使い始めて数カ月、じわじわ実感する「ビジネスPCの本命」の実力
タブレットやスマホ、2in1マシンもいいが、それは併用するもの。仕事の母艦マシンはやはりPCでなければ──。そう感じているビジネスユーザーはたくさんいるだろう。筆者もその1人だ。
筆者が導入した業務のためのマシンは「ThinkPad X240s」(以下、X240s)である。X240sは2013年7月登場のモデルで、筆者は導入からすでに数カ月使い込んでいる。導入から本格運用期に移行して分かったX240sならではのポイントをじっくり確認していこう。
実は導入直後から普段のテストマシンとしてリポートするつもりだったのだが、X240sで本当に本格運用をはじめてしまった。あまりにも使い勝手がよすぎて外出時には欠かせない存在になってしまい、リポート作業のために本来の業務の環境が崩れることを惜しみ、ズルズルここまで来てしまった……。申し訳ありません。
さて、X240sは、12.5型ディスプレイ+重量1.34キロと、モバイルマシンの正道を行くプレミアム志向のコンパクトノートPCだ。X240sは2014年2月現在、レノボ・ショッピングでのオーダー受付はしていないようだが、そのベーシックモデル「ThinkPad X240」は2014年度のオフィス導入マシンとしてかなり人気なようだ。DNAのほとんどは共通のため、これからオフィス用として選定するためのX240のテストリポートと思ってもらっても構わない(……と思う)。
数カ月使用した結論から言ってしまうと、「期待以上」だ。ThinkPad X200s以降のこのクラスのモデルはすべて良好な仕上がりのモデルが多いが、X240sもその後継として、業務マシンとして、文句がない仕上がり。まさに傑作、マスターピースと言っても過言ではない。その詳細含め、これから数回にわたってリポートしていこう。
「シンプルでモダンな」ニューカラー
X240sで一番気に入っているのが、ボディのデザインと外装の質感だ。派手さはないがシンプルでスッキリしていて、クドさがない。こちら、デザインがいいといっても「部屋に大事に飾っておきたい。うっとり美的だ」といったよさではなく、業務マシンとしてガンガン持ち歩いて使いたいという気にさせる系統のものである。
2013年1月に行われた新ThinkPadシリーズの発表会でThinkPadデザイン担当の高橋知之氏(レノボ・ジャパン大和研究所 デザイン/ユーザーエクスペリエンス部長)が登壇し、現ThinkPadシリーズのデザインコンセプトを語った。その際に挙げていた「シンプルでモダンなデザイン」というそれに込めたテーマを、改めて見事に具現化していると感じる。
「マットで真っ黒なブラックではなく、色味を加え、サラッとしたややつやのある仕上げ」と表現された新しいブラックカラーを筆者はとても気に入っている。旧世代のラバー質の真っ黒なマットブラック塗装も好きだったが、どちらかではなく、どちらにもよさがある。
特に手触りがよい。サラッとしていてベトつきがなく、意味なくすりすりしたくなる感触なのである。このあたりは、カーボンファイバー素材の中でも最高級といわれるサテライトグレード(人工衛星に使われるものと同等)のカを使用しているゆえのボディのソリッドさも大いに影響している。
なお、カーボンファイバー素材を使用していない基本シリーズのX240については、パッと見はX240sと変わらないようが、触れた感触はやはり少し異なっていた。X240sのほうが硬質で、すりすりした時の感触がキモチイイ。発表会でX240の天板に触れながら、プレミアムシリーズのX240sユーザーであることにちょっと優越感に浸ってしまっていたのはここだけの話だ。
なお、同じくサテライトグレードのカーボンファイバーを使用している14型ハイスペックシリーズの「ThinkPad T440s」も同じ感触なので、店頭展示などで触れられる機会があればぜひすりすりと触れて確認してみてほしい。X240sの受注が早く再開されることを願う次第である。
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