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極薄ボディのスタミナは十分か?――「Xperia Tablet Z」

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←・Xperia Tablet Z マニアックス(2):密閉された極薄ボディは熱くならないのか?——「Xperia Tablet Z」

薄型軽量化はバッテリーに跳ね返ってくるものだが……

tm_1305xptz3_01.jpgソニーの10.1型Androidタブレット「Xperia Tablet Z」は、6.9〜7.2ミリ厚で約495グラムの超薄型軽量ボディに、容量6000ミリアンペアアワーのバッテリーを詰め込んでいる

 ソニーの“極薄”Androidタブレット「Xperia Tablet Z」をディープに検証する本特集。前回(第2回)は、薄型軽量で防水防塵のボディが動作時にどれくらい発熱するかを調べた。

 今回は薄型軽量ボディの採用により、発熱とともに気になるバッテリー駆動時間をテストする。今回も比較対象となる10型クラスのAndroidタブレットとして、前モデルの「Xperia Tablet S」(SGPT123JP/S)と、GoogleとSamsungが共同開発したハイスペックモデル「Nexus 10」の計測結果を併記した。これらの仕様は下表の通りだ。

tm_1304xptz2_04.jpgtm_1304xptz2_05.jpgtm_1304xptz2_06.jpg左からソニーの新モデル「Xperia Tablet Z」、前モデル「Xperia Tablet S」、そしてAndroidタブレットのフラッグシップ機に相当する「Nexus 10」
今回テストした10型クラスのAndroidタブレット
製品名Xperia Tablet Z Wi-Fi (SGP312JP/B)Xperia Tablet S (SGPT123JP/S)Nexus 10 (16Gバイトモデル)
メーカーソニーソニーGoogle (Samsung Electronics製)
OSAndroid 4.1.2Android 4.1.1Android 4.2.2
液晶ディスプレイ10.1型IPS9.4型IPS10.055型IPS ※PLS
画面解像度1920×1200ドット (約224ppi)1280×800ドット (約160ppi)2560×1600ドット (約300ppi)
SoCQualcomm Snapdragon S4 Pro APQ8064NVIDIA Tegra 3Samsung Electronics Exynos 5
CPUコアKrait (クアッドコア、1.5GHz)Cortex-A9 (クアッドコア+コンパニオンコア、1.3GHz)Cortex-A15 (デュアルコア、1.7GHz)
GPUコアAdreno 320ULP GeForce (12コア)Mali T604 MP4 (クアッドコア)
メモリ2Gバイト1Gバイト2Gバイト
ストレージ32Gバイト64Gバイト16Gバイト
通信機能IEEE802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 4.0、NFCIEEE802.11a/b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0IEEE802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 3.0、NFC
カメラ220万画素(イン)、810万画素(アウト) ※いずれも「Exmor R for mobile」100万画素(イン)、800万画素(アウト) ※アウトのみ裏面照射型CMOS約190万画素(イン)、約500万画素(アウト)
搭載センサー類GPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロ、FMラジオGPS、デジタルコンパス、照度、3軸加速度、ジャイロGPS、デジタルコンパス、照度、加速度、ジャイロ、気圧計
カードスロットmicroSDXCカード(SDXC対応)SDメモリーカード(SDHC対応)
インタフェースMicro USB(MHL対応)×1、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、赤外線(リモコン用)マルチポート(HDMI出力、USBにオプション対応)×1、ヘッドフォン出力/マイク入力兼用×1、赤外線(リモコン用)Micro USB、Micro HDMI、ヘッドフォン出力
スピーカーステレオステレオステレオ
マイクモノラルモノラルモノラル
バッテリー容量6000ミリアンペアアワー6000ミリアンペアアワー9000ミリアンペアアワー
バッテリー駆動時間音楽再生時:約110時間、ビデオ再生時:約10時間、Wi-Fi Web閲覧時:約8.2時間スタンバイ時:約1050時間、ビデオ再生時:約12時間、Wi-Fi Web閲覧時:約10時間スタンバイ時:約500時間、ビデオ再生時:最大9時間、Wi-Fi Web閲覧時:最大7時間、音楽再生:最大90時間
バッテリー充電時間約6.5時間約5.5時間非公開
外形寸法(幅×高さ×厚さ)266×172×6.9〜7.2ミリ239.8×174.4×8.8〜11.85ミリ263.9×177.6×8.9ミリ
重量(公称値)約495グラム約570グラム約603グラム
重量(実測値)480グラム555グラム601グラム
防水/防塵防水(IPX5/7)、防塵(IPX5X)防滴(IPX4)

長時間バッテリー駆動のコツは輝度設定にあり

 ソニーによるXperia Tablet Z Wi-Fi(SGP312JP/B)の公称バッテリー駆動時間は、音楽再生時で約110時間、ビデオ再生時で約10時間、Wi-Fi Web閲覧時で約8.2時間だ。

 バッテリー容量は前モデルのXperia Tablet Sと同じ6000ミリアンペアアワーを確保しているが、液晶ディスプレイの大型化や高解像度化に伴い、公称のバッテリー駆動時間は少々短くなった。今回はバッテリー駆動時間を延ばすより、6.9〜7.2ミリの薄さ、約495グラムの重さという圧倒的な薄型軽量を最優先したモデルチェンジといえる。

 なお、Nexus 10は2560×1600ドットの高解像度液晶ディスプレイを搭載するため、消費電力では不利になるが、9000ミリアンペアアワーの大容量バッテリーを内蔵することで、長時間のバッテリー駆動に配慮している。

tm_1304xtziv1_26.jpgtm_1304xtziv1_27.jpgXperia Tablet Z(写真=左)とXperia Tablet S(写真=右)の内部構造。バッテリー容量はどちらも6000ミリアンペアアワーだ。Xperia Tablet Zは本体とともにバッテリーも薄型化され、そのぶん面積が広い3セルタイプとなった。Xperia Tablet Sの中央に配置されたバッテリーは2セルで構成されていた

 バッテリー動作時間のテストは、液晶ディスプレイの輝度を最大まで上げ、自動調光はオフ、Wi-Fi/GPSはオン、Bluetoothはオフ、音量は50%(ヘッドフォン出力)という条件で、「mVideo Player(開発者:afzkl氏)」を使い、MPEG-4 AVC/H.264(Baseline Profile)形式の1080p動画ファイルをリピート再生させて行った。

 ちなみに液晶ディスプレイを最大輝度まで上げた状態では、Xperia Tablet Sが目立って明るく、その次にNexus 10で、Xperia Tablet Zは一番暗かった。試しにカラーキャリブレーションセンサーの「i1 Display Pro」で計測した表面輝度は、Xperia Tablet Sが456カンデラ/平方メートル、Nexus 10が421カンデラ/平方メートル、Xperia Tablet Zが399カンデラ/平方メートルだ。最も暗いXperia Tablet Zでも約400カンデラ/平方メートルの高輝度表示なので、実際の見た目はかなり明るく見栄えがよい。

 さて、この条件でバッテリー満充電の状態からテストを開始し、自動的に電源が切れるまで、Xperia Tablet Zは約4時間18分動作した。より明るいNexus 10は5時間56分、Xperia Tablet Sは6時間6分というテスト結果だ。Xperia Tablet Zは10型クラスのAndroidタブレットとして抜群の薄さと軽さを実現した一方、やはりスタミナ面では少々不利という結果になった。

tm_1305xptz3_02.jpg輝度最大で1080pのHD動画を再生し続けた場合のバッテリー駆動時間

 もっとも、最大輝度でタブレットを使い続けるケースはまれだろう。試しに液晶ディスプレイの輝度を50%まで下げ(輝度の実測値は97カンデラ/平方メートル)、バッテリー満充電の状態から同じ動画を再生し続けたところ、9時間39分まで駆動時間を延長できた。明るくない室内では十分な輝度を保ちつつ、ビデオ再生時で約10時間という公称値に近い良好な結果だ。

 また、輝度50%の状態でPC USERのトップページを1分おきに自動でリロードし続けるという、無線LAN経由でのWebブラウズを想定したバッテリーテストも行ったところ、8時間56分と公称値の約8.2時間を上回る結果が得られた。このようにバックライト輝度などをうまく調整すれば、長時間のバッテリー駆動にも耐えうる

tm_1305xptz3_03.jpg輝度を50%まで下げ、HD動画再生やWebブラウズをし続けた場合のバッテリー駆動時間

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