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未来への先手か、無計画な散財か──Oculusを買収するFacebookの“大いなる野心”

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REUTERS

 FacebookにもやはりGoogleへの羨望があるのだろうか。

 ソーシャルネットワーク大手の米Facebookがゴーグル型仮想現実(VR)端末メーカーのOculus VRを20億ドルで買収するとの発表は、ウォール街や業界関係者を驚かせた。まだ技術が実証されておらず、実質収入がゼロである企業の買収にこれほどの額が支払われるとなれば、驚きはなおさらだ。

 だが、「次なるプラットフォームに賭けたい」というFacebookの願いからは、同社の野心の高まりがうかがえる。これまでFacebookは主に既存サービスの強化や差し迫った脅威への自衛策に力を注いできたが、同社のマーク・ザッカーバーグCEOは3月25日、「次なるプラットフォーム」という言葉を用いて、この買収の趣旨を説明した。

 こうした戦略は、Facebookよりも同社の最大のライバルであるGoogleがしばしば用いるやり方であり、「次なるブーム」に早くから賭けるのはGoogleの得意とするところだ。今では4台に3台のスマートフォンに搭載されているAndroid OSをGoogleが買収したのは、まだPCが優勢だった2005年のことだ。Googleは現在は自走自動車やロボットに関連したプロジェクトを進めている。

 FacebookによるOculusの買収について、ベンチャー投資家のジェフ・クラビエ氏は次のように指摘する。「Facebookにとっては、これまでのように次なるヒット商品や自衛措置という観点からではなく、真に将来を見据えた初めての買収となる」

 「インパクトという点では、Oculusが無人自動車などの技術ほどワクワクできるものかは分からない。だが少なくともこれは未来の技術であり、いずれ確実に大衆市場へと発展するはずだ」と、ベンチャー基金SoftTech VCの創業者兼業務執行社員のクラビエ氏は語る。

 投資家はザッカーバーグ氏の未来予想に確信を持てないようだ。Facebookの株価は26日午後の取引で6%以上値を下げ、60ドル70セントで取引された。

 今回の買収が、Facebookが現金と株式合わせて190億ドルでWhatsAppを買収する計画を発表してから2カ月も経たないうちの発表となったことから、「無計画な散財の始まり」を懸念する声も高まっている。

 「世界を完全にシャットアウトするゴーグルを付けて何時間も過ごしたいと思う人が大勢いるのだとすれば、驚きだ」と、業界アナリストのロジャー・ケイ氏は指摘する。同氏が26日付けでForbesのWebサイトに投稿した記事は、「よし、分かった。思い切って言うけれども、マーク・ザッカーバーグはばか野郎だ」との書き出しで始まっている。

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