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OM-Dをしのぐ高性能機 「OLYMPUS PEN E-P5」(β) ファーストインプレッション

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 2012年、オリンパスのミラーレス一眼は、3月に登場した「OLYMPUS OM-D E-M5」を皮切りに、秋にはOM-D画質と称して同じ撮像素子を搭載したエントリーモデル「OLYMPUS PEN Mini E-PM2」と「OLYMPUS PEN Lite E-PL5」と投入。撮像素子を統一し、ラインアップをすっきりさせた……のはよいことだが、ひとつだけ心配させられたのは、PENシリーズの主力モデルだったPシリーズに後継機が出なかったことだ。

 PENの主力モデルはどうなったのか、という不安の声も出ていた中、満を持して登場したのが「OLYMPUS PEN E-P5」である。長く待たせた分か、中味はフルモデルチェンジ。最上位モデルであるOM-D E-M5をしのぐ高性能を手に入れ、さらに操作系も一新し、ハイエンド機に相応しいカメラとして登場したのだ。そのファーストインプレッションである。

photo「OLYMPUS E-P5」&「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 II R」

 なお、本稿に使用した機材はβ機であることをあらかじめお断りしておく。

OM-Dをしのぐ高性能とは

 E-P5はP3に比べて大きく進化した。

 基本性能はOM-D E-M5(以下、OM-Dと略します)をベースにさらに強化したもの、と思って良さそうだ。

 撮像素子はOM-D、PM2やPL5と同じでマイクロフォーサーズサイズの1600万画素CMOSセンサーである。ボディ内手ブレ補正はOM-Dと同じ5軸手ブレ補正を搭載。上下左右の回転ブレにくわえて、上下左右のシフトブレとローリングのブレにも対応。特にちょっとしたブレにシビアなマクロ撮影時にこれがよく効く。

 さらに「IS-AUTO」として自動的に流し撮りへ対応。流し撮り時(製品発表会ではブランコを追いかける円弧状の流し撮りへの対応も披露)は自動的に必要な方向の手ブレだけ補正されるなど強化された。

 続いてシャッターユニット。PENもOM-Dも最高1/4000秒だったが、P5は1/8000秒という超高速シャッターに対応。一眼レフでもハイエンド機でしか実現してない速さだ。これに加えて、ISOローとしてISO100相当のISO感度設定にも対応した。

 例えば同社は17mm、45mm、75mmとF1.8の単焦点レンズを用意しているが、晴天下では明るすぎて絞り開放で使えない。1/8000秒でISO100ならかなりの晴天下でも使えるし、1/8000秒あればかなりの被写体をピシッと止められる。メカ的にはOM-Dをさらに強化したものと思っていいだろう。

photo45mmF1.8のレンズを装着し、絞り開放で1/8000病で連写した中の1枚。晴天下でも絞り開放で撮れるし、1/8000秒という超高速なシャッタースピードも使える

 もうひとつの機能的な強化点はWi-Fi内蔵。

 他社に比べてWi-Fi搭載が遅れていたオリンパスであるけれども、E-P5でとうとう搭載。スマホへの写真転送とリモート撮影をサポートする。ユニークなのはカメラにスマホを接続する際面倒だったパスワード入力をQRコードで解決しようというもの。

photoこのようにQRコードが表示される

 オリンパスの専用アプリからQRコードを読み込むと設定が自動的にセットされる。パナソニックはNFCを利用したが、QRコードならNFC未対応スマホ(iPhoneとか)でも大丈夫。今回は使用した時期の関係でスマホ側の対応アプリがリリースされておらず、試せなかった。製品版に期待だ。

新しい操作系は素晴らしい使い勝手

 デザインも変わった。ロゴが「OLYMPUS」から「OLYMPUS PEN」になったのは大きな違いなんだけれども、それ以上に操作系に注目したい。

 従来のPENは背面にある円筒形のダイヤルと、十字キー周りのロータリーダイヤルで露出のコントロールをしていたのだがそこを一新。OM-Dで定評のある前後ダイヤル式になった。シャッターボタンの下に前ダイヤル、後ろに後ダイヤルがあり、グリップしたままどちらも回せる。これはいい。

photophotoシャッターボタンの下に前ダイヤル(写真=左)、背面には後ろダイヤルがある。録画ボタンの下にあるのがFnレバー。これを切り替えてダイヤルの設定を変更できる(写真=右)

 さらに背面の録画ボタンの下にFnレバー(ファンクションレバー)がついた。これがかなりよい。

 レバーを1にすると2つのダイヤルは露出系(絞りと露出補正とか)、2にカチッと倒すと2つのダイヤルがISO感度とホワイトバランスの各調整に切り替わるのだ。レバー操作ひとつで、ダイヤル4つ分に使える。これは便利(ただし、ISO感度とWB以外には割り当てられない)。

 また、ダイヤルはいつも露出系にしときたい、レバーを2にしたまま忘れてISO感度やWBを変えちゃうのはイヤ(何度もやりました)、という人はレバーを他のモードにするといい。

 例えばモード4にするとレバーで2つのフォーカスモード(S-AFとMFとか)を切り替えられるのでMFをよく使う人にお勧め。モード3にするとレバー2にしたとき動画ボタンをFnボタンとして好きな機能を割り当てられる。

photoFnレバー機能のカスタマイズが可能

 レバーとツインダイヤルは凝ったセッティングで撮影したい人にすごくよい改良だ。

 それ以外は従来のPENを踏襲。上面にはFnキーがあるし、背面には拡大キーがある。背面モニタはP3と同じくチルト式で、パネルは有機ELから液晶パネルに変更。静電容量式タッチパネル搭載は変わらずだ。

photoE-P3の背面。モニタは3インチの液晶モニタになった。もちろんタッチパネル機能を搭載している

 アートフィルターは2012年秋モデルから搭載されているウォーターカラーを含む12種類。

photo同社製品ユーザにはおなじみ、ドラマチックトーン
photoウォーターカラー

 さらにフォトストーリーモードを追加。複数の写真を1枚にレイアウトした撮影を行う機能で、レイアウトやアートフィルターの組み合わせを楽しむことができる。

photo1:1フレームを3分割し、アートフィルター「デイドリーム」をかけた組み合わせ。

 バッテリはOM-Dと同じBLN-1となった。こんなところにもOM-Dの影響が見て取れる。

photoOM-DとE-P5。こうしてみると、OM-Dからとんがり帽子部(EVF)を取り除いた状態に近い
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