Quantcast
Channel: ITmedia TOP STORIES 最新記事一覧
Viewing all 17593 articles
Browse latest View live

科学オタク納得の“未来を変える12の技術”

$
0
0

 ITアナリストとコンサルタントの予測の方向は、その時点の流行の風潮や資金の提供先の意向に、明らかに左右されることが往々にしてある。アナリストやコンサルタントが画期的な提案をしたり論争を巻き起こしたりすることはめったにない。そんな中、老舗のコンサルタント会社である米McKinseyの精鋭が、現存のテクノロジーが秘めている力を極限まで発揮したとすると、世界はどう変わるのか、包括的で信頼性の高い展望の概略を発表した。

 経営コンサルタント会社、McKinsey & Companyの調査部門であるMcKinsey Global Instituteが最近発表したリポートが評判になっている。「Disruptive technologies:Advances that will transform life, business and the global economy」(未来を変えるテクノロジー:生活、仕事、世界経済を変える先駆け)と題して、同社は「現在から2025年までの間に、経済価値を根底から覆すほどの圧倒的に大きな影響力を持つ」と予測されるテクノロジーを特定するリポートをまとめた。

 ITベースのテクノロジー、または安価なマイクロプロセッサの通信機能や演算能力が現状ほどに進化しなければ存在しなかったテクノロジー全体の中で、リストの筆頭に挙げられたのが“インターネットのモバイル化”である。世界を揺るがす12のテクノロジーとして“ロボット工学”“再生可能エネルギー”“ゲノム配列”なども選ばれた。これらのテクノロジーをさしおいて、インターネットのモバイル化が最も注目度の高いテクノロジーとして選ばれたのは、クラウド、モバイルアナリティクス、コンシューマライゼーションなど、企業幹部やITの専門家が現在直面している大きな問題に対する関連性が深く、これらを解決するカギとなる可能性を秘めている期待されていることが一因となっていると考えられる。


NECが「スマホから撤退」報道 「決定した事実ない」

$
0
0
photoユニークな2画面スマホ「MEDIAS W」

 NECがスマートフォンの新規開発を凍結するという一部報道に対し、同社は7月17日、「当社として発表したものでない。市場が急激に変化する中で様々な検討を行っているが、報道された内容について決定した事実はない」というコメントを発表した。

 日本経済新聞は7月17日付けで「NEC、スマホ撤退へ レノボとの携帯統合見送り」と報じた。NECがPC事業を統合した中国Lenovoと携帯電話事業についても統合を協議していたが、条件が折り合わず断念。これを受け手単独での事業構造維持は難しいと判断し、スマートフォンの新規開発は「カシオ」ブランドも含めて凍結する方針──という。

photo2012年度国内携帯電話出荷台数シェア=MM総研調べ

 NECは子会社のNECカシオモバイルコミュニケーションズで携帯電話事業を展開。折りたたみ式の全盛期に「N」ブランドで知られたNEC端末だが、MM総研によると、NECカシオは2012年度に国内で134万台(前年度比10.1%減)のスマートフォンを出荷、市場シェアは4.5%で6位にとどまっており、従来型を含めたシェアは5.3%と8位に低迷。一方、スマートフォンでは12年度、Appleが初めてシェアで国内トップになっている。

 NECカシオは13年度、従来型携帯を含め前年度並みとなる300万台の販売を見込んでいたが、主力となるNTTドコモ向けでは、ドコモが「ツートップ」戦略を打ち出した影響もあり、夏モデルの販売は6月末までに1万台程度にとどまったもようだ。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

第166回 海辺と炎天下と防水カメラの関係

$
0
0

 今年(2013年)は例年より早く梅雨が明けたので、恒例の水着撮影も炎天下となったわけである(編注:気象庁によると関東甲信地方の梅雨明けは、平年では7月21日ごろです 気象庁 気象統計情報)。

 だから例年より夏らしい感じでいくぞ、ってことで、防水デジカメらやら外付けフラッシュやらNDフィルタやらあれこれ機材を準備しての挑戦となった。なぜ外付けフラッシュがあるといいのか。だって炎天下でしょ?

 その辺の話もまじえつつ

photoちょっと大人っぽく

晴れた日の海は明るすぎるので明るすぎ対策を

 晴れた日の海へカメラを持って行くならちゃんと「アイレベルファインダー」(要するに目をくっつけてのぞき込むファインダー)を持ってるカメラがいい。周りが明るすぎて、液晶モニタだと、とっても見づらいから。一眼レフだったら光学ファインダーを持ってるからいいが、ミラーレス一眼の場合はEVF付のもの、あるいは外付けEVFを用意したい。

 準備したらさっそく波打ち際で撮影。

 海を背景に後ろ姿。ちょっと上から背景が全部海になるようにして撮ってみた。これから海だぞーという感じが出るから。撮られてる方は油断してるかもしれないけど。身体が少し左を向いてるので、構図の少し右側に彼女を置く。すると左奥に向かう感じになる。そして少しプラスの露出補正で。

 基本的に晴れた日の海は、プラスの露出補正が基本。これは+1.7で撮ってる。背景が白くて明るいから。

photo

 やっぱ海へ出たら全身を撮りたいよねってことで、ズームレンズであれこれ撮り比べから。

 海で撮るときは、明るさ(露出)と画角(焦点距離)とアングルが大事。

 例えば広角側で目の高さで普通に撮ると(だいたい一緒に海に歩いて行くような距離で、楽をして撮ろうとするとこうなる)、上から見下ろすうえ、広角側は遠近が強く出る分、どうしても下半身がすぼまってしまい、胴が長く足が短く見えちゃう。それはちょっとよろしくない。

photo

 そういうときはがんばって少し腰を落とし、カメラを胸から腰の高さにする。そうすると上半身と下半身のバランスが良くなる。水平線が胸から腰くらいにくるよう注意すればいい。あまりがんばって中腰で撮ると腰を痛めるので、まあ、水平線が肩より下にあればいいかなと。

 というわけで、さっきより少し低い位置から2枚どうぞ。

photophoto

 この2枚、すごく似てるけどよく見ると違う。

 何が違うのか。2枚目の写真はさらに一歩引いて、ズームレンズを少し望遠気味、中望遠くらいにして撮ってるのだ。

 広角側の写真に比べるとスタイルがきれいに出てるのが分かるかと思う。全身を撮るときは中望遠で縦位置で、というのがオススメ。それから頭の上に無駄な空間ができないように、構図全体を使うとオーソドックスな写真。

 もっと望遠にすると、背景との距離感がだんだんなくなっていく。これは望遠レンズの圧縮効果というのだけど、ここで波が来てるタイミングなんかで撮ると、背景全体が波になってすぐ後ろに来ている感じになる。だから高い波が見えた瞬間を狙ってみた。

photo

 で、座ってるときは広角と望遠の話が逆になる。

 上から広角で撮ると胴長に見えちゃうが、足下から広角で撮ると足がすらっと長く見えるのだ。逆に望遠で撮ると遠近が弱くなるから足が小さく見える。

photo広角だと足が長くすらっと
photo望遠にすると足が小さく見える

 こういう特性を上手に使うべし。

 次のポイントは明るさ。肌をより白く、もう背景なんてどうでもいいや、と思ったら思いっきりプラスに。露出補正しないとさすがに暗く写っちゃうので、プラス2くらいで背景をおもいっきり飛ばして白く明るく撮るか、プラス1くらいでほどよいバランスにおさえるか。好みです。

photo露出補正なし
photo露出補正+1
photo露出補正+2

 海にいるってことがすっかり分からなくなるけど、思い切りプラスにして明るく飛ばすというのも捨てがたい。ほわっとやわらかく撮れるのだ。ゆるふわな感じですな。

 逆に明るくきりっと撮りたいときは、外付けストロボを使うのも楽しい。内蔵ストロボはまず光が弱い上に、ハイスピードシンクロ撮影(FP撮影)にたいてい対応してないので難しい。

photoちょっとお高めのストロボ(「FL-600R」)をつけてみた。実売約3万円

 普通のストロボは1/250秒以下くらいにしか同調しないが、ハイスピードシンクロ撮影に対応していたら、超高速(それこそ1/2000秒とか)にも同調して発光してくれるのだ。その分光量は落ちるが、ポートレートの距離ならなんとかなる。

 それがこれ。

photoほっぺのてかりや目の中を見るとストロボをたいた、というのが分かる

 これなら背景も白く飛ばず、きりっという感じで撮れる。まあちょっとわざとらしくはなるけど、その辺は好みで。

 あとはまあくだらない会話をしながらたくさん撮る。連写も使う。しゃべりながらだと表情が細かく変わるので、連写した方があとからいい表情のものを選べるのだ。あとね、手はあれこれ動かしてもらった方がいい。その方が身体もほぐれるし。

 と、同じような写真ばかり撮っててもアレなので、せっかく海に来たのだから、海辺らしい風景も上手に使ってみたいところ。

 とはいえ、単に真ん中に立って広角で撮って終わり、では何を撮りたかったのかさっぱり分からない写真になる。海に背中を向けてるし、波打ち際の入り方が中途半端だし。

photo

 でもちょっといじってみるとずいぶん雰囲気が変わる。レンズの焦点距離を標準域にしてちょっと遠くから狙い、腰をぐっと下げて上半身が空にかぶるようにし、彼女を少し端において、その分波打ち際が斜めに大きく入るようにしてみた。

photo

 でもまあ、ここまで海水浴場に人がいないってことは、休日ではあり得ないので、実際にオンシーズンの海水浴場だと周りに人がいっぱい写っちゃってちょっとアレですが。

      1|2|3次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「Appleとの関係は改善」とGoogleシュミット会長 「さまざまなビジネス協議」

$
0
0
REUTERS

 米Googleのエリック・シュミット会長は7月11日、同社とAppleとの関係について、「過去1年間で改善した」と語った。ライバルであり、ときにはパートナーでもある両社は「非常に多く」の会議を行っているという。

 米アイダホ州サンバレーで開催されたAllen & Companyの年次国際会議において、シュミット氏は記者らにそうコメントしたが、どのような会議かについては詳細を語らなかった。同氏によれば、この記者会見に同席したGoogle最高事業責任者(CBO)のニケシュ・アローラ氏が会議の議題の多くを主導しているという。

 「GoogleとAppleは常にさまざまな案件についてビジネス協議を行っている」とシュミット氏は語った。

 シュミット氏はかつてAppleの取締役を務めていたこともあるが、競争が激化する中で、両社の関係は徐々に悪化していった。Appleは同社の象徴とも言える「iPhone」でスマートフォン市場を生み出したが、現在、世界で販売されているスマートフォンの4台に3台はGoogleのモバイルOS「Android」を搭載している。

 AppleはGoogleのオンラインサービスへの依存度を減らそうとしており、とりわけ2012年にそれまで採用していたGoogleの地図サービスの代わりに、自社で開発した地図ソフトをiPhoneに採用した件はよく知られている。だがAppleの地図サービスには誤りが多数あることが判明し、結局GoogleはiPhoneの最新版向けに地図アプリをアップデートしている。

 一方、世界トップのインターネット検索企業であるGoogleはここ数年、携帯電話会社Motorola Mobilityを買収したり、米国の一部都市で高速インターネットサービスを提供したり、ウェアラブル端末や全自動運転カー(セルフドライビングカー)向け技術を開発したりなど、新規市場への事業拡大に力を注いでいる。

 シュミット氏はGoogleのセルフドライビング技術について、「商業化までにかかる年数は数十年ではなく数年だ」とする一方で、「この先どのように事が進んでいくのか、具体的にはまだ私にも分からない」と述べている。

 また同氏は「技術だけでなく、規制やパートナー企業との提携もすべて適切に整えなければならない」と語り、Googleが既にすべての自動車メーカーと話し合いをしたことも明らかにしている。

copyright (c) 2013 Thomson Reuters. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はThomson Reutersとの契約の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。

(著作権、商標について)
ロイター・コンテンツは、トムソン・ロイター又はその第三者コンテンツ・プロバイダーの知的財産です。トムソン・ロイターから書面による事前承認を得ることなく、ロイター・コンテンツをコピー、再出版、再配信すること(キャッシング、フレーミング、又はこれらと同等の手段による場合を含む)は明示的に禁止されています。トムソン・ロイターは、コンテンツの誤謬又は遅延、或いはコンテンツに依拠してなされたあらゆる行動に関し一切責任を負いません。 Reuters(ロイター)及びReuters(ロイター)のロゴは、トムソン・ロイター及びその関連会社の商標です。ロイターが提供するその他のメディア・サービスについてお知りになりたい場合は、http://about.reuters.com/media/をご参照ください。

ASUS、クアッドコア+7型IPS液晶のAndroidタブレット「MeMO Pad HD7」

$
0
0
photoASUSの7型Androidタブレット「ASUS MeMO Pad HD7」

 ASUSTeK Computerは7月17日、7型Androidタブレット「ASUS MeMO Pad HD7」の国内発売を発表した。発売日は2013年7月19日。価格はオープンで、実売価格は1万9800円前後となる見込み。本機は2013年6月に同社がCOMPUTEX TAIPEI 2013で発表した製品であり、今回日本国内での発売が決定した形だ。

 Googleブランドの同社製7型タブレット「Nexus 7」と同様のスペックだが、Nexus 7にはないアウトカメラやmicroSDカードスロット(SDHC対応)を備える。重量も302グラムとNexus 7より約40グラム軽い。

 主な仕様は、CPUがクアッドコアのMTK8125(1.2GHz)、メインメモリがDDR3LM 1Gバイト、内蔵ストレージの容量は16Gバイトとなる。7型IPSディスプレイの解像度は1280×800ドットで、10点マルチタッチに対応。OSはAndroid 4.2.1を採用した。

 インタフェースはMicro USB、ヘッドフォン/マイク出力(3.5ミリピンジャック)、内蔵マイク、microSDカードスロット(SDHC対応、32Gバイトまで)、500万画素のアウトカメラ、120万画素のインカメラなどを備える。無線機能はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LANとBluetooth 4.0を利用可能で、動画無線伝送規格のMiracastにも対応した。センサー類は加速度センサー、電子コンパス、GPS、磁気センサーを搭載する。

 本体サイズは120.6(幅)×196.8(高さ)×10.8(厚さ)ミリで、重量は約302グラム。バッテリー動作時間は約10時間(720pのHD動画を輝度100カンデラ/平方メートルで連続再生)、充電時間は約4.5時間としている。カラーバリエーションはホワイト、ピンク、グリーン、ブルーの4色を用意する。

photophotophotophotoカラーバリエーションはホワイト、ピンク、グリーン、ブルーの4色を用意。背面にはNexus 7にはない500万画素のアウトカメラを装備し、下部にステレオスピーカーを備える

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

非破壊型「切らずにスキャン」ScanSnap SV600は本当に「自炊」に使えるか?【後編】

$
0
0
レビュー

ScanSnap SV600レビュー:非破壊型「切らずにスキャン」ScanSnap SV600は本当に「自炊」に使えるか?【後編】 (1/2)

今回はScanSnap SV600の弱点をカバーし、よりパワフルに使いこなすための筆者なりの工夫と、ささやかながら得られた成果を紹介する。

[鈴木啓一,Business Media 誠]
shk_ss0200.jpg「ScanSnap SV600」

 PFUが7月12日に発売した非接触型のドキュメントスキャナ「ScanSnap SV600」(以下、SV600)。前編で第一印象をリポートしたが、ユニークでアグレッシブな製品である一方、まだまだ使いこなす上でユーザー側に工夫が必要という感想を持った。今回はSV600の弱点をカバーし、よりパワフルに使いこなすための筆者なりの工夫と、ささやかながら得られた成果を紹介しようと思う。

ScanSnap SV600の良いところ、そして気になる弱点

 SV600はこれまでのScanSnapシリーズのようなシートスキャナでもなく、複写機に多く採用されているようなフラットベッド型でもない。電気スタンドのような形をした新しいタイプのドキュメントスキャナだ。

 シートスキャナの原稿はシート状のものに限られるが、SV600は見開きの本のようなやや立体のものも読み取れる。シートスキャナで本をスキャンするには、本を裁断機にかけ、1ページずつバラバラにする必要があった。

 一方フラットベットタイプのスキャナは、スペースを取り、家庭で使うには設置や保管場所に困る場合が多い。それがSV600は比較的狭いスペースで保管できる。

 SV600は、原稿の上部から光を当ててラインセンサーで読み取る方式である。本のようにやや立体的に折れ曲がった原稿はゆがんでしまうので、補正をかけ、あたかも平らな面に引き延ばして読み込んだような画像が得られる。

 ただし画像の補正にも限界があり、ユーザーによっては満足できないことも考えられる。また、筆者が一番煩わしいと感じたのは、SV600で見開きの本をスキャンする間、ずっと本を指で押さえ続けなければならないことだ。しかも押さえ方によって読み込み時の画像のゆがみ方が変わり、画像補正後の最終的な原稿の質にも影響する。

画像のゆがみを改善する工夫

 こうした弱点を少しでも改善できないかと、早速いくつかのアイデアを試してみることにした。

shk_ss0201.jpg今回使ったもの。A4クリアフォルダ(透明、ハードタイプ)、クリップ

 まず、画像のゆがみである。せっかく本を電子化するのだから、直線は直線にゆがみを感じることないレベルの画像を得たいものだ。

 私がまず試したのは、書籍の読み込みたいページを透明度の高いクリアフォルダー(ハードタイプ)に挟み込む方法。ハードタイプのため、紙のたわみを押さえ、ゆがみを小さくして原稿を読み込むことができた。

shk_ss0202.jpgクリアフォルダ(ハードタイプ)を使った実験

 この方法は読み込みたいページをクリアフォルダにいちいち挟み込むので結構な手間であるが、特別にきれいに読み込んでおきたいページに使える方法である。また、保管の都合で「くせ」が付いてしまった本や雑誌に応用できる方法でもある。

 また、クリアフォルダでページを挟み込むのが手間ならば、クリアフォルダをページの上にのせるだけにするやり方もある。特にA4サイズの本ではページの面積が広いので、指で押さるだけでは紙のたわみを完全になくすことが難しい。それがクリアフォルダをページ全面に載せることで、全体的な紙のたわみを少しでも減らす効果がある。

shk_ss0203.jpgクリアフォルダ(ハードタイプ)の実験結果

 この写真は、ScanSnap Managerの機能で画像のゆがみの補正をかけた結果だ。クリアフォルダを使った左のページは、右ページと比べ、直線部分がかなり真っすぐに読み込めている。

 ただしこの方法には欠点がある。読み込みたいページをクリアフォルダにいちいち挟み込むのが大変手間であることだ。しかし、このページだけはきれいに読み込んだおきたいという場合には使える。また、保管の都合でくせが付いてしまった本や雑誌に応用できる方法でもある。

      1|2次のページへ
'); this.html = []; var category = json['category'][0]; for(var i in category){ if(this.flag.match(i)){ var heading = '
'; break; }else{ var heading = '
» ' + this.flag.replace(/:$/,'') + '
'; } } this.html.push(heading); this.html.push('
    '); for(var i = 0, l = this.list.length; i < l; i++){ var a = this.list[i]; this.html.push('
  • ' + a['title'] + '
  • '); } this.html.push('
'); this.html.push(''); this.html.push('
'); document.getElementById('bizidwebservice' + this.flag).innerHTML = this.html.join(''); return true; } function bizidwebserviceform(){ var pagetitle = document.title; if(!pagetitle.match('Webサービス図鑑')) return false; var html = []; html.push('
'); html.push('
'); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push('
投稿フォーム
'); html.push('

Biz.IDの「Webサービス図鑑」では、便利で楽しめるWebサービスを今後も続々と追加していきます。「おもしろいWebサービスを見つけた!」という方は、「URL」「サービス名」「コメント」をご記入の上、以下のフォームからご連絡ください。

'); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push(''); html.push('
Webサービスの名称
サービスのURL
利用料
(分かる範囲でお願いします)
ユーザー登録の有無
運営会社
(分かる範囲でお願いします)
概要など
認証'); html.push('
' + captcha_str_enq_bizid + '
'); html.push('上に表示されている文字列を入力してください。
'); html.push(''); html.push('
'); html.push(''); html.push('
'); html.push('
'); document.write(html.join('')); } //-->

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.



'; for ( var i = 0; i < google_ads.length; i++ ){ if( google_ads[i].url ){ s += '

'; s += ''; s += google_ads[i].line1 + ''; s += '
' + google_ads[i].line2 + ' ' + google_ads[i].line3 + '
'; s += '' + google_ads[i].visible_url + '

'; } } document.write(s); return; } google_ad_client = 'pub-2201843946232317'; google_ad_channel = '04_02_bizid'; google_ad_output = 'js'; google_ad_type = 'text'; google_language = 'ja'; google_max_num_ads = '5'; google_encoding = 'sjis'; google_feedback = 'on'; google_adtest = 'off'; // -->
' ); } } } } show_trackback_url(); // -->

写真で見る「ThinkPad X240s」

$
0
0

スリムでイケメン風になった新Xシリーズ「ThinkPad X240s」

 今度のXは、シュッとスリムですっきりしたデザインになりました──。レノボ・ジャパン「ThinkPad X240s」は、同社が“Classic ThinkPad”と位置付ける従来のクラムシェルスタイルとトラックポイントはそのままに、Haswell化とともにデザインもガラリと刷新された。

 第一印象は「スマートになったなぁ……」。ThinkPad X230sまでの、少々ゴツゴツ角張った、よい意味で無骨で質実剛健さを感じられるデザイントーンより、今回のX240sは平面的でほどよく柔和な印象を受けるスリムボディに刷新された。今回はひとまず、X240s試作機の外観を他シリーズの参考写真とともにじっくり見ていこう。

photophoto12.5型サイズの「ThinkPad X240s」(キーボードはUS配列)。キーボード面も天面パネルも平面的で、スリム感が際立つデザインになった。なお──天面のThinkPadロゴがこれまでとは「逆向き」になったのもちょっとしたトピックである
photophoto(参考)ThinkPad X230のキーボード面と天面パネル
photophoto(参考)ThinkPad Helixのキーボード面と天面パネル
photophoto(参考)ThinkPad X1 Carbonのキーボード面と天面パネル

 スリムボディのXシリーズには「ThinkPad X1 Carbon」があるが、そこまでとがっているというか鋭い印象はなく、レノボ・ジャパンの製品群ではThinkPad Helix……いやIdea Pad Yogaシリーズのソリッドな平面板状のイメージに近いと感じた。

 本体サイズは305.5(幅)×208.5(奥行き)×17.7(厚さ)ミリ。前モデルThinkPad X230の305(幅)×206.5(奥行き)×33.6(最厚部)ミリと比べ、幅と奥行きはほとんど変わらず、厚さのみ約約16ミリ──大げさには2分の1ほども薄くなったのは驚きだ。

 重量は最軽量構成時で約1.29キロ。ディスプレイは12.5型ワイドだが、他社13.3型クラスのUltrabookやモバイルノートPCがひとまずの比較対象になるだろう。格別に軽量ではないが、キーボードドックを装着したThinkPad Helixの約1.6キロ、ThinkPad X1 Carbonの約1.36キロと比べるとほどよく軽量なボディに仕上げている。ちなみに第4世代のCore Uシリーズ、薄型ボディ、最大11.8時間とするバッテリー動作時間など、(選択した構成によって合致しない例はあるが)インテルが提唱する「Ultrabook」に合致する仕様とした点も、前モデルX230とのやや大きな違いとなる。

photophotoディスプレイは12.5型ワイドでノングレア表面で、TNかIPSパネルをオプションで選択できる。2013年7月発売のモデルは解像度1366×768ドット止まり。高解像度モデルを待っていた人にとっては「え〜〜〜、まだなの?」と、少々残念な仕様だが、2013年末予定で「IPSフルHD」および「IPSフルHD+タッチ」のディスプレイオプションを用意する──という。まだかなーり先なのだが、出る予告をしてくれるだけでもありがたい(……のか、どうなのか)(写真=左)
キーボード面(写真はUS配列)。6列プレシジション・キーボード+トラックポイント+UltraNav付き。トラックポイントのクリックボタンも包括した5ボタンクリックパッドに刷新されたのが“トラックポイントファン”としては気になる変更点だ。同様の機構がThinkPad Helixで採用されている。指紋センサーと電源ボタンはキーボードの右端とちょっと窮屈な位置にあるが、使用感は損ねていない(写真=右)
photophoto(参考)ThinkPad X230のディスプレイとキーボード面
photophoto(参考)ThinkPad Helixのディスプレイとキーボード面
photophoto(参考)ThinkPad X1 Carbonのディスプレイとキーボード面
photophoto本体前面と後面。突起類のない平面/板状のプレーンなデザインとし、インタフェース類は設けていない
photophoto本体左側面に、DC入力端子(角形)、排熱口、アナログRGB出力、USB 3.0、Mini-DisplayPort、右側面にマイク/イヤフォン共用端子、USB 3.0(電源オフチャージ対応)、SIMカードスロット、SDメモリーカードスロット、ギガビットLANポート、盗難防止ロックポートがある。Ultrabookでは省かれがちなアナログRGBと有線LANポートの有無は昨今ユーザーによって賛否あるが、ビジネスシーンではまだニーズがあるということで、ビジネスPCであるThinkPadシリーズとしてはしっかり実装しなければならないのである。ごく普通にスマートに収めてあるのが立派だ
photophoto(参考)ThinkPad X230の側面。こうして見比べると、X230は意外と厚くずんぐりしている
photoそして、ペタンと180度開くディスプレイヒンジも継承。底面を絞った部分へディスプレイの下端を差し込むような造形で180度開きを実現している。なかなかの造形美を感じる部分だ
photo(参考)そういえばThinkPad X230は、180度“以上”に開くのであった
photophotophoto本体底面は、バッテリー着脱不可とするデザインとなったため、こちらもほどよくスッキリした見た目となっている。ただ、ネジを7本を外せばカバーごと外れ、内部へ比較的容易にアクセスできるバッテリーは前後に2つ、実装しているのが工夫ポイントの1つ。出力はそれぞれ11.1ボルト/1.93Ahで、形状は若干異なる。バッテリー動作時間は最大11.8時間(Core i5-4200U構成時)を実現するとともに、前後の重量バランスがとても良好である。手前バッテリー横に2.5インチドライブベイ(評価機は9.5ミリ厚HDDを実装)、メモリスロットは1本、中央にMini PCI Expressスロットがあり、評価機ではキャッシュ用SSDと無線LANモジュール(Intel Wireless-N 7260)が実装されていた
photophoto(参考)試作評価機(Core i3-4010U+4Gバイトメモリ+500GバイトSSD+キャッシュSSD+英語版Windows 8 Pro)のWindowsエクスペリエンスインデックス
photophotophoto(参考)試作評価機のデバイスマネージャ画面


Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

管理を無茶振りされたサーバを守り抜け! Hardening One Remix開催

$
0
0

 「え、これ、めっちゃ古いバージョン入ってない?」「SSHの設定は変えておかないとまずいよねぇ」「さっきやられたから、修正して再起動して、もし次来たときには自動的に再起動するようにしておいたよ」……2013年7月6日と13日に開催されたセキュリティイベント「Hardening One Remix」。6日の競技会場では、参加各チームでこんな緊迫したせりふが飛び交った。

 Hardening One Remixは、「守る技術」「運用する技術」を競うセキュリティイベントだ。Web Application Security Forum(WAS Forum)の主催で、2012年に開催された「Hardening Zero」「Hardening One」に続く3回目の開催となる。イベントは、ECサイトを8時間に渡って管理し、その運用技術を競う「Hardening Day」と、各チームがどういった戦略に基づいてどんな取り組みを行ったか、プレゼンテーションしながら結果を振り返る「Softening Day」の2日に分けて行われた。

remix_ph00.jpg

「すまん、サーバ運用対応しといて」だって!?

 Hardening One Remixは、主に知識や攻撃するテクニックを競うCapture The Flag(CTF)とは異なり、与えられたWebサーバを攻撃から守り、安定して運用させる技術を競うコンテストだ。ルールも、CTFのように「書いていなければ何でもあり」ではなく、あらかじめ用意されている「社内ポータルサイト」相当のWebサイトに掲載されている運用ルールに従って進めなければならない。

 参加チームは、菓子類を販売するECサイト「Hardening Sweets Shop」の開発担当という設定だ。ある日、社長が運用チームにカキをごちそうしたら、みんなお腹を壊してダウン。急きょシステム運用を頼まれてしまった……というシナリオで、参加チームは十分な引き継ぎもないまま、与えられた情報をヒントに自力でシステム構成を調査し、どういう状態になっているかを読み解いて安定運用させなければならない。

 Webサーバやメールサーバ、データベースサーバやファイアウォールなど、Hardening Sweets Shopを構成するシステムは、情報通信研究機構(NICT)のエミュレーション基盤「StarBED」上に構築されている。

 用意されたサーバにはさまざまな脆弱性が残ったままだ。そこに、主催側のセキュリティ技術者らで組織する「kuromame 6」が、さまざまな攻撃やアクシデントを仕掛けてくる。Webサーバが立ち上がらなかったり、脆弱性を攻撃されてサービスが停止してしまうとECサイトの売り上げは上がらず、いい成績は収められない。

remix_ph05.jpg状況を見ながら攻撃などを仕掛けるKuromame 6

 しかも各チームには「社会人」としての振る舞いが求められる。メールによる問い合わせにどう対応すべきか、クレームにはどう答えるべきか、その際、現場でどこまで判断を下してもいいのか、適宜エスカレーションすべきか……そういったコミュニケーション能力や社内調整力も問われることになる。

 このようにHardening One Remixは、現実に起こりそうなシナリオの下、セキュリティ技術力に加え、オペレーション能力、コミュニケーション能力までを含めた総合的な「運用力」を競うイベントだといえる。

3回目ならではの工夫〜見える化の改善も

 3回目となる今回は、新たな評価基準として「繁盛指数」という数値を盛り込んだ。全サイトが均一の売り上げを上げるのではなく、脆弱性対策やユーザーへの情報開示など、やるべきことをきちんとやっているサイトほど「評判」が上がり、その分売り上げグラフの伸び方が変わる仕組みだ。

remix_ph02.jpgクローラの集計結果をグラフ表示。前回のシステムのバージョンアップだ

 その上で、成績の「見える化」にも力を注いだ。Hardening One Remixの成績は基本的に、Webサーバの稼働時間と繁盛指数に比例する「見込み販売力」で決まる。これを分かりやすく示すため、専用クローラで巡回した結果をグラフ化して表示したほか、レゴブロックで店舗の模型を作成し、物理的にも見える化した。各店舗のLEDは、Webサーバが起動すると点灯し、繁盛すればするほど点滅が早くなる仕組みとなっていた。

remix_ph03.jpgremix_ph04.jpg

 今回のイベントでは、新たに個人で参加できる「ピン枠」も設けられた。シナリオの中では、運用チームの中に飛び込んでくる「外部コンサルタント」の役割を担い、チームにさまざまな助言を行うほか、「インシデント報告書」をまとめ、提出する。セキュリティインシデントが発生すると急きょチームを組織し、そこに外部コンサルタントが入ってくるという現実の世界の流れをなぞった仕掛けだ。

 ピン枠の参加者の誰がどのチームに割り振られるかが分かるのは、競技当日。参加チームからは「事前に教えてもらえればよかったのに」という声もあったそうだが、WASForum Hardening Project実行委員長である門林雄基氏は「事前に伝えられるインシデントはない。現実には『早めの相談』などない」と述べている。

静かに熱い戦いが行われた会場

 Hardening Dayには、8チームが参加した。

 各チームともまず苦労したのは、与えられた競技環境の把握と、SSHポートフォワーディングによるStarBEDシステムへのログインだ。中には、なかなかサーバにログインできず、「これ何なんですかねぇ?」「入れないねぇ」と首をひねるチームもあった(後述するが、実はシステム設定不備によるトラブルだった)。

remix_ph06.jpgremix_ph07.jpg「何かがおかしい……」。頭をひねるチーム「bitter one」と「Whity」

 次に各チームが取り組んだのは、チーム内での情報共有だ。「はい、集合!」と声を掛けて口頭で確認するチーム、持ち込んだ模造紙にトポロジを書き込み、付せんを貼り付けていくチーム、あるいはGoogle DocsやサイボウズLiveなどのサービスを活用するチーム……方法はそれぞれ違えど、タスクを整理し、スムーズに進めていくために、各チームともコミュニケーションを重視していることがうかがえた。

remix_ph08.jpgremix_ph09.jpgディスプレイを見ながら真剣そのもの。「Team EJ」と「333」
remix_ph10.jpgremix_ph11.jpg写真を撮られていることも意に介せず、集中して取り組む。「Warp9」と「ぐるーす」

 競技は8時間という長丁場。昼食用に配布された「石巻爆速復興弁当」に箸を運ぶのもそこそこに、ディスプレイとにらみ合ったり、そのつど膝を突き合わせては口頭で確認し合ったりと、手を止めることなく真剣に取り組んでいた。

remix_ph12.jpgremix_ph13.jpg適宜集まっては情報共有を図り、またディスプレイとにらめっこ。お弁当を食べる手も止まりがちだ。「TEAM GTGT」と「コルセッツ」

 ちなみに、今回参加したチームはIT系企業、特にセキュリティサービスを担当する社会人が主体。中には、Hardening競技の最中に勤め先からかかってきた電話に対応し、適宜エスカレーションを行っていたチームや、並行して自サービスのバグ修正を行っていたチームもあった。

      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

TechTargetジャパン


コストパフォーマンス抜群のマルチプレーヤー、OPPO「BDP-103JP」

$
0
0

 米OPPO DigitalのBlu-ray Discプレーヤー「BDP-103」「BDP-105」が、4月下旬に日本専売モデル「BDP-103JP」「BDP-105JP」へと生まれ変わった。日本語オンスクリーンメニューが新たに用意されたほか、電源部も100ボルト仕様となり(BDP-105JP)、加えて無線LANアダプターが同梱(どうこん)されるなど、かなりのアップデートが行われている。逆に価格は大きく引き下げられ、実売予想価格で「BDP-103」が9万9800円から6万6000円前後へ、「BDP-105JP」が21万4800円から15万5000円前後へと変更、コストパフォーマンス的な魅力も大いに増してくれた。

 そこで、今回は2モデルのうち「BDP-103JP」にフォーカスし、その特長について探っていこうと思う。

ts_103oppo01.jpg「BDP-103JP」

 「BDP-103JP」は、Blu-ray 3Dを含む各種BD/DVD再生に加え、SACDやDVDオーディオまでをフォローし、4Kアップスケーリングや2D→3D変換機能などを搭載する最新のBDプレーヤーである。Marvell製の「Kyoto-G2Hビデオプロセッサー」を搭載し、各種ノイズリダクション処理や色補正、コントラスト補正などを行って映像を最適化。その画質は、さすが専用プレーヤーといった印象だ。

 しかし、この製品の価値を知っている人は、BDプレーヤーとしてだけでなく、別の使い方にも注目している。それは、“マルチプレーヤー”と呼んでもいい、オーディオプレーヤーとしての機能性の高さだ。

 再生方法は多彩だ。まず、USBメモリー再生に対応し、WAVやFLACはもちろん、話題のDSDファイルを再生することができる(DSDIFF形式およびDSF形式、2.8MHzまで)。ちなみにDSDについては、DVD-Rなどに焼いた“DSDディスク”による再生も可能だ。

ts_103oppo03.jpgts_103oppo07.jpg背面端子(左)と内部構造(右)

 また、意外に活用するのがネットワークプレーヤー機能だ。レコーダー内の録画番組やNAS内の音楽ファイル、しかもハイレゾ音源ファイルまで再生できるのは、なかなかに重宝する。さらにフロントパネルにはMHL対応のHDMI入力を備え、Android端末との親和性も向上。おかげで、たとえAVアンプが相当な旧モデルであっても、「BDP-103JP」が1台あればすぐに最新システムへとグレードアップすることができる。

 ユニークなのは、2系統のHDMI入力(フロント、リアに各1)を搭載し、デジタルボリュームやアナログ出力を備えているため、デジタルプリアンプとしても活用できることだ。システムによっては、AVアンプすら不要になる(=パワーアンプさえあれば良い)。こうした機能を盛り込みながら、6万6000円前後という価格を実現しているのにはただ驚くばかりだ。

ts_103oppo02.jpgts_103oppo05.jpg背面HDMI入力(左)と付属のリモコン。上部にボリューム上下のボタンがある(右)

      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「音楽で人をつなげるのがミクの原点」――コラボスマホ発売に向け、初音ミクのARライブ開幕

$
0
0

 NTTドコモは7月16日、初音ミクのAR(拡張現実)ライブイベント「HATSUNE MIKU AR STAGE」を開始した。同社が初音ミクとコラボしたスマートフォン「Xperia feat.HATSUNE MIKU SO-04E」の発売に向けたプロモーションの一環で、六本木ヒルズの「メトロハット」で7月21日まで(19時30分〜23時)毎日開催される。スマートフォンやPlayStation Vitaに専用ARアプリをインストールし メトロハットの外周にかざすと、初音ミクのARライブが楽しめる。

photophotophoto観賞推奨エリアから見たメトロハット(写真=左)。ソニー・コンピュータエンターテインメントの金丸義勝氏によると、「スマートフォンよりPlayStation Vitaのほうがより鮮明に見える」と言う(写真=中央)。正常にARコンテンツを認識すると、画面にカウントダウンが表示される(写真=右)

 「販促というよりは、お祭り。こけらおとしとして、このARライブをど派手にやりたいと思った」と、イベントの仕掛け人であるドコモの岡野令氏は言う。「これは、日本最大級の夜間屋外ARイベント。ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)に協力してもらったが、前例のないイベントで苦労も多かった」と説明する。ARライブを仕掛けた狙いについては、「音楽で人をつなげるのがミクの原点なので、ライブステージをやりたかった。ジョジョのコラボスマホもそうだが、既存のファン以外にも興味を持って欲しいという思いがある。いろんな人にミクを知ってもらうため、別のプロモーションも行っていく」と熱い思いを語った。

photo技術開発担当の金丸氏

 ライブでは、livetune作詞・作曲の「Packaged」が5分間流れ、10分おきに毎回同じステージを楽しめる。「メトロハット外周近くでの観賞は迫力があるが、ライブの全体像が見えない。観賞推奨エリアで見ることをオススメする」と、今回技術開発を担当したSCEの金丸義勝氏は説明する。今回のイベントでは、バーコードなしでも観賞できる「SmartAR」という技術を用いて、建物の外壁にARコンテンツを認識するマーカーを配置したということだ。メトロハットの屋根の上にミクが飛び乗って歌うなどの華やかな演出も用意した。イベントを観賞した先着1500人は、「Packaged」のリミックス曲ショートバージョンをダウンロードできる。

photophotophotoパズルが組み上がると初音ミクが姿を現し、ライブがスタートする
photophotoメトロハットの屋根の上でミクが歌い、踊る(写真=左)。空中移動する円盤形のステージの上で、ミクも動き回る(写真=右)

 また外周だけでなく、メトロハット内部の天井にも初音ミクのイラストがぐるりと貼られている。岡野氏によると、「奈良の大仏のように、どこにいてもミクと目が合う、まるでミクの体内にいるようなイメージ。髪の毛一本一本がクリエイターたちの作品になっている」と細部の作り込みについて説明した。

photophotoメトロハット内部天井にも初音ミクの大きなイラストがあり、エスカレーターでの移動中に観賞できる

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「Googleの有料サービスは順調」――Googleエンタープライズ部門トップ、シング氏

$
0
0
photo米Googleのアミット・シング氏

 Google日本法人は7月17日、都内で経営者向けイベント「Atmosphere Tokyo 2013」を開催。来日した米Googleエンタープライズ部門 担当社長のアミット・シング氏は、同社の企業向け有料サービスのユーザー動向や最新事例を紹介した。

 Googleは、企業向けオフィススイート「Google Apps」無償版の提供を2012年12月に終了するなど、有料サービスへのシフトに注力している。「企業向け有料サービスのユーザーは順調に増えている。今では“Fortune 500”の企業のうち、約58%がGoogleの有料サービスを利用している」とシング氏は話す。

 日本でも、ソフトバンクや全日本空輸(ANA)、クボタ、富士フイルムなど、多くの大企業がGoogleの有料サービスを使い始めている。例えば、クボタと富士フイルムは社員の情報共有/コミュニケーション基盤として有償のGoogle Appsを導入したほか、ANAは全社員3万3000人へのGoogle AppsとGmailの導入を進めている最中という。

 こうした流れは大企業だけにとどまらない。中堅・中小企業での導入社数はここ数年で急速に増え、今ではグローバルで約500万社がGoogleの有料サービスを利用しているという。「中堅・中小企業の場合は、既存のIT投資が少ない分、大企業と比べて早期に新しいシステムを導入できるのだろう」とシング氏はみる。

 同社はGoogle AppsやGmailをはじめとするSaaS(Software as a Service)型サービスのほか、インフラ分野のサービスにも注力している。例えば、同社が提供しているPaaS(Platform as a Service)の「Google App Engine」は、Googleが自社サービスのインフラとして使っているデータセンターリソースを、企業がWebアプリケーションのインフラとして使えるクラウドプラットフォームだ。

 「日本ではGoogleのクラウドプラットフォームがいち早く使われている」とシング氏。例えば、スマートフォン向けゲーム開発会社のアプリボットは、ゲーム開発・運用のインフラとしてGoogle App Engineを採用。ソーシャルゲームのユーザーから寄せられる秒間約700ものリクエストを、Google App Engine上でスムーズに処理できるようになったという。

 「2009年に社員わずか3人でスタートしたアプリボットは、今では120人を超える従業員規模でゲームアプリを開発している。だが彼ら自身は、サーバやネットワーク環境を全く意識していない。なぜならGoogleがサーバのメンテナンスやスケーリングを全て提供しているからだ。彼らは面白いゲームを作ることだけに集中すればいい」(シング氏)

photoGoogleのデータセンターの様子

 Amazon Web Service(AWS)など競合他社に対するGoogleのクラウドプラットフォームの優位点については、(1)Googleが自社サービスでも利用している高性能で拡張性の高いインフラを利用できること、(2)Google AppsやGoogle Chromeなど、複数のサービスをシームレスに組み合わせて利用できること——を挙げる。「AWSなど他社のサービスも含めてクラウド全体が盛り上がりをみせる中、Googleは開発者に“選択肢”を提供していく。AWSにもいいところはあるが、Googleならではの特徴をアピールしていく」とシング氏は話している。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「タブレット普及で、PCの重要度はさらに増す」──レノボの「PC+」法人市場戦略

$
0
0

タブレット共存のワークスタイル「さらに増すPCの重要度」、レノボが提案する法人市場戦略

photoレノボ・ジャパン 大和研究所の横田総一執行役員常務

 レノボ・ジャパンは7月17日、ビジネスノートPC「ThinkPad X240s」「ThinkPad T440s」および超小型デスクトップPC「ThinkCentre M93p Tiny」など法人向けクライアント全5シリーズを発表。製品群の紹介とともに、企業向け製品群においてもタブレット/スマートデバイスの需要が増えつつある現在、なおさらPCの重要性が増し、これら機器を使う場所に応じてシームレスに使い分けるとする同社のグローバル戦略「PC+」の考え方を改めて説明した。


photophotophoto第4世代Coreプロセッサーを採用した「ThinkPad X240」(12.5型)、「ThinkPad T440s」(14型)
photophotophoto超小型ボディの「ThinkCentre M93p Tiny」、グラフィックスカード2枚差しもサポートするSFFのデスクトップ「ThinkCentre M93p SFF Pro」、23型液晶一体型「ThinkCentre M93z All-In-One」

 Lenovoグループは2013年第2四半期の調査で初のPCシェアトップ(16.7%)を獲得。過去4年間で世界シェアおよび売上げが2倍、利益は4倍以上、2012年度は過去最高の業績を示すなど、PC事業が特に好調。PCに加え、より成長傾向にあるスマートデバイス(スマートフォン、タブレットなど)分野、当然法人市場も含む“PC+”の分野に今後積極的に投資する考えとする。

 「PCは2013年第2四半期でシェアトップとなったが、通年でのトップではなく、社内的には実はそれほどお祝い気分ではない。PCの通年トップシェア獲得はもちろん、成長するスマートデバイス分野も含めた“PC+”の市場でのトップシェア獲得こそが真のトップシェアだと思っている。また、ThinkPadシリーズは日本のレノボ大和研究所(横浜市)がリードして開発する製品群、そしてACアダプタの共通化やNEC米沢事業場での一部ThinkPad製造など、日本市場で協業するNECパーソナルコンピュータとのシナジー効果がエンドユーザーに分かる範囲でも出てきており、お互いに“PC+”の戦略を推進する。大和研究所+NEC PCの“チームジャパン”として、世界に対してどんどん発信したい」(レノボ・ジャパン 大和研究所の横田総一執行役員常務)

photophotophotoPCシェアトップとなったLenovoグループ。今後、PCだけでなくスマートデバイスも合計した「PC+」領域でさらなるシェア獲得を図る。法人ニーズに沿った「新しい働き方」を堅牢性+セキュリティ性を高めたThinkPad/ThinkCentreシリーズを軸に提案する計画

 特に法人市場においては「タブレット」の存在、そしてニーズの高まりが鍵の1つになる。オフィスワークならオールインワンノートかデスクトップ、外勤スタッフはモバイル──といったように1台ですべてをカバーする「シングルデバイスの働き方」から、オフィス、移動中、外出時なっど場所に応じて複数の機器を自然に使い分ける(使う機器を縛らない)「マルチデバイスの働き方」が主軸になると想定される。

 2017年にかけてタブレット市場は3倍強、法人市場に限れば2016年度に4倍近くまで伸びると予測され、“タブレットがあるのでPCは不要”とする考え方も聞かれる。ただ、こと法人/業務向け市場においては「逆に、PCの重要度が上がる」(レノボ・ジャパン ThinkClient Brand Managerの土居憲太郎氏)という。

photophotophotoある場所ではPC、別の場所ではタブレット──など使う場所に応じて自然に使い分ける「マルチデバイス」の働き方、Thinkシリーズで安心しして導入できると訴求。タブレットも有効的に併用することで、作業ミスを軽減→結果として生産性が向上する。つまり「生産/作成するためのPCの重要度はさらに増す」という考え方だ

 場所に適した機器を使うことで「見るコンテンツ」(タブレット向け)と「作るコンテンツ」(PC)、それぞれ適する役割・作業に注力でき、特に“作る”を主軸とするPCにおいて「ミスを軽減」できる、だから「生産性の向上につながる」という考え方だ。

 タブレットについては、“ThinkPadクオリティ”──特に法人ニーズに対する堅牢性とセキュリティ性能を備えた「ThinkPad Tablet 2」の引き合いが多数あるとし、先日発表したドコモのXi(LTE)対応モジュール内蔵モデル「ThinkPad Tablet 2 for DOCOMO Xi」を販売するNTTドコモ(法人営業部)も、「法人タブレットニーズに対し、軽く、薄く、頑丈。使い勝手も非常によいので、“間違いない方向”と認識している。タブレットに関する期待が非常に高まるっている現在、ドコモとしても注力して扱っていきたい」(NTTドコモ 法人営業担当の眞藤努取締役常務執行役員)と意気込む。モバイルデータ通信を外出時も利用できるエンドユーザー側の利便性向上に加え、MDMソリューションと連携したリモートロック/ワイプ機能など、機器紛失時のセキュリティ確保を実現する「企業管理者目線でのセキュリティ性」も向上できるメリットを特に強く訴求する考えだ。

 「企業が業務機器導入にあたり課題としているキーワードは、重量・起動時間・パフォーマンス・バッテリー動作時間・堅牢性、情報漏えい対策・シンクライアント環境・VPN環境・ウイルス対策・社内アプリ開発・RDT(リモートデスクトップ接続)・盗難防止対策・キーボードの操作性・社員教育──について。この重要キーワードのバランスをどう取っていくかが課題であり、小型、堅牢、パフォーマンス、すべてを妥協しない現在のThinkPadシリーズはそれぞれが高い次元でバランスが取れているのが大きな強み」(土居氏)

photophotophotoThinkPad/ThinkCentreシリーズは、機器そのものの機能・仕様に加え、マルチデバイス活用・連携のためのソリューション/ソフトウェアも標準で用意する。ThinkPad Tablet 2のLTE内蔵モデルは、企業管理者向けのセキュリティ対策もしっかり確保できる点が企業導入を推進しているという




Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「EOS 70D」を「EOS 60D」と写真で見比べる

$
0
0

 キヤノンの発表したデジタル一眼レフ新製品「EOS 70D」は、3年前に発表された「EOS 60D」(2010年8月発表)の後継に当たる。写真趣味層向けのミドルクラスエントリーという位置づけは前機種と変わらず、細部に至る強化が施されたモデルだ。

、特徴的なバリアングル液晶は60Dより継承しながら、撮像素子の高画素化(有効 2020万画素)や画像処理エンジンの進化( DIGIC 5+)、上位機種「EOS 7D」譲りの19点AFシステムなど、デジタル一眼レフカメラとしての基礎性能を向上させながら、スマホ連携を実現するWi-Fiや、新たなライブビュー/動画用AFシステム「デュアルピクセルCMOS AF」を搭載するなど、意欲的な新機能も搭載している。

photo「EOS 70D」(レンズは「EF-S18-135mm F3.5-5.6 IS STM」)

 バリアングル液晶を備え、全体的に丸みを帯びたデザインは前モデル「EOS 60D」を踏襲するが、並べてみると70Dのほうがやや四角い印象。細部に目をやると、ライブビュー/動画ボタンの形状や背面「MENU」「INFO」ボタンなどの位置は60Dより変更されており、全体としてのボタンレイアウトはフルサイズ機の「EOS 6D」に近い。

 ただ、背面の十時キーが一体となっているサブ電子ダイヤルは60Dより小さく、撮影モードダイヤルに用意されている項目の数そのものも少なくなっている。また、シャッターユニットは新開発されたもので最高シャッタースピードは1/8000秒。60Dに比べるとシャッター音も変化しており、やや高めの、キレのある音がする。

photophoto「EOS 70D」 前面(写真=左)、背面(写真=右)
photophoto側面
photophoto
photophoto左が「EOS 70D」、右が「EOS 60D」

 60Dでは「ポートレート」や「スポーツ」などが撮影モードダイヤル上に用意されていたが、70Dではこれらは「SCN」に含まれ個別の項目はメニュー画面から選択する形式に改められた。結果として、60Dでは撮影モードダイヤルに15の項目があったところ、70Dでは10項目になり、だいぶダイヤルがスッキリした。

 AFシステムが「EOS 7D」とほぼ同等の19点測距となった影響か、メイン電子ダイヤルの隣に測距エリア選択のボタンが設けられた。ボタンを押す度に「1点AF」「ゾーン選択」「19点自動選択」が切り替わる。

photophoto60Dに比べると項目が少なくなりスッキリした撮影モードダイヤル(写真=左)、電子ダイヤルとシャッターボタンの間にあるのが、70Dで新設された測距エリア選択ボタン(写真=右)

 メニュー画面は上部にタブがあるユーザーインタフェース自体に変化はないが、多重露出やHDR、Wi-Fiなど新要素が多く加わったためか、横方向の項目が60Dより増えている。ただ、撮影に関する設定は赤、再生に関する設定は青、カメラ本体全般に関する設定は黄色、カスタム機能設定はオレンジ、マイメニュー設定は緑という色による項目分けに変化はないので、項目が増えたとはいえEOSシリーズ製品の利用者ならば、触っていく内にほどなくして慣れると思われる。

photophotophotoメニュー画面。上部タブの数が60Dに比べて増え、設定項目が増えている。ISO感度に関する設定もより細かく施せるようになった
photophotophoto

 前述の通り、画像処理エンジンが「DIGIC 5+」になったこともあり、最高ISO感度は常用でISO12800まで向上している(60Dは常用最高ISO6400)。ISOオート時の感度設定についても60Dでは上限値の設定のみであったが、70Dでは上限/下限が独立して設定できるようになり、ISOオート時のシャッター速度限界値も設定できるようになった。そのほかファインダー内に簡易水準器を表示可能となっていたり、静止画撮影だけを取り上げても60Dからの強化・改良点が多く見受けられる。

 有効2020万画素のAPS-CサイズCMOSセンサーから得られる画質や、新たに搭載されたAFシステム「デュアルピクセルCMOS AF」の使用感などについては追って紹介する。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

「MeMO Pad HD7」は7型Androidタブレットの新スタンダードか?

$
0
0

ASUSから“コスパ抜群”の7型タブレットが登場

photoASUSの7型Androidタブレット「MeMO Pad HD7」

 「Nexus 7」を超える“コスパ”の7型Androidタブレットがついに登場か——。

 ASUSTeK Computer(ASUS)の7型Androidタブレット「MeMO Pad HD7」は、7型ワイド液晶ディスプレイを搭載したAndroidタブレットの新モデルだ。同社がCOMPUTEX TAIPEI 2013で発表した製品であり、約1カ月遅れて日本国内での発売が決定した。

 ASUSの7型Androidタブレットといえば、Googleと共同開発したNexus 7が人気だが、本機はNexus 7にはない500万画素のアウトカメラやmicroSDカードスロットを備え、Nexus 7よりも軽くて安いということもあり、製品発表会では会場から大きな歓声が上がった。

 グローバルでは16Gバイトモデルの価格は149ドルだが、円安の影響もあってか、日本での想定実売価格は1万9800円前後(税込み)となった。価格面のインパクトはやや弱くなったものの、注目モデルであることは間違いない。Nexus 7と比較しつつ、性能や使い勝手を検証していこう。

本体はカジュアルなデザイン、Nexus 7にない500万画素のアウトカメラも

 本体サイズは、120.6(幅)×196.8(高さ)×10.8ミリ(厚さ)ミリで、Nexus 7(幅120×高さ198.5×厚さ10.45ミリ)とほぼ同じだ。重量の公称値は約302グラムだが、実測値は307グラムとやや重かった。それでもNexus 7より30グラムほど軽く、両者を手にすると違いがすぐ分かる。片手で持っても苦にならない重さだ。

 一方で背面カバーは大きく異なる。MeMO Pad HD7は樹脂を採用しており、光沢仕上げでつるつるとした手触りだが、指紋がつきやすいところは気になった。片手での握りやすさや質感は、背面全体に滑り止めのディンプル加工を施したNexus 7のほうが上といえる。

photophotophotoMeMO Pad HD7とNexus 7のサイズはほぼ同じだが(写真=左、中央、筆者撮影)、背面カバーは大きく異なる。MeMO Pad HD7は樹脂を採用しており光沢が強い。写真のスプラッシュ・レモンは蛍光色のカラーが目立ち、Nexus 10よりポップな印象を受ける(写真=右、筆者撮影)

 カラーバリエーションはベリーベリー・ブルーベリー(ブルー)、ミルキー・バニラ(ホワイト)、スプラッシュ・レモン(グリーン)、ファンキー・ストロベリー(ピンク)の4色を用意する。特にピンクやグリーンは光沢のある蛍光色を使っており、華やかなイメージを演出している。ボディの光沢を抑えたNexus 7とは印象が大きく異なり、本製品は女性や若年層をターゲットにしていることがうかがえる。

「MeMO Pad HD7」と「Nexus 7」のスペック比較
機種名MeMO Pad HD7Nexus 7
OSAndroid 4.2.1Android 4.2.2
画面サイズ(解像度)7型ワイド(1280×800ドット)
本体サイズ(幅×高さ×厚さ)約120.6×196.8×10.8ミリ約120×198.5×10.45ミリ
重量(実測値)307グラム339グラム
CPUMediaTeck MTK8125 (クアッドコア1.2GHz)NVIDIA Tegra 3 (シングルコア1.4GHz/クアッドコア1.3GHz)
メモリ1Gバイト
ストレージ16Gバイト16/32Gバイト
通信機能IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0+EDR、NFC、3G機能
インタフェースUSB 2.0(Micro USB)、SDHC対応microSDカードスロット、ヘッドフォン出力USB 2.0(Micro USB)、ヘッドフォン出力
センサーGPS、電子コンパス、加速度センサー、磁気センサーGPS、電子コンパス、加速度センサー、磁気センサー、外光センサー
カメライン(約120万画素)、アウト(約500万画素)イン(約120万画素)
カラーバリエーションホワイト、ブルー、グリーン、ピンクブラック

 インタフェース類の内容や配置もやや異なる。縦位置で見て、電源ボタンと音量調整ボタンが右側面にある点は共通だが、MeMO Pad HD7は左側面にmicroSDカードスロットを搭載する。本体のストレージ容量が16Gバイトなので、microSDカードでストレージを拡張できるのはありがたい。欲を言えばSDXCに対応しているとなお心強かった。

 Micro USBとヘッドフォン出力の配置もNexus 7は下面中央であるのに対し、本機は上面右側となっている。通信機能はIEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0を利用可能で、センサー類はGPS、デジタルコンパス、加速度センサー、近接センサーを内蔵するなど一般的な7型タブレットとして不足のない仕様だ。Nexus 7が搭載しているNFCと外光センサーは非対応だ。

photophoto上面にはMicro USBポートとヘッドフォン出力を配置する一方で(写真=左)、下面にインタフェース類はない(写真=右)
photophoto左側面にはmicroSDカードスロットを(写真=左)、右側面には電源ボタンと音量調節ボタンを備える(写真=右)

 背面上部には500万画素のカメラがある。Android 4.xを搭載するような比較的新しい7型Androidタブレットにおいてはアウトカメラを搭載する機種が意外と少なく(MeMO Pad HD7はAndroid 4.2.1)、Nexus 7も非搭載だ。アウトカメラはオートフォーカスや1080pムービーの撮影に対応する。ディスプレイの上部にあるインカメラは120万画素だ。

 カメラアプリはシーン撮影やエフェクト機能などのメニューが豊富なので、写真にいろいろな効果をつけて遊べるのは楽しい。メインの音量を下げればシャッター音を消せるので、小動物を撮る、子どもの寝顔を撮るといった場面でも便利だ。

photophotophoto背面上部に500万画素のリアカメラを備える(写真=左、中央)。評価機の重量は307グラムだった(写真=右)
photophotophotoカメラアプリはシーン撮影やエフェクト機能などメニューが豊富で使いやすい
      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Intel決算、PC向け製品不調で4期連続の減収減益

$
0
0

 米Intelが7月17日(現地時間)に発表した2013年第2四半期(4〜6月期)の決算は、世界でのPC出荷が5期連続で減少する中、売上高が前年同期比5.4%減の128億1100万ドル、純利益は29.3%減の20億ドル(1株当たり39セント)と、4期連続の減収減益だった。1株当たり純利益、売上高ともに、アナリスト予測(40セント/129億ドル)を下回った。

 営業利益は27億1900万ドル、粗利益率は2ポイント増の58%だった。

 部門別では、PC向けMPUを扱うPCクライアントグループの売上高が8%減の81億ドル、サーバ向けプロセッサを扱うデータセンターグループの売上高が横ばいの27億4300万ドル、スマートフォンやタブレット、Netbookなどを扱うその他の部門の売上高は18%減の9億4200万ドルだった。McAfeeやWind Riverを含むソフトウェア&サービス部門の売り上げは4%増の6億1000万ドルだった。

 2013年第3四半期の見通しについては、売上高を135億ドルプラスマイナス5億ドル、粗利益率は61%プラスマイナス2ポイントと見込んでいる。2013年通年の予測は前回から下方修正し、売上高は横ばい、粗利益率は59%前後とした。

 5月に同社CEOに就任したブライアン・クルザニッチ氏は「(モバイル向けの)AtomとCoreプロセッサ、SoCの統合はIntelの未来だ。急成長するウルトラモバイル市場向けの最高の製品を作ることがIntelの最優先事項だ」と語った。

 Coreプロセッサは、韓国Samsung ElectronicsのGALAXYシリーズの10.1インチタブレット「GALAXY Tab 3」やWindows 8とAndroidのハイブリッドタブレット「ATIV Q」、台湾AcerのハイブリッドUltrabook「Aspire P3」などで採用されている。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


働き方の多様化にどう対処するか

$
0
0

非正規労働者が2000万人を突破

 総務省が7月12日に発表した2012年(平成24年)就業構造基本調査によると、パートやアルバイト、派遣、契約など非正規で働く人が約2043万人となり、初めて2000万人を突破した。役員を除く雇用者全体に占める比率も38.2%と過去最高を更新した。

 同調査は5年に1回。今回は全国47万世帯の15歳以上の約100万人を対象に昨年10月1日時点の就業形態を調べ、全体の状況を推計している。それによると、非正規労働者の比率はこの20年で着実に増えてきている(図1参照)

図1 非正規労働者の比率の推移(総務省「平成24年 就業構造基本調査より)図1 非正規労働者の比率の推移(総務省「平成24年 就業構造基本調査より)

 20年前の1992年(平成4年)の調査と比べると、非正規の比率は21.7%から38.2%へと16.5ポイント上昇した。人数では20年前の約1053万人から1000万人近く増加しており、つまりは20年でほぼ倍増したことになる。また、性別でみても男性が22.1%、女性が57.5%と共に過去最高の比率となった。

 こうした現象の背景には、産業構造の変化に伴って企業が人件費を抑えるために、正社員に代わって非正規労働者を増やしてきたことがあるとみられる。

 例えば、正社員の比率が高い製造業では生産拠点の海外移転などで雇用が減少する一方、パートの多い小売やサービス業で働く人の比率が高まっていることなどが挙げられる。女性の非正規比率が高いのは、そうした小売やサービス業でパートやアルバイトとして働く人が多いからだとみられる。

 同調査では、正社員だった人が転職する際に非正規になる傾向が強まっていることも示されている。過去5年の間に転職した人の雇用形態をみると、転職前に正社員だった人のうち40.3%が非正規になっている。この比率は、2007年(平成19年)の前回調査と比べると3.7ポイント上昇している。

 逆に非正規で働いていた人が転職したケースでは、正社員になったのは24.2%にとどまった。この比率は前回調査より2.3ポイント下がっている。つまり、非正規労働者が仕事を変える際に正社員になるのは、5年前より難しくなっているということだ。

 こうした現象に、今後どう対処していくか。マネジメントの観点からみても非常に重要な問題である。

雇用形態に翻弄されることなかれ

 こうした現象は日本経済にとっても大きな影響を及ぼすとして、政府においてこのところ雇用の流動化への対応に向けた議論が活発に行われている。その議論は、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」に則ったもので、環境や介護など、今後の成長が見込まれる分野に多くの人が就職するには、正規、非正規を含めた多様な働き方が必要、との考え方がベースにあるとみられる。

 そうした中で、政府がいま力を入れているのが「限定正社員」のルール作りだ。限定正社員とは非正規と異なる働き方で、勤務地や職務内容、労働時間などが限定されている正社員を指す。

 一般の正社員は転勤や配置転換、残業などがあるが、限定正社員は契約の範囲に限られる。例えば、特定地域での勤務とした場合、転勤する可能性はない。契約時間外の勤務もないため、子育て中の人などにとってメリットは大きい。給与は正社員と比べると低いが、福利厚生などについては正社員と同じなのが一般的だ。

 政府には、この限定正社員を増やすことによって、非正規労働者の待遇改善にもつなげたいとの思惑があるようだ。ただ一方で、限定正社員は仕事がなくなると解雇されやすくなるのではないか、と懸念する声もある。そうした懸念を払拭するためにもルール作りが急がれるところだ。

 こうした動きを踏まえて、筆者の思うところを述べておきたい。それは、非正規労働者にせよ限定正社員にせよ、マネジメントの観点から留意すべきなのは、雇用する側の論理を押し通すだけでなく、雇用される側に立った「働き方の多様化」や「働きやすさ」に十分配慮することではないか、ということだ。

 当然ながら、雇用する側にとって最も重要なのは、雇用した人の能力を最大限に引き出すことである。そのために、今後はこれまでにも増して、働き方の多様化や働きやすさへの対応が求められるようになる。そうでないと、これからは企業として立ち行かなくなると肝に銘じるべきだろう。

 雇用形態に翻弄されることなく、人材をどう見抜き、どう生かすか。その意味では、これからの時代は、より高度なマネジメントが求められることになりそうだ。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

“ストレージハック”――仮想環境を最大限に生かすには

$
0
0

 仮想サーバに接続しているストレージの動作は、ストレージを接続しているネットワークのパフォーマンスに深く影響を及ぼす。使用しているストレージが、サポートしている仮想マシン(VM)に対して最高の入出力(I/O)パフォーマンスを発揮していることを保証するのに役立つ10の方法を紹介する。

IBM決算、前期に続く減収減益だが通年予測は上方修正

$
0
0

 米IBMが7月17日(現地時間)に発表した2013第2四半期(4〜6月期)決算は、売上高が前年同期比3.3%減の249億2400万ドル、純利益は同16.9%減の32億2600万ドル(1株当たり2.91ドル)だった。約10億ドルのリストラコストなどを除いた非GAAPベースの1株当たり純利益は3.91ドル。売上高はThomson Reutersがまとめたアナリスト予測(254億ドル)を下回ったが、純利益は予測(1株当たり3.78ドル)を上回った。

 非GAAPベースの営業利益率は1.4ポイント増の49.7%だった。

 売上高を部門別でみると、テクノロジーサービス部門は4.5%減の98億2800万ドル、ビジネスサービス部門1.1%減の47億9500万ドル。ソフトウェア部門は3.1%減の71億6100万ドルだった。ハードウェアを扱うシステム&テクノロジー部門の売上高は11.9%減の38億9300万ドルだった。

 同社は2013年通年の予測として、非GAAPベースの1株当たり純利益を前回より0.2ドル引き上げ、16.90ドルとした。

 IBMは現在、大規模なリストラと並行して、データ分析、クラウドコンピューティング、Smarter Planetなどの高価値製品へのシフトを進めている。

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

海外のソフトウェア技術者が「阿吽の呼吸」を体得するには 〜オフショア開発とご近所付き合い〜

$
0
0
山浦恒央の“くみこみ”な話

 ソフトウェア開発で、最も人件費が高いのは米国と日本です(日本では1人月100万円、米国では1人月1万ドルといわれています)。生産性の改善には限度がある、というより、この40年間で生産性はほとんど上がっていません。ソフトウェア工学による生産性向上策に絶望した企業が、“特効薬”として飛び付くのが、インドや中国をはじめとした海外に発注する「オフショア開発」です(インドや中国であれば、日本の数分の1のコストで、高度な技術を保有するソフトウェア技術者を雇用できます)。

 オフショア開発の成否を分ける最大のポイントは何か。それは、異文化コミュニケーションの問題を解決することにあります。そこで、本シリーズでは「オフショア開発とコミュニケーション問題」を取り上げます。

 オフショア開発を経験した人がまず痛感するのは、“コミュニケーションの難しさ”です。取引先が外国人の場合、なかなか自国(日本)の開発プロセスを理解してもらえません。例えるなら、隣の家の住人や結婚相手の家族との関係みたいなものでしょうか。「同じ人間だし、付き合っていくうちに分かり合えるはず……」と思いながらも、多くの場合「何かが根本的に違う……」と自問する日々を過ごすことになるでしょう。

 シリーズ第3回となる今回は、異文化を体得するプロセス、すなわち、「異文化受容」について解説します。


1.カルチャーショック

 オフショア開発では、海外の技術者と実際に顔を突き合わせて開発する機会が急増します。オフショア開発に真剣に取り組む日本企業では、試行錯誤の末、“ブリッジエンジニア”を置くケースが増えています。例えば、インドに海外発注する場合、日本側の開発本拠地である東京オフィスにインド人スタッフを1人常駐させ、バンガロールにあるインドの実働部隊に日本人技術者を常駐させることも珍しくありません。また、現地技術者が仕様の打ち合わせで来日したり、日本のプロジェクトの一員として東京オフィスのプロジェクトに参画し開発したりする事例もよく見掛けます。もちろん、逆に日本人スタッフが現地に赴くことも少なくありません。

 筆者自身、ソフトウェア開発で合計9年間の滞米経験を持ちます。その経験からもよく理解していますが、海外赴任してすぐに異文化を受け入れ、そこに溶け込むことは困難です。実際、筆者が関わったプロジェクトでも、日米両国の技術者が大きなカルチャーショックやストレスを感じ、精神的に大きな打撃を受けた例を数多く見てきました。

2.日本では「OK」でも外国では「NG」……

 異文化障壁、あるいは外国人との意思疎通ができない原因の1つとして考えられるのが、「欧米人はYES/NOをはっきり主張するが、日本人はその答えを曖昧(あいまい)にする」点だと思います。

 その例として、シリコンバレーで働く、米国人のプロジェクトマネジャーと、日本人の技術者が昼飯を食べに行くシーンを考えてみましょう。

米国人プロジェクトマネジャー(以下、米管理者):今日はおごってあげるから食事に行かないか?[Why don't we eat out today? Let me buy you a lunch,OK?]


日本人の技術者(以下、日技術者):ありがとうございます。ぜひ行きましょう[That sounds great.Thank you very much,sir.]


米管理者:何か食べたいものある? [Well,what would you like to eat today?]


日技術者:何でも構いません[Ahm……,anything is OK for me.]


米管理者:うーん、じゃあ、寿司(すし)バーかイタリアンレストランのどっちがいい? [Well,then,would you like a Sushi bar or an Italian restaurant?]


日技術者:どちらでもいいですよ(本当に、どっちでもいいと思っている)[Seriously,either one is just OK to me.]


米管理者:(ちょっとムッとして)どっちかを選びなさい[Pick up which you prefer.]


日技術者:(機嫌を損ねたのかもしれないなぁ……)分かりました。では、寿司バーにしましょう[Well,I would like a Sushi bar,please.]


 欧米人とのやりとりの中で、幾つかの選択肢から1つを選ばねばならない場合、1つをはっきりと選択しないのは、相手の好意を無にする行為であり、極めて失礼です。一方、日本人同士でのやりとりで「私は寿司を食いたい!」と明確に主張することは、相手の意思を無視する行為であり、礼を失していると考えられてしまいます。特に、相手が目上の場合、自分の意見をはっきりと主張することは「出過ぎたマネ」であり、「はしたない」との思いがあります。その結果、相手に下駄(げた)を預ける「どちらでもいい」という日本的な回答になるのです。

image

 「どちらでもいい」「何でもいい」は、「そちらが目上ですから、何を選択していただいても構いません。どうぞ、そちらでご自由にお選びください。それに従います」という尊敬の気持ちの発露といえます。日本人同士であれば、この「奥ゆかしさ」や「謙虚さ」は、“阿吽(あうん)の呼吸”で無意識のうちに伝わりますが(というより、この謙虚さを相手に伝えねばならない状況が多くありますが)、こんな“内なるグニャグニャ問答”は外国人には一切通じません。ただし、この状況が発生した場所が日本国内であれば、全て日本流で進めるのが基本なので、この謙虚さが通じないのは、相手の落ち度となります(海外で発生した場合は、はっきり弁明しないこちら側の落ち度になります)。

 「郷に入っては郷に従え」という“ことわざ”のように、海外でのやりとりはその国の慣例に合わせるべきであると筆者は考えます(日本で起きたことなら日本流、海外なら現地流で進めるべき)。自社の開発プロセスを現地の海外他社に無理やり押し付けることは好ましくありませんし、強制してもその通りにやってくれません。また、契約でそうすべきだと縛り付けても、うわべは日本式を採用しているように見せ掛けますが、“その心”を理解していないため、効果は全く期待できません(補足1)。

 ちなみに、この章のタイトル「日本では『OK』でも外国では『NG』……」の「NG」という言葉は、海外では全く通じません。「NG」は和製英語です。「これは、NGですね(This is NG,I guess.)」と英語で言うと、相手は必ず「NGとは一体なんだ?(What the hell do you mean by NG?)」と聞き返してきます。「『No Good』の意味だ(NG stands for No Good.)」と説明してようやく分かってもらえます(ただし、「日本の方言」として理解するだけですが)。この「NG」のように「自国流は、自国では通用するが、海外ではダメ」であることを十分に理解すべきです。

補足1:かつて筆者が、シリコンバレーでソフトウェア開発をしていたときの話ですが、日本式の品質制御方式(コーディングが終了したら、テスト項目を設計してドキュメント化し、それを机上デバッグとマシンデバッグで消化する“ごく普通”のデバッグ手法)に従ってデバッグするように依頼したのですが、ある米国人技術者は、「そんな当たり前のテスト項目をわざわざドキュメント化するなんて、中学生じゃあるまいしレベルが低過ぎる。時間のムダだ。オレは、高度なテスト項目を頭の中で考えられる。それを実行すればバグを完全にたたき出せるんだ。オレは今までそのようにやってきた!」と言い張って、私たち発注側の指示を無視してデバッグし、バグだらけのプログラムを納入してきました……。



      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

海外のソフトウェア技術者が「阿吽の呼吸」を体得するには 〜オフショア開発とご近所付き合い〜

$
0
0
山浦恒央の“くみこみ”な話

 ソフトウェア開発で、最も人件費が高いのは米国と日本です(日本では1人月100万円、米国では1人月1万ドルといわれています)。生産性の改善には限度がある、というより、この40年間で生産性はほとんど上がっていません。ソフトウェア工学による生産性向上策に絶望した企業が、“特効薬”として飛び付くのが、インドや中国をはじめとした海外に発注する「オフショア開発」です(インドや中国であれば、日本の数分の1のコストで、高度な技術を保有するソフトウェア技術者を雇用できます)。

 オフショア開発の成否を分ける最大のポイントは何か。それは、異文化コミュニケーションの問題を解決することにあります。そこで、本シリーズでは「オフショア開発とコミュニケーション問題」を取り上げます。

 オフショア開発を経験した人がまず痛感するのは、“コミュニケーションの難しさ”です。取引先が外国人の場合、なかなか自国(日本)の開発プロセスを理解してもらえません。例えるなら、隣の家の住人や結婚相手の家族との関係みたいなものでしょうか。「同じ人間だし、付き合っていくうちに分かり合えるはず……」と思いながらも、多くの場合「何かが根本的に違う……」と自問する日々を過ごすことになるでしょう。

 シリーズ第3回となる今回は、異文化を体得するプロセス、すなわち、「異文化受容」について解説します。


1.カルチャーショック

 オフショア開発では、海外の技術者と実際に顔を突き合わせて開発する機会が急増します。オフショア開発に真剣に取り組む日本企業では、試行錯誤の末、“ブリッジエンジニア”を置くケースが増えています。例えば、インドに海外発注する場合、日本側の開発本拠地である東京オフィスにインド人スタッフを1人常駐させ、バンガロールにあるインドの実働部隊に日本人技術者を常駐させることも珍しくありません。また、現地技術者が仕様の打ち合わせで来日したり、日本のプロジェクトの一員として東京オフィスのプロジェクトに参画し開発したりする事例もよく見掛けます。もちろん、逆に日本人スタッフが現地に赴くことも少なくありません。

 筆者自身、ソフトウェア開発で合計9年間の滞米経験を持ちます。その経験からもよく理解していますが、海外赴任してすぐに異文化を受け入れ、そこに溶け込むことは困難です。実際、筆者が関わったプロジェクトでも、日米両国の技術者が大きなカルチャーショックやストレスを感じ、精神的に大きな打撃を受けた例を数多く見てきました。

2.日本では「OK」でも外国では「NG」……

 異文化障壁、あるいは外国人との意思疎通ができない原因の1つとして考えられるのが、「欧米人はYES/NOをはっきり主張するが、日本人はその答えを曖昧(あいまい)にする」点だと思います。

 その例として、シリコンバレーで働く、米国人のプロジェクトマネジャーと、日本人の技術者が昼飯を食べに行くシーンを考えてみましょう。

米国人プロジェクトマネジャー(以下、米管理者):今日はおごってあげるから食事に行かないか?[Why don't we eat out today? Let me buy you a lunch,OK?]


日本人の技術者(以下、日技術者):ありがとうございます。ぜひ行きましょう[That sounds great.Thank you very much,sir.]


米管理者:何か食べたいものある? [Well,what would you like to eat today?]


日技術者:何でも構いません[Ahm……,anything is OK for me.]


米管理者:うーん、じゃあ、寿司(すし)バーかイタリアンレストランのどっちがいい? [Well,then,would you like a Sushi bar or an Italian restaurant?]


日技術者:どちらでもいいですよ(本当に、どっちでもいいと思っている)[Seriously,either one is just OK to me.]


米管理者:(ちょっとムッとして)どっちかを選びなさい[Pick up which you prefer.]


日技術者:(機嫌を損ねたのかもしれないなぁ……)分かりました。では、寿司バーにしましょう[Well,I would like a Sushi bar,please.]


 欧米人とのやりとりの中で、幾つかの選択肢から1つを選ばねばならない場合、1つをはっきりと選択しないのは、相手の好意を無にする行為であり、極めて失礼です。一方、日本人同士でのやりとりで「私は寿司を食いたい!」と明確に主張することは、相手の意思を無視する行為であり、礼を失していると考えられてしまいます。特に、相手が目上の場合、自分の意見をはっきりと主張することは「出過ぎたマネ」であり、「はしたない」との思いがあります。その結果、相手に下駄(げた)を預ける「どちらでもいい」という日本的な回答になるのです。

image

 「どちらでもいい」「何でもいい」は、「そちらが目上ですから、何を選択していただいても構いません。どうぞ、そちらでご自由にお選びください。それに従います」という尊敬の気持ちの発露といえます。日本人同士であれば、この「奥ゆかしさ」や「謙虚さ」は、“阿吽(あうん)の呼吸”で無意識のうちに伝わりますが(というより、この謙虚さを相手に伝えねばならない状況が多くありますが)、こんな“内なるグニャグニャ問答”は外国人には一切通じません。ただし、この状況が発生した場所が日本国内であれば、全て日本流で進めるのが基本なので、この謙虚さが通じないのは、相手の落ち度となります(海外で発生した場合は、はっきり弁明しないこちら側の落ち度になります)。

 「郷に入っては郷に従え」という“ことわざ”のように、海外でのやりとりはその国の慣例に合わせるべきであると筆者は考えます(日本で起きたことなら日本流、海外なら現地流で進めるべき)。自社の開発プロセスを現地の海外他社に無理やり押し付けることは好ましくありませんし、強制してもその通りにやってくれません。また、契約でそうすべきだと縛り付けても、うわべは日本式を採用しているように見せ掛けますが、“その心”を理解していないため、効果は全く期待できません(補足1)。

 ちなみに、この章のタイトル「日本では『OK』でも外国では『NG』……」の「NG」という言葉は、海外では全く通じません。「NG」は和製英語です。「これは、NGですね(This is NG,I guess.)」と英語で言うと、相手は必ず「NGとは一体なんだ?(What the hell do you mean by NG?)」と聞き返してきます。「『No Good』の意味だ(NG stands for No Good.)」と説明してようやく分かってもらえます(ただし、「日本の方言」として理解するだけですが)。この「NG」のように「自国流は、自国では通用するが、海外ではダメ」であることを十分に理解すべきです。

補足1:かつて筆者が、シリコンバレーでソフトウェア開発をしていたときの話ですが、日本式の品質制御方式(コーディングが終了したら、テスト項目を設計してドキュメント化し、それを机上デバッグとマシンデバッグで消化する“ごく普通”のデバッグ手法)に従ってデバッグするように依頼したのですが、ある米国人技術者は、「そんな当たり前のテスト項目をわざわざドキュメント化するなんて、中学生じゃあるまいしレベルが低過ぎる。時間のムダだ。オレは、高度なテスト項目を頭の中で考えられる。それを実行すればバグを完全にたたき出せるんだ。オレは今までそのようにやってきた!」と言い張って、私たち発注側の指示を無視してデバッグし、バグだらけのプログラムを納入してきました……。



      1|2次のページへ

Copyright© 2013 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

Viewing all 17593 articles
Browse latest View live