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「Surface Pro 3」に死角ありか?――パフォーマンス、スタミナ、発熱、騒音をテスト

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まずはモバイルPCとしての基礎体力をチェック

 この夏の本命Windowsタブレット——そんな呼び声も高い「Surface Pro 3」。

 確かに前モデル「Surface Pro 2」から画面サイズを大型化しながら、よりボディを薄く軽く仕上げ、機能面の充実まで果たしたことは驚異的な進歩と言える。キーボード付きカバーや筆圧ペンを組み合わせることで、タブレットとしても、ノートPCとしても、デジタルノートとしてもフル活用できるのは大きな魅力だ。

Surface Pro 3日本マイクロソフトが7月17日に発売した「Surface Pro 3」。写真は純正アクセサリの「Surface Proタイプカバー」を装着した様子

 すでにPC USERではさまざまな角度からのレビューやニュース記事を掲載してきたが、今回からスタートする特集ではSurface Pro 3の実力により深く迫っていく。

 第1回はモバイルPCとしての基礎体力を調べるべく、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の発熱と騒音を計測してみた。比較対象として前モデルのSurface Pro 2も同条件でテストし、結果を併記している。

 モバイルPCでは、本体の薄さや軽さはもちろん、性能、バッテリーライフ、放熱設計の作り込み、そしてそれらのトータルバランスがユーザー体験に大きな影響を及ぼす。今回のテスト結果は特にSurface Pro 3をヘビーに使いたいユーザーにとって重要な指標になるはずだ。

Surface Pro 3とSurface Pro 2の詳細スペック比較

 テストの前にSurface Pro 3とSurface Pro 2の基本スペックをおさらいしよう。

 今回入手したSurface Pro 3は、第4世代Core i5+8Gバイトメモリ+256GバイトSSDのモデルだ。具体的には、Core i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz)、8Gバイトメモリ(LPDDR3/デュアルチャンネル対応)、256GバイトSSD(6Gbps mSATA SSD)、Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵)、2160×1440ピクセル表示の12型ワイド液晶(アスペクト比3:2)、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateを搭載する。

Surface Pro 3Surface Pro 3Surface Pro 3Surface Pro 3のデバイスマネージャ画面。内蔵の256GバイトmSATA SSDは、Samsung「MZMTE256HMHP-000MV」だった。IEEE802.11a/b/g/n/acの無線LANとBluetooth 4.0のモジュールはMarvell「AVASTER」シリーズだ
Surface Pro 3Surface Pro 3Surface Pro 3Surface Pro 3のCPU-Z情報画面。TDP(熱設計電力) 15ワットで、2コア/4スレッド対応CPUのCore i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz)を搭載する(画像=左)。3次キャッシュは3Mバイト。vPro、VT-d、TSX-NIなどの機能もサポートしたCPUだ。メモリ容量は8Gバイト、デュアルチャンネルアクセスで動作する(画像=中央)。グラフィックス機能には、CPU内蔵のIntel HD Graphics 4400(DirectX 11.1対応、実行ユニットは20基)を用いており、定格クロックは200MHz、最大クロックは1.1GHzだ(画像=右)

 前モデルのSurface Pro 2は、第4世代Core i5+4Gバイトメモリ+128GバイトSSDのモデルだ。Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.3GHz)、4Gバイトメモリ(LPDDR3/デュアルチャンネル対応)、128GバイトSSD(6Gbps mSATA SSD)、Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵)、1920×1080ピクセル表示の10.6型ワイド液晶(アスペクト比16:9)、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateを備えている。

 Surface Pro 2のプリインストールOSはWindows 8.1 Proだが、テスト環境をそろえるため、Windows 8.1 Pro Updateにアップデートした。また、Surface Pro 2は出荷時期によって、Core i5-4300Uを搭載する機体もあるが、今回テストしたのはCore i5-4200U搭載の構成だ。

Surface Pro 2Surface Pro 2Surface Pro 2Surface Pro 2のデバイスマネージャ画面。内蔵の128GバイトmSATA SSDは、SK Hynix「HFS128G3AMNB」だった。IEEE802.11a/b/g/nの無線LANとBluetooth 4.0のモジュールはMarvell「AVASTER」シリーズだ
Surface Pro 2Surface Pro 2Surface Pro 2Surface Pro 2のCPU-Z情報画面。TDP 15ワットで、2コア/4スレッド対応CPUのCore i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)を搭載する(画像=左)。3次キャッシュは3Mバイトだ。メモリ容量は4Gバイト、デュアルチャンネルアクセスで動作する(画像=中央)。グラフィックス機能はSurface Pro 3同様のIntel HD Graphics 4400だが、最大クロックは1.0GHzと、100MHzだけ低い(画像=右)

 Surface Pro 3とSurface Pro 2の主な仕様を下表にまとめた。複数のスペックが存在する項目のうち、今回テストした評価機のスペックは太字で、新旧モデルを比較して変更があるスペックは赤字で記している。こうして見ると、Surface Pro 3の進化ぶりが目を引く。

Surface Pro 3左がSurface Pro 2、右がSurface Pro 3。液晶ディスプレイは1920×1080ドット表示の10.6型ワイド(16:9)から、2160×1440ピクセル表示の12型ワイド(3:2)に進化し、画面サイズと解像度を高めた。画面のアスペクト比も変わったため、縦方向に本体サイズが伸びている
Surface Pro 3左がSurface Pro 2、右がSurface Pro 3。Surface Pro 3は厚さ9.1ミリ、重さ約800グラムの薄型軽量ボディを実現し、従来比で4.4ミリ薄くなり、107グラム軽くなった。背面に装備したキックスタンドは、Surface Pro 2で2段階にチルト角度を調整できたが、Surface Pro 3では画面を立てた状態から150度まで柔軟な角度調整に対応している。側面から見ると、薄さの違いは一目瞭然だ
Surface Pro 3とSurface Pro 2のスペック
製品名Surface Pro 3Surface Pro 2
メーカー日本マイクロソフト日本マイクロソフト
OS64ビット版Windows 8.1 Pro Update64ビット版Windows 8.1 Pro ※テストした環境は8.1 Pro Update
本体サイズ(幅×高さ×厚さ)約292.1×201.4×9.1ミリ約275×173×13.5ミリ
重量(実測値)約800グラム(820グラム)約907グラム(912グラム)
画面サイズ(液晶方式)12型ワイド10.6型ワイド
アスペクト比3:216:9
タッチパネル静電容量式(10点マルチタッチ)静電容量式(10点マルチタッチ)
デジタイザN-trig製、256レベル筆圧対応Surfaceペン付属ワコム製、1024レベル筆圧対応Surfaceペン付属
ディスプレイ解像度2160×1440ピクセル(約216ppi)1920×1080ピクセル(約208ppi)
CPU(コア数/スレッド数)Core i3-4020Y(1.5GHz)、Core i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz)、Core i7-4650U(1.7GHz/最大3.3GHz)Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz)
チップセットCPU内蔵CPU内蔵
vPro対応
GPUCPU統合(Core i3:HD Graphics 4200、Core i5:HD Graphics 4400、Core i7:HD Graphics 5000)CPU統合(HD Graphics 4400)
メモリ4Gバイト(LPDDR3、128GバイトSSDの場合)、8Gバイト(LPDDR3、256G/512GバイトSSDの場合)4Gバイト(LPDDR3、128GバイトSSDの場合)、8Gバイト(LPDDR3、256G/512GバイトSSDの場合)
メモリスロット(空きスロット数)オンボード、デュアルチャンネル転送対応オンボード、デュアルチャンネル転送対応
ストレージ(評価機実装)128GバイトSSD、256GバイトSSD(Samsung MZMTE256HMHP-000MV)、512GバイトSSD128GバイトSSD(SK Hynix HFS128G3AMNB)、256GバイトSSD、512GバイトSSD
ストレージフォームファクタmSATAmSATA
ストレージ接続インタフェースSerial ATA 6GbpsSerial ATA 6Gbps
光学ドライブ
無線LANIEEE802.11a/b/g/n/ac(Marvell AVASTAR Wireless-AC Network Controller)IEEE802.11a/b/g/n(Marvell AVASTAR 350N Wireless Network Controller)
BluetoothBluetooth 4.0Bluetooth 4.0
NFC
センサー加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度
有線LAN
ワイヤレスWAN
キーボード−(オプションでタイプカバーを用意)−(オプションで各種キーボードカバーを用意)
カメライン500万画素/アウト500万画素イン92万画素/アウト92万画素
主なインタフェースUSB 3.0×1、Mini DisplayPort出力×1、ヘッドフォン/マイク共用(3.5ミリ)、カバー用ポート、DC入力(専用端子)USB 3.0×1、Mini DisplayPort出力×1、ヘッドフォン/マイク共用(3.5ミリ)、カバー用ポート、DC入力(専用端子)
メモリカードスロットmicroSDXCメモリーカードmicroSDXCメモリーカード
SIMカードスロット
その他カードスロット
スピーカー(音質補正ソフトウェア)ステレオステレオ
マイクデュアルモノラル
指紋センサー
セキュリティチップTPM 2.0TPM 1.2
セキュリティロックポート
キックスタンド無段階調整(最大150度)2段階調整(114度/130度)
InstantGo対応
バッテリー動作時間約9時間約7時間
バッテリー仕様42ワットアワー42ワットアワー
ACアダプタ実測サイズ(幅×奥行き×高さ)50×90×22ミリ50×94×29ミリ
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み)161グラム/203グラム202グラム/244グラム
ACアダプタ出力仕様12ボルト/2.58アンペア、5ボルト/1.0アンペア(USB)12ボルト/3.6アンペア、5ボルト/1.0アンペア(USB)
ACアダプタ対応電圧100〜240ボルト(50/60Hz)100〜240ボルト(50/60Hz)
DC端子形状角形(専用端子 ※改良型)角形(専用端子)
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側)2ピンメガネ型2ピンメガネ型
防水/防滴
カラーバリエーションシルバーチタンカラー
オフィススイートMicrosoft Office Home & Business 2013Microsoft Office Home & Business 2013
発売日2014年7月17日2013年10月25日

 参考までに、Surface Pro 3のラインアップと価格は下表の通りだ。現状でCore i3モデルのみ「2014年秋以降の発売予定」とされており、具体的な販売時期が明らかになっていない。そのほかのモデルは販売中だ。

「Surface Pro 3」の製品ラインアップ(個人向け)
製品名CPUメモリ容量ストレージ容量価格(税別)発売日
Surface Pro 3Core i34Gバイト64Gバイト9万1800円2014年秋以降
Core i54Gバイト128Gバイト11万1800円2014年7月17日
Core i58Gバイト256Gバイト13万9800円2014年7月17日
Core i78Gバイト256Gバイト16万4800円2014年7月17日
Core i78Gバイト512Gバイト20万2800円2014年7月17日

「Surface Pro 3」の製品ラインアップ(法人向け)
製品名CPUメモリ容量ストレージ容量価格(税別)発売日
Surface Pro 3Core i54Gバイト128Gバイト10万800円2014年7月17日
Core i58Gバイト256Gバイト12万8800円2014年7月17日
Core i78Gバイト256Gバイト15万3800円2014年7月17日
Core i78Gバイト512Gバイト19万1800円2014年7月17日
※法人向けモデルはOfficeが別売となる

 それでは、次のページからパフォーマンスを検証していこう。

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