Windowsストアアプリの存在価値は?
これまで紹介してきたように、Windowsタブレットとしての「Surface Pro」の魅力は、その小型ボディにUltrabook並のパフォーマンスを備えつつ、x86/x64用に開発されたWindows用アプリを自由に使えるところにある。
では、Windows 8で新しく登場したWindowsストアアプリが不要かというと、そうでもない。電車の中で座って操作するときなど、本機をタブレットとして使うときは、やはりタッチ操作を意識して作られたストアアプリが向いている。ディスプレイの解像度が高いこともあり、デスクトップ画面をタッチで操作するのはあまり実用的ではない(付属のスタイラスペンを使えば少しは楽になるが)。また、ストアアプリにはLINEなど、デスクトップで使えない便利なアプリケーションもある。
Windowsストア内のアプリ数をカウントしているMetroStore Scannerによると、2013年7月26日現在、Windowsストアに登録されているアプリの数は10万9060本となっている。2013年3月末に調べたときは約5万本だったので、約4ヶ月で2倍に増えたことになる。
とはいえ、Googleは「Nexus 7 2013」を発表したメディア向けイベントで、Androidアプリの数を100万本以上と発表したほか、Appleも2013年の年次開発者会議「WWDC」でApp Storeに登録されているiOSアプリ数を90万本と公表するなど、他プラットフォームのアプリケーションと比べれば圧倒的に数が少ないのは否めない。
というわけで、Windowsストアに登録されているアプリ数を数えてみた。Windowsストアでは、App Storeと同じようにジャンル別にアプリが分かれておりジャンルごとに集計を行っている。結果は以下の通りだ。
Windowsストアに登録されているアプリ数(ジャンル別、2013年7月26日現在) | |||
---|---|---|---|
ジャンル | 全体 | 無料 | 有料 |
ゲーム | 936 | 839 | 97 |
ソーシャル | 103 | 100 | 3 |
エンターテインメント | 336 | 311 | 25 |
写真 | 279 | 259 | 20 |
音楽&動画 | 104 | 70 | 34 |
スポーツ | 86 | 83 | 3 |
書籍 | 1036 | 1019 | 17 |
ニュース&天気 | 265 | 263 | 2 |
ヘルスケア&ビューティー | 32 | 27 | 5 |
グルメ | 33 | 32 | 1 |
ライフスタイル | 217 | 212 | 5 |
ショッピング | 519 | 519 | 0 |
旅行 | 290 | 286 | 4 |
マネー | 24 | 21 | 3 |
仕事効率化 | 186 | 151 | 35 |
ユーティリティ | 372 | 318 | 54 |
セキュリティ | 24 | 16 | 8 |
ビジネス | 65 | 56 | 9 |
教育 | 431 | 393 | 38 |
公共&行政 | 50 | 49 | 1 |
合計 | 5388 | 5024 | 364 |
合計数は約5000本程度と、Windowsストアに登録されているアプリの総数(10万9060本)よりも圧倒的に少ない。そればかりか、2013年3月に調べた結果(Windows RT向けのアプリが約2万2500本)を大きく下回る数値となってしまった。これは一体どういうことか。
2013年3月に調べたときはアプリの数は多かったものの、海外製のアプリも多く、アプリの説明が英語で書かれているなど、日本のユーザーにとって使いづらいアプリも多かった。現在ストアアプリに登録されているアプリは、日本向けに作られたものが多く、ほぼすべてのアプリに日本語の説明がついた。このことから、アプリがそろってきた時点で日本マイクロソフトがストアのラインアップを整理したと思われる。
「Windows 8用アプリは数よりも質を重視したい」(日本マイクロソフト業務執行役員 Windows本部本部長の藤本恭史氏)としている通り、ユーザーが満足に使えるアプリを精選していると見ることもできる。しかし、アプリ数が30本に満たないジャンルがあったり、Windowsストア自体の使い勝手に問題があったり(順位がないため人気のアプリが分かりにくい、など)と課題は多い。今後の改善を期待したいところだ。
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