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ブログ、この10年――ステマ騒動が炙り出したブログの存在価値

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 アジャイルメディア・ネットワークが主催する「ブロガーサミット2013」が8月24日、東京の渋谷で開催された。会場にはおよそ1000人のブロガーが集まり、盛り上がりを見せた。パネルディスカッション[1]「ブログ〜この10年〜」では、2003〜2013年までのブログ界隈にまつわる10年の振り返りが行われ、パネルディスカッション[2]「個人ブログからブログメディアへ」 では、個人ブログがメディア化していく事例が紹介された。

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出先の“バッテリー切れ”で泣かないために――タブレット向け大容量モバイルバッテリー、4種を試す

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 スマートフォンやタブレットは、その便利さゆえについつい長く使い続けてしまう。朝起きたらまずはメールやソーシャルメディアをチェックし、移動中はネットニュースを見たりゲームで遊んだり……。四六時中、使いまくっているという人も多いだろう。

 しかし、である。夜が近づくにつれ、「あれ、家に帰るまでバッテリー持つかな?」という不安がわき上がる。特に、タブレットを仕事で使うようになると、この問題の影響は大きくなる。バッテリー切れで私的な連絡がとれなくなるのは仕方がない。しかし、「タブレットのバッテリーが切れてて仕事のメールの返信ができませんでした」「タブレットでするはずのプレゼンテーションができませんでした」ではすまされない。電源のある喫茶店を探す時間も、行く時間もなかったらどうする?

 そんなときこそ「モバイルバッテリー」の出番だ。電源コンセントから事前に充電(蓄電)しておき、いつもはカバンに忍ばせておく。あとは好きなタイミングでタブレットに接続し、電力を供給するという、あのガジェットだ。

タブレットをモバイルバッテリーで充電するときのポイント3つ+α!

Photo主要スペックはパッケージ裏面などに書かれている

 万一に備えて、タブレット充電用のモバイルバッテリーを買いたい——。そう思い立ってお店に行ったはいいが、種類の多さに目がくらんでしまった経験はないだろうか。今や大手家電メーカーから携帯電話専門のアクセサリーメーカーに至るまで、とにかくたくさんの企業からさまざまなデザインや仕様のモバイルバッテリーがリリースされている。

 何の知識もなしにモバイルバッテリーを買いに行っても、迷ってしまって何を買っていいか分からずに帰ってくるのがオチ。もしくは「ええい、これでもういいや!」と買ってはみたものの、後からほかの商品と比べて「やっぱりもうちょっと高いやつを買った方がよかったのかな」とモヤモヤすることになりかねない。

 そこで本連載の第1回では、モバイルバッテリーを選ぶ際のポイントをまとめてみた。まずは、特に重要な最初の3つのポイント+αをみていこう。

  1. バッテリー容量(最低でも5000mAhは必要?)
  2. 出力電流およびUSBポート数(2A以上あればだいたい安心)
  3. 重量とデザイン(大容量バッテリーモデルは当然重い)
  4. モバイルバッテリーの充電時間
  5. 製品寿命(500〜1000回充電が一般的)
  6. その他便利機能
  7. 付属品
Photoバッテリー容量、出力電流(A)といった最重要スペックは表面に書いてあるケースがほとんど

 「バッテリー容量」は、モバイルバッテリーを選ぶ上で重要なポイントだ。最近はスマホ選びの際にバッテリー容量を気にする機会も多くなった。ようはそれと同じ。モバイルバッテリーも、容量が大きければ大きいほど、1回で充電できる時間や回数が増える。

 機種によっては「スマートフォンを○○回充電できる」などとアピールしていることもある。これは注意書きをよく見ると分かるが、だいたいの場合「モバイルバッテリー側の容量は1万mAh。容量1500mAhのスマホであれば○○回満充電できる」という意味。必ず注釈が書かれているはずなので、よく目をこらしてみよう。

 さて、タブレットは、一般的に言ってスマートフォンよりもバッテリー容量が大きい。例えば、アップルのiPad(第3世代)は容量が1万mAhを超えている。iPad miniも4400mAh前後とされている。このため、スマートフォン用の低容量モバイルバッテリーだと、タブレットをフル充電できない場合がある。とはいえ、必ずしもフル充電する必要があるかはまた別の話。

 「出力電流およびUSBポート数」も、タブレットを充電する場合には絶対に気にすべきポイント。パッケージなどでは「1.5A」とか「2A」という値で表記されている。そう、理科の授業で習ったアンペアのことである。

 タブレットの機種によって、充電で必要とされるアンペアが変わってくる。例えば、iPadの充電がWindows PCのUSB 2.0ポートでできないのはこれが理由だ。USB 2.0ポートが出力できる電流は500mA(0.5A)までと定められている。iPadは、少なくとも1100mAの電流が充電に必要とされているため充電できないのだ。

 Androidを含むタブレット全体の傾向として、おおむね2アンペアあれば、ほぼ間違いなく充電できる。1.5アンペアでも何とか大丈夫だろう。ただ、数年前に発売され、現在も店頭に並んでいるモバイルバッテリーでは0.5アンペア〜1アンペアにとどまっている場合がある。タブレットを充電したいなら、これらは絶対に候補から外そう。

 なお、USBポートの数は、ほとんどのモデルが1ポートないし2ポートだ。アンペアの上限は、各ポートの出力合計値であることが大半だ。このため、2ポート仕様のモバイルバッテリーで、タブレットを2台同時に充電するのはほとんどムリだと思ってさしつかえない。

Photo機種によって、大きさやデザインはさまざま
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Google Glassを分解

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 Googleの最新ガジェット「Google Glass」を、いまさら詳しく説明する必要はないだろう。2012年4月に世間にお披露目されて以来、このヘッドマウント型のAndroid搭載コンピュータは常に注目を集めてきた。

 スマートグラス市場は今後5年間で急速に拡大するとみられている。英国の調査会社であるIMS Researchによると、2012年から2016年の出荷数が約1000万台になる可能性があるという。

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 現在、Googleは、限られた一般ユーザー向けにGoogle Glassのβ版を提供している。幸運なことに編集部も、このβ版を入手することができた。β版は、チャコール、タンジェリン、シェール、コットン、スカイという色のバリエーションの中から、好みの色のモデルを選ぶことができる。

mm130902_gg_fig2.jpgmm130902_gg_fig3.jpgmm130902_gg_fig4.jpg(クリックで拡大)

ハードウェアの分解

 分解する際は、

  • 強い溶剤でしかはがせないエポキシ樹脂でコーティングされていたら、どうするか?
  • バッテリはどこに搭載されているのか?
  • センサーはどこにあるのか?
  • そもそも、Google Glassは分解しやすいのか?

など、さまざまな思いが頭をかけ巡った。

 だが、まず考えなければならないのは、「どこから開けるか」だ。取りあえずは、ノープランで、Google Glass全体を支えているチタン製のフレームを取り外すことから始めた。

注意:以下に記載する分解は専門的で、成功させるには精密な作業が必要である。そうは言っても、民生機器の分解に慣れた人が注意深く作業すれば、分解中に誤って部品を傷つけてしまう危険性はそれほどない。われわれはGoogle Glassを分解した後に、再び組み立てることができた。組み立てたGoogle Glassは、見た目に多少ダメージがあるものの、問題なく動作している。

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「ユーザーの幅を広げたい」 マランツからフラグシップの技術を継承した「14シリーズ」登場

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 ディーアンドエムホールディングスは9月2日、プリメインアンプ「PM-14S1」およびUSB-DAC/SACDプレーヤー「SA-14S1」を発表した。同社の設立60周年記念モデル「11シリーズ」直系の技術を多く盛り込んだ中級機。「ユーザーの幅の広げたい」(同社)という。各25万2000円で10月中旬に発売する。

ts_marantzsa09.jpg「PM-14S1」と「SA-14S1」

 PM-14S1には、「PM-11S3」同様のフルディスクリート電流帰還型プリアンプを搭載。また音質チューニングのため、ボリュームアンプ初段には初めてフェアチャイルド・セミコンダクター製のトランジスタを採用した。「市場からオーディオ用トランジスタが減り、新しいサプライヤーを探していたところ、40年ほど前に使っていたフェアチャイルドが候補に上がった」。実際に試してみると「良い意味で、米Marantz時代の音楽性、おおらかさが出た」という。

ts_marantzpm01.jpgts_marantzpm02.jpg「PM-14S1」の内部

 パワーアンプもPM-11S3と同様、安定性の高いV/Iサーボ方式電流帰還型回路を採用。入力回路DCサーボ回路には独自の「HDAM-SA3」を使用し、ペアンプを廃したディスククリート構成としている。位相補償回路のコンデンサーには、PM-11S3にも使われているフィルムコンデンサー「ブルースターキャップ」を採用。さらに電源トランスには大型のトロイダルトランスを採用し、巻き線にPM-11S3と同様のOFCを用いた点も「このクラスとしては初」という。出力は8オーム負荷時で各チャンネル90ワット、4オーム時には140ワットとなる。

 「内容としてはPM-11S3にとても近い。“PM-11S3のパワー(出力)が小さくなったもの”と思っていい」(同社)。

ts_marantzsa07.jpgts_marantzsa08.jpg製品概要。随所に上位機「PM-11S3」の文字が出てくる

ts_marantzpm014.jpgts_marantzpm015.jpg前面には蛍光表示管に比べて各種ノイズの発生が少ない液晶ディスプレイを採用。ディスプレイオン時のノイズは従来の1/3程度だという。もちろんオフにもできる。本体サイズは440(幅)×123(高さ)×457(奥行き)ミリ。重量は18.5キログラム

データ再生にも注力したSACDプレーヤー「SA-14S1」

 一方、SACDプレーヤーの「SA-14S1」では、ディスク再生の要となるメカエンジン部が「SA-11S3とほぼ同じ」(同社)。とくにピックアップと回路構成はSA-11S3の「SACDM-2」と同一だ。トレーには「SA-8003」から使用されている制振性に優れたザイロン素材を採用。ベースには2ミリ厚の鋼板を使用し、メインシャーシに強固に固定した。

ts_marantzsa03.jpgts_marantzsa04.jpg「SA-14S1」の内部

 データ再生機能については、DSD 5.6MHz再生まで対応するUSB-DAC機能を搭載。回路構成およびPCなどの外来ノイズを遮断する「コンプリート・アイソレーションシステム」などはSA-11S1から継承したものだ。

ts_marantzsa05.jpgts_marantzsa06.jpgドライブとUSB-DAC機能。DSD再生は、ASIOドライバーによるネイティブ再生およびDoP(DSD over PCM Frames)の両方をサポート。PCM系は最大192kHz/24bitまで対応する。もちろんアシンクロナスモードにも対応している

 DACチップには、さまざまなリスニングテストを繰り返した末、「DSD1792A」を採用した。決して新しいチップではないが、「躍動感の表現に優れている」ところが評価ポイントだという。「最新のDACに比べ、DSD1792Aは許容出力電流が非常に大きい。これが音に影響したと考えている」(同社)。

 このほか、iPod/iPhoneのデジタル接続に対応したフロントUSB端子(USB-A)、および最大192kHz/24bitのPCM信号に対応した同軸/光デジタル入力を装備。いずれの入力もジッターリデューサーによりジッターを低減してからDACに送り込まれる仕様となっており、「ネットワークメディアプレーヤーやテレビなどを接続し、SA-14S1のDACやアナログ出力を通した高品位再生が行える」という。

ts_marantzsa020.jpgts_marantzsa011.jpg背面端子

 音声出力は、アナログ、同軸デジタル、光デジタル、ヘッドフォンが各1系統。ヘッドフォンアンプもHDAM-SA2によるフルディスクリート構成となっている。

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夏の終わりに“Haswell”祭り――OC向けmini-ITXマザー&Core i3新モデルが投入される

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ゲーム&OC向けの本格mini-ITXマザーがASUSTeKとEVGAから登場!

photoEVGA「Z87 STINGER」とASUSTeK「MAXIMUS VI IMPACT」

 8月末に最も話題を集めたのは、Intel Z87チップセットを搭載する本格的なOC仕様のmini-ITXマザー2モデルだ。8月30日にEVGAの「Z87 STINGER」が投入され、8月31日にASUSTeKの「MAXIMUS VI IMPACT」が続いた。価格はどちらも3万円弱だ。

 Z87 STINGERは6フェーズのVRMを搭載したマザーボードで、インテル製ギガビットLANやクリエイティブのサウンドチップ「Core3D」を搭載するなど高付加価値な仕様となっている。メモリスロットは2基でDDR3-2666以上まで対応し、PCI-Express x16スロットも1基備える。

 一方のMAXIMUS VI IMPACTは、同社上位マザーボード向けの高耐久電源回路「Extreme Engine Digi+ III」を採用しているほか、インテル製ギガビットLANや専用のサウンド環境「SupremeFX Impact」を搭載。DDR3-3000までサポートする2基のメモリスロットや1基のPCI-Express x16スロット、IEEE802.11a/b/g/n/acアダプタとNGFFスロット搭載のmini PCI-Expressカード「mPCIe Combo II」などをそろえている。

 注目度とショップの評価はどちらも高い。ドスパラ パーツ館は「MAXIMUS VI IMPACTはR.O.G.シリーズで初のmini-ITXマザーということで、正式発表の前から注目されていただけに、発売を待っていた人はかなり多いと思います。ただ、それをオンリーワンの存在にさせないくらいにZ87 STINGERも魅力的ですね。EVGA製マザーはファンが多いわりに流通量が少ないので、希少性も人気を後押ししそうです」と話していた。

 オリオスペックも「オーバークロックに特化してこだわりたいという人とR.O.G.以外の選択肢を求める人はZ87 STINGERを選ぶ気がします。MAXIMUS VI IMPACTは多彩な機能面も含めた総合力という感じでしょうか。mini-ITXでハイエンドを目指したい人は確実に増えているので、どちらもニーズを後押しする存在になると思いますよ」と2モデルの勢いに期待を寄せた。

photophotophotoZ87 STINGERのパッケージ裏側(写真=左)。MAXIMUS VI IMPACTの基板(写真=中央)。BUY MORE秋葉原本店が作成したMAXIMUS VI IMPACTのPOP(写真=右)
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新提案は「置き撮り」「自分撮り」 キヤノンから新コンセプトビデオ「iVIS mini」

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 キヤノンは9月2日、新コンセプトのビデオカメラ「iVIS mini」を9月中旬より販売開始すると発表した。同社直販サイトのみの限定販売で、価格は2万9980円。

 手に持って構えて撮影するのではなく、ボディにスタンドを備え“置き撮り&自分撮り”というスタイルを提案する新製品。レンズは対角160度(静止画撮影時170度)のワイドアングルレンズで、タッチパネル液晶も背面/対面双方に動かせる2軸ヒンジ式のチルトタイプを搭載する。

photophoto「iVIS mini」 カラーはホワイトとブラック
photophoto液晶は2軸ヒンジで背面/対面双方に可動

 電源ONとスライドカバーオープンが連動する薄型のボディは、76(幅)×22(高さ)×96(奥行き)ミリ、約180グラム(バッテリー、メモリカード含む)で、記録メディアにはmicroSDカードを使用する。スタンドは水平から60度まで任意の位置で固定できる。

photo正面にはステレオマイクとレンズ。レンズカバーは電源スイッチと連動して開閉する

 撮影時の自由度を高めるために左右/上下反転での記録/再生に対応するほか、1/4倍・1/2倍のスローモーション及び、4倍・2倍のファストモーション(早送り記録)も行える。静止画および動画のインターバル記録も行える。

 Wi-Fiも搭載しており、専用アプリ「Camera Access Ver2」をインストールしたスマートフォンやタブレットからライブビュー映像の確認やリモート操作を行えるほか、スマートフォンなどのWebブラウザを使用してカメラに保存された映像を確認/保存することもできる。iOS端末からは動画の保存は不可能だが、iOSアプリ「Movie Uploader」を使えばiOS端末への保存やSNSアップロードも行える。

 カメラ本体から直接、同社運営のWebサービス「CANON iMAGE GATEWAY」に動画をアップロードすることができ、そこからFacebookやTwitter、Youtubeなどへのアップロード(TwitterについてはCANON iMAGE GATEWAYで閲覧するためのURLをタイムラインに投稿する)することも可能だ。

 記録形式はMP4で、記録サイズは最大で1920×1080ピクセル 30/24P(ビットレートは24/17Mbps)。ダウンコンバート機能も用意されており、1280×720/30p/4Mbpsへの変換が行える。搭載マイクはステレオマイクで、場面にあわせて周波数特性や指向性を変更する「オーディオシーンセレクト」機能も用意されている。

photo別売オプションの防滴ケース「SP-V1」

 オプションとして、防滴ケース「SP-V1」(1万290円)が11月より販売開始される。装着時にはIPX4(水の飛まつに対する保護)ならびIPX7(水深1メートル/30分に対する保護)を得られるが、あくまで防滴ケースとなっており、不意の雨や水しぶきなどから本体を保護するケースとなっている。

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今までのタブレットは「タブレット未満」、MSが法人向けSurfaceを発売

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mssur01.jpgSurfaceの法人販売を発表する樋口社長

 日本マイクロソフトは9月2日、同社のタブレット端末「Surface」の法人向け販売を開始した。認定リセラー6社経由で提供する。参考価格はRT 32Gバイト(Office非搭載)が3万9800円、RT 64Gバイト(Office 2013 RT搭載)が4万7800円、Pro 256Gバイト(Office非搭載)が9万9800円となる。

 この日会見した樋口泰行社長は、「これまでのタブレットでは周辺機器やアプリでの使い勝手に課題があり、Surfaceへの期待は高い。Windows XPからの移行も相まって500社以上から引き合いが寄せられており、従来のものは『タブレット未満』としてSurfaceの特徴を打ち出したい」と述べた。

 Surfaceを販売する認定リセラーは、内田スペクトラム、大塚商会、キヤノンマーケティングジャパン、日立システムズ、富士ソフト、リコージャパンの6社。樋口氏はIDC Japanの調査を引用して、「ビジネス向けタブレットのOSでもWindowsへの期待は高く、Surface Proも発売から3カ月で高い反響をいただいている」と強調した。

mssur02.jpgWindowsに対する法人ユーザーの反応

 Windows 8やSurfaceの企業導入では北國銀行や明治安田生命、パソナ、ムビチゲなどがある。会見にはSurface Proを含む情報系システムへのマイクロソフト製品の採用を決めた前田純一専務が理由を説明した。同行では本店移転などを契機に約2300台のSurface ProやLync Server、Windows Sever 2012 R2、SystemCenterなどの導入を予定する。

 前田氏によれば、採用理由は(1)情報系端末の一元化によるコスト削減と生産性の向上、(2)シングルベンダー化によるシステムの簡素化や信頼性向上、(3)ハードウェアの機能——3点。「従来は行内用に2300台、外勤用に1100台の端末があり、タブレットでもPCでも使えるSurfaceによるすることで二重の投資や運用などの手間を解決できる。きめ細かいディスプレイや電子ペン入力など顧客とのやり取りにも効果が期待される」と話した。

 会見では同社が10月にリリース予定のWindows 8のアップデートである8.1の企業向け機能も紹介。Windows本部長の藤本恭史氏は、例えば、起動時にModern UIをスキップして従来のデスクトップを表示する「Start tip」や、サードパーティー製VPNクライアントのサポート、MDMのサポート強化などを挙げる。

mssur03.jpgSurface RTでの機能強化

 RTでもOffice 2013 RTやOutlook 2013 RTのプリインストール、ワークプレイス参加/ワークフォルダ利用、デバイス暗号化のなど企業向けに機能が強化されているとし、「Windows 8.1はタッチ操作としてのタブレットの使い勝手とデスクトップを含めた生産性の高いあり方も目指した。法人にも納得してもらえるのではないか」と述べた。

mssur04.jpgmssur05.jpgWindows 8.1ベースで開発しているというモバイルPOSアプリのデモ

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バイト炎上(2)

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 前回のコラムから2週間が経過したが、その間にも炎上事件は止まらない。筆者が注意してみていただけでも、いたずら写真投稿による炎上が11件発生している。

不適切なSNS投稿による炎上例
店舗場所内容
ピザハット不明従業員がピザ生地を顔に貼り付ける
スーパーカスミ前橋客がアイスケース内で寝る
家電量販店不明客が展示品の洗濯機の中に入る
マックスバリュー大分客がアイスケース内で寝る
道とん堀(お好み焼き)千葉客がソースとマヨネーズの容器を鼻に突っ込む
精米所不明客が精米機の中に入る
北海道警釧路男がミニパトカーの上に乗る
大阪市営地下鉄兵庫高校生が地下鉄のホームから線路に降りる
スシロー名古屋客が醤油差しを口に含む
不明不明高3男女が裸で飲酒
公園不明大学生が公園の蛇口を肛門に突っ込む

 ただ、事例が発生したのがこの2週間の内なのかははっきりしないものが多い。このブーム(?)に乗ってTwitterの画像を探し回り、過去の事例を見つけて晒しているケースもあるだろう。ここ2週間ぐらいの傾向としては、アルバイト従業員が起こした事件は減少しているように見える。

 被害を受けた店舗側の対応は、誰がやったかという主体と、被害内容によってさまざまである。店舗が雇用している従業員の不始末では、店舗側が謝罪し、商品の廃棄、機器の殺菌、あるいは入れ替えなどが行なわれた。最終的には閉店に追い込まれた例もある。

 自主的に閉店を決めたとしても、店側がそこまでして責任を取る必要があるのか、という意見もある。その一方で、企業がアルバイトという安い労働力を利用するなら、その人間教育を行なわなかったリスクは負うべきとする辛辣な意見も見られる。

 一方で客による被害の場合は、店側の責任ではないため、閉店までには至らないが、やはり商品の廃棄、機器の殺菌、あるいは入れ替えなどが行なわれた。店舗が特定できないケースでは、県内全店舗での備品交換や毎日のクリーニングが義務付けられるなど、対応に追われている。

 被害届を警察に提出した事例もあるほか、被害額の算定が終わり次第損害賠償請求を検討するところもある。未成年者には請求できないため、保護者に請求される事になるだろう。

リスクは回避できるのか

 一連の炎上事件を振り返ってみて、結局何が解決されればいいのか。これには次の3点があるように思う。

  1. バカな写真をネットに上げるなという教育を誰がするのか
  2. そもそもバカなことをするなという教育を誰がするのか
  3. 炎上というネットの動きをどのように抑制するか

 (1)に関しては、ネットリテラシー教育の出番である。一連の事件は、高校生ぐらいの年齢が多い。中学生ぐらいまでは一方的にネットから情報を享受する側だが、高校生ぐらいからSNSを利用しての発信側に移るからである。

 以前に比べると学校もずいぶん方針を転換し、ネットリテラシー教育に取り組むところも増えている。これまでの切り口は、ネット依存や、ネットいじめに対する警戒であったが、今後はSNSへの情報発信リスクも加わる事になる。ただ高校を中退したり、中卒で働いている子に誰がリテラシー教育を施すかという問題が残る。

 (2)に関しては、学校の領域ではなく、最終的には各家庭のしつけの問題に回帰する。そうは言っても若気の至りという言葉もあるように、バカなことをしてしまうこと自体、誰が言ってもなかなか解決するものではない。

 今回の一連の事件は、食品に関する事例が多いが、かつて日本では「食べ物で遊ぶな」というしつけが小さい頃から厳しく行なわれてきた。おそらくは戦後の食糧難の経験から生まれたしつけだろうと想像するが、今の親世代では、それほどプライオリティの高いしつけではなくなってきているという現状もあるだろう。

 雇用する側の責務として、企業が教育を行なうべきという点については、賛同できる部分はある。だがどこまで、あるいはどのレベルから、という範囲決めがなかなか難しい。範囲が広すぎたら研修に時間がかかりすぎて、戦力にならないだろう。アルバイトとは即戦力として投入される労働力であるから、そのあり方と矛楯する。

 ただ、学校でリテラシー教育を受ける可能性のない子の雇用者は、一定の道義的責任はあるように思う。個人経営の店などでは、気骨のある店主が教育を兼ねて、社会からはみ出した子どもを積極的に雇う例もある。立派なことだと思う。

 これまでチェーン店などの企業体では、事件を起こした子を即日解雇するケースがほとんどである。だが単純に切って問題を収集してしまうのではなく、もっと深くヒアリングして問題点を探り、調査結果を公開するほうが、長期的に見て社会全体にはプラスに働くだろう。

 一方で顧客が起こした事件では、企業側は一方的な被害者であり、責任の所在はやはり保護者になるだろう。保護者への啓蒙活動は、PTAや地域NPOなどいろいろな機関が取り組んでいるが、いまだ芳しい成果が出ていない。

 そもそもそのような活動に積極的に参加する保護者は、その時点ですでにリテラシーが高いので、成果が計測できないのである。それよりも本来啓蒙しなければならない層は、学校やPTA、地域活動などに無関心な保護者で、そこにはまだ誰もリーチできていない。

 (3)については、炎上に関係するネットユーザーに、リテラシーがないことが問題である。(1)と(2)が解決されれば炎上は起こらないだろうとする意見もあるだろうが、炎上はなにも子どものアルバイトに限った話でなく、あらゆる事が火種となり得る。

 まず最初に晒し上げを行なう者は、炎上するであろうことを見越して行動しており、その結果を自業自得であると捉え、自分の責任ではないと考えている。また炎上に荷担する者は、気分的にはヤジウマであり、そこが焼け野原になったら見捨てて次の炎上先に集まるだけである。

 それらの人々は、炎上が起こしたその後の影響に興味はなく、教育的な視点もない。自らの溜飲を下げることだけが目的化している。だがそれらの人々にはネット上でリーチできるので、炎上の弊害を訴えることで、炎上NOの機運を醸成することは可能かもしれない。

 最悪のシナリオは、青少年インターネット環境整備法のような形で法規制が入る事である。この法律を、子どもがインターネットを利用することに制限を設けるものと勘違いしている人も多いが、実際は子どもを守るために事業者や保護者といった大人に義務、あるいは努力義務を課すものだ。

 また各自治体には、青少年健全育成条例があり、未成年者の誤った行為を実名、写真入りで広く知らしめることは、青少年の健全育成や社会復帰を阻害するとして、規制の対象になることもありうる。これら条例は地方議会で決まってしまうので、中央の議論の方向性とは無関係に勢いで決まるケースも少なくない。

 少なくとも今のネット社会には、子どもに制裁を加えることに躊躇しない大人が増えているという点に大きな問題がある。ぜひ子どもを育む目線で、何が適切な行動なのかを考えていただけないかと望む。

小寺信良

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は、ITmedia Mobileでの連載「ケータイの力学」と、「もっとグッドタイムス」掲載のインタビュー記事を再構成して加筆・修正を行ない、注釈・資料を追加した「子供がケータイを持ってはいけないか?」(ポット出版)(amazon.co.jpで購入)。


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LTEエリア競争は「auが断トツで勝てるのでは」──KDDI 田中社長 その理由は「新iPhone」

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画像田中社長

 「この秋以降、LTEのエリア競争はKDDIが断トツで勝てるのでは」——KDDI(au)の田中孝司社長は9月2日に開いたLTEネットワークに関する説明会で胸を張った。800MHz帯LTEの実人口カバー率は来年3月末に99%まで拡大。9月中の発表がうわさされる次期iPhoneは800MHz帯LTEに対応するとうわさされており、「もしそうならば、iPhoneのLTEエリア競争に終止符を打てるのでは」と自信をみせる。

800MHz帯LTEの人口カバー率は99%に

 KDDIは、LTEを800MHz帯(10MHz幅・最大75Mbps)、1.5GHz帯(同)、2.1GHz帯(5MHz幅・最大37.5Mbps、10MHz幅・75Mbps、15MHz幅・112.5Mbps、20MHz幅・150Mbps)の3バンドで展開。800MHz帯をベースバンドとして広域をカバーし、残りの2つの周波数帯で高速化する戦略だ。


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 800MHz帯LTEの実人口カバー率は8月時点で97%。来年3月末までに99%をカバーする予定だ。2.1GHz帯は8月末時点で72%だが、来年3月末までに80%以上、15年度には90%を目指していく。2.1GHz帯は、人口密度が低い地方を中心に高速化を進めており、最大150Mbpsが利用できる20MHz幅のエリア展開も8月にスタートしている。

 今夏以降に発売するAndroid端末は800MHz帯、1.5GHz帯、2.1GHz帯の3バンドに対応。800MHz帯の広いカバーエリアを利用しながら、1.5GHz帯、2.1GHz帯対応エリアでは高速通信を活用でき、「LTEスタート当初から考えていたことがほぼ完成する」と田中社長は話す。

次期iPhoneで「LTEのエリア競争にピリオド」か

 次期iPhone発売で、iPhoneの“つながりやすさ”をめぐる状況も一変しそうだ。KDDIのiPhone 5は2.1GHz帯LTEにのみ対応しており、LTEのエリアカバー率でソフトバンクモバイルに見劣りしていたが、次期iPhoneは800MHz帯LTEに対応する可能性が高いとされる。

 次期iPhoneが本当に800MHz帯LTEに対応するか否かについては「ちょっとここでは言えないです」と言葉を濁す田中社長だが、その表情には笑みが。「もしiPhoneが800MHzに対応するなら、LTEのエリア競争にピリオドが打てるのでは」と自信をみせる。


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 2.1GHz帯LTEの基地局数(総務省の免許許可数)は2万4000と他社より2〜3割少ないが、“プラチナバンド”の800MHz帯LTE基地局数は他社の追随を許さない3万1000局。「ビルの中や建物の奥まで浸透するプラチナバンドの800MHz帯を10MHz分、LTEのために空けていた。秋から競争軸が変わっていくのではないか。これからが楽しみだ」

 既存のiPhone 5ユーザーに対しても、2.1GHzのエリアをスピーディに拡大していくことでLTEネットワークを使いやすくしていくほか、「もし800MHz帯LTEに次のiPhoneが対応するとして、次期iPhoneを即使いたいというニーズがあるなら、それなりに施策・プログラムを考えないといけない」と、移行キャンペーンの実施をにおわせた。

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4Kとスマートのポートフォリオ

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 高画質テレビ規格の「4K」および「8K」が注目を集めている。昨秋のCEATECやInterBEEでも高画質モデルが展示されていて、スマートテレビと双璧を成していた。総務省は来年の夏に衛星(CS)で4Kテレビ放送を開始する方針を示している。日本放送協会(NHK)と日本ネットワークサービス、KDDIとジュピターテレコムは、それぞれ共同で8K映像を伝送する技術を開発した。衛星のスカパーJSATも4K/8K映像を用いた放送の実現に向けて取り組む計画だ。政府・業界を挙げて盛り上がりを見せている。

 一方、筆者はスマートテレビに力を入れている。4K、8Kがキレイに見せる技術であるのに対し、スマートテレビは便利に楽しむための技術である。日本ではNHKのハイブリッドキャストやマルチスクリーン型放送研究会などの動きがある。最近はテレビをAndroid端末にする装置が盛んに宣伝されている。

 テレビにネットをつなぐ先駆者には、バンダイのピピンアットマーク(96年)、セガのドリームキャスト(98年)がある。筆者はMITメディアラボ当時、ドリームキャストの開発に関わったのだが、いずれの挑戦も早すぎた。物事には時機がある。いま改めて巻き返しを図っているということだ。

 キレイか、便利か。両立させられるといい。だが、どちらかを優先せざるを得ないかもしれない。資源には制約がある。放送、通信、メーカー、ソフトウェア、コンテンツ……。「どのセクターがどういう資源をどう配分するか、そのスピード感はどうか」が大事だ。

 これに関し、筆者には2つの苦い反省がある。

 まず、ハイビジョンと多チャンネル(CATV)だ。キレイか、楽しいか。1980年代後半、今から25年前。筆者は郵政省有線放送課の係長で、多チャンネルCATVの推進役だった。都市型CATVが全国に芽吹く時期だった。これに対し、NHKと家電メーカーはアナログMUSE方式のハイビジョンを推進。大々的なキャンペーンを張っていた。

 この両者を同時に推進するのは困難を極める。CATVは何十チャンネルも流せるのが売り。他方、ハイビジョンは高精細だが、1本流すのに6チャンネルをつぶさないといけない。どちらを優先するのか。筆者はNHK+民放数局の日本では多チャンネル需要を満たすことが先だと信じていた。でも、政界も業界もハイビジョンに傾いた。力関係ではそういうこと。勝負にならなかった。

 逆にその後、CATVは管理が強まるなど絞める政策が採られ、産業としての立ち上がりは5年遅れたと思う。「あの時期に多チャンネル政策に力を入れていたら、その後の映像コンテンツ業界も様相が違っていただろうに」と思う。ハイビジョンも結局その後は、デジタル放送という、より大きなパラダイム変換が起こり、その波に飲まれて行った。

 もう1つの失敗は、ISDNか、ADSLか。90年代初期のこと、筆者は政策課の課長補佐だった。NTTが64KbpsのISDNを推進しているさなか、ADSLという技術を使えば、1Mbpsの映像伝送も可能だという話が入って来た。電話網を映像ネットワークにできる。興奮した。CD-ROM等を製造していたコンテンツ事業者や広告会社などと相談して、地方の有線放送電話を使った実験を画策したり、推進する資料を書いたりしていた。

 でも、ISDNとADSLは同じ電話網をデジタル化する技術で、両立しない。筆者らの企みは、勝負を挑む間際で潰された。NTTの力たるやNHKの比ではなかったというか。それからもADSLを導入する試みは形を変えて続けられたものの、日本で最初に実験が行われたのは99年、長野の農協が有線放送電話を使って行ったものだった。

 「筆者たちにもっと力があって、もっと派手にがんばって、その6年前に始まっていたらどうだったろうな、もう少し世界のブロードバンドを引っ張っていたんじゃないかな」と今でも時々思うことがある。

 地上デジタルテレビ放送(地デジ)はキレイで便利なテレビを実現するものだ。ハイビジョンと、テレビのコンピュータ化を同時に達成するものだ。それが整備されて現れた問いが「4Kか、スマートか」である。さて、どうだろう。4Kは苦境にある日本のメーカーが再生する切り札だと唱える人もいる。総務省も期待している。これに対し、スマートテレビに関わる筆者は、放送ではスマートが先だと考える。

 地デジのおかげで、テレビは取りあえずキレイになった。多くの家庭がテレビ受像器を買い換えた。そこですぐもっとキレイな4Kといわれても、というのが実態だろう。さらにケーブル配信業者に聞くと、高精細HDコンテンツの伝送割合は25%に過ぎず、以前のSD画像がまだたくさんあるという。さらなる高精細のニーズは本当にあるんだろうか。高精細にしても広告が増えないことは経験済みで、ハイビジョンのころと違って銀行もメーカーも弱っている中で、どう資金を投下するかも課題となる。

 これに対し、地デジで便利になったかというと、それがまだ達成できていない。デジタルならではの面白いサービスが開発されていない。その部分は、スマホやタブレットが単独でニーズをくみ取っていて、そっちにはおカネも回っている。テレビとスマホを組み合わせて豊かなサービスを作り、テレビ広告以外の新ビジネスを組み立てる。こちらは次の市場とニーズが見える。

 地デジに投じた資金を回収して、次の展開に打って出るためにも、まずはネットでおカネの取れるスマートなサービスを講ずるのが戦略ではないだろうか。

 一方、筆者はデジタルサイネージやオープンデータの推進役でもある。その立場としては、4K/8Kに大きく期待している。4K/8Kビジネスは業務目的から立ち上がるだろうし、有望だと思う。「スマートテレビ放送」より「業務4K」の方が立ち上がりは早いかもしれない。サイネージが超高精細を欲しがっているのは当然だし、その表示技術も伝送技術もできてきた。課題だったサイネージ向け大型コンテンツも、この数年でずいぶん充実している。

 より切実なニーズがあるとすれば、映像のビッグデータ活用ではないか。監視カメラに映るデータを、目視ではなく機械システムとして抽出、処理、分析できるほどの精細な映像を得ることができれば、利用は面的に広がる。8Kのような超高精細の映像は、人間より機械の方がより強く欲しているのではないか、と感じる。

 4K/8Kやスマートといった技術と、テレビ、ネット、サイネージといったメディア体系との時間軸ポートフォリオを描く総合戦略が求められている。

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中村伊知哉(なかむら・いちや)

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。

京都大学経済学部卒業。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。

デジタル教科書教材協議会副会長、 デジタルサイネージコンソーシアム理事長、NPO法人CANVAS副理事長、融合研究所代表理事などを兼務。内閣官房知的財産戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省などの委員を務める。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策などを担当。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長を経て現職。

著書に『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ、共著)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、共著)、『デジタルサイネージ革命』(朝日新聞出版、共著)、『通信と放送の融合のこれから』(翔泳社)、『デジタルのおもちゃ箱』(NTT出版)など。

twitter @ichiyanakamura http://www.ichiya.org/jpn/


「中村伊知哉のもういっぺんイってみな!」バックナンバー

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TechTargetジャパン

配線どころか置き場所もいらないBluetoothスピーカー、パナソニック「シーリングスピーカー」を見てきた

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 パナソニックは9月2日、天井に設置する“シーリングスピーカー”「SC-LT200/LT205」を発表した。天井にある照明器具用の引掛シーリングや引掛ローゼットに取り付け、その配線で電源を得るBluetoothスピーカー。設置スペースもいらず、音楽などのワイヤレス再生が可能になる。

ts_panalt010.jpgts_panalt04.jpgパナソニックのシーリングスピーカー(左)。同社製LEDシーリングライトとの組み合わせ例(右)

 Bluetooth ver.3.0を搭載し、音声コーデックは一般的なSBCのほかにapt-Xをサポート。対応機器との組み合わせなら、低遅延/高品位の楽曲再生が楽しめる。

 本体は直径440ミリ、厚さ38ミリ(突起部を含めると72ミリ)の円形で、4つのスピーカーユニットを4方向に向けて配置した。天井から音を360度に広げ、部屋全体を音楽で満たす仕組みだ。スマートフォンなどから楽曲を再生すれば、「天井から音が聞こえるという、まるでカフェのBGMのような音の聴き方を楽しめる」(同社)。

 コンセプトの近い製品として、NECライティングが販売している「CrossFeel」がある。ただし、パナソニックの場合はLEDライトを搭載せず、スピーカーに好みの照明器具を装着できるのが特長だ。「ペンダントライトなど部屋に合わせた照明器具が選択できるため、インテリアの雰囲気を壊さない」(同社)。

ts_panalt03.jpgts_panalt011.jpgペンダントライトの設置例。重量5キログラムまでの照明器具に対応する(左)。付属のリモコンで音声モードを一発変更(右)

 また、本体内で左右のチャンネルをそれぞれ向かい合わせに配置し、互いの振動を打ち消す「振動キャンセラー」構造も特長といえる。振動キャンセラーは、同社製ラックシアターのサブウーファー部などに採用されている技術。今回は小型フルレンジユニットのためサブウーファーほどの振動はないが、「天井に取り付けるとなると、階上への影響を気にする方も多いはず。安心して使ってもらうために採用した」(同社)と話している。実際、60〜110Hzの低音に由来する振動は減り、階上や隣室への影響が抑えられるという。

ts_panalt013.jpgts_panalt05.jpg30×100ミリの楕円(だえん)形スピーカーを対向配置。各チャンネル5ワットの出力を持つ

 付属のリモコンでは、4種類の音声モードを1ボタンで変更できる。音声モードには、音に手を加えない音楽鑑賞向きの「フラット」、中高域を持ち上げて人の声を明瞭(めいりょう)にする「クリア」、さらに低域も持ち上げる「ヘビー」、高音を抑える「ソフト」が用意されている。「クリア」はテレビのニュースやネットラジオ視聴に、「ヘビー」は映画鑑賞向き、そして「ソフト」はリラックスして音楽を聴く場合などを想定したものだ。

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Zより薄い“6.5ミリ”を実現できた理由――「Xperia Z Ultra」の機構設計を聞く

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 ソニーモバイルコミュニケーションズの新型スマートフォン「Xperia Z Ultra」は、6.4インチという大きなディスプレイはもちろんだが、フルHDディスプレイ搭載スマートフォンでは世界最薄という「厚さ6.5ミリ」のスリムなボディも大きな特徴。「Xperia Z」も7.9ミリのフルフラットなボディを実現しており薄かったが、Xperia Z Ultraは、Zよりも1.4ミリ薄い。今回はこの薄型ボディの秘密について、メカニカルエンジニアの小竹氏に話を聞いた。

photophoto6.4インチディスプレイ搭載の「Xperia Z Ultra」。ボディカラーはBlack、White、Purpleの3色

基板上の部品を片面に集約

 Xperia Z Ultraも、Xperia Zと同じくフルフラットなボディを実現しながら、厚さは6.5ミリに抑えている。その分、体積は増しているのだが、それだけではZより1.4ミリも薄いボディは完成しない。小竹氏も「設計のコンセプトはXperia Zとあまり変わっていませんが、Zを真似しただけでは6.5ミリの薄さは実現できません」と話す。

photoZよりもさらに薄い厚さ6.5ミリを実現した

 ではXperia Z Ultraでは、どこを工夫したのか。小竹氏は「一番頑張ったのは基板です」と話す。Xperia Zで基板の両面に部品を載せていたが、Z Ultraでは片面に部品を集約した。「Zよりも表面積は大きくなりましたが、単純に基板上の部品を移植しても薄くはできません。回路や配線を工夫し、チップを片面に集約しています。薄さを実現するために、電気チーム、デバイスチーム、ソフトウェアのチームが、1つの目標を定めて、どうすれば薄くできるかを重点的に検討しました」(小竹氏)

液晶ユニットと基板の接続方法を変更

photoメカニカルエンジニアの小竹氏

 もう1つが、液晶ユニットと基板の接続方法だ。液晶ユニットはフレキシブルプリント基板(以下、フレキ)でメイン基板に接続しているが、Xperia Zでは基板への接続にコネクタを使っている。一方、Xperia Z Ultraではフレキを基板に“圧着”させることで液晶ユニットを接続し、コネクタ分の厚さを減らせる。小竹氏によると、フレキを圧着させることで、Zのコネクタよりも3割ほど薄くなったという。フレキの圧着は「もう少し小さなコンポーネントではやっていましたが、液晶で取り組んだのは初めて」(小竹氏)とのこと。一方で苦労したのが「強度」だ。Z Ultraではフレキを貼り付けて固定しているので、衝撃に弱くなりがちだが、「接続や固定の方法を工夫することで、落下しても接続部分にダイレクトに力が加わらないように工夫している」そうだ。

photophotoいずれの写真も左がXperia Z、右がXperia Z Ultraの基板。Xperia Z Ultraの基板は片面に設置しているため、もう片面には基板は載っておらず、薄型化しやすくなった
photophotoXperia Zではコネクタを使って基板とフレキを接続しているが(写真=左)、Z Ultraではフレキを基板に圧着させている(写真=右)

タブレットよりも厳しい強度テストをクリア

 イヤフォンジャック、スピーカー、カメラといった部品ごとの強度確保もハードルが高かったそうだが、“電話機”としての強度確保にも苦労した。Xperia Z Ultraはタブレットではなくスマートフォンなので、電話機能を安全に使えるかも重要だ。例えば通話をしている最中に端末が落下してもスマホとしての機能を有するか——など。電話機として使うことを想定するため、タブレットよりも酷な状況下で耐久テストを実施した。「タブレットは膝上で使って、そこから落ちたらと……いう状況を想定するのに対し、スマートフォンでは高いところから落とすことも想定するので、基準は厳しくなります」(プロダクトプランナーの市野氏)

 このような薄型化と強度確保の両立はハードルが高かったが、「試行錯誤を繰り返して、最終的には十分な強度を確保できました」と小竹氏。その際に工夫したのは、部品ごとの強度ではなく、筐体と部品を組み合わせたときに強度を保てるようにしたこと。「強度の高い形状や、部品の固定方法、最適な配置場所を、各部品と筐体で同時にシミュレーションして設計しました」と小竹氏は説明する。

 Xperia Zではボディ周辺のフレームにナイロン樹脂を採用することで強度を保っていたが、Xperia Z Ultraでもナイロン樹脂は継承している。ただしZから若干カスタマイズしており、ガラス繊維の配合率を変えたという。さらに、側面にアルミを用いたことも、強度の確保に貢献している。

Zより約3割薄くなったバッテリー

 バッテリーはXperia Zの2330mAhから3000mAhに増量され、当然バッテリーパックの体積も増しているが、Z Ultraの方がZよりも3割ほど薄い。Zのバッテリーもなかなかの薄さだが、Z Ultraのバッテリーに触れると、まるで厚紙かと思えるほど薄く感じる。小竹氏が「スマートフォンでこれより薄いバッテリーはないのでは」と話すほどだ。

photophotoいずれの写真も左がXperia Z Ultra、右がZのバッテリーパック。Z Ultraのバッテリーは体積が大きくなった分、薄くなっている

背面への衝撃を減らすための工夫

 Xperia Z Ultraは、Xperia Zと同様に背面にガラスを用いているが、Zよりも薄いことで、ガラスの耐久性も懸念される。Zと同様に、背面の周囲に溝を設けたことで、極力ガラスが触れないように工夫しているが、Z Ultraではさらに、背面カバーを取り外した(実際は取り外せない)際に見える内側の部品を、隙間なくフラットに並べた。Zの背面内側の部品には多少の凹凸があるが、Z Ultraではこの凹凸をなくすことで、落下時の衝撃を面で受けられるようになり(ピンポイントでの衝撃が防げる)、ガラスにかかるストレスを減らせるというわけだ。

 「Xperia Z Ultraはカバーを開けた状態が格好良いんです」と小竹氏は笑う。こうした高密度な部品の配置も、Z Ultraの“薄くて強いボディ”に一役買っているのだ。

(続く)

 ※次回はソフトウェアの進化点を聞きます。

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出し惜しみなし、贅沢すぎるエントリー向け一眼レフ――リコー「PENTAX K-50」

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曲線を生かしたスタンダードな一眼レフデザイン

 リコー「PENTAX K-50」は、主に入門者層をターゲットにしたデジタル一眼レフだ。昨年発売したミドルクラス機「PENTAX K-30」から、センサーやエンジン、防滴防じん構造など多くの部分を継承しながら、より一般ユーザーに親しみやすいデザインに改良。そして、同社のラインアップ上での位置付けをエントリークラスにシフトして新登場したモデルである。

 まずは外観から見てみよう。ボディは樹脂素材をベースにしつつ、グリップ部から両側面にかけては手触りのいいラバーを配置。表面処理と塗装のせいか、プラスチック特有の安っぽさはなく、むしろ高品位な雰囲気さえ漂っている。

photoリコー「PENTAX K-50」18-135WRキット

 デザイン的には、グリップ部とペンタプリズム部が大きく突き出た、近年の一眼レフとしてオーソドックスなスタイルといえる。ボディラインの造形には曲面が多用され、構えた時に手のひらにピタリとなじむ。本体重量は590グラム。エントリー機としては少々重めだが、キットレンズ装着時のバランスは悪くない。

 電源スイッチを回すと約0.9秒で素早く起動し、液晶モニタに各種の撮影情報が表示される。液晶には3型で約92.1万ドットのTFTを採用。十分な明るさがあり、晴天屋外でもまずまずの視認性を確保している。

photoレギュラーカラーは写真のホワイトのほか、ブラックとピンクが用意。さらに、117種類(レギュラーカラーの3色をプラスすると、合計120色展開)のオーダーカラー受注サービスを実施中

 一方ファインダーには、視野率100%、倍率0.92倍のペンタプリズムを搭載する。エントリー機ながら視野率100%のガラスファインダーを備えることは、本機の見どころのひとつ。ファインダーの表示はやや暗めだが、明るさよりもピントの山のつかみやすさと、ボケ具合の確認のしやすさを重視したファインダーといえる。

photoかつては中級機の特権だったガラス製プリズムファインダーを装備する。また、フォーカシングスクリーンの交換にも対応する
photophoto記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカード。電池ホルダーが付属し、3種類の単三形電池とオプションのリチウムイオン充電池に対応。撮影可能枚数は、リチウム電池で約1250枚、ニッケル水素電池で約580枚、アルカリ電池で約170枚、オプションのリチウムイオン充電池「D-LI109」で約480枚
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法人向け「Surface」登場、「Surface Pro」がビジネスに向く理由とは?

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「販売体制整った」——ついにSurfaceを法人向けに投入

photo発表会ではリセラー6社の代表者も登壇した

 日本マイクロソフトは9月2日、同社製タブレット「Surface RT」および「Surface Pro」を法人向け販売を開始した。Surface RTは32Gバイトモデルと64Gバイトモデルを用意し、Surface Proは256Gバイトモデルのみとなる。販売はマイクロソフトが認定したリセラーが行う。現段階でリセラーはウチダスペクトラム、大塚商会、キヤノンマーケティングジャパン、日立システムズ、富士ソフト、リコージャパンの6社だ。

 法人向けモデルは個人向けモデルと仕様がほぼ変わらないが、Surface ProにはOffice Home and Business 2013が付属しない。これは「すでに企業でアカウントを持っている場合があることや、企業向けでならOffice 365の方が向くから」(同社)だという。端末の価格はリセラーが決定するため未定だが、参考価格は以下の通りとなる。

法人向け「Suface」の価格
モデル価格
Surface RT(32Gバイトモデル)3万9800円
Surface RT(64Gバイトモデル)4万7800円
Surface Pro(256Gバイトモデル、Office非搭載)9万9800円

 Surface RTについては、個人向けモデルの販売開始から約半年(Surface Proは約2カ月)が経過したことになるが、これは「法人向けの販売チャネルを構築するのに時間がかかったため」(同社)とのことだ。

 発表会に登壇した同社代表執行役社長の樋口泰行氏は、「Surface RTとSurface Proが国内で発売してから、さまざまな法人のお客様から早く販売ルートを整備して欲しいとの声をいただいた。教育機関も含めると、発売前からすでに500社から引き合いがあった。Windows XPのサポートが終了するということもあり、買い替えの対象としてPCとタブレットを兼ねるSurfaceに注目が集まっている」とアピール。Surfaceの導入事例として明治安田生命やパソナ(人材サービス)、ムビチケ(電子前売券販売)といった企業を挙げた。

photophotophoto日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏(写真=左)。IDCの調査によれば法人向けタブレットについては、Windowsタブレットへの期待が高いという。Surfaceの導入事例として、明治安田生命が3万台、パソナが5500台、ムビチケが240台と発表した(写真=中央)。法人向け販売チャネルの説明(写真=右)
photo北國銀行 代表取締役 専務取締役の前田潤一氏はSurface Proを導入した経緯を説明した

 中でも北國銀行は、本店の移転に際してSurface Proを2300台購入し、全行員に使わせるという。同社代表取締役 専務取締役の前田潤一氏は、AndroidタブレットからSurface Proへの乗り換えを決めた理由は、主に3つあると説明した。

 まずはSurface ProがタブレットとノートPCどちらの形状でも使えるため、ノートPCとデスクトップPCの2台持ちを解消できることだ。同社は今まで全社員のPCとともに、外回りをする営業のために1100台のタブレットを導入していた。しかし「Surface Proであれば、セキュリティの問題もクリアしやすいので、会社からそのままタブレットとして持ち出せる。これによって二重投資が解消できるし、運用も楽になる」(前田氏)という。

 同社はSurface Pro導入を機に、社内システムをマイクロソフトに統一し、Lync Server、Windows Sever 2012 R2などの導入を予定している。「デバイスからサービスまでを単一のベンダーでそろえることで、システムもシンプルになり、問題対処能力が向上すると考えた」(前田氏)ことも理由の1つだ。

 また、前田氏はSurface Proはハードウェア面でも優れた点が多いとする。「フルHD対応の画面は製品の訴求力が上がるため営業活動で有利だ。スタイラスペンによる入力にも対応しているので、契約時に署名をもらうのもタブレット上で行える」という。

photophotophoto今回リセラーに認定された6社が製品発表会でそれぞれ意気込みを語った。ウチダスペクトラムの代表取締役社長 町田潔氏「うちは今までソフトウェアを扱ってきたが、ハードウェアを販売するのは初めて。文教市場へのつながりもあるので、積極的に展開したい」(写真=左)。大塚商会の専務執行役員 片倉一幸氏「Windowsタブレットは今までセキュリティなどの問題から本採用のケースが少なかった。このSurface Proは中小企業にとってははOffice 365との連携が魅力であり、大企業にとってはデバイス管理の手間を減らせることが魅力に映るだろう」(写真=中央)。キヤノンマーケティングジャパン 常務執行役員 神森晶久氏「Surface Proにはビジネス向けで必ず成功するという商品力があると思う。ようやくWindowsタブレットもビジネス用デバイスとして普及するだろう」(写真=右)
photophotophoto日立システムズ取締役 専務執行役員 山本義幸氏「我が社ではスマートデバイスも含めたシステムの構築をサービスとして展開している。ここにSurfaceが加わることでサービスの質を更に向上できる」(写真=左)。富士ソフト常務執行役員 豊田浩一氏「単体販売ではなく、システムと組み合わせて提供したい。クラウド連携機能も使えるため、ワークスタイルが大きく進化するだろう」(写真=中央)。リコージャパン専務執行役員 窪田大介氏「XPサポート終了が迫り、PC買い換えの需要が高まっている。同社では2013年度のタブレット端末出荷台数を2万台と予測している。2014年度はSurfaceを含めたタブレット端末の出荷台数は10台程度に増加すると見込んでいる」(写真=右)
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顧客の声を正確に掴め! 業務フロー全体にメスを入れたアンデルセンサービス

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広島市にあるアンデルセンサービス本社広島市にあるアンデルセンサービス本社

 戦後間もない広島で1948年に創業し、今やベーカリーの小売店舗「アンデルセン」やフランチャイズ店「リトルマーメイド」、ホールセールブランド「タカキベーカリー」などを全国で展開するアンデルセングループ。そのグループ全体のバックヤード機能として、人事や経理、情報システム、品質管理、コンタクトセンターなどの業務を一手に引き受けているのが、グループの1社であるアンデルセンサービスだ。グループ各社のスタッフが円滑かつクリエイティブに仕事ができるような環境を整備すべく、約80人の社員が日々奮闘している。

 同社にとって大きなミッションのひとつが、「顧客満足度の向上」である。消費者の声に真摯に耳を傾け、品質を高めるための業務改革や新たな商品開発につなげていく、その要となる役割を担っているのだ。そうした中、このミッションを実現すべく同社が取り組んだのが、顧客の声を社員で共有するためのシステム基盤「お客様の声システム」の構築である。

 お客様の声システムは、2010年5月からグループ全社で運用を開始。ドリーム・アーツのWebデータベース「ひびき Sm@rtDB」がベースになっている。このシステム基盤を導入したことによって、顧客対応時間の短縮や社内業務の大幅な効率化を実現した。「以前の混とんとした業務状況にはもう戻れないほど便利になった」と同社 お客様相談室の小森有子氏は強調する。具体的にどのような変革がなされたのか。その過程を振り返ってみよう。

正しい顧客情報が反映されない

 新システム基盤を構築する以前の顧客対応状況はどうだったのか。同社では、顧客からの問い合わせや意見、クレームなどは、主に電話と封書で寄せられており、それらを各社の担当者が専用フォーマットの用紙に記入して、お客様相談室に送付。それらをPC端末で打ち直してデジタルテキスト化し、「Microsoft Access」で作った簡易的なデータベースに入力していた。

アンデルセンサービス お客様相談室の小森有子氏アンデルセンサービス お客様相談室の小森有子氏

 「この方法だと時間がかかり、情報の伝わり方が不正確だった。例えば、担当者によっては図や絵を描いて説明したり、文字が読めないものもあったりした。また、1つのお申し出に対して最初から最後まで一気通貫で把握できない状況だった」(小森氏)

 顧客からのお申し出への対応における一番の問題は、過去に起きたことと同様のクレームが再発してしまうことだった。それに対処する時間やコストが無駄に発生してしまうことに加えて、顧客からの信頼を失うリスクに直結する。そうした事態を防ぐべく、クレーム処理をフロー中心からデータ中心に変更し、全社で統一したフォーマットを基に入力できるシステムを導入したいという思いがお客様相談室には常にあったという。

 ただし、単にシステムを入れれば解決する問題ではない。徹底的な業務フローの見直しと再構築が不可欠だった。そこで、お客様相談室を中心に、まずはアンデルセングループとして今後どのような顧客対応を目指すのか、顧客の声をどのように業務に生かしていきたいかという「あるべき姿」を描き、それを基に業務フローを見直していった。

 その過程でグループ各社の担当者にもヒアリングを行ったところ、さまざまな要望が上がってきたが、「迷ったときには自分たちのあるべき姿に立ち戻り、『これは必要ない』『この項目は付け加えた方がいい』などと判断することで、業務フローを作り上げていった」と小森氏は振り返る。

アンデルセンサービス 執行役員 システムサポート部長の堀尾紀昭氏アンデルセンサービス 執行役員 システムサポート部長の堀尾紀昭氏

 この業務フローを土台にRFP(提案依頼書)を作成し、新システムのためのベンダー選定を行った。4社がコンペとなり、最終的にSm@rtDBを採用した。選定理由について、同社 執行役員 システムサポート部長を務める堀尾紀昭氏は、「顧客対応に関して、継続的な業務改革ができるシステムを求めていた。そうした意味でスクラッチ開発も検討したが、導入した後も仕様変更に柔軟に対応できる開発プラットフォームの方が好ましいと判断し、Sm@rtDBに決めた」と説明する。

 また、今まではファイルサーバでデータを管理していたため、テキスト、写真、映像などの整理に苦労していた。Sm@rtDBは使い勝手が良く、さまざまなファイルを自由に取り込むことができるデータベースである点も評価した。

 こうして完成したお客様の声システムは、お客様相談室のオペレーターをはじめ、グループ各社の営業担当者、商品の生産担当者、店舗のサービス担当など、顧客と何らかの接点を持つ社員すべてがユーザーとなってデータを入力する。導入後に戸惑いはなかったのだろうか。「業務フローを作り上げる段階から、実際に使うユーザーを巻き込んで進めていたため、結果的に彼らの理解が深まり、いざ本番稼働しても辞書のようなマニュアルを用意する必要もなかった」と小森氏は話す。

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スマホを勝手にロックして「身代金」要求、ランサムウェアが迫っている

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 米Fortinetのセキュリティ分析機関、FortiGuard Labの報告書によると、過去半年の間にモバイルマルウェアは30%増加し、Androidマルウェア群は300種類以上、サンプル数は少なくとも25万件に上っている。

 報告書の中でFortiGuardは、私物端末の業務利用(BYOD)の普及に伴う明らかなマイナス面として、もし1人の従業員の端末にモバイルマルウェアが感染すれば、会社のネットワークに感染が及びかねないと指摘する。

 わずか数年前まで「モバイルマルウェアはユーザーにとっても企業にとってもそれほど心配するようなものではなかった」。FortiGuard Labsの上級モバイルウイルス対策研究員、アクセル・エブリル氏はそう話す。「当時スマートフォンタブレットを標的にしていたマルウェアは、Cabirウイルスのような迷惑なだけの存在か、SMS詐欺やアイコンの差し替える詐欺ソフトウェアがほとんどだった」

Acer、4Kカメラ搭載の6インチスマートフォン「Liquid S2」を発表

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 台湾Acerは9月2日(現地時間)、4K動画録画が可能なカメラを搭載する6インチのAndroidスマートフォン「Liquid S2」を発表した。同時に発表した新タブレット「Iconia A3」とともに、独ベルリンで6日から開催のIFA 2013で披露する。

Liquid S2──4K録画と高精細画面がウリの大型スマートフォン

 6月に台湾の「Computex 2013」で発表した「Liquid S1」の後継モデル。さらに大きくなった6インチディスプレイはフルHD(1920×1080、368ppi)で、最大の特徴は4K(フルハイビジョンの4倍)解像度の動画録画が可能なカメラを搭載することだ。また、BSIセンサーやLEDリングフラッシュを備える。

 カメラ以外のスペックも高めで、Gorilla Glass 3.0のディスプレイにはタッチパネルとLCDモジュールを密着させるZero Air Gap Display技術を採用。これにより、高いタッチ感度と日差しの下でも見やすい画面を実現したという。

 まずは欧州で10月に発売する。価格はまだ発表されていない。

 liquid
「Liquid S2」の主な仕様
機種名Liquid S2
OSAndroid 4.2.2(コードネーム:Jelly Bean)
ディスプレイ6インチ フルHD(1920×1080、368ppi)
CPU2.2GHzクアッドコア
RAM2Gバイト
ストレージ16Gバイト
外部メモリなし
メインカメラ1300万画素
インカメラ200万画素
サイズ166×86×8.99ミリ
重さ
バッテリー容量3300mAh
ネットワークLTE対応

Iconia A3──エンターテインメント重視の10.1インチタブレット

 Iconia A3は10.1インチ(WXGA)ディスプレイのAndroidタブレット。Dolby Digital Plusを採用し、ヘッドフォンで5.1サラウンドを楽しめるという。バッテリー容量は不明だが、連続9時間の動画再生が可能としている。

 Wi-Fiモデルは10月に欧州、中東、アフリカで希望小売価格249ユーロ(16Gバイト)で発売の予定。3Gモデルは同じ地域で11月に希望小売価格299ユーロ(16Gバイト)で発売する予定。

 iconia
「Iconia A3」の主な仕様
機種名Iconia A3
OSAndroid 4.2(コードネーム:Jelly Bean)
ディスプレイ10.1インチ WXGA(1280×800)
CPU1.2GHzクアッドコア
RAM2Gバイト
ストレージ16/32Gバイト
外部メモリmicroSDスロット
メインカメラ500万画素
インカメラ
サイズ厚さは10.15ミリ
重さ600グラム
バッテリー容量
ネットワーク3Gモデルあり

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注目すべきはハードよりソフト――自宅兼オフィスのNASを一新した効果は?

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←・前編:そのデータ保存法で本当に問題ない?——自宅兼オフィスのNAS環境を見直す

 前回は自宅+簡易オフィス向けのNASにトラブルが発生し、環境の移行を決定、QNAPの中小規模事業者向けモデル「TS-469 Pro」を選んだ。NASで利用することを意識した高耐久性のSATA HDD「WD Red」シリーズ(Western Digital)も同時購入した。

tm_1308nas_06.jpgtm_1308nas_07.jpg筆者が購入したQNAPの「TS-469 Pro」と、Western Digitalの「WD Red」4台

 実際に購入し、セットアップして使い始めるまでの作業はさほど難しいものではない。ネットワークエンジニアではない筆者でも、サクサクとマニュアルなしで作業できるほどだ。基本的な導入の流れは簡単に記すが、機能やスペックはメーカーのWebページを見れば分かる。編集部から「後編は導入や設定の記事ですか?」と聞かれたが、筆者がその辺りの「再確認」を記すことに、あまり意味はないだろう。

 そこで、後編は「実際に使い始めてから痛感したこと」を中心に進めていきたい。

NAS選びの本質はソフトウェアにあり

 前回は「トラブりました」から「買いました」までを報告したが、その後、「使い続けた結果」として痛感していることがある。それは、僕らが買うような個人や小規模事業者向けのNASは、本質的な価値がソフトウェアに集約されている、ということだ。あるいは大規模なエンタープライズ向け製品でも、根っこの部分は同じかもしれない(が、そちらは経験がないのであくまでも推測だが)。

 これから少し高機能、高性能なNASを選ぼうという人は、その点について意識をしながら選ぶとよいだろう。例えば筆者が選んだTS-469 Proは、Intel Atomプロセッサ内蔵のQNAP製NASの中でも最新モデルの1つだ。もっとも、最新といっても製品の大枠が世代ごとに大きく違うわけではない。

 このクラスのRAID機能付きNASは、必要数ぶんのSATA対応HDDスロットを持つ“小さなPC”といった風情の作りになっている。ハードウェアのRAIDコントローラは搭載されず、RAID機能もソフトウェアで実装されているものがほとんどだ。

 もちろん、世代が新しくなればハードウェアのプラットフォームは新しくなる。TS-469 Proも同じで、内蔵するAtomの動作速度は速くなっているし、内蔵するHDDのインタフェース速度も前世代の2倍になった(とはいえ、ファイル転送の帯域はギガビットイーサネットなので、あまり意識することはないと思う)。メモリは1Gバイトを搭載しているが、最大で3Gバイトまで拡張可能だ。

tm_1309nas_01.jpgRAID NASは、簡単に着脱できる鍵付きのドライブベイスロット、電源の信頼性や静粛性、コンパクトさも重要だ

 しかし、PCとは異なり、コンピュータとしての性能がすべてではない。NASのハードウェアにおける本質的な価値は、簡単に着脱できるドライブベイスロットの構造や、(使う場所によっては)盗難・いたずら防止のセキュリティロック、電源の信頼性や静粛性、コンパクトさなどだろう。

 とはいえ、昨今のRAID NAS製品に関して言えば、これらの要素はおおよそカバーしている。

 環境移行前に筆者が使っていたバッファローのRAID NASは、いずれもMarvellのプロセッサを使ったもので、ハードウェアプラットフォームそのものに問題があったわけではない。動作音は静かだったし、5年間電源を入れっぱなしでも電源回路がダメになることはなかった。鍵付きではないが、ドライブベイの出し入れは十分にやりやすい。

 共振しやすい部分があり、たまに出る異音の対策には工夫が必要だったが、言い換えれば、そうした部分にRAID NASを選ぶためのポイントは潜んでいないということだろう。

tm_1309nas_02.jpgMarvell 2.0GHzを搭載するホーム/SOHO向けのQNAP製NAS「TS-421」

 今回選んだQNAPにも、低価格のMarvell製プロセッサ搭載モデルはある。それらが役立たずかと言えば、そんなことはない。パフォーマンスはAtomのほうが上だが、単にファイルサーバとして使うぶんには大きな性能差は感じないだろうし、何らかのアプリケーションを動かす場合も、規模の大きなパッケージソフトを導入したり、多数のアクセスがあるECサイトを構築しようと思わなければ十分だ(NASといっても中身はPCなので、インストールするパッケージ次第でサーバとしても利用できる)。

 結局のところ、導入規模や目的に応じて性能や搭載ドライブの数などを選んでおきさえすれば、ハードウェアの使い勝手は製品ごとに大きくは違わない。

 しかし、ソフトウェアはそうはいかない。前述したように、このクラスのRAID NASはソフトウェアでRAIDを動かしており、ハードウェア実装のコントローラを使っているわけではない。再構築時も100%ソフトウェアで実行される。

 「ソフトウェアで実行される」こと自身が問題になるわけでない。しかし、OS、RAID機能、HDDトラブル時のリビルド、あるいは完全にストレージの内容が失われたときに、きちんとシステムが立ち上がるのか。そして、HDDが健全な状態でハードウェアにトラブルが発生した場合に、どのような振る舞いになるのか。さまざまな事態に対して、きちんと対応できているソフトウェアであるかどうかが重要ということだ。

 PCプラットフォームを活用し、ホットスワップが可能なドライブベイの筐体を用意すれば、後はオープンソースのRAIDあるいはNAS関連ソフトを集めてくれば、とりあえず動作はする。しかし、“信頼感”となると、別の切り口も必要だ。

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ググるだけで水圧バルブを直接操作可能!? ――制御系システムの「危うい現実」

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 狙われるのは金融機関や個人情報だけではない——。

 2010年、中東の原子力関連施設で遠心分離機を狙った「Stuxnet」は、セキュリティ業界にも大きな衝撃を与えた。制御系のシステムを狙い撃ちにした攻撃コードが登場し、猛威を振るったこの事件は、産業制御システムのセキュリティの現状をあらわにしたからだ。

photo産業制御システムの変遷
photo狙われる産業制御システム。多くの攻撃事例が公表されている

 これを受け、2013年8月27日にトレンドマイクロが産業制御システムへのサイバー攻撃実態調査レポートを公開するとともに、記者向けの説明会が開催された。本記事ではこの説明会で述べられた内容を基に、制御系システムにおけるセキュリティの現状や「ネットの脅威」への対策などを紹介する。

トレンドマイクロ:産業制御システムへのサイバー攻撃実態調査レポート | 資料ダウンロード

http://inet.trendmicro.co.jp/doc_dl/select.asp?type=1&cid=112


歴史的な経緯——制御系システムにおける優先度

 本記事をお読みの方の多くは、制御系システムの構築に携わるエンジニアだろう。おそらく「セキュリティは重要だ」ということよりも「止まらないシステムの方が重要だ」という認識であると推察する。

 情報系エンジニアの世界でもセキュリティが重視されたのはつい最近で、やはり大きな事件が立て続けに起きたことがきっかけだったように思える。当時、セキュリティは「利益にならない」ものとされており、なかなか認識は変わらなかった。

 制御系システム(ICS/SCADA)においてもそれは変わらないだろう。なぜなら、機器や制御システムの中にセキュリティ機能を入れることは、負荷の増大やレスポンスの低下を意味する。産業制御システムでは、遅延は最も避けるべき事項であるだろう。

photo産業制御システムと一般情報システムにおける優先度の相違

 いままではそれでもシステムは安定して運用できていた。しかし、近年あらゆる機器がインターネットに接続されてきたことにより、産業制御システムも「ネットの脅威」にさらされつつある。当然、ファイアウォールなどの防御壁は一通り設置されているだろうが、その運用が正しくない場合、外部からの攻撃により制御系システムは「陥落」してしまう。

 その陥落が引き起こすもの——それは、インフラシステムの停止だ。

photo一般的な産業制御システムの構成図。ファイアウォールを介して情報系ITシステムと制御系ICS/SCADAシステムがつながっている。制御系システムの中には稼働状況データ、バルブなどに直結するコントローラなどが存在する。これが直接攻撃されることは、インフラや工場全体がダウンすることを意味する
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Windows 8.1の「3Dプリンタ対応」って、どういうこと?

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Windows 8.1と3Dプリンタ、デバイスサポート部分の改善ポイント

photoMicrosoft Storeでデモストレーションが行われているMakerBot社の3Dプリンタ「Replicator 2」。サンフランシスコのWestfield Center店で撮影した

 2013年6月末、サンフランシスコで開催されたMicrosoftの開発者会議「BUILD 2013」カンファレンスにおいて、MicrosoftはWindows 8.1における特徴の1つとして「3Dプリンタ」のサポートを大々的にうたった。

 基調講演ではWindows 8.1+3Dプリンタで「花瓶(のようなもの)」を製作する様子がデモストレーションで示され、とても大きく扱われていたことが印象的だった。今回はこれを含めたWindows 8.1におけるデバイスサポートについて少し考察しよう。

 さて、唐突に3Dプリンタのサポートといってもピンとこない部分はあるかもしれないが、Windows 8.1では3Dデータの標準ファイル形式(STLなど)やプリンタドライバを標準でサポートしつつ、OS標準ドライバで「3Dプリンタへの出力を可能」にしたのが今回のポイントだ。ユーザーの使い勝手はさることながら、アプリ開発者らが3Dプリンタを利用することが容易になる点──が特徴といえる。

 ここ最近、特に米国での3Dプリンタに対する過熱ぶりは異常といえるほど。中でもMicrosoftはその取り組みに熱心な企業の1つだと感じている。同社は全米で展開する実店舗 Microsoft Storeの一部でMakerBot製3Dプリンタ「Replicator 2」の動作デモを実施しており、来場者に対して3Dプリンタで作成したキーホルダーやおもちゃを無料配布したりしている。GigaOMなどの報道によれば、同ストアではすでにReplicator 2の販売も行っており、MakerBotの代理店としても機能しているようだ。

 もっとも、Replicator 2のサービスバンドル付きのオンライン販売価格は2500USドル(日本円換算 約24万6500円 2013年9月2日時点)以上となるので一般ユーザーの多くが簡単に入手できるものではないが、2013年秋にはより低価格な3Dプリンタの取り扱いも開始するという話も出ている。2013年10月のWindows 8.1正式版配布開始と合わせ、こちらも大きな話題になりそうだ。3Dプリンタに興味があり、実際に米国で店頭デモの様子を見たいという人は、MakerBotが公開するデモ実施店舗リストの店舗に訪れてみてほしい。

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