まずはモバイルPCとしての基礎体力をチェック
この夏の本命Windowsタブレット——そんな呼び声も高い「Surface Pro 3」。
確かに前モデル「Surface Pro 2」から画面サイズを大型化しながら、よりボディを薄く軽く仕上げ、機能面の充実まで果たしたことは驚異的な進歩と言える。キーボード付きカバーや筆圧ペンを組み合わせることで、タブレットとしても、ノートPCとしても、デジタルノートとしてもフル活用できるのは大きな魅力だ。
すでにPC USERではさまざまな角度からのレビューやニュース記事を掲載してきたが、今回からスタートする特集ではSurface Pro 3の実力により深く迫っていく。
第1回はモバイルPCとしての基礎体力を調べるべく、パフォーマンス、バッテリー駆動時間、動作時の発熱と騒音を計測してみた。比較対象として前モデルのSurface Pro 2も同条件でテストし、結果を併記している。
モバイルPCでは、本体の薄さや軽さはもちろん、性能、バッテリーライフ、放熱設計の作り込み、そしてそれらのトータルバランスがユーザー体験に大きな影響を及ぼす。今回のテスト結果は特にSurface Pro 3をヘビーに使いたいユーザーにとって重要な指標になるはずだ。
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●レビュー
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●ニュース
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Surface Pro 3とSurface Pro 2の詳細スペック比較
テストの前にSurface Pro 3とSurface Pro 2の基本スペックをおさらいしよう。
今回入手したSurface Pro 3は、第4世代Core i5+8Gバイトメモリ+256GバイトSSDのモデルだ。具体的には、Core i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz)、8Gバイトメモリ(LPDDR3/デュアルチャンネル対応)、256GバイトSSD(6Gbps mSATA SSD)、Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵)、2160×1440ピクセル表示の12型ワイド液晶(アスペクト比3:2)、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateを搭載する。
前モデルのSurface Pro 2は、第4世代Core i5+4Gバイトメモリ+128GバイトSSDのモデルだ。Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.3GHz)、4Gバイトメモリ(LPDDR3/デュアルチャンネル対応)、128GバイトSSD(6Gbps mSATA SSD)、Intel HD Graphics 4400(CPU内蔵)、1920×1080ピクセル表示の10.6型ワイド液晶(アスペクト比16:9)、64ビット版Windows 8.1 Pro Updateを備えている。
Surface Pro 2のプリインストールOSはWindows 8.1 Proだが、テスト環境をそろえるため、Windows 8.1 Pro Updateにアップデートした。また、Surface Pro 2は出荷時期によって、Core i5-4300Uを搭載する機体もあるが、今回テストしたのはCore i5-4200U搭載の構成だ。
Surface Pro 3とSurface Pro 2の主な仕様を下表にまとめた。複数のスペックが存在する項目のうち、今回テストした評価機のスペックは太字で、新旧モデルを比較して変更があるスペックは赤字で記している。こうして見ると、Surface Pro 3の進化ぶりが目を引く。
Surface Pro 3とSurface Pro 2のスペック | ||
---|---|---|
製品名 | Surface Pro 3 | Surface Pro 2 |
メーカー | 日本マイクロソフト | 日本マイクロソフト |
OS | 64ビット版Windows 8.1 Pro Update | 64ビット版Windows 8.1 Pro ※テストした環境は8.1 Pro Update |
本体サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約292.1×201.4×9.1ミリ | 約275×173×13.5ミリ |
重量(実測値) | 約800グラム(820グラム) | 約907グラム(912グラム) |
画面サイズ(液晶方式) | 12型ワイド | 10.6型ワイド |
アスペクト比 | 3:2 | 16:9 |
タッチパネル | 静電容量式(10点マルチタッチ) | 静電容量式(10点マルチタッチ) |
デジタイザ | N-trig製、256レベル筆圧対応Surfaceペン付属 | ワコム製、1024レベル筆圧対応Surfaceペン付属 |
ディスプレイ解像度 | 2160×1440ピクセル(約216ppi) | 1920×1080ピクセル(約208ppi) |
CPU(コア数/スレッド数) | Core i3-4020Y(1.5GHz)、Core i5-4300U(1.9GHz/最大2.9GHz)、Core i7-4650U(1.7GHz/最大3.3GHz) | Core i5-4200U(1.6GHz/最大2.6GHz) |
チップセット | CPU内蔵 | CPU内蔵 |
vPro | 対応 | − |
GPU | CPU統合(Core i3:HD Graphics 4200、Core i5:HD Graphics 4400、Core i7:HD Graphics 5000) | CPU統合(HD Graphics 4400) |
メモリ | 4Gバイト(LPDDR3、128GバイトSSDの場合)、8Gバイト(LPDDR3、256G/512GバイトSSDの場合) | 4Gバイト(LPDDR3、128GバイトSSDの場合)、8Gバイト(LPDDR3、256G/512GバイトSSDの場合) |
メモリスロット(空きスロット数) | オンボード、デュアルチャンネル転送対応 | オンボード、デュアルチャンネル転送対応 |
ストレージ(評価機実装) | 128GバイトSSD、256GバイトSSD(Samsung MZMTE256HMHP-000MV)、512GバイトSSD | 128GバイトSSD(SK Hynix HFS128G3AMNB)、256GバイトSSD、512GバイトSSD |
ストレージフォームファクタ | mSATA | mSATA |
ストレージ接続インタフェース | Serial ATA 6Gbps | Serial ATA 6Gbps |
光学ドライブ | − | − |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac(Marvell AVASTAR Wireless-AC Network Controller) | IEEE802.11a/b/g/n(Marvell AVASTAR 350N Wireless Network Controller) |
Bluetooth | Bluetooth 4.0 | Bluetooth 4.0 |
NFC | − | − |
センサー | 加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度 | 加速度、ジャイロ、電子コンパス、照度 |
有線LAN | − | − |
ワイヤレスWAN | − | − |
キーボード | −(オプションでタイプカバーを用意) | −(オプションで各種キーボードカバーを用意) |
カメラ | イン500万画素/アウト500万画素 | イン92万画素/アウト92万画素 |
主なインタフェース | USB 3.0×1、Mini DisplayPort出力×1、ヘッドフォン/マイク共用(3.5ミリ)、カバー用ポート、DC入力(専用端子) | USB 3.0×1、Mini DisplayPort出力×1、ヘッドフォン/マイク共用(3.5ミリ)、カバー用ポート、DC入力(専用端子) |
メモリカードスロット | microSDXCメモリーカード | microSDXCメモリーカード |
SIMカードスロット | − | − |
その他カードスロット | − | − |
スピーカー(音質補正ソフトウェア) | ステレオ | ステレオ |
マイク | デュアル | モノラル |
指紋センサー | − | − |
セキュリティチップ | TPM 2.0 | TPM 1.2 |
セキュリティロックポート | − | − |
キックスタンド | 無段階調整(最大150度) | 2段階調整(114度/130度) |
InstantGo | 対応 | − |
バッテリー動作時間 | 約9時間 | 約7時間 |
バッテリー仕様 | 42ワットアワー | 42ワットアワー |
ACアダプタ実測サイズ(幅×奥行き×高さ) | 50×90×22ミリ | 50×94×29ミリ |
ACアダプタ実測重量(本体のみ/ケーブル込み) | 161グラム/203グラム | 202グラム/244グラム |
ACアダプタ出力仕様 | 12ボルト/2.58アンペア、5ボルト/1.0アンペア(USB) | 12ボルト/3.6アンペア、5ボルト/1.0アンペア(USB) |
ACアダプタ対応電圧 | 100〜240ボルト(50/60Hz) | 100〜240ボルト(50/60Hz) |
DC端子形状 | 角形(専用端子 ※改良型) | 角形(専用端子) |
プラグケーブル端子形状(ACアダプタ側) | 2ピンメガネ型 | 2ピンメガネ型 |
防水/防滴 | − | − |
カラーバリエーション | シルバー | チタンカラー |
オフィススイート | Microsoft Office Home & Business 2013 | Microsoft Office Home & Business 2013 |
発売日 | 2014年7月17日 | 2013年10月25日 |
参考までに、Surface Pro 3のラインアップと価格は下表の通りだ。現状でCore i3モデルのみ「2014年秋以降の発売予定」とされており、具体的な販売時期が明らかになっていない。そのほかのモデルは販売中だ。
「Surface Pro 3」の製品ラインアップ(個人向け) | |||||
---|---|---|---|---|---|
製品名 | CPU | メモリ容量 | ストレージ容量 | 価格(税別) | 発売日 |
Surface Pro 3 | Core i3 | 4Gバイト | 64Gバイト | 9万1800円 | 2014年秋以降 |
Core i5 | 4Gバイト | 128Gバイト | 11万1800円 | 2014年7月17日 | |
Core i5 | 8Gバイト | 256Gバイト | 13万9800円 | 2014年7月17日 | |
Core i7 | 8Gバイト | 256Gバイト | 16万4800円 | 2014年7月17日 | |
Core i7 | 8Gバイト | 512Gバイト | 20万2800円 | 2014年7月17日 | |
「Surface Pro 3」の製品ラインアップ(法人向け) | |||||
---|---|---|---|---|---|
製品名 | CPU | メモリ容量 | ストレージ容量 | 価格(税別) | 発売日 |
Surface Pro 3 | Core i5 | 4Gバイト | 128Gバイト | 10万800円 | 2014年7月17日 |
Core i5 | 8Gバイト | 256Gバイト | 12万8800円 | 2014年7月17日 | |
Core i7 | 8Gバイト | 256Gバイト | 15万3800円 | 2014年7月17日 | |
Core i7 | 8Gバイト | 512Gバイト | 19万1800円 | 2014年7月17日 | |
※法人向けモデルはOfficeが別売となる |
それでは、次のページからパフォーマンスを検証していこう。
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