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マウスを全身丸ごと透明化 理研・東大チームが成功

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 理化学研究所と東京大学の研究チームは11月7日、マウスの全身を丸ごと透明化し、全身の遺伝子の働きや細胞ネットワークの構造を3次元データとして取得する技術を開発したと発表した。個体レベルで生命現象を解明する「個体レベルのシステム生物学」の実現に近づくとして、生物学・医学で大きな貢献が期待できるとしている。成果は米科学誌「Cell」に掲載される。

photoマウスの全身を透明化。右は幼児、左は成体=ニュースリリースより

 脳の透明化には既に成功しており、この際に使用した透明化試薬が血液を効率的に脱色することを発見。マウスをパラホルムアルデヒド水溶液で灌流(かんりゅう)固定(組織を生きている時と近い状態に保つために固定する手法)した上で、透明化試薬に浸した。臓器は10日間浸すことで透明化でき、個体の場合は皮膚を剥離して2週間浸すことで全身丸ごと透明化が可能だという。

 透明化により、「シート照明型蛍光顕微鏡」による3次元画像の取得が可能になった。同顕微鏡は、レーザー光を照射して平面を撮影し、Z軸方向に動かして平面を重ねることで3Dイメージを得る仕組み。サンプルの透明度が低いと使用できず、マウスの臓器や個体のようなセンチメートルサイズでは撮影が難しかったが、透明化により臓器丸ごと・個体丸ごとの3Dイメージを1細胞レベルの解像度で1時間程度で取得することができたという。

photo蛍光色素で染色し、臓器と個体を丸ごとイメージング

 3次元解剖学への応用として、画像解析から各臓器の構造を抽出することにも成功。心臓の心室・心房や肺の気管支樹などを可視化できたという。

photo画像解析により臓器の特徴的な構造を抽出

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