ソニーモバイルコミュニケーションズは、「IFA 2014」の開催に合わせて新たなフラッグシップモデル「Xperia Z3」と、コンパクトモデル「Xperia Z3 Compact」を発表した。日本での発売も表明されており、2014年の冬モデルで登場することは確実だろう。
Xperia Z3は、2月に開催されたMobile World Congress 2014で現行モデルの「Xperia Z2」が発表されてから、わずか半年でモデルチェンジすることになる。Z2、そしてちょうど1年前のIFAで発表された「Xperia Z1」から何が変わったのだろうか? スペックを比べながらチェックしていきたい。
掲載しているスペックは、いずれもグローバルモデルを参考にした。また、Xperia Z3/Z3 Compactの使用感については、以下の記事も参考にしてほしい。
Xperia Z3:薄型軽量化を果たし、ディスプレイ/カメラ/オーディオがさらに進化
まずはサイズ。Xperia Z3のディスプレイサイズはZ2と同じ5.2型ながら、幅はZ2の73.3ミリから72ミリにダウンし、ディスプレイのベゼルがさらに細くなった。さらに厚さもZ2の8.2ミリから7.3ミリに下がり、よりコンパクトで薄くなっている。重さもZ2の163グラムから152グラムへと軽くなった。Z1と比べると幅は2ミリ、重さは18グラムもダウンしている。ボディも従来のスクエアな形状からさらに丸みを帯びた形状になり、より持ちやすくなっていることがうかがえる。
薄型軽量化を果たしながら、バッテリー容量が3100mAhなのも心強い(Z2の3200mAhからややダウンしているが)。連続通話時間もZ2よりやや下がっているものの、連続待受時間はLTE、3G、GSMいずれもZ2より長くなっている。音楽の連続再生時間はZ2から10時間アップした130時間なので、実使用時間はZ2から向上していることが期待される。
Xperia Z3最大の変更点は、ボディカラーにあると言っていいかもしれない。ソニーモバイルは、Xperia Z、Z1、Z2ではいずれも「パープル」をメインカラーに据えてきたが、Z3ではパープルがなくなり、代わりに「ホワイト」をメインカラーとして展開している。従来のZシリーズでもホワイトは採用していたが、ディスプレイ面はテレビ同様の見栄えを意識して全面ブラックにすることにこだわっていた。しかしZ3のホワイトは、ディスプレイ面もホワイトに塗装されており、これまでのZシリーズとは大きくイメージを変えてきた。ほかに、カッパーとシルバーグリーンといった新色も採用した。
カメラのスペックはZ2から大きく変わらないが、Gレンズを一新し、焦点距離がZ2/Z1の27ミリから25ミリとなり、より広角に撮影できるようになった。最大ISO12800で撮影できるのも進化した点だ(Z2/Z1はISO3200が最大)。インカメラは有効約220万画素と据え置きで、海外を中心に盛り上がっているセルフィー(自分撮り)ブームにキャッチアップしなかったのは少々残念なところ。
内蔵ストレージは16Gバイトだが、Xperia Z2/Z1はドコモ版が32Gバイトに拡張されているので、Z3も同じように拡張される可能性が高い。外部メモリは最大128GバイトのmicroSDXCが使えるようになった。
ディスプレイのスペックもZ2と同等だが、Z3では画像処理エンジンの「X-Reality for mobile」が進化し、明るさやコントラストをピクセル単位で自動調整することで、太陽光の当たる屋外でも見やすくなっているという。これはぜひ実際に確認してみたいところだ。
Xperia Z2でも音楽機能の進化には目を見張るものがあったが、Z3ではさらに進化した。まず、端末単体でハイレゾ音源の再生が可能になった。さらに、MP3やAACなどの圧縮音源をハイレゾ相当の音質に変換する「DSEE HX」も新たに搭載した。
防水性能はZ2のIPX5/IPX8を維持しているが、Micro USB端子は今回もキャップ付きとなっている。防塵性能は「粉塵が内部に侵入することがない」とされるIP6Xに進化した。
スペックを見る限り、Z1→Z2ほどは進化が乏しい印象のZ3だが、ソニーの技術を生かしてディスプレイ、カメラ、オーディオを着実に進化させたのはXperiaならでは。新しいボディ形状やカラーも含めて、早く実機に触れてみたいと感じた。
Xperia Z3 | Xperia Z2 | Xperia Z1 | |
---|---|---|---|
OS | Android 4.4 | Android 4.4 | Android 4.2(アップデートで4.4に) |
プロセッサ | Snapdragon 801(2.5GHzクアッドコアCPU) | Snapdragon 801(2.3GHzクアッドコアCPU) | Snapdragon 800(2.2GHzクアッドコアCPU) |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 約72×146×7.3ミリ | 約73.3×146.8×8.2ミリ | 約74×144×8.5ミリ |
重量 | 約152グラム | 約163グラム | 約170グラム |
バッテリー容量 | 3100mAh | 3200mAh | 3000mAh |
連続通話時間 | 約960分(3G) 約840分(GSM) | 約1140分(3G) 約900分(GSM) | 約900分(3G) 約830分(GSM) |
連続待受時間 | 約790時間(LTE) 約920時間(3G) 約890時間(GSM) | 約640時間(LTE) 約740時間(3G) 約690時間(GSM) | 約850時間(3G) 約880時間(GSM) |
連続使用時間 | 音楽再生:約130時間 動画再生:約10時間 | 音楽再生:約120時間 動画再生:約10時間 | 音楽再生:約110時間 動画再生:約6時間40分 |
メインカメラ | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS |
4K動画撮影 | ○ | ○ | − |
インカメラ | 有効約220万画素裏面照射型CMOS | 有効約220万画素裏面照射型CMOS | 有効約220万画素裏面照射型CMOS |
ストレージ | 16Gバイト | 16Gバイト | 16Gバイト |
メインメモリ | 3Gバイト | 3Gバイト | 2Gバイト |
外部メモリ | microSDXC(最大128Gバイト) | microSDXC(最大64Gバイト) | microSDXC(最大64Gバイト) |
ディスプレイ | 5.2型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶 1677万7216色 | 5.2型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶 1677万7216色 | 5.0型フルHD(1080×1920ピクセル)TFT液晶 1677万7216色 |
ボディカラー | ホワイト、ブラック、カッパー、シルバーグリーン | ブラック、ホワイト、パープル | ブラック、ホワイト、パープル |
外部接続 | MHL 3.0 | MHL 3.0 | MHL 2.0 |
オーディオ | WALKMANアプリ、ClearAudio+、デジタルノイズキャンセリング、フロントステレオスピーカー、S-Force Front Surround、ハイレゾリューション音源再生、DSEE HX | WALKMANアプリ、ClearAudio+、デジタルノイズキャンセリング、フロントステレオスピーカー、S-Force Front Surround、ハイレゾリューション音源再生(USB経由) | WALKMANアプリ、ClearAudio+ |
防水・防塵 | IPX5/IPX8、IP6X | IPX5/IPX8、IP5X | IPX5/IPX8、IP5X |
PS リモートプレイ | ○ | − | − |
Xperia Z3 Compact:Z1 Compactと比べるとめざましい進化
4.6型液晶搭載のXperia Z3 Compactも注目の一台。Z2にはCompactモデルがなかったので、比較対象は2014年1月のCESで発表された「Xperia Z1 Compact」となる。なお、日本ではNTTドコモが2013年12月に発売した「Xperia Z1 f SO-02F」、2014年6月に発売した「Xperia A2 SO-04F」が、Z1 Compactと同等のスペックを有している。
Xperia Z3 Compactは、ディスプレイサイズと解像度、メインメモリを除くと、Xperia Z3と同等のスペックを実現している。解像度がフルHDではなくHDなのが惜しいが、Z1 Compactと比べると、その進化はめざましい。幅64.9ミリをキープしながら画面サイズは4.3から4.6型にアップし(逆に4.3型をキープして幅を狭めてほしい気もするが)、バッテリー容量は2300mAhから2600mAhにアップしながら、重さは137グラムから129グラムへと軽くなっている。ノイズキャンセリングやハイレゾ再生にも対応しており、Walkmanとしても十分活用できるだろう。
Xperia Z3 Compact | Xperia Z1 Compact | |
---|---|---|
OS | Android 4.4 | Android 4.3(アップデートで4.4に) |
プロセッサ | Snapdragon 801(2.5GHzクアッドコアCPU) | Snapdragon 800(2.2GHzクアッドコアCPU) |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 64.9×127×8.6ミリ | 約64.9×127×9.5ミリ |
重量 | 約129グラム | 約137グラム |
バッテリー容量 | 2600mAh | 2300mAh |
連続通話時間 | 約840分(3G) 約720分(GSM) | 約1080分(3G) 約600分(GSM) |
連続待受時間 | 約800時間(LTE) 約920時間(3G) 約880時間(GSM) | 約550時間(LTE) 約600時間(3G) 約670時間(GSM) |
連続使用時間 | 音楽再生:約110時間 動画再生:約10時間 | 音楽再生:約94時間、動画再生:約12時間 |
メインカメラ | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS | 有効約2070万画素積層型裏面照射型CMOS |
4K動画撮影 | ○ | − |
インカメラ | 有効約220万画素裏面照射型CMOS | 有効約220万画素裏面照射型CMOS |
ストレージ | 16Gバイト | 16Gバイト |
メインメモリ | 2Gバイト | 2Gバイト |
外部メモリ | microSDXC(最大128Gバイト) | microSDXC(最大64Gバイト) |
ディスプレイ | 4.6型HD(720×1280ピクセル)TFT液晶 1677万7216色 | 4.3型HD(720×1280ピクセル)TFT液晶 1677万7216色 |
ボディカラー | ホワイト、オレンジ、ブラック、グリーン | ブラック、ホワイト、ピンク、ライム |
外部接続 | MHL 3.0 | MHL 2.0 |
オーディオ | WALKMANアプリ、ClearAudio+、デジタルノイズキャンセリング、フロントステレオスピーカー、S-Force Front Surround、ハイレゾリューション音源再生、DSEE HX | WALKMANアプリ、ClearAudio+ |
防水・防塵 | IPX5/IPX8、IP6X | IPX5/IPX8、IP5X |
PS リモートプレイ | ○ | − |
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