パナソニックが2014年2月24日に発表した法人向け堅牢タブレット「TOUGHPAD(タフパッド)FZ-E1/FZ-X1」(詳細記事「パナソニック、法人向け堅牢スマホ発売——製造現場などの過酷環境で使用」)。5型液晶ディスプレイ搭載のハンディタイプで、音声通話対応や約14時間の長時間バッテリー駆動といった特徴に加え、3mからの落下にも耐える耐落下・衝撃性能やIP65/IP68準拠の防塵・防滴/防水性能など「屋外の過酷な現場で使える情報端末」をコンセプトにしたBtoB向け製品だ。
同社は1996年の堅牢PC「TOUGHBOOK(タフブック)」を皮切りに、堅牢タブレット「TOUGHPAD」(2012年)など、堅牢性を備えた汎用モバイル端末を展開してきた。「タフ〜」シリーズの主なターゲットは屋外の過酷な環境下で作業を行う現場業務だが、医療現場向けにも2010年2月に「CF-H1」(2010年4月発売)、2011年7月に「CF-H2」(2011年10月発売)などTOUGHBOOKのヘルスケアモデルを市場に投入している。
これら医療向けモデルの特徴は「耐薬品性能」だ。同社で独自開発した薬品に強い表面材質を採用。医療現場で機器の消毒・滅菌に使われるアルコールや次亜塩素酸などの薬品での拭き取り耐久試験を独自に実施しており、数万回に及ぶ拭き取りでも本体が薬品で腐食されないようになっている。
「今回の新製品もかなりの耐薬品性能は備えているのだが、CF-H1/CF-H2のように薬品に強い材質を採用し、実際に拭き取り試験を実施したわけではない。新製品は今後、個々の業界向けのカスタマイズ要望に柔軟に対応していく予定で、その中で医療現場向けはもちろん視野に入れている。CF-H1/CF-H2並みの耐薬品性能にカスタマイズすることも十分可能」(同社)。
また医療現場では薬品による消毒・滅菌とともに、機器自体を“丸洗いできること”へのニーズが非常に高いという。5型 HD(1280×720ピクセル)解像度の液晶ディスプレイ採用で165×87×31mm・約430gの手のひらサイズとなる今回のFZ-E1/FZ-X1は、IP65/IP68準拠の高い防滴/防水性能でジャブジャブと丸水洗いできるところも医療向けの条件をクリアしているといえる。
24時間勤務となる医療施設では長時間のバッテリー駆動は必須だが、さらに電源を入れたままバッテリー交換可能な「ホットスワップ対応」も欠かせない機能だ。CF-H1/CF-H2のヘルスケアモデルではしっかり対応していたが、今回のFZ-E1/FZ-X1もホットスワップに対応している。
「医療現場では小型・軽量化のニーズが高く、現行のヘルスケアモデル(CF-H1/CF-H2)の改善要望にも“もっと小さく軽く”という声が多い。新製品のFZ-E1/FZ-X1に耐薬品性能を付加すればこうしたニーズに応えられるヘルスケアモデルになる。医療向けのカスタマイズの声には迅速に対応したい」(同社)。
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