑らかな階調性を確認できる。

photophoto葉っぱなど被写体のディテールまで克明に描写している(写真=左)。彩度が強調された見栄え重視の発色だ。必要に応じて彩度のユーザー調整もできる(写真=右)
photophotoオートホワイトバランスは正確に作動し、見た目に近い色合いを再現できた(写真=左)。ガラス越しでの撮影だが、細かい文字までくっきりと解像している(写真=右)

 さらに次の2枚は、影になった部分の露出を補うために、カメラのフラッシュを発光させて撮ったもの。被写体までの距離に応じて光量を自動調整する独自の「Smart Flash」によって、近接撮影にもかかわらず、バランスのいい光量を得られた。

photophoto内蔵フラッシュの発光によって、花びらの内部まで明るく再現(写真=左)。こちらもフラッシュを使って撮影。花や草の質感を的確に表現(写真=右)
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写真で解説する「Xperia A SO-04E」

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 ソニーモバイルコミュニケーションズ製のスマートフォン「Xperia A SO-04E」は、NTTドコモが夏モデルの“ツートップ”に据える自信作。発表直後の5月17日に先陣を切って発売された。海外では「Xperia ZR」という製品名で発表されている。

 ドコモの継続利用期間が10年超えで、かつiモードケータイから乗り替えた場合、キャンペーン価格により新規の実質価格は5040円、MNPなら0円となり、ほかの機種よりも優遇されている。ただし本体価格は7万8120円で、キャンペーンでは月々サポートが増額される形となる。割引の恩恵を最大限受けるには、24カ月間、(機種変更せずに)Xperia Aを使い続ける必要がある。

photophotoソニーモバイル製の「Xperia A SO-04E」。ボディカラーはホワイト、ブラック、ピンク、ミント
photo5月15日の発表会では、ツートップのXperia Aと「GALAXY S 4 SC-04E」向けには特設ブースが設置されていた

「快適」をテーマに幅広いユーザーに訴求する

 2月に「Xperia Z SO-02E」が発売されてから、わずか3カ月あまりで次期モデルが発売されたわけだが、ZとAはどのように棲み分けていくのだろうか。ソニーモバイル担当者によると、Zは先進的なユーザーをターゲットにしているのに対し、Aは「Xperia acro」からの買い替えや、ケータイからスマートフォンへの買い替えを検討している人を狙った製品だという。Xperia acro→Xperia acro HD→Xperia AXと続く“A”ラインの最新版という位置付けだ。acro、acro HD、AXはいずれも日本向け機能を取り入れて安心感を訴求してきたが、Aについても「幅広いお客様に使っていただきたい」とソニーモバイル担当者は話す。そんなXperia Aのテーマは「快適」で、操作感や性能のあらゆる要素で快適さにこだわったという。

photo丸みを帯びているので、手にしっかりとフィットする

 本体デザインは、Xperia Zでも採用された、どの方向からも持ちやすい「オムニバランスデザイン」を継承しており、アルミを用いた大きな電源キーやボリュームキーも健在だ。ただし背面パネルについては、ガラスを用いたXperia Zに対し、Xperia Aでは樹脂を用いている。Xperia Zでは背面から側面にかけてのラウンドがほとんどないが、Xperia Aは全体的にラウンド形状になっていて持ちやすい。本体の幅もXperia Zの71ミリから67ミリに減っている。Xperia Aの外観からは、Xperia Zほどの斬新さや格好良さは感じられないが、サイズ感や持ちやすさなどの実用性は、Xperia Aの方が優れているかもしれない。

photophotoこちらはホワイト。素材はマットなものが使われている
photophoto2枚の写真とも左がXperia Z、右がXperia A。5インチディスプレイを備えるXperia Zの方が一回り大きい
photophoto上端部にはワンセグ/NOTTV用のアンテナとイヤフォンジャックがある(写真=左)。下端部にはストラップホールがあるが、ストラップを装着するにはリアカバーを外す必要がある(写真=右)
photophoto左側面にはMicro USB端子と卓上ホルダの充電端子(写真=左)、右側面にはカメラキー、ボリュームキー、電源キーがある(写真=右)

設計の効率化を目指した「コアフレーム構造」

 筐体に「コアフレーム構造」を採用しているのも特徴だ。この構造は、筐体の前面・背面とフレームを一体化することで、側面の段差や割れ線などをなくせるのがメリット。Xperia AXではディスプレイ、前面筐体、背面筐体、リアカバーという構成だったが、Xperia Aではディスプレイ、コアフレーム、リアカバーの構成になり、つなぎ合わせるパーツが1つ減る。これにより、防水用の処理を施す箇所も減り、より安定した防水性能を保てるようになる。コアフレームにはナイロン樹脂を使っており、従来よりも剛性が高まっているそうだ。本体色に合わせてコアフレームの色を変えているのも面白い。

photophoto前面と背面の筐体を一体化させた「コアフレーム構造」。バッテリーパックの部分がくり貫かれている。本体色ごとにフレームの色もそろえた
photophoto頑丈なナイロンを使っている(写真=左)。コアフレームに、ディスプレイと背面パネル、側面パネルを貼り合わせている(写真=右)
photophotophotoケースやイヤフォンなどの周辺機器も積極的に販売していく
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オリックス・バファローズや中小企業庁が取り組む「ソーシャル革命」とは?

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photosalesforce.comのマーク・ベニオフCEO

 セールスフォース・ドットコムは5月28日、都内でクラウド関連イベント「Customer Company Tour 東京」を開催。基調講演に立った米salesforce.comのマーク・ベニオフCEOは、プロ野球球団のオリックス・バファローズや日本の中小企業庁などのゲストを招き入れ、さまざまな企業や組織のクラウド活用事例を紹介した。

 「全てがインターネットにつながる時代になった」——ベニオフ氏は現代の企業ITを取り巻く環境についてこう話す。企業ITの歴史はメインフレームからクライアント/サーバシステムへと移り変わり、今ではクラウドやモバイルといった「第3の波」が台頭しつつある。こうした新たなテクノロジが、企業と顧客、パートナー、製品、サービスの関係性を変えつつあるという。

 その潮流を体現している企業の1つが、英国を代表するファッションブランドであるBurberryだ。同社は2012年、多数のデジタルサイネージを店内に設置した「未来型店舗」をロンドンでオープンした。この店舗では、顧客に取り付けたRFIDセンサーと顧客のSNSアカウントをシステム上で連携させることで、顧客1人1人に合わせたコンテンツを次々に店内のディスプレイに映し出すという。

photoBurberryの「未来型店舗」の様子。同社はこのほか、コラボレーションツールのChatterをベースに開発した社内SNSを活用するほか、ソーシャルマーケティングツールのBuddy MediaやRadian 6を活用し、SNS上の顧客の声をヘルプデスク業務に取り込む「ソーシャルCRM」を展開している

 「クラウドやモバイル、ソーシャル技術を活用し、顧客やパートナーと深く結び付く。これこそが『カスタマーカンパニー』(顧客中心の会社)になるということだ」とベニオフ氏は話す。例えば日本では、自社SNS「トヨタフレンド」を構築したトヨタ自動車や、カメラと連携するモバイルアプリを展開しているキヤノンなどがカスタマーカンパニーと呼べるという。

経営者同士のコミュニティーを——中小企業庁がクラウドサービスを展開へ

 基調講演のゲストとしてベニオフ氏に招き入れられたのが、経済産業省 中小企業庁 事業環境部長の鍛冶克彦氏だ。同庁は同日、salesforce.comの各種サービスを全面採用して中小企業向けのポータルサイトを構築することを発表している。

photo経済産業省 中小企業庁 事業環境部長の鍛冶克彦氏

 7月オープン予定というこのポータルサイトは、経営者同士がコミュニケーションしたり、弁護士や税理士、コンサルタントなどの専門家からアドバイスを受けられる仕組みを用意。オープン後3年以内で、企業100万社と専門家1万人の参加を目指すとしている。

 「日本の中小企業は、ここ数年で60万社ほど減ってしまった」と鍛冶氏は話す。同庁がその原因について調査したところ、1つの原因として「女性経営者が先輩経営者からアドバイスを受けるためのコミュニティーがない」といった問題が浮上したという。

 他方で、「日本の中小企業は大企業の下請けであることが多いが、製造業の場合、大企業のグローバル化に伴って仕事が減ってしまっている」という調査結果も。ポータルサイトでは、経営者同士のコミュニケーションを促すとともに、それまで関係が薄かった異業種間での協業も支援していく考えだ。

 「中小企業の発展にはコミュニティーが重要。例えば、ある女性が自分の子どもを抱っこするためのひもを作ったところ、それが近所で評判になって起業した例もある。そうしたコミュニティーを支援するためにもクラウドは重要だ」と鍛冶氏は話す。

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プレイステーション 4にも搭載される「Jaguar」コアって何だ?

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 AMDの第2世代省電力APUとなった“Temash”(テマシュ:開発コード名)と“Kabini”(カビニ:開発コード名)は、半導体製造プロセスを28ナノメートルに微細化させただけでなく、CPUアーキテクチャやグラフィックスアーキテクチャも一新している。

 両APUは、CPUコア数や2次キャッシュの容量などの異なる製品もラインアップされるが、半導体そのものは共通。例えば、デュアルコア版はキャッシュ容量の一部を無効にしたものだ。つまり、半導体設計やアーキテクチャはまったく同じと言ってよい。そこで、今回はAMDの新APUをアーキテクチャの側面から分析していくことにしよう。

og_jaguar_001.jpgog_jaguar_002.jpgKabiniとTemashのダイショット。両APUは半導体を共用し、動作クロックの違いや一部機能を制限することで、ラインアップ展開を図る(画面=左)。Kabini、Temashの基本構成(画面=右)

第2世代省電力APUのポイント

 AMDは、TemashとKabiniにおいて、

1. CPUコアに新アーキテクチャのJaguar(ジャガー)コアを採用

2. グラフィックスコアとしてGCN(Graphics Core Next)を採用

3. チップセット機能も完全統合したSoC(System-on-a-Chip)の実現

という、3つの進化を遂げた。同社が目指すのは、省電力性能の追究だけではない。各コアやチップセット部をモジュラー構造にすることで、より柔軟な半導体設計を可能にしている。

og_jaguar_003.jpgソニーが年内に市場投入を計画しているプレイステーション 4も、Jaguarコアを採用。いわばTemashやKabiniと同系列のプロセッサを搭載する

 その一例が、ソニーが今年末に市場投入を計画している「プレイステーション 4」であり、同製品もJaguarコアとGCNグラフィックスコアを統合したAPUを採用する。つまり、TemashやKabiniと同系列のAPUと見ることもできる。

 AMDの新APUに採用されたJaguarコアのCPUアーキテクチャは、従来のAMD EシリーズやZシリーズなどに採用されていた“Bobcat”(ボブキャット:開発コード名)コアの延長線上にある。Jaguarアーキテクチャでは、パイプラインを深くすることで動作クロックを向上しやすくしたほか、整数演算ユニットに新しいハードウェア除算ユニットを採用し、スケジューラの強化などによりアウト・オブ・オーダー処理の効率を高めている。

 また、浮動小数点演算ユニットでは、SIMDユニットが128ビット対応となり、2サイクルで256ビットのAVX命令も処理できるようなった。このほか、JaguarではSSE 4.1、SSE 3.2、AESなどの命令拡張が施されており、省電力CPUコアながら、現在主流のCPU拡張命令の多くを取り込んだことになる。

 同社でアーキテクチャの開発などを担当するジョー・マクリCTO(Chief Technology Officer)は、これらの改良により、JaguarコアではIPC(Instruction Per Cycle)が15%以上向上していると説明する。

og_jaguar_004.jpgog_jaguar_005.jpgJaguarのアーキテクチャを説明するジョー・マクリ氏(写真=左)。Jaguarの強化ポイント。SSE 4.1、SSE 4.2、AES、AVXなどの対応が追加されたほか、従来のBobcatコアよりIPCが向上している(画面=右)

og_jaguar_006.jpgog_jaguar_007.jpgJaguarコアでは、新たに除算ユニット追加されたほか、アウト・オブ・オーダーの効率を高める強化も施されている(画面=左)。浮動小数点演算ユニットは、128ビット対応となり、2サイクルで256ビットのAVX命令も処理できるようになった(画面=右)

 さらに、Jaguarコアでは、2次キャッシュも完全に新しくなった。従来のBobcatコアでは、各コアごとに専用の2次キャッシュユニットを搭載していたが、Jaguarでは2Mバイトの2次キャッシュを4つのコアで共有する設計に変更されている。

 2次キャッシュへのアクセスを制御するインタフェースは、コアクロックと同じクロックで動作するように高速化された。ただし、キャッシュメモリそのものと、各CPUコアと2次キャッシュインタフェースへのアクセスは、コアクロックの半分のスピードで駆動するようにされている。

 マクリ氏によれば、これは消費電力を抑えることを優先したため。それでも、Jaguarコアでは、各CPUコアと2次キャッシュインタフェースへのアクセスを4バンク構成にすることで、より効率的なキャッシュ利用ができるようになっている。

 2次キャッシュを大容量化し、頻繁に利用される大きなデータを2次キャッシュに格納できるようになり、パフォーマンスアップを図れるだけでなく、メインメモリへのアクセスを最小限に抑えることで、省電力動作の実現にも寄与するとされる。

og_jaguar_008.jpgog_jaguar_009.jpgJaguarの2次キャッシュは完全に新設計となり、インタフェースはコアクロックと同じスピードで動作するようになったほか、4バンク構成により効率的なキャッシュアクセスを実現する

og_jaguar_010.jpg従来のBobcatコアとの比較。28ナノメートルプロセスの採用で、コアサイズは3.1平方ミリまでコンパクトになった

関連キーワード

Intel対AMD | AMD | APU | Temash | Kabini | 省電力


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とにかく小さく、軽く、そして速い一眼レフ――「EOS Kiss X7」

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 ミラーを搭載するデジタル一眼「レフ」カメラの弱点として、以前から「大きい」「重い」「難しい」の3つが挙げられていた。「難しい」については各社がフルオート機能の充実やユーザーインターフェースの改良で改善を進めたが、「大きい」「重い」はミラーを搭載するという機構的な問題があるので、ある程度以上は難しいと思われていた……のだが、やればできるじゃん!と思わせてくれたのがこの「EOS Kiss X7」。なにしろAPS-Cサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラとしては「世界最小最軽量」(同社)だ。

photo「EOS Kiss X7」

 スマートフォンとのサイズ比較などは既にフォトレビュー記事が掲載されているのでそちらを参照してもらいたいが、手にしてみるととにかくコロンとかわいらしく、軽く、小さい。マウント系自体が他社マウント比べて大きめで、小型化に不向きなEFマウントを採用しながらよくぞここまで小さくしたものだと感心してしまう。

 その本体サイズは約116.8(幅)×90.7(高さ)×69.4(奥行き)ミリ、約370グラム(本体のみ、バッテリー及びメモリカード装着時は約407グラム)。既存EOS Kissシリーズをミニチュアとしたようなフォルムであって、一見すると高倍率ズームレンズを搭載したレンズ一体型のブリッジカメラを見るような感覚に陥るかもしれない。

 同時発表されたEOS Kiss X7に比べると小型化のために、バリアングル液晶の非搭載、背面操作ボタンの簡略化などが行われており、撮影設定に関していえばメニュー画面に多くを頼るスタイルとなっている。ハードウェアとしてボタン類が用意されているのは、撮影モード、ISO感度、露出補正などだ。

photophoto正面(写真=左)と背面(写真=右)。背面十時キーにドライブなど特定の機能は割り振られていない

 とはいえ背面液晶はタッチパネルに対応しており、また「Q」(クイック)設定も既存モデルと同様に導入されているため、ホワイトバランスや測光、AFモード、ドライブなどはメニューの階層を降りることなく設定できる。ボタン類が増えるとどうしてもカメラボディのサイズが大きくなるので、どれを残すか検討を重ねた結果、この仕様に落ち着いたと思われる。

STMレンズでライブビューでも高速AF

 撮像素子はAPS-Cサイズ(約22.3×14.9ミリ) 有効1800万画素CMOSセンサー。撮像面に位相差AFセンサーを搭載しており、位相差AFによっておおまかな測距を行い、その後にコントラストAFによって追い込むことでライブビュー/動画撮影時のAF速度向上を図る「ハイブリッドCMOS AF」を利用できる。

 このハイブリッドCMOS AFはEOS Kiss X6iから導入されているが、X7では撮像面AF可能エリアがライブビュー表示範囲の縦横80%まで拡大された「ハイブリッドCMOS AF II」となっている。また、キットレンズ「EF-S18-55mm F3.5-5.6 IS STM」はステッピングモーターを搭載しており、組み合わせ時にはライブビューでも高速にAFが合焦する。

 さすがにソニー「NEX-5R」やオリンパス「OM-D E-M5」などAF速度の速さに定評あるミラーレス機に比べると、ライブビュー時のAF速度はやや遅い気もするが、十分に実用的な速度。それに背面液晶を使ってのタッチAFおよびタッチシャッターも利用できるので、ミラーレス機やスマートフォンのような操作感覚で写真を撮れる。

photo背面液晶を使ってのタッチAFも可能 タッチパネルの反応は機敏
photoライブビューならば、任意の画面端の被写体へピントを合わせることもできる
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日本市場向け「Surface Pro」、海外版よりもオトク価格なのはなぜ?

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「PCみたいなタブレット」と「タブレットみたいなPC」

photo発表会で展示していたSurface Pro

 既報の通り、日本マイクロソフトは5月29日、Windows 8 Pro搭載タブレット「Surface Pro」を2013年6月7日に国内発売すると発表した。128GバイトSSDまたは256GバイトSSDを搭載する2種類を用意し、想定実売価格はそれぞれ9万9800円と11万9800円となる。

 製品発表会ではSurface Proの製品説明やプロモーションのほか、Surface RTの反響やWindows 8の販売状況などを説明した。

 発表会で最初に登壇した日本マイクロソフト 代表取締役社長の樋口泰行氏は、まず2013年3月に発売した「Surface RT」に売り上げについて「Surface RTの販売実績は順調に推移している。発売直後は30代や40代の男性を中心に売れていたが、最近では20代、30代の女性など幅広い層が売り場に来ている」と好調ぶりをアピールした。

 同社がTwitterで製品に関するつぶやきを分析したところ、競合のタブレット端末に比べて製品を評価するポジティブな内容や、購入意向を示す内容が多いというデータを得たという。「特にキーボード付きカバーやOfficeに対して好意的な意見が多い。タブレットでありながら、PCのように使える部分に評価が集まっている」(樋口氏)

 樋口氏はSurface ProとSurface RTの違いを「PCのように使えるタブレットがSurface RTだとすれば、Windows 8 Proやフル版のOfficeを搭載するSurface Proは“タブレットのように使えるPC”という位置付けだ」と表現した。この2台はデザインが共通するものの、そのコンセプトは真逆とも言える。質疑応答で「どちらがより売れると思っているか」と問われた樋口氏は「Proがこれから出るものなので想像はつかない。ただ、戦いたい敵に勝つことを考えるとSurface RTが売れてほしいところ」と述べた。

photophotophoto日本マイクロソフト代表取締役社長の樋口泰行氏(写真=左)。Surface RTはSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)上で好評だったという(写真=中央)。Surface RTとSurface Proはコンセプトがまったく違う2台に仕上がっている(写真=右)

 諸外国より発売時期が3〜4カ月遅れたことについては、夏商戦に合わせたことや製品の供給体制を固めるために時間をかけたことが理由だとした。「広告も過去最大級の投資を行う。Surfaceで新たな市場を切り開き、成長させることでPC、タブレット市場全体の盛り上げに寄与できればと思っている」(樋口氏)

待っていてくれたユーザーへの“サプライズ”

photo製品説明は同社執行役 コンシューマ&パートナーグループ リテールビジネス統括本部長 兼 コミュニケーションズパートナー統括本部長の横井伸好氏が行った

 Surface ProとSurface RTは、OSのほか扱えるアプリケーションの数(Surface Proは通常のWindowsアプリケーションを利用できる)やディスプレイの解像度、インタフェースの種類などが異なるが、Surface Proは電磁誘導式のスタイラスペンによるペン入力(筆圧検知対応)ができることも大きな特長だ。

 同社執行役 コンシューマ&パートナーグループ リテールビジネス統括本部長 兼 コミュニケーションズパートナー統括本部長の横井伸好氏は「従来のデスクトップアプリケーションは、ボタンやアイコンが小さかったりとタッチ操作に最適化されていないものが多い。そういうときにペン操作は便利だ。まるで紙に書いているかのような感覚で書ける」とペン入力機能をアピール。解像度は600dpiで、線を拡大しても滑らかな表示になるという。

 また横井氏は、日本向けモデルの特徴であるOffice Home and Business 2013のプリインストールと256Gバイトモデルの投入について「Surface Proの投入を長く待っていただいた皆さまへの“サプライズ”」と説明し「メインPCとしても問題のないスペックで、ビジネスにおいてもフルスペックのWindows PCとしてお使いいただけるマシンだ」とアピールした。

photophotophotoSurface Proには電磁誘導式のデジタイザスタイラスが付属する(写真=左)。製品の右側面に磁力でくっつく(写真=中央)。ペン入力を試してみたが、確かに程よい抵抗ですらすらと文字が書けた(写真=右)
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EU、Googleの改善案に不満 競合排除の是正徹底求める

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REUTERS

 欧州連合(EU)の独占禁止法監督機関は、米GoogleがWebにおける競合を締め出そうとしているという申し立てについての3年にわたる調査を終了させるため、Googleに一層の譲歩を求める見込みという。EUの副委員長兼競争担当委員を務めるホアキン・アルムニア氏が語った。

 アルムニア氏は、Googleによる是正案が不十分だという他社からの批判を認め、Googleに対して是正案の改善をほぼ確実に要求すると語った。

 Googleは4月、インターネット検索の結果に表示する自社製品にラベルを付けることや、広告主によるGoogleと競合するプラットフォームへの移行を容易にすることを提案した。

 この提案は、Googleが競合を排除しようとしているという米Microsoftをはじめとする多数の企業からの申し立てを受けたEUが調査に乗り出したことに続くものだ。

 価格比較会社の英Foundemやオンライン地図サービスの独Hotmapsを含む競合企業は、Googleの是正案は競合同士の競争を引き起こし、広告主らのGoogleへの依存度を高めると主張した。

 申し立てた業界団体のICOMPは、Googleの是正案は反競争的懸念を和らげられるものではないとみている。ICOMPは、Microsoftほか4社が所属するロビー団体だ。

 ICOMPの顧問弁護士、デビッド・ウッド氏は「Googleの是正案は明らかに不十分だ。この是正案が有効性を持つレベルにまで状況を改善できるとは到底考えられない」と語った。

 EUは当初、是正案に対する意見の受付期間を5月26日までとしていたが、競合企業らからの強い要求を受けて期限を6月27日に延長した。

 アルムニア氏は5月28日の欧州議会でのヒアリングで「競合から受けた意見を分析した後、ほぼ100%の確率でGoogleに対し、是正案の改善を要求することになるだろう」と語った。

 Googleの広報担当者、アル・バーニー氏は、問題解決のために欧州委員会と引き続き協力していくと語った。

 問題解決とは、Googleが独禁法に違反していないと認められ、罰金を課せられないという意味だ。違反しているということになれば、Googleは50億ドルもの罰金を課せられることになる。

 アルムニア氏はまた、GoogleのAndroidに関する公式な調査を開始するかどうかは、まだ決定していないとも語った。

 「われわれは、Androidエコシステムに関する幾つかの問題についての正式な申し立てを受けている。現在この問題に取り組んでいるが、まだ正式な調査を開始するかどうかは決めていない」(アルムニア氏)

 先月、MicrosoftとフィンランドNokiaを含む企業グループが、欧州委員会に対しGoogleが携帯電話における健全な競争を阻止していると申し立てた。

 米調査会社のCanalysによると、Android搭載端末は、世界のスマートフォン市場で60%のシェアを持っているという。米Appleのシェアは19%だ。

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“スマホアプリ+アクセサリー=アプセサリー”を簡単に開発できる無線ソリューション

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 スマートフォンのアプリ開発が盛んになる中で、スマートフォンには搭載されていないセンサーなどをスマートフォンと連動させ、新しいアプリ、サービスを提供しようとする動きも活発化しつつある。スマートフォンアプリと連動する周辺機器/アクセサリーを指す“アプセサリー”(App-ccessory)という新しい言葉も登場している。

 しかし、アプセサリーという言葉はあるものの、アプセサリー自体は、あまり利用されていない。というよりも、製品化されているアプセサリーの数自体が少ないのが現状だ。アプセサリーの製品化が進まない要因の1つは、「無線対応」という壁が立ちはだかっていることにある。

 機器に無線機能を搭載するには、自ら無線ICを購入し、各種無線規格に沿ったソフトウェアを開発しなければならない。しかし、高周波回路や複雑な規格に準拠するソフトを開発するには、かなり高度な技術が要求される。アプセサリーを企画するアプリベンダーにとって、そういった技術は専門外だ。

 そこで、無線に関わる全てのハード、ソフトを搭載し、無線規格や電波法の技術基準に適合しているとの認証、いわゆる「技適」を取得済みの無線モジュールが販売されている。この無線モジュールをアプセサリーに組み込むことで無線対応は実現できるのだが、新たな問題が発生する。それは、コストとサイズだ。アプセサリーを構成する場合、無線モジュールの他に、アプセサリー本来の機能を制御、処理するプロセッサやセンサーを搭載しなければならない。部品コスト、基板サイズは大きくなってしまう。無線モジュールに搭載されるプロセッサに本来の機能を制御、処理させることも可能だが、その場合は無線プロトコルなど各認証に関わる部分を含めたソフト開発が必要となり、無線の知識が必要になる。さらに無線モジュールメーカーにとっては、カスタム対応となるため、小ロットの製造には応じてもらえない。

通信プロトコルスタック部分を完全に隔離

tt130530NORDIC01.jpg「Soft Device」のイメージ (クリックで拡大)

 ノルディックセミコンダクターは、これら無線対応アプセサリーの開発を妨げる要因を取り除く技術「Soft Device」を開発した。このSoft Deviceは、認証に関わる通信プロトコルスタック部分とその上位のアプリケーションソフトウエア部分を完全に切り分けることができる技術だ。通信プロトコルスタック部分が完全に隔離されているため、アプセサリー開発者が無線モジュール側にアプリケーションソフトを追加する際も、無線規格への対応を意識せずに済み、無線モジュールがあらかじめ各認証を取得していれば、開発者側で認証取得などの手間も一切生じない。

 同社では2012年から、Soft Deviceに対応する無線IC「nRF51シリーズ」を製品化。同シリーズは、多くのスマートフォンで対応が本格化しているBluetooth Smart(Bluetooth low energy)対応品やPAN向け無線通信プロトコル「ANT+」対応品がピンコンパチでそろう。nRF51シリーズは、CPUにARM Cortex-M0、フラッシュメモリ256KByte(一部、128KByte)を搭載する。Bluetooth Smartのプロトコルスタックのメモリー占有量は、「80KByte程度であり、150KByte程度をユーザースペースとして利用できる」という。

tt130530NORDIC02.jpg国内モジュールメーカー5社が製品化した「nRF51シリーズ」搭載無線モジュール (クリックで拡大)

 さらに、「ワイヤレスジャパン2013」(2013年5月29〜31日、東京ビッグサイト)で、このnRF51シリーズを搭載した無線モジュールを日本国内のモジュールメーカー5社が製品化したと発表した。富士通コンポーネント、ホシデン、SMK、太陽誘電、Braveridgeの5社の無線モジュール製品はいずれも、Bluetooth Smart規格認証、技適認証を取得済み。無線モジュールにアプリケーションソフトを組み込み、必要に応じてセンサー、バッテリーなどを接続し、筐体に収めれば、アプセサリーが開発できる。

「“MAKERS”の流れにも合った画期的なソリューション」

 「無線モジュールは、500円程度の価格で1個から手に入れることができる。ユーザー側で面倒な規格認証作業なども必要なく、アプリケーションソフト開発も一般的なARMコア搭載マイコン用のツールが使えるため、個人でもBluetooth Smart対応機器を作ることができる。3D CADや3Dプリンタなどを使って個人でモノを作る“MAKERS”の流れにも合った画期的なソリューションだ」という。

 ノルディックセミコンダクターは、アプセサリー分野以外にも、ラジコンやリモコンなど潜在的な無線化ニーズを持つあらゆる用途に対し、モジュールメーカーと連携して提案していく予定。さらにモジュールを購入したユーザーに対しても、「ブランクスペース」と呼ぶユーザーアプリケーション部分の開発に関しては、ノルディックセミコンダクターがサポートを行っていく。

tt130530NORDIC03.jpgtt130530NORDIC04.jpgtt130530NORDIC05.jpgワイヤレスジャパン2013で展示したnRF51シリーズ採用事例。左は、カメラのシャッターリモコンでの応用例。中央は、エムティーアイが今夏に発売する髪留め型の活動量計アプセサリー。右は、25セント硬貨サイズの無線タグ「Stick-N-Find」。スマートフォンとタグまでの距離をレーダー画面で表示するアプリと連動し、鍵など失いやすい小物やペットを探索する製品。既に海外では販売中で、日本でも7月にメディアブリッジから発売される予定 (クリックで拡大)

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脆弱性放置のRuby on Railsが標的に、Webサーバを狙うボット攻撃が横行

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 Webアプリケーション開発フレームワーク「Ruby on Rails」の脆弱性が放置されているWebサーバを狙った攻撃が、最近になって激化しているという。セキュリティ研究者が5月28日のブログで指摘した。

 Ruby on Railsでは1月に極めて深刻な脆弱性が発覚し、修正のためのアップデートが公開された。しかし、米Matasano Securityのセキュリティコンサルタント、ジェフ・ジャーモック氏が自身のブログで指摘したところによると、このアップデートを適用せずに脆弱性を放置したままのWebサーバがまだ相当数存在すると見られ、それを狙った攻撃が今になって浮上した。

 この攻撃に遭ったサーバは、リモートのサーバから不正なファイルをダウンロードして実行し、Internet Relay Chat(IRC)に接続してボットネットに加担させられる。コマンドに従ってファイルが実行されたり、サーバが変更されたりする恐れもあるという。

 このボットには認証を実行する仕組みがないことから、誰かがその気になれば簡単にボットを乗っ取って、コマンドを出すことも可能だとジャーモック氏は指摘。「つまり、何カ月も前に公になり、警告が出されていた脆弱性に対するストレートな攻撃」だと位置付ける。

 ネット上の掲示板などでは実際に、攻撃に遭ったとみられるサーバの不審な挙動についての報告が相次いでいる。

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