「ECサイトでほしい服を見つけても、本当に自分に合ったサイズが選べるか不安」——そんな悩みを解決するツールを提供するスウェーデンのスタートアップ企業Virtusizeが日本市場に進出した。第1弾としてファッションECサイト「MAGASEEK」で導入が始まり、今後も対応サイトを増やしたい考え。「日本市場は、規模もこれからの伸び幅も大きい」と期待を寄せる。
同社が提供する「Virtusize」は、通販サイト上の商品と手持ちの服の大きさをイラストで比較することで“バーチャル試着”できるツール。手持ちの服の指定箇所の長さを測定し入力するか、すでに購入したアイテムを選択すると、購入を考えている商品と重ね合わせて分かりやすいイラストで表示する。Virtusizeを導入しているサイトであれば、比較アイテムは相互に利用できる。
2011年のサービス開始からスウェーデン、イギリス、ドイツを中心に対応サイトを拡大し、現在25のWebサイトに導入されている。欧州のECサイトは返品率の高さが課題だが、Virtusizeを導入以後、サイズ関連のクレームや問い合わせが50%減少し、商品閲覧から購入までのコンバージョン率も上昇するなどの成果を見せているという。
よく使われているのは、パンツやジーンズ、ドレスなど体にフィットしたアイテムだという。「同じウエストサイズのジーンズでも、股上の深さや細さ・太さ、裾の広がり方などでシルエットが異なる。自分のお気に入りのものとイラストで比べることで、より理想にあったものを選べるはず」(エリック・エクストランドCFO)
ヨーロッパでは10〜20%を占めるファッションアイテムのEC率は日本では5%程度に留まっており、「市場自体の規模もこれからの伸び幅も大きい」と期待する。モバイルECが活発な日本市場に合わせ、スマートフォン向けに最適化したインタフェースを整えるなど機能追加も行った。導入第1弾のMAGASEEKは購入の約4割がスマートフォン経由になっているという。
アジアへの進出は日本市場が初。「さらに他国にも」と世界展開に意気込む。現在国内の複数サイトで導入に向けて動いており、秋には日本法人を設立する予定だ。
「日本のファッションはヨーロッパでも注目されている。より多くの国と地域に展開し、国境を超えて世界中から自分の好みのアイテムを選べる未来を実現したい」(エクストランドCFO)
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