ヤフーは3月27日、イー・アクセスを子会社化すると発表した。イー・アクセスは6月1日付けでウィルコムを吸収合併する予定で、翌日付けでヤフーがソフトバンクからイー・アクセス株式を3240億円で取得し、合併後新会社を子会社化する形。ヤフーは携帯電話事業者を傘下に持つことで、日本で初めての「インターネットキャリア」をうたい、携帯事業「Y!mobile」を展開する。
6月1日付けでイー・アクセスがウィルコムを吸収合併した上で、ヤフーは親会社に当たるソフトバンクから合併後イー・アクセス株式の99.59%(議決権比率は33.29%)を取得し、子会社化する。新社名は「ワイモバイル」とし、社長にはヤフーの宮坂学社長が就任する。
ヤフーがうたう「インターネットキャリア」は、音声通話を「主」・インターネットサービスを「従」とする「通信キャリア」と異なり、インターネットサービスを「主」・音声通話を「従」とし、「シンプルな料金体系・仕組みで全ての人の手元にインターネットを届けることを目標とするもの」という。
ヤフーは「Yahoo!プレミアム」の会員・収入増加といった相乗効果を期待するほか、スマートフォンユーザーの増加で広告やEC、コンテンツなどの市場拡大につなげ、グループの記帳価値向上を図るとしている。
宮坂社長は都内で開いた会見で「インターネットのキャリア事業を新たに始める。フルセットでキャリア、携帯電話の会社として新たに事業を開始したい」と述べた。
イー・アクセスとソフトバンクモバイルは移動体通信サービスのネットワークの相互活用などで提携しているが、ヤフーによる子会社化後も提携関係に大きな影響はないとしている。
イー・アクセスはソフトバンクが2012年に買収。2013年3月期の売上高は2207億円。PHS専業だったウィルコムは10年に経営破たんし、ソフトバンクがスポンサーとして経営を再建、昨年7月にソフトバンクの子会社になっていた。13年3月期の売上高は1693億円。
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