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「ホントにチョー簡単なの?」 Eye-Fi Mobiをさくっと使う

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無線LANで画像を転送するEye-Fiカードを“手っ取り早く”使いたいの

kn_eyemobirvw_01.jpgダイレクトモードに特化して使いやすくなったという「Eye-Fi Mobi」

 「Eye-Fi」は、無線LAN内蔵のデジタルカメラ用メディアカードの先駆けとして登場した製品だ。本来は自宅などの無線LANアクセスポイントに接続して、デジタルカメラで撮影した画像を記録メディアカードから無線LANでPCに転送することを目的としていた。

 シリーズを重ねるに連れて次第に機能を追加していったEye-Fiでは、Eye-Fi View機能を導入し、撮影画像のすべてをEye-Fiのサーバに転送し、そこからさらに、PCやオンラインストレージなどへ画像を転送できるようになった。

 さらにアクセスポイント経由の転送だけでなく、直接PCに画像を無線LANで転送するアドホック接続にも対応した。しかし、こちらは、操作手順が複雑で、かつ、動作が安定せず、利用する機会は少なかった。

 続いて登場したのが「ダイレクトモード」だ。これは、Eye-Fiカードの無線LANをアクセスポイントとして起動し、そのアクセスポイントに接続したPCやスマートフォン、タブレットデバイスに画像を転送する機能だ。このモードを導入したことで、自宅の外にいて自分が使える無線LAN環境もモバイル無線LANルーターもない、といった状況でも、撮影した画像を直接スマートフォンに転送することが可能になった。

 ただ、ダイレクトモードはEye-Fiにとって“オプション”機能という位置づけで、初期設定ではオフになっていた。ダイレクトモードをオンにする場合、Eye-FiカードをPCに接続し、PCでユーティリティソフトの「Eye-Fi Center」からEye-Fiカードにダイレクトモードの設定を行う必要があった。また、Eye-Fiカードがアクセスポイントととして動作するため、接続するスマートフォンでアクセスポイントの設定を事前にしておく必要があるなど、利用するまでに手間もかかった。

 この使い始めるまでの設定が面倒なことを解消しようとしたのが、アイファイジャパンとNTTドコモの提携により生まれた「Eye-Fi Mobile X2 4GB for ドコモ」(Eye-Fiカード01)だ。ドコモのスマートフォン向けに、簡単な設定で使えるEye-Fiカードだ。

 従来のダイレクトモードとは、「ダイレクトモードが初期設定ですでにオン」「スマートフォンを使って設定ができる」という点で異なる。パッケージに付属するカードケースに記載した10ケタの英数字を入力することで、ダイレクトモードの設定が完了し、買ったその場ですぐに利用できるようになった。

 このEye-Fiカード01をベースにグローバル市場向けに改良したのが「Eye-Fi Mobiカード」だ。「ダイレクトモードが初期設定ですでにオン」「スマートフォンを使って設定できる」という点はEye-Fiカード01と同じだが、さらに「ユーザー登録不要」「ダイレクトモードのみ利用可能」「iOS対応」を追加した。

10桁の英数字を入力するだけの簡単設定

 購入したEye-Fi Mobiのカードケースには、10ケタの英数字を記載している。あわせて、スマートフォンやタブレットには、あらかじめEye-Fiアプリをインストールしておく。アプリのダウンロードはカードケースに記載しているURLから無料で行える。

kn_eyemobirvw_02.jpgカードケース裏面に記載している10ケタの英数字を入力する

 インストールしたEye-Fiアプリを起動すると、まずEye-Fi Mobiの認証で必要な「10ケタの英数字」を入力する画面を表示する。ここで、カードケース裏側にあった「10ケタの英数字」を入力する。そのまま画面の指示に従って作業を進めると、自動的にEye-Fi Mobiのダイレクトモードの設定が終了する。iOSの場合は、無線LANのプロファイルをインストールする形だが、設定自体は難しくない。Androidはそういった作業自体が必要ない。

kn_eyemobirvw_03.jpgkn_eyemobirvw_04.jpgEye-Fiアプリを起動すると、アクティベーションコードの入力を求めてくるので、ここでカードケース裏側にある10ケタの英数字を入力する。画面はiPad miniだが、Android版でも同様だ(写真=左)。iOSの場合は、無線LANのプロファイルをインストールすることで、無線LANの設定を自動で行う。Android版はこの作業そのものが不要だ(写真=右)

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「仕入れ値まだ変わらない」――それでも躍る“円高還元”の文字

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GeForce GTX 770カードが5000円引き!——ツクモ各店の“円高還元”特価セール

photoTSUKUMO eX.に貼られている「ビデオカード円高還元祭」のPOP

 6月14日から16日の3日間、ツクモ パソコン本店とDOS.Vパソコン館、TSUKUMO eX.で、7メーカーのグラフィックスカードを対象に、表示価格から10%値引きする「ビデオカード円高還元祭」を実施中だ。対象メーカーはASUSTeKとギガバイト、サファイア、ZOTAC、MSI、InnoVision、玄人志向。各ショップの売り場には、エントリーモデルからハイエンドモデルまで「10%引き」の札がずらりと張られている。

 すべての製品が1割引となるため、5〜6万円のGeForce GTX 770カードは5000〜6000円、10万円を超えるGTX TITANカードでは1万円以上値引きされる。TSUKUMO eX.は「これだけ幅広い製品を対象に10%引きするのは結構レアなので、そろそろ買おうかなと思っている人はぜひこの機会を利用してほしいです」と話していた。

 ただし“円高還元”といううたい文句についてはやや懐疑的なコメントも。「円相場は動いていますが、まだ全体の仕入れ値に影響を与える段階ではない気がします。うちの企画担当が、ノリで旬っぽい単語を盛り込んだんじゃないかと。たぶん便乗ですね」という。

 輸入品が多くを占めるPCパーツは、円高になるほど安く、円安になると高くなる。円安傾向が続いたここ半年はあらゆるパーツが値上がりしたが、それに比べれば最近の乱高下はまだ目立った影響を与えていないのが現状だ。某ショップは「上がったり下がったりが続いていたので、いまは業界的にとりあえず価格を据え置く傾向があると思います。加えて、多少の値動きなら代理店や店舗が吸収するので、傍から見るとあまり変動がないように見えるんじゃないでしょうか。まだそれを打破するほどの円高ではないですよ」と話していた。

 もちろん、それでも普段の1割引で買えることに変わりはない。グラボを買うなら今週末がチャンスなのは間違いない。

photophotoTSUKUMO eX. 5階のグラフィックスカードコーナー(写真=左)。少数ながら、GeForce GTX 680/670カードの在庫もまだある(写真=右)
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「投票行動分析にもビッグデータを」――Google、メディア接触と有権者の意識変化を調査

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 Google日本法人は、7月21日投開票の参院選について、テレビやネットへの接触が有権者の投票行動などにどう影響するか調べる「ネット選挙動向調査」を慶應義塾大学などの協力で実施する。メディア接触と意識変化の関連を調べ、企業のマーケティングにも通じる示唆を得たいとしている。

photo選挙情報への接触メディアなどでセグメント

 関東1都6県に住む20〜59歳の男女約2400人を対象に、視聴したテレビや閲覧したWebサイトを3カ月に渡りトラッキング。メディア接触のデータと選挙に関する複数回のアンケート結果を合わせ、同一の調査対象の政治への意識を継続的に調査する。接触したテレビ番組やWebページのテキストデータから、政治や選挙に関連する内容を機械学習で抽出し、政党や政策ごとにカテゴライズする。

 選挙に関するアンケートは、5月から選挙後の7月末にかけて計4回実施。支持政党、内閣支持、重視する政策などを共通質問とし、初回は昨年12月の衆院選の投票先、政治や経済に対する考え方などを、参院選後は今回の投票先、テレビ・ネット以外の情報源などを問うという。

 調査結果は8月末をめどに発表する予定。「ネット選挙によって有権者の政治関心が高まり、投票率は高まったか」「メディアの影響を受けやすい人と受けにくい人の特徴は何か」「投票先を決める際の各メディアの役割」などの仮説を検証する。

 インテージが展開する情報接触と消費行動の関連を調査する「インテージシングルソースパネル」(i-SSP)を活用。接触したメディア内容のテキストマイニング部分はブレインパッドが担当する。

photo慶應義塾大学大学院 曽根泰教教授

 プロジェクトの実行委員長で、アンケートや調査設計を監修する同大大学院 政策・メディア研究科の曽根泰教教授は「今までの世論調査と異なり、意識の変化に関わるメディア接触の部分を自動で記録できるため、同一人物の継続的な変化を見られる点が画期的。ネット選挙運動の解禁が、ビッグデータを政治学に活用する一歩になれば」と話している。

photoグーグル日本法人 巳野聡央さん

 Google日本法人 マーケットインサイト リサーチマネージャーの巳野聡央さんは「選挙はどんな大ヒット商品よりも多くの日本国民に関わる事象。メディア接触と意識変化のつながりを分析するためには、これ以上適切で画期的な対象はない。分析結果をもとに企業のマーケティングにも通じる示唆を得たい」としている。

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デジタル家電は“デフレ脱却”、BCN調査

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ts_bcn01.jpgBCNのアナリスト・道越一郎氏

 「PCとデジタル家電のデフレは終わった」。全国大手家電販売店のPOSデータを元にマーケティングデータを提供するBCNは7月10日、報道関係者向けの説明会でデジタル家電の販売動向を報告した。これによると、幅広い製品で販売価格は上昇傾向にあるという。ただし、販売台数は増えておらず、「不況下の物価上昇、いわゆるスタグフレーションの恐れも出てきた」(BCNのアナリスト・道越一郎氏)。

 道越氏はまず、日本の経済情勢は大きく好転しつつあると指摘する。「長期にわたる円高が株価に“ふた”をしていたが、株価の上昇で経済にも大きな影響が期待される。米NASDAQ指数と日経平均株価にはまだ乖離(かいり)があり、伸びしろもある」。ただし、昨年末からの円安でメーカーの部材調達や輸入コストが上がり、販売価格を上げざるをえなくなった製品もある。需要増加による値上げではなく、やむを得ない事情による価格上昇だという。

旧機種が安売りされる時代は終了?

 製品ごとに見ると、薄型テレビの平均単価は昨年3月を“大底”として上昇トレンドに変わった。2012年3月の平均単価は4万3100円だったが、直近の2013年6月には5万7500円にまで上昇。その要因としては、従来の「型落ち品を安売りして台数を稼ぐ」というスタイルがメーカーの方針転換により縮小していること、また販売構成比で40V型以上の大画面テレビが全体の3割を超える“大画面化”が進み、平均単価を押し上げたことを挙げた。

ts_bcn02.jpgts_bcn03.jpg単価上昇傾向が鮮明になった薄型テレビ(左)。レコーダーも薄型テレビほどではないものの回復傾向にある(右)

 とくに50V型以上の台数構成比は、昨年6月の5.2%から1年で9.3%へと4.1ポイント上昇。あわせてテレビ全体の“平均インチサイズ”は、2013年3月から一気に上昇をはじめ、6月には「32.8」と過去最大を記録している。これは4Kテレビの登場時期とも一致するが、道越氏は、「販売構成比で見ると4Kテレビは全体の1%未満にすぎず、価格上昇の要因とまではいえない。しかし、1つの方向性を示す象徴になった」とみる。

ts_bcn04.jpgts_bcn05.jpg画面サイズ別の構成比。大型化が顕著に(左)。平均インチサイズは32.8と過去最大を記録(右)

 同様に、PC分野でもWindows 8の登場以降、タッチパネル搭載機などの増加で価格は上昇傾向にある。デジタルカメラ分野でもコンパクトカメラの価格下落が落ち着く一方、高級なレンズ交換式やミラーレス一眼の相次ぐ発売で高価格帯にシフトした。

ts_bcn06.jpgts_bcn07.jpgデジカメ(左)やPC(右)も平均単価は大きく上昇した。ただし、販売台数はやはり伸びていない

 しかし、いずれのグラフも販売数量指数は伸び悩んでいる。「価格だけを見るとデフレは克服できたといえる。しかし、好景気を背景とする需要増が価格を押し上げたわけではない。市場はまだ脆弱(ぜいじゃく)な状況が続いている」と指摘する。

 「経済には上ブレ余地がある。それをいかに市場拡大につなげるかがデジタル家電の課題。これまでは価格を下げて需要を喚起していたが、それではもう戦えない。単なる機能の追加ではなく、その機能がどのような価値を生むかを考えていく必要がある」(道越氏)。

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デジタル画像を「上手に」「まとめて」管理できるか――ソニー「LLS-201」を試す

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 ソニーが今年1月に米国で行われた「2013 International CES」で発表、春に販売開始した1TバイトのHDDを搭載したホームサーバ「LLS-201」が、アップデートによってWi-Fi搭載のサイバーショット(ならびにα、Wi-Fiアダプタ装着ハンディカム)に対応した。

 デジカメやスマホで撮影した動画と静止画を、パソコンレスで管理鑑賞するセットトップボックス的な製品は、トレンドマイクロ「JewelryBox」やバッファロー「おもいでばこ」など既にいくつか登場している。LLS-201はNFCおよびWi-Fiのワイヤレス接続を積極的に採用したほか、DLANサーバやプレーヤー機能、積極的なスマホ/タブレット連携機能までも搭載した意欲作といえる。

photo“パーソナルコンテンツステーション”「LLS-201」

 本体は縦横約17センチの陶磁器の平皿のような形状をしており、いわゆるNASとは思えない形状だ。上面にNFCを搭載しており、NFC対応機器ならばはタッチするだけで収録されている動画と静止画を本体のHDDに転送できる。背面にHDMIとUSB端子、側面にSDカード/メモリースティックスロットを搭載しており、無線転送以外の手段でも本体HDDにデータを取り込める。

photophoto背面(写真=左)、側面(写真=右)

 本体には電源以外の操作ボタンは用意されておらず、利用に際してはスマホアプリ「PCS Manager」(iOS/Android)が必要となる。PCS Managerはスマホ/タブレットからの画像取り込み時に利用するほか、各種操作および本体の初期設定にも利用するため、スマホ/タブレットが手元にないと使えない。

 そのLLS-201でできることは大きく分けて3つ。

 さまざまなデバイスで撮影録画したデータの「保存」、HDMIやWi-Fi、DLNAなどをつかったマルチデバイスでの「再生」、各種SNSなどへのアップによる「共有」だ。ここでは主に各種デジカメやスマホで撮った写真を手間なく一元管理するために必要な「保存」についてを主に、LLS-201の使い勝手を見てみよう。

NFC対応スマホからの転送は快適

 保存については前述のように1TバイトのHDDを搭載しており、写真なら5万枚、動画ならば80時間分(写真:JPEG2.5MB/枚、動画:AVCHD 28Mbpsでの換算)の保存が行える。その方法は(1)NFCおよびWi-Fiダイレクトによるスマホからの無線転送、(2)Wi-Fiルーター経由での取り込み、(3)USB/メモリカードスロット経由での取り込みと3つが用意されている。

 (3)については特に説明する必要はないだろう。(1)のNFC利用についてはスマホ/タブレットがNFC対応しており、PCS Managerをインストールしておく必要があるものの、スマホ/タブレットを上面のNFCマークにタッチさせるとPCS Managerが起動し、Wi-Fi接続が自動的に確立し、画像/動画がLLS-201の本体HDDへ転送される。全転送とファイルを指定しての転送のほか、差分転送も設定できるので、スマホ画像の手軽なバックアップ機として機能する。

 NFCを利用した自動転送はオフにすることも可能で、その際の転送方法はNFC非対応の端末(iPhoneなど)と手順はほぼ同じ。スマホ/タブレットの端末側からLLS-201のSSIDを検索して接続、PCS Managerを起動するといった流れになる。

photophotophoto
photophotoiPhoneでの転送。LLS-201がWi-FiのAPとなっているので、そこへiPhoneを接続し、PCS Managerを起動するとスマホ内の画像を転送できる

 (2)はWi-Fi搭載のサイバーショットなどの画像を取り込む際に選択する方法だ。カメラとLLS-201を直接、無線接続することはできないので、Wi-Fiルーターを用意するほか、事前にUSBケーブルを使ったLLS-201とカメラのペアリング設定を行う必要がある。準備が整った状態で、カメラ側から転送(「パソコン保存」と表記される)を選択すれば、LLS-201へ撮影した画像が転送される。

photoサイバーショット「DSC-HX50V」からの転送中

 Wi-Fiでの転送に対応するデジタルカメラは、サイバーショット「DSC-HX50V」や「DSC-WX300」、ミラーレス機「NEX-5R」など同社製のWi-Fi搭載製品に限られており、なおかつ、LLS-201のファームウェアが「142-118-074」以上になっている必要がある。

 今回は手持ちのスマホ(iPhone 4SならびにAQUOS PHONE Xx 203SH)、“サイバーショット”「DSC-HX50V」、ミラーレスカメラ「NEX-5R」にて転送を試した。

photoPCS Managerの選択転送画面(iOS版)画面下のエリアが狭い

 NFC対応スマホからの転送はかなり快適で、iPhoneからの転送も無線LANのAP切り替えという手間こそあるものの、転送自体はストレスなく行えた。ただ、PCS Managerの画面デザインは基本的に差分転送を含む全バックアップを主としているようで、大量の写真から任意の1枚だけを選んでバックアップするような使い方には適さない。

 次にデジカメからの転送だが、カメラを操作してルーターへ接続する作業が必要となるほか、カメラ側のUIに依存するとはいえ今回試用した2製品については全ファイルの転送となるため、準備を含めてスマホ転送ほどの快適さはない。なにより、トータルしての所要時間を勘案すると、カメラからメモリカードを抜き出して、LLS-201のスロットに差し込んだ方が速い。無線転送自体はスマートな手段だが、転送速度や接続手段はもう少し洗練されて欲しい。

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Androidの脆弱性問題、Googleは8月までに対処か

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 GoogleのAndroidにアプリ改ざんに使われかねない脆弱性が発覚した問題で、米ラスベガスで開かれるBlack Hatカンファレンスで8月1日にこの脆弱性についての発表が行われることになった。Googleはそれまでにパッチをリリースして脆弱性を修正する見通しと伝えられている。

 この問題はセキュリティ企業の米Bluebox Securityが発見した。全てのAndroidアプリには、そのアプリが正規のものであることを確認するために暗号化署名が使われている。しかし今回見つかった脆弱性では、その署名を破ることなくAndroidアプリケーションパッケージ(APK)のコードを改ざんし、正規のアプリをマルウェアに変えることができてしまうとされる。

 セキュリティ企業Kaspersky Labのニュースサービス「threatpost」によると、この問題を悪用すれば、特定ファイルについて同じ名前で無害なファイルと不正なファイルを作成し、無害な方のファイルで署名チェックを通過させておいて、端末に不正なファイルをロードすることができてしまうという。

 threatpostがBlueboxの最高技術責任者(CTO)の話として伝えたところでは、GoogleはBlueboxに対して当初、90日以内(6月上旬)をめどにパッチをリリースすると説明していた。しかし現時点では、8月1日のBlack Hatでの発表前にパッチを公開するという説明に変わっているという。

 この問題をめぐっては、Blueboxが7月3日のブログで概略を公表したことを皮切りに、他の研究者などからも詳しい情報の公表が相次ぎ、コンセプト実証コードの出現も伝えられている。

 Symantecの9日のブログによれば、この脆弱性が意図的に悪用されたケースは現時点では見つかっていない。しかし、意図せずこの問題を突く形になっているアプリが大量に存在するという。こうしたアプリは全て、広く普及している特定の開発ツールが使われており、このツールに不正なAPKファイルに起因するバグがあるようだとSymantecは指摘している。

関連キーワード

脆弱性 | Android | Google | Androidアプリ


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Amazonも参入する仮想プライベートクラウドが流行る理由

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 クラウドコンピューティング市場の成熟に伴い、かつては付加的なものと考えられていたセキュリティやプライバシー、可用性などの機能を、サービス事業者が「仮想プライベートクラウド」(VPC)の一部としてデフォルトで提供し始めている。

 VPCは、サービス事業者のインフラ上で運営されるクラウドだが、他社のクラウドと切り離すことも可能だ。ネットワーク設定に関するユーザーの権限を強化したり、ロールベースのアクセスコントロールや仮想プライベートネットワーク(VPN)アクセスといったきめ細かいセキュリティ対策や可用性に関して、一般的なパブリッククラウドサービスよりも厳格なサービス品質保証契約(SLA)を提供することもできる。

 Amazon Web Services(AWS)は2013年3月、「Elastic Compute Cloud」(EC2)の新しいインスタンスについてはVPCをデフォルトのデプロイメントモデルにすると発表した。まずアジア太平洋(シドニー)と南米(サンパウロ)地域から開始する。

 「多くのクラウド事業者が提供してきた企業向けのサービスは、特にセキュリティとコントロールに関して、ひどいものだった」。AmazonのVPC上でバイオインフォマティックス研究の大規模プロジェクトを運営している米Social & Scientific Systemsの生物医学情報学責任者、ケネス・ホワイト氏はそう話す。

仕事で使う人こそ注目したい「iOS 7」の新機能

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 米Appleは「Worldwide Developers Conference(WWDC)2013」において企業向けの新機能を幾つか発表し、企業のIT部門のニーズに応える姿勢を示した。

 Appleのソリューションプロバイダーである米Tech Superpowersの創業者マイケル・オー氏は、「企業ユーザーをターゲットにした機能がそこかしこで紹介されていた。革新的な機能はなかったが、業務効率の改善に役立つ新機能が数多く見られた」と話す。

 まず、AppleのモバイルOSである「iOS」では外観デザインが刷新され、ほとんどのアプリケーションの古臭いイメージ(カレンダーアプリの合成皮革調の外観など)が一掃された。

 「古いデザインはビジネスユーザーをばかにしているような感じがする」とオー氏は指摘する。「それに比べると、『OS X Mavericks』と『iOS 7』のカレンダーは、ビジネスユーザーとコンシューマーの両方に好まれるデザインのように思える」


車載HUD市場が急拡大、新型「アクセラ」やGARMINのスマホナビ連携品も

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車載HUD市場が急拡大

 ドライバーが、自動車の運転中にカーナビゲーションの画面を確認するには、車両の前方から視線を外す必要がある。しかし、その一瞬に前方車両が急ブレーキを掛けたり、横から歩行者が現れたりすれば、ドライバーが反応できずに事故につながることもある。

 このようにドライバーが車両の前方から視線を外すことなく、カーナビゲーションなどの情報を確認できるようにするために用いられているのがヘッドアップディスプレイ(HUD)である。HUDは、フロントガラスや車両の前方を見通せる透明なスクリーンに情報を表示するシステムで、もともとは戦闘機のヘルメットに計器情報などを表示する用途に使用されていた。

 自動車向けでは、高級車の数十万円のオプションとして販売されるなど利用は限定されていたが、最近になって急激に低価格化進んでいる。

「サイバーナビ」のHUDユニットにはカーナビゲーション情報などが投影される「サイバーナビ」のHUDユニットにはカーナビゲーション情報などが投影される(クリックで拡大) 出典:パイオニア
HUDユニットの映像投影の仕組みHUDユニットの映像投影の仕組み(クリックで拡大) 出典:パイオニア

 その代表例となるのが、パイオニアが2012年7月に発売したカーナビゲーションシステム「サイバーナビ」のHUDユニットである(関連記事:なぜ映像が浮かび上がるの? 近未来のカーナビが登場した)。ドライバーの視線の前に設置したコンバイナーに、レーザー光源によるフルカラーの情報を投影し、ドライバーの眼から約3m前方に90×30cm(37インチディスプレイ)相当の大きさで表示するというものだ。HUDユニットの価格は10万円で、従来のものと比べてもはるかに安価だった。

 JVCケンウッドのカーナビゲーションシステム「彩速ナビ」も2013年5月に、独自開発したHUDユニットをセットにした製品を発表している。

 2013年7月8日(米国時間)には、PND(Personal Navigation Device)で知られるGARMINが、同社のスマートフォン向けカ—ナビゲーションアプリと無線接続で連携するHUDを発表している。サイバーナビや彩速ナビのように、大画面のフルカラー表示ができるわけではないものの、価格は129ドル99セント(約1万3000円)と極めて安価だ。

GARMINのスマートフォン向けカ—ナビゲーションアプリと無線接続で連携するHUDGARMINのスマートフォン向けカ—ナビゲーションアプリと無線接続で連携するHUD。フロントガラスに貼ったフィルムか、HUD本体の投影板に各種情報を映す 出典:GARMIN

 マツダが2013年秋に発売する新型「アクセラ」も、「ADD(Active Driving Display)」と呼ぶHUDを搭載する予定だ(関連記事:新型「アクセラ」は待望の小型「アテンザ」か、魂動+SKYACTIVにHUDも搭載)。ADDは、運転席のメーターフードの後ろに組み込まれており、エンジン始動と同時にポップアップして、車速やナビゲーションの路線案内表示などさまざまな運転情報を表示する。

新型「アクセラ」に搭載される「ADD」のイメージ新型「アクセラ」に搭載される「ADD」のイメージ(クリックで拡大) 出典:マツダ

 HUDの市場拡大と低価格化は、マイクロプロジェクター向けに開発された映像投影デバイスの小型化やコスト削減が後押ししている。例えば、Texas Instrumentsは、プロジェクターに広く利用されているDLP(Digital Light Processing)を車載用のディスプレイやHUDに展開する方針を表明している(関連記事:DLP技術の車載利用を目指すTI、センターコンソールとHUDのデモを披露)。

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「プリズム」は他人事ではない――あなたもしっかり監視されている

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相場英雄の時事日想:「プリズム」は他人事ではない——あなたもしっかり監視されている (1/3)

スノーデン氏が個人情報収集活動を暴露したことで、騒動は拡大の一途をたどっている。米国が日本大使館の通信を傍受していたとも伝えられる中、我々の個人情報はどうなっているのか。

[相場英雄,Business Media 誠]

相場英雄(あいば・ひでお)氏のプロフィール

1967年新潟県生まれ。1989年時事通信社入社、経済速報メディアの編集に携わったあと、1995年から日銀金融記者クラブで外為、金利、デリバティブ問題などを担当。その後兜記者クラブで外資系金融機関、株式市況を担当。2005年、『デフォルト(債務不履行)』(角川文庫)で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞、作家デビュー。2006年末に同社退社、執筆活動に。著書に『震える牛』(小学館)、『偽計 みちのく麺食い記者・宮沢賢一郎』(双葉社)、『鋼の綻び』(徳間書店)、『血の轍』(幻冬舎)などのほか、漫画原作『フラグマン』(小学館ビッグコミックオリジナル増刊)連載。ブログ:「相場英雄の酩酊日記」、Twitterアカウント:@aibahideo


 エドワード・スノーデン(30歳)……。連日、内外のメディアでこの人物の名前が出てくる。多くの読者がご存じの通り、彼は米中央情報局(CIA)の元職員であり、米国家安全保障局(NSA)の個人情報収集活動を暴露したことで一躍時の人となった(関連記事)。スノーデン氏の暴露以降、英国やフランスでも政府機関による通信やメールの傍受履歴が報じられるなど、騒動は拡大の一途をたどっている。米国が日本大使館の通信を傍受していたとも伝えられる中、我々の個人情報はどうなっているのか。

まるで『ボーン』シリーズ

 スノーデン氏関連のニュースに接したとき、私の頭の中である映画のワンシーンが浮かび上がった。

 マット・デイモンが元CIAのエージェントに扮し、国家の陰謀に立ち向かう『ボーン・アルティメイタム』(2007年ユニバーサル、ポール・グリーングラス監督)がそれだ。

 劇中、CIAの支局メンバーが世界中の通信網を傍受しているシーンが映る。この中で、特定のキーワードが傍受網に引っかかり、ストーリーが展開する。このキーワードは、米国政府が絶対に隠したい内容で、主人公がこの騒動に巻き込まれる、というもの。

 劇中では、米国が軍事目的で構築したと言われる通信傍受システム「エシュロン」が登場するが、実際のスノーデン氏によれば、これよりもさらに強力な「PRISM(プリズム)」というシステムが米国で運用され、不特定多数の個人情報がテロ抑止という大義名分の下で集められていたというのが今回の騒動の根源だ。

 私自身としては、「国家による通信傍受は多かれ少なかれあるだろう」という前提でみていたのだが、スノーデン氏が暴露した内容があまりにも具体的、かつ広範にわたるものだったので、先の『ボーン・シリーズ』を遥かに上回る“事実”に驚いた次第だ。

 「プリズム」の存在が明らかになって以降、英国やフランスの大手紙がそれぞれの国の通信傍受の履歴をスクープ。また、米国が日本など同盟国に対しても盗聴などの手段を用いていることも明らかになった。

 多くの読者の関心事は、日本でも同じような通信、メールの傍受がなされているのでは、という点ではないだろうか。

 ミステリー執筆を本業とする身の上故、あちこちのネタ元に聞いてみた。だが、日本にはCIAのような大規模な情報機関がないため、物理的に無理、という答えが大半だった。だが、1つだけ気になる声が寄せられた。

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液晶はライバル機より高画質か?――「Xperia Tablet Z」

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←・Xperia Tablet Z マニアックス(3):極薄ボディのスタミナは十分か?——「Xperia Tablet Z」

ソニーの極薄&防水タブレットは画質も抜かりなし

tm_1307xptz4_01.jpgソニーの10.1型Androidタブレット「Xperia Tablet Z」は、6.9〜7.2ミリ厚で約495グラムの超薄型軽量、しかも防水と防塵にも対応する。さらに液晶ディスプレイの画質にもこだわった

 本特集では、ソニーの10.1型Androidタブレット「Xperia Tablet Z」を詳細に検証していく。前回(第3回)は、“超”薄型軽量で防水防塵のボディを実現するため、バッテリー駆動時間が犠牲になっていないかをテストした。

 今回はソニーが薄型軽量化とともに注力したと聞く、液晶ディスプレイの表示品質を測定器(カラーキャリブレーションセンサー)でじっくり調べていこう。

 前回に引き続き、比較対象となる10型クラスのAndroidタブレットとして、前モデルの「Xperia Tablet S」(SGPT123JP/S)と、GoogleとSamsungが共同開発したハイスペックモデル「Nexus 10」を用意した。これらの液晶ディスプレイに関する仕様は下表にまとめた。

tm_1304xptz2_04.jpgtm_1304xptz2_05.jpgtm_1304xptz2_06.jpg左からソニーの新モデル「Xperia Tablet Z」、前モデル「Xperia Tablet S」、そしてAndroidタブレットのフラッグシップ機に相当する「Nexus 10」

今回テストした10型クラスのAndroidタブレット
製品名Xperia Tablet Z Wi-Fi (SGP312JP/B)Xperia Tablet S (SGPT123JP/S)Nexus 10 (16Gバイトモデル)
メーカーソニーソニーGoogle (Samsung Electronics製)
液晶ディスプレイ10.1型ワイド9.4型ワイド10.055型ワイド
画面アスペクト比16:1016:1016:10
液晶パネル方式IPSIPSIPS ※PLS
画面解像度1920×1200ドット1280×800ドット2560×1600ドット
画素ピッチ約224ppi約160ppi約300ppi
表面仕上げグレアグレアグレア

 画面サイズは、Xperia Tablet Zが一番大きな10.1型ワイド、Nexus 10がほぼ同じの10.055型ワイド、Xperia Tablet Sがわずかに小さな9.4型ワイドだ。いずれも画面のアスペクト比は16:10、液晶パネルは広視野角のIPS方式、ディスプレイ表面はガラスが貼られたグレア(光沢)仕上げを採用している。

 3機種で最も異なるのは、画面解像度と画素密度(表示の細かさ)だ。Xperia Tablet Zは1920×1200ドットで約224ppi、Xperia Tablet Sは1280×800ドットで約160ppi、Nexus 10は2560×1600ドットで約300ppiとなる。Xperia Tablet Zは、通常の使用距離でドットをほとんど認識できないほど表示が細かい。Xperia Tablet Sの解像度では、さすがにドットの粒がはっきり分かる。Nexus 10は非常に精細でドットを意識することがない。

tm_1307xptz4_02.jpgtm_1307xptz4_03.jpgtm_1307xptz4_04.jpg約230倍のマイクロスコープで拡大表示したディスプレイ表面。Xperia Tablet Z(画像=左)、Xperia Tablet S(画像=中央)、Nexus 10(画像=右)を見比べると、画素形状とドットの細かさの違いがよく分かる(3製品は表面ガラスからディスプレイ表示面までの厚さが少々異なるため、厳密なサイズ比較ではない)

キャリブレーションセンサーで内蔵ディスプレイの表示を計測

 まずはエックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」を使って、各製品のディスプレイ表示を計測した。i1ProはAndroid OSに対応しないため、各タブレットにWindows PCの外部ディスプレイとして利用できるアプリを導入し、PC用ソフトウェア「i1Profiler」からi1Proをコントロールすることで、タブレットの内蔵ディスプレイを計測している。

 なお、今回テストしたのは各製品につき1台ずつの評価機で、個体差を考慮していない点はお断りしておく(ロットによって液晶パネル自体の型番が異なる可能性もある)。

 テスト結果は下表の通りだ。計測に使ったi1Proは、実際の輝度より少々低めの値を出す傾向があるので、輝度の値は各製品の明るさの比較用として参考程度に見ていただきたい。また、ここでのコントラスト比は一般的なディスプレイのコントラスト比計測方法と異なり、単純に最大輝度と最低輝度の差だ。

i1Proで計測した各製品の最高輝度、コントラスト比、色温度
製品名Xperia Tablet Z Wi-Fi (SGP312JP/B)Xperia Tablet S (SGPT123JP/S)Nexus 10 (16Gバイトモデル)
輝度317カンデラ/平方メートル413カンデラ/平方メートル382カンデラ/平方メートル
コントラスト比812:1811:1742:1
色温度6207K6251K7288K
x座標0.3170.3170.302
y座標0.3390.3340.318
※xとyの値はCIE XYZ表色系(CIE 1931)のxy色度図における座標

 Xperia Tablet Zは3機種の中で最も輝度が低いが、それでも300カンデラ/平方メートルを超えており、室内で利用するには最大輝度設定でまぶしいほどだ。内蔵の照度センサーを利用した自動調光機能を備えているので、通常はこれを使うことで、明るさと消費電力、目にかかる負担のバランスを自動で調整してくれる。Nexus 10やXperia Tablet Sはかなりの高輝度で、見比べても明るさが大きく違う。屋外など非常に明るい場所での視認性で有利となる。

 色温度については、Xperia Tablet ZとXperia Tablet Sで6200K程度を記録しており、業界標準の色規格「sRGB」で定められている色温度(6500K)に近い。Nexus 10はそれより1000Kほど色温度が高い結果となった。色温度が低いと、白色の表示が黄から赤みがかって見え、高くなるにつれて青っぽく変化する。つまり、Xperia Tablet ZとXperia Tablet Sはわずかに赤っぽいがほとんど自然な表示、Nexus 10は少し青っぽい表示だ。

 i1Proの計測結果からガンマ補正カーブを抜き出したのが以下の画像だ。グラフは映像信号の入力と出力の関係を示しており、左下の0(白)から右上の255(黒)まで、R(赤)、G(緑)、B(青)の各線が重なってリニアな直線を描いていれば、グレーバランスが正確で階調の再現性が高い。RGBの各線がずれると、映像信号の色とズレた色が表示されたり、美しいグラデーションが描けなくなる。

tm_1307xptz4_05.jpgtm_1307xptz4_06.jpgtm_1307xptz4_07.jpgi1Proの計測結果から抜き出したガンマ補正カーブ。Xperia Tablet Z(画像=左)、Xperia Tablet S(画像=中央)、Nexus 10(画像=右)のグラフ
tm_1307xptz4_08.jpgtm_1307xptz4_09.jpg参考までに、以前計測したiPad Retinaディスプレイモデル(色温度は6761K、画像=左)と、iPad mini(色温度は6834K、画像=右)のグラフも再掲した

 計測後のガンマ補正カーブを見ると、どれも大きく乱れているものはない。特に優秀なのがXperia Tablet Sで、RGBの3本がほとんど重なって直線を描いた。Nexus 10、iPad Retinaディスプレイモデル、iPad miniは、少しずつ細かいズレが見られるが、全体的には整っている。

 肝心のXperia Tablet Zは、黒から50%グレーくらいまで素晴しい結果だが、そこから明るくなるにつれて青がやや下方向へ補正された。つまり、標準状態では中間階調から明部で青が少し強めに出る傾向にあるが、それ以外は問題ない。どれもタブレット内蔵のディスプレイとしては比較的良好な結果といえる。

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Googleグループに残る「非公開のつもり」のメーリングリスト 公開範囲設定に注意を

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画像Googleグループの開設画面。アクセス権限は「基本的な権限」メニューで設定できるが、「ネット上で誰でも閲覧できる状態」を、「トピックを表示 ユーザーのグループを選択 すべてのユーザー」というメニューで表すなど、分かりづらい表現になっている

 Googleが提供する掲示板/メーリングリストサービス「Googleグループ」で、環境省が機密情報を誰でも見られる状態で共有していたことが分かり、省内の規定違反に当たるとして問題になった。Googleグループはデフォルトで投稿内容がネット全体に公開される仕様になっており、現在も公開を意図していないとみられる情報が散見される状態だ。企業などが情報流出などのリスクを負う恐れもあるとして、セキュリティ専門企業が注意を呼び掛けている。

 Googleグループは、テーマに応じた掲示板を作り、情報共有できるサービス。掲示板への書き込みはメールかWebから可能で、更新情報はその都度メールで届くため、メーリングリストのようにも使える。

 掲示板の公開範囲は、開設時には「基本的な権限」メニューで設定できる。「トピックを表示」のうち、「ユーザーのグループを選択」から「すべてのユーザー」のチェックを外せばグループメンバーに限定されるようになる。

 デフォルトでは「すべてのユーザー」にもチェックが入っているが、ここでいう「すべてのユーザー」とは事実上「すべてのネットユーザー」であり、ネット全体に公開されることになる。開設後も「管理」メニューから「権限」にアクセスすることで変更でき、アクセス権限の設定も可能だ。

画像アクセス権限の設定変更は、グループの画面トップ右下の「管理」メニューから「権限」にアクセスして行う。比較的目立つ位置にある設定アイコンからはアクセス権限変更画面に行けないなど、メニューのありかも分かりづらい

 設定メニューの文言が分かりづらいこともあり、非公開だと思い込んで利用を始めるユーザーも多いようだ。10日に環境省の情報漏えいに関する報道があって以降、掲示板の公開設定を見直す管理者は増えているようだが、11日現在も、公開を意図していないとみられる情報が数多く公開されている。社内のグループや大学のゼミ、サークル、PTAのメーリングリストなどが目に付く。

 セキュリティ専門企業のラックは、Googleグループが「広く企業に対して情報セキュリティリスクにつながる可能性がある」とし、公開範囲を限定する方法をWebサイトで詳しく解説している。

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iPhoneとつながる電動バイク、燃料代はガソリンよりも安価

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 電動バイクを開発・販売するベンチャー企業のテラモーターズは2013年7月10日、「iPhone」と接続して利用できる電動バイク「A4000i」を発表した(図1)。このような機能を備えた電動バイクの量産としては世界初だと主張する。2015年末まで全世界で10万台を販売する計画だ。電気で動くことで、燃費がよく、走行に必要な出費がガソリン式のスクーターよりも少ないことをうたう。特に東南アジア新興国での需要を狙う。国内の価格は45万円(充電器込、税込)。

yh20130711Terra_bike_374px.jpg図1 電動バイク「A4000i」。全長1790mm。車重118kg。出典:テラモーターズ

 ハンドル中央部にiPhone(3G/3GS/4/4S/5)を接続するためのコネクタを備えている。電動バイクが内蔵するバッテリー(蓄電池)の残量や、走行時の電力消費などを表示できるほか、iPhone経由でクラウドデータベースにアップロードできる(図2)。同社はこのデータを使った営業車管理、配車管理、シェアリングターンキーソリューションなどのサービスを企画しており、一般消費者向けにはお勧め情報提供サービスなどを考えている。

yh20130711Terra_connection_321px.jpg図2 電動バイクにiPhoneを接続したところ。出典:テラモーターズ

 A4000iの燃料コストの試算も示した。1日当たり20kmで5年間走行した場合、同クラスのガソリン式スクーターと比較して、約11万円出費が少ないという。充電に必要な電力量が約2kWhであり、東京電力の朝得プランの夜間電力で充電すると、燃費40km/L、ガソリン代が142円/Lの場合と比較して、燃費が10分の1に抑えられるという主張だ。

 A4000iは1充電当たり、約65km走行可能なリチウムイオン蓄電池(1920VAh)を内蔵している。蓄電池により最高速度65kmで走行可能。蓄電池の寿命は、約5万kmが走行可能な長さであるという。一般的な電動バイクの蓄電池とは異なり、座席下の格納位置から簡単に取り外すことができるため、充電設備がない場合でも家庭用の交流100Vで充電できる。充電時間は約4.5時間。

 なお、iPhone接続機能を持たない「A4000」も同時に発売する。

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携帯電話4社、緊急地震速報に“声”の警報音を導入

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 NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセスの携帯電話4社は7月11日、「緊急地震速報」の警告音に、現在のブザー音に加えて声を使った警報音を順次導入すると発表した。

 ブザー音の後に「地震です」という音声を付け加えることで、緊急地震速報のブザー音を知らない人でも地震の発生に気が付くようになる。

 気象庁が実施した行動調査では、従来のブザー音だけでなく声による警告の要望も高いことが分かったため、各社が対応する。詳細な導入時期・対応機種は、今後案内されるという。

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宮城県多賀城市、CCCとの連携で2015年夏に新・市立図書館オープンへ

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tnfigtt0.jpgCCC代表取締役社長増田宗昭氏と宮城県多賀城市の菊池健次郎市長

 7月11日、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)代表取締役社長増田宗昭氏と宮城県多賀城市の菊池健次郎市長が「東北随一の文化交流拠点の整備」に関する共同記者会見を東京・代官山の蔦谷書店で開催。同市内への蔦谷書店の出店、および、JR多賀城駅前に図書館を中核に据えた文化交流拠点を2015年夏にオープンする予定を明かした。これはCCCが手がける佐賀県「武雄市図書館・歴史資料館」に次ぐ2例目の事案となる。

tnfigtt1.jpg新図書館イメージ図

 共同記者会見で菊池市長は、古くから「遠の朝廷」などと呼ばれてきた多賀城市を紹介。これまで約40年にわたりJR多賀城駅周辺の中心市街地整備事業に取り組んできたが、東日本大震災で市域の3分の1が津波で浸水するなど甚大な被害を受け、そこからの復興に取り組んでいると話す。菊池氏は同事業を震災復興のシンボルと位置づけ、多くの市民が集い、交流できる“誇りとなる場所”にしたい考えを説明。代官山蔦谷書店にみられるような本の価値を中心に据えた文化発信、文化提供のインフラ作りを行うCCCの取り組みは、「文化活動の高まりが、豊かなまちをつくる」という自身の信念と通じるものがあり、今回の連携に至ったのだと話した。

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 増田氏は4月にオープンした佐賀県武雄市の図書館について、来館者数などの数字を公開。それによると、オープンから3カ月で来場者は26万4000人、貸出冊数は14万9000冊に達したという(前年実績はそれぞれ6万1000人、7万7000万冊)。利用者全体の57.4%が新規利用者であると取り組みへの自信を見せた。

 今回CCCは建築コンセプトから参画。“もう1つの家に帰る”ような感覚で、家族が一日中楽しめる公共施設の実現を目指す。増田氏は「空間的には家、機能的にはインスパイアされるものを」と話し、多賀城市において、文化が人と人を繋ぐ施設を企画会社として実現に協力したいと述べた。また、武雄市図書館ではできなかった「食をやりたい」と話し、施設内に食事ができる場を設けたいという。

 現時点では、オープン後の運営をCCCが行うかなどの詳細は決まっておらず、相互に合意した事項を実施していく考えであると両氏。図書カードとしてのTポイントカードの利用などについても未定としたが、増田氏は武雄市図書館ではTポイントカード選択率が95.8%であると付け加えた。

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tnfigtt4.jpgtnfigtt5.jpgtnfigtt6.jpg

 また、こうした図書館の企画運営により、書店や出版社との関係はどのように考えているか聞かれた増田氏は、TSUTAYAの年間販売額を紹介しながら「本は一番売っている自負がある」とし、また現在、年間で雑誌やコミックを除く書籍が約7億冊販売されているのに対し、図書館での貸し出しは約7億2000万冊、さらに古本としても6億3000万冊が販売されているというデータを示しながら、そうした豊かな読書文化を広くとらえ、文化提供のインフラとして役目を果たしていきたいとした。

 「新作や雑誌は(施設内で)販売もしたい。また、(施設がオープン予定の)2015年には進んでいると思われるコンテンツのデジタル化についても対応していけるようにしたい」(増田氏)

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「クラウドという成長の船に乗ろう!」 米Microsoft・ターナーCOO

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 7月10日(現地時間)、米Microsoftがテキサス州ヒューストンで開催する年次カンファレンス「Microsoft Worldwide Partner Conference(WPC) 2013 Houston」は3日目を迎えた。午前中のキーノートにはケビン・ターナーCOO(最高執行責任者)が登壇。今年度の具体的なビジネス戦略を語るとともに、パートナー企業との協力関係の重要性を改めて訴えた。

米Microsoftのケビン・ターナーCOO。パートナーからの人気も高い米Microsoftのケビン・ターナーCOO。パートナーからの人気も高い

 「昨年のWPCの場でパートナーの皆さんに誓ったことが4つある」——。ターナー氏は冒頭でこう切り出す。1つ目は「Office 365」をはじめとするクラウドサービスで勝つこと、2つ目は「Windows 8」を利用可能な形にしてアプリケーションをドライブさせること、3つ目は顧客満足度を向上させること、4つ目は巨大なイノベーションの波に乗ることだ。

 Microsoftのクラウドサービスの現状を見ると、コンシューマー領域では、Webポータルサイト「MSN」が4億6000万以上のユーザー、エンタテインメント向けオンラインサービス「Xbox Live」は4800万人の会員、インターネット音声通話サービス「Skype」は全世界のモバイルトラフィックの3分の1を占めるほか、メールサービス「Outlook」は4億人以上のユーザーを抱え、オンラインストレージサービス「SkyDrive」は2億5000万人以上の利用者がいる。また、エンタープライズ領域に関しては、Office 365が前年比で5倍の売り上げ、「Microsoft Windows Azure」の収益が150%増となったという。「まさにクラウドで勢いづいているといえるだろう」とターナー氏は自信を見せる。

 Windows 8については、全世界で15億人が毎日活用するWindowsを新たなプラットフォームに変革した。具体的には、PC、タブレット、スマートフォン、Xbox TVのいずれでもタッチ操作を最優先にしたユーザーエクスペリエンス(UX)を提供、ディストリビューションモデルの増加、ARM系CPUに対応、2タイプのSurfaceタブレットを販売、OEMエコシステムを再定義、顧客からのフィードバックをWindows 8.1に反映、といった取り組みを矢継ぎ早に行った。

 特にWindows 8.1については、「単なるサービスパックではなく、まったく完全な製品といえる。新しいwindowsを1年以内にリリースしたということだ」とターナー氏は力を込める。

「2013年度はパートナーに支えられて革新的な製品、サービスを数多く打ち出すことができた。おかげで4つの大きな目標を達成できた」(ターナー氏)

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7型/10.1型のAndroidタブレット「Diginnos Tablet」が登場

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 サードウェーブデジノスは7月11日、Androidタブレット端末「Diginnos Tablet」シリーズ2機種を発表、同日より予約販売を開始した。ラインアップは、7型ワイド液晶を搭載する「DG-D07S」と10.1型ワイド液晶を搭載する「DG-Q10S」の2モデルで、価格は順に1万2980円、1万9980円。7月24日に店頭発売する。

 Diginnos Tabletは、ドスパラ20周年を記念して発売され、1万円を切る価格で注目を集めた「ドスパラタブレット」の後継モデルだ。

 サードウェーブデジノスの大塚氏は、ドスパラタブレットのヒット要因としてコストパフォーマンスの高さなどを挙げ、「もともとドスパラで商品を購入する層は、厳しい選択眼を持つ一方で、遊び心も理解している方が多い。(ドスパラタブレットが)技術的好奇心をくすぐる製品だったこともヒットの要因。液晶ディスプレイの品質でご迷惑をおかけすることもあったが、返品対応後も販売自体は順調だった。実際にお店で手にとってもらい、価格に見合う製品だとご評価いただけたのだと思う」と述べた。

 「今回投入する新モデルも、価格以上の性能・機能を備えた“遊べるタブレット”という方向性を引き継いだ。円安もあって1万円を切ることはできなかったが、性能を向上しながらなんとかこの価格を実現できた。“目利き”のユーザーに満足してもらえると思う」(同氏)。

約272グラムの7型モデルと、クアッドコアSoCを採用した10型モデル

og_diginnos_002.jpgDG-D07S(手前)とDG-Q10S(奥)

 7型ワイドのDG-D07Sは、従来より一回り大きい1280×800ドット表示の5点マルチタッチ対応液晶ディスプレイを搭載する。CPUには、1.2GHzで動作するデュアルコアのRockchip RK3168(Dual Core Cortex-A9+PowerVR SGX540)を採用。1Gバイトメモリと8Gバイトのストレージを備える。OSはAndroid 4.2だ。

 インタフェースは、microSDメモリーカードスロット(microSDHC対応)、miniHDMI、Micro USB、ヘッドフォン出力など。無線機能としてIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth V2.1+EDRを搭載するほか、前面約30万画素/背面約200万画素のカメラや、加速度センサー、スピーカー(モノラル)、マイクを内蔵する。

 本体サイズは約191(幅)×113(奥行き)×7.9(厚さ)ミリ、重量が約272グラム。3.7ボルト/3000ミリアンペアアワーのバッテリーで約4.5時間の駆動が行える。外装はアルミ合金製で背面にヘアライ加工を施したデザインだ。

og_diginnos_003.jpgog_diginnos_004.jpg左側面は、マイク、音量調節ボタン、電源ボタンが並ぶ(写真=左)。右側面にはmicroSDメモリーカードスロット搭載(写真=右)

og_diginnos_005.jpgog_diginnos_006.jpg上面は左からリセット、電源入力、miniHDMI、Micro USB、ヘッドフォンを搭載(写真=左)。下面には何もない(写真=右)

og_diginnos_007.jpgog_diginnos_008.jpg前面に30万画素カメラ、背面に200万画素カメラを内蔵する。アルミニウム合金製の背面にヘアライン加工を施し、ボディのエッジをシルバーで面取りしたデザイン。重量も約272グラムと気軽に持ち歩ける重さだ

og_diginnos_009.jpgDG-Q10S。視野角は広めだが映り込みが激しい

 一方のDG-Q10Sは、CPUにクアッドコアのRockchip RK3188(Quad Core Cortex-A9+Mali-400MP4)を採用する。メモリ容量は1Gバイト、ストレージ容量は16Gバイト。10点マルチタッチ対応の10.1型(1280×800ドット)液晶ディスプレイを備える。OSはAndroid 4.1だ。

 インタフェースは、7型のDG-D07Sとほぼ同じで、microSDメモリーカードスロット(microSDHC対応)、miniHDMI、Micro USB、ヘッドフォン出力という構成。無線機能としてIEEE802.11b/g/n対応無線LANとBluetooth V4.0+EDRを装備するほか、前面約30万画素/背面約200万画素のカメラ、加速度センサー、スピーカー(モノラル)、マイクを内蔵する。

og_diginnos_010.jpg各種コネクタは右側面に集中している。スピーカーもこの面にある

 本体サイズは、約263(幅)×176(奥行き)×8.5(厚さ)ミリ、重量は約544グラム。3.7ボルト/6000ミリアンペアアワーのバッテリーを内蔵し、駆動時間は約7時間となっている。

 なお、両モデルとも液晶パネルの駆動方式は非公開。目視の印象では視野角は広めだったが、視野角や輝度などのスペックについても回答は得られなかった。また、GmailなどのGoogle純正アプリはインストールされておらず、Google Playも利用できない。従来同様、アプリマーケットはTapnow Marketを利用する仕様だ。

 このほか、日本語入力としてSimeji、ファイル管理アプリにESファイルエクスプローラー、動画プレイヤーとしてMX動画プレイヤー、オフィススイートとしてKINGSOFT Office for Android(30日体験版)など、いくつかの定番アプリがプリインストールされる予定だ。予約先着600名(ドスパラ各店舗300名、ドスパラ通販300名)を対象に専用保護シートがプレゼントされる。

og_diginnos_012.jpgog_diginnos_011.jpgBluetoothを内蔵しているので、スタンド機能付きケースとBluetoothキーボード/マウスを組み合わせればノートPCスタイルでも利用できる(写真=左)。付属品一覧(写真=右)

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理想を追求すると中身も美しくなる? ヤマハが6年ぶりのHi-Fiコンポーネント「S3000」シリーズを発表

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 ヤマハは7月11日、約6年ぶりとなるHi-Fiコンポーネントの新製品「S3000シリーズ」を発表した。ヤマハ設立125周年という節目を迎え、「音と音楽の会社として、“聴く”という形で音楽表現の理想を追求したシリーズ」。価格はプリメインアンプの「A-S3000」が45万1500円、USB-DAC搭載のCDプレーヤー「CD-S3000」が49万3500円。どちらも9月上旬に発売する。

ts_yamaha08.jpgts_yamaha09.jpgプリメインアンプの「A-S3000」(左)とUSB-DAC搭載のCDプレーヤー「CD-S3000」(右)

ts_yamaha03.jpgレベルメーターはピーク/VU切替式。ヤマキ電気の特注品だ

 「A~S3000」は、ヤマハの特許技術である「フローティング&バランス増幅」を採用した全段フルディスクリート構成のプリメインアンプだ。そのポテンシャルを最大限に発揮するため、一般的なバイポーラ型トランジスターに代え、新たにMOS-FET出力素子を採用し、カスタムメイドの大型トロイダル電源トランスと組み合わせた。狙いは、「プラス側とマイナス側で同一極性のMOS-FETを使うことにより、フローティング&バランスパワーアンプだけの特長である“極性の違いによる音質差をなくした完全対称設計”をさらに進化させる」(同社)こと。また、S/Nに優れた音場感の高いサウンドに、MOS-FETが持つ真空管アンプのような温かみのある音質傾向をプラスしたという。

 外観は、オーソドックスな直線的デザイン。いかにも剛性の高そうなシャーシから同社製グランドピアノと同じ処理で仕上げたというサイドウッドまで、「表面には一切のネジが見えない作り」になっている。約7ミリの厚さを持つアルミフロントパネルは、シルバーヘアライン仕上げ。その中央には大型の2連アナログメーターを備え、音楽の躍動感を表現するという。

ts_yamaha019.jpgts_yamaha01.jpg分厚いトップカバー(左)を外すと、完全左右対称の回路が現れる。手前がパワーアンプ、奥がプリアンプ部のセパレート構造だ

 回路の設計コンセプトは「徹底したローインピーダンス設計とノイズの極小化」。シャーシは2重構造で、2ミリ厚の鋼板に銅メッキを施したインナーフレームに主要パーツを収容している。配線はすべてボトム側に通して信号経路を最短化し、結線にはんだなどは使用せず、すべてネジどめとしてローインピーダンス設計を徹底。電源トランスも巻き線そのものを直接取り出して接続端子にネジ止め結線した。

ts_yamaha02.jpgts_yamaha07.jpg後部のプリアンプ部(左)。結線はネジどめとしてローインピーダンス化(左)

 さらにフォノイコライザーやMCヘッドアンプ、ヘッドフォンアンプなどのアクセサリー回路もすべてディスクリート構成というぜいたくな作り。ボリュームコントロールにはラダー抵抗のみで構成される新日本無線製のボリューム素子を採用するなど細部までこだわった。音声入力は、2つのXLRを含む8系統。XLR端子は切替式で3番ホットのタイプにも対応する。

 本体サイズは435(幅)×180(高さ)×464(奥行き)ミリ。重量は24.6キログラム。

DSD 5.6MHzまで対応するUSB-DAC機能も——「CD-S3000」

 一方のCD-S3000は、高級CDプレーヤーにハイレゾ音源再生対応のUSB-DAC機能を組み合わせた構成。もちろんA-S3000とバランス接続すれば、信号の伝達から増幅までフルバランス動作となる。

ts_yamaha04.jpgts_yamaha021.jpg「CD-S3000」

 CDドライブは、独自のローダーメカに鋳鉄製のアンカーを追加して制振性と信号読み取り精度を向上させた新開発「オプティマイズド・ハイプレシジョン・リジッド CDメカニズム」。外部からの振動を防ぎつつ、ネジを使った調整機能を両立するため、前方のアンカーは上下二層構造とした。

 シャーシ内部はデジタル部とアナログ部を完全にセパレートし、それぞれに専用のトロイダルトランスを配置。電源部もブロックケミコンを基板上に直接マウントすることで給電ロスをなくす。さらにフルディスクリート構成のアナログオーディオ回路や1段構成のI/V変換回路を採用したバランス出力部などにより情報ロスを低減。伸びやかで開放感のある音を実現したという。

ts_yamaha020.jpgts_yamaha06.jpgDSCにはESSの最新チップ「SABRE32 REFERENCE DAC」(ES9018)を採用(左)

 DACには、ESSの最新チップ「SABRE32 REFERENCE DAC」(ES9018)を採用。デバイス内でマスタークロックを生成することでジッターの影響を最小限に抑える。またUSB-DAC機能には、ヤマハ独自のIC「SSP2」を使用。最大192kHz/24bit再生に加え、ASIO2.3またはDoP方式でDSDファイル(5.6MHz)のネイティブ再生にも対応する。Windows向けにはASIO2.3準拠の専用ドライバーソフトを同社サイトで公開する予定だ。

 音声出力は、光および同軸のデジタル出力に加え、バランス(XLR)とRCAを用意している。本体サイズは435(幅)×142(高さ)×440(奥行き)ミリ。重量は19.2キログラム。


 S3000シリーズは、8月1日から予約受付を開始する予定。なお、CD-S3000は3年間、A-S3000は5年間の長期製品保証が付与される。

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「電子書籍の価格つり上げを主導」 Appleが独禁法違反、米地裁が判断 ジョブズのメールも証拠に

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REUTERS

 米連邦判事は7月10日、米Appleが電子書籍の価格をつり上げるために出版大手5社と共謀したとする判決を下した。インターネットでの電子書籍販売をめぐるAppleの戦略が真っ向から否定された形だ。

 マンハッタン連邦地裁のデニス・コート判事は、Appleが電子書籍の販売で公正な価格競争を阻害し、価格をつり上げるために出版社と共謀したとされる問題をめぐり、「Appleがこの共謀で中心的な役割を果たし、独占禁止法(反トラスト法)に違反したことを示す有力な証拠を得られた」としている。

 今回の判決により、Appleは今後、損害賠償金の支払いを求められることになる。この独禁法民事訴訟は米司法省および全米33の州と準州が起こしたもので、出版大手5社は既に和解している。

 Appleは、電子書籍市場におけるオンライン小売業者Amazon.comの独占状態を打ち破るべく共謀したとして提訴された。この共謀の結果、それまでAmazonでほとんどが9ドル99セントで販売されていた電子書籍の価格は12ドル99セントや14ドル99セントに跳ね上がったという。Amazonは一時、90%の市場シェアを誇っていた。

 「Appleは電子書籍の価格をつり上げるために被告の出版社と手を組み、そのための手段を出版社に与えた。Appleがこの共謀を指揮していなければ、ここまで成功はしていなかっただろう」とコート判事は159ページにわたる判決文で述べている。

 コート判事が以前、2週間半にわたる非陪審審理が6月3日に始まるのに先立ち、Apple側の主張は通らないかもしれないと示唆していたこともあり、今回の判決は全くの想定外ではなかった。

 「この結果は、書籍を電子的に読むことを選ぶ何百万人もの消費者にとっての勝利だ。今回の判決は、Appleの違法行為によって引き起こされた損害を回復する上で重要なステップとなる」と司法省独禁法部門の責任者であるビル・ベア氏は声明で語っている。

 さらに同氏は、「今回の判決は、既に成立している和解も合わせて、電子書籍価格の引き下げにつながり、消費者にプラスに作用する」とも語っている。

 コート判事は改善措置を議論するための審問を8月9日に設定した。さらに同判事は、Appleが支払うべき損害賠償額についても裁判を行う方針だ。同判事は被告と原告双方に対し、キンバ・ウッド連邦地裁判事の監督下で「和解に向けた話し合い」を行うよう要請している。

 出版業界の専門家であるフォーダム大学経営大学院のアルバート・グレコ氏によれば、現在、電子書籍市場ではAmazonが約65%のシェアを誇っており、Barnes & Nobleが約20%、Appleが1桁のシェアでそれに続いている。

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第1回 新機能「デュアル・カメラ」は電車撮りに最高だ

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「撮っている人も一緒に写るね」より面白くて実用的な使いかたがある

 NTTドコモのSamsung電子製スマートフォン「GALAXY S4 SC-04E」のカメラ機能は、メインカメラに有効約1320万画素の裏面照射型CMOSセンサーを、インカメラには有効約210万画素CMOSセンサーを搭載している。このようにGALAXY S4は画素数が従来モデルの有効約810万画素から増えただけでなく、カメラアプリのユーザーインタフェースも使いやすく進化した。

kn_gala4ko2sri_01.jpgkn_gala4ko2sri_02.jpgGALAXY S4 SC-04Eのメインカメラは有効約1320万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載する

 ユーザーインタフェースの変更は、これまでのメニューテキストによる各種撮影モードの選択から、専用のモードボタンによるグラフィカルな撮影メニューモード選択となった。絵と文字表示によって各種撮影モードの効果が分かりやすくなったことはもちろんだが、シャッターボタンの下にモードボタンを追加したことで、撮影モードを切り替えがすぐできるようになった。

kn_gala4ko2sri_03.jpgカメラファインダー画面には、動画と静止画兼用の撮影ボタン以外にモードボタンを追加した程度のシンプルなデザインだ

新しいカメラ機能で撮影した画像はほか機種でも楽しめる?

 撮影モードの切り替えでは、静止画と音を記録できる「サウンド&ショット」、動いている被写体を1枚の写真に合成する「ドラマ」、移動する被写体だけをアニメーションさせる「アニメーション写真」、動いている被写体を削除できる「消しゴム」を追加している。従来の撮影メニューにあったHDRやパノラマ機能も継承している。

kn_gala4ko2sri_04.jpgkn_gala4ko2sri_05.jpg解説付きの撮影モードメニュー表示。サウンドショット(写真=左)、ドラマ(写真=右)の機能説明

kn_gala4ko2sri_06.jpgkn_gala4ko2sri_07.jpgアニメーション写真(写真=左)、消しゴム(写真=右)の機能説明

 新機能のうち、アニメーション写真はアニメーションGIFとして保存するため機種に関係なく閲覧可能だが、サウンド&ショットは音声を埋めこんだJPEGファイルで、GALAXY S4 SC-04E以外では静止画を表示できるが音声は再生できない。

 ちなみに、サウンド&ショットで撮影した写真をギャラリーでトリミングしてみたところ、音声データはそのまま残っていたが、写真メモ機能ではサウンド&ショット効果付きでは編集できない。GALAXY S4 SC-04E同士でメールでやりとりする場合、トリミングして送ることはできるようだ。

kn_gala4ko2sri_08.jpgkn_gala4ko2sri_09.jpgkn_gala4ko2sri_10.jpgアニメーション写真はグレーの部分が静止画となり、範囲を設定するとその部分だけをアニメーションさせることができる(写真=左)。トリミングしてもサウンド&ショットの効果は殘る(写真=中央)。写真メモはサウンド&ショットの効果を受け継げない(写真=右)

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