高級仕様のハイエンドスマートフォンの市場が飽和状態となる中、携帯電話業界は目下、100ドル以下のスマートフォンに対する需要の急増に目を向けている。ただし、すべてのメーカーが安価な方向にシフトできるわけではなく、また、そうしたいわけでもない。
バルセロナで開催されたモバイル業界最大の年次見本市「Mobile World Congress」では、話題の多くが「大画面を備えた最新で割高なスマートフォン」から「エントリーレベルの新種のスマートフォン」へとシフトしている。アナリストによれば、業界にとって今はそうしたローエンド機種こそが成長を期待できる最大の分野だという。
「今やどの端末も同じに見える」。そう語るのは、8つの広大な会場に展示されている各種の新製品を見て回ったという、英CCS Insightのアナリスト、ベン・ウッド氏だ。
「韓国Samsungや米Apple、フィンランドのNokiaといった大手が他社との差別化を図るのはますます難しくなってきている」と、同氏は続ける。
市場調査会社の米IDCが2月26日に語ったところによれば、需要が中国などの発展途上国にシフトする中、世界のスマートフォンの出荷台数の伸びは2014年に大きく鈍化し、2018年まで減速を続け、平均価格も大幅に下落する見通しという。
そこで、携帯電話メーカー各社は目下、販売価格が100ドル以下の新しい低価格機種に力を入れている。こうした低価格スマートフォンは、数百ドルで販売されている現行のトップエンド機よりも機能や性能面で劣る。昨年までは、Mobile World Congressでもそうしたハイエンドスマートフォンがメディアの注目とマーケティング費用をほぼ一身に集めていた。
この新規市場をリードしているのは中国企業だ。既に世界的なブランド力を持つところもあれば、まだ国外では事実上無名のところもあるが、いずれも技術面とデザイン面での知識を深め、品質を犠牲にすることなくコストの引き下げを実現している。
前出CCS Insightのウッド氏によれば、今のところ、この市場で成功しているのは中国のHuaweiやLenovo、TCL Communicationsなどであり、まだあまり知られてないGioneeやOppo、CorePadなどの新興勢力も数年後には世界的なビッグネームになることが予想されるという。
いずれの企業にも、世界最大の携帯電話市場である中国をホームグラウンドとしている強みがある。
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