2013年5月8〜10日まで開催中の「第16回 組込みシステム開発技術展(ESEC2013)」において、ユビキタスは、2012年12月に資本・業務提携を発表(関連記事1)した村田製作所との共同展示コーナーを設け、クラウド連携買い物メモ「どこでも買い物メモシステム」を参考展示した。
冷蔵庫の中にある“在庫切れ”になった食材などを、専用リモコン(食材の名称がボタンに割り当てられている)でワンタッチで指定して、その情報をクラウドサービス上にアップロードし、手持ちのスマートフォンなどから閲覧することができる。
“メモ”というだけあって、その操作は非常にシンプルだ。例えば、冷蔵庫の中にある牛乳が切れた場合、それに気がついた人が専用リモコンの[牛乳]ボタンを押す。その情報が宅内のAP(Access Point)経由でインターネット上のクラウドサービスに送られ、管理される。その情報を出先にいる別の家族が帰宅前にスマートフォンなどで閲覧し、在庫切れの食材を買って帰るといった具合だ。「メモを書いて渡したり、出先にいる家族の誰かに電話したり、メールしたりしなくても、在庫切れの情報を共有し、どこからでも確認できる」(説明員)。展示会場では、iOS向けの専用アプリでクラウドサービス上の情報を閲覧・操作してみせたが、Webブラウザ上で閲覧・操作できるようにすれば、デバイスの種類やアプリのインストールの有無などにかかわらず、家族全員で同じ買い物メモを見ることができる。
「検討の初期段階では、冷蔵庫の中にあるものを全て管理しようと考えたが、女性社員からの意見を参考に『ないもの・なくなったものをすぐにメモできるもの』を目指して開発を進めてきた」(説明員)という。スマートフォンのアプリなどでもリモコン機能を実現できるが、「それだと、家事をしている濡れた(あるいは、油などが付いた)手でスマートフォンを触ることになる」(説明員)ため、専用リモコンで実現する案に行き着いたそうだ。
専用リモコンには、STマイクロエレクトロニクスの32ビットアプリケーションプロセッサ(STM32F205 120MHz)とブロードコムのWi-Fiモジュール(BCM43362)を一体化した村田製作所製の「無線LAN Smartモジュール(LBWA1ZAYDZシリーズ)」を搭載。ユビキタスのソフトウェアプラットフォーム「Ubiquitous Network Framework」と、Wi-Fi Protected Access(WPA)サプリカントのソフトウェア「Ubiquitous WPA」を組み込んでいる。液晶ディスプレイなどは非搭載で、配置されているのはボタンのみ。電池で駆動する。なお、クラウド側の開発はユビキタスが担当しているとのことだ。
今後の可能性として、「例えば、在庫切れの食材データと、近所にあるスーパーマーケットの特売情報をひもづけて表示させるなど、他のWebサービスと連携させることも考えられる」(説明員)という。
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