専用の設定メニューが用意された「SkyDrive」
Windows 8.1は、チャームメニューより呼び出せる「PC設定」の項目が拡充された。Windows 8まで、Modern UI関連の設定はこのPC設定で、それ以外の細かい設定はこれまでの「コントロールパネル」で行うよう設定項目が分けられておりつつも、実際はほとんどの設定をコントロールパネル経由で行う仕組みだったのでいささか使い勝手が悪いこともあった。
対してWindows 8.1はここで設定できるな項目が増え、言語パック導入など一部設定も「PC設定」で行うようになった。これまでと比べるとPC設定の画面にお世話になる機会は増えたかなと思う。
この新「PC設定画面」の新顔は、トップメニューに見える「SkyDrive」の項目だ。SkyDrive関連の設定が独立して存在し、それだけWindows 8.1におけるSkyDriveの扱いが重要になったことを示すととらえてよいだろう。
Windows 8/8.1におけるSkyDriveには主に2種類の役割がある。1つは従来通りオンラインストレージとしてのファイルの保管場所。もう1つが「設定の同期」だ。これを利用することで、複数のデバイス間でアプリの設定やブックマークなどの情報を同期したり、あるいは設定を常にオンライン同期のかたちでバックアップしておき、リセット/リストア時に保存しておいた設定でPCを復旧させるといったことが行える。クラウド経由でPCの管理がとてもしやすくなるはずだ。
このSkyDrive項目では、後者の「同期に関する設定」が主に行えるようになっている。最初の「ファイルの保存」項目はSkyDriveの空き容量確認や追加容量の購入、デフォルト保存先の指定が可能だ。これまではPCのローカルストレージ内に存在する各個人の「ドキュメントフォルダ」がデフォルトでの保存先だったが、Windows 8.1はこれが「SkyDriveのドキュメント」という独立したフォルダとなる。もちろん従来のスタイルに戻すことも可能で、それを変更するスイッチがこの設定となるイメージだ。
残りの「カメラロール」「同期の設定」「従量制課金接続」の項目は、主に同期関連の設定となる。カメラロールは、PCの内蔵カメラで撮影した写真を自動でSkyDriveへアップロードする機能。デフォルトでは「オフ」になっている。
「同期の設定」は、複数台のWindows 8/8.1搭載PCを所持している場合、これらデバイス間で、どの設定を同期させるかを細かく指定できるものだ。基本的にはこちらもデフォルトのままでいいのだが、注意すべき点としては「スタート画面」「アプリ」あたりは「オフ」にしておくことをお勧めしておきたい。こちら、同期させるデバイスがほぼ同じ環境(画面サイズやボディサイズ・デザイン、ストレージ容量など)であれば問題ないと思うが、複数台持ちとなると、それぞれかなり異なるスタイルのデバイスを用途にあわせて切り替えて運用するスタイルの人が多いと思う。ストレージ容量やハードウェア環境が異なり、さらにディスプレイ解像度も異なるデバイス間で設定まで同期すると、なんともめちゃくちゃになる可能性が高い。
例えばストレージ容量の少ないPCをセカンドマシンとして追加する場合、自動同期によってセカンドマシンには不要となる余計アプリも突っ込まれて、それだけでストレージが満杯なんてこともありえる。スタート画面に関しても、これらアプリの存在や解像度の違いでタイル配置の違いが生じ、レイアウトが崩れてしまったりする。
「従量制課金接続」の設定もやっておこう
もう1つ、SkyDriveで注意したいのは「バックグラウンドでの予期せぬ自動同期」だ。ファイルや設定の自動同期(バックアップ)はとても便利な機能だが、バックグラウンドでユーザーが意識しないなかで大量のデータ通信が発生することがあるためだ。
こちら、自宅やオフィスのみで使う分には大丈夫だろう。ただ、通信環境にデータ通信量上限のある、あるいは青天井の従量課金制のあるモバイルデータ通信サービスも併用する使い方の人は問題となる可能性がある。後者は日本のみで意図してモバイルデータ通信を使用するユーザーであればもうあまりないかもしれないが、前者はサービスによっては通信量の上限に達すると100kbpsまでなどの速度制限がかかってしまうので、やはり今後に不都合があると思う。
これを防ぐには「従量制課金接続」の項目より、「従量制課金接続で〜」同期の設定を「オフ」にし、さらに対象となるWi-Fi設定(普段使うルータのSSID、あるいはWi-Fiスポットなど)の項目で「従量制課金接続として設定する」を「オン」にする。これにより、この接続設定を使って通信している時は「モバイルデータ通信時なので、勝手に同期しないでね」と設定できる。
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