2013年秋にはユニークなカメラがいくつも登場したけれども、カメラ好きに最も注目されたのがソニーの「α7」(レビューまとめはこちら)である、といってもたぶん過言じゃない。
いろんな注目のされ方をしいて、α7を見てどこに面白さを感じるか、どういう利用を想像するかは人それぞれなんだけれども、どれもこれも耳目を集めるのは、「フルサイズセンサーを搭載しながらめちゃ小さい上に、価格も手ごろなミラーレス一眼である」ことに起因してるのは間違いない。
α7はどのくらい小さいのか、どのくらいユニークなのか。基本的なところから見ていきたい。
大きな撮像素子と小さなボディを堪能する
α7は「α」と名がついているけれども、NEX用の「Eマウント」に35ミリフルサイズの撮像素子を搭載したカメラである。今までは、一眼レフを継承したAマウントのカメラを「α」、新たに開発したEマウントを搭載するミラーレス一眼を「α NEX」としていたが、このたび「NEX」という呼称が終わり、αに統一された。
おかげで、AマウントのαとEマウントのα、2つのαが混在することに。その上、Aマウントのα、EマウントのαそれぞれにフルサイズとAPS-Cサイズができたわけで、けっこうややこしい。マトリックス書かないと整理できないくらい。レンズを選ぶときはご注意を。
で、α7はEマウントでフルサイズセンサーのカメラである。そこで、EマウントでAPS-Cサイズセンサーを搭載したモデルとして「NEX-5」(写真はNEX-5N)と並べてみた。
こうしてみると一目瞭然、マウントは同じなのに、中に入ってる撮像素子サイズが全然違う。フルサイズセンサーはでかいのだ。それにしても、NEX-5系ってほんとにボディが小さいんだなあと今さらながらに感心します。ボディよりマウントの方がデカイんだもん。
続いて一眼レフとの比較。手元にAマウントのカメラがないので、35ミリフルサイズの2400万画素仲間ってことでニコン「D600」(レビューまとめはこちら)と並べてみた。D600の方はミラーアップしてある(ただシャッター幕が降りているので撮像素子自体は見えてません)。
ここで驚くのはニコンのFマウントが小さいこと。実はFマウント、キヤノンのEFマウントより径がかなり小さいのだ。Eマウントと同じくらいなのである。それでどちらもセンサーはフルサイズ。マウント径的にはきっとこの辺がギリギリなんだろう。
実はミラーレスと一眼レフの一番の違いは正面写真じゃ分からない。底面から見るとすごく分かる。厚みである。厚みが全然違うのだ。D600(に限らず一眼レフは全部こんな感じ)の分厚いこと。
一眼レフは中にミラーボックスが入っている分、どうしても厚みが出てしまう。ざっと見て2倍以上は違う。つまり、ミラーレス一眼の一番の良さは薄さであり、そのおかげでもある小型軽量なのだ。
もうひとつ比較してみよう。実はα7はマイクロフォーサーズの最上位モデル、オリンパス「OM-D E-M1」(レビューまとめはこちら)とボディサイズが近いのである。
撮像素子サイズの差が面白いのだけど、両方を使ってみた結果、ボディサイズはこのくらいが大きすぎず小さすぎず扱いやすいのだ、と感じた次第。α7のサイズってなかなかよいのだ。
ついでに厚みも比べてみた。
どちらもミラーレス一眼でEVFがついててファインダー部がとんがり帽子になってて背面モニタがチルトするという共通点がある(ついでに11月上旬の実勢価格も似ている)。というわけで、α7は大きな撮像素子を搭載しながら、すごくボディがコンパクトで扱いやすく、それでいて操作系もしっかりしてるのだ。そこが画期的。
ペンタ部に似たトンガリ帽子部分にはEVFを内蔵。全体に丸みが少ない直線的な構成になっていて、とんがり帽子部が特に目立つデザインとなっている。
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