Quantcast
Channel: ITmedia TOP STORIES 最新記事一覧
Viewing all 17593 articles
Browse latest View live

実効速度は?――韓国で始まった超高速“150Mbps”のLTE-Advancedを試す

$
0
0

 2つの周波数帯を利用する「キャリアアグリゲーション」によって、通信速度を高速化する「LTE-Advanced」サービスが、韓国で始まった。最大速度は下り150Mbps。対応端末も年内には増える予定で、韓国のデータ通信速度は世界最速時代を迎えようとしている。

SK TelecomとLG U+がLTE-Advancedを開始

 韓国では2011年7月からから3社ある通信事業者が相次いでLTEサービスを開始しており、国内のカバーエリアもほぼ100%と全土にLTEネットワークの構築が完了している。国内販売されているスマホもほとんどがLTE対応端末となっており、韓国は今や日本、米国と並ぶLTE大国になっている。各社のLTE周波数は以下の通りで、10MHzの帯域で最大下り75Mbpsのサービスを提供している。

  • SK Telecom……850MHz(Band5)、1800MHz(Band3)
  • KT……900MHz(Band8)、1800MHz(Band3)
  • LG U+……850MHz(Band5)、2100MHz(Band1)

 韓国の携帯電話事業はSK Telecomがシェア50%と圧倒的に強く、KTとLG U+がその牙城を崩そうと追いかける構図が長らく続いていた。ところがLTEではLG U+が他社に先駆けカバレッジを全土に展開、王者SK Telecomがそれに追従する形でこの2社が先行しており、KTは若干出遅れている。

 LTEの加入者獲得競争を繰り広げるSK TelecomとLG U+の2社が、その切り札としてこの夏に相次いで開始したのがLTE-Advancedだ。両社は2つの周波数帯を組み合わせ、20Mbpsの帯域を利用することで通信速度を倍にする「キャリアアグリゲーション(CA)」技術を用い、下りの通信速度を最大150Mbpsに引き上げている。LTE-Advancedの商用サービスは韓国が世界初であり、対応端末としてSamsung製の「GALAXY S4 LTE-A」も同時に発売された(参考記事)。なお各社はLTE-Advancedに「LTE-A」の略称を利用している。

photophotoSK Telecomの店舗はLTE-Aの広告が目立つ(写真=左)。LTEより2倍高速を大きくアピールしている(写真=右)

 2013年6月26日にLTE-Advancedサービスを開始したSK Telecomは、ソウルおよび42都市、103の大学をカバーエリアとしており、圧倒的なカバレッジの広さを利用者に大きくアピールしている。年内にはエリアは84都市まで拡大される予定だ。一方、7月18日からサービスインしたLG U+は現時点ではソウルなど8都市・地域にエリアは限定されるが、国内全都市へのカバレッジ拡大は、SK Telecomに遅れまいと早い時期に広げられる予定とのこと。また両社とも対応端末は年内に6〜7機種の予定で、SK TelecomはAppleに対し次期iPhoneのLTE-Advanced対応を要求しているとも言われている。

 ところで、両社ともLTE-Advancedサービスの料金はLTEと同一としており、通信速度向上による追加料金は不要である。そのためLTE端末からLTE-Advanced端末へ買い換えた際は、SIMカードを入れ替えるだけで従来の倍の通信速度になる。

photophotoSK TelecomはLTE-Aのロゴ浸透を図るべく、大量の広告を展開している(写真=左)。追いかける形となったLGU+もLTE-Advancedをアピール(写真=右)

Snapdragon 800搭載でスペックアップした「GALAXY S4 LTE-A」

 SK TelecomとLG U+向けに発売されたSamsungのGALAXY S4 LTE-Aは、こちらも世界初のLTE-Advanced対応製品だ。製品はKTを含む3事業者向けに「SHV-E330S」「SHV-E330K」「SHV-E330L」の3タイプが発売される。ハードウェアの基本スペックは同一で、対応するLTE周波数と事業者向け搭載アプリが異なっている。製品型番の末版は各事業者の頭文字でもある。

 なお、LG U+は3GとしてCDMA2000方式のサービスも提供中である。だが同社向けのGALAXY S4 LTE-A SHV-E330Lは、SK Telecom・KT向けのSHVE330S/Kと同じくLTE/W-CDMA/GSMのみに対応し、CDMA2000には非対応となる。LTE-A開始でLG U+は今後発売する端末のCDMA2000への対応をやめ、音声通話も全面的にVoLTEへと切り替えている。

photophotoソウル市内ではGALAXY S4 LTE-Aの広告も目立つ(写真=左)。SamsungのショールームでもGALAXY S4はイチオシ中だ(写真=右)

 GALAXY S4 LTE-A本体の外見は、韓国で4月から販売されているLTE版のGALAXY S4(SHV-E300S/K/L)と同等で、本体サイズも変更はない。そのため純正やサードパーティ品のボディーケース類や、Qi方式に対応する純正のワイヤレス充電電池カバーなども、GALAXY S4向け製品をそのまま利用できる。

 外見上の唯一の差異は背面カバーで、SK Telecom版には同社の「LTE-A」のロゴが、LG U+版には「LTE-A」のロゴと「100% LTE」の文字が印刷されている。なお本体色はLTE版にはないブルーとレッドが追加されており、ホワイトとブラックとあわせ4色展開となっている。

 スペックはSoCの変更により大幅に強化されている。韓国版のGALAXY S4は「Exynos 5 Octa」(1.6 GHz)を搭載しているが、GALAXY S4 LTE-Aは「Snapdragon 800」(2.3GHz)を搭載し、より高速な動作が可能となった。5インチ Super AMOLEDや1300万画素カメラなどのハードウェアは変更されていない。韓国向け製品ということで、モバイルTVサービスのT-DMBチューナーを搭載している。

 GALAXY S4 LTE-AのSK Telecomでの新規購入価格は950万ウォン(約8万4000円)。契約を行った7月中旬は発売からまだ日が浅いこともあり、2年契約でも割引は一切なく、この全額を24カ月間均等に支払うことになる。一方、4月に発売されたGALAXY S4は現在割引を受けられるため安価に購入できるが、韓国国内ではわずか2カ月で新機種が出てきたことに対して、GALAXY S4の既存ユーザーからクレームの声が多数出ているという。それだけLTE-Advancedへの注目が高まっているということでもあるのだろう。

photophotoパッケージもほぼ変わらないGALAXY S4 LTE-AとGALAXY S4(写真=左)。本体の大きさも同一。ドコモ版のSC-04Eとも正面サイズは同じだ(写真=右)
photophotoSK Telecom版の製品背面にはLTE-Aのロゴ(写真=左)。韓国版だが日本語に対応。Snapdragon 800採用でスペックはGALAXY S4を上回る(写真=右)
      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


「VAIO Pro」の“超軽量ボディ”を丸裸にする

$
0
0

「Pro」の名を冠したVAIOノート、その開発秘話に迫る

 「VAIO Z(Z2)」の発売から約2年、“薄型軽量”を追求したVAIOの新作が久しぶりに現れた。それがソニーの2013年PC夏モデルで目玉となる、モバイルノートPCの「VAIO Pro」だ。

 ラインアップは11.6型モデルの「VAIO Pro 11」と13.3型モデルの「VAIO Pro 13」を用意しており、それぞれ11型クラス、13型クラスのタッチパネル搭載Ultrabookとして、世界最軽量(2013年6月10日時点、同社調べ)を誇る。さらに、薄型かつ高剛性のボディ、入力しやすいキーボード、色鮮やかなディスプレイ、長時間のバッテリー駆動など、単に軽いだけでなく、トータルバランスも重視した。

tm_1306vaiopro_r1_02.jpgtm_1306vaiopro_r1_04.jpg11.6型モデルの「VAIO Pro 11」(写真=左)、13.3型モデルの「VAIO Pro 13」(写真=右)。タッチパネル搭載の構成でVAIO Pro 11は約880グラム、VAIO Pro 13は約1060グラムと非常に軽い。さらに第4世代Core(開発コード名:Haswell)搭載のUltrabook準拠製品ではなくなるが、タッチパネル非搭載の構成も用意しており、VAIO Pro 11は約770グラム、VAIO Pro 13は約940グラムまで軽量化できる(VAIO Pro 13でタッチパネルを省けるのは直販モデルのみ)

 多くのモバイルノートPC愛好家が熱視線を送る、この新鋭Ultrabookはいかにして生まれたのか? 詳細なレビューは掲載済みだが、本特集では製品の開発コンセプトやデザイン、各部のこだわりを明らかにすべく、開発者の方々にロングインタビューを行った。特に内部構造は、開発者自身の手で実機を分解してもらいながら、じっくり確認していこう。

 今回話を伺ったのは、開発を統括したプログラムマネージャーの宮入専氏、機構設計を行った渡村憲司氏、電気設計リーダーの小坂和也氏、そして商品企画を担当した城重拓郎氏の4名だ。宮入氏は「VAIO S」シリーズの開発者インタビューに続き、本企画で2度目の登場となる。

tm_1308vaiopro_iv_01.jpgVAIO Proを開発した主要メンバー。左から商品企画の城重拓郎氏(企画戦略部門 企画1部 ※インタビュー当時の所属)、機構設計を担当した渡村憲司氏(VAIO&Mobile事業本部 共通設計部門6部)、開発を取りまとめた宮入専氏(VAIO&Mobile事業本部 PC事業部 商品1部)、電気設計リーダーの小坂和也氏(VAIO&Mobile事業本部 PC事業部 商品1部)

パーソナルコンピューティングの激変期、PCはどうあるべきか?

tm_1308vaiopro_iv_02.jpgVAIO Proはなぜ伝統的なクラムシェル型ボディを採用したのか?

 ここ2〜3年の間に、PCより手軽に使えるデジタル機器のスマートフォンやタブレットが普及し、その影響を受け、PC用のWindows OSもタッチ操作に注力したWindows 8へ突然変異するなど、PCユーザーを取り巻く環境は大きく変化しつつある。

 そこでソニーは、2013年PC夏モデル(VAIO Pro 11/13、そして同時発表のVAIO Duo 13)の開発テーマに「PCの再定義」を掲げた。コンテンツの閲覧ならば、スマートフォンやタブレットでも十分と考える層は増えつつある。だったら、PCならでは、VAIOならではの強みは何なのか? 開発チーム全体で検討を重ね、得られた結論は「何かを作り出すクリエイティブなツールであるべき」という基本的なPCのあり方を強化することだった。

 もちろん、これは従来型のPCを作るという意味ではない。一般にPCよりスマートフォンやタブレットのほうが優れている、直感的なタッチ操作、スリープからの復帰やレスポンスの速さ、持ち運びやすさ、といった要素を可能な限り採り入れながら、PCとしての個性も際立たせるという「新時代のPC」を生み出すチャレンジだ。

tm_1210_duo11r_01.jpg先進的な11.6型コンバーチブルPC「VAIO Duo 11」。独特のスライド機構を採用し、ワンアクションでタブレット形状とノートPC形状を切り替えられる

 もっとも、VAIOの製品ラインアップとしては、こうした時代のニーズに即応すべく、タブレット形状とノートPC形状を素早く切り替え可能で、ペン入力にも対応したコンバーチブル型Ultrabookの「VAIO Duo 11」(2012年10月発売)が先行して開発されていた。当然、2013年夏の新シリーズではこれと違う切り口が求められる。そこで商品企画の城重氏は、伝統的なクラムシェル型(貝殻のような2つ折り形状)を選択したうえで、「今だから作れる理想のモバイルPC」を突き詰めるべく、企画を立てた。それがこのVAIO Proだ。

 同氏はこれまでにVAIOだけでなく、「Sony Tablet S」や「Xperia Tablet S」といったAndroidタブレットを手がけており、今回のクラムシェル型ノートPCでもその経験が生かされた。配慮したのは、全体のバランスだ。「クラムシェルのノートPCは、キーボードを軸とした生産性が最大の魅力。スマートフォンやタブレットの利便性を含みつつも、携帯性だけに特化して、PCの使い勝手が犠牲になっては意味がない。使い勝手を維持したまま、どこまで薄さや軽さを削れるか、よい部分を伸ばし、いかに研ぎ澄ませるか、そのかじ取りに苦労した」と語る。

tm_1306_duo13_r2_03.jpgVAIO Pro 11/13と同時発表された13.3型コンバーチブルPC「VAIO Duo 13」。VAIO Duo 11のスライドボディをより洗練させた

 開発を統括した宮入氏は、同時発表となった「VAIO Duo 13」とのすみ分けについて、「VAIO Duo 13は、ペンや紙のノートのような使い心地、リアカメラの活用など、新しいクリエイションの提案を独自のスライド型ボディとともに提供していく、いわばテクノロジーリーダー的な製品。対して、VAIO Proは、仕事を通じて何かを作り出していく幅広いユーザー層に向け、文書作成のしやすさ、薄型軽量、耐久性といった部分を徹底して作り込み、十分なパフォーマンスも兼ね備えたクラムシェル型ノートの最先端といえる製品」と説明する。

 VAIO Proの“Pro”という言葉には、そうした「プロフェッショナルなユーザーがヘビーに持ち歩き、いつでもクリエイティブな発想を形にできるツール」という意図が込められた。

iconicon
iconicon
iconicon
      1|2|3|4|5次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ミクシィ、上場来初の赤字転落・4〜6月期 「厳しい状況だが立ち止まらない」と朝倉社長

$
0
0
画像朝倉社長

 ミクシィが8月9日に発表した2013年4〜6月期連結決算は、2億5300万円の最終赤字(前年同期は5億6200万円の黒字)に転落した。赤字決算は上場来初。6月に就任した朝倉祐介社長は「厳しい状態だが立ち止まることなく、新たな事業成長に向けた取り組みを進めたい」と述べた。

 SNS「mixi」の広告・課金売り上げとも減少。売上高は前年同期比39.4%減の21億4400万円。営業損益は8400万円の赤字(前年同期は8億8900万円の黒字)、経常損益は1億9300万円の赤字(前年同期は8億7100万円の黒字)、最終損益は2億5300万円の赤字(同5億6200万円の黒字)に転落した。通期の予想(売上高120〜135億円、営業利益10〜20億円)は変えない。


画像スマホサービスのアクティブユーザー推移(ログインベース。1人のユーザーが2つの端末でログインした場合は2と数える)
画像売上高推移

 グループのスマートフォンサービスの月間ログインユーザー数(ほとんどがSNS「mixi」のもの)は、3月時点で993万人だったが、6月には795万人に減少。「ユーザーファースト」「スマホファースト」を掲げてサービス改善をはかってきたが、ユーザーのつなぎとめにはつながっていないようだ。


画像課金売り上げ推移
画像広告売り上げ推移

 課金収入は14億400万円と、前四半期(15億3300万円)から1割近く減少。mixiゲームリニューアル後の課金利用の立ち上がりが想定より遅かった影響で、ゲーム課金収入が減った。広告売り上げは4億7200万円と前四半期(8億5600万円)からほぼ半減。スマートフォン版「mixiゲーム」リニューアルに伴い同サービスの自社広告を集中投入した影響で、前四半期まで拡大を続けていたスマートフォン向け広告が減少に転じた。

 利益確保に向け、中国の開発拠点を閉鎖するなどコスト削減を行う一方で、ユーザーつなぎとめ・拡大のための投資は続ける。今後もスマートフォンアプリを次々にリリース予定。春先には8.8%だった社内のスマホエンジニア比率は、研修などを通じて44.0%にまで引き上げたという。

 近く「mixiニュース」や「mixi日記」を単体アプリとして切り出して公開するなど、アクティブ率が高いmixi内のサービスについて単体アプリ化を推進。mixiと連携しないゲームアプリも開発していく。「mixiゲーム」の魅力的なタイトルの拡充や、スマホWeb向け「mixi Touch」のホーム画面を着せ替えられる「mixiコレクション」、mixi日記を書籍化する「mixiダイアリーブック」など、課金サービスも拡充して利益拡大をはかる。

 ユーザーが20万を突破したフォトブックサービス「ノハナ」を9月に分社化するなど、新規事業の立ち上げ・拡大にも引き続き注力する。

 朝倉社長は「織り込み済みだったものがあるが、業績面では前期に比べると厳しい状態になっている。引き続き新しい事業を推進し、立ち止まることなく新たな事業成長に向けて取り組みたい」と述べた。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「新機能」「廃止機能」「サポート状況」から見たユーザーにとってのOracle Database 12c

$
0
0

 2009年のOracle Database 11g R2のリリースから約4年が過ぎ、Oracle Databaseの最新バージョンOracle Database 12c R1がリリースされました。本連載では、Oracle Database 12c R1の主要な新機能をユーザーの立場に立って実際に使用、評価し、新機能の活用方法や注意点を紹介します。

 第1弾となる本記事では、Oracle Database導入を実施ならびに支援するサービスプロバイダという筆者の立ち場から、ユーザーにとってのOracle Database 新バージョンの意義を考えながら、Oracle Database 12c R1の新機能や廃止された機能などをご紹介します。

待望のOracle Database 12c R1リリース

 2012年9月のOracle OpenWorldで、米OracleのCEOであるラリー・エリソンが「Container Database」「Pluggable Database」という新たなコンセプトとともにOracle Database 12cを発表してから約1年が過ぎ、やっとOracle Database 12c R1がリリースされました。サンフランシスコの興奮から首を長くして待ち続けて、少し待ちくたびれたような気もします。

 Oracle Database 12c R1は既にオラクルのWebサイトからダウンロード可能になっています。2013年6月25日時点ではLinux、Solarisプラットフォーム向けが、続いて7月11日にWindows x64プラットフォーム向けがリリースされていますので、ぜひダウンロードしてインストールしていただければと思います。

 また、今後順次AIX、HP-UXなどのプラットフォーム向けもリリースされるはずです。

 Oracle Database 12c R1では非常に多くの新機能が提供されています。新機能については、マニュアル「New Features Guide」(2013/07/20時点でマニュアルは英語版のみが提供されています)から確認できます。このマニュアルによると、おおよそ320の新機能が提供されているようです(小項目の数で筆者がカウントした数値)。

 これらの新機能にはさまざまなレベルのものがありますが、システムに与えるインパクトが大きい新機能としては以下が挙げられます。

マルチテナント・アーキテクチャの導入 複数のデータベースを1つのインスタンスに統合できる技術。データベースが多数存在することから発生する大きな運用負荷を軽減できることが期待されます。また、パブリッククラウド、プライベートクラウドへの活用も想定されます。以前は「Pluggable Database」と呼ばれていましたが、現在は「Pluggable Database」を包含する概念として「マルチテナント・アーキテクチャ」という用語が使用されています。

情報ライフサイクル管理の強化 データベースに格納された多くのデータをライフサイクルの観点で分類し、データの使用状態に応じたデータ格納方式(圧縮有無、格納先ストレージ装置の利用)の選択を、半自動的に実行するための各種機能の総称。従来も圧縮機能など、情報ライフサイクル管理に適用できる要素技術は存在していましたが、Oracle Database 12c R1では機能を追加・統合し、より使いやすい形で提供しています。

セキュリティ機能の強化 監査、権限などのセキュリティ関連の機能を強化し、エンタープライズ領域でのデータ管理をよりセキュアにしています。

より堅牢なデータベース基盤の実現 近年のDisaster Recovery要件に対する高まりを受け、Oracle DataGuardやレプリケーション関連の機能が強化されています。特に遠隔地を含めた複数拠点においてデータベースの基本機能である参照、更新、接続を提供するための数多くの機能拡張が行われています。従来はシステムの作り込みや運用で対処せざるを得なかった部分をOracle Databaseの機能として実現できるため、環境固有の実装や運用手順を排除し、コストの面で堅牢性を実現できなかったシステムでも低コストに堅牢性を得られるようになります。


 いずれの機能も、エンタープライズITシステムのシステム構成、アーキテクチャにおいて大きなインパクトをもたらす画期的な機能です。Oracle Database 12c R1のリリースはエンタープライズITシステムに関わる立場として、「待望のもの」と言えるでしょう。

      1|2|3次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

TechTargetジャパン

やまぬWeb改ざん、Apache Struts2の被害も拡大

$
0
0

 7月も前月に続き、日本のWebサイトで改ざんや不正ログインが続々と発生しました。加えてApache Struts2に重大かつ悪用の容易な脆弱性が発見され、さらに多数の攻撃がありました。またBINDにも脆弱性が発見され、サーバ管理者はアップデート作業で大変な思いをしていたようです。

 一方、国内ではQ&Aサイトの「Yahoo!知恵袋」でゼロデイ脆弱性が見つかって公開されたほか、海外でもアップルの開発者向けサイトのゼロデイ脆弱性を突いた不正アクセスが発生し、侵入者が名乗り出るといった事件が起こりました。これを機に、脆弱性公開の適切な方法や時期について考察する人が多かったようです。

 また、継続的にお知らせしている遠隔操作ウイルス事件のその後ですが、いまだに直接的な証拠が公開されていません。一方で、取材目的で不正アクセスを行ったマスコミは起訴猶予処分となり、タイムライン(TL)では不満がくすぶる結果となりました。

「Apache Struts2」に脆弱性、多数のサイトに攻撃

 7月16日、広く利用されているWebアプリケーションフレームワーク「Apache Struts2」に、外部から細工を施したHTTPリクエストを投げつけることによって任意のコマンドが実行できてしまう脆弱性(S2-016)が報告されました。

 Apache Struts2については、2013年に入ってからすでにいくつかの脆弱性が発見されていました。加えて、今回報告された攻撃方法が非常に簡単なこともあり、世界中で多数のStruts 2を使用しているサイトが攻撃を受け、大騒ぎとなっています。

 TLでは攻撃を心配する声に加え、「Struts 1を使ってるのでひとまず安心」というツイートや、簡単に攻撃が再現できてしまって驚いているツイート、さらには「どうしてStruts 2を使ってしまったのか」と後悔するツイートなど、さまざまな反応がありました。

 7月18日には、Naverまとめなどで使われるNaverアカウントのサーバが攻撃を受け、169万2496件にも及ぶ大規模なアカウント情報の流出が起きました。LINEは「模倣犯の可能性があるので、詳細の公開は差し控える」と表明したそうですが、環境や時期から見てS2-016の脆弱性を突かれたのではないかと疑うツイートもありました(その後、不正アクセスの犯人が特定され、詐取された情報は削除されたとの報告がありましたが、手段は明らかになっていません)。

 またほぼ同時期、大手ISP、OCNのIDサーバに不正アクセスがあり、IDに使われるメールアドレスと暗号化されたパスワードなど、最大約400万件が流出した可能性があるそうです。こちらも詳細は明らかになっていませんが、やはりS2-016の脆弱性への攻撃が疑われていました。

 この数カ月続いていた、パスワードの使い回しを狙ったリスト型攻撃がまだ収まらないところにこのような攻撃が発生し、Webサイト管理者にとっては気の休まらない日々が続いているようです。

【関連記事】

Apache Struts 2に深刻な脆弱性、国内でも攻撃を観測

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1307/18/news136.html

新たな不正アクセス判明、「OCN ID」によるログイン機能を一時停止

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1307/26/news131.html

NAVERのアカウント情報データベースに外部からの不正アクセス

http://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1307/19/news130.html


Yahoo!知恵袋でゼロデイ脆弱性公開? ちょっとした騒ぎに

 7月23日の早朝、Q&Aサイト「Yahoo! 知恵袋」に任意のJavaScriptを埋め込むことができるクロスサイトスクリプティング(XSS)の脆弱性を見つけたユーザーが、運営側に知らせず、質問形式で脆弱性の情報を公開しました。それも、質問本文に、アラートがポップアップされるスクリプトを埋め込んだ形での公表です。この脆弱性は同日の昼過ぎには修正されていたようです。

 指摘された脆弱性は、知恵袋の質問を表示するプログラム本体ではなく、「あなたが最近見たQ&A」を表示する部分のJavaScriptに問題(DOM based XSS脆弱性)があったことが原因です。この結果、他の質問ページを見るたびにアラートがポップアップすることになっていたようです。

 中には、「脆弱性の指摘と知らずにたまたまその質問を見てしまったところ、アラートが表示されてびっくりした」というツイートをいくつか見かけました。また、この件を模倣して質問を投稿したユーザーもいたようです。

 まだ誰も知らず、修正方法も提示されていない脆弱性(「ゼロデイ脆弱性」ともいわれます)の情報は、どのタイミングでどのように公開すべきかについては、これまでもたびたび世界中で議論されてきました。

 日本では、まずJPCERT/CCやIPAなどのしかるべき機関に届け出て、その機関が仲介してベンダが脆弱性を修正した後に、「こんな脆弱性がありました、修正方法はこうです」と公表するのが一般的な流れになっています。ですが、脆弱性の内容によってはすぐに修正されないこともあり、ベンダに早めの対応を促すため、発見者がゼロデイを公開することもあります。

 今回の脆弱性に関しては、それを放置しているYahoo!の姿勢を非難するユーザーも見かけましたが、指摘された脆弱性がそれほど単純ではなかったためか、セキュリティクラスタでは、ゼロデイを公開してしまったことやその方法を問題視していたユーザーが多かったように思います。

 また同日、トルコ人のセキュリティ研究者がAppleの開発者向けサイト「Developer Center」に侵入し、声明とともに盗んだデータを公開するという事件が起きました。この事件についても、修正前に脆弱性を公表すること、研究のためとはいえ脆弱性を突いて情報を入手することの是非について(日本で行うと不正アクセス禁止法違反に該当しますね)議論となっていました。

遠隔操作ウイルス事件続報、検察が開示した証拠は期待外れ

 ようやく捜査が終了して裁判が始まりそうな遠隔操作ウイルス事件。7月10日には証拠の開示が行われました。ここで容疑者が犯人であることを証明できる確実な証拠が出てくるものと期待されていましたが、残念ながらそのような直接的な証拠は現れなかったようです。

 先に報道された「猫に首輪を付ける映像」や「容疑者の携帯電話から復元された首輪を付けた猫の写真」といった画像も、実は存在しなかった模様です。このことから、「もしかすると、本当に証拠がないのではないか」といぶかしむツイートがありました。

 一方、6月に共同通信と朝日新聞の記者が遠隔操作ウイルス事件の真犯人のメールサーバにアクセスしたことが話題になりましたが、こちらの件は起訴猶予処分となりました。これには、「遠隔操作ウイルス事件の容疑者が直接的な証拠もないのに長期に渡って拘束されているのにも関わらず、不正アクセス禁止法を明らかに犯している記者はどうして起訴されないのか」「取材目的なら不正アクセスし放題なのか」「不正アクセスしたいなら、マスコミに就職すればいいのか」という厳しい意見がほとんどでした。

 なおこの時期、朝日新聞の記者を装って、国会議員にメールを送りつける標的型攻撃が発生しました。これに対し朝日新聞はコメントを発表しましたが、中には「自分がやる不正アクセスは正当化するが、自分をかたるウイルス送付は許さないのか」と皮肉る声もありました。

セキュリティクラスタ、7月の小ネタ

 この他にも7月のセキュリティクラスタでは以下のようなことが話題となりました。8月はいったいどのようなことがTLを賑わせるのか、楽しみですね。

  • 高木先生、ご出向のためツイートが少し控えめになるとの発表
  • Winnyの作者として有名な金子勇氏がお亡くなりに
  • ニフティに2万1184件の不正ログイン、会員情報が閲覧された可能性
  • クラブニンテンドーに不正ログインで2万4000件の個人情報流出
  • ftp.riken.go.jpでプログラムにウイルス混入
  • 楽天が不正アクセスを受けてポイントが盗まれる被害。Tカードでも
  • BINDに今年の夏もまたまた恒例の脆弱性
  • 環境省など複数の省庁、Googleのサービスをそのままの設定で利用し情報が閲覧可能な状態に。外部サービスの使用は禁止へ
  • JAXAへの不正アクセスで調査結果公表。「1つの情報システムのIDとパスワードが見破られ」という雑な結果にあきれる声も
  • またまた何度目かのバリデーション論争再燃
  • 「セキュリティ人材」に続き「ビッグデータ人材」も足りない?
  • Androidの証明書を改ざんできる脆弱性が怖い

著者プロフィール

山本洋介山

bogus.jp

猫と一緒に自宅の警備をする傍ら、「twitterセキュリティネタまとめ」というブログを日々更新しているtwitterウォッチャー。セキュリティやネットワークに関する原稿も書いてます。


Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

TechTargetジャパン

【速報】初音ミクの英語版は8月31日発売

$
0
0

 クリプトン・フューチャー・メディアはVOCALOID 3に対応した初音ミクの新版に関する詳細を発表した。初音ミクV3は3つの形態でリリース。日本語歌声ライブラリを5つ収録した「初音ミクV3」、英語版である「初音ミクV3 English」、その2つを収録した「初音ミクV3バンドル」。この中で英語版のみ8月31日、つまり初音ミクの6回目の誕生日に合わせて全世界でダウンロード販売される。残りの2つは9月26日リリース。

画像

 「初音ミクV3」に収録される歌声ライブラリも決定した。ORIGINAL、SWEET、DARK、SOFT、SOLIDの5種類。LIGHT、VIVIDは外れることとなった。クリプトンのWebサイトでの販売価格1万6800円。初音ミクと初音ミクAppend登録ユーザー向けには優待販売が用意されている。

 「初音ミクV3 English」は日本国内でのパッケージ販売を予定しておらず、価格149ドル。英語日本語バンドル版は2万1000円。

画像

 ボーカルエディタとしては、MacとWindowsの両方に対応したPiapro Studioをバンドル。Piapro StudioはVSTiとして動作。付属するStudio Oneで動作する。また、Mac版はLogic ProやGarageBandの中から利用できるAudioUnitsにもアップデータで対応する。

画像

 いずれのパッケージもDAWであるStudio One APE、さまざまな楽器音源を収録したPreSonusソフト音源、SONICWIREボーナスサンプルが付属する。MacとWindowsの両対応でWindows版にはTiny VOCALOID Editor、MUTANT VSTi も付属する。

 8月9日に開催されているクリプトンの記者発表会の詳細は追ってお届けする。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Facebookコメント

'); document.write(''); document.write(''); }; })(); //-->

注目のアイコン

注目のアイコン

これが「iPhone 5S」「iPhone 5C」だ!(臆測、うわさ、リークによると)

$
0
0

 次期iPhoneをめぐる風説が流れ始め、リーク画像がインターネットを駆けまわる季節が、またやってきた。2013年秋にリリースされる米Appleの最新のスマートフォンに期待が高まる中、このところ出回っているうわさ話とリークを詳細に検討し、Appleがどのような発表を行うか、より真実に迫る。

恐らくそれはiPhone 5S

取り急ぎ! 写真で見る「Xperia feat. HATSUNE MIKU」

$
0
0

ミクがドーンと来るカバーなんかも期待しちゃうんですが!

 NTTドコモとソニーモバイルコミュニケーションズは、初音ミクコラボレーションスマートフォン「Xperia feat. HATSUNE MIKU」の先行展示を8月9日から開始した。

kn_mikuperia_01.jpgミントカラーの背面に“ミク”を象徴するロングヘアをあしらった「Xperia feat. HATSUNE MIKU」のデザインでは、真ん中に「ドン」とあるロゴを隠すわけにもいかず、髪の毛のレイアウトに苦労したという。関係者からは、「そこはソニーさんですから、ミクが中央にドーンと来るカバーなんか期待しちゃうんですが」というコメントも

 NTTドコモとソニーモバイルコミュニケーションズは、9月発売予定の初音ミクコラボレーションスマートフォン「Xperia feat. HATSUNE MIKU」の先行展示を8月9日から開始した。「Xperia feat. HATSUNE MIKU」は9月下旬に限定3万9000台で発売する予定で、ベースには、2013年夏モデルとして登場したXperia A SO-04Eを採用する。

kn_mikuperia_02.jpgkn_mikuperia_03.jpg先行展示サンプルの右側面(写真=左)と左側面(写真=右)。本体に搭載するインタフェースはベースとなったXperia A SO-04Eと共通する

 ドコモでは8月9日から、全国6カ所(札幌・東京・京都・梅田・神戸・福岡)のドコモスマートフォンラウンジと、3カ所(銀座・名古屋・大阪)のソニーショールームおよびソニーストアにて、Xperia feat. HATSUNE MIKUの先行展示を行う。なお、先行展示サンプルは“展示”のみで、端末に触れることはできず、ディスプレイも表示していなかった。

 店舗内には、7月末まで募集をおこなっていたユーザー参加型企画「Find Your MIKU Project」で集まったイラストもポスターとして掲示する。

kn_mikuperia_04.jpgkn_mikuperia_05.jpg“ミク”カラーをあしらったイヤフォンユニット(写真=左)と「Xperia feat. HATSUNE MIKU」専用パッケージ(写真=右)。パッケージに記載している型番は、「Miku(HM) SO-04E」だ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


レコード会社の代わりに楽曲を宣伝します――ユードー南雲氏に聞く「SPOT MUSIC」の狙い

$
0
0

 「ピアノマン」「エアロ・ギター」「斉藤さん」「テガキモンスター」といった、話題性の高いアプリを多数リリースしてきたユードーが、新しいビジネスモデルを創出すべく開発したのが「SPOT MUSIC」という音楽アプリだ。SPOT MUSICは、ミュージシャンが有料で宣伝した楽曲をユーザーが聴いてコメントを書き込んだりすることで、Amazonギフト券などと交換できるポイントをもらえるサービス。ユードーと、東海地方のラジオ局「ZIP-FM」が、音楽ビジネス部門とIT関連部門を手がける新会社として設立した「ZIP NEXT」との協業で実現した。

 これまでの音楽サービスは、リスナーがお金を支払って楽曲を聴くスタイルが当たり前だったが、SPOT MUSICは、ミュージシャンがお金を払ってリスナーに聴いてもらう点が新しい。実際にアプリの開発に携わった、ユードー代表取締役・プロデューサーの南雲玲生氏に、このサービスの狙いを聞いた。

photophotophoto楽曲はストリーミング再生される(写真=左)。ミュージシャンは、Webサイトのリンクを貼ったり紹介文を用意したりできる(写真=中)。その曲が置かれている場所も確認できる(写真=右)
photophotophotoリスナーが投稿したコメント(写真=左)。再生数やポイントの高さごとにランキングも閲覧できる(写真=中、右)
alt

音楽を投稿できても拡散する手段がない

photoユードー代表取締役・プロデューサーの南雲玲生氏

 SPOT MUSICは、そもそもどういうきっかけで生まれたのか。原点は、南雲氏が少年時代から没頭してきた音楽体験にある。

 「もともと僕は音楽を作る人で、小学生のころから打ち込みをやっていました。でも昔はインターネットがなかったので、発表する場所は友達、ライブハウス、学園祭が中心。今はインターネットがあるので、SNSやYouTubeなどに曲を投稿できるけれど、曲を投稿してから拡散する手段がないことに気付いたんです。楽曲を作る人や、音楽をプロデュースする人はたくさんいるけれど、ビジネスモデルを作る人はあまりいなかった。海外ではSpotifyなども注目されていますが、僕は新しいものを作りたいと思っていました」

 特定の場所に楽曲を置けるのもSPOT MUSICの特徴だが、南雲氏が「GPSが選曲する」と表現するこのアイデアも、以前から温めていた。「4年前に、景色や風景に対してサントラを付けたいと思っていました。ヘッドフォンを付けて街中を歩いている人がたくさんいますけど、見方を変えると、街の風景にサウンドを付けているようなもの。例えば鶴見駅は美空ひばり、青山一丁目だったらテイ・トウワ、湘南だったらサザン(オールスターズ)がいいとか、ありますよね?」と南雲氏。

 周辺の人に曲を配信して、曲を聴いたりコメントを残したりしてくれるとお金(ポイント)をプレゼントする、といった仕組みも同時に考えていたが、これらのアイデアをビジネスモデルに結び付けるところまでには至らなかった。

 そんな南雲氏に転機が訪れたのが、2012年末だ。「去年の大晦日の前日に、ZIP-FMの大関さんがユードーに来てくださって、そこで意気投合して。大関さんが社内調整をしてくださって、一気に開発が進みました」と振り返る。ZIP-FMを協業先に選んだのは、「東海地区の若者・アーティストに絶大な人気があり、SPOT MUSICがメインで扱うインディーズバンドにも強く、顔も広いから」。数日でアプリを作ることもあるユードーにとっては珍しく、開発には5カ月ほどを要したという。「こんなに長く作ったのは初めてかもしれません」と南雲氏は苦笑いする。

 ユードーはアプリ開発を行い、ZIP NEXTは音楽業界やアーティスト、レーベルへの呼びかけや、音楽市場の分析などを行う。SPOT MUSICでは、まずはインディーズの楽曲から配信し、8月9日時点で56曲をそろえた。ミュージシャンはユードーとZIP-FMが厳選しており、曲は「アプリ配信のギリギリまで焦りながら集めていた」という。いずれも発表済みの曲だが、今後はSPOT MUSICオリジナル楽曲の配信も検討している。ちなみに、南雲氏が作った曲も配信されているので、探してみていただきたい。

ポイントがもらえる仕組み

 リスナーが楽曲を聴くモチベーションの1つになる「ポイント」をもらえる条件は、「最初から最後まで曲を聴くこと」に加え、「コメントを書き込む」「アーティストのWebサイトにアクセスする」「楽曲の販売サイトにアクセする」など。曲を聴いただけれではポイントが付かず、何かしらの形でアーティストを“応援する”アクションを起こさなければいけないのがミソだ。ポイントを付与するかどうかは、コメントが投稿されてから24時間以内にミュージシャンが判断する(何もしないと24時間後に自動的に付与される)。

 実際にポイントが付与される仕組みはどのようになっているのか。まず、ミュージシャンは、1曲あたり「1000円」「2000円」「4800円」という3種類の「チケット」を購入できる。例えば1000円のチケットを購入した場合、1000円のうち300円がAppleに支払われ、350円がユードーとZIP NEXTの利益になり、残りの350円がリスナーに支払われる。リスナー1人あたりの単価は5ポイント(5円)から設定でき、350円で1人あたり5ポイントにすると、最大70人のリスナーにポイントを付与できる。広告費が1000円から、といのうは、宣伝する側にとってはハードルが低く参入しやすいだろう。

 SPOT MUSICで配信されている曲には、もらえるポイントの数字が明記されている。ポイント数が高いほど、曲を聴いてもらいやすくなるので、自分の曲を多くの人に知ってもらいたければ、より高額のチケットを購入することが求められる(もちろん楽曲のクオリティで勝負するという考え方もあるが)。

 チケットを購入してミュージシャンが曲をアップロードする際、どの“場所”に曲を置くかを決められる。ユードーがサーバに持っている店舗、駅、学校などの施設のデータベースにアサインすることで、曲と場所をひも付けられるわけだ。ユーザーはアプリを起動すると、一番近い場所にある曲を取得して再生できる。その際、ユーザー自身が聴いた曲を別の場所(現在地付近じゃなくてもよい)に置くこともできる。例えば、名古屋駅周辺で出会った曲を、横浜に配置するといったことも可能だ。聴かせたい場所や地域に楽曲を配置することで、ライブやイベントなどの来場者にアピールする、イメージに合う曲を店舗に配置するといった活用も考えられる。

ミュージシャンは楽曲を分析されたくない?

 SPOT MUSICに楽曲を投稿したミュージシャンは、その楽曲の再生数、コメント数、お気に入り数、曲が置かれたスポットとその数、リスナーの年代と性別(登録は任意)、総再生時間、スキップした人数といった詳細なデータが分かる。こうしたデータは非常に有用だが、南雲氏によると、ミュージシャンは自分の楽曲を分析されることを嫌う人が多いという。音楽には感性が占める部分が大きいので、そこを数値化することに対して違和感があるのだろう。「プロデューサーやビジネス側の人は見たいはず」(南雲氏)だが、当のミュージシャンは「ここまでの情報は怖い」と思う人が多いようだ。

 それでも、低コストで楽曲を宣伝できる効果は計り知れない。「レコード会社はマーケティングやプロモーションをする機能を持っているのに、予算の問題で、なかなか難しくなってきています。そうなると、全国にユーザーを拡大できなくなります。SPOT MUSICで、地元のユーザーが応援して、ライブハウスや指定した店舗などに曲を置いたりすることで、ファンを拡大していけると思っています。レコード会社に代わって安い費用でPRをするので、一緒にやりましょうということです」と南雲氏は狙いを話す。ランキングトップの楽曲はZIP-FMでオンエアされるので、さらに曲を宣伝するチャンスを得られる。

photophotophotoミュージシャンが利用できる楽曲の登録ツールと、統計・アンケートデータ
      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

“日本未発売”モデルが続々――ASUSのアキバ週末イベントに1日早く潜入してきた

$
0
0
photoASUSTeK Computerは東京・秋葉原の「秋葉原UDX」でユーザー参加型イベント「ASUS オープンギャラリー 2013 SUMMER」を開催する

 ASUSTeK Computer(ASUS)は2013年8月10日〜11日の2日間、東京・秋葉原の「UDX ギャラリーネクスト NEXT-3」(秋葉原UDX 4階)でユーザー参加型イベント「ASUS オープンギャラリー 2013 SUMMER」を開催する。開催前日となる8月9日、同社は報道関係者向けの内覧会を行った。

 今回のイベントは、主に“COMPUTEX TAIPEI 2013”で発表された日本未発売製品が数多く展示される。いずれも近日国内で発売されるとのことで、各製品の見どころや投入時期、想定価格を聞いた。

新機軸の家族用デスクトップPC「Vivo PC」

photo小型デスクトップPC「Vivo PC」とワイヤレスマウス「Vivo Mouse」。同時期に薄型の外付けDVDドライブも発売するという

 COMPUTEX TAIPEI 2013で発表された家庭向けデスクトップPC「Vivo PC」がついに日本でも発売される。本体サイズ190(幅)×190(奥行き)×56.2(高さ)ミリというコンパクトなボディが特徴で、USB 3.0×2、USB 2.0×4、HDMI出力、アナログRGB出力、ギガビットLAN、2in1カードリーダーなど豊富なインタフェースを備える。無線LANモジュールがIEEE802.11acに対応するのも見どころだ。

 日本での発売は2013年9月下旬の予定という。「一般ユーザー向けにPCとして販売しつつ、自作ユーザー向けにベアボーンとして販売する」とのことで、複数のバリエーションが出る可能性が高い。想定価格は「ベアボーンは3万円を切るくらい。ほかは未定」(同社スタッフ)とのことだ。

 Vivo PCと同時に発売するとみられるワイヤレスマウス「Vivo Mouse」も注目の製品だ。マウスの天面に円形のタッチパッドを搭載しており、通常のマウスとして、タッチパッドとして、そして片手で本体を握り親指でタッチパッドを操作する3通りの使い方ができる。

 本製品はVivo PCの付属品ではあるが、単体での販売も行う。想定実売価格は「6000円〜7000円前後の予定」(同社スタッフ)だ。リモコンのような使い方が可能となり、通常のマウスより直感的にPCを扱えることが期待できる。Windows 7/8に加え、Windows 8.1での動作確認も終えているという。また、IEEE802.11a/b/g/n/ac対応の無線LANルータ「RT-AC68U」も2013年9月に国内発売する予定だ。最大1900Mbpsと2Gbps近い通信速度が特徴で、信機の電波感度を向上させる「ビームフォーミング」にも対応する。

photophotoIEEE802.11a/b/g/n/ac対応の無線LANルータ「RT-AC68U」(写真=左)。手のひらサイズの無線LANルータ「WL-330NUL」は2013年8月中に発売するという。出張先のホテルなどで利用することを想定している(写真=右)

Mini-ITXのゲーミングマザー「MAXIMUS VI IMPACT」もいよいよ発売へ

photoMini-ITXのOC向けマザー「MAXIMUS VI IMPACT」は2013年9月下旬に発売予定

 ゲーミングブランド「Republic of Gamers」(R.O.G.)から登場したMini-ITXマザーボード「MAXIMUS VI IMPACT」も2013年9月下旬に国内発売する予定という。高性能な小型PCの自作に向く製品だ。「もっと早く発売したかったが、生産量や日本向けの調整などもありCOMPUTEXでの発表から少し遅れてしまった」(同社スタッフ)。

 会場には「MAXIMUS VI IMPACT」を使った改造マシンも展示されている。製作したのはアユートの森田健介氏だ。アタッシュケース内にグラフィックスカードを含めたパーツ一式と、ディスプレイとして使用する「On-Lap」をすべて詰め込んでいる。

 森田氏は「PCパーツ一式を何かに詰め込もうという方向性で考えていたら、アタッシュケースが思い浮かびました。マザーボードが水冷に対応しているので、高さを抑えられたのが大きいですね。今はケースの制約上、幅が短いグラフィックスカードを装着するパターンが多いですが、今後は電源の形が変わるなどして、小型のケースでも長くてハイエンドなグラフィックスカードが使えるようになると、自作ユーザー的には面白くなるかと思います」と語ってくれた。

photophoto森田氏が「MAXIMUS VI IMPACT」を使用して作った改造マシン(写真=左)。マシンスペックと森田氏のコメント(写真=右)。土曜日は森田氏もイベント会場にいるという
photophotophotoパーツ一式をアタッシュケース内に詰め込んだ。重さは10キロ程度あるという(写真=左)。モバイルディスプレイの「On-Lap」を組み合わせている(写真=中央)。ほかのMAXIMUS VIシリーズも展示されている。Micro ATXの「MAXIMUS VI GENE」については近日発売予定とのことだ(写真=右)

 グラフィックスカードの注目製品は、R.O.G.ブランドから登場する「POSEIDON」だ。水冷と空冷の両方を同時に使える世界初(同社調べ)のグラフィックスカードで、日本での発売は未定しているが「年内には登場するはず」(製品担当者)という。このほか、長さが170ミリと非常に短く、小型PCにも導入しやすいGeForce GTX 760搭載カード「GTX760-DCMOC-2GD5」も展示している。こちらは2013年8月中に発売予定とのことだ。

 イベント当日はこれらの展示に加えて、日本の担当マネージャーによる新製品紹介やプレゼント付きアンケート、抽選会も行う。週末にアキバに行く機会があれば、本イベントに立ち寄ってみてはいかがだろうか。

photophotophoto水冷と空冷のハイブリッド構造を採用したグラフィックスカード「POSEIDON」。搭載するグラフィックスコアは未定だ(写真=左、中央)。長さ170ミリのGeForce GTX 760搭載カード「GTX760-DCMOC-2GD5」も展示している(写真=右)
photophotophotoこのほかワークステーション向けマザーボード(写真=左)や、サウンドカード、アンプといったオーディオ製品も展示している(写真=中央)。PCI Express x2(GEN 2.0)に対応する240GバイトSSD「RAIDR Express PCIe SSD」。今後120Gバイトモデルを出す予定があるという(写真=右)

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

CEOのメールアドレスを推測し、メールを送りまくった19歳の少年が考えるビジネス

$
0
0
Kiipの創業者Brian Wong氏Kiipの創業者Brian Wong氏

 「Kiip」の創業者Brian Wong(ブライアン・ウォン)氏は、現在22歳。カナダのバンクーバー出身で、19歳のときにKiipを創業した。

 Kiipは、新しい広告のかたちを提案するサービス。ユーザーがアプリを起動中、広告主からユーザーにクーポンなどを配信できる仕組みだ。さまざまな行動に対し、アプリ側であらかじめ設定した目標値に達すると、ユーザーは企業から特典が受けられる。一方、企業は従来型のテキスト広告やバナー広告を出すより遥かに高いクリックレートが見込めるとして、今、注目を集めている。

 2013年7月24日、Open Network Spaceで開催されたミートアップで、来日したBrian氏に話を聞いた。

会ったこともないCEOにメールを送ることを思い付いたBrian氏

 Brian氏は、バンクーバーの若手支援プロジェクトの一環により、IQテスト受けて2・7・9・11年生の4年間を飛び級。18歳でコロンビア大学を卒業した。

 シリコンバレーに憧れを抱いていた彼は、卒業後シリコンバレーに視察旅行に出かけた。そのときのエピソードが興味深い。CEOのメールアドレスを片っ端から推測し、会ってくれるようにメールを送ったという。「CEOに会うことは、簡単。メールアドレスを推測し、キャッチーな件名を考えて送るだけ。皆、そんなことはできないと思っている。しかし、僕はそうやって何人ものCEOと会うことができた。誰もやらないから、そこにチャンスがある」と、Brian氏は言う。

 彼は、会ったこともないCEOにどのようなメールを送ったのだろうか。筆者はBrian氏に交渉し、実際に彼がCEOに送ったメールを入手した。

From: Brian Wong

Date: Thursday, September 17, 2009

Subject: 18-year-old university biz grad, social media wunderkind, heading to San Francisco

To: XXX@XXXXXXXXXXX


Hi Asad,

Congratulations on another successful TechCrunch50!!! I'm sure with the world following you guys there was enough fun to go around for the past few weeks =)

I wanted to quickly sum in the following paragraphs why I would like 15 minutes of your time to meet in person while I travel through San Francisco in the next week (September 24th-25th). I've been invited to speak on a panel at the 140tc Twitter conference in LA, and I've booked a flight up to San Fran to meet super cool people just like you.

I'm an 18-year-old university graduate out of UBC. I interned in PR at 1-800-GOT-JUNK? before my summer officially started, and then took my summer to create Followformation.

Followformation is a Twitter app that allows users to quickly follow top tweeters by category. It was launched mid July and was covered by Mashable, and then The Examiner, who called us the "Alltop for Twitter" - and then Killer Startups, and most recently, Fast Company. Followformation is still tweeted about daily, and is touted as one of the best tools for social media novices to get started with Twitter.

My goals in the next few months are to find my groove in social media with worldwide brands and to relocate to an exciting region of the world to begin the next steps of my life.

I think you would be a super duper cool person to meet, and I'd love to learn more about what you do and how exciting life can be as the Events Director for TechCrunch.

Cheers!

Brian

--

Brian Wong | Cell: XXX-XXX-XXXX

www.twitter.com/brian_wong


 メールでは、自分の実績を書き、いかに自分が素晴らしい人間であるかをアピールした。それだけではない。Brian氏は、1通1通メールの内容を書き分けた。CEOの経歴や性格がそれぞれ異なるためだ。また、メールを送る時間にもこだわった。メールが埋もれてしまうことを懸念し、昼間ではなく朝の8時前か夜の19時以降に送った。

 Brian氏は語る——「この行動の原点にあるのは、ベトナムに初めて旅行したときの体験だ。信号のない交差点で、僕はなかなか道を渡ることができずにいた。車は、容赦なく走っている。しかし、周りの人は、車の隙を見つけてはスーっと渡っていく。このとき、僕は学んだ。世界では、いろいろなことが同時に、ものすごいスピードで起きている。そこを渡ろうと思ったら、自分はただ目的地を見て歩くだけ。他のところに気を取られていれば、他の人にどんどん追い抜かれていく。人は、車にひかれないように、自分の身を守ろうとする。しかし、それでは道を渡ることはできない」。

 こうして彼は、着々と人脈を作っていった。そこで知り合った知人の紹介で、当時一世を風靡したソーシャルニュースサイト「Digg」で働くことが決まった。

6カ月後に解雇、そして「Kiip」が誕生した

 しかし6カ月後、Diggは米ヤフーに買収され、Brian氏は所属していたチームごと解雇されてしまった。ビザを失った彼は、1カ月の間、東南アジアを旅した。旅先で見たのは、若者がゲームに夢中になる姿だった。Diggで広告ビジネスを担当していた彼は、ゲームと広告を結び付けて新たなビジネスができないかと考えた。1週間悩み、彼は思い付いた——「ゲームをクリアしたときに、広告主からクーポンなどをプレゼントされたらうれしいのではないか」。こうして、Kiipのアイデアが生まれた。

 再びシリコンバレーに戻ったBrian氏は、いくつかの起業支援プログラムに応募した。しかし、結果はすべて不合格。だが、彼はあきらめなかった。Kiipのコンセプトやプロトタイプを、たくさんの人に見せて回った。そして、あるベンチャーキャピタルの目に留まり、3000万円の投資を受けることが決まった。

 それから数日後、友人から1本の電話がかかってきた。電話の内容は「ベンチャーキャピタルから出資を受けているのか」というものだった。出資をする際、Brian氏の人柄などを裏で調査していたようだ。彼はこのとき、身近な人からどのように見られているかが重要だと気付いた。「多くの人は、環境に合わせて自分を変えるという選択肢を選ぶかもしれない。しかし、それでは通用しない世界になってきている。自分を環境に合わせて変えるのではなく、常に自分をブランディングする。自分は自分自身でなくてはならない」(Brian氏)。

イノベーティブな国、日本

 Kiipは今年で創業3年目を迎え、2012年12月、日本進出を果たしたばかり。Kiipを日本で展開する理由について、Brian氏は次のように述べる。

 「日本のテクノロジは、非常に進んでいる。Kiipを日本で展開する理由は、アメリカの数年先の技術を日本が持っているからだ。例えば、スマートフォンで買い物をしたりクーポンコードをかざすことは、アメリカではまだスキャナーが対応していないためできない。反射してしまって、うまく読めないのだ。しかし、日本では日常的に使われている。また、田舎のおばさんがスマートフォンで買い物をするなんて、アメリカでは考えられない。一方、日本ではそういった光景を何度も目にしている。

 他にも、アイスクリームが自動販売機で売っていることに驚く。さらに、アイスを買うと箱に入って出てくる。溶けても手が汚れないようにという工夫までされていることに、驚かずにはいられない。

 最も衝撃的なのは、地下鉄で3Gが通じること。これは、ニューヨークですらありえない画期的な取り組みである。日本では当たり前のことかもしれないが、他の国から見れば当たり前でないことが他にもたくさんある。そして何より、世界中の人が日本の文化をとても気に入っている。そんな日本の日常生活の中に、必ずビジネスのヒントがあると思っている」(同氏)。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

TechTargetジャパン

箱破損につき大特価!!――コルセア製2万円ケースが半額に!

$
0
0

1万円台半ばから2万円のケースがズラッと1万円切り——TSUKUMO eX.の箱破損特価

photoTSUKUMO eX.のPCケースフロア

 普段以上に特価セールの勢いが増すこの時期は、強力なスポット入荷モデルも出回りやすい。TSUKUMO eX.で目立っていたのは、PCケースの箱破損品だ。中身は新品そのもので、メーカー保証も新品に準じる。外箱にキズやへこみがあるだけだが、価格が大幅に下がっている。

 コルセアのATXケース「Obsidian 650D」(標準価格1万9980円)が9990円で売られているほか、microATX/Mini-ITX対応ミドルタワーケース「Obsidian 350D」(実勢1万4000円弱)が7980円、同シリーズで透明アクリルパネル採用の「Obsidian 350D Windowed」(実勢1万5000円弱)が8980円と、5000円から1万円程度安くなっている。アンテックのATXケース「ELEVEN HUNDRED」(実勢1万2000円弱)も6980円だ。

 同店は「代理店からどっと入ってきました。箱がつぶれているだけなのに、かなり思い切った値になっているので、この夏マシンを一式組もうと考えている人にはぜひ見に来て欲しいです」と話していた。在庫はそれぞれ少数なのでお早めに。

photophotophotoコルセア「Obsidian 350D」シリーズの箱つぶれ品(写真=左)。同じく、アンテック「ELEVEN HUNDRED」とコルセア「Obsidian 650D」(写真=中央)。8月に登場したばかりのコルセア「Carbide Air 540」もあるが、こちらは1000円引きに留まる(写真=右)
      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Google並みのデータセンターが構築できる意外な方法

$
0
0

 米EMCは、企業が新たなデータセンターを計画する際には、米Google、米Facebook、米Amazonといった大手ネット企業のこれまでのアプローチを踏襲してほしいと考えている。それが、2013年5月上旬に米国ラスベガスで開催された「EMC World 2013」での同社のキーメッセージだった。このイベントでEMCは「Software Defined Storage」(ソフトウェアで定義されたストレージ)プラットフォーム「EMC ViPR」を発表した。企業はViPRにより、Googleなど大手ネット企業が採用しているストレージモデルへの大きな第一歩を踏み出せるとしている。

 「博士号取得者やロケット科学者を1000人雇わなくても、インターネットスケールのデータセンターを構築できる」と、EMCのプロダクトオペレーション&マーケティング担当上級副社長、ジェレミー・バートン氏は語った。「GoogleやFacebook、Amazonのような企業は、自社の目指す環境を実現するために独自のデータセンターを構築した。われわれは、企業がこれら大手ネット企業に倣ってデータセンターを構築するために利用できるソフトウェアを開発している」

Surfaceは? Windowsは? やっぱり気になる米Microsoftの今後

$
0
0

 米Microsoftが業務の合理化を図って組織再編を行った。Windows、デバイス、サービス各部門の事業戦略の立て方次第では、企業のIT部門に影響を及ぼす恐れもある(参考:米Appleになりたい? 米Microsoftの組織再編を深読みする)。

 Microsoftは2013年7月11日(米国時間)に、エンジニアリング部門の統合を進めて、デバイスとサービスを提供する企業となることを計画していると発表した。

SAPが語る業務アプリケーションとソーシャルの関係

$
0
0

SAPがソーシャルを活用した業務アプリケーションを投入

 「今回の新製品は、サプライチェーン分野で初めてソーシャルネットワークの活用を前提にしたものだ」

 SAPジャパンの馬場渉バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長は8月6日、同社が開いた新製品発表会見でこう語った。

会見に臨むSAPジャパンの馬場渉バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長(右)と同社ソリューション本部アプリケーションエンジニアリング部の原尚嗣ビジネスエンジニアリングダイレクター会見に臨むSAPジャパンの馬場渉バイスプレジデント クラウドファースト事業本部長(右)と同社ソリューション本部アプリケーションエンジニアリング部の原尚嗣ビジネスエンジニアリングダイレクター

 同社がこの日発表した新製品は、企業のサプライチェーン全体の膨大なデータを統合・分析し、需給業務計画の策定・調整を支援するクラウドアプリケーション「SAP Sales and Operations Planning powered by SAP HANA(S&OP on HANA)」。需要・供給計画プロセスに関わる企業の複数部門が保有するデータをリアルタイムかつ高精度に統合・分析・可視化し、企業の需給業務計画の策定・調整・実行における迅速な意思決定を支援するという。

 同社によると、需給業務計画の遂行には、営業、マーケティング、財務、製造、調達、物流など、需要・供給計画プロセスに関わる複数部門の連携が必要となる上、多くの企業では各部門がそれぞれ独自に製品価格や売上予測、需要、在庫・製造コストなどのデータを保有。近年は各部門が扱うデータ量も急増しており、そうした膨大なデータを一元的に管理し、一貫した需給業務計画を迅速かつ高精度に策定・調整することが困難になっているという。

 S&OP on HANAはそうした課題を解消できるとともに、需要・供給計画プロセスにおける可視性と俊敏性を向上することができるとしている。また、SAP HANA Cloud Platformをベースにしているため、複数部門のデータをリアルタイムで集約し、高速、高精度に分析することができ、いつでも必要なときに、実データに基づいた需給業務計画の策定・調整が行えるという。

 S&OP on HANAのさらに詳しい内容については関連記事などを参照いただくとして、ここでは冒頭で紹介した馬場氏の発言にある「ソーシャルネットワークの活用を前提にした」点に注目し、そこから業務アプリケーションとソーシャルネットワークの関係が今後どうなっていくか、探ってみたい。

業務プロセスに入り込んだソーシャルがビジネス価値を生む

 あらためて、「ソーシャルネットワークの活用を前提にした」とはどういうことか。それは、「SAP Jam」と呼ぶソーシャルネットワークツールがS&OP on HANAに組み込まれていることを指す。これによって、ユーザー同士のディスカッションや情報共有を円滑化し、計画の変更履歴も自動で共有されるため、透明性と正確性の高いコミュニケーションが実現できるとしている。

 同社ソリューション本部アプリケーションエンジニアリング部の原尚嗣ビジネスエンジニアリングダイレクターによると、「需給業務計画の策定・調整を行う上では複数部門が連携して販売計画や製造計画の数字をすり合わせながら進めていくが、各部門からするとそれらの数字がどのような経緯でつくられたのか、どう調整されてきたのか、その文脈が分からないと作業を円滑に進めにくい。S&OP on HANAではそうした文脈を残すためにSAP Jamを組み込み、ソーシャルコラボレーション機能を業務全体のコミュニケーション基盤に据えた」という。

 ちなみにSAP Jamは、独SAPが昨年買収した米SuccessFactorsのタレントマネジメントツールの中核機能をベースに商品化した企業向けソーシャルネットワークツールで、SAPではこれを同社の業務アプリケーションのコミュニケーション基盤に据えていく構えだ。すでに人事管理や顧客情報管理(CRM)のアプリケーションには組み込んでおり、今回の需給業務計画(S&OP)が3つ目の採用業務領域となる。

 馬場氏はこうした展開について、「企業向けソーシャルネットワークは今、トレンドの1つとして注目されているが、これを活用してビジネス価値を生み出していくためには、それぞれの業務プロセスに深く組み込んでいく必要がある。SAPではそのためにSAP Jamを共通のコミュニケーション基盤に据え、それぞれの業務プロセスにきめ細かく適用できる仕組みにした。企業におけるソーシャルネットワークは、それぞれの業務プロセスに深く入り込んでこそビジネス価値を生むと確信している」と語った。

 業務アプリケーションのコミュニケーション基盤としてソーシャルネットワークを適用するという取り組みは、IBM、Oracle、Microsoftなども力を入れているが、業務アプリケーションのトップベンダーであるSAPがクラウドファーストへのシフトとともにこうした動きを本格化させてきたことで、業務アプリケーションとソーシャルネットワークの関係における方向性は定まったようだ。

 そしてこの動きは、これまでシステムとして分かれていた基幹系と情報系の融合が起こり始めたことを示唆するものなのかもしれない。さらに、この動きにGoogleやFacebookなどがどう絡んでくるか。注目しておきたい。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


第12回 ソーシャルメディアコミュニケーションで炎上を回避する〜アイスケース騒動2事例から考える〜

$
0
0

ソーシャルメディアアカウント運営に炎上リスクはないのか?

 企業としてソーシャルメディアアカウントの運営に取り組むという話が社内で持ち上がった時、あらゆる会議で必ずこのような台詞が飛び交います。

「炎上のリスクはないのか?」

 炎上とはTwitterや掲示板、ブログのコメント欄などに批判的なコメントが殺到することですが、どのくらいの量の批判的コメントが書き込まれれば炎上で、どれくらいまでなら炎上ではないのかという量的な定義はありません。ですので、主観的な判断にはなってしまうのですが、実際には炎上の名に似つかわしいほど批判的コメントが殺到することは稀であると言って差し支えないでしょう。

 特に、ソーシャルメディアアカウントの運営を始めただけで批判されるケースはほとんどないのではないでしょうか。

 もちろん、だからと言って炎上対策を怠ってよいという話ではありません。

 炎上のリスクはどの企業にも同じようにあり、ソーシャルメディアアカウント運営を行っているかどうかでそのリスクが高まったり、低くなったりするものではないというだけのことです。

 ソーシャルメディアアカウントを運営しているか否かにかかわらず、起こるときには炎上は起こってしまうもの、その備えは常に万全であるべきです。

ソーシャルメディアアカウント運営が炎上被害を低減させる?

 ソーシャルメディアアカウント運営を行うから炎上するというのが誤解であり、ソーシャルメディアアカウント運営と炎上対策はまったく別のものとして考えるべきだということを私はいろいろなところでお話ししますし、また、耳にしたりもするのですが、実は最近、「まったく別」とは言い切れないのではないかとも考え始めています。

 もちろんソーシャルメディアアカウント運営が炎上リスクを高めるという話ではありません。むしろその逆に近い考えです。

 日頃のソーシャルメディアアカウント運営によって、炎上などのクライシス発生時にその被害を食い止め、低減させることができるのではないかという仮説です。

 ソーシャルメディアコミュニケーションに長けていると言われている2つのコンビニエンスストアチェーンによるネットクライシス対応事例を見ると、その被害低減の裏に、日頃のソーシャルメディアアカウント運営におけるたゆまぬ努力が垣間見えます。

      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

真夏を撮り尽くせ アクションカム5モデル一気比較(1) GoProなど5機種を比較する

$
0
0

 スポーツなどのシーンをプレイヤー視点で撮影できるカメラ、アクションカムが盛り上がっている。プロ向け機材に比べると安価ながら、さまざまなオプションパーツを組み合わせることで、これまではプロでしかなし得なかった独特の視点での撮影が手軽に行える。今回は代表的なアクションカム5機種を様々な方法でテストし、その特長を比較してみることにした。

photo
  • 第1回 GoProなど5機種を比較する
  • 第2回 マウント考察 固定方法を変えながら映像を比較する
  • 第3回 5製品の操作性を比較する
  • 第4回 夜間画質を比較する——総評

 今回比較したのはJVCケンウッド「GC-XA1」、ソニー「HDR-AS15」、パナソニック「HX-A100」、CONTOUR「CONTOUR +2」、GoPro「GoPro Hero3 BlackEdition」と国内外のメーカーの5機種だ。利用する前に、まずは各モデルのスペックを確認したい。

製品名最大解像度外部記録メディア端子タイプHDMI外部マイク手ブレ補正本体液晶その他
GC-XA11920×1080SDminiUSB——搭載Wi-Fi
HDR-AS151920×1080microSD/メモリースティックマイクロmicroUSB非搭載(オプション設定)Exmor R CMOSセンサー
HX-A1001920×1080microSDmicroUSB搭載カメラ/本体は別体(有線接続)
CONTOUR+21920×1080microSDminiUSB——非搭載Bluetooth搭載
GoPro Hero3 BlackEdition4096×2160microSDminiUSB——非搭載(オプション設定)Wi-Fi
photophotophotoJVCケンウッド「GC-XA1」、ソニー「HDR-AS15」、パナソニック「HX-A100」
photophotoCONTOUR「CONTOUR +2」、GoPro「GoPro Hero3 BlackEdition」

 解像度で他を圧倒しているのはGoPro Hero3 Black Editionだ。ただし、4Kを利用すると最大fpsは12となり、実用は難しい。表中からは省いたが最大fpsでもGoProが120fpsと高い値での記録が可能だ。手ブレや暗所性能については国産モデルが個性を発揮している部分であり、スペックシート上からも個性を見て取れる。重量に関してはほぼ横並びであるが、本体とカメラ部を別体式としたHX-A100のカメラ部はわずか30グラムほどしかない。

 なお、GC-XA1には暗所に強い裏面照射型センサーやF2.4の明るいレンズを搭載した上位モデル「GC-XA2」が登場する。本稿執筆時はまだ販売されていないため比較機種に含まれていないが、XA1のコンパクトさは踏襲されているので、合わせて参考にしていただきたい。

チェックポイント(1)——前面投影面積比較

 アクションカムはヘルメットに取り付けたり、サーフボードや水中などでの利用を想定して作られている。たとえばヘルメットに装着してオートバイで高速走行を行う場合や、車のボディに取り付けた際、前面投影面積が大きいと空気抵抗が発生したり、乱流が起こる原因になる。

 そこで前面投影面積の比較を行ってみることにした。レンズ面から等距離に設置したカメラを用いて、大きさの比較を行った。

photophotophotoJVCケンウッド「GC-XA1」、ソニー「HDR-AS15」、パナソニック「HX-A100」
photophotophotoCONTOUR「CONTOUR +2」(ケース非装着、装着)、GoPro「GoPro Hero3 BlackEdition」

 前面投影面積では、カメラ部を別体にしたA100が圧倒的な小ささを見せた。次いで縦長ボディのカメラが続き、GoProが面積では一番大きくなった。

      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

NUCとは“似て非なる”売れ方に?――「BRIX」の反響とショップの声

$
0
0

「真の反響は売り出してから、ということでしょうね」——満を持して「BRIX」がデビュー!

photoギガバイト「BRIX」

 8月10日、ギガバイトの超小型PCキット「BRIX」が各ショップの店頭に並んだ。ラインアップは3種類で、Core i7-3537U(2GHz/最大3.1GHz)を搭載する「GB-XM1-3537」は5万9980円、Core i5-3337U(1.8GHz/最大2.7GHz)搭載の「GB-XM11-3337」は4万9980円、Core i3-3227U(1.9GHz)搭載の「GB-XM12-3227」は3万6980円となる。街全体での在庫は潤沢だ。

 BRIXは107.9(幅)×114.6(奥行き)×29.9(高さ)ミリという手のひらサイズのボディに、CPUやHM77マザーボードを組み込んだベアボーンだ。SO-DIMMメモリ(最大2枚/16Gバイト)やmSATA接続のSSD、mini PCI Express接続の無線LANモジュール(ハーフサイズ)などを組み込んでOSをインストールすればPCとして使える。

 発売前から実機が展示されたり、複数のショップで予約受付されたりと露出の機会は多かったが、反響はそれほど大きくなかった様子だ。TSUKUMO eX.は「まずはどんなモノか、レビューが集まったところで手を出そうと考えている人が多い印象ですね。興味自体は持たれているけれど、販売予約はそれほど多くないですから」と語る。それでも、発売後の伸びに期待する声は大きい。

 超小型PCキットは、草分け的存在のインテル「NUC」が現在も堅調にヒットを飛ばしている。BRIXはその市場に挑む構図になるが、NUCとは別のトレンドを作る可能性を指摘するショップがいくつかあった。あるベテラン店員さんは「NUCは検証用やサーバー用みたいに、使い方を固定して利用する人が最初に興味を持ちました。一方のBRIXは、Core i7モデルのようにライトユースならメインマシンとして十分に使えるラインアップが最初からそろっているので、普段使い用の小型PCとして買う人が少なくないと思います」と語る。

 現在はNUCにもCore i5モデルがあり、普段使い的な人気も伸びているといわれるが、BRIXにはその線をさらに太くするようなヒットを期待しているというわけだ。「NUC登場時と比べて、mSATA SSDなどのパーツも充実していますし、新たなトレンドが生まれる下地は整っていると思います。ここでユーザーの幅を広げてもらわないと……ね」。今後の売れ方にも注目したい。

photophotophotoTSUKUMO eX.の超小型PCキットコーナー(写真=左)。「BRIX GB-XM1-3537」。前背面にUSB3.0ポートが1基ずつ並ぶ。映像出力にはmini DisplayPortとHDMI端子が用意されている(写真=中央、右)
      1|2|3|4次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「Surface」はどうなる? バルマーCEO「One Microsoft」戦略の意図

$
0
0

新型SurfaceとWindows 8.1と「One Microsoft」戦略

photo2013年6月、Surface RTは1万円値下げする期間限定のキャンペーンを、キャンペーンを終えた7月には正式に価格改定された

 2013年6月末に「BUILD 2013」カンファレンスで発表されたWindowsの次期バージョン「Windows 8.1」だが、あれから約1カ月を経て、新たな追加情報も出始めている。Microsoft自身もまた同バージョンの正式リリースに向けた体制を整えつつある。2013年秋のWindows 8.1リリースを見据えた同社の最新情報を改めて追っていこう。

 最近のMicrosoft関連ニュースで興味深いトピックとして「Surface RTの在庫調整のために9億ドル(約900億円)の損失計上」というものがあった。

 これは、同社が2013年7月18日(米国時間)に発表した同社2013年度第4四半期(2013年4〜6月期)の決算での特記事項によるもので、それだけSurface RTの在庫が積み上がっていることを示している。日本法人の日本マイクロソフトも「Surface RT、期間限定で1万円引き」とするキャンペーンを2013年7月14日まで行ったのち、結局、販売価格を「1万円値下げ。3万9800円から」と価格改定し、かつ「iPadからの乗り換えで最大1万円キャッシュバック」とする施策を実施することが記憶に新しく、教育機関や同社パートナー/開発者向けにSurface RTを「約2万円で提供」する施策も行う。

 このほか他国では、Surface RTだけでなくSurface Proも100米ドル引きでの提供──が始まった。こちらは米国、カナダ、中国、香港、台湾で2013年8月のみの限定キャンペーンとする扱いだが、日本での値下げ攻勢を見る限り、状況次第では“Pro”もキャンペーン価格の実施や価格改定──となるまで加速する可能性はありそうだ。

photoMicrosoft CEOのスティーブ・バルマー氏

 ただ、前述した決算報告より判断する限り、Surface RTの値引きは販売/シェア獲得を加速する施策というより、在庫処分の意味合いが強い。もちろんMicrosoft自身は現時点でSurfaceの販売状況が芳しくなかったとしてもハードウェア機器の販売からすぐに撤退する意図はなく、むしろ今後も継続して製品を投入してくると想定する。

 理由の1つとして、2013年7月11日にスティーブ・バルマーCEOが発表した「One Microsoft」戦略がある。これまでWindowsやOfficeなど製品ごとに分かれていた事業部を1つにまとめ、「デバイスとサービス」を中心としたビジネス展開のための大規模な組織改編を行う計画である。これまで同社は事業部間の横連携が弱く、特にWindowsやOfficeなどコア製品を持つ事業部同士の仲が悪かった──と言われている。これを事業部大再編で見直し、“ポストPC”時代を生き抜く事業体制を確保するのが上記宣言の狙いだ。

 業界を制したという経緯から、伝統的にソフトウェア事業部の発言力が強かったMicrosoft。ただ今後は、よりバックエンドのサービスやユーザーが直接手にするデバイスの影響力が強まっていくというのが「One Microsoft」戦略におけるキモのはず。ゆえに厳しい状況にあるとしても、今後も業界の中心に居続けるためにSurfaceやXboxといったデバイス事業を諦めるわけにはいかない。今回の一連のSurface RT/Proの値下げについても撤退を目的にしたネガティブなものではなく、状況はどうあれ次世代製品の投入に向けた足慣らしとポジティブにとらえているはずと考えたい。

 次回は、「では、次期Surfaceはどうなるか」について考察、確認する予定だ。

(次回に続く)


「鈴木淳也の「まとめて覚える! Windows 8」」バックナンバー


Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

LEDシーリングライトも買い時?――ビックカメラに聞く、この夏の注目製品

$
0
0
ts_led01.jpgビックロのLEDシーリングライトコーナー

 夏商戦で賑わう家電量販店。今年の夏はどのような商品が人気を得ているのだろうか。ビックロビックカメラ新宿東口店のスタッフに、注目製品の動向とおすすめ商品について聞いてみた。今回は、省エネ照明器具として注目される「LEDシーリングライト」についてリポートしよう。

 今回取り上げるのは「LEDシーリングライト」。LED電球はかなり普及してきたが、今後はシーリングライトのLED化も進むと思われる。そんな中、スタッフのオススメはどのような製品なのだろうか。

 話をうかがったのは、家電コーナーの川島千明さん。「出始めの頃は3〜4万円くらいするものが多かったLEDシーリングライトですが、最近は価格が下がってきており、蛍光灯とほとんど価格差がなくなってきました。有名メーカーでも手頃な価格の製品が増えてきましたね」と川島さん。紹介してもらったオススメ商品は下記の3製品である。

オススメ順位メーカー型番販売価格
1シャープDL-C314K(〜8畳)2万4800円
2東芝ライテックLEDH94036Y-LC(〜8畳)2万9800円
3NECライティングHLDCB0812(〜8畳)1万9800円

 1位となったのはシャープ「ELM(エルム)」の「DL-C314K」。この製品の特長は、なんといっても「さくら色」と呼ばれる独特の光色だ。「蛍光灯の時代は光の色は白か黄色のどちらかでしたが、LEDでは調色が可能になりました。そしてさらにその1つ先の“さくら色”を出せるようにしたのがこの製品です」(川島さん)。

ts_led02.jpgシャープの「DL-C314K」。写真では分かりにくいが、「さくら色」と呼ばれる独特の光色が特長だ

 ユーザーからのアンケートによると「安眠しやすい」という声もあり、この製品を指名買いする人もいるという。シャープは上位モデルにプラズマクラスターを搭載した「DL-C609V/C509V」という製品を用意しているほか、最近では丸形だけでなくスクエアタイプも販売しており、幅広いラインアップをそろえている。

ts_led03.jpgts_led04.jpgシャープの「DL-C509V」はプラズマクラスター搭載モデル。右がプラズマクラスターの放出口だ

 2位となったのは東芝ライテック「E-CORE」の「LEDH94036Y-LC」。この製品は、宝石をちりばめたように部分的に光るセードが特長だ。セードの形状はシャープに比べてシンプルだが、スイッチを入れるとドット状に加工された部分から通り抜けた光がキラキラと美しく輝く。電球色・昼光色の調光が可能で、ON/OFFタイマーも搭載している。

ts_led05.jpg東芝ライテックの「LEDH94036Y-LC」

      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Viewing all 17593 articles
Browse latest View live