7月29日〜8月2日にシアトルで開催されたマイクロソフト主催の学生向けITコンテスト「Imagine Cup 2014」(関連記事)。その中で、各国から集まった取材陣1人1人に対し15分間、マイクロソフトのエグゼクティブに個別インタビューする時間が与えられた。
筆者が取材できることになったのは、マイクロソフトのゼネラルマネージャーKurt Steck氏。Steck氏は、開発者や(オーディエンスへの)エヴァンジェリズム部門を束ねるグローバルチームのリーダーで、開発者向けのマーケティングやイベント(今回のImagine CupやIT技術者のためのイベントTechEdなど多数)を担当している。エグゼクティブインタビューができるというせっかくの機会だったので、小型カメラ「GoPro」を頭に装着しながら取材を行った。
まず聞いてみたかったのが、日本の開発者コミュニティをどう見ているかということだ。日本では現在、非常にたくさんの開発者コミュニティが勉強会やワークショップなどを開催している。しかし、HTML5やRuby、Perl、JavaScriptといった開発者コミュニティ活動に実際参加してみると、ほとんどの人がiPhoneやMacbookを持参しており、それを見ると、このようなコミュニティの人たちにとってはWindows OSよりもMac OSの方が身近になっているようにも感じる。この現状に対し、どのように感じているのか。また、Windows OSにより親近感を持ってもらうために、何かアイデアがあるのか聞いてみた。
筆者 日本の開発者コミュニティに参加すると、iPhoneやMacbookを持参している人がとても多いように感じます。この現状についてどう思いますか?
Steck氏 マイクロソフトにとって、またWindowsにとって、そのようなイベントはとても重要だと考えています。なので、そういった傾向があるということはあまりうれしいことではありません。もう少し現状を調べ、理解を深めるためのアクションを取らなければならないと思っています。
Steck氏 マイクロソフトCEOのSatya Nadellaも言っているように、今私たちは製品の使い方や開発の仕方自体を変えようとしています。具体的には、「デバイスをまたがる」ということです。さまざまなデバイス向けに開発する際、開発しやすく費用対効果が高い形で実現できるようにと考えています。
そうなったとき、私たちの強みはこれまでに学生を対象としたイベントを世界で何千件とやっていることです。これらの歴史や学生向けのプログラムを既に持っているということは、非常に誇りに思っています。
続いての質問は、マイクロソフトにとって「学生の開発者」とはどのような存在なのかということ。今回のImagine Cupもそうだが、前述にもあるとおりマイクロソフトは多くの学生向けプログラムを行っている。なぜ、学生に対しそこまで力を入れているのだろうか。
筆者 マイクロソフトにとって「学生の開発者」は、どのような存在ですか?
Steck氏 例えば、Imagine Cupの目標は「世界中の学生たちにインスピレーションを与え、テクノロジーを通じて学生たちのアイデアを実現させること」です。さらに、業界における大きなトレンドへの適合も視野に入れ、毎回フォーカスを当てる部分を変えるようにしています。
今回であれば、「いろんなデバイスで遊べることを基にしたゲーム開発」や「イノベーション」など。特にイノベーションの分野では、学生たちが想像力にたくましく自由に作れるようにと、あえて細かくきっちり定義しませんでした。
Steck氏 学生の開発者は、マイクロソフトにとって最も重要なうちの1つです。なぜなら、学生たちの知識や知恵、イノベーション(革新)が、マイクロソフトと一般のユーザーを結び付けてくれるものだと考えているからです。だからこそ、学生を対象としたプログラムを充実させ、興奮しながら(楽しみながら)教育もしっかり受けてもらいたい、そういった願いを込めてやっています。
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