NECは中国Lenovo Groupとの間で携帯電話事業の統合をめぐる交渉を進めていたが、Lenovoによる過半出資や特許について合意に至らず、交渉は棚上げとなった。この件に詳しい情報筋が7月17日、明らかにした。
日本経済新聞が17日付けで報じたところによると、NECは携帯電話事業の統合をめぐるLenovoとの交渉が不調に終わったことを受け、不採算部門であるスマートフォン事業から撤退する計画という。NECは既にPC事業をLenovoと統合している。
情報筋によると、NECはLenovo以外の相手との提携を模索したり、スマートフォンの新規開発を凍結して既存の携帯端末ラインにフォーカスしたりなど、まだ幾つかの選択肢を検討中という。
NECとLenovoからはコメントを得られなかった。
世界第2位のPCメーカーであるLenovo GroupはPC出荷の減少を受け、スマートフォンやタブレット、企業向けコンピューティングといった急成長分野への参入を目指し、提携や買収を進めている。
メディアの報道やこの件に詳しい情報筋によると、NECは携帯端末事業を担当する子会社であるNECカシオモバイルコミュニケーションズの売却や提携の可能性について、今年に入り、Lenovoとの交渉を進めていたという。
NECカシオモバイルコミュニケーションズはNECが株式の70%を保有しており、日立製作所も主要株主となっている。
NECはかつて日本の携帯電話市場のトップだったが、現在、市場シェアは約5%にまで縮小している。
日本経済新聞の報道を受けて、NECの株価は4.8%値を上げ、6週間以上ぶりの高値となる242円で取引を終えた。日経平均株価は0.1%の上昇だった。香港で上場しているLenovoの株価は0.7%上昇している。(1ドル=99.2850円換算)
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