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過半数の半導体企業は「窮地に陥るリスクを抱えている」

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 ビジネス・アドバイザリー企業のアリックスパートナーズは2014年2月4日、世界の半導体業界の2014年見通しに関する調査結果を発表した。調査結果によると、上場している半導体チップおよび半導体関連企業191社のうち、半数以上(53%)が財務面で窮地に陥るリスクを抱えている、との見方を示した。また、半導体業界はインテルやクアルコム、TSMCなど半導体売上高の「上位5社」と「それ以外」に2極化しているが、研究開発費の増大などから企業の収益力は低下しており、「大手5社といえども安泰ではない」と同社は警鐘を鳴らす。

業績は「上位5社」と「その他」に2極化

 アリックスパートナーズは、ファブレスを含む半導体チップ企業、ファウンダリ企業、製造装置企業、パッケージ組み立て・検査企業、半導体材料/電子部品企業など、半導体産業に関連する上場企業191社を対象に、2012年10月〜2013年9月まで12カ月間の業績を調査した。対象企業の中には太陽光発電用のデバイスや材料、製造装置企業は含まれているものの、サムスン電子や東芝、富士通、パナソニックなどの総合電機メーカー、およびキヤノン、ニコンといった企業の半導体関連部門の数値は含まれていない、という。

 調査によると、期間中の191社の総売上高は4070億米ドルとなり、前年同期に比べ0.7%の増加となった。EBITDA(税引前利益に特別損益、支払利息および減価償却費を加算した値)は960億米ドルで、同8.9%の増加である。こうした中で、売り上げ上位5社(インテル、クアルコム、TSMC、テキサス・インスツルメンツおよびSKハイニックス)を合計した売上高は、191社総計の約3割を占めることが分かった。また、上位5社のEBITDAは500億米ドルで、総計の半分以上(52%)となる。さらに、上位5社の平均売上高EBITDA比率は41%で、それ以外の186社平均(16%)に比べて約2.5倍と高い。つまり、半導体業界も「上位5社」と「その他」の企業に2極化が進んだ、という。

「大手5社といえども安泰ではない」

tm_140204alix01.jpgアリックスパートナーズでディレクタ・エグゼクティブアドバイザを務める小野寺寛氏

 しかし、アリックスパートナーズでディレクタ・エグゼクティブアドバイザを務める小野寺寛氏は、「大手5社といえども安泰ではない」と指摘する。その理由として、販売費/一般管理費(SG&A)や研究開発費(R&A)といったオーバーヘッドコストの上昇を挙げた。調査によれば、2010年から2013年9月までの間に、SG&AとR&Aの合計支出が平均で34.8%増加している。逆にROCE(投下資本利益率)の平均値は、同じ期間に26%から17%へ9ポイントも低下している。「ムーアの法則が成立しなくなりつつあり、研究開発の不確実性が高まっている」からだ。

 その他186社の中で、売上高EBITDA比率が10%以下の企業が81社あることが分かった。これらの企業は「今後、キャッシュフロー問題を引き起こすことが予想される状況にある」(小野寺氏)と話す。特に、業界内の約53%の企業が財務的に困難な状況に陥るリスクを抱え、さらに、32%の企業は「高いリスク」に直面している、という。

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