ココが「○」 |
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・6.7ミリ厚、426グラムの超薄型軽量 |
・素晴らしく美しい液晶ディスプレイ |
・IPX5/IPX8の防水、IP5Xの防塵性能 |
ココが「×」 |
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・Androidタブレットでは価格が高め |
・防水防塵のカバー開閉が煩わしい |
・先代機とアクセサリの互換性なし |
はじめに:大幅に進化したXperiaの新世代タブレット
2014年夏の本命タブレットはコレで決まりか?——ソニーモバイルコミュニケーションズから非常に強力な10.1型Androidタブレット「Xperia Z2 Tablet」が登場した。
薄型軽量かつ防水防塵(ぼうじん)ボディで支持を集めた先代の「Xperia Tablet Z」から基本スペックを一新しつつ、ボディはさらに薄く軽くなり、より洗練されたデザインに生まれ変わっている。画質、音質、カメラ、アプリなど、各部のブラッシュアップも見逃せない。
今回はソニーマーケティングが取り扱うWi-Fiモデル「SGP512JP」(5月31日発売で実売価格は税別5万5500円前後)と、KDDIが販売するLTE/3Gモデル「SOT21」(7月中旬発売予定)の試作機を入手したので、SOT21を中心にその実力をじっくりチェックしていこう。
なお、Xperia Z2 TabletにはNTTドコモのLTE/3Gモデル「SO-05F」(6月下旬発売予定)も用意されている。
サイズ感チェック:より洗練された薄型軽量・防水防塵のボディ
まず目を引くのが、10型以上の液晶を保有するWi-Fi/LTE/3Gタブレットでは世界最薄・最軽量(2014年5月7日現在、ソニーモバイル調べ)を誇るボディだ。
本体サイズは266(幅)×172(高さ)×6.4〜6.7(奥行き)ミリ、重量はWi-Fiモデルが約426グラム、LTE/3Gモデルが約439グラムと、圧倒的に薄くて軽い。最厚部は公称値で6.7ミリあるが、見た目にはどの部分が厚くなっているのか分からず、フラットな印象を受ける。重量の実測値は前者で426グラム、後者で436グラムとほぼ公称値通りだった。初めて手にしたときは、見た目から想像する以上の軽さを体感できる。
先代のXperia Tablet Zと比較した場合、フットプリントはまったく同じだが、本体厚は0.5ミリ(最厚部で0.2ミリ)薄くなり、重量は約69グラム(LTE/3Gモデルは約56グラム)軽くなっている。数字を見ると大きな差ではないが、先代でも非常に薄型軽量だったため、そこからの進化を高く評価したい。実際に新旧モデルを持ち比べてみたが、薄さ、軽さとも違いがはっきり体感できた。
一方、薄型軽量タブレットの代表格といえば、アップルの9.7型タブレット「iPad Air」が思い浮かぶが、こちらはWi-Fiモデルで240(幅)×169.5(高さ)×7.5(奥行き)ミリ、約469グラムというスペックだ。Xperia Z2 Tabletは画面サイズがこれより少し大きく、搭載する端子や防水防塵のため、フレームを太めにデザインしていることもあり、幅は26ミリ、高さは2.5ミリ長いが、本体厚は0.8ミリ薄く、重量は約43グラム軽い。
これほどまでの薄型軽量ボディを実現できたのは、超高剛性FRPパネルとフレームを一体化したユニボディ構造の採用が大きい。内蔵バッテリーの薄型化や軽量化もこれに貢献している。
デザインコンセプトは、360度どこから見ても美しい外観と、どのポジションでも持ちやすいことを意識した「オムニバランス(全方位型)デザイン」を継承。ヘアライン調のサイドパーツや、アルミニウム製の精巧な電源ボタン、ステンレス製のカメラリングなど、細部までこだわっている。端子カバーの継ぎ目も丁寧に消し込み、ほとんどノイズのないシンプルでモダンな雰囲気だ。
後述する液晶ディスプレイの美しさの影響もあり、先代に比べてもグッと洗練された印象を受ける。実際に手に持って眺めてみると、薄さ、軽さの感覚も加わり、その印象はさらに強くなるだろう。四隅に丸みがあり、手触りのよいマットな質感も持ち心地をよくしている。
さらに特筆すべきは、JIS規格(JISC0920)の保護等級に準拠する防水防塵性能を備えていることだ。防水仕様については、浸水耐性がIPX7(水深1メートル)等級からIPX8(水深1.5メートル)等級へと強化された。IP5X等級の防塵性も引き続き備えている。10型クラスで世界最薄・最軽量、しかも防水防塵のボディは、競合機種に対する大きなアドバンテージだ。
防水性、防塵性の規格内容 | ||
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IPコード | 意味 | 試験内容 |
IPX5 | 噴流に対して保護する | 内径6.3ミリの放水ノズルを使用し、2.5〜3メートルの距離から約12.5リットル/分の水を最低3分間注水する条件で、あらゆる方向から噴流を当てる |
IPX7 | 水に浸しても影響がないように保護する | 常温で水道水、かつ静水の水深1メートルのところに沈め、約30分間放置する |
IPX8 | 水に浸しても影響がないように保護する | 常温で水道水、かつ静水の水深1.5メートルのところに沈め、約30分間放置する |
IP5X | 塵埃(じんあい)の侵入を完全に防止することはできないが、電気機器の所定の動作および安全性を阻害する量の塵埃は侵入しない | 直径75マイクロメートル以下の塵埃が入った装置に8時間入れてかくはんさせる |
もちろん、スタミナ面も犠牲にしていない。公称のバッテリー駆動時間は、Wi-Fi Web閲覧時で約11時間、ビデオ再生時で約13時間、音楽再生時で約200時間と、それぞれ先代から大幅に延びた。これは基本スペックの刷新と、Android 4.4の導入(Xperia Tablet Z発売当時はandroid 4.1)が大きいと思われる。ちなみに充電時間は約5.8時間だ。
なお、バッテリーの仕様は先代機と同じく6000mAhとだけ仕様表に表記されている。電流仕様のみの表記は携帯電話業界の慣習だが、これでは容量が分からず、電圧仕様が異なる可能性がある他製品と横並びで比較できない。PCのように電圧仕様(V)の併記、あるいは容量(Wh、mWh)での公表を望みたいところだ。
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