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「車の中でもネット」必須に スマホと車載機の連係機能、小型車にも拡大へ

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REUTERS

 自動車メーカー各社はスマートフォンとの連係により、低価格なシティカーの装備を充実させ、市場で優勢に立とうとしのぎを削っている。緊縮財政に疲弊している欧州では、小型のシティカーが新車販売の約10%を占めるまでに成長している。

 ジュネーブで開催されるモーターショーでは、独Opelの「Adam Rocks」、仏Peugeotの「Peugeot 108」、仏Citroenの「Citroen C1」、トヨタの「Aygo」など、新型のコンパクトシティカーが各種公開される。いずれも、スマートフォンに保存された音楽ライブラリやナビゲーション地図を表示するための大きめのマルチメディア画面を搭載するのが特長だ。

 こうした機能が大きな魅力となることは既に高級車市場では実証済みだが、ここへきて、こうした機能はIT慣れした若年層向けの新種の小型シティカーにも追加されるようになってきている。

 「かつては高級車向けの機能だったが、今ではローエンドからミッドエンドの市場にも広まりつつある」と、車載“インフォテインメント”システムを手がける米オーディオ大手Harman Internationalのディネシュ・パリワルCEOは語る。インフォテインメントとは、情報とエンターテインメントを融合させたものだ。

 「ライフスタイルが変化し、人々はもはや『自動車に乗っているから』というだけの理由ではネット接続をあきらめられなくなっている」と、パリワル氏は語る。

 新種のシティコンパクトカーは独BMWの「MINI」よりも小型なAセグメント車に分類され、軽量かつ低燃費で維持費を低く抑えられるのが特長だ。

 こうした新型シティカーのメーカー希望小売価格は9500〜1万1500ユーロ(1万3100〜1万5900ドル)程度。長期に及ぶ経済危機から脱しつつある欧州市場において、初めて車を購入する層に人気を博している。

 調査会社IHS Automotiveによれば、Aセグメント車の販売台数は2013年から2017年の間に10.6%上昇する見通しという。

 ただしアナリストによれば、メーカーが成功するためには、若年層のドライバーの間で高まる、「運転中もスマートフォン上の情報とエンターテインメント(即ちインフォテインメント)を利用したい」という要望に応える必要がある。

 「初めて車を買う人の多くは年齢が若く、従来の顧客よりもITに詳しい。自動車メーカーはこの点を無視するわけにはいかない」と、車載ソフトウェアメーカーQNX Software Systemsの自動車業界担当ディレクター、アンドリュー・ポリアク氏は語る。QNXは、カナダの携帯端末メーカーBlackBerryの傘下にある。

 米調査会社IDCによれば、スマートフォンの出荷台数は2013年に10億台を突破し、従来の携帯電話の販売台数を初めて上回ったという。出荷された携帯電話端末のうち、スマートフォンが占める割合は55.1%だった。

 こうした状況を踏まえ、Harman Internationalは車載インフォテインメントシステムの売上高が2013年から2016年の間に14%増加すると見込んでいる。世界の乗用車販売台数については、その半分以下の成長率が予想されている。

 ただし、自動車の機能を充実させようという取り組みはすべて成功してきたわけではない。Fordは車載インフォテインメントシステム「SYNC」を提供するも、不具合が目立ち、米国の品質調査ランキングで順位を落としている。

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