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スマートフォンに夢中になれないベテラン管理者の事情

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 モバイル端末が企業に浸透するにつれてITの業務内容は変化し、デスクトップ管理者もこの流れに乗らざるを得なくなっている。

 BYOD(私物端末の業務利用)制度を正式に導入していない組織でも、管理者は従業員によるスマートフォンやタブレットを使った企業データへのアクセスに対応しなければならない。ほとんどのユーザーはモバイル端末だけでなく従来のデスクトップPCも使っているため、どの端末でも一貫した管理、サポート、セキュリティを実現しなければならない。


Nokiaの携帯端末事業を買収したMicrosoftの思惑

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両社トップが会見で語った買収劇の思惑

 米Microsoftが9月2日(現地時間)、フィンランドNokiaの携帯端末事業を買収すると発表した。買収総額は54億4000万ユーロ(約72億ドル)に上る。両社は2年半前に提携して以来、Microsoftの携帯端末用OS「Windows Phone」を搭載したスマートフォンの開発・販売で協業してきたが、一層のテコ入れを図るためにMicrosoftがNokiaの関連事業を買収する格好となった。

 両社の発表によると、Microsoftは現金37億9000万ユーロでNokiaの全社売上高のおよそ半分を占める携帯端末事業を買収するほか、Nokiaに特許使用料として16億5000万ユーロを支払う。また、MicrosoftはNokiaから約3万2000人の従業員を受け入れ、Nokiaのスマートフォンブランド「Lumia」を残す見通し。買収の手続きが完了するのは2014年1〜3月期の予定だ。

 これによって、Microsoftはスマートフォン分野においてOSだけでなくデバイスそのものに本格参入する。同社にとっては、ゲーム機「Xbox」、タブレット端末「Surface」に続くデバイスへの本格的な取り組みとなる。

スティーブ・バルマーCEOスティーブ・バルマーCEO

 今回の買収劇をめぐっては、スマートフォン分野に出遅れたMicrosoftが同分野で優位に立つGoogleやAppleを追撃するのが最大の狙いと見る向きが多い。さらにGoogleやAppleはタブレット端末市場でも優位に立っており、これまでPC市場で圧倒的な存在感を保持してきたMicrosoftとはいえ、これらデバイスのパラダイムシフトが起きつつある中で早急の対応が迫られている、との見方が少なくない。

 確かに、デバイスの観点からすると、こうした見方はその通りだろう。Microsoftもスマートフォン市場で確固たる存在感を持ちたいと考えているからこそ、今回の動きに出たのは間違いない。ただ、同社が今回の動きに出たのは、デバイスの観点だけではない思惑もあるようだ。その思惑は、フィンランドのエスポーで開かれたNokiaとMicrosoftの共同記者会見での両社トップの発言にも表れている。

 「スマートフォン市場が激変する中、Nokia単独では投資力が限られる。端末市場を発展させるには、OS、エコシステム、クラウドサービスとの連携が不可欠だ。Microsoftにはその力がある」

 こう語ったのは、Nokiaのリスト・シラスマ会長だ。一方、Microsoftのスティーブ・バルマーCEOは「今回の買収はMicrosoftの変革にとって非常に重要な出来事だ」と強調。また、「フィンランドにあるデバイス開発拠点は、Microsoftのスマートフォン開発の中核を担う。加えて欧州向けのデータセンターをフィンランドに新設する」ことも明らかにした。

キーになるデバイスとサービスの関係

 両トップの発言の中で筆者が注目したのは、「クラウドサービスとの連携」と「Microsoftの変革」である。今回の動きとこの2つの言葉を掛け合わせると、Microsoftが今スローガンとして掲げている「デバイス&サービス会社への変革」が浮かび上がってくる。ちなみに、サービスとはクラウドサービスのことである。

 このスローガンについてはすでに多くの解説がなされているが、今回の動きや日本マイクロソフトが9月2日に発表したSurfaceの法人市場向け販売などを受けて、同社が9月5日に都内ホテルで開いたパートナー向けイベントの講演で、樋口泰行社長が語っていたポイントを紹介しておこう。

 樋口氏によると、デバイス&サービス会社への変革とは、従来のソフトウェアに変えてデバイスとサービスを展開するのではなく、ソフトウェアを軸にしてフロントエンドにデバイス、バックエンドにサービスが広がっていくイメージだ。そこで最も重要なポイントは、ソフトウェアを軸にデバイスとサービスが分断することなくシームレスにつながっていることである。

 「シームレスにつながることで、お客様には多様なデバイスからオンプレミスベースのソフトウェア、クラウドサービスをさまざまな形で組み合わせて提供でき、それらを用途に応じて選んでいただける。これがマイクロソフトならではのデバイス&サービス事業だ」(樋口氏)

 改めて、なぜMicrosoftはスマートフォンやタブレット端末といったデバイス事業に打って出たのか。それはデバイスのパラダイムシフトもさることながら、スマートフォンやタブレット端末が従来のPCにも増してクラウドサービスとより密接に連携もしくは一体化するデバイスだと判断したからではないか。

 今後、Microsoftがバックエンドの領域だけで事業を進めるのならば、デバイスに執着しないでもいいだろう。しかし、それはこれまでWindowsとOfficeで多くのユーザーのバックエンドもフロントエンドも支えてきた同社にとってありえない話だ。

 デバイスで存在感を持てなければクラウドサービスも広がらない。逆に、クラウドサービスを大きく広げるためにはデバイスでの存在感が不可欠になる。そういう時代に突入したのだ。

 Microsoftにとってやっかいなのは、同社より先にGoogleやAppleがそのことを認識していたと見受けられることだ。特に企業向けでは、Googleとの一騎打ちになる可能性がある。ただ、MicrosoftにはWindowsとOfficeを中心とした企業顧客ベースで圧倒的な強みがある。それをどう生かすか。もしくは生かせないまま衰退の途につくか。今回の事業買収は、その分水嶺ではないだろうか。

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まとめ買いで電力を安く手に入れる、一括受電の秘密とは

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一括受電とは?

 一括受電とは、電気の契約を、マンション住戸ごとではなく、「マンション一棟」と電力会社との契約に切り替える仕組みだ。安価な電力をまとめて購入し、マンション居住者が割安な電気を利用できるサービスである。

 多くのマンションの居住者は電力会社との間で、「電灯契約」と呼ばれる低圧契約を結んでいる。この低圧契約をマンション単位でまとめると50kW以上になり、高圧契約に切り替えることができる。なお、商業ビルや大規模事務所などで50kW以上の電力使用量がある場合の契約を高圧契約、2000kW以上の電力使用量がある場合の契約を特別高圧契約という。

 例えば、低圧の電力単価が26円/kWh、高圧の単価が19円/kWの場合、高圧契約に切り替えることで約7円/kWhの差益が生まれる。

yh20130909Tdenryoku_cut_505px.jpg図1 一括受電マンションのメリット。出典:中央電力

 図1の中央に示した電力単価の差(削減分)が、電力料金の値下げの源泉になる。一括受電のサービスを提供する事業者は、低圧契約と高圧契約から生じる電力単価の差を使って、変圧器の設置などの必要な設備投資を行う。マンション居住者は基本的に電気料金以外には負担はなく、管理組合と一括受電サービスの事業者がその削減メリットをシェアするというビジネスモデルである。

 市場調査会社である富士キメラ総研の予測では、一括受電を既に導入済みのマンションと、2013年末までに導入予定のマンションの戸数は合計して約28万7000戸に達する。その内訳は新築が約8万7000戸、既存マンションが約20万戸である(図2)。

yh20130909Tdenryoku_bar_571px.jpg図2 一括受電マンションの導入数と予測。出典:富士キメラ総研「一括受電サービス市場の動向2013年版」より

 同社の予測では、2017年には約74万戸に達するという。日本の分譲マンションは600万戸以上もあるので、市場規模が大きな事業領域として注目がされている。

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「1GPUでとことんまで目指すならコレ」――「N780GTX Lightning」がとにかく高評価

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“カスタム性込みでGTX 780カード最強”な「N780GTX Lightning」がデビュー

photoMSI「N780GTX Lightning」

 先週、グラフィックスカードでもっとも注目を集めていたのは、MSIのGeForce GTX 780カード「N780GTX Lightning」だ。価格は10万円弱。

 N780GTX Lightningはオリジナルの3連ファン「Tri Frozr」を採用したオーバークロック向けモデルだ。GPU側16フェーズ+メモリ側3フェーズの電源回路や、標準用とOC用で切り替えて使える「ツインBIOS」、リアルタイムで電圧測定できる「V-チェックポイント」を備えるほか、電力供給を強化する追加基盤「GPU Reactor」を同梱するなど、独自の付加価値を多数盛り込んでいる。スロット2段をやや超える厚みがあり、補助電源は8ピン×2。標準コアクロックはリファレンスから117MHz高い980MHzで、GPU Boost時は最大で1033MHzとなる。メモリクロックはリファレンスどおりの6008MHzで、容量は3Gバイトだ。

 GTX 780カードのなかでも高価なカードながら、入荷初日から各ショップで売り切れや品薄が心配されるほどの反響があった。パソコンショップ・アークは「定格仕様でいえば、GTX 780カードでも標準コアクロックが1000MHzを超えているモデルはいくつか登場していますが、OC時の冷却性や電源の安定性を考えると、N780GTX Lightningは間違いなく最強の一角に入りますね。チューニングの幅広さやチェック手段の多さを含めるとナンバーワンといえるでしょう」と高く評価する。

 店内にデモ機を置いているTSUKUMO eX.も「もちろんシングルGPU最強はGTX TITANカードですが、原則リファレンスカードしかありません。ベンダー側の粋を集めたモデルという見方をすると、N780GTX Lightningはグラフィックスカード全体で考えてもかなりいい線をいく製品といえますね。FF14をはじめとしたPCゲーム特需も後押しして、このクラスではかなり好調に売れています」と話していた。

photophotophotoN780GTX Lightningの基板とボックス内。本体の大きさと付属品の多さに、箱自体の気合いの入った作りが重なって、通常の2倍近くの厚みがある(写真=左、中央)。TSUKUMO eX.でデモ中のN780GTX Lightning(写真=右)
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世界レベルの戦いはかくも厳しい――それでも東大チームの挑戦は続く

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フリースケール・カップ世界大会の各国参加チームとサポートスタッフ

 半導体メーカーのFreescale Semiconductor(以下、フリースケール)が開催するロボットカー競技会「The Freescale Cup(フリースケール・カップ)」の世界大会が、2013年8月22〜23日にかけて中国のハルビンで開催された。

 日本代表の東京大学チームは、前日練習までにハプニングが続き、本戦に向けたロボットカーの調整に向けた作業を順調に進められなかった。まさにアウェーの洗礼と言っていい。前回の前日練習までの様子に続き、今回は本戦の結果についてお伝えする。


本戦結果の前にルール確認

 本戦結果の前に、フリースケール・カップがどういったロボットカー競技会なのかを簡単に説明しておこう。

 フリースケール・カップでは、一般的なロボットカー競技会と同様に、あらかじめ決められた範囲内の部品を使用してロボットカーを開発する。フリースケールの32ビットマイコンを搭載する制御ボードや、モーターを駆動するアナログボードの他、実車の8分の1スケールのシャシー、タイヤ、競技コースの車線を認識するためのラインカメラモジュール、競技コースを照らすLEDライト、走行用のモーター、出力電圧7.2V/容量3000mAh以下の二次電池モジュール(ニッケル水素電池もしくはニッカド電池)などを使用する。

 開発したロボットカーは、競技コースの中央を走る車線をラインカメラで認識しながら自律走行することになる。参加チームは、ロボットカーの走行タイムを競うわけだ。

フリースケール・カップ世界大会に参加した9カ国のチームのロボットカーフリースケール・カップ世界大会に参加した9カ国のチームのロボットカー(クリックで拡大)

 ここまでの説明だけを見れば、フリースケール・カップは他のロボットカー競技会とほぼ変わらないように思える。しかし、その最大の特徴は競技コースにある。

 一般的なロボットカー競技会は、競技コースの詳細が参加チームにあらかじめ知らされている。各チームは、その競技コースで最大の能力を発揮できるようなロボットカーのハードウェアや制御ソフトウェアを開発することになる。

 一方、フリースケール・カップの競技コースは、中央に黒色の車線が引かれているさまざまなタイルを組み合わせて作られる。競技コースのタイルは、直線やカーブ、交差路、シケインの他に、表面がでこぼこで安定走行が難しいものや、斜度が15度以内の傾斜路などが用意されている。ただし、競技コースのレイアウトは、大会直前まで参加チームに知らされない。つまり、参加チームは、どんなレイアウトの競技コースであっても速く走行できるようなロボットカーを開発する必要があるのだ。

sp_130910freescalecup_02.jpgsp_130910freescalecup_03.jpgフリースケール・カップの競技コース例。左側は前日練習で使用したコースである。右側は本戦当日の練習用コースだ(クリックで拡大)

搭載ボードの違いによる差

 フリースケール・カップの世界大会は、日本大会からレギュレーションが一部変更されている。日本大会では、自動車のボディ系システム向けの32ビットマイコン「MPC5604B」を搭載する評価ボード「Bolero(ボレロ)」と、ボレロに対応するアナログボードの使用が義務付けられていた。これらが「フリースケールの32ビットマイコンを搭載する制御ボードと対応するアナログボード」に変更されたのだ。

 変更の理由は、世界大会に参加する9カ国のうち、5カ国の予選で異なる評価ボードとアナログボードを使用していたためだ。この異なる評価ボードとは、ARMの32ビットマイコン向けプロセッサコア「Cortex-M0+」を用いた「Kinetis Lシリーズ」を搭載する「Freedom(フリーダム)」である。

 ボディ系システム向けマイコンのMPC5604Bと汎用マイコのンKinetis Lシリーズは、プロセッサコアや動作周波数、メモリ容量などに違いはあるものの、処理能力はほぼ同じと言ってよい。しかし、ロボットカーの性能を左右する、もっと大きな差が存在する。フリーダムボードは、ボレロボードと比べてサイズがかなり小さいのである。

 対応アナログボードも含めれば、重量とサイズの違いは相当なものになる。ロボットカーに使うシャシーやモーター、電池、タイヤなどは同じものを使うことを考えれば、より小さいフリーダムボードの方が、ロボットカーを軽量かつ低重心にでき、競技を有利に進められる。

ロボットカーに搭載するボードのサイズ比較ロボットカーに搭載するボードのサイズ比較。左側がボレロボードを搭載するメキシコ代表、右側がフリーダムボードを搭載するEMEA代表のロボットカーである(クリックで拡大)

 今回の世界大会に参加する各国チームのロボットカーについて、使用するボードの種類によって分けてみた。

[フリーダムボードを使用]

  • 米国代表:カリフォルニア大学バークレー校
  • 台湾代表:国立台湾科技大学
  • マレーシア代表:スインバン大学
  • EMEA(欧州、中東およびアフリカ)代表:スロバキア工科大学
  • 中国代表:北京科技大学と中南民族大学(決勝参加チームを本戦前の準決勝で決定)

[ボレロボードを使用]

  • 日本代表:東京大学
  • インド代表:バンナリ・アンマン工科大学
  • メキシコ代表:メキシコ国立工科大学
  • ブラジル代表:サンパウロ大学応用科学部

 今回の世界大会は、こういったハードウェア面における性能差を容認した上で実施されているのだ。

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“曲面”は薄型テレビの最先端?――サムスンの場合

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 韓国のSamsung Electronics(サムスン)は、独ベルリンで開催された「IFA 2013」で2つの“曲面”薄型テレビを披露した。これまで、薄型テレビでは「Flat」(フラット)という表現が使われてきたが、今回はそのさらに先の時代を行くという意味を込めて「Curved」(カーブ)という言葉を全面に押し出してきた印象すら受ける。

ts_samsung02.jpgts_samsung01.jpg曲面有機EL(フルHD)とIFA開幕前日の記者会見の様子

 サムスンは、開催に先立つ9月6日に現地で記者会見を開き、同社の家電戦略について説明を行った。その場では、すでに発表済みの曲面有機EL(OLED)の実機展示に加え、4Kテレビ戦略、そして大画面テレビとしては最大級となる98V型、110V型の新モデル発表などがトピックだった。

 中でも大きく取り上げられていたのは、1月の「International CES 2013」で参考展示が行われ、その後、実際に製品発表が行われた曲面有機EL(OLED)テレビの55V型最新モデル。「Ultimate Picture Experience(究極の映像経験)」「Timeless Arena Design(悠久の闘技場のようなデザイン)」といったキャッチコピーでその映像品質の高さをアピールしており、とかく「Ultimate」というキーワードがアピールされていたのが印象的だった。

ts_samsung05.jpgts_samsung04.jpg以前から同社がアピールしてきた、3Dメガネを使って2人同時に別のコンテンツを視聴できる「Multi View」にも対応した

 大画面テレビを曲面にしたのは、映画館の大スクリーンをイメージしたもの。ただし、よく見るとパネルそのものの曲率よりも周囲を支えるフレーム部分の曲がり具合が大きく、実際以上に画面が湾曲している印象を与える。このあたりは、デザイン上の工夫といえそうだ。

ts_samsung03.jpgts_samsung06.jpg展示会場で横から見ると、パネルそのものの曲率よりも周囲を支えるフレーム部分の曲がり具合が大きいことが分かる(右)

 また展示会場では、同社初の4K有機ELテレビ「UHD OLED TV」を初めて披露した。もっとも、こちらの画面は湾曲していない。

ts_samsung07.jpgts_samsung08.jpg4K有機ELテレビ「UHD OLED TV」はフラット

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第6回 Surface Proって「誰得」マシン?

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Surface Proのメリットとデメリット

photo今回はSurface Proの「いいところ」と「ダメなところ」を総括する

 「Surface Pro」の特徴について一通り触れたところで、今回は本機の強みと弱みを整理してみよう。

 Surface Proは日本マイクロソフトの樋口社長が「タブレットのようなPC」と表現する通り、Kickstandやオプションのキーボードカバーにより、“タブレットとしてもノートPCとしても使える”という特徴を持つ。そのため、本機はAtom搭載のWindows 8タブレットやモバイルノートPCそれぞれに対して有利な点と不利な点が出てくる。

 以下に、それぞれの有利/不利なポイントをまとめてみた。もちろんここに挙げた特徴は一般的な傾向であって、当てはまらない機種もある。

Surface ProとAtom搭載Windows 8タブレットの比較
<ココが有利><ココが不利>
高性能重い
キーボードカバーが使いやすいバッテリーが短い
スタンド内蔵比較的高価

Surface ProとモバイルノートPCの比較
<ココが有利><ココが不利>
(比較的)軽いバッテリーが短い
筆圧検知対応のペン入力ボディの発熱
タッチ操作がしやすいインタフェースがやや少ない(特にUSBポート)

 Surface Proはx86/x64対応の一般的なWindows用ソフトウェアを難なく動かせるだけの性能(SSD搭載のUltrabook程度)を持つが、持ち運びやすい小型のボディ+タッチ操作というタブレット的性格も持つために、バッテリーやインタフェースといった面はモバイルノートPCよりも不利になる。ボディも発熱しやすい。

 このように整理すると、Surface Proが向くユーザーが見えてくる。まず、

  • OSがWindowsである必要があるか
  • PC並みの性能が必要か

 という2点が重要となる。メールチェックやWebブラウジング、アプリでゲームといった用途であれば、「iPad」や「Nexus 7」などのiOS/Androidタブレットで事足りる。Windowsで有利な点として挙げられるOfficeについても、閲覧を中心にちょっと編集するくらいならばAtom搭載Windows 8タブレットで十分だ。使いたいソフトがWindowsのみの対応で、長文を打つ作業や動画/写真など趣味的な作業も快適にこなしたいという場合にはSurface Proが向いている。

photo筆圧検知のペン入力もSurface Proを選ぶ決め手になる。ペン入力とCPUの処理能力が両方求められるシーンは意外と多い

 「それなら高性能なUltrabookを買えばいい」と思うシーンがあるのは確かだが、Surface Proはタブレットならではの強みもある。バッグから取り出しやすく、タッチ操作でWebブラウジングも快適だ。電車内で座って使うならばSurface Proの方が使いやすい。カジュアルなタブレットでは物足りないが、高性能なモバイルノートPCを持ち歩くほどではない——こういったユーザーは意外といるのではないか。

 また、筆圧検知対応のペン入力もSurface Proを買う決め手になり得る。外出先で絵を描く、頭の中のイメージを手書きのメモで整理する、という用途にぴったりだ。デスクトップ画面の小さなメニューやボタンを押すのにも、細いペン先を使ったタッチ操作が役立つ。

 ペン入力はビジネスにも向く。法人向けモデルの発表会では、ビジネスにおけるSurface Proのメリットとして「契約時のサインをタブレットで記入できる」というコメントもあった。OSに業務用途に適したWindows 8 Proを採用していることもあり、ビジネス用のモバイルノートPCとして旧機種から買い換えるのであれば、十分に活躍してくれるはずだ。

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日産がNISMOブランドのスマートウオッチを開発、スマホ連携で車両情報を表示

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日産自動車のスマートウオッチ「NISMO Watch」

 日産自動車は2013年9月9日(欧州時間)、モータースポーツ子会社であるNISMOブランドのスマートウオッチ「NISMO Watch」を開発したと発表した。同年9月10日から開催される「フランクフルトモーターショー」でコンセプトモデルを公開する。

 NISMO Watchは、走行効率、平均速度、燃料消費量の他、テレマティクスデータなどの車両情報、内蔵の心拍計で計測した心拍を表示できる。車両との連携は、車両と接続したスマートフォンの専用アプリとBluetooth Low Energyを介した通信で行う。TwitterやFacebookなどのSNSと連携する機能も備えている。

 リチウムイオン電池で動作し、Micro USBインタフェースを使って充電できる。満充電であれば、通常の利用で7日間動作し続けるという。本体色は3種類用意されており、黒、白、そしてNISMOカラーの赤/黒がある。

sp_130909nissan_01.jpgsp_130909nissan_02.jpg日産自動車のスマートウオッチ「NISMO Watch」(クリックで拡大) 出典:日産自動車

バイオメトリックトレーニングをNISMOファンへ

 NISMOでは、ドライバーのパフォーマンス向上のために、バイオメトリクス計測を活用したトレーニング(バイオメトリックトレーニング)を行っている。このバイオメトリックトレーニングを、NISMOブランドのファンが体験できるようにするために開発されたのがNISMO Watchである。

 バイオメトリックトレーニングから、NISMO Watchのようなウェアラブルデバイスへの展開を計画している技術が3つある。1つ目は、心電図を使って早期に疲労の兆候を見つけ出すというもの。2つ目は、脳波計によって集中力や感情の波を検知し、「完全に集中した状態(In The Zone)」になることを支援する技術だ。3つ目になるのが、皮膚温度の計測による、体幹温度と水分量の推定である。

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PS4、日本で2014年2月22日発売 4万1979円

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 ソニー・コンピュータエンタテインメントは9月9日、据え置き型ゲーム機の新機種「プレイステーション 4」(PS4)を日本で2014年2月22日に4万1979円(税抜き3万9980円)で発売すると発表した。

photoプレイステーション 4
photo

 PlayStation Camera同梱版も4万6179円で発売する。

 欧米での発売から約3カ月遅れることになるが、ソニー・コンピュータエンタテインメントジャパンアジアの河野弘プレジデントは、ソフトのそろい具合などを考慮してこのスケジュールに決めたと説明。「発売まで少し時間をいただくことになる」として、日本向けにソフトのDLコードなどを同梱した「PlayStation 4 First Limited Pack」を発売することを明らかにした。

 PS4は米国で11月15日に399ドル、欧州で同月29日に399ユーロ/349ポンドで発売される。ソニーの平井一夫社長は最近、北米・欧州で100万台ずつ予約が入っていることを明らかにしている。

 また新型PlayStation Vitaの新型も発表した。10月10日発売で、1万9929円。

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現地でチェック――「Xperia Z1」の“ここ”が知りたい

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 ドイツ・ベルリンで開催中の家電展示イベント「IFA 2013」で特に大きな注目を集めたスマートフォンの1つが「Xperia Z1」だろう。幸運にもドイツでZ1を試用する機会を得たので、操作感やベンチマークテスト結果などを簡単にまとめた。なお、カメラについては別途レビューする予定だ。

サイズ感はどう? 持ちにくくない?

 前モデルの「Xperia Z」は、全体的にボディが角張っており、少々持ちにくかった。Zのオムニバランスデザインを継承しているXperia Z1についても、持ちやすさを気にする人は多いだろう。

 結論から言うと、Z1はZよりも“持ち心地”が向上している。その要素は2つある。1つは側面を斜めにカットしていること。Zでは側面の角が手に当たってしまうが、Z1では角を削いでいるので、手のフィット感が良くなっている、2つ目が4隅の丸み。Zでも球体状にカットしており丸いが、Z1ではさらに丸くなっており、手のひらに当たっても違和感がない。

 また、Zでは右側面にある電源キーとボリュームキーが手に当たって邪魔……という声が聞かれた。Z1にもほぼ同じ場所にこれらのキーがあるのだが、いずれのキーもZより小さくなっており、違和感が軽減されている。

 一方でボディの幅はZの71ミリから74ミリに増えており、ここはもう少し頑張ってほしかった。

photophoto側面と4隅の角が削がれているので持ちやすい

ソフトウェアは変わった?

 ホームのUIは、基本的にXperia Zから変わっていないが、グラフィックのテーマは新しいものが用意されている。また、グローバル版には日本向けのXperiaにはない「スタミナモード」を搭載している。このモードに設定すると、ディスプレイが消灯したときにモバイルデータ通信とWi-Fiをオフにしてくれる。さらに、スタミナモード有効時にも、設定で一部のアプリを例外的に通信可能な状態にすることもできる。メールの受信やSNSの更新情報を逃したくないといった場合に便利だ。

photophotophoto左からロック解除画面、ホーム画面、アプリ一覧
photophoto新しいテーマが用意されている
photophotophoto設定画面(写真=左、中)。おなじみのスモールアプリも利用できる(写真=右)
photophotophotoグローバル版のXperiaに搭載されている「スタミナモード」。指定したアプリをスタミナモード時で有効にできるほか、バッテリー残量に応じてスタミナモードが自動で有効になる設定もある
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トレンドは液晶&電子ペーパー? スマホ向け電子ペーパーカバーが続々披露

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 ドイツ ベルリンで開催中の「IFA 2013」(2013年9月6〜11日)。ソニーモバイルの「Xperia Z1」やSamsung Electronics(サムスン)のスマートウォッチ「GALAXY Gear」、パナソニックの“4Kディスプレイ”搭載Windows 8.1タブレット「TOUGHPAD 4K」など世界最大級のコンシューマー・エレクトロニクスショーにふさわしく新製品の発表が相次いでいるが、電子ペーパー関連でも幾つか興味深い製品が登場している。

 電子ペーパーと言えば、先日E Inkが電子ペーパーの弱点の1つとされてきた“リフレッシュ現象”をほぼ解消した「E Ink Carta」を発表。Amazon.comが今月から発売する第2世代「Kindle Paperwhite」に搭載されることが分かっている。

 しかし、IFA 2013で披露された電子ペーパーベースの製品は、電子ペーパー端末ではなく、電子ペーパーを用いたスマートフォン向けカバーが話題を集めていたようだ。

 その1つが、独PocketBook Internationalが披露していたGalaxy S 4用アクセサリー「Pocketbook Cover Reader」。同社は以前から電子ペーパー端末を複数リリースしており、最近ではカラー電子ペーパー「E Ink Triton 2」を搭載した専用端末「Pocketbook Color Lux」を、今回のIFAではタブレット「PocketBook SURFpad」も発表している。

Pocketbook Cover ReaderPocketbook Cover Reader

 Pocketbook Cover ReaderはGalaxy S 4向けのカバーアクセサリーで、内側には4.3インチの電子ペーパーが付属。本体から電源の供給を受け、サブディスプレイとして利用できるイメージだ。基本的には本体側のPocketBookアプリで表示しているものをこのディスプレイにも表示させるようだが、不在着信やSMS受信などの情報も表示できるという。

Alcatel One Touch Heroに取り付けられた電子ペーパーカバーAlcatel One Touch Heroに取り付けられた電子ペーパーカバー

 また、中国の大手電子機器メーカーTCL CommunicationsはAndroidスマートフォン「Alcatel One Touch Hero」を披露。こちらのオプションとして電子ペーパー付きのカバーが披露されている。

 OnyxのようにE Inkディスプレイを搭載したAndroidスマートフォンをリリースしているところもあるが、昨今のトレンドは、液晶と電子ペーパーの二刀流のようだ。しばらく動向が注目される。

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まさかの情報流出に備えるサイバー保険はどこまで補償してくれる?

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 企業におけるサイバーセキュリティリスクは、今や自然災害などの主要リスクをしのぐ問題と見なされている実態が、サイバーセキュリティについての調査報告「Managing Cyber Security as a Business Risk: Cyber Insurance in the Digital Age」(ビジネスリスクとしてのサイバーセキュリティ管理:デジタル時代のサイバー保険)で浮き彫りになった。

もし“普通の公立中学”がiPadで英語授業を始めたら

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 2014年度に県立高校の全入学生約7000人がWindows 8タブレットを授業で利用するなど、教育現場へのIT導入に積極的なことで知られる佐賀県。ただし、県下の全ての学校が、十分な数のIT機器を導入/活用しているわけではない。佐賀市立大和中学校もその一例だ。同校は、教員が自己負担で購入した6台のタブレットを授業に生かすべく知恵を絞っている。

 教育現場へのIT活用を実践する教育者チーム「iTeachers」が2013年8月に開催した教育関係者向けイベント「iTeachers カンファレンス 2013 Summer」で、大和中学校の英語科教諭である中村純一氏が講演。iPadを活用した英語授業の取り組みを披露した。

iPad導入の経緯:“アンフューチャースクール”で何ができるかを模索

第4回 ケータイ、スマホの2台持ちでどこまで節約できるか

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 LTEスマホ(※1)の料金節約法を考える本連載。第4回では、LTEスマホと通話専用ケータイを持つという「2台持ち」のメリットを検証します。7月4日にウィルコムが「LTE(SoftBank 4G)+PHSスマホ」を発表したので、まずはこのウィルコムのLTEスマホ向け料金プラン2つを、他社の料金プランと比較してみましょう。

※1 本記事で扱うLTEスマホは、ソフトバンクモバイル、ウィルコムのAndroidスマートフォン(4G/AXGP=TD-LTEと互換性あり)も含みます。

■ウィルコムLTEスマホの料金プランと他社LTEスマホの料金比較
項目会社(機種名)NTTドコモauソフトバンクモバイル(iPhone 5)イー・モバイル(STREAM X)ウィルコムウィルコム
契約プラン料金プラン名タイプXiにねんLTEプランホワイトプラン(i)LTE電話プラン(にねん)ウィルコムプランLiteウィルコムプランD+
インターネット接続名spモードLTE NETS!ベーシックパック(i)データ定額5ウィルコムプランLiteウィルコムプランD+
パケット定額サービス名Xiパケ・ホーダイ ライトLTEフラットパケットし放題フラット for 4G LTEデータ定額5+LTEスマホ割ウィルコムプランLiteウィルコムプランD+
料金内訳基本使用料780円980円980円980円980円980円
無料通話分なしなしなしなしなしなし
30秒あたりの通話料21円21円21円18.9円21円21円
無料通話の範囲なし1〜21時 au同士1〜21時 ソフトバンク同士24時間 イー・モバイル同士24時間 ウィルコム(PHS)同士24時間 ウィルコム(PHS)同士
インターネット接続料315円315円315円なし315円315円
パケット定額サービス4935円5985円5460円2900円2980円/1980円(6カ月)5985円/5460円(2年間)
通信量の制限3Gバイト7Gバイト7Gバイト5Gバイト1Gバイト7Gバイト

Photo1台のスマホの中にSoftBank 4GとPHSが入った2機種

 それぞれ新規契約時の代表的な料金プランやパケット定額サービスに契約することを想定しています。ソフトバンクモバイルとイー・モバイルは機種によって料金が変わるので、「iPhone 5」「STREAM X」との契約を想定しました。イー・モバイルのSTREAM Xの場合、バリュースタイルで購入(一括払いか24回払い)し、LTE電話プラン(にねん)+データ定額5との組み合わせでは「LTEスマホ割」が適用されますので、パケット定額料を980円引いています。またウィルコムの場合、料金プランの中にインターネット接続料やパケット定額が含まれているので、同じプラン名です。

 表を見ると、ウィルコムプランLiteのパケット定額の安さが際立っているのが分かります。しかも、キャンペーンのおかげで契約から6カ月間は月1980円になります。また、PHS回線が利用できるスマートフォンでは、後述する通話定額「だれとでも定額」に加入できます。

 デメリットは、以下の通りです。

  • 2013年9月時点のLTEスマホのラインアップが2台のみ。うち1台はPHSで通話ができない=「だれとでも定額」が使えないSTREAM。9月19日発売の「AQUOS PHONE es」はLTE(SoftBank 4G)に対応していません。ですからLTEスマホを安く使う、となると実質「DIGNO DUAL2」一択になります。
  • 3年の継続契約が条件
  • 1Gバイトというデータ通信量の制限
  • オプションのテザリングにかかる料金が月525円

 通信量が1Gバイトを超えると他のケータイ会社と同様、通信速度が128kbpsに制限され、高速通信に戻すには0.1Gバイト(100Mバイト)ごとに315円がかかります。

 ウィルコムプランD+は他社の料金プランと変わりませんが、通信料の制限が7Gバイトまでと余裕があり(超過後は2Gバイトごと2625円で高速通信に戻る)、テザリングも2年間は無料になります。ただ、こちらはスマホで映画を見たり、テザリングをどんどん使うようなユーザー向けのプラン。こうした使い方をしないなら「ウィルコムプランLite」でいいでしょう。今回の連載記事では、「ウィルコムプランLite」をウィルコムの主な料金プランとして紹介します。

ウィルコムの料金プランは長電話派にもオススメか?

 それではこの料金プランで「1台持ち」で通話をしてみましょう。まず1日連続60分、30日で1800分の長電話をする「もっとも料金がかかるパターン」の場合を考えてみます。すべて他社ケータイへの通話だと以下のような料金になります。

■30日で1800分(1日60分)電話した場合の通話料
項目会社(機種名)NTTドコモauソフトバンクモバイル(iPhone 5)イー・モバイル(STREAM X)ウィルコム(DIGNO DUAL2)
契約プラン料金プラン名タイプXiにねんLTEプランホワイトプラン(i)LTE電話プラン(にねん)ウィルコムプランLite
インターネット接続名spモードLTE NETS!ベーシックパック(i)データ定額5ウィルコムプランLite
パケット定額サービス名Xiパケ・ホーダイ ライトLTEフラットパケットし放題フラット for 4G LTEデータ定額5+LTEスマホ割ウィルコムプランLite
割引サービスなし通話ワイド24Wホワイト通話定額オプションだれとでも定額
料金内訳基本使用料780円980円980円980円980円
無料通話分なしなしなしなしなし
30秒あたりの通話料21円10.5円10.5円18.9円(10分超過後)21円(10分超過後)
インターネット接続料315円315円315円なし315円
パケット定額サービス4935円5985円5460円2900円2980円(1980円/6カ月)
割引サービス料金0円980円980円1400円980円
1日60分×30日の通話料7万5600円3万7800円3万7800円5万6700円6万3000円
合計料金30日後の合計料金8万1630円4万6060円4万5535円6万1980円6万8255円/6万7255円

 ドコモ以外はそれぞれ通話料が安くなる割引サービスに加入しています。イー・モバイルは1回10分、月300回まで他社とも無料で通話ができる「通話定額オプション」(月1400円)、ウィルコムの場合は1回10分、月500回まで他社とも無料で通話ができる「だれとでも定額」(月980円)に加入し、1日60分のうち10分は無料と計算しました。

 30秒あたりの通話料が下がらないので、この場合はウィルコムでもそれほど安くなりません。

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「Nexus 7(2013)」の液晶を測色器でチェック――初代機やiPad miniと比較

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液晶ディスプレイの高画質化に注力した新型Nexus 7

Nexus 7(2013)左が「Nexus 7(2013)」、右が「Nexus 7(2012)」。ボディは薄型軽量に、液晶ディスプレイは高解像度になった

 8月28日に国内販売が始まった「Nexus 7(2013)」は、先代の「Nexus 7(2012)」から各部を着実に強化し、手堅いモデルチェンジを果たした。価格は上昇したものの、7型Androidタブレットとしての完成度もそのぶん高まっている。

 PC USERでは既に製品レビューを掲載済みだが、今回は数ある強化点の中でも特筆すべき液晶ディスプレイの画質について、先代のNexus 7(2012)と比較しながら調べていく。

 新旧Nexusの液晶ディスプレイに関する仕様は下表にまとめた。

Nexus 7(2013)とNexus 7(2012)の液晶ディスプレイ
製品名Nexus 7(2013)Nexus 7(2012)
画面サイズ7型ワイド7型ワイド
画面アスペクト比16:1016:10
液晶パネル方式IPSIPS
画面解像度1920×1200ドット1280×800ドット
画素密度約323ppi約216ppi
表面仕上げグレアグレア

 いずれも画面サイズは7型ワイド、アスペクト比は16:10、液晶パネルは広視野角のIPS方式を採用する。2製品で異なるのは、画面解像度と画素密度(表示の細かさ)だ。Nexus 7(2013)は1920×1200ドットで約323ppi、Nexus 7(2012)は1280×800ドットで約216ppiと、画面サイズはそのままに解像度を2.25倍も高めている。Nexus 7(2012)の表示もなかなかの精細さだが、Nexus 7(2013)は使用中にドットを意識することがない非常に緻密な表示だ。

Nexus 7(2013)Nexus 7(2012)左が約323ppiのNexus 7(2013)、右が約216ppiのNexus 7(2012)でPC USERの右カラムにあるランキングの一部を同じサイズに表示した例(クリックすると拡大表示)。Nexus 7(2013)ではここまで拡大しても、多数のドットで美しく文字が描かれているのが分かる

測色器で新旧Nexus 7の液晶ディスプレイを比較

 まずはエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」を使って、新旧Nexus 7のディスプレイ表示を計測した。

 i1ProはAndroid OSに対応しないため、新旧Nexus 7にWindows PCの外部ディスプレイとして利用できるアプリを導入し、PC用ソフトウェア「i1Profiler」からi1Proを制御することで、タブレット内蔵ディスプレイの表示を計測している。ディスプレイのキャリブレーションを行おうというわけではなく、あくまでi1Proを計測器として使っている点に注意していただきたい。

 今回は2台のNexus 7(2013)を入手できたため、液晶パネルの個体差も考慮し、2台とも計測した。とはいえ、すべての製品にこの計測結果が当てはまるわけではない点はお断りしておく。

 テスト結果は下表の通りだ。計測に使ったi1Proは、実際の輝度より少し低めの値を出す傾向があるので、輝度の値は各製品の明るさの比較用として参考程度に見ていただきたい。また、ここでのコントラスト比は一般的なディスプレイのコントラスト比の計測方法と異なり、単純に最大輝度と最低輝度の差だ。

i1Proで計測した各製品の輝度、コントラスト比、色温度
製品名Nexus 7(2013)1台目Nexus 7(2013)2台目Nexus 7(2012)
輝度510カンデラ/平方メートル504カンデラ/平方メートル266カンデラ/平方メートル
コントラスト比1009:1976:1751:1
色温度7299K7524K7512K
白色点 x座標0.3010.2980.301
白色点 y座標0.3190.3180.307
※xとyの値はCIE XYZ表色系(CIE 1931)のxy色度図における座標

 Nexus 7(2013)は2台とも最大輝度が500カンデラ/平方メートルを超えており、非常に明るい。室内ではまぶしすぎるので、実際の利用シーンでは、内蔵の照度センサーによる自動調光機能を使うとよいだろう。Nexus 7(2012)も十分な明るさだが、見比べると一目で輝度の違いが分かる。

 色温度については、業界標準の色規格「sRGB」で定められている色温度(6500K)より高めだ。特にNexus 7(2013)の2台目とNexus 7(2012)は約7500Kとなっており、Nexus 7(2013)の1台目と比較して、白色の表示がやや青っぽい。Nexus 7(2013)の1台目も6500Kより少し高めで、白に赤みが少ないすっきりした表示となっている。

Nexus 7(2013)左がNexus 7(2013)、右がNexus 7(2012)の最大輝度表示。Nexus 7(2013)のほうがかなり明るい ※写真のNexus 7(2013)は1台目、2台目はほとんど変わらないため、写真は割愛(以下、同様)

 i1Proの計測結果からガンマ補正カーブを抜き出したのが以下の画像だ。グラフは映像信号の入力と出力の関係を示しており、左下の0(白)から右上の255(黒)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが正確で階調の再現性が高い。RGBの各線がずれると、映像信号の色とズレた色が表示されたり、美しいグラデーションが描けなくなる。

Nexus 7(2013)Nexus 7(2013)Nexus 7(2012)i1Proの計測結果から抜き出したガンマ補正カーブ。左がNexus 7(2013)の1台目、中央がNexus 7(2013)の2台目、右がNexus 7(2012)のグラフ

 計測後のガンマ補正カーブは、2台のNexus 7(2013)が良好な結果だ。RGBの3本がほとんど重なって直線を描いており、素直な階調表現が期待できる。Nexus 7(2012)は、中間階調が少々乱れているが、それでも2万円を切るタブレットとしてはまずまずの表示傾向といえる。

Nexus 7(2013)左がNexus 7(2013)、右がNexus 7(2012)のモノクログラデーション表示。Nexus 7(2013)は暗部から明部まで滑らかなグラデーションを描いている。Nexus 7(2012)はところどころバンディングが見られる

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Opera、“iPadにふさわしい”WebKit採用ブラウザ「Coast」をリリース

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 ノルウェーOpera Softwareは9月9日(現地時間)、iPadに最適化したWebブラウザ「Coast」を発表した。日本語を含む18カ国語版が米AppleのApp Storeで公開された。

 coast Coast(日本語版)の画面

 同社の他のWebブラウザがレンダリングエンジンに米Googleの「Blink」を採用しているのに対し、Coastでは純粋な「WebKit」を採用した。

 画面にはツールバーやボタン類がなく、非常にシンプル。起動ページにはiOSのホーム上のアプリアイコンのようにお気に入りサイトへのショートカットアイコンを配置できる。これらのアイコンはホームのアイコンと同じユーザーインタフェースで移動したり削除したりすることが可能だ。

 デザインはシンプルだがタブを閉じる際などにかなり凝ったアニメーションが表示される(下の動画で見ることができる)。

 Operaのプロジェクト&チームマネジャーを務めるハイブ・クラインハウト氏は、iPadはタッチ操作向けに設計されているのだからiPad向けブラウザにはボタン類は不要だと考え、シンプルでエレガントなiPadのためにデザインした完全に新しいブラウザを構築することを目指したとしている。Coastのサポートページには、“iPadに必須のブラウザ”と表示されている。

 OperaがiPad向けのブラウザを開発していることは今年の1月にPocket-lintが報じていた

 なお、CoastはOpera miniに取って代わるものではなく、Opera miniも並行して提供を続ける。

関連キーワード

Opera | ブラウザ | iPad | WebKit


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オリンパス、一眼レフを統合するフラグシップ「OLYMPUS OM-D E-M1」

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 オリンパスは9月10日、マイクロフォーサーズ規格に準拠したデジタルカメラ「OLYMPUS OM-D E-M1」を10月上旬より販売開始すると発表した。ボディキャップレンズ「BCL-1580」を同梱したボディのみ、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3EZ」との12-50mm EZレンズキット、新レンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」との12-40mm F2.8レンズキットが用意され、いずれも価格はオープン。

 実売想定価格はボディのみが14万5000円前後、12-50mm EZレンズキットが17万円前後、12-40mm F2.8レンズキットが22万円前後。12-40mm F2.8レンズキットのみ10月下旬の販売開始となる。

photo「OLYMPUS OM-D E-M1」(12-40mm F2.8レンズキット)

新製品は2012年春に発表された「OLYMPUS OM-D E-M5」(レビュー)の上位にあたる製品であり、2010年秋に発表された同社トップエンドのデジタル一眼レフ「OLYMPUS E-5」の後継ともなる製品。E-5の系譜を継ぐ製品として、フォーサーズとマイクロフォーサーズいずれのレンズにおいてもオートフォーカスが動作する新AFシステム「DUAL FAST AF」を搭載している。

 「DUAL FAST AF」は新開発の有効1628万画素 Live MOSセンサーの撮像面に搭載された37点の像面位相差AF用センサーとコントラストAFを併用するAFシステムで、レンズや設定に応じて位相差/コントラストのAF方式が選択(状況によっては併用)される。像面位相差AFはフォーサーズ規格のレンズを装着した際に自動選択され、その速度はE-5に迫り、また、F2.0クラスのレンズを装着した際にはE-5以上の精度を発揮するという。ただ、レンズマウントはマイクロフォーサーズ規格であり、フォーサーズ規格のレンズを装着する際には「MMF-3」などマウントアダプターが必要となる。

photophoto

 マイクロフォーサーズ規格のレンズを装着した際には自動的にコントラストAFが選択され、測距点はOM-D E-M5の35点から81点へと大幅に増加している(81点中37点は像面位相差AFと同じ位置にある)。コントラストAF時のオプションとしては、スモール/グループターゲットのほか、より小さな被写体へのピント合わせに利用できる「スーパースポット」が新たに用意された。なお、マイクロフォーサーズ規格のレンズを装着した状態で被写体追尾AF(C-AF)を選択すると、像面位相差/コントラストAFの併用モードとなる。これによって被写体への追従性が向上し、かつ、最大6.5コマ/秒の連写が可能となっている。

 OM-Dの特徴でもあるファインダーも大きく進化した。液晶パネルの解像度は236万画素と高精細で、ファインダー倍率も35ミリ換算0.74倍とフルサイズ機に匹敵する値となっている。表示タイムラグも約0.029秒と高速だ。バックライトの自動輝度調整機能を搭載することでOVFに近い感覚を提供するほか、30段階の色相調整と8段階の彩度調整をリアルタイムに行いEVFから確認できる新機能「カラークリエーター」、HDR撮影時にはダイナミックレンジを拡大した映像をプレビュー表示できるなど、EVFならではの機能も搭載されている。

 画像処理エンジン「TruePic」は「TruePicVII」へと進化した。新センサーとの組合わせもあり従来機では高感度撮影時に発生した色ヌケを改善したほか、さらになる低ノイズ化も進めた。画像処理技術「ファインディテール処理」も「ファインディテールII」への進化し、レンズごとに異なる倍率色収差を自動的に行うほか、レンズ/絞り値に応じたシャープネス処理も施すことで高い解像感を実現する。

photo

 5軸のボディ内手ブレ補正はOM-D E-M5から継承し、シャッター4段分(CIPA基準)の補正効果を発揮する。また、新たな制御アルゴリズムの導入によってOM-D E-M5に比べて低速シャッター時の手ブレ補正効果が高くなっている。流し撮りに対しても補正方向を自動補正する「IS-AUTO」も搭載する。シャッタースピードは最速1/8000秒。

 ボディはマグネシウム合金製で各所にシーリングを施されており、防じん、防滴、−10度での動作を保証する耐低温性能も兼ね備える。Wi-Fi機能も搭載しており、スマートフォンアプリ「OLYMPUS Image Share」を利用すれば撮影画像転送のほか、スマートフォンからのリモート操作なども行える。

 そのほか同社独自の表現手段である「アートフィルター」「フォトストーリー」も引き続き搭載。アートフィルターには新たに左右にぼかしを発生させる「ジオラマII」が追加された。HDRについてもダイナミックレンジを拡大する「HDR1」と強く強調することで絵画のような写真とする「HDR2」の2つを利用できる。

 背面液晶は上下可動のチルト式(3型/104万画素)でタッチパネル対応。本体サイズは130.4(幅)×93.5(高さ)×63.1(奥行き)、約497グラム(付属充電池およびメモリカード含む)だ。

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802.11ad「WiGig」普及推進、USBもディスプレイも室内すべてワイヤレス化──2014年機器登場へ

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photoWi-Fi Allianceのケリー・デイヴィス フェルナー氏

 Wi-Fi(無線LAN)機器の技術策定、認定、推進活動などを行うグローバル団体 Wi-Fi Allianceは9月10日、60GHz帯無線を使用する無線通信規格「WiGig(802.11ad)」の認定ブランド名を「WiGig CERTIFIED」に決定したと発表。2014年に最初の総合運用性プログラムをリリース予定、かつWi-Fi Alliance加入ベンダーよりWiGig対応製品群が登場する予定と告知した。

 WiGigは理論値最大約7Gbps、ギガビットクラスの高速な伝送速度と低レイテンシを特長とする次世代近距離高速無線伝送規格の1つ。2013年3月、Wi-Fi Allianceが60GHz帯に関する活動──技術と拡張、その認定プログラムの策定作業をWireless Gigabit Allianceより引き継ぎ、2.4GHz/5GHz帯で推進するWi-Fi(802.11acなど)とシームレスに連携するよう規格の標準化を進めている。2014年以降に登場するWi-Fi関連の無線通信機器の多くは、Wi-Fi(2.4GHz帯/5GHz帯)とWiGig(60GHz帯)の両方に対応する製品群として登場することが見込まれる。

 「シームレスに切り替えられる仕様が重要な要素。比較的近距離(同じ部屋)で使用することを想定したWiGigの通信可能エリアから外れても、最大200メートルほどをカバーするWi-Fi(802.11acなど)に切り替わり、セッションを維持する。特に消費者としてもベンダーとしても、2つの主要規格のどちらも同じ組織で認定されているのがポイント。2018年には無線通信対応機器における上位モデルの半数が2.4G/5G/60GHz帯を使用できるマルチバンド対応機器になると予想している」(Wi-Fi Alliance マーケティングプログラムマネジメントディレクターのケリー・デイヴィス フェルナー氏)


WiGig CERTIFIEDロゴphotoWiGig接続の内容WiGig対応製品の認定ロゴ(写真=左) WiGig認定プログラムは2014年にリリース予定。60GHz帯のWiGig(802.11ad)から2.4G/5GHz帯のWi-Fi(802.11n/acなど)へセッションを切らず、シームレスに切り替えられる仕様を標準実装する(写真=中央、右)

 まずはWi-Fi/WiGigの相互運用性の確保と規格化に努める。Wi-FiとWiGig双方に対応した機器はWiGigの60GHz帯からWi-Fiの2.4G/5GHz帯への自動セッション転送を可能とし、2つの規格をシームレスに切り替えて使用可能に。端末同士および通信機器(ルータなど)と端末間の相互運用性を確保する。WiGig CERTIFIEDはタブレット、テレビ、PC、スマートフォンなど、Wi-Fi機器と同様の幅広い製品群を認定可能とする。

 続いて、WiGigドッキングステーション(ワイヤレスで既存周辺機器やディスプレイなどを接続できるワイヤレスアダプタ的な機器)、WiGigディスプレイ(ワイヤレスで接続可能なディスプレイ。非圧縮ビデオのストリーミング/ミラーリング再生などを想定)、シリアルバス(ワイヤレスでのシリアル接続)、SD/PCI Express経由での入出力といった追加アプリケーションに対応するための標準化も進める。プログラムは旧WiGig Allianceが当初プロトコル・アダプテーションレイヤー(PAL)として開発した仕様を使用する方針。追加の認定プログラムは2015年以降に開始する。

photoWi-Fi+WiGig両方対応のロゴphoto日本のWi-Fi Allianceメンバー企業は105社(全世界約550社) Wi-Fi+WiGig両方対応機器向けのロゴ(写真=中央)多くはWi-Fi+WiGig両方に対応した機器となるという。今後、ドッキングステーション/ディスプレイ/シリアルバス/SD・PCI Express経由の入出力もWiGig標準仕様に盛りこむ計画(写真=右)
WiGigドッキングステーションのデモWiGigドッキングステーションのデモ60GHz帯チップセットベンダーのWilocityが示したWiGigドッキングステーションのデモ。4Kコンテンツを再生するPCとドッキングステーションをWiGigで接続、ドッキングステーションとDisplayPort接続にてディスプレイに4Kコンテンツを出力している
802.11ad無線アクセスポイントの検証機802.11adはスループット約6.5倍を実現WilocityとDisplayLinkが示したWiGig製品のデモ802.11adを含むトライバンド対応無線アクセスポイント評価機に、WiGig(60GHz帯802.11ad)+Wi-Fi(802.11n)それぞれにセッションを張ったPCでデータコピー時のスループットを比較。同一条件下で802.11adは約6.5倍のスループットを実現していた
photoUSBおよびDisplayPortとWiGigを連携させ、ワイヤレス化を実現する活動も推進する。

 このほか、USB規格の標準化を担うUSB IF(USB Inplementers Forum)、およびディスプレイなどビデオ周辺機器の標準化を担うVESA(Video Electronics Stndards Association)と連携して標準化を進める方針も明らかにした。

 USB IFとは、Media-Agnostic USB Specification(メディアに依存しないのUSB仕様)の基盤形成のため、WiGig Serial Extension Specification(WiGigのシリアル拡張仕様)を移管。VESAとは連携協定を締結し、DisplayPortとWiGigを連携。WiGigディスプレイ拡張仕様を実装した製品の実現を計画する。


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スマートフォンのカギになる「デザイン」「色」 それが意味するもの

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REUTERS

 明るい色、珍しい質感、パーソナライゼーションなどの特徴を備えたスマートフォンが広がりを見せつつある。スマートフォン市場が混戦模様となり、メーカー各社がデザイン性に頼り始めたことの表れだ。

 デザイン性で得点を稼ごうとしている企業には、米AppleやGoogle傘下のMotorolaも含まれる。その背景には、成熟期に入ったスマートフォン市場においては、形勢を一変させるような技術革新を達成するのがますます難しくなっているという事情がある。

 タッチスクリーン搭載の初のスマートフォンとしてiPhoneが2007年に発売されて以来、ソフトウェアの機能性は簡単に複製できるようになり、今では速度や重量、画面サイズ、解像度などで改善を図るのが当たり前になってきている。右にならえの製品が爆発的に増加したことで、利益幅が縮小し、Appleや韓国Samsung Electronicの市場シェアも徐々にかじり取られつつある。

 そんな今こそが絵筆を取り出すタイミングだ。

 Appleは9月10日に開催する発表会への招待状を報道関係者らに送っているが、このイベントで発表されるとみられる新型「iPhone」は、恐らくゴールドも含め、これまでよりも多くのカラーバリエーションが提供されると噂されている。

 かつての市場リーダーであり、現在はGoogleの傘下にあるMotorolaは、「Moto X」でユーザーの奪還を狙っている。Moto Xは本体カラーをカスタマイズできるほか、近いうちに刻印によるカスタマイズも提供され、背面カバーには木製などの珍しいテクスチャ素材が用意される。

 デザインコンサルタント会社Ammunitionの創業者であり、かつてAppleのインダストリアルデザイン部門の責任者を務めていたロバート・ブラナー氏によれば、「パーソナライゼーションは製品の独自性が薄れてきたときに採用されるお決まりの戦略」という。

 「製品がライフスタイルに組み込まれ、日用品化が始まった時点で、企業は差別化のため、あるいは少なくともより多くのユーザーにリーチを広げるために、より表面的なデザイン要素に目を向けるようになる」と同氏は語る。同氏のこれまでの顧客には、Amazon.com、Dell、Nikeなどが含まれる。

 「色を取り入れるのが常套手段だ。色のバリエーションを適切なタイミングで上手に用意すれば、例外なく売り上げの大幅増につなげられる」とブラナー氏は指摘する。

 今回、新型iPhoneをめぐる憶測の大半が色と素材に集中しているのは、2012年に画期的な新機能に対する期待が高まったのとは極めて対照的だ。

パーソナライゼーションが鍵に

 家電業界は技術革新が激しく、外見の美しさに頼るのはせいぜい、指紋による本人確認やホログラフィック、フレキシブルディスプレイなど、しばしば話題に上がる新技術が現実になるまでの応急措置だ。

 調査会社IDCによると、世界のスマートフォン出荷台数は2013年4〜6月期に前年同期比で52%増加したという。だが仏Alcatel Lucentから中国Huaweiに至る各社がGoogleのAndroid OSを搭載する似たような端末を数多く開発する中、市場は飽和状態に近づきつつある。

 調査会社Gartnerのアナリスト、カロリーナ・ミラネージ氏は次のように語る。「ユーザーの目の前には、どれもこれも同じようなソフトウェアと機能を備えた、黒や白の長方形の端末が溢れている。ここで人々の注目を集めるためには、瞬時に目を引く要素が必要だ。その役割を果たすのがデザインとスタイルだ」

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copyright (c) 2013 Thomson Reuters. All rights reserved.

(翻訳責任について)
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統合の強い意志を示す製品だ――「OLYMPUS OM-D E-M1」発表会

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 既報の通り、オリンパスが新製品「OLYMPUS OM-D E-M1」を発表した。ミラーレスカメラの新製品というだけではなく、これまで一眼レフ「E-System」とミラーレス「PEN」「OM-D」と2つのレンズ交換式デジタルカメラを投入してきた同社にとって、その両者を「統合」(同社 代表取締役社長執行役員 笹宏行氏)する大きなマイルストーンとなる製品だ。

photo「OLYMPUS OM-D E-M1」

発表会の席にてオリンパスイメージング開発本部長の杉田幸彦氏は「レンズ交換式デジタルカメラの市場は一眼レフではなくミラーレスがリードしている」と市況データを示し、そのなかで同社一眼レフ用レンズ「ZUIKO」とミラーレス用レンズ「M.ZUIKO」の性能に自信を示しながらも、一眼レフ/ミラーレスを飛び越えてレンズ性能を100%引き出すボディが不在であることを課題と挙げた。

 その解決策として同社が考案したのが、撮像面に搭載された像面位相差AF用センサーとコントラストAFを併用することでZUIKO/M.ZUIKOレンズの能力を最大限に引き出せる「DUAL FAST AF」システムであり、その搭載にふさわしいフラグシップ機の開発だった。

 フラグシップにふさわしい画質を実現すべくセンサーと画像処理エンジンも新開発し、236万画素の大型高精細ファインダーまでも搭載した。さらにはWi-Fi機能と、OM-D E-M5で実現していた防じん防滴に加えて耐低温性能も盛り込み、そのフラグシップ機は「OLYMPUS OM-D E-M1」として登場することとなった。

photophoto「DUAL FAST AF」(写真=左)、公開されたPROシリーズの追加されたレンズロードマップ(写真=右)

 また、同時に杉田氏からは「M.ZUIKO PRO」と名付けられた、高性能な新レンズシリーズの投入も発表された。第一弾はE-M1のキットレンズ設定もされている大口径標準ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」で、同じくF2.8通しの望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO」が2014年に販売される。ロードマップには「広角ズーム」「超望遠レンズ」も登場しており、少なくとも4本の投入を計画している。

 「統合」というキーワードを口にした笹社長は「一眼レフからの撤退とは考えていない」と延べ、「あくまでも統合であり、その意志を示す製品」とOM-D E-M1が同社レンズ交換式デジタルカメラの象徴的トップモデルであるとの位置づけを語る。開発本部長という要職にある杉田氏も、フォーサーズ規格のZUIKOレンズの生産販売は継続していくと述べた。

photoOM-D E-M1と対応レンズ群を紹介する笹社長

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