タブレット共存のワークスタイル「さらに増すPCの重要度」、レノボが提案する法人市場戦略
レノボ・ジャパンは7月17日、ビジネスノートPC「ThinkPad X240s」「ThinkPad T440s」および超小型デスクトップPC「ThinkCentre M93p Tiny」など法人向けクライアント全5シリーズを発表。製品群の紹介とともに、企業向け製品群においてもタブレット/スマートデバイスの需要が増えつつある現在、なおさらPCの重要性が増し、これら機器を使う場所に応じてシームレスに使い分けるとする同社のグローバル戦略「PC+」の考え方を改めて説明した。
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Lenovoグループは2013年第2四半期の調査で初のPCシェアトップ(16.7%)を獲得。過去4年間で世界シェアおよび売上げが2倍、利益は4倍以上、2012年度は過去最高の業績を示すなど、PC事業が特に好調。PCに加え、より成長傾向にあるスマートデバイス(スマートフォン、タブレットなど)分野、当然法人市場も含む“PC+”の分野に今後積極的に投資する考えとする。
「PCは2013年第2四半期でシェアトップとなったが、通年でのトップではなく、社内的には実はそれほどお祝い気分ではない。PCの通年トップシェア獲得はもちろん、成長するスマートデバイス分野も含めた“PC+”の市場でのトップシェア獲得こそが真のトップシェアだと思っている。また、ThinkPadシリーズは日本のレノボ大和研究所(横浜市)がリードして開発する製品群、そしてACアダプタの共通化やNEC米沢事業場での一部ThinkPad製造など、日本市場で協業するNECパーソナルコンピュータとのシナジー効果がエンドユーザーに分かる範囲でも出てきており、お互いに“PC+”の戦略を推進する。大和研究所+NEC PCの“チームジャパン”として、世界に対してどんどん発信したい」(レノボ・ジャパン 大和研究所の横田総一執行役員常務)
特に法人市場においては「タブレット」の存在、そしてニーズの高まりが鍵の1つになる。オフィスワークならオールインワンノートかデスクトップ、外勤スタッフはモバイル──といったように1台ですべてをカバーする「シングルデバイスの働き方」から、オフィス、移動中、外出時なっど場所に応じて複数の機器を自然に使い分ける(使う機器を縛らない)「マルチデバイスの働き方」が主軸になると想定される。
2017年にかけてタブレット市場は3倍強、法人市場に限れば2016年度に4倍近くまで伸びると予測され、“タブレットがあるのでPCは不要”とする考え方も聞かれる。ただ、こと法人/業務向け市場においては「逆に、PCの重要度が上がる」(レノボ・ジャパン ThinkClient Brand Managerの土居憲太郎氏)という。
場所に適した機器を使うことで「見るコンテンツ」(タブレット向け)と「作るコンテンツ」(PC)、それぞれ適する役割・作業に注力でき、特に“作る”を主軸とするPCにおいて「ミスを軽減」できる、だから「生産性の向上につながる」という考え方だ。
タブレットについては、“ThinkPadクオリティ”──特に法人ニーズに対する堅牢性とセキュリティ性能を備えた「ThinkPad Tablet 2」の引き合いが多数あるとし、先日発表したドコモのXi(LTE)対応モジュール内蔵モデル「ThinkPad Tablet 2 for DOCOMO Xi」を販売するNTTドコモ(法人営業部)も、「法人タブレットニーズに対し、軽く、薄く、頑丈。使い勝手も非常によいので、“間違いない方向”と認識している。タブレットに関する期待が非常に高まるっている現在、ドコモとしても注力して扱っていきたい」(NTTドコモ 法人営業担当の眞藤努取締役常務執行役員)と意気込む。モバイルデータ通信を外出時も利用できるエンドユーザー側の利便性向上に加え、MDMソリューションと連携したリモートロック/ワイプ機能など、機器紛失時のセキュリティ確保を実現する「企業管理者目線でのセキュリティ性」も向上できるメリットを特に強く訴求する考えだ。
「企業が業務機器導入にあたり課題としているキーワードは、重量・起動時間・パフォーマンス・バッテリー動作時間・堅牢性、情報漏えい対策・シンクライアント環境・VPN環境・ウイルス対策・社内アプリ開発・RDT(リモートデスクトップ接続)・盗難防止対策・キーボードの操作性・社員教育──について。この重要キーワードのバランスをどう取っていくかが課題であり、小型、堅牢、パフォーマンス、すべてを妥協しない現在のThinkPadシリーズはそれぞれが高い次元でバランスが取れているのが大きな強み」(土居氏)
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