明治安田生命が、従業員約3万7000人が利用する生保業界最大級のプライベートクラウド基盤「MYクラウド」を構築した。導入システムはヴイエムウェアの「VMware vCloud Suite」。ヴイエムウェアのコンサルティングサービス VMware Accelerate アドバイザリーサービスを活用して構築した。
同社はオープン系基幹システムの資源更改対応において、2013年11月にVMwareの仮想化ソフトによる仮想基盤を構築。これを軸に今回のプライベートクラウド基盤に発展させた。これまでの課題は「仮想化の統合率が十分に高められず、トラブルシューティングに時間がかかるなどの理由からコスト削減効果が限定的だった。また、業務部門の要求に迅速に応えるにはサーバ仮想化だけでは不十分で、より専門的な知見とノウハウ、そして、それに対応するための先進テクノロジを必要としていた」(明治安田生命)という。
この課題に対し、ヴイエムウェアのコンサルティングサービスと同社、および同社のIT子会社 明治安田システム・テクノロジーが協業して挑んだ。従来の仮想基盤の評価と期待値の試算に基づく方針の策定、クラウドへの変革によるビジネスインパクトの分析、その変革を進める上でのポリシーの定義を実施し、具体的なアクションプランを策定。このプランに基づき、クラウド基盤構築に必要なテクノロジとしてVMware vCloud Suiteの選定に至った。今後、クラウド基盤の最適なリソース活用のほか、トラブルシューティングの簡素化やITサービス提供の迅速化も計画する。
導入により、以下の効果を見込む。
- サーバ仮想化比率を現在の57%から67%に向上
- 統合率を現在150%へ向上
- 年間の設備投資コストを3分の1削減
- 2014年度までに23システム、785台のサーバをMYクラウドに仮想化集約
- 2017年度までに、さらに350サーバを集約する
- 仮想サーバの稼働状況管理やトラブルシューティング時間を約30%削減
- 管理者あたりの仮想マシン数を65台から96台へと約30%向上
- 5年間でTCOを約60%削減
VMware vCloud Suiteは、仮想化、クラウド基盤、クラウド管理のポートフォリオを1つのパッケージに統合した「VMware vSphere」ベースの統合製品。VMware独自のSDDCアーキテクチャに基づいて製品化され、データセンター全体をソフトウェアで管理できるようにする。クラウド基盤構築において、専用のハードウェアを利用する必要がなくなり、大幅な運用の簡素化とコスト削減を実現することを訴求ポイントに据える。
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