ヤフーは11月7日、検索結果からプライバシー情報を削除する際の考え方などについて検討する有識者会議「検索結果とプライバシーに関する有識者会議」を新設し、11日に第1回の会議を開催すると発表した。年内をめどにYahoo!JAPANとしての検索結果表示に関する考え方を整理し、公表する予定だ。
ヤフーやGoogleなど検索大手はこれまで検索結果からの情報削除には慎重な姿勢だった。だがGoogleが、欧州で「忘れられる権利」に基づき、ユーザーから要請があった場合に検索結果からの削除を開始。国内でも、個人がGoogleに個人情報の削除を求めた訴訟で10月、東京地裁が削除を命じ、Googleが実際に削除。検索結果とプライバシーをめぐる社会的な関心が高まっている。
ヤフーは「情報の削除について、表現の自由や知る権利とのバランスを考慮すると同時に、削除を求める人々への対応が不十分だと受け止められないよう対応していく必要がある」とし、判断の透明性や客観性を高めるため、社外の有識者の意見を聞く有識者会議を設置したという。
委員は弁護士・法学者で構成。東京大学名誉教授で弁護士の内田貴氏が委員長を務める。会議では、検索サービスの社会的意義や、表現の自由・知る権利との関係などを議論し、検索結果表示に関する考え方をまとめる。
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