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Citrixの経営幹部が語る文化の独自性、競合との差別化

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Citrixの文化に共感して入社

 米国・カリフォルニア州アナハイムにて、米Citrixは年次カンファレンス「Citrix Synergy 2014」を開催している。会期中にはプレスおよびアナリストとCitrixの経営陣による質疑応答セッションが行われた。

左からスティーブ・ダヒーブ氏、スダカー・ラーマクリシュナ氏、デビッド・ヘンシャル氏左からスティーブ・ダヒーブ氏、スダカー・ラーマクリシュナ氏、デビッド・ヘンシャル氏

 今回のイベントを通じて同社が繰り返し発信しているのが、「Culture(文化)」というフレーズである。初日のキーノートでは、マーク・テンプルトンCEOが「世界をより良くすることが創業以来の我々の文化だ」と説き、「文化(社員の価値)+共感(顧客の価値)」という方程式がCitrixの基礎になっていると述べた。

 ただし、テンプルトン氏自身が文化の中心的存在と言えなくもない。2014年中にCEO退任が決まっている中、今後どのように文化を継続して、社員のロイヤリティを維持していくのか。この点について、デビッド・ヘンシャルCOO(最高執行責任者)兼CFO(最高財務責任者)は、「一人一人が文化の担い手になっていかねばならない。そのためには入社した初期の段階からCitrixの文化は何であるか、お互いにどう付き合っていくべきかをしっかり伝えていく必要がある」と話す。米国企業において同社は転職率が低いというのも文化の表れだという。実際、ヘンシャル氏は2003年に入社し、10年以上も同社に勤めている。

 同社シニアバイスプレジデントのスティーブ・ダヒーブCMO(最高マーケティング責任者)と、同社シニアバイスプレジデント兼ゼネラルマネジャーでエンタープライズ・サービスプロバイダー担当のスダカー・ラーマクリシュナ氏はともに2013年に入社したばかりだが、「Citrixの文化や価値に共感して入社した。技術よりも社風にひかれた」(ラーマクリシュナ氏)、「とにかく人の意見に聞く耳を持ち、横柄な態度はとらない。この文化はこれからも変わらない」(ダヒーブ氏)としている。

顧客の声に耳を傾け続けている

 この確固たる文化こそが、ビジネスにおいても他社との大きな差別化要因になっているのだという。例えば、デスクトップ仮想化ソリューションやEMM(エンタープライズモバイル管理)ソリューションの分野で多くの競合がいる中、「我々は昨日、今日に始まったわけではない。ビジネスの汎用性、広さがほかのベンダーとは違う」とヘンシャル氏は言い切る。

初日のキーノートでテンプルトンCEOが示した「方程式」初日のキーノートでテンプルトンCEOが示した「方程式」

 具体的にどういうことか。Citrixはリモートアクセス製品をメインに扱っていた25年前の創業時から、いつでもどこでも仕事ができる環境作りに尽力し、現在同社が掲げる「Mobile Workspace」というビジョンにつなげてきた。この背景にあるのは、「顧客志向」という同社の文化にほかならないというのがヘンシャル氏の見解だ。

「ビジョンの継続性、これがCitrixにとって今や真のケイパビリティとなっている」(ヘンシャル氏)

 ラーマクリシュナ氏も「顧客の問題を解決するという視点に立った製品、サービス開発が重要だ。例えば、かつて多くの企業のIT部門はAppleが大嫌いだった。クライアントPC管理の都合からMacを社内で使ってほしくないからだ。しかしエンドユーザーはMacが使いたいと言う。そうしたユーザーが増えてきた結果、IT部門も変わり、さまざまなデバイスが利用できるようになった。ビジネスにおいてもユーザーの視点に立ち戻らないといけない」と強調した。

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