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IntelがIFA 2014で示した“Core M”と“その先にあるMobile”

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モバイルPCをさらに強化する残されたピース

kn_ifaintel_03.jpg9月5日夜に行われた基調講演に登壇する米Intelシニアバイスプレジデント兼PCクライアント部門担当ジェネラルマネージャのカーク・スカウゲン氏

 IFA 2014の基調講演でIntelシニアバイスプレジデント 兼 PCクライアント部門担当ジェネラルマネージャーのカーク・スカウゲン氏は、同社が取り組んできたミニタブレットやデスクトップPC分野での成果を紹介した。

 Silvermontアーキテクチャに移行したBay Trail以降、Atomのパフォーマンスは大幅に向上した。現在、このAtomを搭載した販売価格数百ドルクラスながら高パフォーマンスのタブレットが多数登場している。欧州でも100ユーロクラスのタブレットが市場を形成しつつある。一方、デスクトップPC分野では“Devil's Canyon”(開発コード名)ことCore i7-4790Kが登場したことをはじめとして、モバイルPC全盛時代でも引き続きIntelは従来のハイエンドデスクトップPC分野に注力していることを訴えだ。基調講演では4Kディスプレイを3画面用いたゲームプレイのデモも紹介している。

kn_ifaintel_04.jpgkn_ifaintel_05.jpg欧州でも増え続ける100ユーロクラスのIntelCPU搭載タブレット(写真=左)。“Devil's Canyon”ことCore i7-4790Kを搭載したデスクトップPCで4Kディスプレイ3画面によるTomb Raidersのプレイデモ(写真=右)

 だが、ここでスカウゲン氏は「What's been 'm'issing?」と聴衆に問いかけた。Intelは、IFA 2014会場のいたるところに「m」の文字が抜けたキーワードを訴える広告を展開していて、今回のポイントが「m」という文字にあることを示唆していた。基調講演の冒頭でミニタブレットとデスクトップPCという2つの分野におけるIntelの活動を紹介してきたSkaugen氏だが、ここから抜けている「タブレット」「ノートPC」の分野を埋めるのが「m」の名称のつく新CPUというわけだ。

kn_ifaintel_01.jpgkn_ifaintel_02.jpgIFA 2014会場内にあるIntelの広告。9月5日のIntel基調講演前と後での変化を見比べると……

 今回正式に発表した「Core M」は、CPUと統合するグラフィックスコアの処理性能を向上させつつ、従来より長いバッテリー駆動時間、ファンレス設計が可能な低いTDPなど、多くのメリットをタブレットやノートPCにもたらす。基調講演ではCore Mを搭載した製品も紹介しており、2014年中にもユーザーがCore M搭載のタブレットやノーとPCを使えることをアピールしていた。

 さらに4年前の薄型ノートPC(当時はまだUltrabookの名称がなかった)と、Core M搭載ノートPCを比較し、CPUとGPU性能がそれぞれ2倍と7倍に、バッテリー駆動時間は2倍、そして、さらなる薄型で軽量、かつ、ファンレス設計を実現している点を挙げた。内部の基板サイズも異なり、レイアウトもシンプルになったことは製品の製造コストの引き下げにつながっていることを意味する。

kn_ifaintel_06.jpgkn_ifaintel_07.jpgついに“Broadwell-Y”こと「Core M」を正式に発表した(写真=左)。CPUとグラフィックスコアのパフォーマンス向上と省電力によるバッテリー駆動時間の増加、ファンレス設計と4つのメリットをすべて同時に実現する(写真=右)

kn_ifaintel_08.jpgkn_ifaintel_09.jpg2014年に出荷を開始するCore M搭載製品を紹介。スカウゲン氏が持つのはAcerのAspire Switch 12で、クラムシェルスタイルからタブレット、スタンドを立てたコンテンツ閲覧モードまで、複数のスタイルに変形できる機構を持つ2in1タブレットだ

 Core Mがターゲットとしているのは、既存のCore iシリーズよりモバイルデバイスのクラスで、かつ、Atom搭載モデルより高い処理性能を求めるラインアップだ。主に2in1ノートPCが中心になる。なお、Core Mは14ナノメートルプロセスルールを採用した最初のCPUだが、今後、Core iシリーズにも順次展開する予定で、2015年前半には製品を市場に投入する計画だ。

kn_ifaintel_10.jpgkn_ifaintel_11.jpgUltra-Mobile Notebookと読んだ2010年登場の薄型ノートPCとCore M搭載2in1タブレットの比較。パフォーマンスの向上やバッテリー駆動時間の増加、さらに薄く軽いボディでファンレス冷却を実現しつつ、内部の基板もサイズが小さくなっている

kn_ifaintel_12.jpgkn_ifaintel_13.jpgCore iシリーズとCore Mのそれぞれがターゲットとするラインアップ。タッチ対応のノートPCや2in1タブレットなどでオーバーラップしている(写真=左)。“Broadwell-Y”ことCore Mは、14ナノメートルプロセスルールに対応する。14ナノメートルプロセスルールは今後順次Core iシリーズで展開していき、2015年前半には対応製品が登場する予定だ(写真=右)

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