窪田順生氏のプロフィール:
1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段——検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
先日、ひょんなことから「これは日本の未来を大きく変えるんじゃないの?」と思ってしまうほどのサービスを目にする機会があった。沖縄県うるま市にある株式会社アイセック・ジャパンのモバイル型情報保障サービス「e-ミミ」である。
いったい何がスゴいのかというと、スマートフォンなどのスピーカーに向かってしゃべったことが、ほぼリアルタイムでPCやタブレット端末、スマホなどに文字になって送られてくることだ。
そんなの音声入力・音声認識ソフトとかでもできるんじゃないの? と思われるかもしれないが、同社が「世界最高の日本語音声認識エンジン」とうたうように、ちょっとレベルが違う。
使用になった方ならば分かると思うが、このような入力ソフトの多くが、マイクに音声入力をしてから文字として羅列されるまでわりと時間がかかるうえ、Googleの音声認識のようにヘンテコな変換になることが多い。ところが、「e-ミミ」の場合は口から発した文言が4〜5秒後には正確な漢字、送り仮名というほぼ完璧な形で文字に起こされているのだ。
例えば、1時間の社内会議でこの「e-ミミ」を使ったとしよう。発言したことが瞬時に参加者の手元に文書化されていくので、ムダな会議にありがちな「またその話します?」という議論ループを避けることができる。さらに、会議が終わった後の不毛な仕事のひとつである議事録の作成が不要。会議が終わった瞬間にデバイス上にほぼ完璧な議事録ができあがっているからだ。
どんな音声認識ソフトもかなわない正確さに加え、話す速度に追いつくほどのスピーディさ。いったいどんな最先端技術が使われているのだと不思議に思うかもしれないが、実はその手のものは一切使われていない。
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