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“通話料を下げたい”に応えるPHS+4G対応モデル――だれスマ第1弾「DIGNO DUAL 2」はこう作られた

 2013年夏モデルとしてウィルコムが発売した京セラ製の「DIGNO DUAL 2 WX10K」(以下、DIGNO DUAL 2)は、ウィルコム端末として初めてPHSと3G/4Gの2つの通信方式に対応した“デュアル”モデルだ。

 DIGNO DUAL 2は2012年に同じくウィルコムが発売した「DIGNO DUAL WX04K」(以下、DIGNO DUAL)の後継機であり、ウィルコムスマートフォンのフラッグシップモデルという位置付け。DIGNO DUALは、PHSによる音声通話のほか、ソフトバンクモバイルの3G網を使う音声通話とパケット通信に対応していたが、DIGNO DUAL 2では新たにソフトバンクモバイルの4G通信(AXGP)にも対応した。

 ウィルコム同士であれば24時間無料となるPHSの音声通話と、それ以外の携帯電話や一般固定回線にも定額通話が行える「だれとでも定額」に加え、月額のパケット通信料が2980円になる新料金プラン「ウィルコムプランLite」も利用できる。

 OSはDIGNO DUALのAndroid 2.3からAndroid 4.2に進化し、操作性なども大幅に改善された。プロセッサーは1.5GHzデュアルコアのMSM8960を採用。ディスプレイは4.7インチのHD(720×1280ピクセル)TFT液晶を搭載し、おサイフケータイ、テザリング、防水(IPX5/IPX7)/防塵(IP5X)性能、ワンセグ、赤外線通信など日本向け機能を詰め合わせたまさに“オールインワン”スマホだ。

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左から、京セラの川居氏と三田氏

 そんなDIGNO DUAL 2について、商品企画を担当した京セラ 通信機器関連事業本部 マーケティング部 商品企画課の川居伸男氏と、デザインを担当した同社デザインセンター デザイン4課の三田真由氏に話を聞いた。

なるべく安くスマホを使いたいに人にメリットある端末を

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商品企画担当の川居氏

 川居氏は、DIGNO DUAL 2について「ウィルコムが提供する『だれスマ』(新料金プランのキャンペーン)を活用したいユーザー向けに開発したもの」と話す。ウィルコムは2013年夏モデルの発表会で「スマホ戦国時代に参戦」することを表明。料金面はもちろん、端末の性能面でも、携帯電話キャリアのスマホと戦えるラインアップを目指した。その中でDIGNO DUAL 2は、DIGNO DUALにはなかった下り最大76Mbpsの4G通信に対応したことが大きなセールスポイントになる。

 「メインユーザーとして想定したのは、コスト意識が高い30代〜40代男性で、スマホの利用料金を下げたいユーザー全てが対象です。1Gバイトという制限はありますが、通話だけでなくパケット代も安く済ませたい人には、通信速度の速さと合わせて非常にメリットのある端末です」と川居氏。スマホ料金の高さを気にするユーザーを取り込みたいウィルコムの要望に応える形で、開発が始まったという。

 それでは京セラは、夏モデルの中でDIGNO DUAL 2をどう位置付けているのだろうか。川居氏は「私たちは最新のデバイスを盛り込んでハイスペックさを狙うというより、スマホの裾野を広げる役割を担っています。ウィルコムの中ではフラッグシップモデルですが、一番は使いやすさを重視して開発しました。ユーザーの中には初めてスマホを使う人も多いと想定していましたし、実際にそのようです」と話す。

 京セラ製スマホでは、ソフトバンクモバイルが2013年夏モデルとして発売した「DIGNO R 202K」もAXGPの4G通信(SoftBank 4G)に対応しているが、もちろんこちらはPHS通話には対応していない。しかしDIGNO Rは幅60ミリで重さ約94グラムの軽くてスリムなボディが特徴で、もしこのサイズ感でPHS対応のスマホが生まれれば、小柄な端末に慣れ親しんだウィルコムユーザーにとっては、乗り換え候補のスマホとして魅力的だ。

 川居氏はこれからのラインアップについて、「今後はウィルコム端末でもDIGNO Rのようなコンパクトな端末を検討したいです」と答えてくれた。将来的に、PHS通話と3G/4G通信を融合したコンパクトモデルが出ることを期待したい。

4G+PHSの“ニコイチ”を実現する難しさ

 DIGNO DUAL 2の開発では、PHSと3G/4G通信を両立させる技術的な難しさもあったと言う。「今回Qualcommのチップセットを使いましたが、同社の協力もあってPHSをサポートするベースバンドチップを搭載できました。また、(4G対応により)DIGNO DUALからアンテナが2本増えたので、その配置や電波の干渉など考慮すべき面が多く、綿密なシミュレーションも行いました。端末のエッジ部分にはほとんどアンテナが入っているので、握っても感度が落ちないレイアウトにするなど工夫しています」と川居氏は苦労を語る。

 PHSと3G/4G通信という2つのシステムを組み合わせる“ニコイチ”の実装についても「Qualcommのチップセットも、OSのAndroidも、もともとはPHSに対応していません。これに新しいシステムを追加するわけですから、手間暇かけて進めました。もちろん、ユーザーにとっては遜色ない使い勝手になっています」と川居氏は振り返る。

 今回DIGNO DUAL 2に追加された機能に、PHSの電話番号宛てに短いメッセージを送受信できる「ライトメール」がある。DIGNO DUALでは、開発期間の問題もあり実装できなかった機能で、ユーザーからの要望も多かったようだ。

 「多くのウィルコムユーザーが重視する機能なので、DIGNO DUAL 2ではぜひ対応したいなと。ライトメールはパケット通信ではなく音声通話の仕組みを使う点は3GのSMSに近いですが、SMSはあくまでサーバー型のサービスです。ライトメールはダイレクトなレスポンスなど、“つながる”便利さを体験できると思います」と川居氏は話す。

 技術面で手間と苦労がかかっているDIGNO DUAL 2だが、市場全体ではニッチなウィルコム端末でそれだけのコストに見合うだけの売上げが期待できるのか? という疑問もある。

 その点について川居氏は、「当然ながらビジネスなので、採算の取れないものは開発しません。リソースを効率的に活用しながら、ウィルコムの事業に貢献させていただいてます」と説明する。ウィルコム夏端末のフラッグシップモデルという位置付けなだけに、定額通話だけでなく4Gの高速通信を楽しみたい、またスペックの高さや機能の多さに期待するウィルコムユーザーも少なくない。コスト面を重視しながら、できる限りの作り込みがなされたようだ。「(京セラは)国内より海外向けモデルの部品供給のほうが多いので、そことのシステム共有や調達面でのスケールメリットがあります。スマホは共用できる部品が多いので、全体で効率化を図っています」(川居氏)と、グローバル展開でほかの国内メーカーと差別化できていることを明らかにした。

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14型ボディにGTX 765Mを搭載――“宇宙最強”ゲーミングモバイル「ALIENWARE 14」

“宇宙最強”のモバイルゲーミングギア登場

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14型ゲーミングノートPC「ALIENWARE 14」

 ALIENWAREといえば、PCゲーマーから熱狂的な支持を集めるトップブランドの1つだ。負荷の高い最新3Dゲームを快適に楽しむための性能はもちろんのこと、一目で“特別”であることが分かるユニークなデザインを特徴としている。PCゲームに特化したいわゆるゲーミングPCは各メーカーもラインアップしているが、イルミネーションキーボードに代表される「ど派手」なスタイルは、このALIENWAREが切り拓いてきたと言っても過言ではない。

 その新モデルが6月開催の世界的ゲームショウ「E3」(Electronic Entertainment Expo)で披露された。CPUがHaswell世代の第4世代Coreに、グラフィックスがNVIDIAの最新モバイル向けGPUであるGeForce GTX 700Mシリーズに切り替わり、ボディデザインも刷新。約2年半ぶりのフルモデルチェンジとなる。

 ノートPCとしてラインアップされている14型の「ALIENWARE 14」、17型の「ALIENWARE 17」、18型の「ALIENWARE 18」から、ここでは最も小型のALIENWARE 14を紹介する。そのコンセプトは「宇宙最強のモバイルゲーミングギア」だ。

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メタル外装にALIENWAREのトレードマークが光る

 まずは外観デザインを見ていこう。ボディはマグネシウム合金製フレームとアルミニウムの外装で構成された非常に重厚な作り。直線基調のフォルムはステルス戦闘機をイメージしたといい、金属的な質感を残したブラックボディを、天板や側面に埋め込まれたLEDが際立たせる近未来なデザインだ。一方、パームレストや液晶ディスプレイの枠はラバー仕上げにし、ボディのエッジが手にあたっても痛くないよう配慮している。

 本体サイズは334.98(幅)×258.35(奥行き)×40.12〜41.70(高さ)ミリと、14型ノートとしては大柄だ。特に厚みは最薄部でも40ミリを超えており、薄型デザインが主流になっている昨今のノートPCの中ではかなり異質な印象を受ける。また、ボディに金属を多用しているほか、発熱の大きい高性能なシステムを冷却する大きな銅製ヒートシンクを詰め込んでいるために重量も約2.77キロと重い。さらにACアダプタのサイズは74(幅)×156(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量は約650グラム(いずれも実測値)と、こちらも大きめの部類だ。“モバイル”をうたいながら合計で3キロを余裕で超えるところはいかにも米国発のノートといったところで、どこでも使えるモバイルPCというよりは、持ち運んで移動も可能な高性能ノートと考えるほうがしっくりくる。

 なお、ALIENWAREの特徴の1つでもあるボディ各部に埋め込まれたLEDは、おなじみの専用ユーティリティ「ALIENWARE FX」によってカスタマイズできる。4つに区切られたキーボード面のほか、タッチパッドや電源ボタン、液晶下部のALIENWAREロゴ、天板のトレードマークなど、10個のエリアを20色のパレットで自分好みの色に変更できるため、世界で1つしかない自分だけのカラーリングも実現できる。ちなみにメールを受信したり、ALIENWARE FXに対応したゲームのアクション(ライフが減るなど)に応じて色を変える設定も可能だ。

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暗いところでこそ映えるユニークなデザイン。各部に埋め込まれたLEDの色はALIENWARE FXでカスタマイズできる

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このほか、独自ユーティリティとして電源管理を行う「AlienFusion」や、ゲームごとにシステム設定を変更したり、パフォーマンスモニターもできる「AlienAdrenaline」なども、ALIENWARE Command Centerからアクセスできる

広視野角、ノングレアのフルHD液晶を搭載

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1920×1080ドット表示に対応する14型ワイドの非光沢液晶ディスプレイを搭載。IPS方式のパネルで視野角が広い

 14型ワイドサイズの液晶ディスプレイは、映り込みを抑えたノングレアパネルを採用している。ノートPCの多くは店頭展示や写真などを表示した際に見栄えのいいグレアパネルを搭載することが多いが、ゲーミングPCである本機は、外光反射でゲームをじゃましたり、長時間のプレイでも目が疲れにくい非光沢仕様になっているのがうれしい。解像度は1920×1080ドットのフルHDに対応。パネルの駆動方式はIPSで視野角が広く、目視の印象では明るさも十分だ。なお、輝度は8段階で設定できる。

 キーボードは19ミリピッチを確保した余裕のあるサイズだ。評価機に搭載されていたのは英語キーボードだったが、日本語/英語のどちらでもオプション費用なしで選択できる。主要キーのサイズは約19ミリ正方で、キートップを凸型の形状にすることでタイプミスをしづらくしているほか、カーソルキーのみ一段下げる工夫も目を引く。ちなみにホームポジション以外に、FPSゲームなどで方向キーの中心になる「S」キーにも指で触れて分かる小さな突起がある。ゲーミングPCらしい配慮だ。

 タッチパッドの入力領域は実測値で101(横)×57(縦)ミリと広い。ボタンは標準的な2ボタン式で、パームレスト同様、ラバー風の仕上げになっている。ボタンの押し心地は柔らかめだが、ストロークが深く、クリック感は十分だ。ちなみに、タッチパッドの感度やスクロール設定などは、専用ユーティリティの「Alien Touch」でカスタマイズできる。

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評価機は英語キーボードが搭載されていたが標準モデルは日本語。ただ、英語キーボードへの変更も費用はかからない。タッチパッドの挙動は「Alien Touch」で細かくカスタマイズが可能

 インタフェースは、左側面に音声関連端子、USB 3.0×2、HDMI出力、Mini DisplayPortを並べ、右側面に9-in-1メモリーカードスロットとUSB 3.0×1、光学ドライブ、ギガビットLANを搭載する。有線LANにネットワーク遅延を抑えるKiller NICを採用しているのがポイントだ。このほか、液晶上部に200万画素Webカメラを内蔵。ワイヤレス機能として802.11ac対応無線LANとBluetooth 4.0も備える。各種ポートの種類、数ともに、メインマシンとしても不満のない構成といえるだろう。

 なお、本機の冷却機構は、メッシュカバーをはめ込んだ底面から空気を取り込み、背面に向かって排気する構造になっている。底面の突起で吸気するための空間を作るようになっているため、ベッドの上やひざなど吸気口をふさいでしまう環境で利用するのは避けたほうがよさそうだ。また、3Dゲームの実行中はファンが勢いよく回る。高い負荷をかけ続けると風切り音はかなり大きくなるので、深夜など静かな環境でゲームに没頭したいならヘッドフォンの着用をオススメしたい。



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本体底面。エイリアン語(?)で書かれたプレートがはめ込まれている。メッシュカバーの吸気口から空気を内部に送り、背面から内部の熱を排出する構造。底面4隅の突起によって机と底面の間に隙間を作っている。ACアダプタのサイズは、74(幅)×156(奥行き)×26(高さ)ミリ、重量は約650グラム。14型ノートPCに付属するACアダプタとしては大柄だ

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デル株式会社
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デル株式会社
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パスワードクライシス・中編 パスワード管理を取り巻く現実

 今、私たちが日々の生活でいったいどのくらいの「パスワード」を入力しているのか、ご存知だろうか。

 インターネットだけではない。会社でも「指紋認証+パスワード」のようなスタンドアロン型(ネット接もあるが)からOA端末を起動する時のパスワード、業務システムにアクセスする時のパスワードなどがある。ネットなら、Google、Twitter、Facebook、Yahoo!、Amazon……。特にスマホなどからはLINE、Webメール、クラウドサービス……。そして、ネット配信記事の会員入力、さまざまなポイントが付く購買サイト、クレジットカードの3けたコードや暗証番号、銀行のキャッシュカードなどなど——。

 筆者がカウントしてみたら、実に70を超えていた。しかも、その6割は以前にパスワード登録をしたことすら覚えていなかった(どうして判明したかはここでは割愛したい)。思い出すのに苦労したものも多かったのである。ごく普通の人でもよくよく調べてみると、30程度は見つかるはずだ。アクセス制限の厳しい会社なら、会社のパスワードだけで簡単に10を超えてしまうかもしれない。

 情報処理推進機構(IPA)が8月1日に発表したパスワードに関する呼び掛けでは、こうして調査したパスワードとその使用法、そして対になっているはずのID(もしくは会員番号とかメールアドレスなど)の3つ要素を表にして、「パスワード付き電子ファイル」に保存しなさいという管理方法をアドバイスしている。例示では次の3つを挙げている。

  1. 表計算ソフトでIDとパスワードのリストを作成する。そのリストをパスワード付きでファイル保存する
  2. 表計算ソフトでIDとパスワードのリストを作成し、ファイル保存する。そのファイルをパスワード付きで圧縮ファイル(zipなど)に変換する
  3. 「メモ帳」などでIDとパスワードのリストを作成し、テキストファイルとして保存する。そのファイルをパスワード付きで圧縮ファイルに変換する

 筆者はこれをみて、「えーっ!?」と思った。今どきこんな管理方法を推薦するだろうか。何もしないよりマシだからなのか……。パスワード付きのzipファイルなど簡単に復号化されてしまう。わざわざそのファイルを作成することは、「大事なものが中にあります」と言いふらしているようなものであり、わざわざ専門家が「逆に攻撃対象にされるので止めるべき」と警告していたほどだ(メール添付ファイルにおけるパスワード付zipファイルがインターネットからターゲットになってしまう)。

 IPAもこうした事実を知っているはずだろう。わざわざ「そうしなさい」ということには、よほどの根拠があるのだろうか。なお、Excelのパスワード付きファイルも、今ではわざわざ総当たり攻撃や辞書攻撃などせず、Excel用のレインボーテーブルを利用してこじ開けてしまえる。

 IPAは、こうした表について「ID」と「パスワード」を切り分けで2つのリストを作成し、普段から別々に異なる形(PCとメモ用紙とか、PCとスマホなど)にして保持すべきだと薦めている。もし片方を盗み取られても、それだけでは不正ログインに悪用できないので安全だという。

 筆者は「そんなの無理、できません」と断言できる。こういう管理方法が好きな人もいるに違いない。でも、筆者には無理だ。また一部の専門家は、「パスワード管理ツールを利用すればいい」と言う。筆者も有料、無料を問わずいくつかのツールを試してみたが、パスワードを登録できてもメンテナンスができなかった。最初は物珍しさもあってメンテナンスをするが、だんだんと面倒になり、そのうちに「後でいいか」と思えてくる。1年後は見事なくらいに、ほとんどのパスワードがメンテナンスされなくなっていた。

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スマートフォン活用、「端末だけに注目」が時代遅れな理由

 モバイル技術がビジネスの在り方を変革させたことで、IT部門のビジネスアプリケーション配信方法に変更が迫られている。

 企業でのモバイル利用は、メールやスケジュール管理にとどまらない。例えば、経費承認といった単純な業務では、アプリケーションが紙の書類の代わりになりつつある。「モバイル化は、企業にさらなる対応と、ビジネスプロセスの根本的な変革を迫っている」。IT専門の調査・コンサルティング企業、米Lopez Researchの創業者で首席アナリストのマリベル・ロペス氏は、米ボストンで開かれた「E2 Conference」のワークショップでこう語った。

Snapdragon+LTE内蔵版も? 次期「Surface」はどうなるか

次世代Surface RT/Proはどうなる?

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RTとPro、2つの現行Surfaceについて商品説明を行う日本マイクロソフトの樋口泰行社長

 先日、「Windows 8.1」のリリース/公開日が決まった。日本時間では2013年10月17日21時にWindowsストアを通じて配信され、同日にはWindows 8.1プリインストールPCも発売されるようだ。

 これもふまえて、ひとまず次期Surfaceがどうなるか。現在国内外で語られているいくつかの噂を整理して紹介しよう。

 前回紹介したThe Vergeの記事でも示唆されているが、次期Surfaceは、ハードウェアの外見が大きく変化するというより、プロセッサの強化やアクセサリーを中心としたカラーバリエーションの増加などがポイントになるとみられる。

 米Bloombergが報じた情報によると、NVIDIA Tegra 3からQualcomm Snapdragon 800プロセッサベースに刷新される可能性が示唆されている一方で、Snapdragon版とTegra 4版の2モデル構成となる話も上がってきている。

 また、Snapdragonの採用にともない、LTEのモバイルデータ通信をサポートしたモデルも登場するという噂もある。いわゆる“LTE内蔵モデル、iPadの命名にならうとCellularモデル”が追加されるということだ。これによりSKUが増え、例えばSIMロックフリーモデルを家電量販店で販売するスタイルのほか、携帯電話事業者がショップなどを通じて低価格に販売するスタイル(=一定期間の通信契約により、実質の端末価格が下がるとみなせる販売方法)が実現することも考えられる。日本でもそれが販売されるかについては他国、特に欧米諸国と事情は少し異なるかもしれないが、いずれにせよプロセッサ更新とモバイルブロードバンドへの対応、それにともなった販売チャネルの拡大がポイントの1つになると思われる。


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Surface Proは、第3世代→第4世代Core仕様になる?

 Surface Proについては、Haswell世代の第4世代Coreプロセッサーの採用が見込まれている。現在のSurface ProはIvy Bridge世代の第3世代Core i5-3317Uを搭載するが、この世代はWindows 8/8.1の特徴の1つである「Connected Standby」を完全にサポートしていない。この点、Haswell世代のプラットフォームへ刷新するだけでもSurface Proはかなりの刷新メリットを享受できる。特にバッテリー動作時間が延長できるという大きなメリットが得られるため、Windows搭載モバイルデバイスとしてそこそこのセールスポイントになるはずだ。

 Surface全体では、新アクセサリに関する話題もちらほら聞こえてきた。例えば「バッテリー付きキーボードカバー」、「アクセサリのカラーバリエーション増加」といったものだ。特に興味深いのはバッテリー内蔵キーボードカバー。セカンドバッテリーとして活用することで、さらに動作時間を延長できるようになるだろう。

 いずれにせよ、2013年の年末商戦をターゲットにしたMicrosoftの動きは、今後も動きがあり次第リポートする予定だ。


「鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8」」バックナンバー


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Lenovo、モバイル端末の販売台数がPC超え──第1四半期は2桁台の増収増益

 中国Lenovoは8月15日(現地時間)、第1四半期(4〜6月)の業績発表で、モバイル端末(スマートフォンおよびタブレット)の販売台数がPC(デスクトップおよびノート)の販売台数を上回ったと発表した。同社はPCメーカーからPC+モバイルを扱う“PC Plusメーカー”への迅速な移行に取り組んでいる。

 同社のスマートフォンの出荷台数は前年同期比で約132%増の1130万台。主に同社の拠点である中国での売り上げが好調で、中国でのシェアは、韓国Samsung Electronicsに次ぐ2位だ。

 米調査会社IDCによると、同四半期における同社のPC出荷台数は前年同期より1.4%減少したが、メーカー別ランキングで米Hewlett-Packard(HP)から首位を奪い、トップに立った。

 同社のヤン・ユァンチン(楊元慶)CEOは発表文で、「厳しい状況のPC市場で、Lenovoは初めて明確な首位を獲得し、収益性も向上し続けて」おり、主力であるPC事業を維持しつつモバイルへの移行を急いでいると語った。「PC Plus市場は、高価格製品から低価格帯へ、成熟市場から新興国市場へと移行する中、迅速で効率的なイノベーションを必要としている。Lenovoはこのトレンドで、これまでより良いポジションにある」(ユァンチン氏)

 Lenovoの第1四半期の売上高は前年同期比10%増の87億8700万ドルで、純利益は23%増の1億7400万ドル(1株当たり1.65ドル)。粗利益率は前年同期より0.5ポイント高い13.6%だった。

 同社は、ホリデーシーズンにタブレットにもなるノートPC「Yoga」シリーズの新モデルや、薄くて軽く、コラボレーションやクラウド機能を強化した新しいスマートフォンを立ち上げる計画という。

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「終了前に、ただ伝えてほしい」――多くの開発者に届きますように。

 筆者のFacebookに、とあるWeb制作会社の方から1通のメッセージが届いた。これを最初に目にしたとき、「いつもみたいな宣伝のお願いかな」と、筆者は恥ずかしながらそんなふうに思ってしまった。

 オープンソースの集まりで1度しか実際にお会いしていませんが、お願いがあります。

 富士通アクセシビリティ・アシスタンスというサービスが、2013年8月20日で提供終了します。つまり、あと20日。このソフトは視覚障がい者や色覚障がい者の方がどのように色を見ているかを確認できるツールです。Webサイト制作をしている人なら、今は必要なくても、いつか必要になるソフトです。

 8月20日までにダウンロードすれば、8月21日以降もローカル環境で普通に使えるので、なんとかメディアで紹介して頂き、提供終了するまでに、少しでも多くの人に知ってもらいたいと考えています。

 紙媒体だと、とても間に合わないのですが、ネット媒体なら、なんとかなるかも!と思い、お願いしたいと思いました。

 視覚障がい者や色覚障がい者という障がいに興味がないかもしれませんが、外見では判断できない障がいなので、気付いていないだけなのです。

 よかったら、媒体で富士通さんのソフトを紹介して、最後にもう少しこういったソフトを普及させてもらえないでしょうか?

 よろしくお願いします。


 2013年8月20日、視覚障がい者や色覚障がい者のアクセシビリティを高めるための診断ソフトウェアツール群「富士通アクセシビリティ・アシスタンス」が無償ダウンロードによる提供を終了する。対象は、富士通アクセシビリティ・アシスタンスの3つのツール群「WebInspector(ウェブインスペクター)」「ColorSelector(カラーセレクター)」「ColorDoctor(カラードクター)」それぞれの日本語版、英語版、中国語版、韓国語版だ。

 WebInspectorは、Webサイトのアクセシビリティを診断するソフトウェアで、主に高齢者や視覚に障がいのある人にとって重要な問題を指摘するというもの。ColorSelectorは、背景色と文字色の見やすさを判定するソフトウェア。ColorDoctorは、ディスプレイ上の表示内容をグレースケールや各色覚特性に応じてシミュレート表示するソフトウェアである。どれも2013年8月20日までなら、無償でダウンロードできる。

 筆者も実際にダウンロードして、@ITのサイトを検証してみた。まずは、WebInspector。URLを入力し、「チェック開始」のボタンを押すだけで、詳細なレポートが表示されることに驚いた。

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URLを入力し、「チェック開始」のボタンを押す
URLを入力し、「チェック開始」のボタンを押す

 続いて、ColorSelectorを実行。これは、色を選択するだけで、その色がどんな障がいを持った方に見えにくい色なのかが一瞬にして分かる。

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ColorSelector
ColorSelector

 最後に、ColorDoctorを起動。URLを入力して、変換フィルタを対象者に合わせ、「画像を変換」ボタンを押せば実際にどう見えているのかが分かる。

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第一色覚(赤)
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第二色覚(緑)
第二色覚(緑)
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第三色覚(青)
第三色覚(青)

 Facebookにメッセージを送ってくれた読者は言う。「友人がたまたま色覚障がい者だったため、Webサイトの色を分かりやすくしたくて、このソフトを使い始めました。色覚障がい者は外見では分からないため、自己申告しない人も多いのです。信号機などは、色ではなく光っている場所で判断するようです。このソフトは、Webデザイナーがちょっと色に気を使うだけで、簡単に対応できます。『終了する前に、知ってもらいたい』——ただそれだけで、何の利害関係もないですが、連絡させていただきました。パブリックドメインやオープンソースで、なんとか残せないか富士通に掛け合ってみたんだけど、ダメでした。1人でも多く開発者にダウンロードしてもらうために、提供が終了する前に記事にしていただくことが最後の望みです」。

 視覚障がい者や色覚障がい者のためのソフトウェアは、これ以外にももちろんある。しかし、2013年8月20日、そのうちの1つのサービスが消えようとしている。

 この記事は、たった1人の読者の声によって書くことができた記事である。1人でも多くの開発者に届きますように。この場を借りて、貴重な情報と熱い想いを届けてくれた@ITの読者に感謝を申し上げます。

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TechTargetジャパン

いまだに激しい論争の的になる電子書籍の値付け

 電子書籍小売で業界トップの企業が実施してきたさまざまな施策や、Appleと当時の米国6大出版社のうち、5社が関与したとされる価格操作疑惑に対して司法省が起訴に踏み切ったにもかかわらず、電子書籍の価格はいまだに業界関係者と消費者を惑わせている。

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 The New York Timesが独立記念日の週末に掲載した記事は、出版業界の格好の標的であるAmazon.comの肩にのしかかる一部の混乱を非難しているが、確かに、Amazonが書籍小売業界で果たしている重要性を考えれば、ここ数年で書籍が経験した価格の変化の一因は、小売の巨人との純粋な競争と関連している可能性はある。

 往々にして見過ごされており、電子書籍を値付けする際に多くの個人出版著者も忘れがちな事実の1つとして、海外では書籍の値付けが一律ではないことが挙げられる。しかし、海外の小売市場が増えるにつれ、それも変わりつつある。書籍の高い小売価格に慣れていた顧客は、必ずしもそうした価格が万国共通のものでないことに気づきはじめている。

 さらに、KoboのWriting Lifeサービス部長のマーク・ルフェーブル氏が5月にGood e-Readerとのインタビューで指摘したように、紙書籍はジャンルによって制作コストが異なるため、ジャンルごとに異なる値付けが行われている。しかし、電子出版があらゆるジャンルで安価な書籍を提供しつつある中、著者と出版社は伝統的に高い小売価格を享受していた書籍に、より多くの金を払うよう消費者を納得させるのは難しいと理解しつつある。

 電子書籍の値付けの興味深い側面の1つは、本の価格は多くの出版社が論じようとしなかったトピックの1つであるように思われることだ。何気なく発した一言やシンプルな電子メールが価格操作訴訟の証拠として取り扱われてしまう現在の状況で、それがなぜなのか理解するのは簡単だ。

 業界と消費者が値付けから学ぶべきは、デジタル革命によって明らかになったように『すべては変わる』ということだろう。出版業界は速いペースで起こる変化に抗い続け、スタートアップ企業は次の大きな動きに資金を投じ続けるかもしれないが、変化を取り入れつつ、何がうまくいき何がうまくいかないのかしっかりと理解している企業だけがこの市場で生き残れるのだろう。

Copyright© 2013 Good E-Reader. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。


「砲雷撃戦、用意!」「てーーーー!」――上海問屋の「USB砲台」で“中二心”を満たしたい

「艦これ」のせいで砲撃戦の妄想が止まらない

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上海問屋の「Webカメラ照準器付き USBスナイパー」。製品名にスナイパーとあるが、これは誤りだ。見た目は重機関銃というか砲台というか、どうも訳の分からないデザインだ

 最近、レビュー記事を書くため……と言い訳で始めた「艦隊これくしょん」に完全にハマってしまった。実在した戦艦をモチーフに作られたキャラクター(艦娘)のかわいさも魅力だが、何より戦艦同士の戦いというシチュエーションがボクの“中二心”をくすぐった。

 「敵艦発見。砲雷撃戦、用意!」「てーーーー!」

 うん。こんなセリフを一度でいいから全力で叫んでみたい。仕事中にもこんなことを考えてしまうものだから、ちっとも仕事が進まない。何かボクの荒ぶる妄想を満足させてくれるアイテムはないのか。

 そんなわけで、上海問屋の「Webカメラ照準器付き USBスナイパー」を調達した。本製品はUSB接続で操作するBB弾の電動ガンだ。製品名にスナイパーとあるが、これは誤りだ。見た目は重機関銃というか砲台というか、どうも訳の分からないデザインとなっている。逆に砲撃戦の妄想がさらにはかどる結果となってしまった。

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照準用のWebカメラを搭載している(写真=左)。砲口などデザインもそこそこ精巧だ(写真=中央)。BB弾を10発まで入れられる(写真=右)

 本体サイズは32(幅)×16(奥行き)×18(高さ)センチとかなり大きい。素材は樹脂だが、重厚感や迫力がある。重量の実測値は640グラムと見た目に反して軽いので、持ち運びは楽に行える。

 USBとACアダプタを本製品に接続し、専用ソフト(付属のCD-ROMからインストール)を起動すると砲台を操作できるようになる。操作方法は専用ソフト内のボタン、またはPCのカーソルキーで、可動域は左右120度/上下35度と広い。操作時に発する「ウィーン」という音もなんだかそれっぽくて気持ちが高ぶる。

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ACアダプタやBB弾が付属する(写真=左)。上下の可動域は約35度だ(写真=中央、右)

 砲台にWebカメラを搭載しており、専用ソフトにはカメラの映像が表示される。照準の中央を拡大するデジタルズーム機能も備えており、より正確な射撃が行える。スペースキーを押せばBB弾が発射される仕組みだ。それではいよいよ撃ってみよう。

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付属する専用ソフト「Axniper」(写真=左)。Webカメラの映像が表示される。640×480ドットと画質は粗めだが、照準合わせには問題ない(写真=中央)。デジタルズームによるスコープ機能もある(写真=右)。右下にある再生ボタンのようなアイコンで、カーソル操作で砲身が動く距離を変えられる。もちろん速い方が便利だが、細かい照準合わせがしにくくなるので注意が必要だ
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夏休みに試したい、無料コラボレーションツール ベスト6

 中堅・中小企業やホームオフィスユーザーにとって、コラボレーションツールはマストアイテムだ。どんなに小さなオフィスからでも文字通り、世界中のあらゆる場所とやりとりできる。大企業は同じようなソリューションを以前から利用していたが、それらは非常に高価で、しばしば高度なバックエンド管理と莫大な投資が要求された。ところが、そうした状況は大きく変化した。今や零細な企業(あるいは、ごく普通のユーザー)にも十分手の届く、無料または低価格のコラボレーションツールが数多く登場している。それらの中でも、これがベストといえるものを幾つか紹介しよう。

ソフトバンクとの経営統合、効果が出ています――イー・モバイルの夏戦略を聞く

 イー・モバイルの、この夏の目玉といえる商品が、下り最大110Mbpsの高速通信を実現し、5000mAhの大容量バッテリーを備えるモバイルWi-Fiルーター「Pocket WiFi(GL09P)」だ。WCP(Wireless City Planning)が提供しているAXGP(2.5GHz帯)と、従来の「EMOBILE LTE」(1.7GHz帯)、そしてイー・モバイルのW-CDMA(1.7GHz帯、EMOBILE G4)とソフトバンクのW-CDMA(1.5GHz帯、ULTRA SPEED)という、幅広いネットワークをサポートする。また、ソフトバンクモバイルも「Pocket WiFi 203Z」という製品名で同一のモバイルWi-Fiルーターを発売した。

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マルチネットワーク対応の「Pocket WiFi(GL09P)」

 マルチネットワーク対応のPocket WiFiを投入する狙い、スマートフォンへの取り組み、そしてソフトバンクとの連携も含め、イー・アクセスとして今後どのようにモバイル市場を攻めていくのかを、イー・アクセス サービス戦略本部 副本部長 兼 サービス企画部 部長 兼 カスタマーサービス部 部長の筒井雅彦氏に聞いた。

Pocket WiFiは共同調達しなかったら「月額3880円」は厳しかった?

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イー・アクセス筒井氏

 AXGPについては、新たに「EMOBILE 4G」というブランド名で通信サービスを展開する。このネーミングの意図について筒井氏は「ソフトバンクが市場に対して訴求している言葉が一番伝わりやすいと考えました」と話す。また「ソフトバンクさんからは、端末(203Z)にPocket WiFiという名前を採用いただいているので、お互いに、認知度の高い名称を使うことにしました」と同氏。一方で、「AXGPを訴求するのは難しい。認知的には4Gですが、LTEと言えないので……」との悩みもある。ユーザーから「EMOBILE 4GとEMOBILE LTEの違いは?」と問い合わせがあった場合は「4Gの方が最高速度が速い」と答えているそうだ。

 EMOBILE 4Gというサービス名は、イー・アクセスが提供している下り最大42Mbpsの3Gサービス「EMOBILE G4」と似ていて紛らわしいが、「G4の表記は徐々に下げていく」(筒井氏)とのこと。G4と4Gが混在することは少なくなりそうだ。

 イー・アクセスとソフトバンクモバイルで同じ端末(Pocket WiFi)を出すことが決まった背景については「(イー・アクセスとソフトバンクで)シナジーを出すために、共同でサービスを作っていく中で、特にPocket WiFiについては、スマートフォンほど端末のカラーを出す必要はなく、共通のプラットフォームで作りやすいとお互い考えました」と筒井氏は話す。

 また、ソフトバンクモバイルと共同調達したことによって、ボリュームメリットが生まれ、端末価格も下げられたという。実際、「4Gデータプラン(にねん)」で新規契約、「バリュースタイル」に加入すれば、端末代の4万800円は実質0円になる。月々の通信費は、「ずっとおトク割」によって月額3880円に割り引かれるが、この価格設定は「1社だけだと厳しかったかもしれません」と筒井氏はみる。決して赤字覚悟の価格というわけではなく、共同調達によって端末原価を下げられたことで、大胆な価格に踏み切れたようだ。

 「Pocket WiFi(GL09P)はスペックも向上しているので、利用料金も上げるのでは、という議論はありましたが、あえて従来と同じ料金(3880円)にすることで、よりシェアを拡大する狙いがあります。(データ通信市場は)競争が激しいので、ここで値上げをすることでシェアが落ちる恐れがあったので、踏み込んでシェアを取りたいと考えました」(筒井氏)

 一方で「カニバリの議論もありました」と筒井氏は話す。つまりターゲット層が同じ製品を2社が販売することで、お互いのユーザーを取り合ってしまうのではないか、という恐れだ。だが筒井氏は、2社でうまく棲み分けができると考える。「Pocket WiFi(GL09Pと203Z)は、ソフトバンクモバイルさんは主に店頭で売っていて、スマートフォンと一緒に販売することが多いです。イー・アクセスは量販店、特にPCコーナーでPCとセットで販売しています。PCやタブレットとセットにして、端末の初期費用を減らす料金プランは、イー・モバイルだけが用意しています。Pocket WiFiは認知度が高いので、お互いが販売する方がいいのでは、と考えました」

 EMOBILE LTE対応スマートフォン「STREAM X(GL07S)」とPocket WiFi(GL09P)をセット販売して割り引く、といった施策は現在は考えていないそうだが、「今後やっていかないと……と考えています」とのこと。

 今後イー・アクセスが発売するモバイルWi-Fiルーターは、基本的にEMOBILE 4GとEMOBILE LTE対応になる見込み。「現状だとLTE単体のルーターを出しても弱いので、AXGP対応の製品を、しばらくは出すのかなと思っています。今後、より高速なサービスが出てくれば、検討します」

 AXGPとLTE、両方をカバーするエリアにいる場合、どちらのネットワークを優先するのかは気になる。この点については「公表していない」(イー・アクセス)が、一般的には、通信の速い電波を優先してキャッチするはずなので、AXGP→LTEという順番になると推測される。なおPocket WiFi(GL09P)では、特定のネットワークのみをオフにすることはできない。

EMOBILE 4G+EMOBILE LTE対応スマホも登場する?

 EMOBILE 4GとEMOBILE LTE対応製品を、スマートフォンではなくルーターからとしたのは、「イー・アクセスの主力はPocket WiFiなので、まずはここを強化することで、より競争力の高めていく」(筒井氏)ため。加えて、発売タイミングの問題もあったようだ。「春時点でSTREAM Xが出ることも見えていましたが、(EMOBILE 4GとEMOBILE LTE対応となると)スマホの方が発売までに時間がかかるので、(タイミングが)ミートしませんでした。営業はいくらでも欲しいと言うんですけど(笑)」

 EMOBILE 4GとEMOBILE LTEの両方をサポートしたスマートフォンが発売されることは「十分あると思っています」と筒井氏。Pocket WiFiに続く、マルチネットワーク対応のスマートフォンにも期待したい。

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ホワイトが追加された「STREAM X(GL07S)」(左はブラック)

 マルチネットワークといえば、3月に発売したSTREAM Xも、EMOBILE LTE(1.7GHz帯)に加えて7月25日からSoftBank 3G(2.1GHz帯)に対応し、ソフトバンクとのシナジー効果が生まれている。端末代を含めて月額3880円という料金と、7月18日に新色のホワイトを発売したこともあって、「売れ行きはあまり落ちていない」(筒井氏)そうだ。「電話機としては、(イー・モバイルのみだと)エリアが狭いというご指摘をいただいているので、統合の効果が出ています」と筒井氏は手応えを感じている。

 今まで、イー・モバイルのスマートフォンは2台目として使われるケースが多かったが、イー・アクセスの調査によると、STREAM Xは「半分以上の方がメイン(1台目として)で使っている」という。「これまで、弊社のスマートフォンは、発売時点で他社の製品より見劣りしていたものが多かったですが、STREAM Xでようやく他社の“中の中”くらいまでは行けました。料金も安く、手に取ってみると、それほど質感が悪いわけではない。中味も非常に良くて、速度も含めてデータ通信をするには最適だと思います」と、筒井氏は端末のクオリティにも自信を見せる。

 夏モデルのスマートフォンは、ソフトバンクの「ARROWS A 201F」と同一のハードウェアを用いた「ARROWS S(EM01F)」のみ。端末自体のインパクトは弱いが、下り最大76Mbpsの4G通信を月額3880円で利用できるのは魅力だ(201Fで「パケットし放題フラット for 4G」選択時は月額5985円)。ARROWS Sのケースとは逆に、STREAM Xのようなイー・モバイルのスマートフォンを、ソフトバンクモバイルと共同で販売することも「あるかもしれない」(筒井氏)が、「料金面で、独自色を出していきたい」という姿勢は変わらない。

 STREAM XやARROWS Sなどの高速通信とテザリングに対応したスマートフォンがあれば、モバイルWi-Fiルーターの出番はなくなるのでは……との見方もあるが、筒井氏は「スマートフォンとデータ通信端末は、利用方法が違う」と考える。「一番の違いはバッテリーの持ちです。STREAM Xでテザリングを(何時間も)使うと1日は持たないでしょう。一方でPocket WiFiは14時間持ちますし、モバイルバッテリー代わりにも使えます。今までスマートフォン、ルーター、モバイルバッテリーの3台を持ち歩いていた人は、Pocket WiFi(GL09P)があれば、モバイルバッテリーは不要になるでしょう。カバンに(Pocket WiFiを)オンにして入れっぱなしで、帰宅してもバッテリーが持っているというのが、お客様の求めるところ。一般的な利用には差し支えないのではと思います」(筒井氏)

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国民総カメラマン時代の保管・共有手段、ソニー「LLS-201」を試す

 個人的には「思い出の風景は目に焼き付けるもの」と男らしく(?)言い切りたいと思う。しかし、自分で思い返すだけなら、そんな1人よがりな考えでも問題ないものの、同行者と思い出を共有したり、ほかの誰かに伝えたりする場合には、やはり映像があったほうが手っ取り早いことも確かだ。そして、今ではスマートフォンなどの普及により、誰でも映像を記録する時代。一昔前は、グループのうちの誰か1〜2人がスチルカメラやビデオカメラを持っている、家族ならお父さんが撮影係という格好だったが、もはや国民総カメラマンといってもいい状況だ。

 では、そうした撮影データの保管をどうするか。

 以前はデジタルカメラにせよ、スマートフォンにせよ、いったんPCに取り込むというのが基本であり、そのほかのPCを持たない一般層の人々は、メモリカードを写真屋さんや家電量販店に持ち込んで、プリントサービスを利用したり、プリント機でセルフ出力していたという感じだろうか。ただ、ことスマートフォン/タブレットにかぎっては、現在ではクラウド連携が標準的に採用されており、PCレスでもインターネット経由で画像保管サービスなどへアップロード/同期可能である。

 しかし、クラウドへの保管機能を先ほどのような一般層の人々も皆利用しているかというと微妙だ。よく分からないところに個人的な写真を置きたくないといった理由もあるかもしれないし、単に使い方がよく分からないという事情もあるかもしれないが、ともかく、そんなクラウド保管などよりも、もっと気軽に、しかも手元に写真を無尽蔵に置ける手段はないものかと考える人がいるのは確かなのだろう。ちょっとこじつけだが、この夏やゴールデンウィーク、あるいはそれ以前に撮り溜めたものも含めて、このお盆休みに保管場所をなんとかしようという方に、候補となる手段の1つを紹介しておこう。

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ソニーのパーソナルコンテンツステーション「LLS-201」

宅内サーバの進化形

 ソニーのパーソナルコンテンツステーション「LLS-201」は、1TバイトHDDを搭載し、無線LAN(IEEE802.11 a/b/g/n、インフラストラクチャモード、Wi-Fi Directモード)機能を備えたネットワークストレージだ。無線LANに加え、USB 2.0(最大2.1アンペアの給電対応)、メモリースティック デュオ/SDメモリーカード デュアルスロットも装備しており、スマートフォン/タブレット、あるいはデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラなどで撮影した写真やビデオをさまざまな手段でデータ転送して保管できる。

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側面にはメモリースティック デュオ/SDメモリーカード デュアルスロットを装備(右)。ネットワーク接続時には、本製品の底面に記載されているSSIDとパスワードを用いて、スマートフォンから無線LAN接続を行うことになる。もちろん、本製品を宅内LANへ参加させることも可能で、その場合は本体のWPSボタンを利用するか、スマートフォン/タブレット上の「PCS Manager」から手動接続設定を行う

 また、DLNAサーバとしての動作も可能だ。しかもハードウェアトランスコーダーを内蔵しており、AVCHDフォーマットのビデオなどをスマートフォン/タブレットで視聴しやすいように、MP4ファイルに変換することが可能になっている(取り込み時に自動変換、もしくはあとで手動変換。当然、オリジナルファイルも保持される)。

 ただ、この製品は「多機能のネットワークストレージ」と位置づけるよりは、むしろ、多彩な機能に対応することで、ユーザーが手間をかけることなく、スマートフォン/タブレットから写真やビデオをハードディスクへ取り込み、保管データをスマートフォン上でも、テレビ上でも、シンプルかつ簡単に楽しめることを目指したものだ。

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NFCによるワンタッチ転送。NFCで端末間ペアリングを行い、データ転送自体は無線LAN経由で実行する。転送時間は103ファイル(動画、静止画混在で600Mバイト弱)の場合で12分程度だった

 要するに、NFCによるワンタッチ転送(NFCで端末間ペアリングを行い、データ転送自体は無線LAN経由で実行する、いわゆるWi-Fiハンドオーバー)への対応で、新規に撮影された写真と動画だけを自動的にNASへ保管でき、さらに、HDMI出力端子装備により、保管した写真や動画をスマートフォン/タブレット上だけではなく、簡単な操作でテレビでも楽しめるというわけだ。

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背面にはHDMI出力やUSB端子がある

スマートフォン/タブレットなしの運用は可能か?

 一般的にはネットワークストレージというカテゴリに属する製品だけに、宅内LANありきで使うものという印象を受けがちだが、最もシンプルな組み合わせとしては、専用アプリ「PCS Manager」(Android/iOS対応)をインストールしたスマートフォン/タブレットと本製品のみでの運用も可能だ。その場合でも「手軽に映像データを保管する」「テレビで楽しむ」という基本機能を活用できる。

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「PCS Manager」のコンテンツ一覧画面(左)と動画再生画面(右)

 では、スマートフォン/タブレットなしでの運用は可能なのか。まず、すでに保管されたデータを表示させるだけなら可能ではある。本製品には電源とリセット、WPS以外に操作ボタンなどはなく、リモコンも付属しない。つまり、HDMI出力で映像を表示させる場合にはスマートフォン/タブレットでの操作が必須となるわけだが、DLNAサーバとしても稼働できるため、HDMI出力を使わずに、テレビなどからDLNA経由で再生する分にはスマートフォン/タブレットがなくても問題ない。

 しかし、本製品へデータ転送するためには、メモリカードやUSB接続機器の中のデータを転送する際にも「PCS Manager」での操作が必須(カメラやメモリカードを接続/挿入したら、未保存の写真と動画のみを自動転送するといった設定は用意されていない)となるため、実質的に本製品の運用にはスマートフォン/タブレットが不可欠といえるだろう。

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青空文庫呼び掛け人・富田倫生さん死去

 インターネット図書館「青空文庫」の創設者であり、呼びかけ人である富田倫生さんが、8月16日に死去した。61歳だった。

 『パソコン創世記』『本の未来』などの著書を持つ富田さんは1997年、芥川龍之介や太宰治など、死後50年が経過するなど著作権の消失した文学作品を収集、無料で公開するインターネット上の電子図書館「青空文庫」を設立。(電子)出版と図書館、というベクトルの違いはあるが、電子の世界に早くから可能性を見いだしていた人物だ。

 青空文庫という名称には、本を読みたいと思ったとき、そういう気持ちが心に芽生えたら、青空を見上げるように、誰でも天からの恵みのように本を手にとることができたら、という思いが込められており、収録作品数は本日現在で1万2129点となっている。

以来、五百年に渡ってその役割を担った印刷本に代わり、私は電子本が新しい触媒となるのではないかと思いはじめている。グーテンベルクのように、そしてあまたの出版人のように、この道がどこに続くかを私は正しく見通せないだろう。だが、直感なら口にできる。

 印刷本は国家を作った。インターネットの電子本は、その境を一瞬に越える。とすれば、生まれつつあるのは、地球規模の枠組みで新しい共通の価値を見いだすための触媒ではないだろうか。私たちが築きつつある新しい文書交換の枠組みの彼方に、私は一つを目指す世界の夢を見る。

富田氏が執筆した「短く語る『本の未来』」より


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GTX 780カードが今週末だけ6万円台に――店員「ね、無茶でしょう?」

「もともと特価だったものがさらに特価になった感じ」——TSUKUMO eX.

 TSUKUMO eX.は8月9日から8月25日までの期間限定でInno3DのGeForce GTX 770カードを10%、GTX 780/760カードを6%引きするキャンペーンを実施している。今週末は、同社のGTX 780カード「N780/1DDNL5HS」をピンポイントでさらに値下げしており、通常売価8万4980円のところを6万9980円で販売している。すごい特価品があるとショーケースまで誘導してくれた店員さんは「ね、無茶でしょう」ともらしていた。

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「当店最安値GTX 780はこちら!!」と紹介されている。そりゃそうだ

 8月16日の取材時点で数台の在庫が確認できたが「(キャンペーン終了の)18日まではまず残らないでしょう。特価対象がさらに特価になったような感じで、現役バリバリなのに1万5000円引きですからね」という。

 在庫が不安視されるのは、Inno3Dキャンペーンの対象になっている、ほかのモデルも同じだ。GTX 770カードは10%引きなので、軒並み5000円以上の値引きとなる。なお、N780/1DDNL5HSは1人1枚限定だが、そのほかのモデルは1人2枚まで買える。「お盆にハイエンドゲームマシンを組むなら絶対狙い目です。文句のない性能ですし、お早めにどうぞ」とのことだ。

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Inno3D祭のPOP(写真=左)。10%引きの値札が貼られたInno3D製GTX 770カード(写真=右)
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Microsoft、Windows XP継続利用の危険性を改めて警告

 Windows XPのサポート打ち切りが2014年4月に迫る中、米Microsoftは脆弱性が放置されることの危険性を指摘して、改めてWindows 7やWindows 8への移行を促した。

 Microsoftは米国時間2014年4月8日でWindows XPのサポートを打ち切り、以後はたとえ深刻な脆弱性や不具合が見つかったとしても、修正のためのアップデートは提供しない。

 同社は8月15日のブログで、サポート期限が切れた後もWindows XPを使い続けていれば、攻撃者に狙い撃ちにされる恐れがあると警告した。

 攻撃者は、Microsoftが月例セキュリティ更新プログラムなどを公開すると、即座にそのコードをリバースエンジニアリングして、まだ脆弱性を修正していないシステムを攻撃するコードを作成しているのが現状だという。しかし、Windows XPについては2014年4月以降は脆弱性が修正されないため、いわば「ゼロデイの脆弱性が永久に存在する」ような状態になる。

 ちなみに2012年7月から2013年7月までの1年間でMicrosoftが公表したセキュリティ情報の中に、Windows XPに影響する脆弱性は45件あったという。

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OSおよびサービスパック別の感染率(2012年第4四半期のMicrosoft Security Intelligence Reportより)

 しかも、Windows XPに組み込まれたセキュリティ対策は、もはや現代の攻撃には十分対抗できなくなったとMicrosoftは言う。同社が実施した調査では、攻撃者がこうした対策をかわす手口を確立していることも分かったと指摘。「Windows 8はWindows XPに比べてはるかに優れたセキュリティ対策を実装している」と強調している。

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市販製品を利用? 米国政府のネット情報収集手法が判明

 米サイバー司令部司令官を兼任する米国家安全保障局(NSA)のキース・B・アレクサンダー長官がハッカーカンファレンス「Black Hat 2013」のオープニングキーノートに登場した。同氏はNSAが行っている2つの具体的な監視活動について、それぞれ米愛国者法215条および外国情報監視法(FISA)702条に関連付けて説明し、NSAが実際にどのような種類の情報を収集しているのかについて明確に伝えようと試みた。

AmazonのベゾスCEOはWashington Postを生かせるか

初のネット企業経営者による有力紙買収

 ついにこういう時代が来たか——。米Amazon.comの創業者でCEOのジェフ・ベゾス氏が、米有力紙のWashington Postを買収するというニュースを聞いて、そう思った方々も少なくないだろう。米新聞業界はオーナーの交代が相次いでいるが、インターネット企業の経営者による有力紙の買収は初めてのことだ。まさしくメディア産業の構造変化を感じさせる出来事である。

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Amazonのジェフ・ベゾスCEO
Amazonのジェフ・ベゾスCEO

 報道によると、米Washington Post社が8月5日(現地時間)、主力紙のWashington Postを含む新聞発行事業をベゾス氏に2億5000万ドルで売却することで合意したと発表。買収はベゾス氏個人によるものでAmazon.comは関与しないとしている。買収手続きは2カ月以内に完了する見通しで、Washington Post紙の編集幹部からは留任し、約2000人の社員も解雇しない予定だという。

 ベゾス氏は社員への声明で、買収完了後も事業運営は現体制に任せ、オーナーである自分の私益に使われることはないと説明。その一方で、ネットが報道のあり方を変えているとして変革を求めていく考えを示した。

 1877年に創刊されたWashington Post紙は、ニクソン大統領の辞任につながった「ウォーターゲート事件」など、多くのスクープを報じてきた米国を代表する新聞の1つとして知られる。ただ、台頭するネット媒体などに押され、1990年代には80万以上あった発行部数は今年3月時点で約47万部まで減少。広告収入も減少傾向に歯止めがかからず、過去6年間で売上高は44%減少しており、取締役会は売却を検討しはじめていたという。

 これまで80年間にわたってWashington Post紙の経営に関わってきたグラハム家のドナルド・グラハムWashington Post社 会長兼CEOは、売却先となるベゾス氏について、「デジタルとモバイルの時代に読者をいかに増やすか、広告主とどんな関係を築くかを誰よりもよく知っている」とコメント。実は、グラハム氏とベゾス氏は以前から交友関係を続けてきたそうで、その信頼関係が今回のやり取りのベースになっているようだ。

 では、買い手側のベゾス氏にとって今回の買収はどんな狙いがあるのか。同氏にとって2億5000万ドルという買収金額は個人資産の1%にすぎないことから、慈善事業のつもりではないか、との声も聞かれるが、さまざまな情報を整理すると次の3つの見方が浮かび上がってくる。

ジャーナリズム持続へ一大チャレンジ

 1つ目は、Amazon.comのビジネスとの相乗効果だ。電子書籍や音楽、動画など幅広いコンテンツを顧客一人ひとりの嗜好に合わせて届けるAmazon.comの技術やサービスは、Washington Post紙の読者層拡大にも活用できると見る向きは少なくない。特に同紙は有料の電子版でも出遅れていることから、こうした相乗効果への期待は当然の流れだろう。

 2つ目は、政治的な影響力や発言力を確保することだ。発行部数が減少してきたとはいえ、Washington Post紙の政治的な影響力は今も別格といわれる。税制、プライバシー、知的所有権、労働問題など、ネット企業が多額のロビー活動費を投じている政策課題は、Amazon.comにとっても重要なテーマだ。この見方については、ペゾス氏に思惑がないとしてもWashington Post紙を買収したことで今後もついてまわるだろう。

 そして3つ目は、ジャーナリズムを持続させることだ。先ほども紹介したように、Washington Post紙は多くのスクープを報じてきた米国を代表する新聞の1つで、ジャーナリズムを象徴する存在の1つともいえる。これまでは新聞社が潤沢な資金を基に、ジャーナリズムを追求する記者を育ててきたが、新聞社自体の経営不振でその人材育成の土台が今、大きく揺らいでいる。

 ベゾス氏に近い筋の話によると、同氏は以前からジャーナリズムに強い関心を抱いていたという。同氏が今回Washington Post紙へ寄せた声明にも「ジャーナリズムは自由な社会で不可欠な役割を担う」と述べている。ただし、「既に考え抜いた計画があるわけではない。地図に描かれていない領域で新しいことを考え、試していかなければならない」とも語っている。

 こうした文脈からみると、ベゾス氏はメディア産業の構造が変化する中で、ジャーナリズムを持続可能なビジネスにするべく一大チャレンジをしようとしているのではないだろうか。それが今回のWashington Post紙買収の動機であり、狙いではなかろうか。

 ベゾス氏は今後、Washington Post紙を非上場会社として経営する予定だ。とすると、当面の利益や株主への配当を気にする必要はない。これも一大チャレンジへの足場作りと見て取れる。

 ただ、これもまたジャーナリズムの視点でいうと、特定企業や団体のトップがオーナーである新聞は、政治利用や都合の悪いニュースを掲載しないなどの懸念もつきまとう。が、そこはガバナンスの徹底を期待して、まずはベゾス氏の一大チャレンジに大いに注目したい。

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Microsoft、Outlook.comの数日にわたる不具合を謝罪

 米MicrosoftのOutlook.comやSkyDriveの一部のユーザーが8月14日から数日間、サービスを正常に利用できなかったことについて、Microsoftが謝罪し、原因と対策を説明した。この不具合は18日に解消され、現在正常に動作している。

 同社の「サービスの履歴」によると、問題は14日にHotmail、Messenger、SkyDriveなどで発生した。原因は、モバイル端末などで使っているExchange ActiveSycのキャッシングの失敗という。これにより、トラフィックが超過し、一部のユーザーがOutlook.comへのアクセスやメールでのSkyDriveファイルの共有などの操作をできなくなった。

 この問題を解決するために、Exchange ActiveSync経由のアクセスを遮断したため、同サービスを利用するユーザーにも影響が及んだ。

 Microsoftは今回の問題の対策として、システムの影響を受けた部分のネットワーク容量を拡大し、Exchange ActiveSyncを利用する端末のエラー処理方法を変更したという。

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バイト炎上(1)

 7月中旬以降およそ3週間の間に、飲食店のアルバイト店員がSNSなどに投稿した不適切な写真がもとでネット上の“炎上”がおき、企業が謝罪、場合によっては閉店に追い込まれるという事件が8件も続いている。不適切な行為を行なった本人に対しては、解雇などの処分が行なわれただろうが、今やネットの炎上は店舗の存続も難しくなるほど、リアル社会に対して大きな影響力を持つに至ったということになる。

 しでかした本人は、報道を見る限り未成年者も多くいることから、子どもとネットの問題を取り上げてきた本稿でも、この問題を考えておくべきだろう。

なぜ炎上したのか

 そもそも、ネットの炎上によってリアル社会が影響を受けるのは、今に始まったことではない。過去にも反社会的な発言によって炎上し、退学処分となったり、職場から解雇された例は数多い。

 ただ今回の一連の事件は、本人だけが責任を取るに留まらず、店舗そのものにも金銭的に大きな損害をもたらしているところが特徴的だ。さらに細かく見ていくと、事件が起きた職場はことごとく、飲食物を扱う店舗であることも共通している。

 この点に、日本人特有の潔癖性を見ることができる。日本は特に食の安全について神経質であり、厳密な対応を求める。

 例えば2000年の雪印集団食中毒事件、2001年の雪印牛肉偽装事件では、食の巨大グループ企業が消滅するといったことが起こった。2003年からはBSE問題で米国産牛肉は輸入規制を実施しており、一部条件付きでの緩和はあるものの、基本的にはいまだ輸入制限は続いている。近年でも中国、韓国製食品の異物混入が何度となく問題となっている。

 これらの例からも分かるように、日本人は食の安全が脅かされた場合、完全なる解決を求めてきた。さらに原発事故関連では、東海テレビの「怪しいお米セシウムさん事件」の記憶も新しいところだ。この点では、食に関する限り、シャレや冗談では済まされないということが分かる。

 だからこそ現在の食の安全があるわけだが、ファストフードやコンビニといった加工食品産業に関しては、食の安全が確認できないため、ブランドを信用するしかないという状況が続いてきた。それが販売員というもっとも身近な部分が信用できなくなったことで、消費者の怒りが爆発したと考えられる。

 そもそも過去の炎上事件を振り返ってみても、炎上を煽る側の心理としては、許されざることを言うもの、行なうものに対して、正義の制裁を加えるという意識がある。そして情報が拡散していくうちに、それぞれの正義が暴走してしまい、絶対に許さないという集団意識が形成され、過剰な静粛を求めるという動きに繋がっていく。

 これも一種の、潔癖性のなせる技といえるかもしれない。

なぜ「武勇伝」を投稿するのか

 今回の一連の事件は、TwitterとFacebookへの投稿写真が拡散されて、炎上事件へと至っている。なぜ彼らは、誰でもが見られるところへ悪ふざけの写真をわざわざ載せるのだろうか。

 これは以前から炎上事件が起こるたびに指摘していることだが、利用しているサービス上で、自分の投稿を一体誰が、どの範囲の人が見ることができるのか、その最大限度を把握していないことが問題となる。

 さらに今回キーとなるのは、写真である。写真は発言と違って直接閲覧される必要はなく、転載されても“犯人”の特定が可能だ。つまり、情報が一人歩きするわけである。オリジナルの発言が消されても、現在多くのサイトでいまだに問題の写真を閲覧することができるのは、そのためである。ある意味、発言よりも証拠が残りやすいと言える。

 元々は仲間内だけに見せる写真だったのかもしれない。だがそれを面白がって、外部に向かって発信する“仲間”がいる。悪気はないのだろうが、人の口に戸は立てられぬ、というわけである。

 ではなぜ事件を起こした子どもたちは、自分の投稿が仲間以外に拡散する可能性をイメージできないのか。

 彼ら彼女らは丁度年齢的に、ケータイで人とつながることを覚え、そこからスマートフォンへ移行した世代だと考えられる。ケータイ時代のコミュニケーションは主にメールであり、せいぜいプロフやホムペの掲示板である。これらはインターネット技術を使ってはいるが、PCベースのインターネットとは隔離されており、利用するサービスも乱立状態で、ユーザーは比較的拡散していた。

 すなわち仲間しか見にこない、自分たちだけでこっそりグループを作っているという感覚になりやすかった。実際には第三者が見ようと思えば見えるのだが、当時は写真を広く共有するといったことが習慣的に行なわれておらず、今回のような事件には繋がりにくかった。

 その感覚を持ったままでスマートフォンに移行し、同じ仲間でTwitterなりFacebookの参加者多くオープンなSNSでグループを作る。写真投稿も簡単で、文章を書くよりも手間がない。写真で遊ぶ、という感覚を覚えていく。

 途中でPCのブラウザを使ったネットアクセスの良さを体験していると、ネットには隠れる場所など実際にはないことが体感的に理解できるのだろう。だがあいにくそのようなチャンスもなく、ケータイから直線的にスマートフォンに移行し、それがインターネットのすべてだと思っているところに、今回のような“隙”ができる。

 次回は、炎上による社会的責任の所在と、リスク回避の方法を考察してみる。

小寺信良

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は、ITmedia Mobileでの連載「ケータイの力学」と、「もっとグッドタイムス」掲載のインタビュー記事を再構成して加筆・修正を行ない、注釈・資料を追加した「子供がケータイを持ってはいけないか?」(ポット出版)(amazon.co.jpで購入)。


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“富士フイルムならではの色”がある、その秘密を聞く

 デジタルカメラの場合、今さら言うまででもないのだけれど、いい撮像素子といいレンズがあって露出がしっかり合ってればどのカメラでも同じ写真が撮れるかというと、そんなことはない。

 撮像素子がとらえた信号をデジタル化し、そこから画像を作り出すという処理の違いで、それぞれ微妙に異なった絵が出てくる。それが面白いところでもあり、絵にこだわりがある写真好きになるほどカメラ選びで悩むところでもある。

 富士フイルムはどうか。

 実はデジカメ黎明(れいめい)期から、富士フイルムのデジカメはすごく発色がいいといわれてきた。そこに富士フイルムならではのノウハウはどのくらいあるのか、そこで差別化がどうなされているのか。そんな富士フイルムの絵づくりについて、技術マネージャーの芦田氏に突撃してみたのである。

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富士フイルム R&D 統括本部 光学・電子機器商品開発センター 技術マネージャー 芦田哲郎氏

「フジのカメラは肌色がいい」は意図されたものか

——いきなりぶっちゃけますが、富士フイルムのデジカメは発色がいい、特に肌色がいいとよくいわれますし、わたしもそう思います。実際、そんなに他社と比べて違うものなのでしょうか?

芦田氏: 正直、特にコンパクトカメラにおいては各社とも絵づくりが似てきていると思います。ただ、その中で、各社とも「ここはキープしたい」というこだわりがあるように見えます。どこが大事か、というのはメーカーによって違いますね。

 富士フイルムの場合は、人が見たときに心地いい色を目指してます。ここは銀塩フィルム時代と基本的には同じです。撮影した人のみならず、その場にいなかった人がその写真を見て心地よく見えるような写真をイメージしています。

——それは記憶色重視ということですね

芦田氏: そうですね。細かくいうと、われわれは色再現には3つの項目があると思っています。ひとつめは階調性、ふたつめは忠実な表現、みっつめがその記憶色の再現です。これらに加えて安定したオートホワイトバランス。どれも重要ですが、特に記憶色と呼ばれる部分を大事にしているのは確かです。

 記憶色といってもいろいろな色があるのですが、富士フイルムではマリンブルーやスカイブルーといった青、それから緑、そして肌。この3点に重きを置いています。青や緑は一般的に彩度が高い色が好まれますから、やや鮮やか目にしています。

——多くの人が富士フイルムは肌色がきれいに出ると言っていますし、わたしもそう感じてます。肌に関しては何か特別な処理をしてるのでしょうか?

芦田氏: 青や緑は彩度を上げた方が好まれますが、肌色に関してはそうではありません。明るく鮮やかな方が健康的だと感じられますが、緑や青ほど明るく鮮やかにすればよいというものでもありません。また、肌を測色的に分光をしっかり測って忠実に再現すると、見る人に好まれない色になるという側面もあり、フィルム時代から肌色には気をつけてますね。銀塩時代は化学反応、今はデジタル処理と、手段は違いますが思うところは同じです。


——どのカメラメーカーも肌色には気をつけていると思うのですが、富士フイルムの場合は少し赤みがさしていて健康的に見えるというイメージがあります。

芦田氏: それはその通りです。健康的な肌、というのはキーワードとしてあります。特に黄色人種系では、少しピンキーな、赤みをさした肌が好まれるという傾向がありますから、好ましい肌色という意味でそういう傾向になってます。

 さらに肌色で重要なのは色だけではありません。「滑らかな肌」という表現をしてますが、肌の色が滑らかにつながるような設計をしてます。

——滑らかさというと明暗のグラデーションをきれいにということでしょうか?

芦田氏: その通りです。そしてなめらかさで重要なのは明暗だけではありません。顔の明るいところから暗いところへの過程で色相がズレてしまうことがあるんです。そうならないよう輝度による色相の差を上手に埋めることを「つながりがいい」と昔から表現しており、それを目指して必要な技術を入れています。色と明るさの両方の階調が滑らかでなければなりません。

——肌色の表現にはホワイトバランスをどう処理するかも欠かせませんよね。

芦田氏: はい。多くのシーンでオートホワイトバランス(AWB)を選択して撮っていると思いますから、AWBでどれだけ安定した肌を再現するかも効いてきます。

 AWBはいろんな評価をして、光源はこうだろうと決めて、その光源ではこう見えたらきれいだねという方向に直していますが、それと同じくらい重要なのが安定性です。少しシーンが変わっただけで、色が変わるような不安定さでは困りますからね。

——室内だと照明の色温度が落ちますし、屋外でも日陰に入ると色温度が上がりますよね。そういうときの処理はどうしているのでしょう?

芦田氏: 照明の雰囲気は少し残すようにしています。AWBの方針として、その場の雰囲気、たとえばタングステン灯の下で撮るときはその赤みを少し残すようにしています。ただ、屋外の日陰で青みが残るというような点については直して欲しいという要望もありますから、少しずつ直すようにしています。

——逆に肌色を重視しすぎると背景の鮮やかさに欠ける、という問題も出てきますよね。

芦田氏: 現状はフィルムシミュレーションで対応してます。たとえば、ベルビアモードでは肌色よりも風景を重視した鮮やかな絵づくりになりますし、アスティアでは両立を目指し、プロビアはいろいろなシーンに使えるようセッティングしています。

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