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“空気の読める人工知能”が稼働、「未来の会議室」はこう変わる

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著者プロフィール:松岡功(まつおか・いさお)

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ITジャーナリストとしてビジネス誌やメディアサイトなどに執筆中。1957年生まれ、大阪府出身。電波新聞社、日刊工業新聞社、コンピュータ・ニュース社(現BCN)などを経てフリーに。2003年10月より3年間、『月刊アイティセレクト』(アイティメディア発行)編集長を務める。(有)松岡編集企画 代表。

 主な著書は『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。ITmedia エンタープライズでも「Weekly Memo」を連載中。


 「みんなで効果的なパスを出し合ってつないでいければ、よい結果が生まれるかもしれないなぁ」

 新事業開発に向けた会議で、メンバーのひとりが意見の出し合いをサッカーに例えてこうつぶやいた。それを聞いた他のメンバーが思いついたように言葉を返した。

 「それってITでなんとかできるんじゃないか」──。

 日本ユニシスと大日本印刷がこのほど、集団でアイデアを出し合うブレインストーミング形式の会議において、最先端のITを活用して多彩なアイデアの創出を支援するシステムの共同開発に乗り出した。両社は2012年8月に業務提携を行い、新たな事業やサービスの創出を模索をはじめた。今回の共同開発はその一環として具現化したものだ。

 冒頭に紹介した新事業開発に向けた会議でのやりとりは、実は両社の共同プロジェクト会議で今回の新システムを思いついた瞬間のひとコマである。つまり、共同プロジェクト会議での実体験がきっかけとなって、「未来の会議室」の共同開発プロジェクトが動き出した。

photo日本ユニシスと大日本印刷による「未来の会議室」共同プロジェクトのイメージ(出典:日本ユニシス)

日本ユニシスと大日本印刷による「未来の会議室」共同プロジェクト

 そんな臨場感のあるやりとりを語ってくれたのは、共同プロジェクト会議のメンバーでもある日本ユニシス総合技術研究所の羽田昭裕所長と戸木貞晴上席研究員。両氏への取材をもとに、新システムの開発の背景や具体的な仕組みを探ろう。

photo日本ユニシス総合技術研究所の羽田昭裕所長(右)と戸木貞晴上席研究員(左)

 開発の背景については、先に紹介した共同プロジェクト会議でのやりとりに凝縮されている。両氏は捕捉するようにこう説明した。

 「ブレインストーミングに代表される会議では、ある一定量にアイデアが達した段階で、進行が停滞するケースが多く見られる。また、新たなアイデアをひとりで発想する場合や、いつもと同じメンバーで話し合う場合には、斬新な意見や新たな発想が出にくい傾向がある」

 そこで両社が考案したのが今回の新システムである。具体的には、ブレインストーミング中に出された意見のキーワードや文章などを入力することによって、その言葉から連想される言葉や類似する言葉をヒントとして提示する。これをきっかけに、参加者が新たな発想を得てアイデアを創出できるように支援するのである。

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