米Microsoftは5月21日、8年ぶりとなる新型ゲーム機「Xbox One」を発表した。リビングルームにおける主導権を握るべく、独占コンテンツを多数取り揃え、これまでにない最強の布陣で戦いに挑むかまえだ。
Xbox Oneは4年をかけて開発された。21日には、この新型ゲーム機の独占コンテンツとして、スティーブ・スピルバーグ監督がXboxのキラータイトル「Halo」を題材とした実写ドラマシリーズを手がけることも発表された。
シアトル近郊のMicrosoft本社で開かれた発表イベントにおいて、同社ゲーム部門の責任者であるドン・マトリック氏は「世界発売は年内になる」と記者らに語った。発売時期と価格の詳細は明らかにされていない。
さらにActivision Blizzardの大ヒットシリーズ「Call of Duty」の最新作も、まずはXbox Oneでダウンロードコンテンツが先行配信される予定という。
最近はモバイル端末でゲームを試すユーザーが増えているが、Microsoftは同社の第3世代のゲーム機となるXbox Oneでゲームユーザーを引き付け、リビングルームにおけるエンターテインメントの中心的役割を担いたい考えだ。
Xbox Oneはテレビと連係するほか、音声やジェスチャーでも操作でき、Skypeでのグループビデオ通話にも対応する。15本の独占ゲームタイトルのほか、Xbox Oneのみで視聴できるオリジナルのテレビ番組コンテンツも提供される。
Xbox Oneは650億ドル規模のゲーム市場におけるシェア拡大を目指し、主に任天堂の最新ゲーム機「Wii U」やソニーが発売予定の次世代機「プレイステーション4(PS4)」を相手に戦うことになる。
Forrester Researchのジェームズ・マキビー氏は、Microsoftがこの新製品を「ゲーム機」ではなく「エンターテインメントシステム」と呼んでいる点に言及し、Xboxを「メディアとエンターテインメントコンテンツの窓」として位置付けようというMicrosoftの新たな意気込みを示す変化だ、と指摘する。
「Microsoftはゲームという枠組みから抜け出そうとしている。スマートTVやタブレット、スマートフォンの時代において、ホームエンターテインメントの中心的存在となるべく、Microsoftはソニーや任天堂だけでなく、AppleやGoogleなどの企業とも戦うかまえだ」と同氏。
世界的に有名な映画監督兼プロデューサーであるスティーブ・スピルバーグ氏が、Xbox One向けにMicrosoftの大人気SFゲーム「Halo」をテレビシリーズ化することも発表された。Haloはゲーム市場でトップクラスの売上高を誇る人気ゲームシリーズの1つだ。
Microsoft幹部によれば、さらにXbox Oneでは、全米プロフットボールリーグ(NFL)の独占コンテンツのほか、ゲームの新シリーズも8本提供される見通し。
Reutersの取材に対し、Microsoftのインタラクティブエンターテインメントビジネス部門担当上級副社長を務めるユスフ・メディ氏は独占タイトルや独占コンテンツへの投資額の公表は断り、「かなり本気で取り組んだ」と述べるにとどめている。
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