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人気再燃インスタントカメラ 富士フイルム「チェキ」に高級感ある新機種

 富士フイルムは8月22日、インスタントカメラのチェキシリーズの最上位機種として「instax mini 90 ネオクラシック」を9月20日に発売すると発表した。店頭予想価格は2万円前後。同シリーズは「人気が再燃」しており、今年の販売台数は前年から25%増を見込んでいる。

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instax mini 90 ネオクラシック

 新機種は高級感のあるクラシックな筐体を採用し、男性にも手にとってもらいやすいモデルを目指したという。カメラの基本性能を向上させ、被写体との距離や周囲の明るさで光量を自動調整する高性能フラッシュを搭載。フラッシュのオンオフも調整できる。「バルブモード」など、従来のチェキが苦手としていた状況でも美しく撮影できるモードも用意した。

 シーンに合わせて使える、暗い室内でも背景を明るく映す「パーティモード」、近距離撮影に向く「接写モード」、速い動きに強い「キッズモード」、風景をきれいに撮影する「遠景モード」も。本体サイズは113(高さ)×92(幅)×57(厚さ)ミリ、重さ296グラム。

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フォトグラファーの瀧本幹也さんによる撮影サンプル

 チェキは「フィルムカメラ自体に珍しさを感じているデジタルネイティブ世代や、子どもの日常の様子を撮影し、写真に書き込みしてアルバム形式で保存する子育てママを中心に人気が再燃」(山元事業部長)しており、アジアを中心に国外でも売上を伸ばしているという。シリーズ全体での2013年の目標出荷台数は200万台で、昨年の160万台からさらなる成長を目指す。

 同社の山元正人イメージング事業部長は「デジタル全盛の今だからこそ、撮った写真をすぐに共有できるチェキがコミュニケーションツールとして支持を集めている。現在のユーザーは若い女性が中心だが、多機能モデルの登場によって、性別年代を問わずライフスタイルに合わせてチェキを楽しむ人を増やしたい」と話している。

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イメージキャラクターの佐々木希さん(右)と山元正人事業部長

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第5回 Surface Proで「艦これ」がはかどるぞ

「Surface Pro」で「艦これ」をプレイ

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Core i5-3317U搭載で、よくあるUltrabookと同等クラスのパフォーマンスが得られる「Surface Pro」。今回はその性能をゲームで発揮してもらう

 Windows 8 Proを搭載する「Surface Pro」は、Windowsストアアプリの数こそまだ少ないものの、x86/x64対応の一般的なWindows用ソフトウェアを使えるため、幅広い用途で利用できるところが強みだ。CPUの処理能力も高く、大抵のアプリケーションは難なく動く。

 特にゲームとなると、iPadやAndroidタブレット、Atom Z2760を搭載したほかのWindowsタブレットよりも有利な点は多い。例えば、最近話題になっているブラウザゲーム「艦隊これくしょん -艦これ-」(艦これ)もその1つだ。

 艦これをプレイするためにはAdobe Flash対応のWebブラウザが必要であり、FlashをサポートしないiOSや、Flash Playerの新バージョンがリリースされないAndroid(Android 4.1以降)は動作対象外となる(有料Webブラウザアプリ「Puffin Web Browser」を使うなどの“抜け道”はあるが)。

 その点、Windowsタブレットであればそういった心配はいらない。アプリをダウンロードしたり、さまざまな設定をすることなく、艦これをはじめとするFlash対応のブラウザゲームが遊べるのだ。こうしたゲームは基本的にタッチのみで操作できるため、タブレットとの相性がよい。外出時に艦これをプレイするならば、Surface Proは有力な候補となる。

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Androidタブレットなどで艦これのWebサイトにアクセスすると、推奨環境を満たしていないと表示されてプレイできない(写真=左)。Windowsタブレットならば簡単にプレイできるし、外出先でも気軽に操作できる(写真=右)

 ただ、Surface Proは914グラム(実測値)とWindowsタブレットとしてはかなり重いところは不利な点だ。電車などで持って使うなら、Windows搭載タブレットであっても8.1型の「ICONIA W3-810」(約500グラム)やWindows RT搭載タブレット「Surface RT」(684グラム)の方が使い勝手はいい。

 ただ、第3世代Coreプロセッサー・ファミリーのCPUを内蔵し、十分なメモリ容量がある分、Surface ProはFlashがサクサクと動くところはメリットだ。Atom搭載機やSurface RTでもゲームはプレイできるが、挙動が遅かったり、タイトル画面からゲーム開始までに30秒以上待たされることがある。

紹介したWindowsタブレットの主な仕様とゲームの起動時間
機種Surface ProSurface RTIconia W3-810
CPUCore i5-3317U (1.7GHz/最大2.6GHz)NVIDIA Tegra 3 (シングルコア1.4GHz/クアッドコア1.3GHz)Atom Z2760(1.8GHz)
メモリ4Gバイト(DDR3)2Gバイト(DDR3)2Gバイト(LPDDR2)
ストレージ128G/256GバイトSSD32G/64GバイトSSD64GバイトSSD
画面サイズ10.6型ワイド8.1型ワイド
アスペクト比16:916:10
解像度1920×1080ドット1366×768ドット1280×800ドット
液晶パネルIPSパネルTNパネル
重量914グラム684グラム497グラム
価格9万9800円(128Gバイトモデル)3万9800円(32Gバイトモデル)6万円前後
起動時間(タイトル画面からゲームスタートまでの時間)約5秒約30秒約40秒

 艦これのゲーム画面は800×480ドットで固定されているため、Surface Proの場合、スケーリングを100%にしていると(初期設定は150%)画面が小さくなってしまうので注意が必要だ。スケーリングを調整したり、タップで画面を拡大させるとゲーム内のアイコン画像などが荒く見えるが、文字については解像度の高さがそのまま反映されるため、他のタブレットよりもきれいだった。

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Atom搭載機などスペックが低いタブレットだと、Flashの読み出しが遅いためか、タイトル画面で警告画面が出る(写真=左)。ICONIA W3-810でプレイした場合の画面。画面のサイズは800×480ドットと決まっているため、画面解像度が上がると、ゲーム画面が相対的に小さくなっていく(写真=右)

 Surface RTおよび、Atom搭載機のICONIA W3-810と比較したときのメリットとデメリットを以下にまとめたので、参考にしてほしい。ひざに乗せるときやテーブルでKickstandを使える状況であれば、Surface Proが最も快適にプレイできる。

「艦これ」プレイ時のメリットとデメリット
機種Surface ProSurface RTIconia W3-810
メリットFlashが滑らかに動く端末の発熱がほぼない小型軽量ボディで持ち運びやすい
画面が大きくボタンを押しやすい片手で持ちながらのプレイも可能
デメリット重い。端末を片手で持ちながらのプレイは厳しいFlashの動作がやや重く、起動に時間がかかるFlashの動作が重い、起動に時間がかかる
長時間プレイすると、背面が熱くなる画面が小さく、ボタンが押しづらい
TNパネルを採用しているためか、画質がやや劣る
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“充電だけ”じゃないモバイルバッテリーでスマホライフを充実させる

 外出先でスマートフォンやタブレットを利用する際、やはり“バッテリーの持ち”が気になる。特に旅行や出張などの長時間の外出や移動では、コンセントを使った充電環境が確保しにくく、モバイルバッテリーが必須。という人も多いだろう。

 モバイルバッテリーを選ぶポイントは、バッテリー容量とサイズそして価格のバランスということになるが、最近は“ただ充電できる”製品から一歩進んで、さまざま工夫を凝らした製品が登場している。今回レビューするBluevisionブランドの新製品「Clamshell 6000 Mobile Battery」もその1つだ。

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プレアデスシステムデザインが販売するBluevisionの「Clamshell 6000 Mobile Battery」
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パッケージ正面と背面(写真=左)、パッケージ正面の一部が開閉するようになっており、開いた状態で製品の仕様を確認することができる(写真=右)

大容量でしかも薄い! 持ち運びに最適なモバイルバッテリー

 Clamshell 6000 Mobile Batteryの特徴はいくつかあるが、まずは内蔵するリチウムイオンポリマーの容量が6000mAhと大きい点だろう。2013年の春夏モデルとして登場したスマートフォンのうち、“大容量バッテリー搭載”といわれる機種が、だいたい3000mAhのバッテリーを搭載している。Clamshell 6000 Mobile Batteryなら約2回のフル充電が可能だ(実際は損失が発生するため、それよりも少なくなるが)。それまでのスマートフォンでも大容量バッテリーといわれる機種は2000mAh程度だったので、その場合はおよそ3回分に相当する。

 また、パッケージ記載の仕様には、充電回数は500回、出力が2.5Aとなっている。繰り返し充電はもちろん、iPadなど高出力が必要なタブレットを充電する際にも利用できる点が心強い。

 しかし、大容量と言っても現在では10000mAhを超えるモバイルバッテリーも珍しくなく、もちろんiPadなどを充電するため2.0A出力ができるモバイルバッテリーも数多く販売されている。

 それら製品と比較して魅力的なのが、Clamshell 6000 Mobile Batteryの薄さ。厚さは12ミリで、容量が大きい=本体が分厚いというイメージを一気に覆してくれる。また重さが220グラムと軽量なのもうれしい。では、実際どの程度のサイズ感なのか? 手持ちのスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターと比較をしてみた。

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左からClamshell 6000 Mobile Battery、HTC J ISW12HT、RAZR M 201M、モバイルWi-FiルーターのURoad-Aero(写真=左)、厚み比較、左がHTC J ISW12HTで右がClamshell 6000 Mobile Battery(写真=右)
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もちろん片手で持てるサイズ。角が丸みを帯びておりサイズ感と相まって非常に持ちやすい(写真=左)。とにかく薄い!という印象の側面。6000mAhの大容量バッテリーでこの薄さは嬉しい(写真=右)

 一般的なスマートフォンと比較すると横幅はやや大きいものの、高さと厚さはほぼ同等だ。もう一台スマートフォンを持っていく感覚でカバンに入れておけるサイズで、ポケットに入れてスマートフォンを充電しながら使うことも可能だ。

 本体ボディはアルミニウムを採用し、さらさらとした手触りで質感がよい。カラーバリエーションはブラックのほか、シルバー、ゴールド、レッド、ピンクと5色を用意。それぞれツヤを抑えた仕様で指紋も目立ち難く、汚れも拭き取りやすい。

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本体の背面にも仕様が記載されている(写真=左)、Micro USBケーブルが2本同梱する(写真=右)
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PDFマニュアルは専用URLからダウンロードする

 製品には付属品としてUSB-Micro USBケーブルが2本とマニュアルカードが同梱する。Androidのスマートフォンやタブレットなど充電用にmicroUSB端子を搭載するものであればこの同梱ケーブルを使ってすぐに充電が可能だ。iPhoneやiPadなどMicro USB端子以外で充電するデバイスの場合は、別途ケーブルが必要にある。

 マニュアルカードに記載されているQRコードを読み取るとPDF形式のマニュアルをダウンロードすることができる。読み取れば即ダウンロードとなるので操作も簡単だ。試しにHTC J ISW12HTでマニュアルをダウンロードしてみた。特に問題なくダウンロードと閲覧ができた。マニュアルは表紙をあわせて全部で8ページの簡単なものとなっている。

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半導体業界における2013年の買収事例

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 現在のところ、2013年におけるエレクトロニクス業界での買収件数は、特に多いというわけではなさそうだ。しかし、その中でも特に注目すべき買収契約がいくつか挙げられる。2013年に発表または完了された買収のうち、今後数年にわたるエレクトロニクス業界の展望に影響を及ぼす可能性がある5件の買収事例について、以下に取り上げてみよう。

Micronによるエルピーダメモリの買収

 米国の半導体チップメーカーであるMicron Technologyによるエルピーダメモリの買収は、メモリ業界にとってかなり大きな出来事であった。買収金額は25億米ドルで、買収は2013年7月末に完了したばかりだ(関連記事:「社名がマイクロンになってもエルピーダの火は消えない」、坂本社長が退任の弁)。

 買収が完了するまでには丸1年を要した。規制当局の承認を得る必要があった他、エルピーダの社債権者から、「エルピーダの資産価値が過小評価されている」とする不満の声が上がっていて、それを解消しなくてはならなかったからだ。

 エルピーダの買収により、Micronは、Samsung Electronicsに次ぐ世界第2位のメモリチップメーカーの座を獲得する。また、サプライヤの数が減ることでメモリチップの生産量をコントロールしやすくなるので、メモリ市場は安定すると期待されている。

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CadenceによるTensilicaの買収

 EDAベンダーであるCadence Design Systemsは2013年3月、データプレーンプロセッシング向けIP(Intellectual Property)ベンダーのTensilicaを約3億8000万米ドルで買収すると発表した。買収は2013年7月に完了している。Cadenceは、シリコンIP分野においてSynopsysに追いつくための戦略の一環として、この買収を実施したとみられている(関連記事:ケイデンスがテンシリカを約366億円で買収、ARMとの連携を拡大へ)。

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ASMLによるCymer買収

 リソグラフィ装置ベンダーであるASMLは2013年5月末、リソグラフィ光源技術を手掛けるCymerを、26億米ドルで買収する契約を締結したと発表した。ASMLにとってCymerは、長年にわたりサプライヤでもあった。

 買収の目的は、EUV(極端紫外線)リソグラフィ光源の開発を確実に主導していくことだとされている。EUVリソグラフィ技術は今後数年の間に、IntelやTSMCなどの大手半導体チップメーカーにとって、喉から手が出るほど欲しい技術になっていくだろう。しかし現状は、主にソースパワーや安定性などに関する問題がネックとなり、期待されている成果からは程遠い状況にある。

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Dialog SemiconductorによるiWatt買収

 ミックスドシグナルおよびパワー半導体チップ、RFチップの製造を手掛けるDialog Semiconductorは2013年7月、電源管理ICの先駆的企業であるiWattを3億1000万米ドルの現金で買収する契約を締結した。買収後に、一定の業績目標を達成できた場合には、買収金額を最大で3500万米ドル上乗せする予定だという。

 DialogがiWattの買収を発表したのは、Dialogが買収先を探していると公表してからわずか数カ月後のことだった。Dialogはこの買収によって、固体素子照明(SSL)LED向けドライバや、AC/DCアダプタ/充電器などの分野において、同社の位置付けを高められるとみている。

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CiscoによるUbiquisys買収

 2013年4月、Cisco SystemsはUbiquisysを買収すると発表した。Ubiquisysは、3G(第3世代)やLTEに対応したスモールセル技術を手掛けている企業である。買収金額は3億1000万米ドル。

 Ciscoは2012年12月、同社の家庭向け通信機器事業部門であるLinksysをBelkinに売却することを検討中だと明かした。Linksysは、Ciscoが2003年に5億米ドルで買収した企業である。

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【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

原文へのリンク

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情報家電のアップデートは面倒くさい? その考えが狙われる

コラム

半径300メートルのIT:情報家電のアップデートは面倒くさい? その考えが狙われる

日常生活において機能を「アップデート」できるネット家電が増えてきています。「現状でも特に困っていないから」とほったらかしにしておくと、深刻な落とし穴にはまる可能性があります。

[宮田健,Business Media 誠]

著者紹介:宮田健(みやた・たけし)

元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。アイティメディアのONETOPIでは「ディズニー」や「博物館/美術館」などのキュレーターをこなしつつ、自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め日々試行錯誤中。


 ふと家の中を見渡してみると、私たちの生活のなかにさまざまなネット家電が増えていることに気付きます。インターネットにつながることで便利にもなりましたが、そこには大きな落とし穴が潜んでいるかもしれません。今回は、ネットにつながった“機器”が、あなたに“危機”をもたらすかもというお話です。

生活の中で増える「アップデート可能な」機器

 PCについては、「安全のために常に最新なものにしましょう」というルールが啓蒙されつつあります。PC本体だけでなく、そこで使っているWebブラウザなどのソフトウェアも同じです。ところがPC以外の機器についてはあまり気にしていないのではないでしょうか? その多くは機能のアップデートができるのです。

 NTTコミュニケーションズが興味深いプレスリリースを出しています。インターネットへの接続ID、パスワードを不正に盗まれていた事件の原因が、利用者が使っていた一部のブロードバンドルーターの脆弱性(何らかの攻撃にさらされる欠陥)にあったというものです(関連記事)

 筆者も自宅にあるブロードバンドルーターのアップデートを最後にしたのはいつだかまったく覚えていませんでした(案の定、最新のファームウェアが存在していました……)。ほかにもアップデート可能なものが多くありました。例えばハードディスクレコーダー、ゲーム機器、デジタルカメラ……。カーナビなどもアップデートの対象になっていることもあるでしょう。

身の回りのIT、あなたの意識も「アップデート」できていますか?

 特に気をつけなければいけないのは、やはりネットに直接つながる機器でしょう。先日、自動車の電子制御システムの脆弱性を利用することで、外部から自動車を操作することが可能というニュースが話題になりました(関連記事)。現時点では直接ケーブルで接続することが必要ですが、将来はリモート操作になる可能性がないとは言い切れません。

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セキュリティ
(画像と本文は関係ありません)

 インターネットにつながる機器は、あらゆる人とつながっているといっていいでしょう。その中には悪意を持つ人もいます。将来的にはクルマはもっと積極的にインターネットにつながっていくでしょう。もしも運転中にハンドル操作を奪われたら……。考えただけでぞっとします。

 脆弱性は、日々新しいものが発見され、多くの人が知る情報になっています。当然、悪意を持つ人の目にも触れます。むしろ、そのような輩(やから)の方が目ざとくチェックしています。

 だからこそ常にもれなくアップデートを実施して、安全性を確保することが重要なのです。安定して動いている機器だから困ることはないと、面倒なアップデート手順を天秤にかけてしまう気持ちもよく分かります。今後デジタル家電を選ぶときに「アップデートの容易さ」も重要視すべき点なのかもしれません。

 今回NTTコミュニケーションズが発表したようなブロードバンドルーターへの攻撃は珍しい事象ではありません。この機会にぜひ皆様の環境、そして私たちの認識も「アップデート」をしてみてはいかがでしょうか。

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第1回 ぼくがWebサイトのビジネスモデル研究にこだわる理由

この人に話を聞きました

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黒須敏行 「マーケター通信」ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話のコラムニスト。早稲田大学在籍時、アルコにアルバイトとして参加し、その後入社。現在はセールスチームのリーダーとしてベネッセなどが運営する大規模サイトを中心に、SEO対策のプランニング及びコンサルティング活動を行なっている。「ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話」では、集客施策が優れているネットメディアを外から研究し、参考になるポイントを詳細に分析する。


—— 黒須さんはどんな学生だったんですか。

黒須 1、2年の時はサークル活動に熱中していました。ぼくらは“まじめなイベサー”って呼んでましたけど、「KING」というサークルがあってですね、そこの創業者が先輩だったこともあって、その運営に関わっていました(Business Camp KINGは立ち上げから18年目を迎えた学生のための合宿型ビジネスコンテンスト。国立オリンピック記念青少年総合センターに1週間泊まり込み、5人×20のチームがビジネスプランを競い合う。ユーグレナラクスルスマポといったベンチャー企業の創業者を輩出している)。

—— 学生の頃からビジネスに興味があったんですか。

黒須 そうですね。それには両親の影響が大きい気がします。父親は海外の大学院でドイツ語を勉強して、通訳とかいろいろやってきた人なんです。勝手気儘に生きている感じで、今は大学院とか社会人向けの予備校で法律関係の講師をしているんですけど、母親は大企業に勤めていて、わりと堅い。で、母親の仕事ぶりを見ていて、当時思ったんです。彼女は会社のために働いているんだな、と。あまり面白そうじゃないと思いましたね。反対に父親からは、ユニークなスキルを身につけて生きていくことの魅力を感じていました。

—— 2年生の時にKINGを“卒業”しましたね。3年生から何を?

黒須 ベンチャー企業のインターンをしたりとか。すごく面白い会社でしたね。マジカルポケットって会社なんですけど、当時はできて3年目くらいでした(2003年04月設立)。日本の上場企業4000社のうち400社くらいと取引のあった会社で、大学にチラシがあってですね、それを見て、けっこうスゴイなと思って面接を受けに行ったんです。

 この会社の主な事業は「IRコンサルティング」ということだったんですが、実際やってたのは、決算短信とか決算説明会の資料をひたすら印刷しまくる、ということだったんですね(笑)。

 決算情報って、発表日の前日にならないと数字が固まらないじゃないですか。それから資料を作る。そうすると、担当者は夜を徹して会社中のコピー機を総動員することになるわけです。マジカルポケットは「決算発表前日にデータをいただければ、それを印刷/製本し、チェックもして納品します」ということをビジネスにしたんです。決算は年に数回は必ずあるので、継続的に発注は来るし、売り上げが積み上がるんですよ。そこでぼくは営業をやってました。

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アルコ セールスチーム コンサルタント 黒須敏行氏。マーケター通信では「ちびクロの細かすぎて伝わらないネットサービスの話」を執筆する。
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パスワードクライシス・後編 無理のないパスワード管理をどうするか

前編はこちらから。中編はこちらからお読みいただけます。


パスワードをどう管理すべきか?

 パスワードの管理方法について誤解を恐れずに言えば、手書きでも表計算シートでも何でもよいのだが、まずは自分の登録しているパスワードを全て列挙してみることから始める。全体像を掌握しないと、お話にならないからだ。

 前回に触れたが、そこでは以下の2点を理解しておくことが必要になる。

1.インターネットだけがパスワードではない

 例えば、ドア認証におけるパスワード、自転車のチェーンロックの数字(5桁が主流)、スマートフォンのロック番号、金庫(ダイヤルロック式)の数字、ファイル暗号のパスワード、クレジットカードの暗証番号とセキュリティコード、キャッシュカードの暗証番号、PCの各種パスワード(ローカル上で使うものからインターネットで使うものまで。PCが複数台のケースも)などたくさんある。

2.普段から意識していないパスワードが多数存在する

 筆者の場合は6割が認識していなかったものだった。アングラツールや過去のメールを遡って確認してみるだけでもかなりの数がある。

 こういう観点で自身のパスワードを全て表に列挙したら、次にジャンル分けをしよう。それぞれのIDとパスワードを重要度ランクのA〜Eに分類して、記入する。

Aランク:金銭に直接関係する最重要なもの

 銀行などの金融機関のキャッシュカード、クレジットカードの暗証番号とセキュリティコード、ネットバンキングを実行する際の認証一式、証券会社での株売買の認証などが該当する。筆者のケースでも使っていない、失念したものでここに分類されるものが少なからずあった。

Bランク:業務に関連するもの

 会社だけで使うものを中心に、毎日使うOA端末のパスワード、権限が必要なシステムでの認証、組合で使う場合のパスワードなどだ。他ジャンルとは一線を画してパスワードを決定、管理する必要がある。また、損害の程度でランク付けはしない。「個人」でなく「業務」で使うもの全てがここに分類される。

Cランク:影響度「中」、個人的には「大」と思ってしまうもの

 通販サイトなどのパスワードで、他人に侵入された場合、ある程度の金銭被害につながるが、口座の資金移動や有価証券自体の操作が可能ではないもの。しかし、なりすましによる「悪さ」が可能で、金銭被害が及ぶものだ。

Dランク:影響度「小」、なりすましは可能だが、直接的な金銭被害にはなかなかつながりにくいもの

 FacebookやTwitterのIDとパスワード、有料サイトのIDとパスワードなどが該当する。ここでの被害は、信用をなくすツイートをされてしまったとか、個人情報を改ざんされたり、友だちの情報が盗まれたりということであり、直接的な金銭被害はあまりないと考えられる。個人的に「1億円盗まれるより被害が甚大だ」と判断して、Aランクに置くのならそれでも構わない。

Eランク:無料サイトのIDとパスワード

 例えば、会員限定の記事を読むためだけに登録したIDとパスワード、一回だけ無料登録して利用したが、それっきり使っていないものなどが該当する。

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クラウドとモバイルがもたらしたリスクと進化――端末管理の今昔物語

 四方を壁に囲まれたオフィスの中で仕事をし、従業員が使うコンピューティング機器は1台だけで、建物の外に持ち出されることはなかった時代の端末管理は、かなりシンプルだった。基本的にユーザーのPCが特定の基準に従っていなければ、ユーザーにネットワークリソースへのアクセスを許可しないだけで済んだ。

 しかし、従業員1人につき端末1台の時代は終わった。かつては会社支給の1台のWindows端末でデータやアプリケーションにアクセスしていたが、会社が所有しない端末の利用も進み、複数のOSが共存するややこしい状況になっている。今やユーザーは、会社支給のWindows端末、自宅にある私用のApple製品、スマートフォンタブレットを併用している可能性がある。

 そうなると、端末管理の進化は、実質的に従業員のワークスペース(デスクトップ、アプリケーション、データ)と、このワークスペースをサポートして管理するために開発されてきた、管理/セキュリティツール全般の進化の話になる。


Oracleのラリー、Googleのラリーを“口撃”──エリソン氏、Androidめぐり「Googleの行為は邪悪」

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REUTERS

 米Googleには「邪悪にならない(Don't be evil)」という非公式なモットーがあるが、歯に衣着せぬ物言いで知られるシリコンバレーの億万長者ラリー・エリソン氏は、Googleのラリー・ペイジCEOの行為を「絶対的に邪悪だ」と非難している。

 ソフトウェア大手Oracleの共同創設者兼CEOであるエリソン氏はかねてから、ライバル企業に対する辛辣な発言で知られている。

 今回エリソン氏のターゲットとなったのは、Googleのペイジ氏だ。OracleとGoogleは現在、Googleの「Android OS」の特許侵害をめぐり、米連邦控訴裁で係争中だ。

 エリソン氏は8月13日に放送された米テレビ番組『CBS This Morning』でチャーリー・ローズ氏のインタビューに応じ、「Googleが当社の所有物を無断で使ったのは間違っている、というのがわれわれの考えだ」と語った。

 「ペイジ氏を邪悪と思うか」との質問には、エリソン氏は「Googleの行為は絶対的に邪悪だ」と答え、ペイジ氏個人を邪悪呼ばわりはしていない。

 Googleの広報担当者からはコメントを得られなかった。Oracleの広報担当者からも、エリソン氏のインタビューについてのコメントは断られた。

 ペイジ氏に対するエリソン氏の“口撃”の根底には、Oracleが2010年にSun Microsystemsを買収した際に手に入れたJavaプログラミング言語の存在がある。エリソン氏は当時、「Javaはこれまでに買収した中で最も価値の高いソフトウェア資産だ」と語っていた。

 Oracleは2010年、GoogleのモバイルOSであるAndroidはJavaの特許を侵害しているとして、Googleを提訴した。連邦判事は2012年、Googleに有利な判決を下したが、Oracleは控訴している。

 エリソン氏はかねてから、IBMやMicrosoft、独SAPといった長年のライバル企業の幹部に攻撃的な発言を繰り返しており、時にはその矛先は敵対的買収を仕掛けている相手企業の幹部に向けられることもあった。

 2012年には、ソフトウェアメーカーであるSAPの共同創設者ハッソ・プラットナー氏がデータベース事業でOracleに対抗する計画を発表したのを受けて、エリソン氏は「薬剤師の名前を教えてくれる? SAPの幹部は何か変な薬でも処方されているに違いない」とSAPの取り組みを揶揄している。

 また2003年には、OracleによるPeopleSoftへの敵対的買収提案が注目を集めたが、この提案に反発していたPeopleSoftのクレイグ・コンウェイCEOについて、エリソン氏は「弾丸で撃ち殺したくなる」と発言している。結局、エリソン氏はこの敵対的買収を成功させた。

 シリコンバレーの情勢が変化する中、エリソン氏には新たなターゲットも現れている。

 OracleはHewlett-Packard(HP)と長年提携関係にあるが、HPの取締役会がCEOのマーク・ハード氏を解任した際、エリソン氏はそれを激しく非難し、個人的な友人でもあるハード氏をその後Oracleに社長として迎え入れている。

 またエリソン氏は2011年には、Oracleのカンファレンスで数千人の聴衆を前に、ライバルであるマーク・ベニオフ氏率いるSalesforce.comのクラウドコンピューティングプラットフォームを「一度入ったら決して出られない粘着シート式ゴキブリ捕獲器のようなもの」と皮肉った。

 Oracle出身のベニオフ氏はエリソン氏とは師弟関係にある。両氏は先ごろ、これまでの対立関係を解消し、両社が今後緊密に連携する方針であることを明らかにした。

 CBSによれば、今回のインタビューは8月上旬に行ったものという。エリソン氏はこのインタビューで、米国家安全保障局(NSA)の極秘情報収集プログラムについても発言している。

 同氏はNSAの情報収集を「テロ対策に絶対的に必要なこと」と擁護し、「問題とすべきは、収集されたデータが政治的な目的で利用された場合のみだ」と語っている。

 米政府はOracleにとって大規模顧客の1つ。創業30年以上となるOracleには、創業初期のプロジェクトで米中央情報局(CIA)にデータベースを納入した実績もある。

 さらにエリソン氏はiPhoneやMacを生み出したAppleの将来にも言及し、「親友」であった故スティーブ・ジョブズ氏の指揮なしではこれまでほどの成功は収められないだろう、との見通しを示した。

 エリソン氏はジョブズ氏の後継者であるティム・クックCEOについて「クック氏のことは好きだ」と述べた上で、次のように続けている。「Appleには優秀な人材が大勢いる。だがスティーブ(ジョブズ氏)の代わりになる人物などいない」

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自社製品を“より良いモノ”にするための意識改革

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本田雅一のエンベデッドコラム

 筆者はMONOistに長年寄稿しているが、いわゆる通り一遍の“モノづくり”を取材することは、ここ数年ほとんどなくなった。もとより、ITや要素技術開発、製品評価などに時間を割くことの方が多い筆者だが、こうした変化の背景には、少なからず“製品”の枠組みが変わってきたことが影響しているものと考えられる。

 製品に対する枠組みの変化として、“より良いモノ”であるかどうかの評価基準が変わってきたことが挙げられる。従来、ハードウェア部分で性能や品質の良いものが高い評価を得てきたが、今はそれだけでは“より良いモノ”として単純に評価されなくなった。こうした変化は、経営や事業戦略といった面の話を聞く機会が増えた筆者の取材活動からも見て取れるが、企業側は従来の考えを改め、“より良いモノづくり”のために何ができるのか、自社製品に何らかの創意工夫を加える努力が求められるようになった。つまり、企業として、こうした意識改革に取り組めるかどうかが、この変化の波を乗り切るために必要なことだといえる。

 変化に対する経営者側の反応はもちろん敏感だが、開発現場や商品開発プロジェクト全体を取り仕切っているような人たちにとっても、モノづくり産業全体の風景が大きく変わりつつあるのではないだろうか。

分岐路の先は下降だけではない

 先日、ディスプレイ産業全体を見据えた動向調査やコンサルティングを行っているディスプレイサーチが主催する「ディスプレイサーチフォーラム」の第25回記念パーティーで、5分ほどスピーチをした。

 ご存じの通り、ディスプレイ産業は大きな岐路に立たされている。特に、薄型テレビの普及で急速に伸びた液晶・プラズマ産業は、まずプラズマが主流から脱落し、大型液晶も収益性の高い事業ではなくなってきた。大型有機ELパネルも商品化はされたが、うまく立ち上がっているとはいえない。

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※写真はイメージです

 ディスプレイ産業は「大型投資によるチキンレース」といわれた装置産業の代表分野だが、さらなる大型投資へと向かうには限界であることは明らかで、大型ディスプレイの産地は日本から韓国・台湾、そしてあっという間に中国へと向かった(さて、それもどうなるのか……)。加えて、テレビ販売台数の落ち込みや単価下落が、追い打ちを掛けている状況だ。そうした中で行われた記念パーティー。材料メーカーや装置メーカー、最終製品を作る家電メーカーなど、さまざまな人たちが集まる中で、苦境を訴える声が聞かれたのも、もっともなことかもしれない。

 ディスプレイ産業に長く関わってきたプロフェッショナルに、筆者のようなジャーナリストや評論家がアドバイスできることは少ない。具体的なアドバイスはできないが、筆者は「この“大きな岐路”は、向かうべき進路を間違わなければ新たな事業機会を見つけるチャンスになるだろう」と話した。

 プロセス処理で生産するディスプレイパネルは、これまで“巨艦大砲主義”が正義とされてきた。しかし、今、パネルメーカーが苦しんでいる様子は、ある程度予想されていたこととはいえ、哀愁を感じざるを得ない。

 組み立てが難しいものを“頑張って”作る。絶望的な歩留まりのプロセスを“頑張って”開発する。“頑張って”大規模投資を先行させる。そんな前時代的なモノづくりの頑張りとは違う軸での頑張り方を探さねばならない。それは一言でいえば「知恵を絞る」ということだ。無論、これまでも創意工夫は行ってきたが、労働力と労働力の質での勝負に偏りがちではあった。

 知恵を絞り、誰もが手のひらをポンとたたくビジネスモデルを作る方向へと、もっともっと世の中全体が動いていかねばならない。ディスプレイ業界に目を向けるならば、知恵による差異化が容易な環境があると思う。なぜなら、これまでは大規模な装置産業としての側面を磨き込むことに業界全体が集中していたからだ。

 ディスプレイのニーズは多様化している。タッチパネル基板の統合などが昨今話題になったが、これまで単純なドットマトリックスディスプレイに徹してきただけに、アプリケーションごとの最適化(ハードウェアの統合だけでなく、ソフトウェアの良さを引き出すためのインタフェースやドライバの工夫など、ちょっとしたことで構わない)の余地は大きいのではないだろうか。

 スピーチでは「頑張り方を変えてみれば、まだまだディスプレイ産業にも未来がある」といったことを話したが、これは自分自身への言葉でもある。単純に人から話を聞き、そのまま伝えるだけでは“分かる人にしか分からない”話になってしまう。聞いたことを理解し、咀嚼(そしゃく)し、自分の言葉に直し、別の言葉をしゃべる(別の業界で別のコンセンサスを持つ)人にも“ピンとくる”伝え方をせねばならない。知恵を絞って“より良い”製品・部品を作っている人たちの話を、正しい認識で伝えるには、自分自身も知恵を絞らねばならない。

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グループ社員2万人が活用へ コミュニケーション基盤の共通化を図る大成建設

ICT5カ年計画でグループウェアを刷新

 日本の建設業の中では数少ない非同族会社である大成建設。同社では自由闊達な社風から、創業以来、ボトムアップによる業務改革が数多く行われてきた。中でも昨今、同社の強みとなっているのが、競合他社に先駆けたITによる業務改革である。例えば、グループ全体のITをつかさどる情報企画部が社長室に置かれていることからも、経営におけるITの役割の大きさをうかがい知ることができよう。

 そんな同社は、このたび約11年ぶりにグループウェアシステムを刷新した。「主な目的は、グループ経営の強化やコミュニケーションの強化。経営戦略の一環として2011年からの「ICT投資5カ年計画」にこれらを盛り込んでおり、グループウェアや社内ポータルシステムの刷新はその中核に位置付けている」と同社 社長室 情報企画部 企画室 室長の成瀬亨氏は語る。

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大成建設 社長室 情報企画部 企画室の成瀬室長(右)と島田課長
大成建設 社長室 情報企画部 企画室の成瀬室長(右)と島田課長

 グループウェアに対する同社の取り組みは古く、1995年にフルスクラッチ開発に近いクライアントサーバ型システムを導入した。元々、同社はほかのゼネコンと同様、営業、設計、施工、調達、管理など複数の部門との連携が業務において不可欠であるほか、社外の関係会社とのやり取りも多いため、コミュニケーションの手段について非常に関心が高かったことも導入を決めた一因であった。その後、2002年には、ネオジャパンのグループウェア製品「iOffice V3」を採用した。時を同じくして、「Sybase Enterprise Portal」を基盤としたポータルシステムを導入するなど、常に先進的な取り組みを行ってきた。

 しかしながら、11年も同じシステムを使い続けていると、老朽化やサポート切れなどさまざまな課題が浮かび上がってくる。大成建設では、iOfficeに多数のカスタマイズを施していたため、たとえ製品がバージョンアップしてもシステム更新ができなくなっていた。加えて、スマートフォン、タブレット端末への未対応や、グループ会社共通のシステムでなかったことも業務の足かせとなってきていた。

 「iOfficeを利用していたのは大成建設だけで、ほかのグループ会社は別々のグループウェアを使っていた。そのため、例えばスケジュール共有は電話やメールで個別に行う必要があり、業務連絡に時間がかかっていた。業務効率化に向けてコミュニケーション基盤の仕組みそのものを見直す段階に来ていた」と、同社 社長室 情報企画部 企画室 課長の島田裕司氏は話す。

既存システムからのデータ移行を容易に

 そこで2012年3月、ベンダー4社にRFPを発行。新たなグループウェアの製品選定を開始した。RFPで重視したのは、グループ企業への展開を想定したユーザー管理やアクセス制御、プッシュ機能、スマートデバイス対応である。約3カ月の検討の末、ネオジャパンのクラウド対応グループウェア「desknet’sNEO」が選ばれた。理由について、上記の重視点のほか、グループウェア内での簡易メールである回覧レポート機能の充実、メニュー変更の柔軟性の高さなどを評価したという。さらには、従来システムもネオジャパン製品であったことから「既存データの移行性の高さ、機能概念が大きく変わらずユーザーの混乱が少ないといった点も大きな利点だった」と島田氏は振り返る。

 そうして2012年7月に基本設計を開始し、2013年3月に基本パッケージを納品、4月〜6月にカスタマイズ製品が納品となった。

 新システム導入時の課題についてはどうか。大きな混乱はなかったというが、長年使い慣れていたツールの刷新だったため、すべての部門、支店への説明のほか、プレビュー環境の提供、支援サイトの構築、eラーニングの活用などで、変更点や新機能を事前にエンドユーザーに向けて周知した。「ほかの業務システムとは異なり、旧グループウェアと新グループウェアを並行利用することはできないため、一斉にリプレイスする必要があった」と島田氏は強調する。

コミュニケーションを「いつでも、どこからでも、安全に」

 7月16日から稼働開始した新システムは、現在、1万3000人がユーザー登録している。社内連絡ツールである回覧レポートは、平日平均で約5000ユーザーが約1万2000通発信。スケジュール・設備予約の登録は約4500件/日、ファイル書庫となるキャビネット機能は100〜200ユーザー/日といった利用状況である。desknet’sNEOは、今後1〜2年かけてグループ会社全体に展開する予定で、その際には約2万ユーザーの規模に達する予定だそうだ。

 さっそく効果も見え始めている。ガジェットや通知メールなどのプッシュ機能によって新着情報が迅速に収集できるようになったほか、回覧レポートの一時保存や検索、コメント自動発信などが可能となり、今までと比べて情報にたどり着くまでの時間が大幅に短縮されたと評価している。

 今後、大成建設では、スマートデバイスを有効に活用して、より良いコミュニケーション環境の充実を図るとともに、「いつでも、どこからでも、安全に」使えるICTサービス基盤を整えていく。

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“画素密度No.1”の国産Ultrabookを徹底分解して秘密に迫る

←・「FMV LIFEBOOK UH90/L」分解&開発陣インタビュー(前編):IGZO液晶+第4世代Coreの“日本製”Ultrabookはこうして生まれた

薄さと頑丈さを両立する「超圧縮ソリッドコア」構造とは?

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「FMV LIFEBOOK UH90/L」は9.2〜15.5ミリ厚の薄型ボディを採用しているが、手に持ってみると剛性の高さが伝わってくる。その秘密は新しく採用した内部構造にあるというが……

—— 「FMV LIFEBOOK UH90/L」は薄さと頑丈さを両立するため、独自の「超圧縮ソリッドコア」構造を採用したそうですが、従来機である「FMV LIFEBOOK UH75/H」の「超圧縮デュアルグリッド」構造とは何が違うのでしょうか?

立神氏 前回(UH75/H)の超圧縮デュアルグリッド構造では、両面実装のメイン基板を採用し、部品の出っ張りをよけながら、内部のクリアランス(隙間)をできるだけなくすように、桟となる樹脂パーツ(グリッド)を中に1枚敷いて、底面側からギュッと圧縮するように組み立てていました。これにより、薄さと強度を保っています。

 今回のUH90/Lは、液晶ディスプレイにタッチパネルを追加したことで、本体の装置内部をより薄く作る必要がありました。そこで、片面実装のメイン基板を採用して、基板部の薄型化を図りつつ、桟を入れずに、基板裏のフラットな面全体でキーボードを受ける構造としています。これにより、薄さと軽さ、頑丈さを強化しつつ、キーボードの打ち心地も向上させました。これが新しい超圧縮ソリッドコア構造と我々が呼ぶものです。

—— 約200kgf(重量キログラム)の重さにも耐えられる堅牢性(天板全面加圧試験より)は、この構造によるところが大きいのでしょうか?

立神氏 この構造で高密度に組み上げたことはもちろんですが、複数の技術を組み合わせています。天面と底面に頑丈なマグネシウム合金を採用したこと、パームレスト面と底面のカバーをそれぞれ箱型に成型し、上下から重ねて側面を2重化することでボディのねじれを抑えたこと、そして電子部品の凹凸に合わせて底面の厚みを削って変化させ、最薄部で厚さを統一する場合より高い強度を確保したこと(板厚変化工法)、こうした技術の積み重ねによって高い剛性を確保しました。

 機構設計の担当としては、従来(UH75/H)比で1.5倍の強度をどの部分でも実現するという目標を掲げて開発してきましたが、結果としては多くの場所でこの目標をクリアしています。残念ながら、目標に届かなかった部分もありますが、それでも従来比で1.2〜1.3倍の強度を出すことができました。

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先代機の「FMV LIFEBOOK UH75/H」では、格子状のグリッドを基板とキーボードの間に挟み込むことで、キー入力時のたわみを抑えつつ、剛性感をアップさせていた(写真=左)。UH90/Lの内部構造イメージ(写真=右)。片面実装のメイン基板を採用するとともにグリッドを省き、薄型化に磨きをかけながら、パームレスト面と底面のカバーを箱型にしてガッチリ重ね合わせ、内部に余計な隙間を作らないよう設計し、薄さと頑丈さのさらなる向上に努めた

本体厚の変化に合わせて内部パーツを配置

—— スペックアップしながら薄型化を果たした本体内部のパーツは、どのように配置を決めたのでしょうか?

山田氏 本体の奥から手前にかけて、ボディを斜めに削ぎ落して薄く見せるデザインとしているので、基本的に装置の奥側に厚みがあるパーツ、手前には薄いパーツを置いています。重量バランスも考慮し、手前に重いパーツ、奥に軽いパーツを配置することで、液晶ディスプレイを開けてタッチ操作する際、パームレストの手前が浮き上がるのを抑えています。

立神氏 具体的には、装置の手前に薄型のリチウムポリマーバッテリーがドーンと鎮座しています。底面側から見て、その右上にCPUとCPUクーラーを配置し、側面から効率的に排熱できるようにしました。厚みがある7ミリ厚のハイブリッドHDDやSO-DIMMのメモリスロットは奥側ギリギリの位置に押し込んでいます。バッテリーの左にあるのは、無線LAN/Bluetoothのコンボモジュールです。コネクタ類は左右の側面に搭載しましたが、これもデザインの邪魔になり、厚みがある端子を奥側に並べています。

 内部の基板類は大きく3枚構成です。CPUなど主要パーツを集めた片面実装のメイン基板が1枚と、側面にコネクタを配置するためのサブ基板が左右に1枚ずつ入っています。

注意!

製品を分解/改造すると、メーカー保証は受けられなくなります。内部で使用されている部品などは取材した機材のものであり、すべての個体に該当するわけではありません。



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分解は本体底面から行う(写真=左)。見栄えに配慮した底面には、ネジが1本も見当たらないが、2個の黒いゴム足と、6個の赤いキャップを外すことで、8本のネジが現れる。8本のネジを外すと、底面カバーを分離することが可能だ。取り外した底面カバーの裏面(写真=右)。マグネシウム合金を採用し、底面から側面まで一体成型の箱型カバーになっている。なお、「富士通 WEB MART」直販のカスタムメイドモデルでオプションのポートリプリケータを選択すると、底面の中央に専用コネクタが追加される

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本体の底面カバーを外した状態。薄くて重量があるバッテリーは手前、厚みがあるハイブリッドHDDやSO-DIMMのメモリスロットは奥に配置している。底面側から見て右寄りに第4世代Coreと、CPUクーラーを置き、バッテリーの左にはPCI Express Mini Cardの無線LAN/Bluetoothコンボモジュールを装着している

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富士通 FMV LIFEBOOK UH
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2013年後半に相次いで開始予定の「100Mbps超」新サービスをおさらい

2013年後半、「100Mbps以上」のさらに高速なサービスが相次いで開始予定

 2013年7月26日、2.5GHz帯BWA(Broadband Wireless Access:データ通信向けの広帯域移動無線システム)の追加割当がUQコミュニケーションズに決定。これを受け、UQ社はこの追加周波数帯を用いた新サービス「WiMAX 2+」を2013年10月に開始することが発表された。まずは下り最大110Mbpsから、2017年には1Gbps超の高速サービスが提供される予定である。

 一方、NTTドコモも下り最大150Mbpsに速度を上げたLTEサービスを2013年10月に開始する計画だ。LTEサービスはLTE対応スマートフォンの普及とともにユーザーにもかなり身近なものとして浸透してきつつあるが「さらに高速・快適」とうたう高速通信サービスの足音も聞こえてきた。

「2.5GHz帯BWAの追加割当」を改めておさらい

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柴山昌彦総務副大臣(左)から認定書を受領するUQコミュニケーションズの野坂章雄社長

 現在WiMAXサービスを展開するUQコミュニケーションズが獲得した2.5GHz帯BWAの追加割当分は、2009年3月末に事業を終え、停波した移動体向けマルチメディア放送「モバHO!」サービスの跡地。2013年8月現在、2.5GHz帯ではUQコミュニケーションズ(WiMAX)とWireless City Plannning(AXGP/Softbank 4G)がサービスを展開しており、追加割り当て分の計20MHz幅をUQコミュニケーションズ(KDDI系)とWireless City Planning(ソフトバンクモバイル系)の2社が申請。審査の結果20MHz幅すべてがUQ社に割り当てられることになり、合計50MHz幅(現30MHz幅+追加の20MHz幅)でサービスを展開できることになった。

 これを受けてUQコミュニケーションズは、WiMAX 2+のサービスを2013年10月より開始することを発表。当初は現WiMAXサービスと互換性を持たせた併用運用を行うため新20MHz幅を用いた下り最大110Mbpsのサービスより開始し、WiMAX 2+への移行状況に応じて2015年9月に40MHz幅のキャリアアグリゲーションと4×4 MIMO、2018年4月に全50MHz幅のキャリアアグリゲーション+8+8 MIMOの1Gbps超を見込むサービスへと発展させる計画とする。

 2013年10月に開始される「WiMAX 2+」サービスは、既存のWiMAXサービスエリアにWiMAX 2+エリアを重ねる方式──既存WiMAX基地局に、WiMAXとWiMAX 2+の両方に対応した基地局設備のみを置き換える作業で推進していく。基地局設備の置き換え作業は必要だが、基地局設置で特に大きな課題になる用地・場所の確保を一から行う必要がなく、基地局以外にも現WiMAXとWiMAX 2+の双方に対応したハイブリッド型端末を提供する計画のため、新規高速通信サービスの立ち上げ初期によくある「当初はエリアが狭く、使い物にならない」心配があまりない──とする点が心強い。


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WiMAX 2+の利用周波数帯と高速化のロードマップ

 WiMAX 2+のサービス詳細──例えば料金プランや対応端末の仕様などについては2013年8月現在、まだ未定だが、サービス開始はもうすぐそこの10月末。そう遠くないうちに対応機種やサービスの詳細が明らかになることに期待したい。

 一方、今回の追加周波数割当については、ソフトバンク傘下のWireless City Planning株式会社(以下、WCP)も10MHz幅の割当を申請していたが、WCPへの割当はかなわなかった。

 割当が正式発表されたのは2013年7月26日だが、正式発表の前日に、UQコミュニケーションズに20MHzの割当が行われる方針であることが報道され、ソフトバンク代表取締役社長 兼 Wireless City Planning代表取締役社長の孫正義氏とソフトバンクモバイル取締役専務執行役員の宮川潤一氏が総務省に審議延期を激しく要望。明け26日にはその通りの割当が発表され、同社は26日に総務省に対して不服申し入れ、及び情報公開請求を実施。周波数割当の結果だけでなく、プロセスについても不満があると述べており、総務省に対して行政訴訟を検討する──などともと発言している。

 ソフトバンクは現携帯電話事業に参入する以前の2004年に、800MHz帯の電波の割当に際してソフトバンクBBより行政訴訟を起こしたが、同周波数帯をNTTドコモとKDDIに割り当てる総務省の方針が決定したことを受けて行政訴訟を取り下げた経緯がある。今回も、行政訴訟を実際に起こす見込みは低いと想定されるが現時点その決定は明らかになっていない。

 その後、ソフトバンクはVodafone日本法人を買収し携帯電話事業者となったのち、民主党政権下の事業仕分けで検討された、周波数割当時に利用免許を競売にかけ、最も高い金額で入札した事業者に割当する「周波数オークション」方式の導入について言及したこともあった。オークション方式は法改正などに時間がかかる。業界・事業者としては早期に新たな電波が必要となっているという理由で、周波数オークションについては先送りすべきと総務省に早期導入反対の要望を伝えた。のちに同社が獲得し、プラチナバンドとピーアールする「900MHz帯」は今回と同じく「比較審査方式」において周波数が割当られたが、さらに同じく正式発表前に同グループに対して周波数帯が割当られる方針である旨が報道されていた。

 周波数の割当について「比較審査方式」および「電波オークション方式」のどちらが優れているとは一概には言い難い。ただ、国民の限りある共有資産である周波数はどの事業者もほしいのは一緒。より明確な基準で割当を行う時期なのかもしれない。

NTTドコモが最大150MbpsのLTEサービスを10月に開始、一部で試験運用も

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ドコモは最大150MbpsのLTEサービスを2013年10月に始める予定。2013年7月には神奈川県の一部地区で試験運用が開始された

 NTTドコモが7月26日、従来より「2013年度中に開始する」としていたXiの下り最大150Mbps対応サービスを、2013年10月より東名阪の一部エリアより提供することを発表した。

 同社は2013年8月現在、すでに下り最大112.5Mbpsのエリアを順次拡大しているが、利用者が多い(かつ、サービス開始初期よりエリア化が優先して進められた)東名阪エリアでは、使用可能な電波帯域の都合から最大37.5Mbps(あるいは一部屋内での75Mbps)程度にとどまっていた。それがいよいよ刷新される──という感じであり、同大都市部エリアでの112.5Mbpsサービスはこれまで2013年度中(2014年3月末)と告知されていたため、対応が早まるのは同エリアのユーザーは喜ばしい施策と言える。

 なお下り最大150Mbpsのサービスは、これまでFOMA(3Gサービス)で用いていた1.7GHz帯の20MHz幅を使って実現される。


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パッケージメディアの逆襲(前編)

 音楽や映画のネット配信もすっかり定着したが、一方でCDやBDといった既存パッケージメディアにも高音質化や高画質化といった新しい動きが出てきた。また、失われつつある過去の名演奏を復刻したり、アナログレコードのような懐かしいメディアに光をあてる試みも各所で行われている。AV評論家・麻倉怜士氏に、最近気になった動向をまとめて紹介してもらおう。

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松田聖子さんの「CITORON」は麻倉氏のお気に入りタイトル。最近出たBlu-spec CD2と1988年当時に購入したCDを比較

——ネット配信がすっかり定着した感もありますが、パッケージメディア市場は縮小しているのでしょうか

麻倉氏: 世界的にパッケージメディアの需要が落ちているという話はありますが、こと日本市場においてはCDやBDも善戦しています。日本レコード協会が発表した2013年1〜6月の累計生産データでは、CDなどを含むオーディオ/ビデオ合計では101%と微増でした。Blu-ray Discの音楽ビデオに限ると、前年同期比162%と伸張しています(→日本レコード協会の資料)。

 CDについては、邦盤CDの合計(8センチ、12センチ)はちょうど前年並みの100%。アイドルの“握手戦略”などもあるので数字を鵜呑みにはできませんが、一方で良心的かつ上質なコンテンツが制作されていることも要因として挙げられるのではないでしょうか。またアナログディスク(レコード)見直しの動きもあり、こちらの邦盤は前年比248%と伸びています。

 Blu-ray Discは、全映像メディアに占める構成比で45%に達しました。これは米国よりも上です。ソニーのMastered in 4Kやパナソニックのマスターグレードビデオコーディング(MGVC)のように、画質を向上させる試みもあります。またBDオーディオや高音質CDなどにも新しい動きが出てきました。今回はそれらの最新動向をまとめて紹介しましょう。

タワレコの復刻クラシック盤(通常CD)

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タワーレコード渋谷店

 まず、私が注目しているのがタワーレコードの動向です。新宿店、渋谷店でよく買い物をするのですが、品数が多く試聴環境も整備され、聴いてみて、気に入ってCDを買うことも多いです。大手のカタログを充実させているのはもちろん、インディーズや自主制作物も多くそろえています。

——インディーズ作品などは情報が少なく、購入に躊躇(ちゅうちょ)する人も多いのではないでしょうか

 確かに迷われるケースも多いと思いますが、タワーレコードではPOPによる紹介にくわえ、試聴機も充実しているのがとても親切です。実際に音楽を聴き、知らなかったアーティストを発見できますから、音楽ファンは注目ですよ。

 もう1つ、“オリジナル企画盤”というものがあります。これは、廃盤になった過去の演奏をタワレコがプロデュースし、自らのリスクで再発売するものです。大手レコード会社は売れ筋しかリリースしません。しかし、音楽ファンはもっとディープな、ロングテールな音源が聴きたい……ですね。そんなニーズに応えるべくタワーレコードは、復活活動を熱心に繰り広げているのです。大手メジャーの廃盤シリーズを始めこれまで約650種以上のアイテムをリリースしてきました。

 中でも日本コロムビアと共同企画したレコード頒布会コンサートホール・ソサエティ音源シリーズはすばらしい内容です。これは、日本コロムビアが厳重に保管していた音源を使用した復刻シリーズで、カール・シューリヒト(1880〜1967)指揮のバイエルン放送交響楽団「ワーグナー名演集」など、かつてのレコード頒布会「コンサートホール原盤」をCDで復活させました。私も昔、会員でしたからとても懐かしい。アナログ黄金時代のドイツ/フランスの一流オーケストラの演奏は非常に音楽性が高く、7月の第1期5タイトルに続き、8月9日には第2期5タイトルが発売されましたが、タワーレコードのベストセラー1位を獲得かるなど大きな人気を得ています(→タワーレコードの製品情報ページ)。価格も1200〜2000円と手頃。当時、レコードは高級品でしたが、今はそれをCDで手軽に入手できるのです。

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タワーレコードの「コンサートホール原盤」復刻シリーズ。「ワーグナー名演集」(左)と「ベートーヴェン:交響曲第6盤『田園』」(右)。価格はいずれも1200円

 いくつかのタイトルを実際に試聴しました。以前レコードで聴いたときに「響きは素直だが、解像感は高くない」と感じたのですが、どうやら当時の製盤技術が問題だったと分かりました。今回、子マスターテープからのハイレゾ制作によりリマスターしたことで、同レーベルとしては未曾有の高音質に生まれ変わりました。驚異的な解像感と透明感といっていいでしょう。ジャケットは初出時のオリジナルを採用……と、マニア心をくすぐる仕掛けも豊富です。

 オリジナル企画盤では日本の名指揮者・山田一雄/日フィルのライヴ作品も人気ということです。「山田一雄&日本フィルの芸術4」のベートーヴェン交響曲第3番「英雄」は、最晩年1988年のサントリーホールでの貴重なライヴです。山田がもっとも得意としていたベートーヴェン作品だけあって、音楽の燃焼性が熱く、同時に精神性が深い。スマートさと勢いのバランスも上質でした。

 このように、過去のすぐれた作品をレコード会社ではなくレコード店がプロデュースして世に出す試みは、音楽ファンとしては大いに歓迎したいですね。タワーレコードは本家アメリカでは経営破たんしましたが、日本では元気いっぱい。音楽ファンの心の琴線に触れるサービスに感謝です。

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テレビのスマート化とYouTubeのテレビ化

 先ごろ、日本民間放送連盟(民放連)のシンポジウムで、スマートテレビに関する議論を行った。米国は、GoogleやAppleなどのIT企業、ComcastやDirecTVなどケーブルや衛星、AT&TやVerizonなどの通信といったセクターが組んず解れつだが、日本の動きは放送局が主導している。

 日本放送協会(NHK)のハイブリッドキャストや関西の放送局が始めたマルチスクリーン型放送研究会、さらには日本テレビ(NTV)やフジテレビの独自サービスなど、日本型のアプローチが目立っている。2年ほど前には、電子書籍と同じく、米国からスマートテレビという「黒船」が来航したとのビビリ感が強かったが、この所、日本としてのサービス像が見えてきたせいか、「怖ろしや黒船論」はあまり聞かなくなった。シンポジウムでも、「スマートはピンチか? チャンスか?」と問うた所、業界の人は皆、「チャンス!」と答えていた。

 すると、「YouTubeがテレビ局化している」という声も聞こえてきた。YouTubeが「チャンネル編成化」「動画の増加」「広告の強化」という3つの策を進めているというのだ。2005年のサービス開始から8年。PCベースのメディアが総合編成のテレビ型ビジネスに本腰を入れてきた。テレビ業界との競合が激しくなると同時に、連携も強まるだろう。

 この数年、世界のメディアは構造変化の波に飲まれている。1つはソーシャルサービス。みんなが参加して作るメディアが普及したこと。そして、クラウドネットワーク。ブロードバンドと地上デジタルテレビ(地デジ)で、通信も放送もデジタルネットワークになったこと。もう1つが、スマホに代表されるマルチスクリーン。1人が数台のPCを使う。ケータイはスマホというPCになり、テレビはスマートテレビというPCになる。テレビ局の動きも、YouTubeの動きも、この流れに対応する戦略。通信と放送の融合というより、通信と放送が別ステージに向かって接近しているということだろう。

 YouTubeにとっては、競争の激化が対応を加速している面もある。米国のテレビ局が作った映像配信サービスのhuluや映画配信のNetflix、さらにAppleも力を入れてくる。日本でもテレビ局がサービスに本腰を入れてきた。サービスを束ねるプラットフォームの座が争われている。いち早くそれを確立させたいという意欲は、テレビ局以上のものがあるのではないか。

 そのYouTubeで、TBSやテレビ朝日、フジテレビなどが動画配信を始めた。日本はテレビとネットの連携の動きが米国に比べ3年ほど遅かった。でも、ここに来てテレビ局は踏み込んでいる。そこには、「地デジが完成した」という事情がある。大騒ぎして消費者にテレビを買い換えさせた。でも、正直どうなのか? 映像はキレイにはなったけど、すごくよくなったのか? デジタルならではの、便利で面白いサービスが求められているのだ。ネットもスマホも使おう、という方向だ。

 事態も切迫している。かつてテレビは黄金のビジネスだったので、ネットに手を出すのは戦略から外れていたが、テレビ広告市場は縮小し、ビジネスをネットやソーシャルメディアに持って行かれる。守りから攻めに転ずる段階になった。

 広告主も賢くなっている。もう視聴率だけでは簡単に広告を出さない。どういう人が見ているか、“視聴質”も問われる。テレビCMを引き上げてネットだけでCMを打つ、別手段のプロモーションを行う、という企業も増えている。特に国際的な企業にはそうした傾向が強い。

 YouTubeなどネットの攻勢に対し、何もしないと「テレビは死ぬ」、ということは明らか。テレビ局がよいサービスを開発できるかどうか。今後もテレビ画面は見られ続けるだろう。でも、テレビ番組をリアルタイムで見ることは減り、マルチスクリーンを同時に使うことは増える。

 録画した番組、ネットのコンテンツ、ソーシャルサービスなど、多様化が進む中で、テレビ局のコンテンツがどれだけの位置を占めるか。映像メディアに占めるテレビ局の比重が高い日本の場合、その位置付けが情報社会のモデルを左右する。

 同時に、テレビは番組だけでなく、電波もある。デジタル化したものの、以前と同じように番組を送っているだけで、まだうまく使えていない。新聞、雑誌、ソーシャルメディアなど、デジタル回線としてもっと色んなことに使えるのだが。ビジネスを広げるチャンスはある。そちらにも力を入れてもらいたい。

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中村伊知哉(なかむら・いちや)

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。

京都大学経済学部卒業。慶應義塾大学博士(政策・メディア)。

デジタル教科書教材協議会副会長、 デジタルサイネージコンソーシアム理事長、NPO法人CANVAS副理事長、融合研究所代表理事などを兼務。内閣官房知的財産戦略本部、総務省、文部科学省、経済産業省などの委員を務める。1984年、ロックバンド「少年ナイフ」のディレクターを経て郵政省入省。通信・放送融合政策、インターネット政策などを担当。1988年MITメディアラボ客員教授。2002年スタンフォード日本センター研究所長を経て現職。

著書に『デジタル教科書革命』(ソフトバンククリエイティブ、共著)、『デジタルサイネージ戦略』(アスキー・メディアワークス、共著)、『デジタルサイネージ革命』(朝日新聞出版、共著)、『通信と放送の融合のこれから』(翔泳社)、『デジタルのおもちゃ箱』(NTT出版)など。

twitter @ichiyanakamura http://www.ichiya.org/jpn/


「中村伊知哉のもういっぺんイってみな!」バックナンバー

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TechTargetジャパン


Macworldで「iPhone 5C」用ケースが展示

 米IDG主催の「Macworld/iWorld Asia 2013」が8月22日(現地時間)から北京で開催されています。すでにAppleは2009年のMacworldを最後に出展していませんが、次期iPhone発表直前とみられていることもあって、なかなか盛況の様子。初日には日本で11月から公開予定の映画「JOBS」(邦題はスティーブ・ジョブズ)で主役を演じたアシュトン・カッチャー氏も訪問していました。

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中国・北京の北京国家会議センター。なかなかの盛況ぶり

 会場には、まだ製品名も、存在すら明かされていない「iPhone 5S」用や、その廉価版といわれている「iPhone 5C」用とみられるケースも並んでおり、“さすが中国、オレたちにできない事を平然とやってのけるッ”と思わずつぶやいてしまいます。また、次期iPhoneは中国の主要キャリアである中国移動(チャイナモバイル)からも発売されると言われており、中国のiPhoneユーザー数が、米国のそれを抜くという話まで出ています。

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ブースに大きく「iPhone 5C」と書かれたiPhone用ケースもズラリ

 さて、そんな中国の最新iPhone事情とMacworldのリポートは、おなじみ林信行氏が現地からお伝えする予定。お楽しみに!

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どこかで見たことがあるようなないようなキャラクターが出迎えてくれる。さすが中国さんやで……

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徹底レビュー:3000円台で買える“Apple TVキラー”、Google「Chromecast」

 タブレットやノートPC、スマートフォンのコンテンツを無線でテレビへミラーリングして表示することは、以前から可能だった。だが簡単だったためしはなく、余計な制約があるのが常だった。米Appleの「AirPlay」が一番シンプルな選択肢だが、セットトップボックスの「Apple TV」が必要であり、iPadなどのApple製品でしか利用できない。韓国Samsung Electronicsや日本のソニーなどの企業も、洗練されていない独自のソリューションを提供しており、いずれも制限や妥協が目立つ。

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Chromecast

 実のところ、ノートPCやモバイル端末からテレビへコンテンツをストリーミングする一番確実な方法は、HDMIやApple Digital AV、MHL-HDMI変換アダプターを使う方法だ。しかし、2013年にもなって煩わしいケーブルをいじるのは避けたい。大枚をはたいて購入したコンテンツにアクセスする場合はなおさらだ。

 そこで米Googleの「Chromecast」の出番となる。HDMIと無線LANが利用できる、わずか35ドル(約3500円)のこのスティック型デバイスを使えば、テレビへのコンテンツストリーミングが手っ取り早くできる。Chromecastは、AndroidやiOS、Windows、Mac OSといったOSを問わず機能し、無線LANとHDMI入力が可能なテレビしか必要としない。

構造とデザイン

Microsoftのスティーブ・バルマーCEOが退任を発表

 米Microsoftは8月23日(現地時間)、スティーブ・バルマーCEO(57)が向こう12カ月以内に退任すると発表した。後任が決まるまで同職に留まる。

 バルマー氏は全社員宛の公開書簡で「退任に最適なタイミングというものはないが、今が適切な時だ。元々、Microsoftの“端末とサービスの企業”への転換期の半ばに退任しようと考えていた。Microsoftはこの新しい方向への前進に私よりも長期的に取り組める新しCEOが必要としている」と語った。

 Microsoftの取締役会は、後任CEOを社内外から探すための特別委員会を設置した。ジョン・トンプソン取締役が委員長を務め、ビル・ゲイツ会長他2人の取締役が参加する。

 ビル・ゲイツ会長は発表文で「特別委員会の一員として、偉大な新しいCEOを見つけるよう努める。スティーブが新CEOが就任するまで留まってくれるのはありがたい」と語った。

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スティーブ・バルマーCEO

 バルマー氏は1980年にMicrosoft入りした同社のベテラン。2000年に共同創業者であるゲイツ氏からCEOの座を引き継いだ。

 同氏は近年、Microsoftの「端末とサービス」企業への移行というビジョンを掲げており、オリジナルハードウェアの「Surface」シリーズの発売やクラウド版Officeスイート「Office 365」の提供などはその一環だ。7月にはこの“ポストPC時代”に対応するための大規模な組織改編を行っている。

 「今は、Microsoftにとって重要な変革の時期だ。新しい幹部チームは素晴らしいし、戦略は第一級だ。機能とエンジニアリング領域にフォーカスした新組織は未来の機会と挑戦に最適だ」(バルマー氏)

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BTO下がりのお宝多数――ドスパラの常設特価コーナーをチェックせよ!

「1週間に1回のペースで入荷したり価格を変えたりしています」

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ドスパラ パーツ館1階のレジ脇にあるアウトレットコーナー

 ドスパラ パーツ館の一角にあるアウトレットコーナーには、マザーボードからメモリ、SSDまで主要PCパーツのアウトレット品が並んでいる。現行世代のパーツも多く、「1週間に1回のペースで入荷したり価格を変えたりしています」という。

 取材した金曜日には、ADATA製DDR3-1333メモリの16Gバイトキット「AD3U1333W8G9-2」(9880円)や、インテルの120GバイトSSD「SSDSC2CT120A3K5」(1万180円)、X79マザー「DX79SR」(2万9980円)などが見つかった。

 コーナーの品々は開封品や箱破損品、メーカー修理品などが多く、即戦力として使える掘り出し物に出会う可能性は高い。同店は「系列のBTOパソコン“デジノス”の仕様変更で使われなくなったパーツをよく入荷します。ラインアップの都合であぶれたパーツも多いので、鮮度が高いことが多いですよ」と語る。

 このコーナーを注目しており、ぴんぱんにチェックしている人は「実感としては(掘り出し物は)それほど多くないかな」とのことだが、PCパーツショップで常設のアウトレットコーナーは年々貴重になってきている。目的のものがあれば……という感覚でアキバを訪れたときにちょっと寄ってみると、楽しみが増えるだろう。

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メモリやDisplayPortアダプタなどが並ぶコーナー(写真=左)。こちらはストレージコーナー。2.5インチHDDも充実している(写真=中央)。板モノコーナー。割引率は比較的低めだがZ87マザーも多数並んでいる(写真=右)
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エンタープライズソーシャルの正体

企業の情報共有はソーシャルが主軸に

 IDC Japanが先頃、国内のコラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場の売り上げ規模について、2012年の実績と2013年から2017年までの予測を発表した。それによると、2012年の同市場規模は前年比4.4%増の1031億8200万円と推定。また、2017年までは年間平均成長率4.9%の伸びをみせ、同年には1311億4600円の規模になると予測している。

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国内コラボレーティブ/コンテンツアプリケーション市場の売り上げ規模の予測(出典:IDC Japan)

 IDCによると、同市場は、eメールアプリケーションや会議アプリケーションなどの「コラボレーティブアプリケーション市場」と、コンテンツ管理ソフトウェアやエンタープライズポータルなどの「コンテンツアプリケーション市場」からなる。

 そのうち、コラボレーティブアプリケーション市場の2012年の売り上げ規模は前年比2.5%増の591億800万円と推定。そして同市場の動きを次のように分析している。

 「コラボレーティブアプリケーション市場は、電子メールやグループウェアの飽和、およびクラウドへの移行により成長が緩やかな市場と、会議アプリケーションやエンタープライズソーシャルソフトウェアなどの成長率の高い市場に二極化している」

 ここでIDCがいうエンタープライズソーシャルソフトウェア、あるいは企業内ソーシャルネットワークといわれるツールを、本稿では「エンタープライズソーシャル」と呼ぶことにする。IDCの分析を踏まえると、今後のコラボレーティブアプリケーション市場は、電子メールやグループウェアに代わってエンタープライズソーシャルが主軸になっていくと見ることができる。

 既存の市場セグメントで見ると、おそらくそうした明暗が今後もっとはっきりしてくるだろう。ただ、これからこの分野で起きようとしているのは、そうした既存の市場セグメントを超越した、もっとダイナミックな動きなのではなかろうか。

 それはすなわち、エンタープライズソーシャルが他のさまざまなアプリケーションと「融合」していくことだと筆者は考える。既にその動きは大手ベンダーの製品戦略に表れている。最も顕著なのは、グループウェアに代表される従来のコラボレーティブアプリケーションとの関係だ。例を幾つか挙げてみよう。

さまざまなアプリケーションと融合へ

 グループウェアといえば、まず頭に思い浮かぶのが「Notes」だ。Notesを展開するIBMは今春、最新版にソーシャルとの連携機能を追加した。一方で同社は昨年来、エンタープライズソーシャル分野にも力を入れており、「エンタープライズソーシャルウェア」と呼ぶソリューション群に関連ツールを取り込み、さらに各種業務システムやクラウド環境、モバイル機器との連携を図っている。Notesもこうした動きに合わせた形で、エンタープライズソーシャルとの融合を図ろうというのが同社の戦略だ。

 コラボレーティブアプリケーション市場においてIBMと長年にわたって激しい戦いを繰り広げてきたマイクロソフトも昨年来、エンタープライズソーシャル分野に注力している。その要となるのが、コラボレーションツール「SharePoint」とエンタープライズソーシャル「Yammer」との融合だ。これをもとに、将来的にはオフィスツールとして今も圧倒的なシェアを誇る「Office」とエンタープライズソーシャルを融合させようというのが同社の戦略だ。

 さらに、エンタープライズソーシャルの影響力はコラボレーティブアプリケーション分野だけにとどまらない。

 オラクルが提供するタレントマネジメント「Taleo」には、社内外のソーシャルネットワークとの連携機能が装備されている。タレントマネジメントとエンタープライズソーシャルが連携することで何ができるのか。例えば、個々の従業員の社内における人間関係(ソーシャルグラフ)を可視化することができるので、適切な人材をそろえてプロジェクトをすぐに立ち上げたい、といったときに有効だ。

 一方、SAPは業務アプリケーションのコミュニケーション基盤としてエンタープライズソーシャルを位置付け、各種業務アプリケーションにソーシャルツールを組み込みつつある。すでにタレントマネジメントなどの人事管理や顧客情報管理(CRM)、需給業務計画(S&OP)といった業務アプリケーションに適用しているという。そこには、ソーシャルはそれぞれの業務プロセスに深く入り込んでこそビジネス価値がある、との同社の信念がある。このSAPの取り組みを見れば、エンタープライズソーシャルはプロジェクトマネジメントとの連携・融合も図られそうだ。

 こうしてみると、エンタープライズソーシャルはグループウェアにとどまらず、タレントマネジメントやプロジェクトマネジメントをはじめ、さまざまなアプリケーションと連携・融合しながら進化していく姿が浮かび上がってくる。この“変幻自在ぶり”がエンタープライズソーシャルの正体ではなかろうか。

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