任天堂は北米と欧州で携帯型ゲーム機の新機種を発売し、据え置き型ゲーム機「Wii U」の高価格モデルを50ドル値下げする計画だ。ライバルの米Microsoftとソニーが今年はそれぞれ新型ゲーム機の投入を予定していることへの対抗策だ。
任天堂は8月28日、新製品となる「ニンテンドー2DS」を欧米で10月12日に発売すると発表した。価格は129ドル99セントと、現行の「ニンテンドー3DS」の2機種よりも40〜70ドル低く設定されている。2DSは人気の3DSから3D機能が省かれたバージョンであり、DSと3DSのソフトを2Dグラフィックスでプレイできる。
本体カラーは赤と青の2色。2画面とカメラを搭載し、サイズは3DSを開いた状態とほぼ同じだが、3DSのように折りたたむことはできない。
「マリオ」や「ゼルダ」などのキャラクターが登場するゲームで知られる任天堂だが、近年はタブレットやスマートフォンで利用できる安価または無料のモバイルゲームとの厳しい競争に直面している。目下、据え置き型や携帯型のゲーム機はiOSやAndroid端末で利用できるゲームに市場を侵食されつつある。
Nintendo of Americaのレジナルド・フィサメイ社長は今週取材に応じ、「任天堂は2DSによって、高価格な3DSを買えずにきた新規のユーザーを取り込みたい考えだ」と語った。3DSは現在、169ドル99セントと199ドル99セントで販売されている。
アナリストの間には、任天堂が自社のゲーム機でしかソフトをプレイできないよう制限し、iOSやAndroid端末向けのモバイルゲーム市場の急成長を生かせていないことに対する批判もある。こうした批判に対し、任天堂の幹部は、「マリオのような人気のキャラクターをモバイル端末でも利用できるようにすれば、結局は任天堂のハードウェア事業を損なうことになる」との考えを示している。
「2DSを投入することで、当社はスマートフォンやタブレットを持ってはいるが任天堂のゲームも楽しみたいというユーザーだけでなく、すべての消費者、特に若い層を取り込みたい」とフィサメイ氏は語る。
2DSは、子ども向けのロールプレイングゲーム「ポケットモンスター X・Y」と同時発売される予定だ。
ゲーム情報サイトIGN.comの発行人であるピア・シュナイダー氏は、次のように指摘する。「ソフトウェアの販売に関しては、3DSは純然たるゲームの販売という点でAndroidやiOSなどのプラットフォームとは競合していない」
3DS本体も3DS向けのファーストパーティタイトルもよく売れているため、同氏はDSシリーズの新製品を販売するという任天堂の決断に驚いたという。
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