AMDは、28nmプロセスを適用した新型のx86モバイルプロセッサとして、ノートPCやタブレット端末向けに「Beema」「Mullins」(いずれも開発コードネーム)の2品種を発表した。同社の既存品に比べて性能を2倍に高め、消費電力量は2分の1に低減したという。2014年7月までには出荷を開始する予定だ。
Beema/Mullinsは、AMDのx86コア「Puma」を2個または4個と、GCN(Graphics Core Next)のグラフィックスコア「Radeon」を搭載する。さらに、ARMの携帯機器向けセキュリティ技術「TrustZone」に対応した「Cortex-A5」をベースにしてAMDが開発したプラットフォームセキュリティプロセッサを初めて統合する。ノートPC向けSoCのBeemaの消費電力量は10〜25W、タブレット向けのMullinsは2Wだという。
BeemaとMullinsは、Windows 8.1搭載ノートPC/タブレット向けとして、同OSの新しい高速起動機能「InstantGo」をサポートする。AMDのCTO(最高技術責任者)を務めるMark Papermaster氏は、同社の開発者向けカンファレンスの基調講演に登壇し、「BeemaとMullinsはいずれも、既存のファンレスタブレットや2-in-1機器、超薄型ノートPCなどをはるかに上回るコンピュータ性能を実現することから、競争の激しいグラフィックス市場で優勢性を確保できるとみている」と述べた。
Android、Chrome OSはネイティブサポートせず
新型チップは、AndroidやChrome OSをネイティブサポートしていない。AMDの広報担当者は、「BlueStacksとのパートナーシップの一環として、『AMD AppZone』向けにエミュレーションソリューションを用意している。詳細については、2014年の『International CES』において発表する予定だ。将来的に、こうしたパートナーシップを一層強化することができると考えている」と述べている。
AMDは、非営利団体のHSA FOUNDATIONの技術を初めてサポートしたSoC「Kaveri」を発表したばかりだ。Kaveriは、SoC上のCPU/GPUブロックがリソースを共有することにより、変換効率の大幅な向上を実現している。ただしBeema/Mullinsに関しては、HSAの機能をサポートしていない。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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